JP2565398B2 - 磁気テープカセット用ケース - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、オーディオ用磁気テープカセットやビデオ
機器用磁気テープカセット等の保管、携行時に用いられ
る収納ケースである磁気テープカセット用ケースに関す
る。

（従来技術） オーディオ機器等に用いられている磁気テープカセッ
トは、通常その保管時において、プラスチックからなる
磁気テープカセット用ケース（以下、単に「収納ケー
ス」という）に収納する。前記収納ケースは、前記磁気
テープカセットの構造が記録再生装置の磁気ヘッド等の
挿入される前面部分に開口部を備え、且つ該開口部を横
切るように装着された磁気テープを有している構造であ
るので、該開口部から塵埃がカセット内に侵入するのを
防止すると共に、該開口部に位置している前記磁気テー
プの保護およびカセット全体を保護する目的で用いられ
ている。

前記収納ケースの形状および構造は多種にわたるが、
オーディオ用の磁気テープカセットの場合、第３図に示
す収納ケース30ように磁気テープカセット15の前面部分
18を収納するポケット34を備えた蓋部33と、前記磁気テ
ープカセット15のシャフト挿入孔16に入り込んで、磁気
テープを巻装した一対のハブ17の回転防止突起37（スト
ッパ）を備えたケーシング部35からなっている。

そして、前記ケーシング部35の左右内側に突設された
支軸39と、前記ポケット34の左右側壁に透設された孔40
とを嵌合し、前記ケーシング部35と前記蓋部33とが扉の
如く開閉できるようにされている。

更に、前記ケーシング部35に係止突起41を設け、前記
蓋部33に前記係止用突起41に嵌合するための嵌合孔42を
設け、前記ケーシング部35と前記蓋部33とを閉じた時、
両者が不所望に開かぬようになされている。

（発明が解決しようとする課題） 前記収納ケース30は、磁気テープカセットの収納のと
きには、前記蓋部33を開いて前記磁気テープカセット15
の前面部分18を前記ポケット部34に挿入した後に、前記
蓋部33を閉じるように操作をする。このとき、前記磁気
テープカセット15の前後方向を逆に入れるような誤操作
をすると、前記回転防止突起37が前記シャフト挿入孔16
に対応しなくなり、カセット収納が出来なくなる不都合
が生じていた。また、前記収納ケース30は、前記支軸39
が前記孔40に嵌合して、扉状に開閉できるように組み立
て構造であるので、この組立が収納ケースの生産性を低
下させる原因であった。

（発明の目的） 本発明の目的は前記課題を解消することにあり、磁気
テープカセットの収納ケースにおいて、該収納ケースと
取扱性および生産性を向上させることにある。

（課題を解決するための手段） 本発明に係る上記目的は、４方向の壁面にて囲まれた
空間が磁気テープカセットの外形寸法に略一致している
と共に、左右両側の挿入口が該磁気テープカセット側面
の垂直断面形状に略対応して開口されているケーシング
部と、ハブ係止用の一対のストッパを備え前記壁面の一
部を構成すべく該壁面に開閉自在に設けられた片開きの
蓋部とからなる磁気テープカセット用ケースにおいて、
前記一対のストッパが、前記ケーシング部の短手方向の
ほぼ中央で且つ長手方向に沿って並んで設けられると共
に、シャフト挿入孔内で前記ケーシング部の短手方向に
余裕のある寸法に構成されており、該ケーシング部への
カセットの挿入方向が前後いかなる方向であっても、該
ストッパがカセットのシャフト挿入孔に挿入することが
できることを特徴とする磁気テープカセットの収納ケー
スより達成できる。また他の構成、即ち、セットの外形
寸法に略一致していると共に、左右両側の挿入口が該磁
気テープカセット側面の垂直断面形状に略対応して開口
されているケーシング部と、ハブ係止用の一対のストッ
パを備え前記壁面の一部を構成する蓋部が、該壁面に着
脱自在に設けられたことを特徴とする収納ケースによっ
ても達成される。

（実施態様） 以下、本発明の実施態様について詳細に説明する。

第１図は本発明を適用した収納ケース１と該収納ケー
ス１に収納する磁気テープカセット15とを示す斜視図で
ある。

本実施態様における収納ケース１のケーシング部２
は、磁気テープカセット15の表裏面に対応する壁面９、
10及び前後面に対応する壁面７、８の４方向の壁面によ
って、前記磁気テープカセット15をガタ付くことなく収
納するできる空間が形成されている。すなわち、前記収
納ケース１の左右両側は、前記磁気テープカセット15側
面の垂直断面形状に略対応して開口されており、該磁気
テープカセット15の挿入取出し口13,14として構成され
ている。

