JP7237754B2 - コンパクト容器 - Google Patents

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Description

本発明は、コンパクト容器に関する。
従来のコンパクト容器には、蓋体の下面または容器本体の上面に固定されたゴム弾性部材を用いることによって、蓋体が自動的に跳ね上がるように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005-46532号公報
しかしながら、上記従来のコンパクト容器は、蓋体の下面または容器本体の上面にゴム弾性部材を設けられない場合に対応できるものではなかった。このため、蓋体の下面または容器本体の上面に蓋開き用弾性部材を設けることなく、蓋体を自動的に跳ね上げることができる新規な構成のコンパクト容器が望まれている。
本発明の目的は、蓋体の下面または容器本体の上面に蓋開き用弾性部材を設けることなく、蓋体を自動的に跳ね上げることができる、新規な構成のコンパクト容器を提供することである。
本発明に係るコンパクト容器は、蓋体が容器本体に対して同一軸を中心に回転するように、前記蓋体のアーム部と前記容器本体のアーム部とが連結されたコンパクト容器であって、前記蓋体の前記アーム部と前記容器本体の前記アーム部とは、前記同一軸の延在方向で互いに隣り合うように配置されており、前記容器本体は、前記蓋体の前記アーム部よりも前方に、側壁部を備えているとともに、前記側壁部に、蓋開き用弾性部材を備えており、前記蓋開き用弾性部材は、前記容器本体の前記側壁部から後方に向かって突出しているととともに、蓋閉じ状態において前記蓋体の前記アーム部を押圧する押圧部を備えており、前記押圧部の突端は、前記同一軸の延在方向視で、前記同一軸よりも上方に配置されている。
本発明に係るコンパクト容器において、前記蓋開き用弾性部材は、前記容器本体の前記側壁部に形成された凹部に固定されている固定部を前記押圧部と一体に備えており、前記押圧部の前記突端は、前記固定部の上下方向二等分線よりも上方に配置されているものとすることができる。
本発明に係るコンパクト容器において、前記押圧部は、前記同一軸の延在方向視で、下方に向かうにしたがって前方に向かって傾斜する傾斜面を有しているものとすることができる。
本発明に係るコンパクト容器において、前記容器本体は、前記蓋開き用弾性部材をインサート品として射出成形されたものであることが好ましい。
本発明によれば、蓋体の下面または容器本体の上面に蓋開き用弾性部材を設けることなく、蓋体を自動的に跳ね上げることができる、新規な構成のコンパクト容器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るコンパクト容器を示す平面図である。 図1のA-A断面図である。 図1のコンパクト容器の蓋開き状態をA-A断面相当で示す断面図である。 図2の要部を拡大して示す断面図である。 図3の要部を拡大して示す断面図である。 図5Aの要部を拡大して示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係るコンパクト容器10について説明をする。
図1は、コンパクト容器10を示す平面図である。コンパクト容器10は、容器本体20と、蓋体30と、を備えている。図1中、容器本体20は、実線で示し、また、蓋体30は、二点鎖線で示す。本実施形態では、蓋体30が開閉する方向は、上下方向である。詳細には、容器本体20は下方に配置されており、また、蓋体30は上方に配置されている。また、本実施形態では、後述する同一軸Oが延在する方向(「軸方向」ともいう。)は、左右方向である。さらに、本実施形態では、上下方向および軸方向に対して直交する方向は、前後方向である。
本実施形態において、容器本体20および蓋体30は、図1に示すように平面視で、正方形の外観形状を有している。本実施形態では、容器本体20および蓋体30の外観形状は、前後方向および軸方向が同一寸法である。ただし、本発明によれば、容器本体20および蓋体30の外観形状は、矩形の外観形状とすることができる。前記矩形は、軸方向を長手方向とし、前後方向を短手方向とすることができる。また、本発明によれば、前記矩形は、前後方向を長手方向とし、軸方向を短手方向とすることができる。さらに、本発明によれば、容器本体20および蓋体30の、前記平面視の外観形状は、矩形に限定されるものではない。本発明によれば、容器本体20および蓋体30の、前記平面視の外観形状は、例えば、円形等とすることもできる。
