JP4260457B2 - 両開き蓋付きケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小物入れなどに使用される両開き蓋付きケースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の小物収納ケ−スは、合成樹脂でできており、開口部を有するケース本体と、該開口部を開閉自在とする蓋体とを有する。
このケースは、上部が開口し、内部に内容物を収容するケース(容器)本体と、蓋部(天板)及びその周囲に設けられた周縁部を備え、ケース本体の上部周壁に周縁部を着脱可能に装着して蓋部で容器本体の開口部を覆う蓋体とからなり、蓋体が、周縁部に沿って蓋部に部分的に形成されたヒンジ部、及びこのヒンジ部の両端から周縁部に沿ってそれぞれ対称的に形成され、所定の長さ範囲で蓋部から周縁部に至る2つのスリットを備え、ケース本体に装着されて開口部を閉鎖している蓋体のヒンジ部とスリットを境とする大面積部を開けた時、2つのスリットとヒンジ部とで囲まれる部分的な周縁部がケース本体の上部周壁に装着されたままとなるように構成したものであった(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−77055号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の収納ケースは、その開口部を一つの蓋部により開閉自在としていたので、特定の部屋に収納した特定の小物品を取り出す場合であっても、蓋体を開き、全部の物品を取り出し可能としなければならなかった。このように蓋部を開いた状態で、誤ってケースを倒すと、各部屋に収納していた全ての小物品がこぼれ出てしまい、それを拾って、各部屋に分別収納するのが大変面倒であった。
そこで、本発明は、ケース本体の開口部を全て解放することの無いようにした両開き蓋付きケースを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明の特徴とするところは、開口部3を有するケース本体1と、前記開口部3を開閉自在とする蓋体2とを有し、前記ケース本体1は、底部4と該底部4周縁より立ち上がる周壁5とを有し、前記蓋体2は、前記開口部3の周縁に取り付けられて該開口部3を前後方向に横断する固定部12と、該固定部12の左右両側に設けられた開閉自在な左右の蓋部13とを有しており、前記固定部12には、その前後方向両端部に形成されていて前記周壁5上端部に嵌着する嵌着部14と、この前後嵌着部14間で上方に突出する膨出部16とが形成され、前記周壁5外周面には、前記周壁5上端部に嵌着した前記嵌着部14を挟む左右位置に一対の縦リブ8が形成され、前記蓋部13には、上方に膨出していて前記蓋部13を開いたときに前記固定部12の膨出部16と係合して前記蓋部13の開き状態を保持する出っ張り部23が形成されている点にある。
【0006】
前記ケース本体は、底部と該底部周縁より立ち上がる周壁とを有し、該周壁上端部が前記開口部周縁を形成し、前記固定部の前後方向両端部に、前記周壁上端部に嵌着する嵌着部が形成され、前記固定部と前記左右の蓋部とは、屈折自在なヒンジを介して一体成形されているのが好ましい。
前記蓋体は、合成樹脂により成型されており、前記左右の蓋部の周縁には、前記ケース本体の開口部周縁に係脱自在に係合する係合部が形成されているのが好ましい。
【0007】
前記ケース本体内を区画する仕切壁が、前記固定部が横断する位置に設けられているのが好ましい。
前記周壁5外周面には、その上端から所定距離下がった位置に外周リブ7が鉢巻き状に設けられ、該外周リブ7は所定範囲にわたって切り欠かれており、前記蓋体2の嵌着部14には、前記周壁5をその厚み方向から挟持する内外の挟持片14b、14aが形成され、前記外側の挟持片14a先端の左右両端部には、前記外周リブ7の切り欠き端又は前記縦リブ8の下端に係合する係止突部14cが形成されているのが好ましい。
【0008】
前記外周リブ7の切り欠かれた位置であって前記周壁5外周面にブリッジ部7aが設けられていて、該ブリッジ部7aと周壁5との間には前記外側の挟持片14aを差し込む孔 が形成されているのが好ましい。
前記左右縦リブ8は、前記外周リブ7の切り欠き端から連続して前記周壁5上端まで延設されているのが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1〜5に示すように、両開き蓋付きケースは、ケース本体1と蓋体2とを有する。ケース本体1は、上方に開口する開口部3を有する。蓋体2は、ケース本体1の開口部3周縁に着脱自在に取り付けられ、前記開口部3を塞ぐものである。このケース本体1と蓋体2は、同じ合成樹脂から形成されている。
