JPH07233119A - 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物 - Google Patents
光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物Info
- Publication number
- JPH07233119A JPH07233119A JP4792094A JP4792094A JPH07233119A JP H07233119 A JPH07233119 A JP H07233119A JP 4792094 A JP4792094 A JP 4792094A JP 4792094 A JP4792094 A JP 4792094A JP H07233119 A JPH07233119 A JP H07233119A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- formula
- compound
- methyloctanoate
- represented
- alkyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエー
トを高収率、高純度に合成できる新規な製法並びにフル
ーツ様、フローラル様の香気を有する該化合物を有効成
分とする香料組成物を提供する。 【構成】 (R)−(−)−2−メチル−1,3−プロ
パンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテルトシレ
ートを出発物質として、(S)−(+)−2−メチルヘ
プタノールテトラヒドロピラニルエーテル;(S)−
(−)−2−メチルヘプタノール;(S)−(+)−2
−メチルヘプタノールトシレート;(S)−(+)−3
−メチルオクタンニトリル;(S)−(−)−3−メチ
ルオクタン酸を経て一般式(1)−1の(S)−(−)
−アルキル 3−メチルオクタノエートを製造できる
(A)製造法、および該化合物を有効成分として含有す
る香料組成物。
トを高収率、高純度に合成できる新規な製法並びにフル
ーツ様、フローラル様の香気を有する該化合物を有効成
分とする香料組成物を提供する。 【構成】 (R)−(−)−2−メチル−1,3−プロ
パンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテルトシレ
ートを出発物質として、(S)−(+)−2−メチルヘ
プタノールテトラヒドロピラニルエーテル;(S)−
(−)−2−メチルヘプタノール;(S)−(+)−2
−メチルヘプタノールトシレート;(S)−(+)−3
−メチルオクタンニトリル;(S)−(−)−3−メチ
ルオクタン酸を経て一般式(1)−1の(S)−(−)
−アルキル 3−メチルオクタノエートを製造できる
(A)製造法、および該化合物を有効成分として含有す
る香料組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記式(1)−1
【0002】
【化17】 で表される(S)−(−)−アルキル 3−メチルオク
タノエート及び下記式(1)−2
タノエート及び下記式(1)−2
【0003】
【化18】 で表される(R)−(+)−アルキル 3−メチルオク
タノエートを高収率、高純度に製造することのできる新
規製法に関する。また、本発明はフローラル様、フルー
ツ様の香気特性を有し、且つ該特性の持続性に優れる前
記式(1)−1の化合物及び/又は前記式(1)−2の
化合物を有効成分として含有する香料組成物に関する。
タノエートを高収率、高純度に製造することのできる新
規製法に関する。また、本発明はフローラル様、フルー
ツ様の香気特性を有し、且つ該特性の持続性に優れる前
記式(1)−1の化合物及び/又は前記式(1)−2の
化合物を有効成分として含有する香料組成物に関する。
【0004】
【従来の技術】上記の式(1)−1及び式(1)−2の
化合物に包含されるメチルエステルは従来の文献に記載
されており、該化合物の製法については、例えば光学分
割して得られる(R)−(+)−モノメチル 3−メチ
ルグルタレートを出発原料に選び、多工程で製造できる
ことが報告されている[Gazzetta Chimica Italiana,11
9,99■105(1989)]。該報告によれば、(R)−(+)
−モノメチル 3−メチルグルタレートをハイドロボー
レーション反応し、(R)−メチル 5−ヒドロキシ−
3−メチルペンタノエートとし、次ぎにトシレート体と
した後、リチウムジーnープロピルキュープレートと処
理することにより、(R)−(+)−メチル 3−メチ
ルオクタノエート[式(1)−2の化合物]を製造して
いる。
化合物に包含されるメチルエステルは従来の文献に記載
されており、該化合物の製法については、例えば光学分
割して得られる(R)−(+)−モノメチル 3−メチ
ルグルタレートを出発原料に選び、多工程で製造できる
ことが報告されている[Gazzetta Chimica Italiana,11
9,99■105(1989)]。該報告によれば、(R)−(+)
−モノメチル 3−メチルグルタレートをハイドロボー
レーション反応し、(R)−メチル 5−ヒドロキシ−
3−メチルペンタノエートとし、次ぎにトシレート体と
した後、リチウムジーnープロピルキュープレートと処
理することにより、(R)−(+)−メチル 3−メチ
ルオクタノエート[式(1)−2の化合物]を製造して
いる。
【0005】一方、(R)−メチル 5−ヒドロキシ−
3−メチルペンタノエートをtert−ブチルジメチル
シリル基で保護し、その後、水素化リチウムアルミニウ
ムで還元、トシル化し、リチウムジーnープロピルキュ
ープレートで処理、脱シリル化後、得られる(S)−3
−メチルオクタノールをクロム酸酸化、メチルエステル
化反応することにより、(S)−(−)−メチル 3−
メチルオクタノエート[式(1)−1の化合物]を製造
している。
3−メチルペンタノエートをtert−ブチルジメチル
シリル基で保護し、その後、水素化リチウムアルミニウ
ムで還元、トシル化し、リチウムジーnープロピルキュ
ープレートで処理、脱シリル化後、得られる(S)−3
−メチルオクタノールをクロム酸酸化、メチルエステル
化反応することにより、(S)−(−)−メチル 3−
メチルオクタノエート[式(1)−1の化合物]を製造
している。
【0006】しかしながら、上記提案の合成方法におい
ては、出発原料の(R)−(+)−モノメチル 3−メ
チルグルタレートは光学分割して製造しているため、原
料の入手が困難で且つ高価につく不利益がある。また、
式(1)−1及び式(1)−2の化合物は多工程により
製造しているため、収率および光学純度が悪く、且つ製
造工程中に、官能基を保護するために高価な試薬を使用
しているなどの問題点がある。
ては、出発原料の(R)−(+)−モノメチル 3−メ
チルグルタレートは光学分割して製造しているため、原
料の入手が困難で且つ高価につく不利益がある。また、
式(1)−1及び式(1)−2の化合物は多工程により
製造しているため、収率および光学純度が悪く、且つ製
造工程中に、官能基を保護するために高価な試薬を使用
しているなどの問題点がある。
【0007】一方、本発明に関連する提案としては、ラ
セミ体のメチル 3−メチルオクタノエートが、アフリ
カ産ラン(Aerangis confusa,Aerangis kirkii)の香気
成分中から検出され、フルーツ様の香気を有すると報告
されている(R.Caiser著,「The Scent of Orchids」 Else
vier,Amsterdam,ISBN 0-444-898417)。
セミ体のメチル 3−メチルオクタノエートが、アフリ
カ産ラン(Aerangis confusa,Aerangis kirkii)の香気
成分中から検出され、フルーツ様の香気を有すると報告
されている(R.Caiser著,「The Scent of Orchids」 Else
vier,Amsterdam,ISBN 0-444-898417)。
【0008】しかしながら、上記報告においては、ラセ
ミ体のメチル 3−メチルオクタノエートが、アフリカ
産ラン(Aerangis confusa,Aerangis kirkii)の香気成
分として検出され、フルーツ様の香気を有することが開
示されているのみで、該化合物を香料組成物の調合素材
として用いることなどについては、全く言及されていな
い。更に、該報告には、本発明の光学活性な式(1)−
1および式(1)−2の化合物自体並びにこれら化合物
の香気特性などについては、示唆も言及もされていな
い。
ミ体のメチル 3−メチルオクタノエートが、アフリカ
産ラン(Aerangis confusa,Aerangis kirkii)の香気成
分として検出され、フルーツ様の香気を有することが開
示されているのみで、該化合物を香料組成物の調合素材
として用いることなどについては、全く言及されていな
い。更に、該報告には、本発明の光学活性な式(1)−
1および式(1)−2の化合物自体並びにこれら化合物
の香気特性などについては、示唆も言及もされていな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記提
案の問題点を解決するため、鋭意研究した。その結果、
後記式(7)−1の化合物及び後記式(7)−2の化合
物を出発原料として選ぶことにより、高収率、高純度、
且つ工業的に有利な合成方法で前記式(1)−1の化合
物及び前記式(1)−2の化合物を製造できることを発
見して本発明を完成した。更に研究を進めた結果、式
(1)−1の化合物及び式(1)−2の化合物を包含す
る光学活性なアルキル 3−メチルオクタノエートが、