また、前記壁面10には、矩形状の切り欠き11が形成さ
れており、そして、該切り欠き11を閉塞できる蓋部３
が、該切り欠き11の一方の端縁にヒンジ部４を介して開
閉自在に設けられている。前記蓋部３の内面には、前記
ケーシング部２の短手方向のほぼ中央で且つ長手方向に
沿って並んだ２つのストッパ５が突設されており、前記
磁気テープカセット15のハブ17に係合して、該ハブ17の
回動を阻止できるように構成されている。さらに、前記
蓋部３の自由端である蓋端縁６は、該蓋部３の閉じ方向
に屈曲しており、前記ヒンジ部４とは反対方向の端縁12
或いは該端縁12近傍に適宜係合して、前記蓋部３を仮止
めできる構成となっている。

なお、前記ストッパ５の間隔Ｌは、前記シャフト挿入
口16に対応した間隔になされている。また、前記蓋部３
と前記端縁12との係合構造は、特に限定するものではな
く、従来知られている種々の構成を適用することがで
き、例えば、前記蓋端縁６の左右両端に突起6aを形成
し、一方、前記突起6aに対応した前記端縁12の部分に凹
部12aを形成した凹凸嵌合構造にすることができる。

上述のように構成した前記収納ケース１に前記磁気テ
ープカセット15を収納するときは、第１図のように、前
記蓋部３を開いておいて、前記挿入取出し口13或いは14
にカセット側面から挿入しては前記蓋部３を閉じること
でカセット挿入は完了する。このカセット挿入操作にお
いては、前記磁気テープカセット15の前後の向き或いは
表裏はどのようであっても挿入でき、且つ前記蓋部３を
閉じることができるので、カセット収納操作は、従来の
ように前後誤挿入に注意を払わなくて良く、その操作性
は極めて向上する。

なお、前記ハブ17に対応したシャフト挿入孔16は、前
記磁気テープカセット15の前後方向の中央からは僅かに
ずれた位置に形成されているが、前記ストッパ５はこの
位置ずれを許容する構成となている。すなわち、前記ス
トッパ５は、前記シャフト挿入孔16内に進入して前記ハ
ブ17の歯部17aに係合することによってハブ係止を行う
が、前記磁気テープカセット15の挿入向きが前後何方の
方向であっても、例えば、ケース長手方向に沿って細長
く突出した形状であってケース短手方向に余裕のある寸
法に構成されているので、カセット前後の向きの違いに
よる位置ずれを容易に許容することができる。

また、カセット取り出し時においては、前記蓋部３を
開くとともに前記挿入取出し口13或いは14の下にするよ
うに僅かに傾けるだけで極めて容易に取り出すことが出
来き、更に、例えば、前記収納ケース１を片手にて持ち
前記挿入取出し口13を下にするように傾けて、且つこの
持った手の指で前記蓋部３を開くことにより、取り出す
ことも出来る。

前記蓋部３は、前記ケーシング部２とは別に成形して
該ケーシング部２に取りつけた構成であってもよいが、
前記ケーシング部２と一体成形することもできる。この
一体成形により、製造時に従来のようにケース組立工程
がなく、収納ケースの生産性を向上させることができ
る。また、前記収納ケース１は、前記ケーシング部２が
前記磁気テープカセット15の表裏及び前後面全体を囲む
ように繋がった構成であるので、強度的に見ても優れて
おり、カセット保護機能の点において高い効果を奏する
ことができる。

また、前記収納ケース１の材質は、従来同様にAS樹
脂、PS樹脂、PP樹脂等にて構成することができるが、前
記ヒンジ部４の耐久性を考慮すると、前記収納ケース１
全体を疲労強度の高いPP樹脂にて構成するか、或いは少
なくとも前記ヒンジ部４をPP樹脂等の合成樹脂を用いる
ことが望ましい。

本発明は、前記実施態様の第１図に示す構成に限るも
のではなく、第２図に示す構造であってもよい。第２図
に示す収納ケース21のケーシング部２は、第１図に示す
ものと同様に、４方向の壁面（7,8,9,10）にて囲まれた
空間が前記磁気テープカセット15の外形寸法に略一致し
ていると共に、左右両側の挿入取出し口13、14が該磁気
テープカセット側面の垂直断面形状に略対応して開口さ
れた構成となっている。しかし、蓋部23は、ハブ係止用
の一対のストッパ５を備え、かつ前記壁面10の切り欠き
11に対応して該壁部10の一部を構成するようになされ、
さらに、ケース長手方向に沿った両蓋端縁26の部分が、
前記切り欠き11の端縁12にそれぞれ係止できて、前記壁
面10に着脱自在な構造となっている。

