JPH07233119A - 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物 - Google Patents

光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物

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JPH07233119A
JPH07233119A JP4792094A JP4792094A JPH07233119A JP H07233119 A JPH07233119 A JP H07233119A JP 4792094 A JP4792094 A JP 4792094A JP 4792094 A JP4792094 A JP 4792094A JP H07233119 A JPH07233119 A JP H07233119A
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methyloctanoate
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alkyl
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JP4792094A
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Kenji Mori
謙治 森
Takeshi Kitahara
武 北原
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T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエー
トを高収率、高純度に合成できる新規な製法並びにフル
ーツ様、フローラル様の香気を有する該化合物を有効成
分とする香料組成物を提供する。 【構成】 (R)−(−)−2−メチル−1,3−プロ
パンジオールモノテトラヒドロピラニルエーテルトシレ
ートを出発物質として、(S)−(+)−2−メチルヘ
プタノールテトラヒドロピラニルエーテル;(S)−
(−)−2−メチルヘプタノール;(S)−(+)−2
−メチルヘプタノールトシレート;(S)−(+)−3
−メチルオクタンニトリル;(S)−(−)−3−メチ
ルオクタン酸を経て一般式(1)−1の(S)−(−)
−アルキル 3−メチルオクタノエートを製造できる
(A)製造法、および該化合物を有効成分として含有す
る香料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下記式(1)−1
【0002】
【化17】 で表される(S)−(−)−アルキル 3−メチルオク
タノエート及び下記式(1)−2
【0003】
【化18】 で表される(R)−(+)−アルキル 3−メチルオク
タノエートを高収率、高純度に製造することのできる新
規製法に関する。また、本発明はフローラル様、フルー
ツ様の香気特性を有し、且つ該特性の持続性に優れる前
記式(1)−1の化合物及び/又は前記式(1)−2の
化合物を有効成分として含有する香料組成物に関する。
【0004】
【従来の技術】上記の式(1)−1及び式(1)−2の
化合物に包含されるメチルエステルは従来の文献に記載
されており、該化合物の製法については、例えば光学分
割して得られる(R)−(+)−モノメチル 3−メチ
ルグルタレートを出発原料に選び、多工程で製造できる
ことが報告されている[Gazzetta Chimica Italiana,11
9,99■105(1989)]。該報告によれば、(R)−(+)
−モノメチル 3−メチルグルタレートをハイドロボー
レーション反応し、(R)−メチル 5−ヒドロキシ−
3−メチルペンタノエートとし、次ぎにトシレート体と
した後、リチウムジーnープロピルキュープレートと処
理することにより、(R)−(+)−メチル 3−メチ
ルオクタノエート[式(1)−2の化合物]を製造して
いる。
【0005】一方、(R)−メチル 5−ヒドロキシ−
3−メチルペンタノエートをtert−ブチルジメチル
シリル基で保護し、その後、水素化リチウムアルミニウ
ムで還元、トシル化し、リチウムジーnープロピルキュ
ープレートで処理、脱シリル化後、得られる(S)−3
−メチルオクタノールをクロム酸酸化、メチルエステル
化反応することにより、(S)−(−)−メチル 3−
メチルオクタノエート[式(1)−1の化合物]を製造
している。
【0006】しかしながら、上記提案の合成方法におい
ては、出発原料の(R)−(+)−モノメチル 3−メ
チルグルタレートは光学分割して製造しているため、原
料の入手が困難で且つ高価につく不利益がある。また、
式(1)−1及び式(1)−2の化合物は多工程により
製造しているため、収率および光学純度が悪く、且つ製
造工程中に、官能基を保護するために高価な試薬を使用
しているなどの問題点がある。
【0007】一方、本発明に関連する提案としては、ラ
セミ体のメチル 3−メチルオクタノエートが、アフリ
カ産ラン(Aerangis confusa,Aerangis kirkii)の香気
成分中から検出され、フルーツ様の香気を有すると報告
されている(R.Caiser著,「The Scent of Orchids」 Else
vier,Amsterdam,ISBN 0-444-898417)。
【0008】しかしながら、上記報告においては、ラセ
