以下に、本発明の実施例について説明するが、本発明の趣旨を越えない限り何ら、本実施例に限定されるものではない。
先ず最初に、図1〜図6を用いて、上部フレームU,はね上げ側壁T、上下方向に折り畳み可能な分割側壁D及び底板S等から構成されている折り畳みコンテナーCについて説明する。
上部フレームUは、相対する長辺枠u1、u2及び相対する短辺枠u3、u4から構成されており、長辺枠u1、u2及び短辺枠u3、u4の長手方向と直交する断面形状が、略逆U字状に形成されている。長辺枠u1と長辺枠u2とは、同一構造を有しており、また、短辺枠u3と短辺枠u4とも、同一構造を有しているので、以下においては、主として、それぞれ一方の長辺枠u1、u2と短辺枠u3、u4について説明する。
長辺枠u1の内側壁u1’の両端部付近には、下端が開放された縦長の長孔u5が形成されており、また、長辺枠u1と短辺枠u3とで形成されるコーナーには、長辺枠u1と短辺枠u3の下端部から水平方向に延びる棚部u6が形成されている。棚部u6の縁部には、垂直リブu6’が立設されており、また、上記の長孔u5は、棚部u6の上方に位置するように配設されている。u7は、長辺枠u1の内側壁u1’に所定の間隔を置いて穿設された一対の透孔であり、また、u8は、短辺枠u3の梁部u3’の上面に、所定の間隔を置いて穿設された一対の透孔である。
はね上げ側壁Tは、折り畳みコンテナーCの短辺側の側壁を形成するものであり、はね上げ側壁Tの端壁t1、t1’の上端部に突設された短軸t2、t2’が、上述した上部フレームUの長辺枠u1の内側壁u1’の両端部付近に形成された縦長の長孔u5コーナーに嵌合することができるように構成されている。
t3は、はね上げ側壁Tの内壁t4に形成された略門型形状の案内凹部であり、案内凹部t3は、内壁t4の上端部付近に水平状に形成された水平凹部t3’及び内壁t4の幅方向の両端部付近に垂直状に形成された垂直凹部t3”とから構成されており、垂直凹部t3”は、はね上げ側壁Tの高さ方向に端部まで延びており、また、水平凹部t3’は、垂直凹部t3”と連結されているが、はね上げ側壁Tの幅方向端部まで延びていない。
t5は、はね上げ側壁Tの内壁t4に形成された略門型形状の案内凹部t3に挿着される、同じく、略門型形状の形成されたロック部材である。ロック部材t5の縦枠t5’の幅は、案内凹部t3の垂直凹部t3”の幅と略同じに形成されており、従って、案内凹部t3に挿着されたロック部材t5は、水平方向には、実質的に移動できないように構成されており、また、ロック部材t5の横枠t5”の縦幅は、案内凹部t3の水平凹部t3’の縦幅より、狭く形成されており、従って、ロック部材t5は、垂直方向に、所定量、移動できるように構成されている。なお、t6は、ロック部材t5の横枠t5”に設けられた横長の凹部からなる把手部である。勿論、ロック部材t5の横枠t5”に、横枠t5”から突出した凸部を形成し、把手部とすることもできる。
ロック部材t5の横枠t5”が、案内凹部t3の水平凹部t3’の上面に当接した時点が、ロック部材t5の最上位の位置であり、また、ロック部材t5の横枠t5”が、案内凹部t3の水平凹部t3’の下面に当接した時点が、ロック部材t5の最下位の位置であり、ロック部材t5の最上位の位置においては、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部は、はね上げ側壁Tの下端部から引っ込んだ位置にあり、ロック部材t5の縦枠t5’の上端部は、はね上げ側壁Tの略上端部付近に位置するように、また、ロック部材t5の最下位の位置においては、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部は、はね上げ側壁Tの下端部から所定量、突出し、ロック部材t5の縦枠t5’の上端部は、はね上げ側壁Tの上端部から、所定量、引っ込むように構成されている。
また、案内凹部t3に挿着されたロック部材t5の縦枠t5’の上方には、上述した、上部フレームUの短辺枠u3、u4の梁部u3’、u4’に穿設された透孔u8が位置するように構成されている。
t7は、案内凹部t3の垂直凹部t3”を覆うカバーであり、カバーt7の垂直縁部には、適当数の係合爪t8が突設されており、係合爪t8を、案内凹部t3の垂直凹部t3”の両側に位置するはね上げ側壁Tの内壁t4に穿設された係合孔t9に挿着して係合させることにより、案内凹部t3の垂直凹部t3”を覆うことができるように構成されている。勿論、このようなカバーt7は、必要に応じて、省略することができる。
