JP4303371B2 - 容器の蓋の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、容器の蓋の構造に関し、詳しくは、対向する蓋半体の一部を重ねて良好な閉成をおこないながら、閉じ操作を円滑におこなえるようにしようとする技術に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図6に示すように、上方が開口した箱型の本体1の対向する開口縁に各々蓋半体2a,2bを回動自在に枢支連結するとともに、一方の蓋半体2aの先端縁の一部から重ね片3を突出し、他方の蓋半体2bに重ね片3を受ける重ね受け部4を形成し、重ね片3の裏面に係合突条5を、重ね受け部4に係合凹溝6を形成し、係合突条5を係合凹溝6に係合して一方の蓋半体2aの重ね片3を他方の蓋半体2bの重ね受け部4に重ねる容器の蓋の構造においては、一方の蓋半体2aの重ね片3の係合突条5を他方の蓋半体2bの係合凹溝6に係合することで、蓋の閉じ状態を良好に保つことができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような構成において、係合突条5は一方の蓋半体2aの一部において突出する重ね片3の先端部の裏面に形成されることから、両方の蓋半体2a,2bを略合掌姿勢に合わせた後、両方の蓋半体2a,2bが平坦となる閉成姿勢へと移行しようとする際に、図6に示すように、係合突条5が対向する他方の蓋半体2bの先端縁Eに衝突することになって、両蓋半体2a,2bを円滑に閉じることができなくなるという問題があった。
【0004】
このような問題が、合成樹脂容器を自動洗浄する洗浄ラインにおいて発生した場合には、洗浄ラインを停止するなどして両蓋半体2a,2b同士の「からみ」を解消しなければならないのであり、合成樹脂容器の洗浄ラインの自動化が困難になるものである。尚、蓋半体2a,2bを本体1の開口縁において、閉じ方向に位置を異ならせた2軸構成で枢支連結する構成においては、一層、係合突条5が対向する他方の蓋半体2bの先端縁Eに衝突しやすくなるものである。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、対向する蓋半体の一部を重ねて良好な閉成をおこないながら、閉じ操作を円滑におこなうことができ、ひいては、容器の自動洗浄ラインを簡素化することができる容器の蓋の構造を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1においては、上方が開口した箱型の本体1の対向する開口縁に各々蓋半体2a,2bを回動自在に枢支連結し、一方の蓋半体2aの先端縁の一部から重ね片3を突出するとともに残りの部分に重ね受け部4を形成し、他方の蓋半体2bの一部に重ね受け部4を形成するとともに残りの部分の先端縁から突出させて重ね片3を形成し、重ね片3の裏面に係合突条5を突出するとともに重ね受け部4に係合凹溝6を形成し、係合突条5を係合凹溝6に係合して重ね片3を重ね受け部4に重ねる容器の蓋の構造であって、重ね片3の裏面側において、重ね片3の先端縁と係合突条5の先端部とを連ねる傾斜ガイド7を設けてあることを特徴とするものである。
【0007】
このような構成によれば、傾斜ガイド7によって、係合突条5が対向する蓋半体2aの先端縁Eに突っかかることがなく、重ね片3を重ね受け部4に円滑に重ねることができ、容易に蓋半体2a,2bを重ねて蓋をできることから、洗浄を自動的におこなう洗浄ライン化が可能になる。
【0008】
請求項2においては、傾斜ガイド7がリブ状に形成され、重ね受け部4に傾斜ガイド7を挿入する凹溝8を形成してあることを特徴とするものである。このような構成によれば、リブ状の傾斜ガイド7によって係合突条5の強度を高めることができ、かつ、リブ状の傾斜ガイド7が重ね受け部4の凹溝8に挿入されることから、両蓋半体2a,2bの閉じ強度を、一層、高めるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1(a)は一方の蓋半体の開き状態の斜視図、(b)は部分拡大斜視図である。
【0010】
本実施の形態における折りたたみ容器Aは、矩形状の底板10と、底板10の上方に配置した矩形枠状の上枠11と、底板10と上枠11との間の両側に配置した側面板12と、底板10と上枠11との間の両端に配置した端面板13とを具備しており、端面板13の上端を上枠11に回転自在に連結して端面板13を起倒自在とし、側面板12を上半分の上側面板14と下半分の下側面板15とで構成して上側面板14の上端を上枠11に回転自在に連結すると共に下側面板15の下端を底板10に回転自在に連結し、上側面板14の下端と下側面板15の上端を連結部16を介して連結されて本体1が構成される。
【0011】
本体1において、上枠11の対向する長辺部にヒンジ部9を介して一対の蓋半体2a,2bが回動自在に枢支連結されている。このようなヒンジ部9の構成は、一軸構成であっても、蓋半体2a,2bの閉じ方向において位置を異ならせる2軸構成(特開平11−35034号参照)のものであってもよいものである。