ミ体のメチル 3−メチルオクタノエートが、アフリカ
産ラン(Aerangis confusa,Aerangis kirkii)の香気成
分として検出され、フルーツ様の香気を有することが開
示されているのみで、該化合物を香料組成物の調合素材
として用いることなどについては、全く言及されていな
い。更に、該報告には、本発明の光学活性な式(1)−
1および式(1)−2の化合物自体並びにこれら化合物
の香気特性などについては、示唆も言及もされていな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記提
案の問題点を解決するため、鋭意研究した。その結果、
後記式(7)−1の化合物及び後記式(7)−2の化合
物を出発原料として選ぶことにより、高収率、高純度、
且つ工業的に有利な合成方法で前記式(1)−1の化合
物及び前記式(1)−2の化合物を製造できることを発
見して本発明を完成した。更に研究を進めた結果、式
(1)−1の化合物及び式(1)−2の化合物を包含す
る光学活性なアルキル 3−メチルオクタノエートが、
ラセミ体のメチル 3−メチルオクタノエートの香気特
性からは予測もつかないフローラル様、フルーツ様の香
気特性を有し、且つ該特性の持続性に優れ、これらの化
合物が香粧品用あるいは食品用の香料組成物の調合素材
として有用であることを発見して本発明を完成した。
【0010】従って本発明の目的は、式(1)−1の化
合物及び式(1)−2の化合物を高収率、高純度、且つ
工業的に有利に合成できる製造方法を提供するにある。
また、本発明の他の目的は、式(1)−1の化合物及び
式(1)−2の化合物を有効成分として香粧品または食
品に配合して、フローラル様、フルーツ様の香気を付与
できる香料組成物を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、式
(1)−1で表される(S)−(−)−アルキル 3−
メチルオクタノエートは、後記式(7)−1で表される
(R)−(−)−2−メチル−1,3−プロパンジオー
ルモノテトラヒドロピラニルエーテルトシレートを、有
機溶媒中カップリング触媒の存在下にn−ブチルマグネ
シウムハライド(n−C49MgX)とカップリング反
応させて後記式(6)−1で表される(S)−(+)−
2−メチルヘプタノールテトラヒドロピラニルエーテル
を形成させる工程[以下、第1工程と称する]、該式
(6)−1の化合物を酸の存在下にアルコールと接触
し、アルコリシスさせて後記式(5)−1で表される
(S)−(−)−2−メチルヘプタノールを形成させる
工程[以下、第2工程と称する]、該式(5)−1の化
合物をアミンの存在下に、p−トルエンスルホニルハラ
イドと反応させて後記式(4)−1で表される(S)−
(+)−2−メチルヘプタノールトシレートを形成させ
る工程[以下、第3工程と称する]、該式(4)−1の
化合物を有機溶媒中、シアン化アルカリ金属塩と反応さ
せて後記式(3)−1で表される(S)−(+)−3−
メチルオクタンニトリルを形成させる工程[以下、第4
工程と称する]、該式(3)−1の化合物を塩基もしく
は酸と接触させて、後記式(2)−1で表される(S)
−(−)−3−メチルオクタン酸を形成させる工程[以
下、第5工程と称する]、該式(2)−1の化合物を酸
の存在下、アルコール(ROH)とエステル化反応させ
て前記式(1)−1で表される(S)−(−)−アルキ
ル3−メチルオクタノエートを形成させる工程[以下、
第6工程と称する]により、容易に製造することができ
る。
【0012】本発明の製造法に従って、式(7)−1の
化合物から式(1)−1の化合物を合成する態様を反応
工程[以下、(A)製造法と称す]で示すと、以下の如
くになる。(A)製造法
【0013】
【化19】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基、PPTSは
ピリジウムp−トルエンスルホネート、Tsはトシル
基、DMSOはジメチルスルホキシドを示す]
【0014】また、本発明によれば、式(1)−2で表
される(R)−(+)−アルキル3−メチルオクタノエ
ートは、後記式(7)−2で表される(S)−(+)−
2−メチル−1,3−プロパンジオールモノテトラヒド
ロピラニルエーテルトシレートを、有機溶媒中カップリ
ング触媒の存在下にn−ブチルマグネシウムハライド
(n−C49MgX)とカップリング反応させて後記式
(6)−2で表される(R)−(−)−2−メチルヘプ
タノールテトラヒドロピラニルエーテルを形成させる工
程[以下、第7工程と称する]、該式(6)−2の化合
物を酸の存在下にアルコールと接触し、アルコリシスさ
せて後記式(5)−2で表される(R)−(+)−2−
メチルヘプタノールを形成させる工程[以下、第8工程
と称する]、該式(5)−2の化合物をアミンの存在下
に、p−トルエンスルホニルハライドと反応させて後記
式(4)−2で表される(R)−(−)−2−メチルヘ
プタノールトシレートを形成させる工程[以下、第9工
程と称する]、該式(4)−2の化合物を有機溶媒中、
シアン化アルカリ金属塩と反応させて後記式(3)−2
で表される(R)−(−)−3−メチルオクタンニトリ
ルを形成させる工程[以下、第10工程と称する]、該
式(3)−2の化合物を塩基もしくは酸と接触させて後
記式(2)−2で表される(R)−(+)−3−メチル
オクタン酸を形成させる工程[以下、第11工程と称す
る]、該式(2)−2の化合物を酸の存在下、アルコー