分割側壁Dは、折り畳みコンテナーCの長辺辺側の側壁を形成するものであり、上部分割壁D1と下部分割壁D2とにより形成されている。上部分割壁D1の下端部d1には、上部分割壁D1の外壁d2からやや外側に突出するように、所定の間隔を置いて、雄ヒンジd3が配設されている。雄ヒンジd3は、上部分割壁D1の下端部d1から、所定の間隔を置いて、外壁d2から外側に突出するように垂下された支持板d4、d5及び支持板d4、d5間に水平状に張設された水平軸d6から構成されている。また、下部分割壁D2の外壁d7の上端部には、雄ヒンジd3に対応して、雌ヒンジd8が配設されており、雌ヒンジd8は、下部分割壁D2の外壁d7から突設された膨出部d9を有し、膨出部d9の先端部には、雄ヒンジd3の水平軸d6が嵌着される水平凹部d10が形成されている。水平凹部d10の開口溝d10’の縦幅は、雄ヒンジd3の水平軸d6の径より狭く形成されており、水平凹部d10に嵌着された雄ヒンジd3の水平軸d6が、簡単に抜け出ないように構成されている。
上部分割壁D1に配設された雄ヒンジd3の水平軸d6を、下部分割壁D2に配設された雌ヒンジd8の水平凹部d10に嵌着することにより、上部分割壁D1と下部分割壁D2とを連結する。このように雄ヒンジd3と雌ヒンジd8とを介して連結された上部分割壁D1と下部分割壁D2は、雌ヒンジd8の水平凹部d10に嵌着された雄ヒンジd3の水平軸d6を中心に、互いの外壁d2、d7が接触する方向に折り畳むことができるように構成されている。
d11、d12は、上部分割壁D1の側端部d13、d14の上部肩部に形成された切欠部d13’、d14’の垂直壁から水平方向に突設された水平短軸であり、水平短軸d11、d12を、上述した上部フレームUの長辺枠u1と短辺枠u3とで形成されるコーナーに配設された棚部u6に載置することにより、上部フレームUと、上部分割壁D1とを連結することができるように構成されている。棚部u6に載置された上部分割壁D1の水平短軸d11、d12は、棚部u6の垂直リブu6’により、水平方向の移動が阻止されるとともに、棚部u6に載置された上部分割壁D1の水平短軸d11、d12の上方には、上部フレームUの長辺枠u1の内側壁u1’の両端部付近に形成された縦長の長孔u5に嵌合されたはね上げ側壁Tの短軸t2、t2’が位置しているので、上方への移動も阻止される。同様に、はね上げ側壁Tの短軸t2、t2’は、下方に位置する上部分割壁D1の水平短軸d11、d12により、上部フレームUの長辺枠u1の内側壁u1’に形成された縦長の長孔u5から抜け落ちることが阻止されるように構成されている。
d15は、下部分割壁D2の下端部d16に、所定の間隔を置いて形成された凹部であり、凹部d15には、水平軸d17が配設されている。水平軸d17の機能については、後述する。
底板Sは、平板s1の周囲に垂直壁s2、s3、s4、s5が立設されて形成されている。そして、平板s1からは、長辺側の相対する垂直壁s2、s3に沿って、垂直壁s2、s3から所定の間隔を置いて、上端が垂直壁s2、s3側に湾曲した逆Jの字状のフック部材s6が立設されている。逆Jの字状のフック部材s6は、垂直壁s2、s3の長手方向に、上述した下部分割壁D2の下端部d16に形成された凹部d15に対応して配設されている。
底板Sの平板s1に立設されたフック部材s6に、下部分割壁D2の凹部d15に配設された水平軸d17を嵌着することにより、底板Sと下部分割壁D2とを連結することができるように構成されている。なお、フック部材s6の先端部s6’と垂直壁s2、s3の内壁s2’、s3’との間隙を、下部分割壁D2の凹部d15に配設された水平軸d17の径より小さくすることにより、底板Sのフック部材s6から、下部分割壁D2の凹部d15に配設された水平軸d17が、簡単に抜け出ることが阻止されている。
s7は、底板Sの平板s1に、垂直壁s4、s5に沿って、それぞれ、所定の間隔を置いて穿設された凹部或いは透孔(以下、単に、「透孔」という。)であり、透孔s7には、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部が挿着するように構成されている。
