JP3383106B2 - 蓋体の弾性反転機構 - Google Patents

蓋体の弾性反転機構

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は蓋体の弾性反転機構に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、蓋体の弾性反転機構として多くの
ものが知られており、その代表的なものとしては所謂三
点ヒンジ機構がある。該機構は、容器本体或いはキャッ
プ本体等の本体後部上端と、それ等上面に穿設させた口
部を閉塞させて、それ等上面に載置させた蓋体の後部下
端とを、適宜間隙をおいて左右一対の第1ヒンジで連結
するとともに、その第1ヒンジ間に設けた逆L字形弾性
板下端を、第1ヒンジよりも下方の本体の後部へ第2ヒ
ンジを介して連結するとともに、弾性板他端を第1ヒン
ジよりも前方の蓋体上面部分に第3ヒンジを介して連結
するものである。 【0003】上記の三点ヒンジ機構では、その弾性板が
蓋体外面に大きく露出するため外見を損なう欠点があ
り、また、蓋体に弾性板を画成するための切り溝を設け
るため、そこから埃等が本体上面に浸入する等の不都合
もあった。 【0004】この様な欠点を解消するものとして、上面
に口部を有する容器体と、上記口部を閉塞して容器体上
面に嵌合された蓋体と、上記容器体後部に板部下端を、
且つ蓋体後部に板部上端を、それぞれ左右一対をなす屈
折部を介して連結し且つ垂直に平行する一対の弾性連結
板とからなり、容器体に対する蓋体着脱に際して、上記
下方左右の屈折部を中心として容器体に対して弾性連結
板が、かつ上方左右の屈折部を中心として蓋体が、弾性
連結板の弾性反転により回動可能に、上記上下の屈折部
を後方からみて、下方左右の屈折部は中間が上昇するテ
ーパに、かつ上方左右の屈折部は中間側が下降するテー
パに、また、上方からみて各左右の屈折部は中間部が後
方へ突出するテーパに、それぞれ形成して構成したもの
が提案されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記反転機構は従来の
三点ヒンジ機構の場合のように、ヒンジの一部が蓋体頂
壁に形成され、かつ頂壁後部に弾性板が露出することが
ないから、また弾性連結板は本体後面側に位置するから
外見が損なわれることがない。また、蓋体解放時に於い
て、弾性連結板を介して本体と蓋体とを離すことができ
るからその蓋体が液体注出等の際に邪魔となることもな
い等種々の効果を発揮できる優れたものであるが、その
構造上各連結板の横幅を比較的広く設けないと良好な弾
性反転を行えない虞がある。 【0006】弾性板の横幅が広いと当然その弾性変形に
大きな力が必要となり、薄肉に形成された屈折部に掛か
る負荷も大きくなり、その部分が損傷し易くなる。 【0007】本発明は、上記した従来技術の欠点を解消
するもので、上記従来機構の利点を維持しつつ効率の良
い反転を行えるとともに、屈折部分に掛かる負担を軽減
してより耐久性を付与することが出来る優れた蓋体の弾
性反転機構を提案するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の蓋体の弾性反転
機構は、上記課題を解決するため、上面に口部4を有す
る本体1と、上記口部4を閉塞して本体1上面に嵌合さ
せるとともに、後部下端を本体後部上端に薄肉ヒンジ7
を介して開閉可能に連結させた蓋体2と、上記薄肉ヒン
ジ7両側部分の蓋体及び本体を前方へ凹ませて形成する
とともに、蓋体及び本体を縦断し、且つ、上記薄肉ヒン
ジ7反対側側面を開放した一対の縦長凹部12,12部分に
各々張架した左右一対の弾性連結板3,3とを備え、上
記蓋体下端部外面に薄肉ヒンジ13を介して上端部を一体
に連結し且つ下端部を本体の上端部より下方へ離間した
位置外面に薄肉ヒンジ14を介して一体に連結させた縦長
帯状に、上記各連結板3を構成したことを特徴とする蓋
体の弾性反転機構として構成した。 【0009】 【作用】図2の状態から、本体1上方へ蓋体2を押し上
げると、図3に示す如く、各弾性連結板3の上端が連結
した部分の蓋体下端部は、薄肉ヒンジ7の回動中心点A
を中心に円弧aに沿う回動軌跡をとろうとし、一方、連
結板3は下端の連結部分を中心に円弧bに沿う回動軌跡
をとろうとする。従って、蓋体2の回動に伴って各連結
板3は延びる様に弾性変形しつつ回動して回動中央部を
通過すると各連結板3の弾性復元力が蓋体2を開く方向
に働き反転する。 【0010】また、上記円弧a及び円弧bの交差する図
3の状態において各連結板3は安定した状態となり、こ
の開蓋状態を安定的に維持する。 【0011】また、閉蓋の際は、図3の状態から蓋体2