ル(ROH)とエステル化反応させて前記式(1)−2
で表される(R)−(+)−アルキル 3−メチルオク
タノエートを形成させる工程[以下、第12工程と称す
る]により、容易に製造することができる。
【0015】本発明の製造法に従って、式(7)−2の
化合物から式(1)−2の化合物を合成する態様を反応
工程[以下、(B)製造法と称す]で示すと、以下の如
くになる。(B)製造法
【0016】
【化20】 [式中、THP、PPTS、Tsは、(A)製造法の反
応工程で示したものと同じ意味を示す]
【0017】本発明の出発原料である式(7)−1の化
合物および式(7)−2の化合物は、本発明者らが開発
した合成方法により、容易に製造することができる[Tet
rahedron,39(19),3107■3109(1983)を参照]。以下、上
記の(A)製造法及び(B)製造法に従い、各工程別に
詳細に説明する。
【0018】(A)製造法 (S)−(+)−2−メチルヘプタノールテトラヒドロ
ピラニルエーテル[式(6)−1の化合物]の合成(第
1工程) 式(7)−1の化合物を有機溶媒中カップリング触媒の
存在下にn−ブチルマグネシウムハライドとカップリン
グ反応させる第1工程により式(6)−1の化合物を容
易に製造できる。
【0019】この反応の反応温度および反応時間は、例
えば約−80℃〜約100℃程度、より好ましくは約−
60℃〜約80℃の温度範囲で、約1時間〜約20時間
程度を採用することができる。使用するn−ブチルマグ
ネシウムハライドのハロゲン原子の種類としては、例え
ばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることができ、そ
の使用量は式(7)−1の化合物1モルに対して、例え
ば約1モル以上、より好ましくは約1.5モル〜約3.
0モル程度の範囲を例示できる。
【0020】上記の反応で使用するカップリング触媒の
種類としては、例えば塩化リチウム銅等を挙げることが
でき、その使用量は式(7)−1の化合物1モルに対し
て、約0.01モル〜約0.1モル程度を採用すること
ができる。また、この反応に用いる有機溶媒としては、
例えばテトラヒドロフラン、エーテル、ジメトキシエタ
ン、トルエンなどを示すことができる。これらの有機溶
媒の使用量は、例えば式(7)−1の化合物1重量部に
対して約5〜約100重量部程度の範囲を例示できる。
反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマト
グラフィーなどの通常の分離手段を適宜に採用して高収
率、高純度に式(6)−1の化合物が得られる。
【0021】(S)−(−)−2−メチルヘプタノール
[式(5)−1の化合物]の合成(第2工程) 式(6)−1の化合物を酸の存在下にアルコールと接触
させ、アルコリシスさせる第2工程により式(5)−1
の化合物を容易に製造することができる。
【0022】上記のアルコリシス反応は、酸の存在下に
行えばよく、好ましい酸の具体例としては、例えばピリ
ジウムp−トルエンスルホネート、p−トルエンスルホ
ン酸、硫酸、リン酸、塩酸などを挙げることができ、使
用量は、例えば式(6)−1の化合物1モルに対して約
0.01モル〜約0.5モル程度を例示できる。反応に
使用されるアルコールとしては、例えばメタノール、エ
タノールなどを挙げることができ、その使用量は、例え
ば式(6)−1の化合物1重量部に対して約1〜約50
重量部程度の範囲を例示できる。この反応の反応時間は
反応温度により異なるが、例えば約10℃〜約100℃
程度の温度範囲で、約0.5時間〜約10時間程度で行
うことができる。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸
留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を
適宜に採用して高収率、高純度に式(5)−1の化合物
が得られる。
【0023】(S)−(+)−2−メチルヘプタノール
トシレート[式(4)−1の化合物]の合成(第3工
程) 式(5)−1の化合物をアミンの存在下に、p−トルエ
ンスルホニルハライドと反応させる第3工程により式
(4)−1の化合物を容易に製造することができる。
【0024】第3工程の反応温度及び反応時間は、特に
制約されることはなく、例えば約0℃〜約50℃程度の
温度範囲で、約1時間〜約20時間程度で行うことがで
きる。p−トルエンスルホニルハライドのハロゲン種類
としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素を挙げることが
できるが、p−トルエンスルホニルクロリドを用いるの
が好ましく、その使用量は、式(5)−1の化合物1モ
ルに対して、例えば約1モル〜約4モル程度の範囲を例
示できる。また、上記の反応で使用するアミンの種類と
しては、例えばピリジン、トリエチルアミン等を挙げる
ことができ、式(5)−1の化合物1モルに対して、約
1モル〜約20モル程度を採用できる。反応終了後、洗
浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなど
の通常の分離手段を適宜に採用して高収率、高純度に式
(4)−1の化合物が得られる。
【0025】(S)−(+)−3−メチルオクタンニト
リル[式(3)−1の化合物]の合成(第4工程) 式(4)−1の化合物を有機溶媒中、シアン化アルカリ
金属塩と反応させる第4工程により式(3)−1の化合