上述したように、はね上げ側壁Tの短軸t2、t2’を、上部フレームUの長辺枠u1の内側壁u1’に形成された縦長の長孔u5に嵌合させることにより、上部フレームUとはね上げ側壁Tとが連結され、また、上部分割壁D1の側端部d13、d14の上部肩部に形成された切欠部d13’、d14’に配設された水平短軸d11、d12を、上部フレームUの長辺枠u1と短辺枠u3とで形成されるコーナーに配設された棚部u6に載置することにより、上部フレームUと上部分割壁D1とが連結され、更に、上部分割壁D1に配設された雄ヒンジd3の水平軸d6を、下部分割壁D2に配設された雌ヒンジd8の水平凹部d10に嵌着することにより、上部分割壁D1と下部分割壁D2とが連結され、更にまた、底板Sの平板s1に立設されたフック部材s6に、下部分割壁D2の凹部d15に配設された水平軸d17を嵌着することにより、底板Sと下部分割壁D2とが連結されて、折り畳みコンテナーCが形成される。
上述したようにして組み立てられた折り畳みコンテナーCを、折り畳み状態から、組み立てる順序について、主として、図6を用いて説明する。
図6(a)には、折り畳みコンテナーCの短辺側の側壁を形成する、相対する一対のはね上げ側壁Tが、上部フレームUの長辺枠u1の内側壁u1’に形成された長孔u5に嵌合された短軸t2、t2’を中心に、折り畳みコンテナーCの内部側に回動されて略水平状態に位置しており、また、折り畳みコンテナーCの長辺側の側壁を形成する、雄ヒンジd3と雌ヒンジd8とを介して連結された上部分割壁D1と下部分割壁D2が、雌ヒンジd8の水平凹部d10に嵌着された雄ヒンジd3の水平軸d6を中心に、互いの外壁d2、d7が接触する方向に折り畳まれて、折り畳みコンテナーCが、全体として、コンパクトに折り畳まれた状態が示されている。
この状態から、上部フレームUを持ち上げると、雄ヒンジd3と雌ヒンジd8とを介して連結された上部分割壁D1と下部分割壁D2が、雌ヒンジd8の水平凹部d10に嵌着された雄ヒンジd3の水平軸d6を中心に、互いの外壁d2、d7が離れる方向に、即ち、上部分割壁D1と下部分割壁D2とが平らになる方向に回動する。この状態が図6(b)に示されている。
更に、上部フレームUを持ち上げると、上部分割壁D1の外壁d2と下部分割壁D2の外壁d7とが平らな共通平面を形成するとともに、図6(c)に示されているように、相対する一対のはね上げ側壁Tが、上部フレームUの長辺枠u1の内側壁u1’に形成された長孔u5に嵌合された短軸t2、t2’を中心に下方に回動して、図5に示されているような折り畳みコンテナーCが組み立てられることになる。
次いで、ロック部材t5の横枠t5”に設けられた把手部t6を押し下げて、ロック部材t5を下動させて、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部を、はね上げ側壁Tの下端部から突出させるとともに、底板Sの平板s1に穿設された透孔s7に挿着させる。このように、はね上げ側壁Tの内壁t4に形成された案内凹部t3に挿着されたロック部材t5の縦枠t5’の下端部を、底板Sの平板s1に穿設された透孔s7に挿着させることにより、はね上げ側壁Tの上方への回動がロックされることになる。この動作は、後述する蓋体Hとによる、ロック部材t5の下動状態を表している図4に示されている。しかも、ロック部材t5は、はね上げ側壁Tの内壁t4に形成された案内凹部t3に挿着されているので、折り畳みコンテナーCの外側から、ロック部材t5を操作することができず、従って、後述するロック可能な蓋体Hを被せた後は、はね上げ側壁Tを外側から押しても、従来の折り畳みコンテナーのように、はね上げ側壁Tが回動することがないので、折り畳みコンテナーCの機密性が向上する。
折り畳みコンテナーCを折り畳む場合には、ロック部材t5の横枠t5”に設けられた把手部t6を押し上げて、ロック部材t5を上動させて、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部を、底板Sの平板s1に穿設された透孔s7から抜いて、はね上げ側壁Tのロック部材t5によるロック状態を解舒するとともに、はね上げ側壁Tを水平方向に回動させ、次いで、雄ヒンジd3と雌ヒンジd8とを介して連結された上部分割壁D1と下部分割壁D2を、雌ヒンジd8の水平凹部d10に嵌着された雄ヒンジd3の水平軸d6を中心に、互いの外壁d2、d7が接近する方向に回動させることにより、図6(a)に示されているように、折り畳みコンテナーCを折り畳むことができる。