前記両端縁12と前記蓋端縁26の係合構造は、例えば、
前記各端縁部分における対向面に形成した凹凸構造等に
より適宜構成することができるものである。

このように構成した前記収納ケース21の場合において
も、第１図に示した前記収納ケース１と同様に操作性な
らびに生産性、さらにカセット保護機能の向上等の効果
を奏することが出来る。

なお、上記説明においては、オーディオ用磁気テープ
カセットの収納ケースに関して述べたが、本発明はこれ
に限るものではなく、上述の如きプラスチック樹脂によ
り形成したビデオ用磁気テープカセットの収納ケースに
も適用することが出来る。

（発明の効果） 以上述べたように、本発明の収納ケースは、４方向の
壁面にて囲まれた空間が磁気テープカセットの外形寸法
に略一致していると共に、左右両側の挿入口が該磁気テ
ープカセット側面の垂直断面形状に略対応して開口され
ているケーシング部と、ハブ係止用の一対のストッパを
備え前記壁面の一部を構成すべく該壁面に開閉自在に設
けられた片開きの蓋部とからなり、磁気テープカセット
用ケースにおいて、前記一対のストッパが、前記ケーシ
ング部の短手方向のほぼ中央で且つ長手方向に沿って並
んで設けられると共に、シャフト挿入孔内で前記ケーシ
ング部の短手方向に余裕のある寸法に構成されており、
該ケーシング部へのカセットの挿入方向が前後いかなる
方向であっても、該ストッパがカセットのシャフト挿入
孔に挿入することができる構成、或いは前記ストッパを
備えた蓋部が、前記壁面に着脱自在に設けられた構成で
あるので、前記収納ケースに前記磁気テープカセットを
収納するとき、前記２つの何れの開口から挿入しても収
納することができ、また、前記磁気テープカセットの前
後の向き或いは表裏はどのようであっても収納すること
ができ、カセット収納操作は、従来のように前後誤挿入
に注意を払わなくて良く、その操作性は極めて向上す
る。

本発明によれば、カセット取り出し時においては、前
記蓋部を開くとともに前記開口を下にするように僅かに
傾けるだけで極めて容易に取り出すことが出来き、更
に、例えば、前記収納ケースを片手で持ち適宜傾けて、
この持った手の指で前記蓋部を開くことにより、取り出
すような操作も容易にできる。又、前記蓋部は、前記ケ
ーシング部と一体成形することができるので、製造時に
従来のようにケース組立工程がなく、収納ケースの生産
性を向上させることができる。更に、本発明による前記
収納ケースは、前記ケーシング部が前記磁気テープカセ
ットの表裏及び前後面全体を囲むように繋がった構成で
あるので、従来の開閉扉型の収納ケースに比べて強度的
に優れており、カセット保護機能を高めることができ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図及び第２図は本発明を適用したカセット収納ケー
スの各実施態様を示すものであって、カセット収納ケー
スと該収納ケースに収納される磁気テープカセットを示
す斜視図、第３図は従来のカセット収納ケースと該収納
ケースに収納される磁気テープカセットを示す斜視図で
ある。 図中符号： １……収納ケース、２……ケーシング部、 ３……蓋部、４……ヒンジ部、 ５……ストッパ、６……蓋端縁、 6a……突起、7,8,9,10……壁面、 11……切り欠き、12……端縁、 12a……凹部、13,14……挿入取出し口、 15……磁気テープカセット、 16……シャフト挿入孔、17……ハブ、 17a……歯部、18……前面部、

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】４方向の壁面に囲まれた空間が磁気テープ
   カセットの外形寸法に略一致していると共に、左右両側
   の挿入口が該磁気テープカセット側面の垂直断面形状に
   略対応して開口されているケーシング部と、ハブ係止用
   の一対のストッパを備え前記壁面の一部を構成すべく該
   壁面に開閉自在に設けられた片開きの蓋部とからなる磁
   気テープカセット用ケースにおいて、 前記一対のストッパが、前記ケーシング部の短手方向の
   ほぼ中央で且つ長手方向に沿って並んで設けられると共
   に、シャフト挿入孔内で前記ケーシング部の短手方向に
   余裕のある寸法に構成されており、該ケーシング部への
   カセットの挿入方向が前後いかなる方向であっても、該
   ストッパがカセットのシャフト挿入孔に挿入することが
   できることを特徴とする磁気テープカセット用ケース。
2. 【請求項２】ハブ係止用の一対のストッパを備え前記壁
   面の一部を構成する蓋部が、該壁面に着脱自在に設けら
   れたことを特徴とする請求項１に記載の磁気テープカセ
   ット用ケース。