物を容易に製造することができる。
【0026】反応温度並びに反応時間は、適宜に選択で
き、例えば約10℃〜約100℃の温度範囲で、約1時
間〜約10時間程度を採用することができる。シアン化
アルカリ金属塩の種類としては、シアン化ナトリウム、
シアン化カリウムなどを例示でき、その使用量は、式
(4)−1の化合物1モルに対して、例えば約1モル以
上、より好ましくは約1.2モル〜約2.0モル程度の
範囲を例示できる。
【0027】また、使用する有機溶媒としては、例えば
テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを
示すことができる。使用量しては、例えば式(4)−1
の化合物1重量部に対して約5〜約50重量部程度の範
囲を例示できる。反応終了後、洗浄、抽出、乾燥、蒸
留、カラムクロマトグラフィーなどの通常の分離手段を
適宜に採用して高収率、高純度に式(3)−1の化合物
が得られる。
【0028】(S)−(−)−3−メチルオクタン酸
[式(2)−1の化合物]の合成(第5工程) 式(3)−1の化合物を塩基もしくは酸と接触させて加
水分解する第5工程により式(2)−1の化合物を容易
に製造することができる。
【0029】上記の加水分解反応は、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基のエタノール溶液と接触さ
せて行えばよい。また、硫酸水溶液、塩酸水溶液と接触
させて行ってもよい。塩基もしくは酸の使用量は当量以
上あればよく、通常、式(3)−1の化合物1モルに対
して約2モル〜約30モル程度を例示できる。この反応
の反応時間は反応温度により異なるが、例えば約20℃
〜約100℃程度の温度範囲で、約2時間〜約20時間
程度で行うことができる。
【0030】塩基加水分解反応終了後、反応液を酸水溶
液で中和すればよい。例えば、塩酸等の無機酸水溶液で
接触中和する。また、酸加水分解反応終了後、洗浄、抽
出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの通常
の分離手段を適宜に採用して高収率、高純度に式(2)
−1の化合物が得られる。
【0031】(S)−(−)−アルキル 3−メチルオ
クタノエート[式(1)−1の化合物]の合成(第6工
程) 式(2)−1の化合物を酸の存在下、アルコール(RO
H)とエステル化反応させる第6工程により、本発明の
式(1)−1の化合物を容易に得ることができる。
【0032】エステル化反応の反応温度および反応時間
は、特別に制約を受けることはなく、例えば約10℃〜
約100℃程度、より好ましくは約20℃〜約80℃の
温度範囲で、約1時間〜約10時間程度を採用すること
ができる。使用するアルコール(ROH)の好ましい具
体例としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、
イソブチルアルコール、ブチルアルコール、イソペンチ
ルアルコール、ペンチルアルコール等の低級アルコール
を挙げることができる。これらアルコールの使用量は、
式(2)−1の化合物1モルに対して、例えば約2モル
〜約20モル程度の範囲を例示できる。
【0033】反応に用いる酸の種類としては、例えば硫
酸、塩酸、リン酸等を挙げることができ、その使用量は
式(2)−1の化合物1モルに対して、約0.2モル〜
約2.0モル程度を採用することができる。反応終了
後、洗浄、抽出、乾燥、蒸留、カラムクロマトグラフィ
ーなどの通常の分離手段を適宜に採用することにより式
(1)−1の化合物を好収率、好純度に得ることができ
る。
【0034】上述のようにして得られる式(1)−1の
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の具体例としては、例えば(S)−(−)−メチル 3
−メチルオクタノエート、(S)−(−)−エチル 3
−メチルオクタノエート、(S)−(−)−イソプロピ
ル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)−プロ
ピル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)−イ
ソブチル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)
−ブチル 3−メチルオクタノエート、(S)−(−)
−イソペンチル 3−メチルオクタノエート、(S)−
(−)−ペンチル 3−メチルオクタノエート等を挙げ
ることができる。
【0035】次ぎに(1)−2の化合物の合成法につい
て、(B)製造法に従って説明する。(B)製造法 本発明のもう一方の目的化合物である式(1)−2で表
される(R)−(+)−アルキル 3−メチルオクタノ
エートは、鏡像関係にある式(1)−1で表される
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の合成法に準じて製造することができる。
【0036】即ち、前記反応工程図の(B)製造法にお
いて、(6)−2で表される(R)−(−)−2−メチ
ルヘプタノールテトラヒドロピラニルエーテルを合成す
る第7工程は、前記(A)製造法の第1工程の式(7)
−1の化合物を(7)−2の化合物に変える以外は
(A)製造法と同様にして合成することができる。以下
同様にして、式(5)−2の化合物を合成する第8工程
は、該工程に対応する第2工程;式(4)−2の化合物