なお、s8は、底板Sの短辺側の垂直壁s4、s5に、それぞれ、所定の間隔を置いて、水平方向に突設された突片であり、突片s8の先端部には、下方に向いた係止部s8’が垂下されている。この突片s8は、はね上げ側壁Tが垂直状に回動し、はね上げ側壁Tの下端部が、底板Sの短辺側の垂直壁s4、s5に当接した際に、はね上げ側壁Tの下端部付近に、所定の間隔を置いて穿設された透孔t10に挿入されるとともに、突片s8の先端部に垂下された係止部s8’が、はね上げ側壁Tの内壁面に係止されて、はね上げ側壁Tが、簡単に、底板Sから離れないように構成されている。
次に、図5及び図7〜図10を用いて、蓋体Hについて説明する。
H1は、蓋体Hの蓋体本体であり、h1は、蓋体本体H1の板状の水平部であり、水平部h1の周囲からは縁部h2、h3、h4、h5が垂下されている。h6は、水平部h1の略中央部に立設された、平面形状が、略方形状の囲いリブであり、囲いリブh6により囲まれた水平部h1の略中央部には、透孔h7が穿設されている。
h8は、縁部h2〜h5に沿って、縁部h2〜h5から所定の幅に水平部h1を上方に膨出させて形成された平面形状が四角形の帯状の凸状部であり、凸状部h8を、蓋体本体H1の裏側から見た場合には、凹部として形成されている。h9、h10は、凸状部h8の縁部h2、h3に沿った帯状部分h8’、h8”の略中央部から、該帯状部分h8’、h8”に直交するように囲いリブh6まで延びる凸状部h8と同様の凸状部であり、凸状部h9と凸状部h10とは、互いに、縁部h2、h3方向にずれて配置されている。図7においては、凸状部h9が、縁部h2、h3に沿って、左方向に、また、凸状部h10が、縁部h2、h3に沿って、右方向に配置されている例が示されている。凸状部h8と同様に、凸状部h9、h10を、蓋体本体H1の裏側から見た場合には、凹部として形成されている。
凸状部h9、h10が当接する囲いリブh6には、凸状部h9、h10に連通する透孔h11、h12が穿設されている。そして、水平部h1には、縁部h2〜h5に沿って形成された凸状部h8と、凸状部h8の縁部h2、h3に沿った帯状部分h8’、h8”の略中央部から囲いリブh6まで延びる凸状部h9、h10と、囲いリブh6とにより囲まれる、平面形状が略方形状の凹み領域h1’、h1”が形成されている。
凸状部h8の縁部h2に沿った帯状部分h8’と、帯状部分h8’の略中央部から、該帯状部分h8’に直交するように囲いリブh6まで延びる凸状部h9により、後述する平面形状が略T字状のスライドロックバーを収容するガイド部h13が形成され、また、凸状部h8の縁部h3に沿った帯状部分h8”と、帯状部分h8”の略中央部から、該帯状部分h8”に直交するように囲いリブh6まで延びる凸状部h10により、同じく、後述する平面形状が略T字状のスライドロックバーを収容するガイド部h14が形成される。上述したように、凸状部h8、h9、h10は、蓋体本体H1の裏側から見た場合には、凹部として形成されているので、これらの凸状部h8、h9、h10により形成される平面形状が略T字状のガイド部h13、h14も、蓋体本体H1の裏側から見た場合には、略T字状の凹部として形成されている。
h15は、凸状部h8の上面或いは水平部h1の凹み領域h1’、h1”に穿設された係合孔であり、係合孔h15の1辺から垂下された突片h15’の先端部には、水平方向に延びる係合爪h15”が延設されている。このような構成を有する係合孔h15は、図7に示されている実施例においては、凸状部h8の帯状部分h8’、h8”の上面に、縁部h2、h3に沿って、所定の間隔を置いて配置されており、また、帯状部分h8’、h8”に沿って水平部h1の凹み領域h1’、h1”に、所定の間隔を置いて配置されており、更に、帯状部分h8’、h8”の略中央部から囲いリブh6まで延びる凸状部h9、h10の両側に沿って、水平部h1の凹み領域h1’、h1”に、所定の間隔を置いて配置されている。
