JP4749560B2 - スナップヒンジキャップ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、容器に嵌合されるスナップヒンジキャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のスナップヒンジキャップは、 図6に示すように、本体1Aと上蓋2Aとを連結するヒンジ3Aと、該ヒンジ3Aの両側に設けられ、該本体1Aと該上蓋2Aとに亘って形成された収容凹部5Aと、該収容凹部Aに収納され、一方の接合端7Bが上蓋側に、他方の接合端7Cが本体側に固定されている弾性バンド7Aと、を備えている。弾性バンド7Aは、上蓋2Aを開けて全開にすると水平状となって突出し、又、それを閉じると垂直状となって収容凹部5Aに収納される(特許第2812801号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例のスナップヒンジキャップでは、収容凹部5Aが長方形状に形成され、弾性バンドの接合端7B,7Cは、該長方形状の収容凹部5Aの辺に固定されているので、閉蓋時において両接合端7B、7Cは水平方向に、互いに平行に伸びる。 そのため、閉蓋時の該キャップを側面方向から見ると、弾性バンドの中央部の左右側端部が収容凹部5A内に納まらず、外側に張り出すので、手などに引っかかって取り扱いにくい上、外観上も好ましくない。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、閉蓋時に弾性バンドが収容部から張り出さないようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、本体と上蓋とを連結するヒンジと、該ヒンジの両側に設けられ、該本体の外周面と該上蓋の外周面とに亘って形成された収容凹部と、該収容凹部に収納され、一方の接合端が上蓋側に、他方の接合端が本体側に固定されている弾性バンドと、を備えたスナップヒンジキャップであって;前記弾性バンドの接合端は、正面視において、該ヒンジに向かって該両接合端の間隔が次第に広がる様に傾斜しており、前記収容凹部が、ヒンジ側を下底とする台形状に形成され、その斜辺に弾性バンドの接合端が固定されていることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明者は、前記目的を達成するため、接合端を傾斜させることを考えた。 初めに、弾性バンドの両接合端の間隔をヒンジに向かって次第に狭くなるように傾斜する接合端、を作って実験してみたところ、弾性バンドの張り出し量が前記従来例より大きくなった。そこで、前記と逆の方向に、即ち、弾性バンドの両接合端の間隔をヒンジに向かって次第に広くなるように傾斜する接合端、を作って実験してみたところ、閉蓋時に弾性バンドは完全に収容凹部内に収まった。本発明は、この研究実験結果に基づいてなされてものである。
【0007】
【実施例】
この発明の実施例を図1〜図5により説明する。
本体1と上蓋2は、フイルムヒンジ3により連結されている。該ヒンジ3の両側には、収容凹部5が設けられているが、この収容凹部5は、該本体1の外周面1aと該上蓋2の外周面2aとに亘って形成され、その深さ寸法は弾性バンド7の厚さ寸法より大きく形成されている。
【0008】
この台形状の収容凹部5の底辺5bは、ヒンジ3側に位置し、両斜辺5c,5dは、該両斜辺5c,5dの間隔がヒンジ3に向かって次第に広くなる様に傾斜している。
なお、この収容凹部5は、弾性バンド7を完全に収容できれば良く、その形状、大きさ、深さ、等は必要に応じて適宜選択される。
【0009】
収容凹部5には、弾性バンド7が収納されているが、この弾性バンド7の接合端7a,7bは前記斜辺5c、5dに固定されている。そのため、両接合端7a,7bは、前記斜辺5c、5dと同様に、両接合端7a、7bの間隔Lがヒンジ3に向かって広くなる様に傾斜している。
【0010】
この弾性バンド7は、同一肉厚に形成され、U字状部7eと、該U字状部7eに連続するL字状部7fと、から構成され、L字状部7fの端部は接合端7a,7bとなっている。この弾性バンド7の形状、肉厚、幅等は必要に応じて適宜選択される。弾性バンド7は、上蓋2の全開時には、図3のIV-IV線断面図である図4に示すように、接合端7a、7bを含む平面E1、E2内を伸びている。
【0011】
この平面E1、E2は、ヒンジ3の軸線3Cと平行な水平線Fに対して傾斜角度θ1、傾斜している。又、閉蓋時には、図2のV-V線断面図である図5に示すように、弾性バンド7の接合端7a、7bの接線T1、T2とヒンジ3の軸線3Cとの交叉角度はθ2である。前記傾斜角度θ1と交叉角度θ2とを等しく設計することが好ましい。その理由は、図4の状態において、弾性バンド7を含む平面E1、E2を固定しておいて、本体1を90度、又、上蓋2を90度、互いに近づくように回転させれば、キャップCは丁度閉じた状態になるからである。
【0012】
なお、本実施例のスナップヒンジキャップCは、合成樹脂を射出成形しているが、成形後の型抜きのため全開(180°開)の状態で成形され、その後ヒンジ3を180°折り曲げて上蓋2を本体1に被せ閉蓋状態にする。
【0013】
本実施例の作動について説明する。図3に示す開蓋時における各弾性バンド7は、図4に示すように、その接合端7a,7bを含む2つの平面E1、E2内に伸びている。
【0014】
この状態において、上蓋2を90°回転すると、該弾性バンド7は引っ張られながら弾性変形するが、更に、同方向に90°回転すると、該弾性バンド7は復元力により元の状態に戻ろうとし、該上蓋2を本体1側に引っ張るとともに、図1に示すように、収容凹部5内に完全に収納される。
【0015】
このとき、弾性バンド7は、互いに傾斜した2つの平面E1、E2内の伸屈状態を維持しようとする。そのため、結果的に、該弾性バンド7はキャップCの外周円弧面に沿う形となって収容凹部5に収納されるので、完全に収まる。
【0016】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成したので、閉蓋時、該弾性バンドはキャップの外周円弧面に沿う形となって収容凹部5に収納される。そのため、従来例と異なり、弾性バンドの一部が外側に張り出したりすることがないので、外観がよくなるとともに、取り扱いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す正面図である。
【図2】側面図である。
【図3】開蓋時の平面図である。
【図4】図3のIV-IV線断面図である。
【図5】図2のV−V断面図である。
【図6】従来例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 本体
2 上蓋
3 ヒンジ
5 収容凹部
7 弾性バンド

Claims (3)

  1. 本体と上蓋とを連結するヒンジと、該ヒンジの両側に設けられ、該本体の外周面と該上蓋の外周面とに亘って形成された収容凹部と、該収容凹部に収納され、一方の接合端が上蓋側に、他方の接合端が本体側に固定されている弾性バンドと、を備えたスナップヒンジキャップであって;
    前記弾性バンドの接合端は、正面視において、該ヒンジに向かって該両接合端の間隔が次第に広がる様に傾斜しており、
    前記収容凹部が、ヒンジ側を下底とする台形状に形成され、その斜辺に弾性バンドの接合端が固定されていることを特徴とするスナップヒンジキャップ。
  2. 弾性バンドの接合端を含む平面とヒンジの軸線と平行な水平線との傾斜角度が、該接合端の接線とヒンジの軸線との交叉角度と等しいことを特徴とする請求項1記載のスナップヒンジキャップ。
  3. 弾性バンドが、U字状部と、該U字状部に連続するL字状部とから構成されていることを特徴とする請求項1記載のスナップヒンジキャップ。
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