を合成する第9工程は、該工程に対応する第3工程;式
(3)−2の化合物を合成する第10工程は、該工程に
対応する第4工程;式(2)−2の化合物を合成する第
11工程は、該工程に対応する第5工程;式(1)−2
の化合物を合成する第12工程は、該工程に対応する第
6工程の製造法と同じ操作を行うことにより、目的とす
る式(1)−2で表される(R)−(+)−アルキル
3−メチルオクタノエートを高収率、高純度に合成する
こことができる。
【0037】このようにして得られる式(1)−2の
(R)−(+)−アルキル 3−メチルオクタノエート
の具体例としては、例えば(R)−(+)−メチル 3
−メチルオクタノエート、(R)−(+)−エチル 3
−メチルオクタノエート、(R)−(+)−イソプロピ
ル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)−プロ
ピル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)−イ
ソブチル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)
−ブチル 3−メチルオクタノエート、(R)−(+)
−イソペンチル 3−メチルオクタノエート、(R)−
(+)−ペンチル3−メチルオクタノエート等を挙げる
ことができる。
【0038】上述のようにして製造できる本発明の式
(1)−1の化合物及び式(1)−2の化合物は、フロ
ーラル様、フルーツ様香気特性を保有し、更にこれらの
化合物は極めて優れた持続性を有しており、各種の香料
組成物に添加して利用することができる。式(1)−1
及び式(1)−2の化合物[以下、両化合物を式(1)
化合物と称することがある]の配合量は、その目的ある
いは香料組成物の種類によっても異なるが、例えば、一
般的には香料組成物の全体量に対して約0.001〜約
30重量%程度の範囲を例示することができる。
【0039】かくして、本発明によれば、式(1)の化
合物を有効成分として配合することにより、フローラル
調、フルーツ調の香気特性を賦与する新規香料組成物を
提供することができ、該組成物を利用して式(1)の化
合物を香気成分として含有することを特徴とする香粧品
類、式(1)の化合物を香気香味成分として含有するこ
とを特徴とする飲食品類、式(1)の化合物を香気香味
成分として含有することを特徴とする保健・衛生・医薬
品などを提供することができる。
【0040】例えば、石鹸、ボディーシャンプー、シャ
ンプー・リンス類、洗剤、ヘアークリーム類、ポマード
類、その他の毛髪用化粧料基剤;オシロイ、口紅、その
他の化粧料基剤や化粧料洗剤基剤などに、そのユニーク
な香気を付与できる適当量を添加した化粧品類を提供で
きる。また、例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料
類、炭酸飲料類のごとき飲料類;アイスクリーム類、シ
ャーベット類、アイスキャンディーのごとき冷菓類;和
洋菓子類、ジャム類、チューインガム類、パン類、コー
ヒー、ココア、紅茶、お茶のごとき嗜好品類;和風スー
プ類、洋風スープ類のごときスープ類;風味調味料、各
種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類な
どにそのユニークな香気香味を付与できる適当量を添加
した飲食品類を提供できる。さらにまた、洗濯用洗剤
類、消毒用洗剤類、室内芳香剤その他各種の保健・衛生
材料類;医薬品の服用を容易にするための矯味、賦香剤
などの保健・衛生・医薬品類を提供できる。
【0041】
【実施例】以下に本発明について、実施例を挙げて更に
詳細に説明する。
【0042】
【実施例1】 (S)−(+)−2−メチルヘプタノー
ルテトラヒドロピラニルエーテル[式(6)−1の化合
物]及び(R)−(−)−2−メチルヘプタノールテト
ラヒドロピラニルエーテル[式(6)−2の化合物]の
合成。 フラスコに式(7)−1の(R)−(−)−2−メチル
−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピラニル
エーテルトシレート14.82g(45ミリモル)、テ
トラヒドロフラン150mlを仕込み、−50℃に冷却
する。同温度で撹拌しながら、新たに調製したn−ブチ
ルマグネシウムブロミド36.3g(225モル)、塩
化リチウム銅0.22g(1ミリモル)のTHF100
ml溶液を滴下し、反応させる。滴下後、室温まで徐々
に温度を上昇させ約18時間更に反応させる。反応終了
後、反応生成物を塩化アンモニウム水溶液洗浄、ソーダ
灰洗浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃
縮して粗製物9.86gを得た。この粗製物をシリカゲ
ルを用いてカラムクロマト精製し、純粋な式(6)−1
の化合物7.05g(収率:73.2%)を得た。 [α]D 18.5 +0.38(c=1.125, MeO
H)
【0043】上記実施例において、式(7)−1の化合
物に変えて式(7)−2の(S)−(+)−2−メチル
−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピラニル
エーテルトシレートを用いた以外は、実施例1と同様に
して純粋な式(6)−2の化合物を得た。 沸点:115℃〜118℃/12mmHg [α]D 22.5 −0.36(c=1.115, MeO
H)
【0044】