ラセミ体のメチル 3−メチルオクタノエートの香気特
性からは予測もつかないフローラル様、フルーツ様の香
気特性を有し、且つ該特性の持続性に優れ、これらの化
合物が香粧品用あるいは食品用の香料組成物の調合素材
として有用であることを発見して本発明を完成した。
案の問題点を解決するため、鋭意研究した。その結果、
後記式(7)−1の化合物及び後記式(7)−2の化合
物を出発原料として選ぶことにより、高収率、高純度、
且つ工業的に有利な合成方法で前記式(1)−1の化合
物及び前記式(1)−2の化合物を製造できることを発
見して本発明を完成した。更に研究を進めた結果、式
(1)−1の化合物及び式(1)−2の化合物を包含す
る光学活性なアルキル 3−メチルオクタノエートが、
ラセミ体のメチル 3−メチルオクタノエートの香気特
性からは予測もつかないフローラル様、フルーツ様の香
気特性を有し、且つ該特性の持続性に優れ、これらの化
合物が香粧品用あるいは食品用の香料組成物の調合素材
として有用であることを発見して本発明を完成した。
【0010】従って本発明の目的は、式(1)−1の化
合物及び式(1)−2の化合物を高収率、高純度、且つ
工業的に有利に合成できる製造方法を提供するにある。
また、本発明の他の目的は、式(1)−1の化合物及び
式(1)−2の化合物を有効成分として香粧品または食
品に配合して、フローラル様、フルーツ様の香気を付与
できる香料組成物を提供するにある。
合物及び式(1)−2の化合物を高収率、高純度、且つ
工業的に有利に合成できる製造方法を提供するにある。
また、本発明の他の目的は、式(1)−1の化合物及び
式(1)−2の化合物を有効成分として香粧品または食
品に配合して、フローラル様、フルーツ様の香気を付与
できる香料組成物を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、式
(1)−1で表される(S)−(−)−アルキル 3−
メチルオクタノエートは、後記式(7)−1で表される
(R)−(−)−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ルモノテトラヒドロピラニルエーテルトシレートを、有
機溶媒中カップリング触媒の存在下にn−ブチルマグネ
シウムハライド(n−C4H9MgX)とカップリング反
応させて後記式(6)−1で表される(S)−(+)−
2−メチルヘプタノールテトラヒドロピラニルエーテル
を形成させる工程[以下、第1工程と称する]、該式
(6)−1の化合物を酸の存在下にアルコールと接触
し、アルコリシスさせて後記式(5)−1で表される
(S)−(−)−2−メチルヘプタノールを形成させる
工程[以下、第2工程と称する]、該式(5)−1の化
合物をアミンの存在下に、p−トルエンスルホニルハラ
イドと反応させて後記式(4)−1で表される(S)−
(+)−2−メチルヘプタノールトシレートを形成させ
る工程[以下、第3工程と称する]、該式(4)−1の
化合物を有機溶媒中、シアン化アルカリ金属塩と反応さ
せて後記式(3)−1で表される(S)−(+)−3−
メチルオクタンニトリルを形成させる工程[以下、第4
工程と称する]、該式(3)−1の化合物を塩基もしく
は酸と接触させて、後記式(2)−1で表される(S)
−(−)−3−メチルオクタン酸を形成させる工程[以
下、第5工程と称する]、該式(2)−1の化合物を酸
の存在下、アルコール(ROH)とエステル化反応させ
て前記式(1)−1で表される(S)−(−)−アルキ
ル3−メチルオクタノエートを形成させる工程[以下、
第6工程と称する]により、容易に製造することができ
る。
(1)−1で表される(S)−(−)−アルキル 3−
メチルオクタノエートは、後記式(7)−1で表される
(R)−(−)−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ルモノテトラヒドロピラニルエーテルトシレートを、有
機溶媒中カップリング触媒の存在下にn−ブチルマグネ
シウムハライド(n−C4H9MgX)とカップリング反
応させて後記式(6)−1で表される(S)−(+)−
2−メチルヘプタノールテトラヒドロピラニルエーテル
を形成させる工程[以下、第1工程と称する]、該式
(6)−1の化合物を酸の存在下にアルコールと接触
し、アルコリシスさせて後記式(5)−1で表される
(S)−(−)−2−メチルヘプタノールを形成させる
工程[以下、第2工程と称する]、該式(5)−1の化
合物をアミンの存在下に、p−トルエンスルホニルハラ
イドと反応させて後記式(4)−1で表される(S)−
(+)−2−メチルヘプタノールトシレートを形成させ
る工程[以下、第3工程と称する]、該式(4)−1の
化合物を有機溶媒中、シアン化アルカリ金属塩と反応さ
せて後記式(3)−1で表される(S)−(+)−3−
メチルオクタンニトリルを形成させる工程[以下、第4
工程と称する]、該式(3)−1の化合物を塩基もしく
は酸と接触させて、後記式(2)−1で表される(S)
−(−)−3−メチルオクタン酸を形成させる工程[以
下、第5工程と称する]、該式(2)−1の化合物を酸
の存在下、アルコール(ROH)とエステル化反応させ
て前記式(1)−1で表される(S)−(−)−アルキ
ル3−メチルオクタノエートを形成させる工程[以下、
第6工程と称する]により、容易に製造することができ
る。
【0012】本発明の製造法に従って、式(7)−1の
化合物から式(1)−1の化合物を合成する態様を反応
工程[以下、(A)製造法と称す]で示すと、以下の如
くになる。(A)製造法
化合物から式(1)−1の化合物を合成する態様を反応
工程[以下、(A)製造法と称す]で示すと、以下の如
くになる。(A)製造法
【0013】
【化19】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基、PPTSは
ピリジウムp−トルエンスルホネート、Tsはトシル
基、DMSOはジメチルスルホキシドを示す]
ピリジウムp−トルエンスルホネート、Tsはトシル
基、DMSOはジメチルスルホキシドを示す]
【0014】また、本発明によれば、式(1)−2で表
される(R)−(+)−アルキル3−メチルオクタノエ
ートは、後記式(7)−2で表される(S)−(+)−
2−メチル−1,3−プロパンジオールモノテトラヒド
ロピラニルエーテルトシレートを、有機溶媒中カップリ
ング触媒の存在下にn−ブチルマグネシウムハライド
(n−C4H9MgX)とカップリング反応させて後記式
(6)−2で表される(R)−(−)−2−メチルヘプ
タノールテトラヒドロピラニルエーテルを形成させる工
程[以下、第7工程と称する]、該式(6)−2の化合
物を酸の存在下にアルコールと接触し、アルコリシスさ
せて後記式(5)−2で表される(R)−(+)−2−
メチルヘプタノールを形成させる工程[以下、第8工程
と称する]、該式(5)−2の化合物をアミンの存在下
に、p−トルエンスルホニルハライドと反応させて後記
式(4)−2で表される(R)−(−)−2−メチルヘ
プタノールトシレートを形成させる工程[以下、第9工
程と称する]、該式(4)−2の化合物を有機溶媒中、
シアン化アルカリ金属塩と反応させて後記式(3)−2
で表される(R)−(−)−3−メチルオクタンニトリ
ルを形成させる工程[以下、第10工程と称する]、該
式(3)−2の化合物を塩基もしくは酸と接触させて後
記式(2)−2で表される(R)−(+)−3−メチル
オクタン酸を形成させる工程[以下、第11工程と称す
る]、該式(2)−2の化合物を酸の存在下、アルコー
ル(ROH)とエステル化反応させて前記式(1)−2
で表される(R)−(+)−アルキル 3−メチルオク
タノエートを形成させる工程[以下、第12工程と称す
る]により、容易に製造することができる。
される(R)−(+)−アルキル3−メチルオクタノエ
ートは、後記式(7)−2で表される(S)−(+)−
2−メチル−1,3−プロパンジオールモノテトラヒド
ロピラニルエーテルトシレートを、有機溶媒中カップリ
ング触媒の存在下にn−ブチルマグネシウムハライド
(n−C4H9MgX)とカップリング反応させて後記式
(6)−2で表される(R)−(−)−2−メチルヘプ
タノールテトラヒドロピラニルエーテルを形成させる工
程[以下、第7工程と称する]、該式(6)−2の化合
物を酸の存在下にアルコールと接触し、アルコリシスさ
せて後記式(5)−2で表される(R)−(+)−2−
メチルヘプタノールを形成させる工程[以下、第8工程
と称する]、該式(5)−2の化合物をアミンの存在下
に、p−トルエンスルホニルハライドと反応させて後記
式(4)−2で表される(R)−(−)−2−メチルヘ
プタノールトシレートを形成させる工程[以下、第9工
程と称する]、該式(4)−2の化合物を有機溶媒中、
シアン化アルカリ金属塩と反応させて後記式(3)−2
で表される(R)−(−)−3−メチルオクタンニトリ
ルを形成させる工程[以下、第10工程と称する]、該
式(3)−2の化合物を塩基もしくは酸と接触させて後
記式(2)−2で表される(R)−(+)−3−メチル
オクタン酸を形成させる工程[以下、第11工程と称す
る]、該式(2)−2の化合物を酸の存在下、アルコー
ル(ROH)とエステル化反応させて前記式(1)−2
で表される(R)−(+)−アルキル 3−メチルオク
タノエートを形成させる工程[以下、第12工程と称す
る]により、容易に製造することができる。
【0015】本発明の製造法に従って、式(7)−2の
化合物から式(1)−2の化合物を合成する態様を反応
工程[以下、(B)製造法と称す]で示すと、以下の如
くになる。(B)製造法
化合物から式(1)−2の化合物を合成する態様を反応
工程[以下、(B)製造法と称す]で示すと、以下の如
くになる。(B)製造法
【0016】