h16は、上述した平面形状が略T字状のガイド部h13、h14に、蓋体Hの裏面側から収容される平面形状が略T字状の一対のスライドロックバーであり、T字の水平部h16’の両端部には、折り畳みコンテナーCの上部フレームUの相対する長辺枠u1、u2の内側壁u1’、u2’に所定の間隔を置いて穿設された透孔u7に挿入される突出部h17が形成されており、また、スライドロックバーh16のT字の垂直部h16”の端部には、T字の垂直部h16”に略直交するように、平行なリブh18’、h18”が立設されていおり、平行なリブh18’、h18”により、係合凹部h18が形成されている。
h19は、平面形状が略T字状の一対のカバーであり、カバーh19の縁部には、カバーh19のT字の水平部h19’の両端部及びカバーh19のT字の垂直部h19”の端部を除いて、垂直リブh20が立設されている。h21’、h21”は、T字の水平部h19’の外側縁部に立設された垂直リブh20’の両端部付近に設けられた凹部であり、スライドロックバーh16の突出部h17が挿入できるように構成されている。h22は、垂直リブh20に、上述した係合孔h15と同じ間隔で立設された係合片であり、係合片h22の先端部には、略水平方向に、上述した突片h15’の先端部に設けられた係合爪h15”と噛み合う舌片h22’が突設されている。
h23は、細長の箱状の操作部材であり、操作部材h23の下面の略中央部には、短軸h24が突設されている。操作部材h23の下面に突設された短軸h24を、上述した囲いリブh6により囲まれた水平部h1の略中央部に穿設された透孔h7に嵌合させるとともに、操作部材h23を、囲いリブh6内に収納することにより、操作部材h23を、透孔h7に嵌合された短軸h24を中心に回動することができるように構成されている。
h25は、囲いリブh6に穿設された透孔であり、透孔h25の両側の囲いリブh6の外壁には、平面形状がハの字状に拡張した案内リブh26’、h26”が設けられている。h27は、上記の囲いリブh6に穿設された透孔h25に対応して、操作部材h23の垂直壁h23’に穿設された透孔であり、また、h28は、操作部材h23の底部h23”に配設された傾斜面h28’を有する案内ブロックであり、案内ブロックh28は、案内ブロックh28の傾斜面h28’が、操作部材h23の垂直壁h23’に穿設された透孔h27に対向するように配置されている。なお、h29は、縁部h2〜h5に沿って形成された凸状部h8の上面に突設されたリブであり、折り畳みコンテナーCの底面に設けられた、図示されていない同様のリブと嵌合して、蓋体Hが被された折り畳みコンテナーCを積み重ねた際に、折り畳みコンテナーCの水平方行の移動を制限して、積み重ねられた折り畳みコンテナーCが倒れることを防止するものである。勿論、このようなリブh29は、適宜、省略することができる。
h30は、短辺側の縁部h4、h5に沿って配置された凸状部h8の裏面から、それぞれ、所定の間隔を置いて垂下された押し部材であり、本実施例においては、押し部材h30は、縁部h4に沿って配置された凸状部h8の裏面に、所定の間隔をおいて2個、また、縁部h5に沿って配置された凸状部h8の裏面に、所定の間隔をおいて2個、それぞれ、配設されている。そして、短辺側の縁部h4、h5に沿って配置された凸状部h8の裏面から、それぞれ、所定の間隔を置いて垂下された押し部材h30は、蓋体Hを、折り畳みコンテナーCに被せた際に、押し部材h30が、上述した上部フレームUの短辺枠u3、u4の上面に、所定の間隔を置いて穿設された透孔u8の上方に位置するように配設されている。
ロック部材t5の横枠t5”に設けられた把手部t6を押し下げて、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部を、底板Sの平板s1に穿設された透孔s7に挿着する、はね上げ側壁Tのロック作業が行われなかった場合にも、図4(a)に示されている、はね上げ側壁Tがロックされていない状態から、図4(b)に示されているように、蓋体Hを、折り畳みコンテナーCに被せることにより、蓋体Hに配設された押し部材h30が、上部フレームUの短辺枠u3、u4に穿設された透孔u8に挿通されるとともに、ロック部材t5の縦枠t5’の上端部に当接し、ロック部材t5を押し下げるので、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部が、底板Sの平板s1に穿設された透孔s7に挿着されて、はね上げ側壁Tが、ロック部材t5によりロックされることになる。