【実施例2】 (S)−(−)−2−メチルヘプタノー
ル[式(5)−1の化合物]及び(R)−(+)−2−
メチルヘプタノール[式(5)−2の化合物]の合成。
【0045】フラスコに式(6)−1の化合物6.76
g(31.6ミリモル)、エタノール130ml、ピリ
ジウムp−トルエンスルホネート0.84g(3.34
ミリモル)を仕込む。撹拌しながら昇温し、リフラック
ス条件下で約1.5時間反応させる。反応終了後、冷却
し、反応生成物を酢酸エチルで抽出し、ソーダ灰洗浄、
食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗
製物5.00gを得た。この粗製物をシリカゲルを用い
てカラムクロマト精製し、純粋な式(5)−1の化合物
3.27g(収率:79.6%)を得た。 沸点:86.5℃〜88℃/16mmHg [α]D 20.0 −10.65(c=1.036, Me
OH)
【0046】上記実施例において、式(6)−1の化合
物に変えて式(6)−2の化合物を用いた以外は、実施
例2と同様にして純粋な式(5)−2の化合物(収率:
64.5%)を得た。 沸点:86℃〜88℃/16mmHg [α]D 22.0 +14.36(c=1.150, Me
OH)
【0047】
【実施例3】 (S)−(+)−2−メチルヘプタノー
ルトシレート[式(4)−1の化合物]及び(R)−
(−)−2−メチルヘプタノールトシレート[式(4)
−2の化合物]の合成。
【0048】フラスコに式(5)−1の化合物3.06
g(23.54ミリモル)、ピリジン45ml、p−ト
ルエンスルホニルクロリド8.83g(46.23ミリ
モル)を仕込む。この混合物は冷却条件下(約0℃〜5
℃)、1晩放置して反応させる。反応終了後、反応物を
氷水中に注ぎ、エーテルで抽出する。抽出物をソーダ灰
洗浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮
して粗製物8.54gを得た。この粗製物をシリカゲル
を用いてカラムクロマト精製し、純粋な式(4)−1の
化合物6.25g(収率:93.5%)を得た。 屈折率:nD 17.9 1.4949 [α]D 18.5 +1.72(c=1.090, MeO
H)
【0049】上記実施例において、式(5)−1の化合
物に変えて式(5)−2の化合物を用いた以外は、実施
例3と同様にして純粋な式(4)−2の化合物(収率:
96.7%)を得た。 屈折率:nD 20.1 1.4944 [α]D 21.0 −0.94(c=1.415, MeO
H)
【0050】
【実施例4】 (S)−(+)−3−メチルオクタンニ
トリル[式(3)−1の化合物]及び(R)−(−)−
3−メチルオクタンニトリル[式(3)−2の化合物]
の合成。
【0051】フラスコに式(4)−1の化合物5.97
g(21.02ミリモル)、DMSO77ml、シアン
化ナトリウム2.04g(41.63ミリモル)を仕込
む。この混合物を撹拌しながら、50℃〜60℃で約
1.5時間反応させる。反応終了後、反応物を氷水中に
注ぎ、エーテルで抽出する。抽出物をソーダ灰洗浄、食
塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗製
物3.73gを得た。この粗製物をシリカゲルカラムク
ロマト、精密蒸留することにより、純粋な式(3)−1
の化合物2.27g(収率:77.8%)を得た。 沸点:78.0℃〜80.0℃/9mmHg [α]D 21.5 +4.18(c=1.255, Hex
ane)
【0052】上記実施例において、式(4)−1の化合
物に変えて式(4)−2の化合物を用いた以外は、実施
例4と同様にして純粋な式(3)−2の化合物(収率:
75.5%)を得た。 沸点:89℃〜91℃/17mmHg [α]D 21.0 −4.75(c=1,025, Hex
ane)
【0053】
【実施例5】 (S)−(−)−3−メチルオクタン酸
[式(2)−1の化合物]及び(R)−(+)−3−メ
チルオクタン酸[式(2)−2の化合物]の合成。
【0054】フラスコに式(3)−1の化合物2.02
g(14.53ミリモル)、95%エタノール40m
l、42%水酸化ナトリウム水溶液15.6mlを仕込
む。この混合物をリフラックス条件下で25時間反応さ
せる。反応終了後、反応物を水中に注いだ後、反応水溶
液が酸性になるまで、冷却しながら塩酸水溶液で中和す
る。中和後、エーテルで抽出し、抽出物をソーダ灰洗
浄、食塩水洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮し
て粗製物2.28gを得た。この粗製物をシリカゲルカ
ラムクロマト、精密蒸留することにより、純粋な式
(2)−1の化合物1.91g(収率:83.2%)を
得た。 沸点:111℃〜113℃/6mmHg [α]D 19.0 −6.08(c=1.235, エチル
エーテル)
【0055】上記実施例において、式(3)−1の化合
物に変えて式(3)−2の化合物を用いた以外は、実施
例5と同様にして純粋な式(2)−2の化合物(収率:
69.1%)を得た。 沸点:102℃〜103.5℃/4mmHg [α]D 21.0 +5.95(c=1.205, エチル
エーテル)
【0056】
【実施例6】 (S)−(−)−メチル−3−メチルオ
クタノエート[式(1)−1の化合物]及び(R)−
(+)−メチル−3−メチルオクタノエート[式(1)
−2の化合物]の合成。
【0057】フラスコ中に、式(2)−1の化合物1.