【化20】 [式中、THP、PPTS、Tsは、(A)製造法の反
応工程で示したものと同じ意味を示す]
応工程で示したものと同じ意味を示す]
【0017】本発明の出発原料である式(7)−1の化
合物および式(7)−2の化合物は、本発明者らが開発
した合成方法により、容易に製造することができる[Tet
rahedron,39(19),3107■3109(1983)を参照]。以下、上
記の(A)製造法及び(B)製造法に従い、各工程別に
詳細に説明する。
合物および式(7)−2の化合物は、本発明者らが開発
した合成方法により、容易に製造することができる[Tet
rahedron,39(19),3107■3109(1983)を参照]。以下、上
記の(A)製造法及び(B)製造法に従い、各工程別に
詳細に説明する。
【0018】(A)製造法 (S)−(+)−2−メチルヘプタノールテトラヒドロ
ピラニルエーテル[式(6)−1の化合物]の合成(第
1工程) 式(7)−1の化合物を有機溶媒中カップリング触媒の
存在下にn−ブチルマグネシウムハライドとカップリン
グ反応させる第1工程により式(6)−1の化合物を容
易に製造できる。
ピラニルエーテル[式(6)−1の化合物]の合成(第
1工程) 式(7)−1の化合物を有機溶媒中カップリング触媒の
存在下にn−ブチルマグネシウムハライドとカップリン
グ反応させる第1工程により式(6)−1の化合物を容
易に製造できる。
【0019】この反応の反応温度および反応時間は、例
えば約−80℃〜約100℃程度、より好ましくは約−
60℃〜約80℃の温度範囲で、約1時間〜約20時間
程度を採用することができる。使用するn−ブチルマグ
ネシウムハライドのハロゲン原子の種類としては、例え
ばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができ、そ
の使用量は式(7)−1の化合物1モルに対して、例え
ば約1モル以上、より好ましくは約1.5モル〜約3.
0モル程度の範囲を例示できる。
えば約−80℃〜約100℃程度、より好ましくは約−
60℃〜約80℃の温度範囲で、約1時間〜約20時間
程度を採用することができる。使用するn−ブチルマグ
ネシウムハライドのハロゲン原子の種類としては、例え
ばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができ、そ
の使用量は式(7)−1の化合物1モルに対して、例え
ば約1モル以上、より好ましくは約1.5モル〜約3.
0モル程度の範囲を例示できる。
【0020】上記の反応で使用するカップリング触媒の
種類としては、例えば塩化リチウム銅等を挙げることが
でき、その使用量は式(7)−1の化合物1モルに対し
て、約0.01モル〜約0.1モル程度を採用すること
ができる。また、この反応に用いる有機溶媒としては、
例えばテトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキシエタ
ン、トルエンなどを示すことができる。これらの有機溶
媒の使用量は、例えば式(7)−1の化合物1重量部に
対して約5〜約100重量部程度の範囲を例示できる。
反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマト
グラフィーなどの通常の分離手段を適宜に採用して高収
率、高純度に式(6)−1の化合物が得られる。
種類としては、例えば塩化リチウム銅等を挙げることが
でき、その使用量は式(7)−1の化合物1モルに対し
て、約0.01モル〜約0.1モル程度を採用すること
ができる。また、この反応に用いる有機溶媒としては、
例えばテトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキシエタ
ン、トルエンなどを示すことができる。これらの有機溶
媒の使用量は、例えば式(7)−1の化合物1重量部に
対して約5〜約100重量部程度の範囲を例示できる。
反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマト
グラフィーなどの通常の分離手段を適宜に採用して高収
率、高純度に式(6)−1の化合物が得られる。
【0021】(S)−(−)−2−メチルヘプタノール
[式(5)−1の化合物]の合成(第2工程) 式(6)−1の化合物を酸の存在下にアルコールと接触
させ、アルコリシスさせる第2工程により式(5)−1
の化合物を容易に製造することができる。
[式(5)−1の化合物]の合成(第2工程) 式(6)−1の化合物を酸の存在下にアルコールと接触
させ、アルコリシスさせる第2工程により式(5)−1
の化合物を容易に製造することができる。
【0022】上記のアルコリシス反応は、酸の存在下に
行えばよく、好ましい酸の具体例としては、例えばピリ
ジウムp−トルエンスルホネート、p−トルエンスルホ
ン酸、硫酸、リン酸、塩酸などを挙げることができ、使
用量は、例えば式(6)−1の化合物1モルに対して約
0.01モル〜約0.5モル程度を例示できる。反応に
使用されるアルコールとしては、例えばメタノール、エ
タノールなどを挙げることができ、その使用量は、例え
ば式(6)−1の化合物1重量部に対して約1〜約50
重量部程度の範囲を例示できる。この反応の反応時間は
反応温度により異なるが、例えば約10℃〜約100℃
程度の温度範囲で、約0.5時間〜約10時間程度で行
うことができる。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸
留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を
適宜に採用して高収率、高純度に式(5)−1の化合物
が得られる。
行えばよく、好ましい酸の具体例としては、例えばピリ
ジウムp−トルエンスルホネート、p−トルエンスルホ
ン酸、硫酸、リン酸、塩酸などを挙げることができ、使
用量は、例えば式(6)−1の化合物1モルに対して約
0.01モル〜約0.5モル程度を例示できる。反応に
使用されるアルコールとしては、例えばメタノール、エ
タノールなどを挙げることができ、その使用量は、例え
ば式(6)−1の化合物1重量部に対して約1〜約50
重量部程度の範囲を例示できる。この反応の反応時間は
反応温度により異なるが、例えば約10℃〜約100℃
程度の温度範囲で、約0.5時間〜約10時間程度で行
うことができる。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸
留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を
適宜に採用して高収率、高純度に式(5)−1の化合物
が得られる。
【0023】(S)−(+)−2−メチルヘプタノール
トシレート[式(4)−1の化合物]の合成(第3工
程) 式(5)−1の化合物をアミンの存在下に、p−トルエ
ンスルホニルハライドと反応させる第3工程により式
(4)−1の化合物を容易に製造することができる。
トシレート[式(4)−1の化合物]の合成(第3工
程) 式(5)−1の化合物をアミンの存在下に、p−トルエ
ンスルホニルハライドと反応させる第3工程により式
(4)−1の化合物を容易に製造することができる。
【0024】第3工程の反応温度及び反応時間は、特に
制約されることはなく、例えば約0℃〜約50℃程度の
温度範囲で、約1時間〜約20時間程度で行うことがで
きる。p−トルエンスルホニルハライドのハロゲン種類
としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることが
できるが、p−トルエンスルホニルクロリドを用いるの
が好ましく、その使用量は、式(5)−1の化合物1モ
ルに対して、例えば約1モル〜約4モル程度の範囲を例
示できる。また、上記の反応で使用するアミンの種類と
しては、例えばピリジン、トリエチルアミン等を挙げる
ことができ、式(5)−1の化合物1モルに対して、約
1モル〜約20モル程度を採用できる。反応終了後、洗
浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなど
の通常の分離手段を適宜に採用して高収率、高純度に式
(4)−1の化合物が得られる。
制約されることはなく、例えば約0℃〜約50℃程度の
温度範囲で、約1時間〜約20時間程度で行うことがで
きる。p−トルエンスルホニルハライドのハロゲン種類
としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることが
できるが、p−トルエンスルホニルクロリドを用いるの
が好ましく、その使用量は、式(5)−1の化合物1モ
ルに対して、例えば約1モル〜約4モル程度の範囲を例
示できる。また、上記の反応で使用するアミンの種類と
しては、例えばピリジン、トリエチルアミン等を挙げる
ことができ、式(5)−1の化合物1モルに対して、約
1モル〜約20モル程度を採用できる。反応終了後、洗
浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなど
の通常の分離手段を適宜に採用して高収率、高純度に式
(4)−1の化合物が得られる。
【0025】(S)−(+)−3−メチルオクタンニト
リル[式(3)−1の化合物]の合成(第4工程) 式(4)−1の化合物を有機溶媒中、シアン化アルカリ
金属塩と反応させる第4工程により式(3)−1の化合
物を容易に製造することができる。
リル[式(3)−1の化合物]の合成(第4工程) 式(4)−1の化合物を有機溶媒中、シアン化アルカリ
金属塩と反応させる第4工程により式(3)−1の化合
物を容易に製造することができる。
【0026】反応温度並びに反応時間は、適宜に選択で
