JP2598837Y2 - 容器口部の閉蓋具 - Google Patents

容器口部の閉蓋具

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JP2598837Y2
JP2598837Y2 JP1993041290U JP4129093U JP2598837Y2 JP 2598837 Y2 JP2598837 Y2 JP 2598837Y2 JP 1993041290 U JP1993041290 U JP 1993041290U JP 4129093 U JP4129093 U JP 4129093U JP 2598837 Y2 JP2598837 Y2 JP 2598837Y2
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孝光 野沢
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、容器の閉蓋具に係り、
特に弾性反転する蓋体付きの閉蓋具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、弾性反転する蓋体付き容器として
多くのものが知られており、その代表的なものとしては
いわゆる三点ヒンジのキャップがある。該キャップは、
キャップ本体の後部上端と、その上面に穿設した注出口
を閉塞されてその上面に載置させた蓋体の後部下端と
を、適宜間隔をおいて左右一対の第1ヒンジで連結して
ある。そして、その第1ヒンジ間に設けた逆L字形弾性
板下端を、第1ヒンジよりも下方のキャップ本体の後部
へ第2ヒンジを介して連結してある。さらに、弾性板他
端を第1ヒンジよりも前方の蓋体上面部分に第3ヒンジ
を介して連結してある。
【0003】このような三点ヒンジ機構による蓋体付き
キャップは、その逆L字形弾性板が蓋体頂壁の後半部外
面に露出してしまう。また、第1ヒンジの左右外端部が
外へエッジ状に突出することとなる。そこで、本出願人
は、実開平2−102368号公報に記載されるよう
な、ヒンジ部の突出を少許にする閉蓋具を考えた。すな
わち、前記公報に記載される閉蓋具は、上面に注出口2
を有する横断面円形の本体4と、前記注出口2を閉塞し
て前記本体4の上面へ載置させた、前記本体4と同一横
断面形状の蓋体7と、これ等本体4と蓋体7との後側面
相互を連結する弾性帯板12とを備える。この弾性帯板
12は、方形状帯板部分12aの両側に、台形状帯板部
分12b,12bを設けている。そして、各台形状帯板
部分12b,12bは、方形状帯板部分12aに頂辺を
連設する台形に形成してある。このため、蓋体7を押し
上げると、弾性帯板12が蓋体7とともに弾性変形し
て、蓋体7の開閉を行うことができる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】前記実開平2−102
368号公報に記載される閉蓋具は、閉蓋時に蓋板の位
置を本体後部から離して、しかも離れた位置で弾性反転
により位置決めできるので、容器内液体の注出に際して
蓋板が邪魔となることがなく便利である。しかし、本出
願人は、鋭意研究の結果、前記公報に記載される閉蓋具
に関して、改良すべき点があることを見い出した。すな
わち、前記公報に記載される閉蓋具は、蓋体を開閉する
際(特に力が強くかかる、蓋体を開放する際)に、蓋体
に印加する力が、蓋体の前方と後方を結ぶ中心線上から
少しでもずれると、弾性帯体12に対して剪断力が強く
発生してしまう。つまり、使用者が蓋体を開けるとき
に、蓋体の前部中心からずれた位置に指をかけてしまっ
たり、開ける方向が傾斜ぎみになると、弾性帯体12に
捻れ(ひねり)が発生し、この捻れは、方形状帯板部分
12aを中心に、両台形状帯体部分12b,12bにか
けて弾性帯体12を剪断するよう作用する。このため、
弾性帯体12の劣化が早くなってしまう。
【0005】本考案は前記事項に鑑みなされたものであ
り、弾性反転する蓋体を備える閉蓋具において、閉蓋時
の弾性帯体の突出を防止して外見を良好にするととも
に、手触りの感触も良い閉蓋具を、耐久性に優れたもの
とすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は、上面に口部2
を有する本体1と、前記口部2を閉塞して前記本体1の
上面へ載置させた蓋体3と、前記本体1と蓋体3との後
側面相互を連結する少なくとも2枚の弾性帯板7,7と
を有するキャップにおいて、以下の構成を備えた容器口
部の閉蓋具とした。
【0007】すなわち、前記本体1及び蓋体3の外周面
を、それぞれ複数の平面からなる同一の多角形状に形成
する。また、前記弾性帯体7,7は、本体後側の1つの
平面14a,14bと蓋体後側の1つの平面6a,6b
と同一の幅に形成し、かつ前記弾性帯板7,7の両端7
c,7dを前記平面14a,14bと前記平面6a,6
bに薄肉ヒンジ部10,11で連結する。また、一方の
弾性帯板7と他方の弾性帯板7との間を、本体1及び蓋
体3のそれぞれにて、少なくとも1つの平面14,6に
よって分断する。
【0008】さらに、この弾性帯板7,7に対応した前
記本体1及び蓋体3の外側部に前記弾性帯板7,7を収
容する本体側収容溝8,8と蓋体側収容溝9,9を設け
る。以上のように構成することにより、前記各弾性帯板
7,7の両側縁7a,7bは本体1及び蓋体3の多角形
状外周の角部に沿わせた状態となる。
【0009】
【作用】蓋体3は、各弾性帯板7,7が反転することに
より、本体1の口部を開閉する。蓋体3が閉じている
際、弾性帯板7,7は、本体側収容溝8,8内と蓋体側
収容溝9,9内に収納され、弾性帯板7,7の外表面
は、各弾性帯板7,7が連結されている本体1及び蓋体
3の各平面と同一平面となる。また、弾性帯板7,7の
両側縁は、本体1及び蓋体3の各平面の両端部、すなわ
ち多角形状における角部に位置する。このため、弾性帯
板7,7は、本体1及び蓋体3の外周面からは突出しな
い。また、蓋体3を開閉する際、弾性帯体7,7は分断
されているので、蓋体3に印加されるひねりの力は、弾
性帯体7に対して、剪断力ではなく引張力として作用す
る。
【0010】
【実施例】本考案の一実施例を図1ないし図4に基づい
て説明する。図1ないし図4において、1は上面に口部
2を有する横断面16角形状の本体であり、該本体1は
下端面開放によりキャップとしてもよく、また下端面閉
塞により容器としてもよい。
【0011】3は、前記口部2を閉塞して本体1の上面
に載置させた蓋体で、前記本体1と同一の横断面形状を
有する。すなわち、蓋体3の横断面形状も16角形状で
ある。前記蓋体3は中央部下面から前記口部2内へ嵌合
する栓4を垂設してあり、かつ頂板5から蓋体周壁6を
垂設してある。前記蓋体周壁6は16の平面により形成
されている。また、本体1の外周も、蓋体3と同様に1
6の平面により形成される本体周壁14となっている。
【0012】さらに、前記蓋体3の前端には、突辺18
が設けられており、開閉する際に使用者の指をかけ易い
ようにしてある。本体1と蓋体3との後側面相互は、一
対の弾性帯板7,7により連結されている。すなわち、
一方の弾性帯板7が本体周壁14の1つの平面14aと
蓋体周壁6の1つの平面6aとを連結するとともに、他
方の弾性帯板7が本体周壁14の1つの平面6bと蓋体
周壁6の1つの平面14bとを連結した状態となってい
る。
【0013】これら一対の弾性帯板7,7が連結する平
面14a,14bと平面6a,6bは、前記弾性帯板
7,7とそれぞれ同一の幅に形成されている。また、一
方の弾性帯板7と他方の弾性帯板7との間は、本体1及
び蓋体3のそれぞれにて、1つの平面14,6によって
分断されている。したがって、蓋体3を開閉する際に
は、一方の弾性帯板7と他方の弾性帯板7との間に、空
間が形成されるこことなる。そして、前記一対の弾性帯
板7,7に対応して、本体1と蓋体3の後側面左右両側
部に蓋体3を閉じたとき互いに連通する本体側収容溝
8,8と蓋体側収容溝9,9が本体1と蓋体3に跨って
縦方向に設けられている。
【0014】また、弾性帯板7,7の各下端が本体側収
容溝8,8の下端に薄肉ヒンジ部10,10で連結さ
れ、弾性帯板7,7の各上端が蓋体側収容溝9,9の上
端に薄肉ヒンジ部11,11で連結されている。そし
て、閉蓋時に一対の弾性帯板7,7は、それぞれ各収容
