JPH07217496A - 内燃機関のクランクシャフト - Google Patents

内燃機関のクランクシャフト

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JPH07217496A
JPH07217496A JP1279994A JP1279994A JPH07217496A JP H07217496 A JPH07217496 A JP H07217496A JP 1279994 A JP1279994 A JP 1279994A JP 1279994 A JP1279994 A JP 1279994A JP H07217496 A JPH07217496 A JP H07217496A
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crankshaft
internal combustion
combustion engine
piston
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Masaru Mizoguchi
賢 溝口
Satoshi Watanabe
智 渡辺
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は内燃機関運転時における気筒内圧力
変動を抑制すべく各気筒を隔離する隔壁に通気孔を備え
る内燃機関に組み込むクランクシャフトに関し、カウン
タウェイトによる通気性の阻害を解消することを目的と
する。 【構成】 各気筒♯1〜♯4に対応するシリンダボア1
-1〜14-4の下部に延設して設けられた隔壁1
1-2 ,162-3 ,163-4 に通気孔34,36を設け
る。クランクシャフト24の回動に伴って通気孔34,
36と対向するカウンタウェート24-1b,24-2a,
24-3b,24-4aに、同一気筒のピストン28 -1〜2
-4が下死点に達した際に通気孔34,36と重なって
通気性の阻害を防止する貫通孔25-1〜25-4を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関のクランクシ
ャフトに係り、特に内燃機関運転時における気筒内圧力
変動を抑制すべく各気筒を隔離する隔壁に通気孔を備え
る内燃機関に組み込むクランクシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】近年では、内燃機関のコンパクト化に伴
って、内燃機関の内部においてクランクシャフトを収納
把持するクランクケースの空間容積が小さくなる傾向に
ある。ここで、内燃機関においては、各気筒のシリンダ
部からクランクケース内に延びて各気筒間を隔離する隔
壁と、その隔壁の下端に装着されるベアリングキャップ
とでクランクシャフトのベアリングハウジングを構成
し、クランクシャフトの下部空間で各気筒間を連通する
のが一般的である。
【0003】従って、上記の如くクランクシャフトを格
納するクランクケースの容積が小さくなると、各気筒間
を連通する空間が狭まって気筒間の通気が阻害されるこ
とになり、個々の気筒においてピストンの上下動に伴い
大きな圧力変動を生ぜしめることになる。
【0004】このような圧力変動は、ポンピングロスの
増加に伴う内燃機関の出力特性の悪化、潤滑オイルの油
温上昇、各種シール部材からのオイル漏れ、及びシリン
ダブロック内におけるオイルミストの増加等の弊害を伴
い、内燃機関の運転特性上好ましくない。
【0005】このため、従来より、クランクケースの空
間容積が十分に確保できない場合において、個々の気筒
における圧力変動を抑制する技術が提案されており、例
えば実開昭47−8804号公報には、クランクケース
内において各気筒間を隔離する隔壁に通気孔を設け、そ
れにより気筒間の通気性を確保する内燃機関が開示され
ている。
【0006】一般に、複数の気筒を備える内燃機関にお
いては、全ての気筒のピストンが同位相でストロークす
ることはなく、例えば4気筒の内燃機関であれば、第1
気筒と第4気筒が同位相で、また第2気筒と第3気筒が
同位相で、それぞれ180°の位相のずれを伴ってスト
ロークするのが通常である。
【0007】このため、上記公報記載の内燃機関におい
て、第1気筒と第2気筒、及び第3気筒と第4気筒とを
隔離する隔壁がそれぞれ通気孔を備えているとすれば、
隣合う第1気筒と第2気筒の圧力変動が、また第3気筒
と第4気筒の圧力変動が、互いに内圧を相殺しあい、何
れの気筒においても大きな圧力変動の発生を防止するこ
とが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内燃機関に
組み込まれるクランクシャフトは、ピストンに連結され
るクランクピンの反対側に、クランクピンを挟み込むよ
うに一対のカウンタウェイトを備えるのが一般的であ
る。内燃機関の運転中における振動を防止するために、
回転モーメントをその回転中心に対してバランスさせる
必要があるからである。
【0009】このため、内燃機関の運転中は、クランク
シャフトのジャーナル部を中心としてカウンタウェイト
が回転することになるが、かかる構成によれば、ピスト
ンが下死点付近に到達すると、その気筒に対応して設け
られたカウンタウェイトはほぼ上昇側変位端付近に位置
することになり、当該気筒と隣接する気筒とを隔離すべ
く設けられた隔壁に近接した状態となる。
【0010】この際、上記従来の内燃機関の如く、隔壁
に通気孔が設けられているとすれば、クランクシャフト
のカウンタウェイト部は、その通気孔とオーバーラップ
した状態となり、内燃機関がコンパクト化されている場
合には、折角設けた通気孔の通気性が、カウンタウェイ
トにより妨げられて結局気筒間の通気性が確保できない
事態を生ずる。
【0011】特に上記した4気筒式内燃機関において
は、何れかの気筒において吸気が開始される際には、す
なわちピストンが上死点から下死点に向けて変位を開始
する際には、隔壁の通気孔が常に隣接する気筒のカウン
タウェートにより遮断され、ポンピングロスの低減効果
が著しく減殺されるという問題を有していた。
【0012】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、カウンタウェートの、内燃機関の運転中におい
て隔壁に設けられた通気孔とオーバーラップする部位に
通気通路を形成することにより上記の課題を解決する内
燃機関のクランクシャフトを提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、各気筒の
シリンダ部から下方に延びてクランクケース内の空間を
各気筒別に隔離する隔壁を有し、ピストンの運動方向が
互いに逆となるクランク角領域を有する互いに隣接した
気筒間の前記隔壁に通気孔を備える内燃機関に組み込む
クランクシャフトであって、カウンタウェイトの、前記
内燃機関の運転中に前記通気孔とオーバラップする部位
に通気通路を形成した内燃機関のクランクシャフトによ
り達成される。
【0014】また、上記構成の内燃機関のクランクシャ
フトにおいて、前記通気通路は、ピストンが上死点から
下死点に至る過程で前記通気孔に向けて空気を圧送す
る、あるいはピストンが下死点から上死点に至る過程で
前記通気孔から空気を吸引する空気移送翼を備える構成
は、前記通気孔を介して積極的に通気を行うのに有効で
ある。
【0015】
【作用】本発明に係るクランクシャフトにおいて、前記
カウンタウェイトに形成した前記通気孔は、当該カウン
タウェイトを備える気筒のピストンが下死点付近に達
し、当該カウンタウェイトが前記隔壁に設けられた通気
孔とオーバーラップする際に、そのオーバーラップに関
わらず前記通気孔が実質的に閉塞されるのを防止する。
【0016】また、前記カウンタウェイトに形成した前
記通気通路が、前記空気移送翼を備える場合は、クラン
クシャフトの回転に従って当該カウンタウェイトを備え
る気筒のピストンが上死点から下死点に向けて変位する
過程、すなわちピストン下部空間の容積が減少する過程
において、前記空気移送翼が積極的に前記通気孔を介し
て隣接する気筒内に空気を排出し、或いは当該気筒のピ
ストンが下死点を通過して上死点へ向かう過程、すなわ
ちピストン下部空間の容積が増加する過程において、前
記通気孔を介して強制的に隣接する気筒から空気を吸引
する。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の一実施例であるクランクシ
ャフトを用いて構成した内燃機関10の全体構成図を示
す。ここで、同図(A)はその側面断面図を、同図
(B)はそのB−B断面図を示す。
【0018】同図(A)に示すように、内燃機関10
は、直列4気筒式内燃機関であり、シリンダブロック1
2は、第1気筒♯1〜第4気筒♯4に対応するシリンダ
ボア14-1〜14-4を備え、またシリンダ部から下部に
向かって延設され、クランクケース内において各気筒♯
1〜♯4を隔離する隔壁161-2 ,162-3 ,163-4
を備えている。
【0019】これらの隔壁161-2 ,162-3 ,16
3-4 は、シリンダブロック12の側壁18,20と同様
に、その下端に対向して装着されるベアリングキャップ
22-1〜22-5と共にクランクシャフト24についての
ベアリングハウジングを構成する。つまり、クランクシ
ャフト24は、シリンダブロック12内においてこれら
の隔壁161-2 ,162-3 ,163-4 に支持されて回動
する構成である。
【0020】クランクシャフト24は、第1気筒♯1及
び第4気筒♯4について同位相に設けられたクランクピ
ン24-1,24-4、第2気筒♯2及び第3気筒♯3に対
応して、クランクピン24-1,24-4に対して180°
位相をずらして同位相に設けられたクランクピン2
-2,24-3、及び個々のクランクピン24-1〜26-4
を挟み込むように、その反対側に設けられた4対のカウ
ンタウェイト24-1a,24-1b、24-2a,24
-2b、24-3a,24-3b、24-4a,24-4bを備え
ている。
【0021】クランクピン24-1〜24-4は、それぞれ
コネクティングロッド26-1〜26 -4を介して、第1気
筒♯1〜第4気筒♯4のピストン28-1〜28-4に連結
している。また、カウンタウェイト24-1a,24
-1b、24-2a,24-2b、24 -3a,24-3b、24
-4a,24-4bは、これらピストン28-1〜28-4との
関係で、クランクシャフト24の回転モーメントの中心
が、その回転中心に一致するように構成されている。
【0022】尚、本実施例の内燃機関10においては、
第1気筒♯1と第4気筒♯4のシリンダボア14-1,1
-4内を摺動するピストン28-1,28-4が同じ位相
で、また第2気筒♯2と第3気筒♯3のシリンダボア1
-2,14-3内を摺動するピストン28-2,28-3が共
にそれらと180°位相をずらした状態で、それぞれス
トロークすることになる。
【0023】ここで、本実施例のクランクシャフト24
は、第1気筒♯1及び第2気筒♯2に対応して形成した
部分の斜視図である図2にも示すように、隔壁1
1-2 、及び163-4 に対向して設けられるカウンタウ
ェイト24-1b,24-2a、及び24-3b,24-4
に、前記した通気通路に相当する貫通孔25-1,2
-2,25 -3,25-4を備えており、この点に特徴を有
している。
【0024】内燃機関10は、シリンダブロック12の
底部に潤滑オイルを集油捕獲するオイルパン30を備
え、その内部に適量の潤滑オイル32を貯蔵している。
内燃機関10の運転中においてクランクシャフト24の
回転軸受け部、及びシリンダボア14-1〜14-4とピス
トン28-1〜28-4との間等の摺動部に供給して適当な
潤滑性を確保するためである。
【0025】図1(A),(B)は、内燃機関10が停
止状態である場合の潤滑オイル32の油面を示したもの
であるが、この場合同図に示すように、潤滑オイル32
の油面はベアリングキャップ22-1〜22-4との間に適
当な空間が確保されるように設定されている。従って、
同図に示す状態においては、クランクシャフト24の下
部空間で各気筒♯1〜♯4が導通した状態が形成されて
いる。
【0026】ところで、4気筒式の内燃機関において
は、♯1と♯2、及び♯3と♯4が180°の位相差で
ピストンがストロークする組み合わせであることは前記
した通りであるが、このため、本実施例のシリンダブロ
ック12は、第1気筒♯1と第2気筒♯2とを隔離する
隔壁161-2 、及び第3気筒♯3と第4気筒♯4とを隔
離する隔壁163-4 に、それぞれ隣接する気筒間の通気
性を確保すべく通気孔34,36を備えている。
【0027】以下、本実施例の内燃機関10における通
気孔34,36、及び貫通孔25-1〜25-4の機能につ
いて説明するが、通気孔34と36、及び貫通孔2
-1,25-2と25-3,25-4とは、その構成において
異なるところがないため、以下においては便宜上通気孔
34と貫通孔25-1,25-2との組み合わせに限って説
明を行う。
【0028】ところで、隔壁161-2 に通気孔34が設
けられていないとすると、図1(A)に示す状態からピ
ストン28-1が下降を、ピストン28-2が上昇を開始す
ると、ピストン28-1下部空間の内圧は上昇し、またピ
ストン28-2下部空間の内圧は低下する。
【0029】この際、内燃機関10の回転数がさほど高
くなく、クランクシャフト24の下方空間において第1
気筒♯1と第2気筒♯2とが実質的に導通した状態であ
れば、発生した内圧差はベアリングキャップ22-1周辺
を流通する空気の流れにより相殺されて、内燃機関10
として適切な圧力分布を維持することができる。
【0030】しかし、内燃機関10が高回転領域で運転
している場合は、内燃機関10の振動、潤滑オイル32
とクランクピン24-1〜24-4との衝突等に起因して潤
滑オイル32の油面が揺動し、また多量の潤滑オイルが
循環されることに起因してクランクシャフト24の下部
空間が多量のオイルミストで満たされることから、ベア
リングキャップ22-1の周辺に高い通気抵抗が発生す
る。
【0031】このようにベアリングキャップ22-1の周
辺において高い通気抵抗が生ずると、従前においてその
空間を流通していた空気の流通が阻害され、第1気筒♯
1と第2気筒♯2の内圧差が相殺し得なくなる。つま
り、下死点へ向かって変位するピストン28-1に対して
は、比較的高圧力が、上死点へ向かって変位するピスト
ン28-2に対しては比較的低圧が、その下部空間に発生
することになり、内燃機関10のポンピングロスが助長
される事態を招く。
【0032】また、このように両気筒♯1,♯2内の内
圧が相殺し得なくなれば、潤滑オイル32の表面はその
内圧差に従って更に揺動することになり、より多量のオ
イルミストの発生を促進し、従ってクランクシャフト2
4の下部空間の通気抵抗をより高め、一層内燃機関の出
力特性を悪化させることになる。
【0033】これに対して、本実施例の内燃機関10に
おいては、クランクシャフト24の下部空間に比べてオ
イルミストの濃度が低い空間に開口する通気孔34を備
えている。このため、クランクシャフト24の下部空間
の通気抵抗が高まった場合でも、この通気孔34の通気
性が確保されていれば、両気筒♯1及び♯2の導通状態
を維持することが可能である。
【0034】ところで、図1に示すように内燃機関10
においては、第1気筒♯1と第2気筒♯2とを隔離する
隔壁161-2 の近傍をカウンタウェイト24-1b,24
-2aが回動し、交互に通気孔34に対してオーバーラッ
プする構成である。従って、カウンタウェイト24
-1b,24-2aに何ら通気通路に相当するものが設けら
れていないとすれば、通気孔34を設けたことによる通
気性が著しく減殺されて有効なポンピングロスの低減を
実現することができない。
【0035】この点、本実施例のクランクシャフト24
は、上記したように通気孔34又は36に対向して回動
するカウンタウェイト24-1b,24-2a又は24
-3b,24-4aにそれぞれ貫通孔25-1,25-2又は2
-3,25-4を備えている。また、これらの貫通孔25
-1〜25-4は、図3に示すように、ピストン28-1〜2
-4が下死点に達した際に通気孔34又は36と重なり
合うようにその位置が設定されている。
【0036】このため、ピストン28-1〜28-4がスト
ロークする過程でカウンタウェイト24-1b,24
-2a,24-3b,24-4aの多大な面積が通気孔34に
オーバーラップするにも関わらず、最も大面積のオーバ
ラップを生ずる下死点到達時においては、通気孔34,
36及び貫通孔25-1〜25-4を介して気筒間の通気性
が適当に確保されることになる。
【0037】従って、第1気筒♯1又は第2気筒♯2に
おいて吸気工程が開始される際には、両気筒♯1、♯2
のピストン28-1,28-2下部空間に不当な内圧差が生
ずることがなく、内燃機関10のポンピングロスを有効
に低減することができる。尚、かかる効果は、内燃機関
10をコンパクトに設計した場合、すなわち隔壁16
1-2 ,163-4 に対してカウンタウェイト24-1b,2
-2a,24-3b,24 -4aを近接して設けざるを得な
い場合に特に顕著である。
【0038】尚、上記実施例においては、クランクシャ
フト24に設けた貫通穴25-1〜25-4により前記した
通気通路を構成することとしているが、前記した通気通
路の構成は、かかる構成に限定するものではない。
【0039】すなわち、図4及び図5は、前記した通気
通路を、それぞれ通気孔34又は36側に設けられた通
気溝42-1〜42-4で、又は貫通通路52-1a〜52-4
aと通気孔34,36側にのみ開口した開口部52-1
〜52-4bとで構成したクランクシャフト40,50の
一部の斜視図を示したものであるが、これらの構成によ
っても所望の効果を得ることができる。
【0040】この場合、図4に示すクランクシャフト4
0においては、カウンタウェイト24-1b,24-2
(及び24-3b,24-4a)全体に渡って通気溝4
-1,42 -2(42-3,42-4)が設けられるため、ま
た図5に示すクランクシャフト50においては、貫通通
路52-1a〜52-4aの作用により、クランクシャフト
40,50の回転角によらす常に良好な通気性を得るこ
とができる。
【0041】ところで、上記した各実施例は、内燃機関
が4気筒式であること、すなわち♯1と♯2のピストン
28-1,28-2、及び♯3と♯4のピストン28-3,2
-4が互いに180°の位相差を以てストロークする場
合に限定しているが、これに限るものではない。
【0042】すなわち、本実施例の要部である貫通孔
は、隣接する気筒のピストン下部空間のうち一方が増
圧、他方が減圧過程である場合において、両気筒間の通
気性を確保する点に特徴を有するものである。
【0043】従って、例えば隣接する気筒のピストンが
120°の位相差を以てストロークする6気筒式の内燃
機関について適用することも可能であり、この場合は隔
壁を介して隣接する2つの気筒のピストン下部空間の一
方が増圧、他方が減圧過程となる領域、すなわち一方の
ピストンの上昇と他方のピストンの下降とがオーバーラ
ップする120°CAの領域において有効に通気性向上
効果を発揮させることができる。
【0044】尚、例えば♯1のピストンに120°CA
遅れて♯2のピストンがストロークする構成において
は、♯1のピストンが上死点後120°CAに至ると♯
2のピストンが上死点に達し、以後♯1のピストンが下
死点に至るまでは両空間が共に増圧過程となる。そし
て、その後♯2のピストンが下死点に達するまで、すな
わち♯1のピストンが上死点前60°CAに至るまでの
120°CAが通気を確保すべき領域である。
【0045】従って、この場合にクランクシャフトのカ
ウンタウェイトに設ける貫通通路は、対応するピストン
が下死点に至った後、上死点前60°CAに至るまでの
過程において隔壁が有する通気孔を閉塞しないような位
置にオフセットして設ける構成とすることが好適であ
る。
【0046】図6は、前記請求項2記載の発明の一実施
例であるクランクシャフト60の全体構成を表す斜視図
を示す。尚、本実施例のクランクシャフト60は、前記
した通気通路に相当する部分の構成に特徴を有するもの
であり、他の構成部分は上記したクランクシャフト24
と同様であるため、同一の構成部分については同一の符
号を付してその説明を省略する。
【0047】本実施例のクランクシャフト60は、上記
実施例に示すクランクシャフト24等と同様に、カウン
タウェイト24-1b,24-2a,24-3b,24-4aに
前記した通気通路に相当するフィン部62-1〜62-4
備えている。
【0048】図6(B)は、フィン部62-3についての
断面図(B−B断面)であるが、同図に示すように、フ
ィン部62-3(62-1,62-2,26-4も同様)は、ク
ランクシャフト60の回転方向に対して隔壁163-4
ら遠い側が先行するように設けられた複数の圧送翼64
と、隔壁163-4 側が先行するように設けられた複数の
吸引翼66とで構成される。
【0049】この場合、クランクシャフト60が回転す
ると、圧送翼64については、その回転に伴って隔壁1
3-4 側へ空気を圧送し、一方吸引翼66については、
その回転に伴って隔壁163-4 側から空気を吸引するよ
うに機能する。
【0050】ところで、本実施例においては、これら圧
送翼64と吸引翼66とは、フィン部62-1〜62-4
中心線を境に設けられている。従って、図6(B)に示
す状態、すなわち通気孔36(34)に対向するフィン
が圧送翼64から吸引翼66に切り替わる状態は、対応
するピストン28-3が下死点に達した際に生ずることに
なる。
【0051】このため、ピストン28-3が下死点に達す
るまでは、通気孔36周辺には、圧送翼64により圧送
された空気が供給され、その結果通気孔36には第3気
筒♯3から第4気筒♯4へ向かう流速が生じ、その後ピ
ストン28-3が下死点を過ぎると、通気孔36には第4
気筒♯4から第3気筒♯3へえ向かう流速が生ずること
になる。
【0052】つまり、本実施例のクランクシャフト60
によれば、各気筒♯1〜♯4においてピストン28-1
28-4が下死点に向かってストロークする際には、その
下部空間から積極的に隣の気筒へ空気を排出して、当該
気筒の内圧上昇を積極的に防止すると共に、この際にピ
ストンが上死点へ向かって変位中である隣の気筒のピス
トン下部空間の内圧を積極的に昇圧することができる。
【0053】また、当該気筒のピストン28-1〜28-4
が下死点を通過し、従って隣接する気筒のピストンが上
死点を通過した後は、隣の気筒のピストン下部空間から
当該気筒のピストン下部空間へ向けて積極的に空気を吸
引して、両気筒のピストン下部空間の圧力差を積極的に
解消することができる。
【0054】この場合、各気筒♯1〜♯3をストローク
するピストン28-1〜28-4が、その下部空間の圧力変
動により受ける負荷が極めて小さくなり、ポンピングロ
スの低減のみならず、内燃機関の運転状態全般に渡って
有効にピストンの駆動損失低減を図ることができる。
【0055】尚、本実施例においては、上記した圧送翼
64及び吸引翼66が、前記した空気移送翼を構成して
いるが、必ずしも圧送翼64と吸引翼66の双方を備え
る必要はなく、少なくとも何れか一方を備える構成であ
れば、通気性向上効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、内燃機関の各気筒においてピストンが下死点付近に
位置する際に、カウンタウェイトが隔壁に設けた通気孔
とオーバラップしても、通気通路を介して通気孔の開口
状態が維持できるため、そのオーバーラップにより気筒
間の通気性が阻害されることがない。
【0057】このため、各気筒におけるピストン下部空
間の圧力変動を効果的に抑制することが可能となり、従
来に比べてポンピングロスを低減して内燃機関の出力特
性を改善することができると共に、カウンタウェイトに
よる通気孔の閉塞を考慮する必要がないことから、内燃
機関の体格を、従来より一層コンパクトにすることがで
きる。
【0058】また、請求項2記載の発明によれば、ピス
トンが上死点から下死点へ向かう過程においてピストン
下部空間から強制的に空気を排出し、又はピストンが下
死点から上死点へ向かう過程において、ピストン下部空
間に強制的に空気を吸引することができる。
【0059】従って、本発明に係るクランクシャフトを
用いた場合、ピストンのストロークに伴うピストン下部
空間の内圧変化を積極的に抑制することが可能となり、
かかる内圧変化に起因する内燃機関のポンピングロスを
有効に低減して、内燃機関の出力特性の改善を図ること
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるクランクシャフトを用
いて構成した内燃機関の全体構成図である。
【図2】本発明に係るクランクシャフトの一実施例の斜
視図である。
【図3】本実施例であるクランクシャフトの効果を説明
するための図である。
【図4】本発明に係るクランクシャフトの第2の実施例
の斜視図である。
【図5】本発明に係るクランクシャフトの第3の実施例
の斜視図である。
【図6】本発明に係るクランクシャフトの他の実施例の
構成及び効果を説明するための図である。
【符号の説明】
♯1〜♯4 気筒 10 内燃機関 12 シリンダブロック 161-2 ,162-3 ,163-4 隔壁 22-1〜22-5 ベアリングキャップ 24,40,50,60 クランクシャフト 24-1〜24-4 クランクピン 24-1a〜24-4a,24-1b〜24-4b カウンタウ
ェイト 25-1〜25-4 貫通孔 28-1〜28-4 ピストン 34,36 通気孔 42-1,42-2 通気溝 52-1a,52-2a 貫通通路 52-2b 開口部 62-1〜62-4 フィン部 64 圧送翼 66 吸引翼

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各気筒のシリンダ部から下方に延びてク
    ランクケース内の空間を各気筒別に隔離する隔壁を有
    し、ピストンの運動方向が互いに逆となるクランク角領
    域を有する互いに隣接した気筒間の前記隔壁に通気孔を
    備える内燃機関に組み込むクランクシャフトであって、 カウンタウェイトの、前記内燃機関の運転中に前記通気
    孔とオーバラップする部位に通気通路を形成したことを
    特徴とする内燃機関のクランクシャフト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の内燃機関のクランクシャ
    フトにおいて、 前記通気通路は、ピストンが上死点から下死点に至る過
    程で前記通気孔に向けて空気を圧送する、あるいはピス
    トンが下死点から上死点に至る過程で前記通気孔から空
    気を吸引する空気移送翼を備えていることを特徴とする
    内燃機関のクランクシャフト。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005069170A (ja) * 2003-08-27 2005-03-17 Kawasaki Heavy Ind Ltd 多気筒4サイクルエンジン
JP2010084560A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Daihatsu Motor Co Ltd 内燃機関のシリンダブロック
JP2019138264A (ja) * 2018-02-14 2019-08-22 トヨタ自動車株式会社 内燃機関

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