き、例えば約10℃〜約100℃の温度範囲で、約1時
間〜約10時間程度を採用することができる。シアン化
アルカリ金属塩の種類としては、シアン化ナトリウム、
シアン化カリウムなどを例示でき、その使用量は、式
(4)−1の化合物1モルに対して、例えば約1モル以
上、より好ましくは約1.2モル〜約2.0モル程度の
範囲を例示できる。
き、例えば約10℃〜約100℃の温度範囲で、約1時
間〜約10時間程度を採用することができる。シアン化
アルカリ金属塩の種類としては、シアン化ナトリウム、
シアン化カリウムなどを例示でき、その使用量は、式
(4)−1の化合物1モルに対して、例えば約1モル以
上、より好ましくは約1.2モル〜約2.0モル程度の
範囲を例示できる。
【0027】また、使用する有機溶媒としては、例えば
テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを
示すことができる。使用量しては、例えば式(4)−1
の化合物1重量部に対して約5〜約50重量部程度の範
囲を例示できる。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸
留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を
適宜に採用して高収率、高純度に式(3)−1の化合物
が得られる。
テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを
示すことができる。使用量しては、例えば式(4)−1
の化合物1重量部に対して約5〜約50重量部程度の範
囲を例示できる。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸
留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を
適宜に採用して高収率、高純度に式(3)−1の化合物
が得られる。
【0028】(S)−(−)−3−メチルオクタン酸
[式(2)−1の化合物]の合成(第5工程) 式(3)−1の化合物を塩基もしくは酸と接触させて加
水分解する第5工程により式(2)−1の化合物を容易
に製造することができる。
[式(2)−1の化合物]の合成(第5工程) 式(3)−1の化合物を塩基もしくは酸と接触させて加
水分解する第5工程により式(2)−1の化合物を容易
に製造することができる。
【0029】上記の加水分解反応は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基のエタノール溶液と接触さ
せて行えばよい。また、硫酸水溶液、塩酸水溶液と接触
させて行ってもよい。塩基もしくは酸の使用量は当量以
上あればよく、通常、式(3)−1の化合物1モルに対
して約2モル〜約30モル程度を例示できる。この反応
の反応時間は反応温度により異なるが、例えば約20℃
〜約100℃程度の温度範囲で、約2時間〜約20時間
程度で行うことができる。
ム、水酸化カリウム等の塩基のエタノール溶液と接触さ
せて行えばよい。また、硫酸水溶液、塩酸水溶液と接触
させて行ってもよい。塩基もしくは酸の使用量は当量以
上あればよく、通常、式(3)−1の化合物1モルに対
して約2モル〜約30モル程度を例示できる。この反応
の反応時間は反応温度により異なるが、例えば約20℃
〜約100℃程度の温度範囲で、約2時間〜約20時間
程度で行うことができる。
【0030】塩基加水分解反応終了後、反応液を酸水溶
液で中和すればよい。例えば、塩酸等の無機酸水溶液で
接触中和する。また、酸加水分解反応終了後、洗浄、抽
出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの通常
の分離手段を適宜に採用して高収率、高純度に式(2)
−1の化合物が得られる。
液で中和すればよい。例えば、塩酸等の無機酸水溶液で
接触中和する。また、酸加水分解反応終了後、洗浄、抽
出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの通常
の分離手段を適宜に採用して高収率、高純度に式(2)
−1の化合物が得られる。
【0031】(S)−(−)−アルキル 3−メチルオ
クタノエート[式(1)−1の化合物]の合成(第6工
程) 式(2)−1の化合物を酸の存在下、アルコール(RO
H)とエステル化反応させる第6工程により、本発明の
式(1)−1の化合物を容易に得ることができる。
クタノエート[式(1)−1の化合物]の合成(第6工
程) 式(2)−1の化合物を酸の存在下、アルコール(RO
H)とエステル化反応させる第6工程により、本発明の
式(1)−1の化合物を容易に得ることができる。
【0032】エステル化反応の反応温度および反応時間
は、特別に制約を受けることはなく、例えば約10℃〜
約100℃程度、より好ましくは約20℃〜約80℃の
温度範囲で、約1時間〜約10時間程度を採用すること
ができる。使用するアルコール(ROH)の好ましい具
体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、
イソブチルアルコール、ブチルアルコール、イソペンチ
ルアルコール、ペンチルアルコール等の低級アルコール
を挙げることができる。これらアルコールの使用量は、
式(2)−1の化合物1モルに対して、例えば約2モル
〜約20モル程度の範囲を例示できる。
は、特別に制約を受けることはなく、例えば約10℃〜
約100℃程度、より好ましくは約20℃〜約80℃の
温度範囲で、約1時間〜約10時間程度を採用すること
ができる。使用するアルコール(ROH)の好ましい具
体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、
イソブチルアルコール、ブチルアルコール、イソペンチ
ルアルコール、ペンチルアルコール等の低級アルコール
を挙げることができる。これらアルコールの使用量は、
式(2)−1の化合物1モルに対して、例えば約2モル
〜約20モル程度の範囲を例示できる。
【0033】反応に用いる酸の種類としては、例えば硫
酸、塩酸、リン酸等を挙げることができ、その使用量は
式(2)−1の化合物1モルに対して、約0.2モル〜
約2.0モル程度を採用することができる。反応終了
後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィ
ーなどの通常の分離手段を適宜に採用することにより式
(1)−1の化合物を好収率、好純度に得ることができ
る。
酸、塩酸、リン酸等を挙げることができ、その使用量は
式(2)−1の化合物1モルに対して、約0.2モル〜
約2.0モル程度を採用することができる。反応終了
後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィ
ーなどの通常の分離手段を適宜に採用することにより式
(1)−1の化合物を好収率、好純度に得ることができ
る。
【0034】上述のようにして得られる式(1)−1の
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の具体例としては、例えば(S)−(−)−メチル 3
−メチルオクタノエート、(S)−(−)−エチル 3
−メチルオクタノエート、(S)−(−)−イソプロピ
ル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)−プロ
ピル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)−イ
ソブチル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)
−ブチル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)
−イソペンチル 3−メチルオクタノエート、(S)−
(−)−ペンチル 3−メチルオクタノエート等を挙げ
ることができる。
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の具体例としては、例えば(S)−(−)−メチル 3
−メチルオクタノエート、(S)−(−)−エチル 3
−メチルオクタノエート、(S)−(−)−イソプロピ
ル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)−プロ
ピル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)−イ
ソブチル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)
−ブチル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)
−イソペンチル 3−メチルオクタノエート、(S)−
(−)−ペンチル 3−メチルオクタノエート等を挙げ
ることができる。
【0035】次ぎに(1)−2の化合物の合成法につい
て、(B)製造法に従って説明する。(B)製造法 本発明のもう一方の目的化合物である式(1)−2で表
される(R)−(+)−アルキル 3−メチルオクタノ
エートは、鏡像関係にある式(1)−1で表される
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の合成法に準じて製造することができる。
て、(B)製造法に従って説明する。(B)製造法 本発明のもう一方の目的化合物である式(1)−2で表
される(R)−(+)−アルキル 3−メチルオクタノ
エートは、鏡像関係にある式(1)−1で表される
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の合成法に準じて製造することができる。