コンパクト容器10は、蓋体30が容器本体20に対して同一軸Oを中心に回転するように、蓋体30のアーム部31と容器本体20のアーム部21とが連結されている。蓋体30のアーム部31と容器本体20のアーム部21とは、図1に示すように、同一軸Oの延在方向で互いに隣り合うように配置されている。
本実施形態では、蓋体30のアーム部31は、ヒンジピンPを介して容器本体20のアーム部21に対して回転可能に連結されている。
本実施形態において、容器本体20は、化粧料等が収容される中皿50を備えている。図2に示すように、本実施形態において、中皿50は、凹所20nに収容されている。凹所20nは、容器本体20の、蓋体30との合わせ面(以下、「容器本体20の上面」ともいう。)20f1に開口部を有している。具体的には、凹所20nは、容器本体20の底壁23と、底壁23から起立する周壁24とで区画されている。周壁24は、前側周壁24aと後側周壁24bとを備えている。さらに、図1に示すように、周壁24は、軸方向に、左側周壁24cおよび右側周壁24dを備えている。左側周壁24cおよび右側周壁24dは、それぞれ、前側周壁24aおよび後側周壁24bの左右両端に連結されている。本実施形態では、容器本体20のアーム部21は、周壁24の後側周壁24bから後方に向かって突出している。本実施形態では、容器本体20のアーム部21は、容器本体20の後端部を構成している。また、本実施形態では、アーム部21は、軸方向に間隔を置いて配置された2つのアーム部21を含む。
一方、図2に示すように、本実施形態において、蓋体30は、鏡60を備えている。鏡60は、凹部30nに固定されている。凹部30nは、蓋体30の、容器本体20との合わせ面(以下、「蓋体30の下面」ともいう。)30f1に開口部を有している。本実施形態では、図2に示すように、蓋体30のアーム部31は、蓋体30から下方に向かって延在している膨出部である。本実施形態では、アーム部31は、蓋体30の後端部33から下方に向かって延在している。アーム部31は、図2に示すように、容器本体20の後側周壁24bに対して間隔を置いて配置されているとともに当該後側周壁24bと隣り合う位置に配置されている。また、図1に示すように、本実施形態では、前記平面視で、蓋体30のアーム部31は、容器本体20の、2つのアーム部21の間に配置されている。これにより、蓋体30のアーム部31と容器本体20のアーム部21とは、図1に示すように、軸方向で互いに隣り合うように配置される。
また、容器本体20の前端部22には、フックピース41が配置されている。これに対し、蓋体30の前端部32には、フック42が設けられている。図2に示すように、フック42は、蓋体30を容器本体20に対して閉じた状態(以下、「蓋閉じ状態」ともいう。)でフックピース41に対して引っ掛かることによって、蓋体30が容器本体20に対して開くことを防止する。また、フックピース41は、前後方向にスライドさせることができる。フックピース41は、後方に押し込まれることによって、フック42の引っ掛かりを解除させることができる。これにより、フックピース41を後方に押し込めば、図3に示すように、蓋体30を容器本体20に対して開けることができる。
また、図4に示すように、容器本体20は、蓋体30のアーム部31よりも前方に、側壁部Wを備えている。容器本体20の側壁部Wは、蓋体30のアーム部31の前面31fに対して間隔を置いて配置されている。また、容器本体20は、側壁部Wに、蓋開き用弾性部材1を備えている。本実施形態では、側壁部Wは、周壁24である。本実施形態では、容器本体20は、周壁24の後側周壁24bに、蓋開き用弾性部材1を備えている。
蓋開き用弾性部材1は、側壁部Wから後方に向かって突出している押圧部2を備えている。本実施形態では、蓋開き用弾性部材1は、側壁部Wの後面f1から後方に向かって突出している。また、図4に示すように、押圧部2は、蓋閉じ状態において蓋体30のアーム部31を押圧する。ここで、図5Aに示すように、押圧部2の突端2pは、押圧部2のうち、最も後方に突出している端である。さらに、図5Aに示すように、押圧部2の突端2pは、同一軸Oの延在方向視(以下、「軸方向視」ともいう。)で、同一軸Oよりも上方に配置されている。即ち、押圧部2の突端2pは、前記軸方向視で、同一軸Oよりも、容器本体20の上面20f1に近い位置に配置されている。これにより、図4に示すように、押圧部2は、蓋閉じ状態において蓋体30のアーム部31の前面31fを、同一軸Oよりも蓋体30のアーム部31の根元(蓋体30とアーム部31との連結部分)31aに近い位置で押圧する。このため、蓋体30は、フックピース41を押し込んでロックを解除すると、押圧部2の弾性復元力によって、自動的に蓋体30が開く方向に回転することができる。