58g(10ミリモル)、メタノール30mlおよび濃
硫酸3.0gを仕込む。この混合物をリフラックス下に
3時間反応させる。反応終了後、反応物を飽和ソーダ灰
水中に注入し、エーテル抽出する。エーテル層を食塩水
洗浄、硫酸マグネシウム乾燥した後、濃縮して粗製物
1.8gを得た。この粗製物をシリカゲルカラムクロマ
ト、蒸留することにより、純粋な式(1)−1の化合物
1.58g(収率:92.0%)を得た。 沸点:83.0℃〜85.0℃/13mmHg [α]D 20.5 −5.48(c=1.270, エチル
エーテル)
【0058】上記実施例において、式(2)−1の化合
物に変えて式(2)−2の化合物を用いた以外は、実施
例6と同様にして純粋な式(1)−2の化合物(収率:
78.1%)を得た。 沸点:73.0℃〜73.5℃/8mmHg [α]D 22.0 +5.13(c=1.115, エチル
エーテル)
【0059】
【実施例7】リラタイプの調合香料組成物として下記の
各成分(重量部)を混合した。
【0060】上記組成物97gに式(1)−1化合物に
包含される(S)−(−)−メチル3−メチルオクタノ
エートを3g混合して新規調合香料組成物を調製した。
この新規調合香料組成物と該化合物を加えていない上記
のリラタイプの調合香料組成物について、専門パネラー
10人により比較した。その結果、専門パネラー10人
の全員が該化合物を加えた新規調合香料組成物は、リラ
の花を想起させるフローラル調の特性が強調され、天然
のリラの特徴をとらえ持続性の点でも格段に優れている
とした。
【0061】上記の実施例7の方法に準じて、(S)−
(−)−メチル 3−メチルオクタノエートに代えて、
(S)−(−)−エチル 3−メチルオクタノエート、
(S)−(−)−プロピル 3−メチルオクタノエー
ト、(S)−(−)−イソブチル 3−メチルオクタノ
エート、(S)−(−)−ペンチル 3−メチルオクタ
ノエートをそれぞれ同量配合した新規調合組成物につい
て、専門パネラー10人により比較したが、実施例7と
同様の結果が得られた。
【0062】
【実施例8】パイナップル様の調合香料組成物として下
記の各成分(重量)を混合した。
【0063】上記組成物95gに式(1)−2化合物に
包含される(R)−(+)−エチル3−メチルオクタノ
エートを5g混合して新規調合香料組成物を調製した。
この新規調合香料組成物と該化合物を加えていない上記
のパイナップル様の調合香料組成物について、専門パネ
ラー10人により比較した。その結果、専門パネラー1
0人の全員が該化合物を加えた新規調合香料組成物は、
パイナップルの果実を想起させるフルーツ調の特性が強
調され、天然のパイナップルの特徴をとらえ持続性の点
でも格段に優れているとした。
【0064】上記の実施例8の方法に準じて、(R)−
(+)−エチル 3−メチルオクタノエートに代えて、
(R)−(+)−イソプロピル 3−メチルオクタノエ
ート、(R)−(+)−ブチル 3−メチルオクタノエ
ート、(R)−(+)−イソペンチル 3−メチルオク
タノエートをそれぞれ同量配合した新規調合組成物につ
いて、専門パネラー10人により比較したが、実施例8
と同様の結果が得られた。
【0065】
【発明の効果】本発明は、式(1)−1で表される
(S)−(−)−アルキル 3−メチルオクタノエート
及び式(1)−2で表される(R)−(+)−アルキル
3−メチルオクタノエートを高収率、高純度で合成で
きる新規な製法の提供並びにフルーツ様、フローラル様
の香気を有する該化合物を有効成分とする香粧品用ある
いは食品用の調合香料組成物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C11B 9/00 S 2115−4H // C07B 61/00 300 C07M 7:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(7)−1 【化1】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基を示し、Ts
    はトシル基を示す、]で表される(R)−(−)−2−
    メチル−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピ
    ラニルエーテルトシレートを、有機溶媒中カップリング
    触媒の存在下にn−ブチルマグネシウムハライド(n−
    49MgX)とカップリング反応せしめて下記式