以下に、上述したような、蓋体本体H1、スライドロックバーh16、カバーh19、操作部材h23等の部材からなる、蓋体Hの組み立てについて説明する。
先ず最初に、スライドロックバーh16のT字の垂直部h16”の端部に立設された平行なリブh18’、h18”が、上向きに囲いリブh6内に位置するように、囲いリブh6に穿設された透孔h11、h12に、それぞれ、一対のスライドロックバーh16のT字の垂直部h16”を、蓋体Hの裏面側から挿通するとともに、凸状部h8の縁部h2に沿った帯状部分h8’と、帯状部分h8’の略中央部から、該帯状部分h8’に直交するように囲いリブh6まで延びる凸状部h9により形成されるガイド部h13及び凸状部h8の縁部h3に沿った帯状部分h8”と、帯状部分h8”の略中央部から、該帯状部分h8”に直交するように囲いリブh6まで延びる凸状部h10により形成されるガイド部h14に、それぞれ、一対のスライドロックバーh16を収容する。
次いで、ガイド部h13、h14に収容された一対のスライドロックバーh16のT字の垂直部h16”の端部に立設された平行なリブh18’、h18”により形成される係合凹部h18に、短軸h24を挟んで操作部材h23の両側部分を挿着するとともに、操作部材h23の下面に突設された短軸h24を、上述した囲いリブh6により囲まれた水平部h1の略中央部に穿設された透孔h7に嵌合させる。
次いで、一対のスライドロックバーh16が収容されたガイド部h13、h14の凹部を覆うように、上述した平面形状が略T字状の一対のカバーh19を、ガイド部h13、h14に配置するとともに、カバーh19の垂直リブh20に突設された係合片h22の舌片h22’を、上述した凸状部h8の上面或いは水平部h1の凹み領域h1’、h1”に穿設された係合孔h15の1辺から垂下された突片h15’の先端部に延設された係合爪h15”に噛み合わせることにより、カバーh19を、水平部h1の裏側に取り付ける。
上述したようにして、蓋体本体H1、スライドロックバーh16、カバーh19、操作部材h23等からなる蓋体Hを組み立てる。
次いで、主として、図5及び図10を用いて、折り畳みコンテナーCに蓋体Hをロック状態に被せる順序について説明する。
先ず最初に、図10(a)に示されているように、操作部材h23を、透孔h7に嵌合された短軸h24を中心に、図10(a)において、時計方向に回動させて、平面形状が略T字状の一対のスライドロックバーh16の突出部h17を引っ込める。このように、スライドロックバーh16の突出部h17が引っ込んだ状態の蓋体Hを、折り畳みコンテナーCに被せる。
次いで、図10(b)に示されているように、操作部材h23を、透孔h7に嵌合された短軸h24を中心に反時計方向に回動させて、スライドロックバーh16の突出部h17を突出させて、特に、図8に示されているように、突出部h17を、折り畳みコンテナーCの上部フレームUの相対する長辺枠u1、u2の内側壁u1’、u2’に所定の間隔を置いて穿設された透孔u7に挿入する。このようにして、折り畳みコンテナーCに蓋体Hをロック状態に被せる。このように、折り畳みコンテナーCに、蓋体Hがロック状態に被蓋された際には、操作部材h23の垂直壁h23’と、囲いリブh6とが、図9及び図10(b)に示されているように、接近するように構成されている。
次いで、鍵棒或いは封印紐yを、案内リブh26’、h26”に沿って囲いリブh6に穿設された透孔h25に挿通する。透孔h25に挿通された封印紐yは、操作部材h23の垂直壁h23’に穿設された透孔h27に挿通されるとともに、操作部材h23の底部h23”に配設された案内ブロックh28の傾斜面h28’に沿って上方に偏向されて、操作部材h23から突出する。このように操作部材h23から突出された封印紐yの端部と、囲いリブh6に穿設された透孔h25側の封印紐yの端部とを結束することにより、封印作業を行う。
なお、上述した実施例においては、T字の水平部h16’の両端部に、折り畳みコンテナーCの上部フレームUの相対する長辺枠u1、u2の内側壁u1’、u2’に所定の間隔を置いて穿設された透孔u7に挿入される突出部h17を配設したが、必要に応じて、T字の水平部h16’の中央部等にも突出部h17を配設することができる。また、カバーh19の配設を省略することもでき、従って、この場合には、凸状部h8の上面或いは水平部h1の凹み領域h1’、h1”に穿設された係合孔h15及び該係合孔h15の1辺から垂下された突片h15’等は省略されることになる。