溝8,9に収容されるようになっている。
【0015】ここで、各弾性帯板7,7は、図1に示す
ように互いに平行な底辺7a及び頂辺7bと、底辺7a
の両端と頂辺7bの両端とをそれぞれ結ぶ一対の斜辺7
c,7dとを有する台形をなす。そして、各弾性帯板
7,7はその頂辺7b,7bを互いに向い合わせにして
対向して蓋体3の後側面に連結されている。その際、各
弾性帯板7,7の一方の斜辺7dが下側となって前記本
体周壁14の平面14a,14bに薄肉ヒンジ部10,
10を介して連結され、かつ各弾性帯板7,7の他方の
斜辺7cが上側となって薄肉ヒンジ部11,11を介し
て蓋体周壁6の平面6a,6bに連結されている。
【0016】また、各弾性帯板7,7は、横断面多角形
の本体1の後側面と横断面多角形の蓋体3の後側面とに
連結されたことで、図4に示すように、弾性帯板7,7
に直交する断面形状がハ形を描く関係にある。さらに、
図5に示すように、前記本体1と蓋体3との後側面側か
らみて、各弾性帯板7,7の下側の薄肉ヒンジ部10,
10の両端は、2枚の弾性帯板7,7の中心線30上の
任意の点を曲率中心として上方へ張り出すよう描かれる
弯曲線31上にあり、また、上側の薄肉ヒンジ部11の
両端は、2枚の弾性帯板7,7間の中心線30上の任意
の点を曲率中心として下方へ張り出す弯曲線32上に位
置するよう形成されている。
【0017】この各弯曲線31,32の曲率は、前記本
体1及び蓋体3を上面からみて、多角形の各角部を通過
するように描く円の曲率と同一である。また、前記一方
の弾性帯板7の下側の薄肉ヒンジ10の延長線が、他方
の弾性帯板7の下側の薄肉ヒンジ10の延長線と、各弾
性帯板7,7の間の中心線30上で、かつ、本体1蓋体
3との境界線35上で交わるとともに、この交点に、前
記一方の弾性帯板7の上側の薄肉ヒンジ11の延長線
と、他方の弾性帯板7の上側の薄肉ヒンジ11の延長線
とが交わっている。
【0018】そして、図6を用いて、閉蓋動作を示す
と、まず頂辺7bと上側薄肉ヒンジ(上側斜辺)7cと
の交点O1 を中心としてみると、蓋体3の回転に伴い、
弾性帯板7,7の底辺7aと上側斜辺7cとの交点A1
は、O1 を中心として側方からみたO11 間の距離R
1 を半径とする円弧S1 上を移動する。これに対し、底
辺7aと下側薄肉ヒンジ(下側斜辺)7dとの交点O3
を中心としてみると、弾性帯板7の底辺7aと上側斜辺
7cとの交点A1 は、底辺7aの長さR2 を半径とする
円弧S2 上を移動する。
【0019】このため、前記弾性帯板7はとりわけ底辺
7a部分が、点A1 から前記各円弧S1 ,S2 の最大離
間距離Cを与える思案点P1 までは弾性伸長し、この思
案点P1 を越えると点A2 までは弾性復元しようとす
る。以上により、一次反転が終了する。次いで、頂辺7
bと下側薄肉ヒンジ(下側斜辺)7dとの交点O2 を中
心としてみると、蓋体3の回転に伴い、弾性帯板7の底
辺7aと上側斜辺7cとの交点A1 は、O2 を中心とし
て側方からみたO2 ,A1 間の距離半径R3 を半径とす
る円弧S3 上を移動する。
【0020】これに対し、底辺7aと下側薄肉ヒンジ
(下側斜辺)7dとの交点O3 を中心としてみると、弾
性帯板7の底辺7aと上側斜辺7cとの交点A1 は、底
辺7aの長さR2 を半径とする円弧S2 上を移動する。
このため、前記弾性帯板7はとりわけ底辺7a部分が、
点A1 から前記各円弧S3 ,S2 の最大離間距離Dを与
える思案点P2 までは弾性伸長し、この思案点P2 を越
えるとその後は弾性復元し、2次反転を終了する。この
結果、弾性帯板7,7に直交する断面形状は逆ハ形とな
る。
【0021】このように、蓋体3の開閉に際し、各弾性
帯板7,7は、上側の薄肉ヒンジ部11を中心とする蓋
体3の回転に伴って一次反転するとともに、下側の薄肉
ヒンジ部10を中心とする各弾性帯板7,7の回転に伴
って二次反転することで、弾性帯板7,7に直交する断
面形状がハ形から逆ハ形となる。蓋体3が閉じている
際、弾性帯板7,7は、本体側収容溝8,8内と蓋体側
収容溝9,9内に収納される。したがって、弾性帯板
7,7の外表面は、各弾性帯板7,7が連結されている