を上方へ押し上げれば、上記と同様に各連結板3が作用
して閉蓋し、その状態で各円弧a及びbが交差する状態
となり安定した閉蓋状態を維持する。 【0012】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 【0013】本発明の弾性反転機構は図1乃至図4に示
す如く、本体1と蓋体2と、一対の弾性連結板3,3を
備えている。 【0014】本体1は上面に口部4を有し、例えば、図
1に示す如く、壜等の口頚部に螺合するためのキャップ
本体1でもよく、この場合は周壁5上端より頂壁6を延
設した下端面開口の筒状をなし、周壁5内面を容器体口
頚部等に螺合等することとなる。また、図示しないが容
器本体でも良く、この場合には周壁下端面を底壁で閉塞
することとなる。 【0015】また、上記口部4は図1の実施例の如く小
径筒状に形成したものであっても或いは大径ラッパ状に
形成したものであっても良く、この種キャップ等に使用
される構成であれば採用できる。 【0016】蓋体2は、上記口部4を閉塞して本体1上
面に嵌合させるとともに、後部下端を本体後部上端に薄
肉ヒンジ7を介して開閉可能に連結させている。 【0017】本実施例では、周壁8上端縁より頂壁9を
延設した下端面開口の短筒状をなし、頂壁9裏面所定位
置より上記口部4に液密に嵌合する棒栓10を垂設してい
る。また、本体頂壁6上面周縁部に形成した環状凹部11
に周壁8下端部が嵌合可能に構成している。 【0018】各弾性連結板3は、上記薄肉ヒンジ7両側
部分の本体1及び蓋体2を前方へ凹ませて形成した一対
の縦長凹部12,12部分に張架させている。本実施例に於
いて各縦長凹部12は本体1及び蓋体2を縦断して形成し
ているが、これに限られず、蓋体2が弾性反転して回動
する際に各弾性連結板3の変移の邪魔にならない最小限
の範囲とすることも可能である。 【0019】また、各弾性連結板3は、蓋体下端部外面
に薄肉ヒンジ13を介して上端部を一体に連結し、且つ、
下端部を本体1上端部より下方へ離間した位置外面に薄
肉ヒンジ14を介して一体に連結させた縦長帯状に形成し
ている。両連結板は互いに垂直に平行し、各上下端が水
平に連結している。 【0020】上記の如き本体1及び蓋体2は図3に示す
如き開蓋状態で且つ各連結板3が安定した状態で合成樹
脂の一体成形により形成する。 【0021】 【発明の効果】以上説明した如く本発明の弾性反転機構
は、ヒンジの一部が蓋体頂壁に形成され且つ頂壁後部に
弾性板が露出することがないから、また、弾性連結板は
本体後面側に位置するから外見が損なわれることがな
い。 【0022】また、蓋体に弾性連結板を画成するための
切り溝を形成する必要もないため、そこから埃等が本体
上面に浸入する等の不都合もない。 【0023】また、蓋体開放時に於いて、蓋体を大きく
開放することができるから蓋体が液体注出等の際に邪魔
となることもない。 【0024】更に、連結板の横幅を広く設けなくても良
好な弾性反転を行えるため、薄肉に形成されたヒンジ部
に掛かる負担も少なく、耐久性にも優れたものである。 【0025】また、各弾性連結板が各々縦に張架されて
いるため成形性に優れるという利点も兼ね備えている。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例を示す開蓋状態の斜視図で
ある。 【図2】 同実施例の閉蓋状態の斜視図である。 【図3】 同実施例の開蓋状態の要部側面図である。 【図4】 同実施例の開蓋状態の要部平面図である。 【符号の説明】 1…本体,2…蓋体,3…弾性連結板,4…口部,7…
薄肉ヒンジ,12…縦長凹部,13…薄肉ヒンジ,14…薄肉
ヒンジ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 上面に口部4を有する本体1と、上記口
    部4を閉塞して本体1上面に嵌合させるとともに、後部
    下端を本体後部上端に薄肉ヒンジ7を介して開閉可能に
    連結させた蓋体2と、上記薄肉ヒンジ7両側部分の蓋体
    及び本体を前方へ凹ませて形成するとともに、蓋体及び
    本体を縦断し、且つ、上記薄肉ヒンジ7反対側側面を開
    放した一対の縦長凹部12,12部分に各々張架した左右一
    対の弾性連結板3,3とを備え、上記蓋体下端部外面に
    薄肉ヒンジ13を介して上端部を一体に連結し且つ下端部
    を本体の上端部より下方へ離間した位置外面に薄肉ヒン
    ジ14を介して一体に連結させた縦長帯状に、上記各連結
    板3を構成したことを特徴とする蓋体の弾性反転機構。
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