上述したように、折り畳みコンテナーCの上部フレームUの相対する長辺枠u1、u2の内側壁u1’、u2’に所定の間隔を置いて穿設された複数の透孔u7に挿入可能な複数の突出部h17を有する一対のスライドロックバーh16を配設したので、気密状態に、蓋体Hを折り畳みコンテナーCに被せることができるとともに、操作部材h23を回動させて、操作部材h23に係合された一対のスライドロックバーh16を、同時に作動させるようにしたので、ワンステップで、しかも、迅速に、蓋体Hを折り畳みコンテナーCにロックすることができる。
また、折り畳みコンテナーCの上部フレームUの相対する長辺枠u1、u2の内側壁u1’、u2’に所定の間隔を置いて穿設された複数の透孔u7に、スライドロックバーh16の突出部h17を挿入した後に、操作部材h23に穿設された透孔h27と囲いリブh6に穿設された透孔h25に、鍵棒或いは封印紐yを挿通することにより、折り畳みコンテナーCの気密管理を確実に行うことができる。更に、囲いリブh6に案内リブh26’、h26”を配設するとともに、操作部材h23に傾斜面h28’を有する案内ブロックh28を配設したので、鍵棒或いは封印紐yの挿通及び結束が容易となる。
上述した折り畳みコンテナーCを構成する上部フレームU,はね上げ側壁T、上部分割壁D1、下部分割壁D2、底板S及び蓋体H等は、合成樹脂により、それぞれ、一体に形成することが好ましい。特に、上部フレームU,はね上げ側壁T、上部分割壁D1、下部分割壁D2、底板Sを連結するヒンジも、別途製造された金属製ヒンジを利用することなく、上記の部材と一体に、合成樹脂で成形することが好ましい。このように、折り畳みコンテナーC全体を、合成樹脂で成形することにより、リサイクルが容易となり、省資源化が実現できる。
次に、折り畳みコンテナーCの一部拡大斜視図である図11及び図12を用いて、はね上げ側壁Tをロックするロック部材t5等の別の実施例について説明する。
図11に示されている実施例においては、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部に配設されたピンt12に、レバーt13が枢着されており、また、上述した案内凹部t3の垂直凹部t3”の下端部には、はね上げ側壁Tの端壁t1’方向に略水平方向に屈曲した水平凹部t14が形成されている。更に、この実施例においては、上述した底板Sの平板s1に配設された凹部或いは透孔s7に代えて、下部分割壁D2の内壁の端部付近に透孔或いは凹部d18が形成されている。なお、折り畳みコンテナーCの機密性をより確保するためには凹部を形成することが好ましい。
図11において、レバーt13が実線で示されている、ロック部材t5が上方に位置している状態においては、レバーt13は、はね上げ側壁Tの端壁t1’から引っ込んだ位置にある。そして、この状態からロック部材t5を下方に移動させると、レバーt13は、ピンt12を中心に回動しながら水平凹部t14の底面t14’に沿って移動し、レバーt13の先端部t13’が、二点鎖線で示されているように、はね上げ側壁Tの端壁t1’から突出して、下部分割壁D2の内壁の端部付近に形成された透孔或いは凹部d18に挿着され、はね上げ側壁Tがロックされることになる。なお、図示されていないが、ロック部材t5のもう一方の縦枠t5’、案内凹部t3のもう一方の垂直凹部t3”及び もう一方の下部分割壁D2も、同様の構成を有している。
図12に示されている実施例においては、垂直凹部t3”の下端部に形成された水平凹部t14が、はね上げ側壁Tの中央部方向に延設されており、水平凹部t14のはね上げ側壁Tの中央部方向に延設された部分に短軸t15が配設されており、また、ロック部材t5の縦枠t5’の下端部には、ピンt16が配設されている。そして、レバーt17の一端は、短軸t15に枢着されており、また、レバーt17の略中央部は、ピンt16に枢着されている。