【0036】即ち、前記反応工程図の(B)製造法にお
いて、(6)−2で表される(R)−(−)−2−メチ
ルヘプタノールテトラヒドロピラニルエーテルを合成す
る第7工程は、前記(A)製造法の第1工程の式(7)
−1の化合物を(7)−2の化合物に変える以外は
(A)製造法と同様にして合成することができる。以下
同様にして、式(5)−2の化合物を合成する第8工程
は、該工程に対応する第2工程;式(4)−2の化合物
を合成する第9工程は、該工程に対応する第3工程;式
(3)−2の化合物を合成する第10工程は、該工程に
対応する第4工程;式(2)−2の化合物を合成する第
11工程は、該工程に対応する第5工程;式(1)−2
の化合物を合成する第12工程は、該工程に対応する第
6工程の製造法と同じ操作を行うことにより、目的とす
る式(1)−2で表される(R)−(+)−アルキル
3−メチルオクタノエートを高収率、高純度に合成する
こことができる。
いて、(6)−2で表される(R)−(−)−2−メチ
ルヘプタノールテトラヒドロピラニルエーテルを合成す
る第7工程は、前記(A)製造法の第1工程の式(7)
−1の化合物を(7)−2の化合物に変える以外は
(A)製造法と同様にして合成することができる。以下
同様にして、式(5)−2の化合物を合成する第8工程
は、該工程に対応する第2工程;式(4)−2の化合物
を合成する第9工程は、該工程に対応する第3工程;式
(3)−2の化合物を合成する第10工程は、該工程に
対応する第4工程;式(2)−2の化合物を合成する第
11工程は、該工程に対応する第5工程;式(1)−2
の化合物を合成する第12工程は、該工程に対応する第
6工程の製造法と同じ操作を行うことにより、目的とす
る式(1)−2で表される(R)−(+)−アルキル
3−メチルオクタノエートを高収率、高純度に合成する
こことができる。
【0037】このようにして得られる式(1)−2の
(R)−(+)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の具体例としては、例えば(R)−(+)−メチル 3
−メチルオクタノエート、(R)−(+)−エチル 3
−メチルオクタノエート、(R)−(+)−イソプロピ
ル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)−プロ
ピル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)−イ
ソブチル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)
−ブチル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)
−イソペンチル 3−メチルオクタノエート、(R)−
(+)−ペンチル3−メチルオクタノエート等を挙げる
ことができる。
(R)−(+)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の具体例としては、例えば(R)−(+)−メチル 3
−メチルオクタノエート、(R)−(+)−エチル 3
−メチルオクタノエート、(R)−(+)−イソプロピ
ル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)−プロ
ピル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)−イ
ソブチル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)
−ブチル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)
−イソペンチル 3−メチルオクタノエート、(R)−
(+)−ペンチル3−メチルオクタノエート等を挙げる
ことができる。
【0038】上述のようにして製造できる本発明の式
(1)−1の化合物及び式(1)−2の化合物は、フロ
ーラル様、フルーツ様香気特性を保有し、更にこれらの
化合物は極めて優れた持続性を有しており、各種の香料
組成物に添加して利用することができる。式(1)−1
及び式(1)−2の化合物[以下、両化合物を式(1)
化合物と称することがある]の配合量は、その目的ある
いは香料組成物の種類によっても異なるが、例えば、一
般的には香料組成物の全体量に対して約0.001〜約
30重量%程度の範囲を例示することができる。
(1)−1の化合物及び式(1)−2の化合物は、フロ
ーラル様、フルーツ様香気特性を保有し、更にこれらの
化合物は極めて優れた持続性を有しており、各種の香料
組成物に添加して利用することができる。式(1)−1
及び式(1)−2の化合物[以下、両化合物を式(1)
化合物と称することがある]の配合量は、その目的ある
いは香料組成物の種類によっても異なるが、例えば、一
般的には香料組成物の全体量に対して約0.001〜約
30重量%程度の範囲を例示することができる。
【0039】かくして、本発明によれば、式(1)の化
合物を有効成分として配合することにより、フローラル
調、フルーツ調の香気特性を賦与する新規香料組成物を
提供することができ、該組成物を利用して式(1)の化
合物を香気成分として含有することを特徴とする香粧品
類、式(1)の化合物を香気香味成分として含有するこ
とを特徴とする飲食品類、式(1)の化合物を香気香味
成分として含有することを特徴とする保健・衛生・医薬
品などを提供することができる。
合物を有効成分として配合することにより、フローラル
調、フルーツ調の香気特性を賦与する新規香料組成物を
提供することができ、該組成物を利用して式(1)の化
合物を香気成分として含有することを特徴とする香粧品
類、式(1)の化合物を香気香味成分として含有するこ
とを特徴とする飲食品類、式(1)の化合物を香気香味
成分として含有することを特徴とする保健・衛生・医薬
品などを提供することができる。
【0040】例えば、石鹸、ボディーシャンプー、シャ
ンプー・リンス類、洗剤、ヘアークリーム類、ポマード
類、その他の毛髪用化粧料基剤;オシロイ、口紅、その
他の化粧料基剤や化粧料洗剤基剤などに、そのユニーク
な香気を付与できる適当量を添加した化粧品類を提供で
きる。また、例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料
類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シ
ャーベット類、アイスキャンディーのごとき冷菓類;和
洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コー
ヒー、ココア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類;和風スー
プ類、洋風スープ類のごときスープ類;風味調味料、各
種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類な
どにそのユニークな香気香味を付与できる適当量を添加
した飲食品類を提供できる。さらにまた、洗濯用洗剤
類、消毒用洗剤類、室内芳香剤その他各種の保健・衛生
材料類;医薬品の服用を容易にするための矯味、賦香剤
などの保健・衛生・医薬品類を提供できる。
ンプー・リンス類、洗剤、ヘアークリーム類、ポマード
類、その他の毛髪用化粧料基剤;オシロイ、口紅、その
他の化粧料基剤や化粧料洗剤基剤などに、そのユニーク
な香気を付与できる適当量を添加した化粧品類を提供で
きる。また、例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料
類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シ
ャーベット類、アイスキャンディーのごとき冷菓類;和
洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コー
ヒー、ココア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類;和風スー
プ類、洋風スープ類のごときスープ類;風味調味料、各
種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類な
どにそのユニークな香気香味を付与できる適当量を添加
した飲食品類を提供できる。さらにまた、洗濯用洗剤
類、消毒用洗剤類、室内芳香剤その他各種の保健・衛生
材料類;医薬品の服用を容易にするための矯味、賦香剤
などの保健・衛生・医薬品類を提供できる。
【0041】
【実施例】以下に本発明について、実施例を挙げて更に
詳細に説明する。
詳細に説明する。
【0042】
【実施例1】 (S)−(+)−2−メチルヘプタノー
ルテトラヒドロピラニルエーテル[式(6)−1の化合
物]及び(R)−(−)−2−メチルヘプタノールテト
ラヒドロピラニルエーテル[式(6)−2の化合物]の
合成。 フラスコに式(7)−1の(R)−(−)−2−メチル
−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピラニル
エーテルトシレート14.82g(45ミリモル)、テ
トラヒドロフラン150mlを仕込み、−50℃に冷却
する。同温度で撹拌しながら、新たに調製したn−ブチ
ルマグネシウムブロミド36.3g(225モル)、塩
化リチウム銅0.22g(1ミリモル)のTHF100
ml溶液を滴下し、反応させる。滴下後、室温まで徐々
に温度を上昇させ約18時間更に反応させる。反応終了
後、反応生成物を塩化アンモニウム水溶液洗浄、ソーダ
灰洗浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃
縮して粗製物9.86gを得た。この粗製物をシリカゲ
ルを用いてカラムクロマト精製し、純粋な式(6)−1
の化合物7.05g(収率:73.2%)を得た。 [α]D 18.5 +0.38(c=1.125, MeO
H)
ルテトラヒドロピラニルエーテル[式(6)−1の化合
物]及び(R)−(−)−2−メチルヘプタノールテト
ラヒドロピラニルエーテル[式(6)−2の化合物]の
合成。 フラスコに式(7)−1の(R)−(−)−2−メチル
−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピラニル
エーテルトシレート14.82g(45ミリモル)、テ
トラヒドロフラン150mlを仕込み、−50℃に冷却
する。同温度で撹拌しながら、新たに調製したn−ブチ
ルマグネシウムブロミド36.3g(225モル)、塩
化リチウム銅0.22g(1ミリモル)のTHF100
ml溶液を滴下し、反応させる。滴下後、室温まで徐々
に温度を上昇させ約18時間更に反応させる。反応終了
後、反応生成物を塩化アンモニウム水溶液洗浄、ソーダ
灰洗浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃
縮して粗製物9.86gを得た。この粗製物をシリカゲ
ルを用いてカラムクロマト精製し、純粋な式(6)−1
の化合物7.05g(収率:73.2%)を得た。 [α]D 18.5 +0.38(c=1.125, MeO
H)
【0043】上記実施例において、式(7)−1の化合
物に変えて式(7)−2の(S)−(+)−2−メチル
−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピラニル
エーテルトシレートを用いた以外は、実施例1と同様に
して純粋な式(6)−2の化合物を得た。 沸点:115℃〜118℃/12mmHg [α]D 22.5 −0.36(c=1.115, MeO
H)
物に変えて式(7)−2の(S)−(+)−2−メチル
−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピラニル
エーテルトシレートを用いた以外は、実施例1と同様に
して純粋な式(6)−2の化合物を得た。 沸点:115℃〜118℃/12mmHg [α]D 22.5 −0.36(c=1.115, MeO
H)
【0044】
【実施例2】 (S)−(−)−2−メチルヘプタノー
ル[式(5)−1の化合物]及び(R)−(+)−2−
メチルヘプタノール[式(5)−2の化合物]の合成。
ル[式(5)−1の化合物]及び(R)−(+)−2−
メチルヘプタノール[式(5)−2の化合物]の合成。
【0045】フラスコに式(6)−1の化合物6.76
g(31.6ミリモル)、エタノール130ml、ピリ
ジウムp−トルエンスルホネート0.84g(3.34
ミリモル)を仕込む。撹拌しながら昇温し、リフラック
ス条件下で約1.5時間反応させる。反応終了後、冷却
し、反応生成物を酢酸エチルで抽出し、ソーダ灰洗浄、
食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗
製物5.00gを得た。この粗製物をシリカゲルを用い
てカラムクロマト精製し、純粋な式(5)−1の化合物
3.27g(収率:79.6%)を得た。 沸点:86.5℃〜88℃/16mmHg [α]D 20.0 −10.65(c=1.036, Me
OH)
g(31.6ミリモル)、エタノール130ml、ピリ
ジウムp−トルエンスルホネート0.84g(3.34
ミリモル)を仕込む。撹拌しながら昇温し、リフラック
ス条件下で約1.5時間反応させる。反応終了後、冷却
し、反応生成物を酢酸エチルで抽出し、ソーダ灰洗浄、
食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗
製物5.00gを得た。この粗製物をシリカゲルを用い
てカラムクロマト精製し、純粋な式(5)−1の化合物
3.27g(収率:79.6%)を得た。 沸点:86.5℃〜88℃/16mmHg [α]D 20.0 −10.65(c=1.036, Me
OH)
【0046】上記実施例において、式(6)−1の化合
物に変えて式(6)−2の化合物を用いた以外は、実施
例2と同様にして純粋な式(5)−2の化合物(収率:
64.5%)を得た。 沸点:86℃〜88℃/16mmHg [α]D 22.0 +14.36(c=1.150, Me
OH)
物に変えて式(6)−2の化合物を用いた以外は、実施
例2と同様にして純粋な式(5)−2の化合物(収率:
64.5%)を得た。 沸点:86℃〜88℃/16mmHg [α]D 22.0 +14.36(c=1.150, Me
OH)
【0047】
【実施例3】 (S)−(+)−2−メチルヘプタノー
ルトシレート[式(4)−1の化合物]及び(R)−
(−)−2−メチルヘプタノールトシレート[式(4)
−2の化合物]の合成。
ルトシレート[式(4)−1の化合物]及び(R)−
(−)−2−メチルヘプタノールトシレート[式(4)
−2の化合物]の合成。
【0048】フラスコに式(5)−1の化合物3.06
g(23.54ミリモル)、ピリジン45ml、p−ト
ルエンスルホニルクロリド8.83g(46.23ミリ
モル)を仕込む。この混合物は冷却条件下(約0℃〜5
℃)、1晩放置して反応させる。反応終了後、反応物を
氷水中に注ぎ、エーテルで抽出する。抽出物をソーダ灰
洗浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮
して粗製物8.54gを得た。この粗製物をシリカゲル
を用いてカラムクロマト精製し、純粋な式(4)−1の
化合物6.25g(収率:93.5%)を得た。 屈折率:nD 17.9 1.4949 [α]D 18.5 +1.72(c=1.090, MeO
H)
g(23.54ミリモル)、ピリジン45ml、p−ト
ルエンスルホニルクロリド8.83g(46.23ミリ
モル)を仕込む。この混合物は冷却条件下(約0℃〜5
℃)、1晩放置して反応させる。反応終了後、反応物を
氷水中に注ぎ、エーテルで抽出する。抽出物をソーダ灰
洗浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮
して粗製物8.54gを得た。この粗製物をシリカゲル
を用いてカラムクロマト精製し、純粋な式(4)−1の
化合物6.25g(収率:93.5%)を得た。 屈折率:nD 17.9 1.4949 [α]D 18.5 +1.72(c=1.090, MeO
H)
【0049】上記実施例において、式(5)−1の化合
物に変えて式(5)−2の化合物を用いた以外は、実施
例3と同様にして純粋な式(4)−2の化合物(収率:
96.7%)を得た。 屈折率:nD 20.1 1.4944 [α]D 21.0 −0.94(c=1.415, MeO
H)
物に変えて式(5)−2の化合物を用いた以外は、実施
例3と同様にして純粋な式(4)−2の化合物(収率:
96.7%)を得た。 屈折率:nD 20.1 1.4944 [α]D 21.0 −0.94(c=1.415, MeO
H)
【0050】
【実施例4】 (S)−(+)−3−メチルオクタンニ
トリル[式(3)−1の化合物]及び(R)−(−)−
3−メチルオクタンニトリル[式(3)−2の化合物]
の合成。
トリル[式(3)−1の化合物]及び(R)−(−)−
3−メチルオクタンニトリル[式(3)−2の化合物]
の合成。
【0051】フラスコに式(4)−1の化合物5.97
g(21.02ミリモル)、DMSO77ml、シアン
化ナトリウム2.04g(41.63ミリモル)を仕込
む。この混合物を撹拌しながら、50℃〜60℃で約
1.5時間反応させる。反応終了後、反応物を氷水中に
注ぎ、エーテルで抽出する。抽出物をソーダ灰洗浄、食
塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗製
物3.73gを得た。この粗製物をシリカゲルカラムク
ロマト、精密蒸留することにより、純粋な式(3)−1
の化合物2.27g(収率:77.8%)を得た。 沸点:78.0℃〜80.0℃/9mmHg [α]D 21.5 +4.18(c=1.255, Hex
ane)
g(21.02ミリモル)、DMSO77ml、シアン
化ナトリウム2.04g(41.63ミリモル)を仕込
む。この混合物を撹拌しながら、50℃〜60℃で約
1.5時間反応させる。反応終了後、反応物を氷水中に
注ぎ、エーテルで抽出する。抽出物をソーダ灰洗浄、食
塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗製
物3.73gを得た。この粗製物をシリカゲルカラムク
ロマト、精密蒸留することにより、純粋な式(3)−1
の化合物2.27g(収率:77.8%)を得た。 沸点:78.0℃〜80.0℃/9mmHg [α]D 21.5 +4.18(c=1.255, Hex
ane)
【0052】上記実施例において、式(4)−1の化合
物に変えて式(4)−2の化合物を用いた以外は、実施
例4と同様にして純粋な式(3)−2の化合物(収率:
75.5%)を得た。 沸点:89℃〜91℃/17mmHg [α]D 21.0 −4.75(c=1,025, Hex
ane)
物に変えて式(4)−2の化合物を用いた以外は、実施
例4と同様にして純粋な式(3)−2の化合物(収率:
75.5%)を得た。 沸点:89℃〜91℃/17mmHg [α]D 21.0 −4.75(c=1,025, Hex
ane)
【0053】
【実施例5】 (S)−(−)−3−メチルオクタン酸
[式(2)−1の化合物]及び(R)−(+)−3−メ
チルオクタン酸[式(2)−2の化合物]の合成。