    (6)−1 【化2】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基を示す、]で
    表される(S)−(+)−2−メチルヘプタノールテト
    ラヒドロピラニルエーテルを形成させ、該式(6)−1
    の化合物を酸の存在下にアルコールと接触し、アルコリ
    シスさせて下記式(5)−1 【化3】 で表される(S)−(−)−2−メチルヘプタノールを
    形成させ、該式(5)−1の化合物をアミンの存在下
    に、p−トルエンスルホニルハライドと反応せしめて、
    下記式(4)−1 【化4】 [式中、Tsはトシル基を示す、]で表される(S)−
    (+)−2−メチルヘプタノールトシレートを形成さ
    せ、該式(4)−1の化合物を有機溶媒中、シアン化ア
    ルカリ金属塩と反応せしめて、下記式(3)−1 【化5】 で表される(S)−(+)−3−メチルオクタンニトリ
    ルを形成させ、該式(3)−1の化合物を塩基もしくは
    酸と接触させ、加水分解せしめて、下記式(2)−1 【化6】 で表される(S)−(−)−3−メチルオクタン酸を形
    成させ、該式(2)−1の化合物を酸の存在下、アルコ
    ール(ROH)とエステル化反応させることを特徴とす
    る下記式(1)−1 【化7】 [式中、Rはアルキル基を示す、]で表される(S)−
    (−)−アルキル 3−メチルオクタノエートの製法。
  2. 【請求項2】 下記式(7)−2 【化8】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基を示し、Ts
    はトシル基を示す、]で表される(S)−(+)−2−
    メチル−1,3−プロパンジオールモノテトラヒドロピ
    ラニルエーテルトシレートを、有機溶媒中カップリング
    触媒の存在下にn−ブチルマグネシウムハライド(n−
    49MgX)とカップリング反応せしめて下記式
    (6)−2 【化9】 [式中、THPはテトラヒドロピラニル基を示す、]で
    表される(R)−(−)−2−メチルヘプタノールテト
    ラヒドロピラニルエーテルを形成させ、該式(6)−2
    の化合物を酸の存在下にアルコールと接触し、アルコリ
    シスさせて下記式(5)−2 【化10】 で表される(R)−(+)−2−メチルヘプタノールを
    形成させ、該式(5)−2の化合物をアミンの存在下
    に、p−トルエンスルホニルハライドと反応せしめて、
    下記式(4)−2 【化11】 [式中、Tsはトシル基を示す、]で表される(R)−
    (−)−2−メチルヘプタノールトシレートを形成さ
    せ、該式(4)−2の化合物を有機溶媒中、シアン化ア
    ルカリ金属塩と反応せしめて、下記式(3)−2 【化12】 で表される(R)−(−)−3−メチルオクタンニトリ
    ルを形成させ、該式(3)−2の化合物を塩基もしくは
    酸と接触させ、加水分解せしめて、下記式(2)−2 【化13】 で表される(R)−(+)−3−メチルオクタン酸を形
    成させ、該式(2)−2の化合物を酸の存在下、アルコ
    ール(ROH)とエステル化反応させることを特徴とす
    る下記式(1)−2 【化14】 [式中、Rはアルキル基を示す、]で表される(R)−
    (+)−アルキル 3−メチルオクタノエートの製法。
  3. 【請求項3】 下記式(1)−1 【化15】 [式中、Rはアルキル基を示す、]で表される(S)−
    (−)−アルキル 3−メチルオクタノエート及び/又
    は下記式(1)−2 【化16】 [式中、Rはアルキル基を示す、]で表される(R)−
    (+)−アルキル 3−メチルオクタノエートを有効成
    分として含有することを特徴とする香料組成物。
JP4792094A 1994-02-22 1994-02-22 光学活性アルキル 3−メチルオクタノエートの製法及び香料組成物 Pending JPH07233119A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011506270A (ja) * 2007-10-29 2011-03-03 ヴェ.マン・フィス 置換オクタン(オクテン)ニトリル、その合成方法及び香料におけるその使用

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