図12において、レバーt17が実線で示されている、ロック部材t5が上方に位置している状態においては、レバーt17は、上方に回動しており、はね上げ側壁Tの端壁t1’から引っ込んだ位置にある。この状態からロック部材t5を下方に移動させると、レバーt17は、ピンt15を中心に下方に回動し、レバーt17の先端部t17’が、二点鎖線で示されているように、はね上げ側壁Tの端壁t1’から突出して、下部分割壁D2の内壁の端部付近に形成された透孔或いは凹部d18に挿着され、はね上げ側壁Tがロックされることになる。なお、図示されていないが、ロック部材t5のもう一方の縦枠t5’、案内凹部t3のもう一方の垂直凹部t3”及び もう一方の下部分割壁D2も、同様の構成を有している。
次に、図1、図2及び図5を用いて、カード差し部材Eについて説明する。
本実施例においては、はね上げ側壁Tに配設されるカード差し部材E1は、はね上げ側壁Tの外壁t11の所定の位置に設けられた正面形状が方形状の凹部e1及び外壁t11から凹部e1の内側に突設された所定数の係止爪e2により構成されている。
一方、分割側壁Dに配設されたカード差し部材E2は、分割側壁Dを構成する上部分割壁D1と下部分割壁D2とに跨がって配設されている。即ち、図示されていないカードが挿着される正面形状が方形状の凹部e3は、その一部凹部e3’が上部分割壁D1に設けられており、また、他の一部凹部e3”が下部分割壁D2に設けられている。なお、e4は、上述したはね上げ側壁Tに配設されるカード差し部材E1の係止爪e2と同様の係止爪であり、下部分割壁D1の外壁d7から凹部e3”の内側方向に、外壁d7を延設することにより、所定数、形成されている。なお、係止爪e4は、上部分割壁D1に設けられた凹部e3’には配設されていない。
分割側壁Dに配設されたカード差し部材E2を、分割側壁Dを構成する上部分割壁D1と下部分割壁D2とに跨がって配設したので、空になった折り畳みコンテナーCを折り畳む際に、カード差し部材E2に挿着されている使用済みのカードの除去を忘れても、空になった折り畳みコンテナーCを折り畳むことにより、カードが、上部分割壁D1と下部分割壁D2との境で折り畳まれ、次に、折り畳みコンテナーCを使用する際に、折り畳みコンテナーCを組み立てると、上部分割壁D1と下部分割壁D2との境で折り畳まれたカードの上部が、係止爪e4が配設されていない上部分割壁D1に設けられた凹部e3’から突出することになり、従って、取り忘れた使用済みのカードを、確実に、カード差し部材E2から除去することができる。
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏するものである。
はね上げ側壁の内側に、下端部が底板に設けられた凹部に挿着可能なロック部材を配設したので、折り畳みコンテナーの外部からのロック解舒が阻止でき、従って、折り畳みコンテナーの機密性が向上する。
ロック部材の上端部が位置する上部フレームに、蓋体の裏面に垂下された押し部材が挿通可能な透孔を穿設したので、はね上げ側壁のロック作業が行われなかった場合にも、折り畳みコンテナーに蓋体を被せることにより、蓋体に配設された押し部材が、ロック部材を押し下げ、確実に、はね上げ側壁をロックすることができる。
分割側壁を構成する上部分割壁及び下部分割壁に跨がってカード差し部材を配設したので、空になった折り畳みコンテナーを折り畳む際に、カード差し部材に挿着されている使用済みのカードの除去を忘れても、空になった折り畳みコンテナーを折り畳むことにより、カードが、上部分割壁と下部分割壁との境で折り畳まれ、次に、折り畳みコンテナーを使用する際に、折り畳みコンテナーを組み立てると、上部分割壁と下部分割壁との境で折り畳まれたカードの上部が、突出することになり、従って、取り忘れた使用済みのカードを、確実に、カード差し部材から除去することができる。
蓋体に、折り畳みコンテナーの内壁に設けた複数の孔に挿入可能な複数の突出部を有する一対のスライドロックバーを配設したので、気密状態に、蓋体を折り畳みコンテナーに被せることができるとともに、操作部材を回動させて、操作部材に係合された一対のスライドロックバーを、同時に作動させるようにしたので、ワンステップで、しかも、迅速に、蓋体を折り畳みコンテナーに被せることができる。
折り畳みコンテナーの内壁に設けた複数の孔に、スライドロックバーの突出部を挿入した後に、操作部材の側壁に穿設された透孔とリブに穿設された透孔に、鍵棒或いは封印紐等を挿通することにより、折り畳みコンテナーの気密管理を確実に行うことができる。また、リブに案内板を配設したことにより、上記の操作部材の側壁に穿設された透孔とリブに穿設された透孔への鍵棒或いは封印紐等の挿通が容易となる。