本体1及び蓋体3の平面14a,14b及び平面6a,
6bと同一平面となる。また、弾性帯板7,7の両側縁
は、本体1及び蓋体3の各平面の両端部、すなわち多角
形状における角部に位置する。このため、弾性帯板7,
7は、本体1及び蓋体3の外周面からは突出しない。
【0022】そして、蓋体3を開閉するにあたっては、
例え本体1に対して蓋体3をひねるように開閉したとし
ても、2つの弾性帯板7,7は分断されているので、こ
のひねりは、次のように作用する。すなわち、蓋体3に
印加されるひねりは、一方(図1中、上側)の上側薄肉
ヒンジ7c及び他方(図1中、下側)の下側薄肉ヒンジ
7dを一対の一直線上の支点とするひねりか、他方(図
1中、下側)の上側薄肉ヒンジ7c及び一方(図1中、
上側)の下側薄肉ヒンジ7dを一対の一直線上の支点と
するひねりとなる。したがって、蓋体3への力は、弾性
帯板7,7に対しては、剪断力とはならず、それぞれの
上側薄肉ヒンジ7c,7c及び下側薄肉ヒンジ7d,7
dを単純に引っ張る力として作用する。このため、弾性
帯板7,7の劣化を極力防止することができる。以上の
ように本実施例によれば、蓋体3を閉蓋した際に、弾性
帯板7,7が外部に突出せず、見栄えの良好な閉蓋具に
することができる。また、弾性帯板7,7の両側部が、
本体1及び蓋体3の多角形の角部に位置する(弾性帯板
の両側部が角部の一部を構成する)ため、弾性帯板7,
7と隣接する各平面との境界線が目立たなくなり、この
ことからも閉蓋具の外見が良好なものとなる。また、弾
性帯板7,7に剪断力は発生しないので、製品の耐久性
を向上することができる。
【0023】なお、本実施例では、本体1及び蓋体3の
外形を16角形に形成したが、その他の多角形に形成し
てもよいことは勿論である。また、弾性帯板は二対設け
てもよい。
【0024】さらに、本体周壁14及び蓋体周壁6を構
成する複数の平面は、異なる幅に形成してもよい。
【0025】
【考案の効果】本考案によれば、弾性反転する蓋体を備
える閉蓋具において、閉蓋時の弾性帯板の突出を防止し
て外見を良好にするとともに、手触りの感触も良く、さ
らに弾性帯板の耐久性を高めた閉蓋具を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例の閉蓋具を開蓋した状態の平
面図
【図2】実施例の閉蓋具の開蓋した状態の側面図
【図3】実施例の閉蓋具の閉蓋した状態の側面図
【図4】実施例の弾性帯板の直交断面形状を示す図
【図5】実施例の蓋体閉塞状態での背面図
【図6】実施例の弾性帯板の弾性反転による蓋体の開閉
を示す説明図

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に口部(2)を有する本体(1)
    と、 前記口部(2)を閉塞して前記本体(1)の上面へ載置
    させた蓋体(3)と、前記本体(1)と蓋体(3)との
    後側面相互を連結する少なくとも2枚の弾性帯板(7,
    7)とを有する閉蓋具において、 前記本体(1)及び蓋体(3)の外周面を、それぞれ複
    数の平面からなる同一の多角形状に形成し、 前記弾性帯板(7,7)は、本体(1)後側の1つの平
    面(14a,14b)と蓋体(3)後側の1つの平面
    (6a,6b)と同一の幅に形成し、かつ前記弾性帯板
    (7,7)の両端(7c,7d)を前記平面(14a,
    14b)と前記平面(6a,6b)に薄肉ヒンジ部(1
    0,11)で連結し、一方の弾性帯板(7)と他方の弾性帯板(7)との間
    を、本体(1)及び蓋体(3)のそれぞれにて、少なく
    とも1つの平面(14,6)によって分断し、 この弾性帯板(7,7)に対応した前記本体(1)及び
    蓋体(3)の外側部に前記弾性帯板(7,7)を収容す
    る本体側収容溝(8,8)と蓋体側収容溝(9,9)を
    設け、 前記各弾性帯板(7,7)の両側縁(7a,7b)を本
    体(1)及び蓋体(3)の多角形状外周の角部に沿わせ
    たことを特徴とする容器口部の閉蓋具。
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