前記ケース本体1は、底部4と該底部4の周縁より立ち上がる周壁5とを有し、該周壁5上端部が前記開口部3周縁を形成している。周壁5は、底部4に対して抜け勾配が付されている。
【0010】
前記底部4は長方形状に形成され、そのコーナ部は円弧に形成されている。長方形の長辺は少し外方へ膨らむ曲線とされている。この底部4の外周縁形状と前記周壁5上端部の周縁形状は同じ若しくは相似形とされている。底部4の外面のコーナ部に、外方に突出する脚部リブ6が所定範囲にわたって設けられている。
図6に示すように、前記周壁5の外周面には、周壁5上端から所定距離下がった位置に、外方に突出する外周リブ7が鉢巻き状に設けられている。
尚、この外周リブ7は、図1における左右方向中央部において所定範囲にわたって切り欠かれている。この外周リブ7の切り欠き端から連続して、縦リブ8が周壁5上端まで延設されている(図7参照)。
【0011】
図6,7に示すように、ケース本体1の内面に、仕切壁係止部9が複数箇所設けられている。この仕切壁係止部9には、上下方向に沿った係止溝10が形成されている。この係止溝10に仕切壁11が上方から着脱自在に差し込まれ、ケース本体1の内部は、複数の収納部に区画されている。前記仕切壁11は、平面視T字型に形成され、ケース本体1内を3つの部屋に仕切っている(図5参照)。
前記蓋体2は、前記開口部3の周縁に取り付けられて該開口部3を前後方向(図1における上下方向)に横断する固定部12と、該固定部12の左右両側に設けられた開閉自在な左右の蓋部13とを有している。
【0012】
前記固定部12は、平面視帯状に形成され、その前後方向両端部に、前記周壁5の上端部に着脱可能に嵌着する嵌着部14が形成されている。なお、固定部12の左右方向寸法は、約10mm程度とされている。
図8に示すように、この嵌着部14は、前記周壁5をその厚み方向から強固に挟持する前後の挟持片14a、14bにより構成される固定挟持溝15を有する。前記固定部12には、その前後方向中央部の所定範囲を残してその両側に、外方に突出する前後膨出部16が形成されている。この前後膨出部16の内端上部に係止突部17が内方突出状に設けられている。
【0013】
前記固定部12と前記左右の蓋部13とは、屈折自在なヒンジ18を介して一体成形されている。左右の蓋部13は同じ形状に形成されている。左右のヒンジ18は、互いに平行な直線状とされている。
図9に示すように、前記左右の蓋部13の周縁には、前記ケース本体1の周壁5の周縁に係脱自在に係合する係合部19が形成されている。この係合部19は、係合溝20を有する。なお、この係合溝20の係合力よりも、前記固定挟持溝15の係合力の方が強くされており、蓋部13を開くとき、嵌着部14が周壁5から離脱しないよう構成されている。各蓋部13のコーナ部の少なくとも一カ所には、開閉用つまみ21が突設されている。
【0014】
前記蓋部13には、上方へ膨出する平面視凸状の膨出部22が形成されている。この蓋部13の膨出部22は、蓋部13を開いたとき、前記固定部12の前後膨出部16に干渉しないように設けられている。そして、蓋部13を開いたとき、蓋部13の凸状膨出部22の出っ張り部23が、前記固定部12の前後膨出部16間に入り込み、該前後膨出部16と係合して蓋部13の開き状態を保持するように構成されている。
即ち、凸状膨出部22の出っ張り部23の前後両側に突条24が形成され、該突条24と、前記前後膨出部16の係止突部17とが係合して、蓋部13の開き状態を維持するように構成されている。
【0015】
なお、前記ケース本体1内を区画する仕切壁11の一つは、前記固定部12が横断する位置に設けられている。
前記構成の本発明の実施の形態によれば、蓋体2に左右の蓋部13が設けられ、該蓋部13が、図2の仮想線で示すように、個別に開閉自在とされているので、いずれか一方の蓋部13を開くことにより、必要とする収納物を取り出すことができる。
図10〜12に示すものは、蓋体2の嵌着部14の構造を前記実施の形態に示すものと変えたものであり、嵌着部14の嵌着力を強固なものとして、大型のケースの場合に対応させたものである。
【0016】
即ち、図10に示すものは、外側の挟持片14aの長さを前記のものよりも長くし、その先端の左右両端部に係止突部14cを形成し、該係止突部14cを外周リブ7若しくは縦リブ8の下端に係合させ、不慮の抜け止めを行っている。なお、外側の挟持片14aの基部には、ヌスミ14dが形成され、弾性変形容易とされ、取り外しの容易化が図られている。
図11に示すものは、前記外周リブ7の切り欠き部の位置に、ブリッジ部7aを設け、該ブリッジ部7aの孔に外側の挟持片14aを強固に差し込んで、不慮の抜け止めを図っている。
【0017】
図12に示すものは、外側の挟持片14aの先端部に内側に突出する係止爪14eを設け、周壁5の外周面に該係止爪14eと係脱自在に係合する係合凹部5aを設けたものである。なお、この例においても外側の挟持片14aの基部にヌスミ14dが形成されている。