[式(2)−1の化合物]及び(R)−(+)−3−メ
チルオクタン酸[式(2)−2の化合物]の合成。
【0054】フラスコに式(3)−1の化合物2.02
g(14.53ミリモル)、95%エタノール40m
l、42%水酸化ナトリウム水溶液15.6mlを仕込
む。この混合物をリフラックス条件下で25時間反応さ
せる。反応終了後、反応物を水中に注いだ後、反応水溶
液が酸性になるまで、冷却しながら塩酸水溶液で中和す
る。中和後、エーテルで抽出し、抽出物をソーダ灰洗
浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮し
て粗製物2.28gを得た。この粗製物をシリカゲルカ
ラムクロマト、精密蒸留することにより、純粋な式
(2)−1の化合物1.91g(収率:83.2%)を
得た。 沸点:111℃〜113℃/6mmHg [α]D 19.0 −6.08(c=1.235, エチル
エーテル)
g(14.53ミリモル)、95%エタノール40m
l、42%水酸化ナトリウム水溶液15.6mlを仕込
む。この混合物をリフラックス条件下で25時間反応さ
せる。反応終了後、反応物を水中に注いだ後、反応水溶
液が酸性になるまで、冷却しながら塩酸水溶液で中和す
る。中和後、エーテルで抽出し、抽出物をソーダ灰洗
浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮し
て粗製物2.28gを得た。この粗製物をシリカゲルカ
ラムクロマト、精密蒸留することにより、純粋な式
(2)−1の化合物1.91g(収率:83.2%)を
得た。 沸点:111℃〜113℃/6mmHg [α]D 19.0 −6.08(c=1.235, エチル
エーテル)
【0055】上記実施例において、式(3)−1の化合
物に変えて式(3)−2の化合物を用いた以外は、実施
例5と同様にして純粋な式(2)−2の化合物(収率:
69.1%)を得た。 沸点:102℃〜103.5℃/4mmHg [α]D 21.0 +5.95(c=1.205, エチル
エーテル)
物に変えて式(3)−2の化合物を用いた以外は、実施
例5と同様にして純粋な式(2)−2の化合物(収率:
69.1%)を得た。 沸点:102℃〜103.5℃/4mmHg [α]D 21.0 +5.95(c=1.205, エチル
エーテル)
【0056】
【実施例6】 (S)−(−)−メチル−3−メチルオ
クタノエート[式(1)−1の化合物]及び(R)−
(+)−メチル−3−メチルオクタノエート[式(1)
−2の化合物]の合成。
クタノエート[式(1)−1の化合物]及び(R)−
(+)−メチル−3−メチルオクタノエート[式(1)
−2の化合物]の合成。
【0057】フラスコ中に、式(2)−1の化合物1.
58g(10ミリモル)、メタノール30mlおよび濃
硫酸3.0gを仕込む。この混合物をリフラックス下に
3時間反応させる。反応終了後、反応物を飽和ソーダ灰
水中に注入し、エーテル抽出する。エーテル層を食塩水
洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗製物
1.8gを得た。この粗製物をシリカゲルカラムクロマ
ト、蒸留することにより、純粋な式(1)−1の化合物
1.58g(収率:92.0%)を得た。 沸点:83.0℃〜85.0℃/13mmHg [α]D 20.5 −5.48(c=1.270, エチル
エーテル)
58g(10ミリモル)、メタノール30mlおよび濃
硫酸3.0gを仕込む。この混合物をリフラックス下に
3時間反応させる。反応終了後、反応物を飽和ソーダ灰
水中に注入し、エーテル抽出する。エーテル層を食塩水
洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗製物
1.8gを得た。この粗製物をシリカゲルカラムクロマ
ト、蒸留することにより、純粋な式(1)−1の化合物
1.58g(収率:92.0%)を得た。 沸点:83.0℃〜85.0℃/13mmHg [α]D 20.5 −5.48(c=1.270, エチル
エーテル)
【0058】上記実施例において、式(2)−1の化合
物に変えて式(2)−2の化合物を用いた以外は、実施
例6と同様にして純粋な式(1)−2の化合物(収率:
78.1%)を得た。 沸点:73.0℃〜73.5℃/8mmHg [α]D 22.0 +5.13(c=1.115, エチル
エーテル)
物に変えて式(2)−2の化合物を用いた以外は、実施
例6と同様にして純粋な式(1)−2の化合物(収率:
78.1%)を得た。 沸点:73.0℃〜73.5℃/8mmHg [α]D 22.0 +5.13(c=1.115, エチル
エーテル)
【0059】
【実施例7】リラタイプの調合香料組成物として下記の
各成分(重量部)を混合した。
各成分(重量部)を混合した。
【0060】上記組成物97gに式(1)−1化合物に
包含される(S)−(−)−メチル3−メチルオクタノ
エートを3g混合して新規調合香料組成物を調製した。
この新規調合香料組成物と該化合物を加えていない上記
のリラタイプの調合香料組成物について、専門パネラー
10人により比較した。その結果、専門パネラー10人
の全員が該化合物を加えた新規調合香料組成物は、リラ
の花を想起させるフローラル調の特性が強調され、天然
のリラの特徴をとらえ持続性の点でも格段に優れている
とした。
包含される(S)−(−)−メチル3−メチルオクタノ
エートを3g混合して新規調合香料組成物を調製した。
この新規調合香料組成物と該化合物を加えていない上記
のリラタイプの調合香料組成物について、専門パネラー
10人により比較した。その結果、専門パネラー10人
の全員が該化合物を加えた新規調合香料組成物は、リラ
の花を想起させるフローラル調の特性が強調され、天然
のリラの特徴をとらえ持続性の点でも格段に優れている
とした。
【0061】上記の実施例7の方法に準じて、(S)−
(−)−メチル 3−メチルオクタノエートに代えて、
(S)−(−)−エチル 3−メチルオクタノエート、
(S)−(−)−プロピル 3−メチルオクタノエー
ト、(S)−(−)−イソブチル 3−メチルオクタノ
エート、(S)−(−)−ペンチル 3−メチルオクタ
ノエートをそれぞれ同量配合した新規調合組成物につい
て、専門パネラー10人により比較したが、実施例7と
同様の結果が得られた。
(−)−メチル 3−メチルオクタノエートに代えて、
(S)−(−)−エチル 3−メチルオクタノエート、
(S)−(−)−プロピル 3−メチルオクタノエー
ト、(S)−(−)−イソブチル 3−メチルオクタノ
エート、(S)−(−)−ペンチル 3−メチルオクタ
ノエートをそれぞれ同量配合した新規調合組成物につい
て、専門パネラー10人により比較したが、実施例7と
同様の結果が得られた。
【0062】
【実施例8】パイナップル様の調合香料組成物として下
記の各成分(重量)を混合した。
記の各成分(重量)を混合した。
【0063】上記組成物95gに式(1)−2化合物に
包含される(R)−(+)−エチル3−メチルオクタノ
エートを5g混合して新規調合香料組成物を調製した。
この新規調合香料組成物と該化合物を加えていない上記
のパイナップル様の調合香料組成物について、専門パネ
ラー10人により比較した。その結果、専門パネラー1
0人の全員が該化合物を加えた新規調合香料組成物は、
パイナップルの果実を想起させるフルーツ調の特性が強
調され、天然のパイナップルの特徴をとらえ持続性の点
でも格段に優れているとした。
包含される(R)−(+)−エチル3−メチルオクタノ
エートを5g混合して新規調合香料組成物を調製した。
この新規調合香料組成物と該化合物を加えていない上記
のパイナップル様の調合香料組成物について、専門パネ
ラー10人により比較した。その結果、専門パネラー1
0人の全員が該化合物を加えた新規調合香料組成物は、
パイナップルの果実を想起させるフルーツ調の特性が強
調され、天然のパイナップルの特徴をとらえ持続性の点
でも格段に優れているとした。
【0064】上記の実施例8の方法に準じて、(R)−
(+)−エチル 3−メチルオクタノエートに代えて、
(R)−(+)−イソプロピル 3−メチルオクタノエ
ート、(R)−(+)−ブチル 3−メチルオクタノエ
ート、(R)−(+)−イソペンチル 3−メチルオク
タノエートをそれぞれ同量配合した新規調合組成物につ
いて、専門パネラー10人により比較したが、実施例8
と同様の結果が得られた。
(+)−エチル 3−メチルオクタノエートに代えて、
(R)−(+)−イソプロピル 3−メチルオクタノエ
ート、(R)−(+)−ブチル 3−メチルオクタノエ
ート、(R)−(+)−イソペンチル 3−メチルオク
タノエートをそれぞれ同量配合した新規調合組成物につ
いて、専門パネラー10人により比較したが、実施例8
と同様の結果が得られた。
【0065】
【発明の効果】本発明は、式(1)−1で表される
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
及び式(1)−2で表される(R)−(+)−アルキル
3−メチルオクタノエートを高収率、高純度で合成で
きる新規な製法の提供並びにフルーツ様、フローラル様
の香気を有する該化合物を有効成分とする香粧品用ある
いは食品用の調合香料組成物を提供できる。
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
及び式(1)−2で表される(R)−(+)−アルキル
3−メチルオクタノエートを高収率、高純度で合成で
きる新規な製法の提供並びにフルーツ様、フローラル様
の香気を有する該化合物を有効成分とする香粧品用ある
いは食品用の調合香料組成物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11B 9/00 S 2115−4H // C07B 61/00 300 C07M 7:00