詳細には、図5Aの蓋開き状態から蓋体30を閉じると、蓋開き用弾性部材1の押圧部2は、蓋体30のアーム部31が容器本体20の側壁部Wに接近することによって、蓋体30のアーム部31と容器本体20の側壁部Wとの間で圧縮される。このとき、押圧部2は、図5Aの矢印Dinに示す方向に、容器本体20の側壁部Wに向かって斜め前方下向きに同一軸Oの周りに巻き込まれるように変形する。そして、蓋体30が完全に閉じられると、図4に示すように、押圧部2は、容器本体20の側壁部Wと蓋体30のアーム部31との間であって、かつ、同一軸Oよりも蓋体30のアーム部31の根元31aにより近い位置で、圧縮されたままの状態に維持される。これにより、蓋開き用弾性部材1の押圧部2には、蓋閉じ状態において、図5Aの矢印Dinと反対の図4の矢印Doutに示す方向に、同一軸Oの周りに斜め後方上向きに向かう弾性復元力(回転力)が蓄積される。加えて、本実施形態では、蓋開き用弾性部材1は、側壁部Wに配置されていることで、蓋体30の下面30f1または容器本体20の上面20f1に設ける場合に比べて回転軸(同一軸O)に近い位置に配置されることになる。このため、本実施形態によれば、押圧部2の巻き込みに伴う変形量(弾性復元量)を大きく確保することができる。このため、本実施形態では、フックピース41を押し込んでロックを解除すると、蓋体30は、押圧部2の前記弾性復元力によって、図5Aに示すように、自動的に跳ね上がって開くことができる。
したがって、本発明によれば、蓋体30の下面30f1または容器本体20の上面20f1に蓋開き用弾性部材1を設けることなく、蓋体30を自動的に跳ね上げることができる、新規な構成のコンパクト容器を提供することができる。
ところで、従来のコンパクト容器は、蓋体30の下面30f1または容器本体20の上面20f1にゴム弾性部材を固定している。このため、前記ゴム弾性部材を固定するためには、コンパクト容器の周壁24に、図1に示すように平面視で、一定の幅(厚み)を確保しなければならない。したがって、従来のコンパクト容器には、容器本体20の収納スペース(本実施形態では、容器本体20の凹所20n)を維持しつつ、蓋体30をより大きな力で跳ね上げようとすると、コンパクト容器全体が大型化する等という不都合があった。
これに対し、コンパクト容器10によれば、蓋体30の下面30f1または容器本体20の上面20f1に蓋開き用弾性部材1を配置していない。図5Aに示すように、コンパクト容器10は、蓋開き用弾性部材1を容器本体20の側壁部Wに備える。このため、本実施形態では、蓋開き用弾性部材1は、容器本体20の周壁部24と蓋体30のアーム部31との間の隙間に配置することができる。したがって、コンパクト容器10によれば、例えば、容器本体20の収納スペースを維持しつつ、蓋体30をより大きな力で跳ね上げるようにしても、コンパクト容器10全体の大型化を抑制しつつ、蓋体30をより大きな力で跳ね上げさせることができる。
また、本実施形態において、蓋開き用弾性部材1は、側壁部Wに形成された凹部nに固定されている固定部3を押圧部2と一体に備えている。また、図5Bに示すように、本実施形態において、押圧部2の突端2pは、固定部3の上下方向二等分線Lc3よりも上方に配置されている。ここで、固定部3の上下方向二等分線Lc3は、前後方向に延在し、かつ、固定部3の上方端と下方端との間の中心を通る線である。これにより、図5Aに示すように、本実施形態では、押圧部2の突端2pは、固定部3に対して、容器本体20の上面20f1寄りの位置に配置されている。この場合、蓋開き用弾性部材1の固定部3を上下方向に広く確保して蓋開き用弾性部材1を容器本体20の側壁部Wに対して強固に固定しつつ、押圧部2の突端2pを、前記軸方向視で、同一軸Oよりも上方に配置することができる。したがって、この場合、蓋開き用弾性部材1の耐久性を損なうことなく、蓋体30を自動的に跳ね上げさせることができる。
また、図5Aに示すように、本実施形態において、押圧部2は、前記軸方向視で、下方に向かうにしたがって前方に向かって傾斜する傾斜面2ftを有している。本実施形態では、押圧部2は、前記軸方向視で、当該押圧部2の突端2pよりも下側の部分2bに、固定部3に繋がる傾斜面2ftが形成されている。この場合、蓋開き用弾性部材1の押圧部2が前方下向きに同一軸Oの周りに巻き込まれるときの、当該押圧部2の変形を傾斜面2ftの輪郭線に沿って効率的に固定部3に移動させ、その移動分を弾性復元力として蓄積させることができる。したがって、この場合、蓋体30をさらに効率的に跳ね上げさせることができる。傾斜面2ftは、前記軸方向視において、後方下向きに向かって突出する湾曲面(曲線の輪郭線)とすることができるが、好ましくは、本実施形態のように、前記軸方向視において、平面(直線の輪郭線)とする。なお、図5Bに示すように、本実施形態では、押圧部2は、前記軸方向視で、当該押圧部2の突端2pから当該突端2pよりも上側の部分2aが後方上向きに突出する湾曲面(曲線の輪郭線)に形成されている。また、本実施形態では、図5Bに示すように前記軸方向視で、押圧部2の下側の部分2b(傾斜面2ftの領域部分)は、押圧部2の突端2pから当該突端2pよりも上側の部分2aに比べて上下方向に広く延在している。本実施形態では、押圧部2の下側の部分2b(傾斜面2ftの領域部分)は、前記軸方向視で、押圧部2の上下方向二等分線Lc2よりも上方に至っている。ここで、押圧部2の上下方向二等分線Lc2は、前後方向に延在し、かつ、押圧部2の上方端と下方端との間の中心を通る線である。
コンパクト容器1において、容器本体20は、蓋開き用弾性部材1をインサート品として射出成形されたものであることが好ましい。具体例としては、蓋開き用弾性部材1をインサート品として成形型に配置した後、当該成形型内に熱可塑性樹脂を充填することによって、容器本体20を射出成形する。この場合、蓋開き用弾性部材1を溶着によって容器本体20に対して強固に固定することができる。ただし、本発明によれば、容器本体20は、蓋開き用弾性部材1と別体に構成することができる。この場合、蓋開き用弾性部材1は、接着剤等を用いて容器本体20に組み付けることができる。
上述したところは、本発明の一実施形態について説明を行ったにすぎず、特許請求の範囲に従えば、様々な変更が可能となる。例えば、本実施形態において、容器本体20の側壁部Wは、容器本体20の周壁24を利用したが、これに限定されるものではない。例えば、側壁部Wは、容器本体20の周壁24と異なる壁部として、容器本体20に設けることができる。固定部3の上下方向二等分線Lc3は、押圧部2の突端2pを通る線とすることができる。即ち、本発明によれば、蓋開き用弾性部材1は、前記軸方向視で、当該蓋開き用弾性部材1全体を同一軸Oよりも上方に配置することができる。また、上述のように、蓋開き用弾性部材1の押圧部2は、図5Bに示すように軸方向視で、2つの斜辺(2a、2b)が異なる三角形状であることが好ましいが、これに限定されるものではない。蓋開き用弾性部材1は、例えば、ゴム、エラストマで形成することができる。
1:蓋開き用弾性部材, 2:押圧部, 2p:押圧部の突端, 3:固定部, 10:コンパクト容器, 20:容器本体, 20f2:容器本体の底面, 21:容器本体のアーム部, 22:容器本体の前端部, 23:容器本体の底壁, 24:周壁部, 24a:前側周壁部, 24b:後側周壁部(容器本体の側壁部), 24c:左側周壁部, 24d:右側周壁部, 30:蓋体, 31:蓋体のアーム部, 32:蓋体の前端部, 33:蓋体の後端部, Lc3:固定部の上下方向二等分線, ft:傾斜面, n:側壁部に形成された凹部, O:同一軸, W:容器本体の側壁部

Claims (2)

  1. 蓋体が容器本体に対して同一軸を中心に回転するように、前記蓋体のアーム部と前記容器本体のアーム部とが連結されたコンパクト容器であって、
    前記蓋体の前記アーム部と前記容器本体の前記アーム部とは、前記同一軸の延在方向で互いに隣り合うように配置されており、
    前記容器本体は、前記蓋体の前記アーム部よりも前方に、側壁部を備えているとともに、前記側壁部に、蓋開き用弾性部材を備えており、
    前記蓋開き用弾性部材は、前記容器本体の前記側壁部から後方に向かって突出しているとともに、蓋閉じ状態において前記蓋体の前記アーム部を押圧する押圧部を備えており、
    前記押圧部の突端は、前記同一軸の延在方向視で、前記同一軸よりも上方に配置されており、
    前記蓋開き用弾性部材は、前記容器本体の前記側壁部に形成された凹部に固定されている固定部を前記押圧部と一体に備えており、
    前記押圧部の前記突端は、前記固定部の上下方向二等分線よりも上方に配置されており、
    前記押圧部は、前記同一軸の延在方向視で、下方に向かうにしたがって前方に向かって傾斜する傾斜面を有している、コンパクト容器。
  2. 前記容器本体は、前記蓋開き用弾性部材をインサート品として射出成形されたものである、請求項に記載のコンパクト容器。
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