このように、嵌着部14の嵌着力を強くすることにより、固定部12の幅を狭くすることができ、開口部3の開口面積を広くとることができる。
尚、嵌着部14と周壁5とを接着剤などで固定しても良い。
【0018】
尚、本発明は、前記実施の形態に示すものに限定されるものではない。例えば、ケースの形状は、矩形弁当箱に限らず、多角形、円形、楕円形状、又はハート形などの形状を呈するものであっても良い。また、左右の蓋部は、その大きさが異なる非対称形であっても良い。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、ケース本体の開口部を全て解放することの無いようにしたので、収納物の全部が不慮にこぼれ落ちることが無くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態を示すケースの平面図である。
【図2】 図2は、図1の正面図である。
【図3】 図3は、図1の右側面図であり、左側面図は、対称である。
【図4】 図4は、図1の底面図である。
【図5】 図5は、蓋体を外した状態のケース本体の平面図である。
【図6】 図6は、図1のA−A線におけるケース本体の断面図である。
【図7】 図6は、図2のB−B線におけるケース本体の断面図である。
【図8】 図8は、図1のC−C線における蓋体の固定部の断面図である。
【図9】 図9は、図1のD−D線における蓋体の断面図である。
【図10】 図10は、嵌着部の他の実施の形態を示す分解、組み立て斜視図である。
【図11】 図11は、嵌着部の他の実施の形態を示す分解、組み立て斜視図である。
【図12】 図12は、嵌着部の他の実施の形態を示す分解、組み立て斜視図である。
【符号の説明】
1 ケース本体
2 蓋体
3 開口部
4 底部
5 周壁
11 仕切壁
12 固定部
13 蓋部
14 嵌着部
18 ヒンジ
19 係合部
Claims (4)
- 開口部(3)を有するケース本体(1)と、前記開口部(3)を開閉自在とする蓋体(2)とを有し、
前記ケース本体(1)は、底部(4)と該底部(4)周縁より立ち上がる周壁(5)とを有し、
前記蓋体(2)は、前記開口部(3)の周縁に取り付けられて該開口部(3)を前後方向に横断する固定部(12)と、該固定部(12)の左右両側に設けられた開閉自在な左右の蓋部(13)とを有しており、
前記固定部(12)には、その前後方向両端部に形成されていて前記周壁(5)上端部に嵌着する嵌着部(14)と、この前後嵌着部(14)間で上方に突出する膨出部(16)とが形成され、
前記周壁(5)外周面には、前記周壁(5)上端部に嵌着した前記嵌着部(14)を挟む左右位置に一対の縦リブ(8)が形成され、
前記蓋部(13)には、上方に膨出していて前記蓋部(13)を開いたときに前記固定部(12)の膨出部(16)と係合して前記蓋部(13)の開き状態を保持する出っ張り部(23)が形成されていることを特徴とする両開き蓋付きケース。 - 前記周壁(5)外周面には、その上端から所定距離下がった位置に外周リブ(7)が鉢巻き状に設けられ、該外周リブ(7)は所定範囲にわたって切り欠かれており、
前記蓋体(2)の嵌着部(14)には、前記周壁(5)をその厚み方向から挟持する内外の挟持片(14b、14a)が形成され、
前記外側の挟持片(14a)先端の左右両端部には、前記外周リブ(7)の切り欠き端又は前記縦リブ(8)の下端に係合する係止突部(14c)が形成されていることを特徴とする請求項1記載の両開き蓋付きケース。 - 前記周壁(5)外周面には、その上端から所定距離下がった位置に外周リブ(7)が鉢巻き状に設けられ、該外周リブ(7)は所定範囲にわたって切り欠かれており、
前記蓋体(2)の嵌着部(14)には、前記周壁(5)をその厚み方向から挟持する内外の挟持片(14b、14a)が形成され、
前記外周リブ(7)の切り欠かれた位置であって前記周壁(5)外周面にブリッジ部(7a)が設けられていて、該ブリッジ部(7a)と周壁(5)との間には前記外側の挟持片(14a)を差し込む孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の両開き蓋付きケース。 - 前記周壁(5)外周面には、その上端から所定距離下がった位置に外周リブ(7)が鉢巻き状に設けられ、該外周リブ(7)は所定範囲にわたって切り欠かれており、
前記左右縦リブ(8)は、前記外周リブ(7)の切り欠き端から連続して前記周壁(5)上端まで延設されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の両開き蓋付きケース。
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