Claims (3)
- 【請求項1】 下記式(7)−1 【化1】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基を示し、Ts
はトシル基を示す、]で表される(R)−(−)−2−
メチル−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピ
ラニルエーテルトシレートを、有機溶媒中カップリング
触媒の存在下にn−ブチルマグネシウムハライド(n−
C4H9MgX)とカップリング反応せしめて下記式
(6)−1 【化2】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基を示す、]で
表される(S)−(+)−2−メチルヘプタノールテト
ラヒドロピラニルエーテルを形成させ、該式(6)−1
の化合物を酸の存在下にアルコールと接触し、アルコリ
シスさせて下記式(5)−1 【化3】 で表される(S)−(−)−2−メチルヘプタノールを
形成させ、該式(5)−1の化合物をアミンの存在下
に、p−トルエンスルホニルハライドと反応せしめて、
下記式(4)−1 【化4】 [式中、Tsはトシル基を示す、]で表される(S)−
(+)−2−メチルヘプタノールトシレートを形成さ
せ、該式(4)−1の化合物を有機溶媒中、シアン化ア
ルカリ金属塩と反応せしめて、下記式(3)−1 【化5】 で表される(S)−(+)−3−メチルオクタンニトリ
ルを形成させ、該式(3)−1の化合物を塩基もしくは
酸と接触させ、加水分解せしめて、下記式(2)−1 【化6】 で表される(S)−(−)−3−メチルオクタン酸を形
成させ、該式(2)−1の化合物を酸の存在下、アルコ
ール(ROH)とエステル化反応させることを特徴とす
る下記式(1)−1 【化7】 [式中、Rはアルキル基を示す、]で表される(S)−
(−)−アルキル 3−メチルオクタノエートの製法。 - 【請求項2】 下記式(7)−2 【化8】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基を示し、Ts
はトシル基を示す、]で表される(S)−(+)−2−
メチル−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピ
ラニルエーテルトシレートを、有機溶媒中カップリング
触媒の存在下にn−ブチルマグネシウムハライド(n−
C4H9MgX)とカップリング反応せしめて下記式
(6)−2 【化9】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基を示す、]で
表される(R)−(−)−2−メチルヘプタノールテト
ラヒドロピラニルエーテルを形成させ、該式(6)−2
の化合物を酸の存在下にアルコールと接触し、アルコリ
シスさせて下記式(5)−2 【化10】 で表される(R)−(+)−2−メチルヘプタノールを
形成させ、該式(5)−2の化合物をアミンの存在下
に、p−トルエンスルホニルハライドと反応せしめて、
下記式(4)−2 【化11】 [式中、Tsはトシル基を示す、]で表される(R)−
(−)−2−メチルヘプタノールトシレートを形成さ
せ、該式(4)−2の化合物を有機溶媒中、シアン化ア
ルカリ金属塩と反応せしめて、下記式(3)−2 【化12】 で表される(R)−(−)−3−メチルオクタンニトリ
ルを形成させ、該式(3)−2の化合物を塩基もしくは
酸と接触させ、加水分解せしめて、下記式(2)−2 【化13】 で表される(R)−(+)−3−メチルオクタン酸を形
成させ、該式(2)−2の化合物を酸の存在下、アルコ
ール(ROH)とエステル化反応させることを特徴とす
る下記式(1)−2 【化14】 [式中、Rはアルキル基を示す、]で表される(R)−
(+)−アルキル 3−メチルオクタノエートの製法。 - 【請求項3】 下記式(1)−1 【化15】 [式中、Rはアルキル基を示す、]で表される(S)−
(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート及び/又
は下記式(1)−2 【化16】 [式中、Rはアルキル基を示す、]で表される(R)−
(+)−アルキル 3−メチルオクタノエートを有効成
分として含有することを特徴とする香料組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4792094A JPH07233119A (ja) | 1994-02-22 | 1994-02-22 | 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4792094A JPH07233119A (ja) | 1994-02-22 | 1994-02-22 | 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07233119A true JPH07233119A (ja) | 1995-09-05 |
Family
ID=12788813
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4792094A Pending JPH07233119A (ja) | 1994-02-22 | 1994-02-22 | 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07233119A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011506270A (ja) * | 2007-10-29 | 2011-03-03 | ヴェ.マン・フィス | 置換オクタン(オクテン)ニトリル、その合成方法及び香料におけるその使用 |
-
1994
- 1994-02-22 JP JP4792094A patent/JPH07233119A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011506270A (ja) * | 2007-10-29 | 2011-03-03 | ヴェ.マン・フィス | 置換オクタン(オクテン)ニトリル、その合成方法及び香料におけるその使用 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JPH07233119A (ja) | 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物 | |
JPH1135969A (ja) | 香料組成物 | |
TWI403497B (zh) | 6,8,10-十一碳三烯-3或4-醇及香料組成物 | |
JP2711893B2 (ja) | ケトン類およびアルコール類 | |
JP3415678B2 (ja) | シクロヘキセン誘導体 | |
JP4057640B1 (ja) | 6,8,10−ウンデカトリエン−4−オンおよび香料組成物 | |
EP0058906B1 (en) | 5-methyl-2-(2'-oxo-3'-butyl) phenol and perfume compositions comprising same | |
JP5014732B2 (ja) | アンテイソ脂肪族アルデヒドの製造方法およびこれを含有する香料組成物 | |
JPH0517959B2 (ja) | ||
JP5839191B2 (ja) | カンフォレニック誘導体及びそれを含有する香料組成物 | |
JP2609145B2 (ja) | 脂肪族ケトン類および脂肪族アルコール類 | |
JPH0224826B2 (ja) | ||
JP3220310B2 (ja) | クリサンテノール化合物 | |
JP2727254B2 (ja) | ライラックアルデヒド誘導体 | |
JP2686828B2 (ja) | 2―シクロヘキシルプロパノール誘導体及びこれを含有する香料組成物 | |
JP2794333B2 (ja) | ライラックアルコール誘導体 | |
JP2630470B2 (ja) | 2―シクロヘキシルプロピルアセテートを含有する香料組成物 | |
JPS626696B2 (ja) | ||
JPH0635456B2 (ja) | (r)‐(‐)‐2‐デセン‐5‐オリドの製法 | |
JP3071621B2 (ja) | (−)−8α,13−エポキシ−14,15,16−トリノルラブダ−12−エンの製法およびその新規中間体 | |
JP3133200B2 (ja) | 4−(6,6−ジメチル−2−メチレンシクロヘキシル)−2−メチル−2−ブテナールの香料組成物 | |
JP2545289B2 (ja) | γーイオノン類の製造法 | |
JP2001122818A (ja) | 4−(6,6−ジメチル−2−メチレンシクロヘキシル)−2−メチル−2−ブテナールの製法 | |
JPH0457658B2 (ja) | ||
JP2000302712A (ja) | シクロヘキシルメタノール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040309 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040506 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040608 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20041019 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |