JP3220310B2 - クリサンテノール化合物 - Google Patents

クリサンテノール化合物

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JP3220310B2 JP27782593A JP27782593A JP3220310B2 JP 3220310 B2 JP3220310 B2 JP 3220310B2 JP 27782593 A JP27782593 A JP 27782593A JP 27782593 A JP27782593 A JP 27782593A JP 3220310 B2 JP3220310 B2 JP 3220310B2
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武 北原
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恵一 高木
英公 榊原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は(±)−トランス−クリ
サンテノールの新規製造法、該化合物を光学分割するこ
とにより得られる新規な光学活性のクリサンテノール
類、及びそれらの香料用途に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】従来、クリサンテノール類に
ついては、いくつかの提案がなされている。例えば、A
gr.Bio.Chem.,37(4),925〜92
7(1973)には、日本名せとのじぎく(Chrys
anthemum japonensevar.deb
ile)の精油の一成分として、トランス−クリサンテ
ニルアセテートが報告されている。また、Bul.Ch
em.Soc.Japan.,46,1565(197
3)には、日本名しおぎく(Chrysantheny
lShiwogiku)の精油中に、(+)−トランス
−クリサンテニルアセテート、トランス−クリサンテノ
−ルなどが含まれていることが報告されている。さら
に、高砂香料時報、79、33〜36(1983)に
は、菊花の香気成分としてトランス−クリサンテニルア
セテート、シス−クリサンテニルアセテートなどが報告
されている。上記提案では、せとのじぎく、しおぎく、
菊花の精油の一成分として、いくつかのクリサンテノー
ル類が含まれていることが報告されているが、該化合物
の香気特性並びに香料として有用であるなどの示唆も提
案もされていない。
【0003】一方、クリサンテノール類の合成に関する
従来文献としては、J.C.S.Chem.Com
m.,314(1972)に(−)−α−ピネンから
(−)−トランス−クリサンテノールを合成する方法が
唯一報告されているにすぎず、(+)−トランス−クリ
サンテノール、(+)−トランス−クリサンテニルアセ
テート及び(−)−トランス−クリサンテニルアセテー
トについては、その合成法は未だ報告されていない。し
かも、上記合成法は、(−)−α−ピネンから(−)−
トランス−クリサンテノールを得るまでに4工程を必要
とし、しかも、非常に低収率であるという問題点を有し
ている。
【0004】本発明の主たる目的は、(±)−トランス
−クリサンテノールを少ない工程で容易に好収率で製造
する方法を提供することである。
【0005】本発明の目的はまた、(±)−トランス−
クリサンテノールを光学分割して光学活性のクリサンテ
ノール類を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(±)
−クリサンテノンを液体アンモニア中で水素供与体の存
在下にアルカリ金属により還元することを特徴とする
(±)−トランス−クリサンテノールの製造法が提供さ
れる。
【0007】本発明の製造法によって得られる(±)−
トランス−クリサンテノールは、光学活性なカンファー
酸を分割剤として用いる光学分割操作によって、光学活
性の(−)−トランス−クリサンテノール及び(+)−
トランス−クリサンテノールに分割することができ、こ
れらはさらに例えば低級アルカノイル化することにより
対応する光学活性のエステルに誘導することができる。
【0008】これら一連の反応を反応式で示せば次のと
おりである。
【0009】
【化4】
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】式中、R1は低級アルカノイル基を示す。
【0013】以下、各反応工程についてさらに詳細に説
明する。
【0014】反応式1の前後の反応は、(±)−クリサ
ンテノン(A)を液体アンモニア中で水素供与体の存在
下にアルカリ金属により還元する工程である。
【0015】上記反応において使用しうる水素供与体と
しては、例えば、塩化アンモニウムのようなアンモニウ
ム塩;メタノール、エタノール、tert-ブチルアルコー
ルなどのアルコール類が挙げられ、これらは一般に化合
物(A)1モルに対して約1〜約10モル、好ましくは
約1〜約3モルの範囲内の割合で使用することができ
る。
【0016】また、アルカリ金属としては、金属カリウ
ムや金属ナトリウムが挙げられ、これらは通常、化合物
(A)1モルに対して約1〜約10モル、好ましくは約
1〜約2モルの範囲内の量で使用することができる。
【0017】さらに液体アンモニアの使用量は厳密に制
限されるものではないが、一般に化合物(A)1重量部
当たり約5〜約50重量部の範囲内の量が適当である。
上記還元反応は常圧下に行うことができ、反応温度は約
−100℃〜約20℃、特に約−40℃〜約0℃の範囲
内の比較的低温を採用することができ、かかる条件下に
反応は大体0.5〜10時間、特に1〜2時間程度で終
了させることができる。
【0018】上記反応により(±)−トランス−クリサ
ンテノール(B)が生成する。反応終了後は、アンモニ
アを回収し、反応混合物はそれ自体既知の方法で処理す
ることにより、例えば抽出、洗浄、乾燥後蒸留すること
により、(±)−トランス−クリサンテノール(B)を
回収することができる。
【0019】かようにして得られる(±)−トランス−
クリサンテノール(B)は、光学活性のカンファー酸を
用いる光学分割によって、(+)−トランス−クリサン
テノール(B−1)と(−)−トランス−クリサンテノ
ール(B−2)に分割することができる。具体的には例
えば次のようにして行うことができる:(±)−トラン
ス−クリサンテノール(B)を有機塩基中、例えば乾燥
ピリジン中で、(S)−(−)−カンファニッククロラ
イド(E)と反応させる。この反応は通常、室温におい
て撹拌下に行うことができる。乾燥ピリジンの使用量は
厳密に制限されるものではないが、通常、化合物(B)
1重量部当たり約1〜約20重量部、特に約5〜約15
重量部の範囲内の量で用いることができる。また、化合
物(E)は一般に化合物(B)1モルに対して約1〜約
5モル、好ましくは約1〜約2モルの範囲内で使用する
ことができる。
【0020】上記反応により、(+)−トランス−クリ
サンテニルカンファノエート(C−1)及び(−)−ト
ランス−クリサンテニルカンファノエート(C−2)を
含む反応混合物が生成する。この反応混合物は通常の方
法で処理することにより、例えば水中に投入し、抽出、
洗浄、乾燥、溶媒回収後に、化合物(C−1)と化合物
(C−2)の粗混合物が得られる。
【0021】この粗混合物は例えばカラムクロマトグラ
フィーにかけることにより、化合物(C−1)と化合物
(C−2)とに分離することができる。かくして得られ
る化合物(C−1)及び化合物(C−2)は、従来の文
献に未記載の新規な化合物であり、(±)−クリサンテ
ノン(A)から光学活性なクリサンテノール(光学的対
掌体)を高純度で得るための中間体として極めて重要な
化合物である。
【0022】上記の如くして得られる化合物(C−1)
及び化合物(C−2)はそれぞれアルコーリシスするこ
とによって、光学活性な(+)−トランス−クリサンテ
ノール(B−1)及び(−)−トランス−クリサンテノ
ール(B−2)とすることができる。該アルコーリシス
は無機アルカリの存在下にアルコールで処理することに
より行うことができる。例えば、化合物(C−1)又は
化合物(C−2)を室温において炭酸カリウムの存在下
にメタノールと共に撹拌する。その際の炭酸カリウムの
使用量は通常、化合物(C−1)又は化合物(C−2)
1モルに対して約1〜約10モル、好ましくは約1〜約
2モルの範囲内とすることができる。また、メタノール
の使用量は特に制限されるものではないが、一般に化合
物(C−1)又は化合物(C−2)1重量部当たり約1
0〜約30重量部の範囲内の量で用いることができる。
【0023】これにより、化合物(C−1)から化合物
(B−1)が、そして化合物(C−2)から化合物(B
−2)がそれぞれ生成する。これらは例えば、反応混合
物に飽和食塩水を加え、抽出、洗浄、乾燥、溶媒回収処
理に付すことにより、粗製の化合物(B−1)又は化合
物(B−2)が得られ、これはそれ自体既知の方法、例
えば蒸留により精製することができる。
【0024】かくして得られる化合物(B−1)及び化
合物(B−2)は、必要に応じて、低級アルカノイル化
することにより対応する光学活性のエステル(D−1)
及びエステル(D−2)に誘導することができる。
【0025】例えば、化合物(B−1)又は化合物(B
−2)を、有機塩基、例えば乾燥ピリジンの存在下に、
無水酢酸と反応させる。反応は通常、室温において例え
ば約10〜約20時間撹拌することにより行うことがで
きる。無水酢酸の使用量は一般に化合物(B−1)又は
化合物(B−2)1モルに対して約1〜約10モル、好
ましくは約1〜約2モルの範囲内とすることができる。
また、乾燥ピリジンの使用量は特に制限されないが、通
常、化合物(B−1)又は化合物(B−2)1重量部当
たり約5〜約20重量部の範囲内が適当である。
【0026】これにより、化合物(B−1)から(−)
−トランス−クリサンテニルアセテート(D−1−1)
[R1がアセチル基を示す式(D−1)の化合物]が得
られ、化合物(B−2)から(+)−トランス−クリサ
ンテニルアセテート(D−2−1)[R1がアセチル基
を示す式(D−2)の化合物]が得られる。これらの化
合物はそれ自体既知の方法、例えば、抽出、蒸留、クロ
マトグラフィー等の手段により分離、精製することがで
きる。
【0027】以上の如くして製造される化合物(B−
1)及び化合物(D−1)は従来の文献に未記載の新規
な化合物である。
【0028】また、化合物(B−1)、化合物(B−
2)、化合物(D−1)及び化合物(D−2)はそれぞ
れ特有の香気香味を有しており、香料組成物の有効成分
として有用である。これら光学活性な化合物の香気香味
特性を下記表1に示す。
【0029】
【表1】 上記表1の化合物(B−1)、化合物(B−2)、化合
物(D−1−1)及び化合物(D−2−1)はそれぞ
れ、各種の合成香料、天然香料、合成精油、天然精油な
どと良く調和する。従って、これらを香料組成物中に含
有せしめることにより、新規な香料組成物を調製するこ
とができる。例えばベルガモット油、レモン油、ゼラニ
ウム油、オリス油、ラベンダー油などの合成精油中に配
合すると、天然精油が本来有する香気香味にカンファー
調を有する花様、グリーン様の新鮮な持続性のある改良
効果を該合成精油に賦与することができる。また、オレ
ンジ、ライム、レモン、グレープフルーツなどの柑橘精
油、ラベンダー油、ベチバー油、シダーウッド油、シト
ロネラ油、ゼラニウム油、ラバンジン油、ローズ油、ジ
ャスミン油などの天然精油とも良く調和し、その精油の
特徴を強調することができ、カンファー調を有する花
様、グリーン様の新鮮な持続性のある改良効果を天然精
油に賦与することができる。
【0030】上記化合物(B−1)、化合物(B−
2)、化合物(D−1)及び化合物(D−2)は単独で
又2種以上組み合わせて香料組成物に配合することがで
きる。その香料組成物への配合量は一般に約0.05〜
約30重量%、好ましくは約0.05〜約15重量%の
範囲内とすることができる。
【0031】かくして、上記化合物を香料組成物に特定
量配合することによって、カンファー調を有する花様、
グリーン様の新鮮な持続性のある香気香味を賦与できる
香気香味賦与剤、香気香味改良補強剤、該化合物の香気
香味を賦与した飲食品類、香粧品類、保健衛生材、医薬
品類等を提供することができる。例えば、果汁飲料類、
果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料の如き飲料類;アイスク
リーム類、シャーベット類、アイスキャンデー類の如き
冷菓類;和・洋菓子類、チューインガム類、ジャム類、
パン類、コーヒー、ココア、紅茶、お茶の如き嗜好品
類;和風スープ類、洋風スープ類の如きスープ類;風味
調味料、各種インスタント飲料乃至食品類、各種スナッ
ク食品類などにそのユニークな香気香味を持った飲食品
類を提供することができる。また、例えば、シャンプー
類、香水、コロン類、ヘヤートニック類、ヘヤークリー
ム類、ポマード類、その他の毛髪用化粧料基剤や化粧用
洗浄類基剤、更に洗濯用洗剤類、防臭洗剤類、室内芳香
剤、その他各種の保健・衛生用洗剤類;歯磨き、マウス
ウオッシュ、トイレットペーパー、医薬品の服用を容易
にする医薬品賦香剤等を提供することができる。
【0032】以下に実施例を挙げて、本発明を更に具体
的に説明する。
【0033】
【実施例】
実施例1:(±)−トランス−クリサンテノール(B)
の合成 反応フラスコ中に、液体アンモニア150mlを仕込
み、(±)−クリサンテノン(A)7.5g(50mm
ol)と塩化アンモニウム16g(300mmol)を
−40±5℃にて加える。金属リチウム1.04g(1
50mgatom)を小片ずつにして同温下20分間で
加え溶解する。更に、−40±5℃にて30分間撹拌反
応する。冷却浴を除き、アンモニアを回収する。残渣
に、エーテル150mlと水50mlを加え溶解後、分
液する。エーテル層は、水洗(50ml×2回)してから
無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒回収し、蒸留精製
することにより化合物(B)を6.8g得た(収率89
%)。沸点55〜57℃/3mmHg。
【0034】[化合物(B)の分析データ] IR νmax(film)cm-1:3462、10911 H−NMR δ(90MHz,CDCI3)ppm:
0.86(s;3H)、120(s;3H)、1.66
(q;J=1.8Hz,3H)、1.95〜2.25
(m;3H)、2.38(br.t;J=5.3Hz,
1H)、2.56(d;J=12.5Hz,1H)、
4.15〜4.50(m;1H)、5.56(br.
s;1H)13 C−NMR δ(22.5MHz,CDCl3)pp
m:18.92、23.74、25.80、30.0
8、46.01、55.00、62.69、118.9
2、138.05 実施例2:(+)−トランス−クリサンテニルカンファ
ノエート(C−1)及び(−)−トランス−クリサンテ
ニルカンファノエート(C−2)の合成 反応フラスコ中に、化合物(B)3.04g(20mm
ol)、乾燥ピリジン60mlを仕込み、室温下(S)
−(−)−カンファニッククロライド(E)4.77g
(22mmol)を加え、一晩撹拌する。反応液を水
(200ml)中に加え、エーテル抽出(300ml×
2)、水洗(200ml)、飽和硫酸第一銅水溶液洗浄
(200ml)、水洗、重曹水洗、水洗(各200ml
づつ)、MgSO4にて乾燥、溶媒回収し、粗製化合物
(C−1)及び(C−2)を6.6g得た。
【0035】[化合物(C−1)及び(C−2)のカラ
ムクロマト分離条件] 中圧カラム:40mmΦ×750mm 充填剤 :LiChroprep Si60(40〜
60μm)440g 展開溶媒 :n−ヘキサン:エチルアセテート=50:
1〜40:1 流量 :20ml/min化合物(C−1 ): 3.15g(収率:47.4%)
光学純度100%e.e.化合物(C− 2): 3.03g(収率:45.6%)
光学純度100%e.e. [化合物(C−1)の分析データ] IR νmax(KBr)cm-1:1794、1746、1
174、1060、1023 [α]20 D −65.6°(C=1.0、CHC
31 H−NMR δ(90MHz、CDCl3)ppm:
0.93(s;3H)、0.96(s;3H)、1.0
3(s;3H)、1.10(s;3H)、1.28
(s;3H)、1.61(d;J=1.8Hz,1
H)、1.40〜2.50(m;7H)、2.61
(t;J=5.5Hz,1H)、5.08(t;J=
5.5Hz,1H)、5.38(br.s;1H)13 C−NMR δ(22.5MHz、CDCl3)pp
m:9.60、16.53、16.64、18.97、
22.93、26.12、26.93、28.83、3
0.78、32.19、44.49、52.88、5
3.64、54.78、68.16、91.08、11
9.14、135.18、167.08、178.08 [化合物(C−2)の分析データ] IR νmax(KBr)cm-1:1794、1744、
1175、1060、1023 [α]20 D +42.4°(C=1.0、CHC
31 H−NMR δ(90MHz、CDCl3)ppm:
0.93(s;6H)、1.05(s;3H)、1.1
0(s;3H)、1.28(s;3H)、1.61
(d;J=1.8Hz,3H)、1.50〜2.50
(m;7H)、2.63(t;J=5.5Hz)、5.
10(t;J=5.5Hz,1H)、5.39(br.
s;1H)13 C−NMR δ(22.5MHz、CDCl3)pp
m:9.55、16.37、16.53、18.97、
22.98、26.12、26.93、28.99、3
0.73、32.19、44.43、52.88、5
3.59、54.67、68.00、91.08、11
9.07、153.34、166.87、177.97 実施例3:(−)−トランス−クリサンテノール(B−
)の合成 反応フラスコ中に、先の光学分割で得た化合物(C−
2)を3.0g、炭酸カリウム1.5gとメタノール6
0mlを仕込み、室温下、5時間撹拌反応する。反応液
を飽和食塩水溶液100ml中に加え、エーテル抽出
(200ml×3回)、飽和食塩水溶液洗浄(100m
l)、MgSO4にて乾燥、溶媒回収して、化合物(B
−2)の粗製化合物2gを得た。次に蒸留精製すること
により化合物(B−2)を1.26g得た(収率91.
8%)。沸点56〜57℃/3mmHg,光学純度
00%e.e. [化合物(B−2)の分析データ] IR νmax(film)cm-1:3462、1091 [α]20 D −42.8°(C=1.20、CHCl
31 H−NMR δ(90MHz,CDCl3)ppm:
0.86(s;3H)、1.20(s;3H)、1.6
6(q;J=1.8Hz,3H)、1.95〜2.25
(m;3H)、2.38(br.t;J=5.3H
z)、2.56(d;J=12.5Hz,1H)、4.
15〜4.50(m;1H)、5.56(br.s;1
H)13 C−NMR δ(22.5MHz、CDCl3)pp
m:18.92、23.74、25.80、30.0
8、46.01、55.00、62.69、118.9
2、138.05 実施例4:(+)−トランス−クリサンテノール(B−
)の合成 先の光学分割で得た化合物(C−1)の3.0gを用い
て、実施例3と同様の方法により合成し、化合物(B−
1)を1.28gを得た(収率93.2%)。沸点56
〜57℃/3mmHg,光学純度100%e.e. [化合物(B−1)の分析データ] [α]20 D +42.2°(C=1.10、CHC
3) IR,1H−NMR,13C−NMRのデータは化合物
(B−2)と同様である。
【0036】実施例5:(+)−トランス−クリサンテ
ニルアセテート(D−2−1)の合成 反応フラスコ中に、化合物(B−2)を1.0g(6.
6mmol)、乾燥ピリジン5mlを仕込み、無水酢酸
1.01g(9.9mmol)を加え、エーテル抽出
(150ml×2回)、水洗(50ml×2回)、飽和
硫酸第一銅水洗浄(50ml×2回)、水洗、重曹水
洗、水洗(各50ml)、MgSO4にて乾燥後、溶媒
回収し、蒸留精製することにより、化合物(D−2−
1)を1.16g得た(収率91%)。沸点49〜51
℃/1mmHg [化合物(D−2−1)の分析データ] IR νmax(film)cm-1:1738、124
5、1081、1035 [α]20 D +59.8°(C=1.07、CHC
31 H−NMR δ(90MHz、CDCl3)ppm:
0.90(s;3H)、1.26(s;3H)、1.6
0(q;J=1.8Hz,3H)、1.98(s;3
H)、2.09(q;J=2.4Hz,1H)、2.2
0〜2.45(m;1H)、2.50(br.t;J=
5.5Hz,1H)、4.99(t;J=5.5Hz,
1H)、5.36(br.s;1H)13 C−NMR δ(22.5MHz、CDCl3)pp
m:19.03、20.98、23.09、26.2
8、26.88、32.14、44.65、52.7
8、66.54、118.60、135.39、17
0.98 実施例6:(−)−トランス−クリサンテニルアセテー
ト(D−1−1)の合成 化合物(B−1)を1.0g(6.6mmol)を用い
て、実施例5と同様の方法により合成し、化合物(D−
1−1)を1.10g得た(収率86%)。沸点69〜
70℃/4mmHg [化合物(D−1−1)の分析データ] [α]20 D −58.7°(C=1.10、CHC
3) IR,1H−NMR,13C−NMRのデータは化合物
(D−2−1)と同様である。
【0037】次に本発明の表1の化合物を利用した香料
組成物の例を示す。
【0038】実施例7 リラタイプの調合香料組成物として下記の各成分(重量
部)を混合した。
【0039】 上記組成物97gに(+)−トランス−クリサンテニル
アセテート[(D−2−1)化合物]を3g混合して新
規調合香料組成物を調製した。この新規調合香料組成物
と該化合物を加えていない上記のリラタイプの調合香料
組成物について、専門パネラー10人により比較した。
その結果、専門パネラー10人の全員が該化合物を加え
た新規調合香料組成物は、新鮮なカンファー感を伴う花
様の香気が強調され、天然のリラの特徴をとらえ持続性
の点でも格段に優れているとした。光学異性体の(−)
−トランス−クリサンテニルアセテート(D−1−1)
を混合しても、また化合物(B−1)と化合物(B−
2)をそれぞれ別々に3g混合し調製してもほぼ同様の
結果が得られた。
【0040】実施例8 パイナップル様の調合香料組成物として下記の各成分
(重量部)を混合した。 上記組成物96gに(+)−トランス−クリサンテノー
ル(B−1)を4g混合して新規なパイナップル様の調
合香料組成物を調製した。この新規調合香料組成物と該
化合物を加えていない上記のパイナップル様調合香料組
成物について、専門パネラー10人により比較した。そ
の結果、専門パネラー10人の全員が該化合物を加えた
新規調合香料組成物は、フレツシュなグリーン感を伴う
フルーティーの香気が強調された天然パイナップルの特
徴をとらえ持続性の点でも格段に優れているとした。光
学異性体の(−)−トランス−クリサンテノール(B−
2)を混合しても、また化合物(D−1−1)と化合物
(D−2−1)を各2g混合して添加し調製しても同様
の結果が得られた。
【0041】実施例9 シャンプー用の調合香料組成物として下記の各成分(重
量部)を混合した。
【0042】 上記組成物96gに(+)−トランス−クリサンテニル
アセテート(D−2−1)を4g混合して実施例7,8
と同様に専門パネラーにて比較した結果、グリーンフロ
ーラル感を伴ったスズラン様の特徴を有する新規な組成
物が得られた。また(−)−トランス−クリサンテニル
アセテート(D−1−1)と(+)−トランス−クリサ
ンテノール(B−1)を各2g混合して調製しても同様
の結果が得られた。また化合物(D−1−1)、化合物
(B−1)、化合物(B−2)をそれぞれ別々に4g混
合し調製しても同様の結果が得られた。
【0043】
【発明の効果】本発明は、(±)−クリサンテノンを出
発原料に選ぶことにより、従来文献未記載の化合物を含
有する各種のクリサンテノール類および新規中間体を提
供し、該化合物を有効成分として含有する香料組成物を
提供する。また、従来提案の製法より、好収率、高純度
にクリサンテノール類を製造できる新規製法を提供す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C11B 9/00 C11B 9/00 U // A61K 7/46 315 A61K 7/46 315C 385 385L (72)発明者 榊原 英公 神奈川県川崎市中原区苅宿335 長谷川 香料株式会社川崎研究所内 (56)参考文献 Rivista Italiana E.P.P.O.S.LXIII n. 6 pp289−294 Phytochemistry,Vo l.26,No.6,pp.1673−1687 (1987) Dev.Food Sci. (1985),10,pp329−38 高砂香料時報、79巻、第33−36頁 (1983年) Arch.Pharm.304/71,p p944−952,1971 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 35/28 C07C 29/143 C07C 69/145 C07D 307/935

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (±)−クリサンテノンを液体アンモニ
    ア中で水素供与体の存在下にアルカリ金属により還元す
    ることを特徴とする(±)−トランス−クリサンテノ−
    ルの製造法。
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高砂香料時報、79巻、第33−36頁(1983年)

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