【0012】
図1乃至図4に示すように、一方の蓋半体2aの先端縁の一部、実施の形態においては、約1/2の領域において重ね片3を突出している。重ね片3の裏面には略直線状のリブ状の係合突条5を形成している。又、一方の蓋半体2aの重ね片3に隣接する部分には重ね受け部4が形成され、重ね受け部4には係合凹溝6が形成されている。他方の蓋半体2bには約1/2の領域において、一方の蓋半体2aの重ね片3を受ける重ね受け部4を形成している。重ね受け部4には係合凹溝6を形成している。他方の蓋半体2bの重ね受け部4に隣接する部分には重ね片3が形成されている。この重ね片3の裏面には係合突条5が形成されている。このような、蓋半体2a,2bは同一金型で製作されたものであり、同一のものを180度回転させて対向させるものである。
【0013】
しかして、一方の蓋半体2aの重ね部3を他方の蓋半体2bの重ね受け部4に重ねるとともに、係合突条5を係合凹溝6に係合するのであり、又、他方の蓋半体2bの重ね部3を一方の蓋半体2aの重ね受け部4に重ねるとともに、係合突条5を係合凹溝6に係合するのである。
【0014】
以上の構成において、本発明においては、重ね片3の先端縁と係合突条5の先端部とを連ねる傾斜ガイド7を設けてあり、傾斜ガイド7がリブ状に形成している。
【0015】
このような構成によれば、傾斜ガイド7によって、係合突条5が他方の蓋半体2aの先端縁Eに突っかかることがなく、重ね片3を重ね受け部4に円滑に重ねることができるのであり、係合突条5が他方の蓋半体2aの先端縁Eが突っかかることがなくなることから、一方の蓋半体2aと他方の蓋半体2bとを略合掌状態にした後、重ね片3を重ね受け部4に円滑に重ねることができるのであり、洗浄を自動的におこなう洗浄ライン化が可能になるものである。
【0016】
更に、重ね受け部4に傾斜ガイド7を挿入する凹溝8を形成してあって、リブ状の傾斜ガイド7によって係合突条5の強度を高めることができ、リブ状の傾斜ガイド7が重ね受け部4の凹溝8に挿入されることから、両蓋半体2a,2bの閉じ強度を、一層、高めることができるものである。
【0017】
【発明の効果】
請求項1においては、上方が開口した箱型の本体の対向する開口縁に各々蓋半体を回動自在に枢支連結し、一方の蓋半体の先端縁の一部から重ね片を突出するとともに残りの部分に重ね受け部を形成し、他方の蓋半体の一部に重ね受け部を形成するとともに残りの部分の先端縁から突出させて重ね片を形成し、重ね片の裏面に係合突条を突出するとともに重ね受け部に係合凹溝を形成し、係合突条を係合凹溝に係合して重ね片を重ね受け部に重ねる容器の蓋の構造であって、重ね片の裏面側において、重ね片の先端縁と係合突条の先端部とを連ねる傾斜ガイドを設けてあるから、傾斜ガイドによって、係合突条が対向する蓋半体の先端縁に突っかかることがなく、重ね片を重ね受け部に円滑に重ねることができ、容易に蓋半体を重ねて蓋をできることから、洗浄を自動的におこなう洗浄ライン化が可能になるという利点がある。
【0018】
請求項2においては、傾斜ガイドがリブ状に形成され、重ね受け部に傾斜ガイドを挿入する凹溝を形成してあるから、請求項1の効果に加えて、リブ状の傾斜ガイドによって係合突条の強度を高めることができ、リブ状の傾斜ガイドが重ね受け部の凹溝に挿入されることから、両蓋半体の閉じ強度を、一層、高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示し、(a)は一方の蓋半体の開き状態の斜視図、(b)は部分拡大斜視図である。
【図2】同上の合成樹脂製の容器を組上げるとともに蓋を閉じた状態の斜視図である。
【図3】同上の折りたたみ状態の斜視図である。
【図4】(a)は一方の蓋半体の平面図、(b)は底面図である。
【図5】(a)は図4(a)のA−A線断面図、(b)は図4(a)のB−B線断面図である。
【図6】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2a 一方の蓋半体
2b 他方の蓋半体
3 重ね片
4 重ね受け部
5 係合突条
6 係合凹溝
7 傾斜ガイド
8 凹溝

Claims (2)

  1. 上方が開口した箱型の本体の対向する開口縁に各々蓋半体を回動自在に枢支連結し、一方の蓋半体の先端縁の一部から重ね片を突出するとともに残りの部分に重ね受け部を形成し、他方の蓋半体の一部に重ね受け部を形成するとともに残りの部分の先端縁から突出させて重ね片を形成し、重ね片の裏面に係合突条を突出するとともに重ね受け部に係合凹溝を形成し、係合突条を係合凹溝に係合して重ね片を重ね受け部に重ねる容器の蓋の構造であって、重ね片の裏面側において、重ね片の先端縁と係合突条の先端部とを連ねる傾斜ガイドを設けて成ることを特徴とする容器の蓋の構造。
  2. 傾斜ガイドがリブ状に形成され、重ね受け部に傾斜ガイドを挿入する凹溝を形成して成ることを特徴とする請求項1記載の容器の蓋の構造。
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