JP2001173447A - ピストンバルブ式層状掃気2サイクルエンジン - Google Patents
ピストンバルブ式層状掃気2サイクルエンジンInfo
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Abstract
軽量コンパクトなピストンバルブ式層状掃気2サイクル
エンジンを提供する。 【解決手段】 シリンダ10の内壁に設けた先導空気ポ
ート14の上縁14aと吸気ポート15の上縁15aと
をほぼ同一高さに位置させる。ピストン30の先導空気
ポート14に対向する位置の下端部に、吸気ポート15
に対向する位置のピストン下縁31よりも下方に延伸し
た延伸部32を設ける。左右の延伸部32,32の間隔
W1をクランク軸20のバランスウエイト23の外幅W
2より大きくする。延伸部32の外周面に、吸入行程の
際に先導空気ポート14と掃気ポート12とを接続する
ピストン溝34を設ける。
Description
層状掃気2サイクルエンジンの吸気ポートと先導空気ポ
ートの配置、及びピストンのスカート部の形状に関す
る。
ンジンの混合気用の吸気ポートと先導空気ポート等の配
置については、一例として国際公開番号WO98/57
053号に開示されたものがある。同開示内容によれ
ば、図9に示すように、シリンダ室11(シリンダ10
の内周面)には、掃気ポート12、先導空気ポート1
4、及び図示しない排気ポートが開口しており、またシ
リンダ10には、クランク室3に接続する混合気用の吸
気ポート15と、シリンダ室11及びクランク室3の間
を接続する掃気流路16とを備えている。先導空気ポー
ト14は、吸気ポート15を挟んで左右に2つ設けられ
ている。先導空気ポート14は、掃気ポート12よりも
シリンダ10の軸線方向のクランク室3側に所定距離だ
け離れた位置に設けられるとともに、ピストン30aの
外周部に設けたピストン溝34aを介して掃気ポート1
2と先導空気ポート14とが接続され、吸入行程の際に
先導空気ポート14から掃気ポート12を経て掃気流路
16に空気を吸入するようにしている。ピストン30a
の全ストロークにおいて先導空気ポート14は直接シリ
ンダ室11に開口しないようにするため、ピストン下縁
31は、実線にて示すピストン上死点位置において先導
空気ポート14の下方に位置し、ピストン上縁35は、
細い2点鎖線にて示すピストン下死点位置において先導
空気ポート14の上方に位置している。また、ピストン
下縁31はピストン下死点位置において、クランク軸に
設けられたバランスウエイト23の外周部23aに干渉
しない最もクランク軸寄りの位置に定められる。吸気ポ
ート15は先導空気ポート14と左右方向に並んで設け
られているため、ピストン下縁31部には、ピストン上
死点位置において吸気ポート15とクランク室3とを連
通させるために、所定長さ(図中、長さF)の縦溝40
が設けられている。上記のように構成された層状掃気2
サンイクルエンジンによれば、排気時に先ず先導空気に
よってシリンダ室11内が掃気されるので、混合気の吹
き抜けによる未燃焼ガスの排出を防止でき、排気ガスが
清浄化されるという効果がある。
際公開番号WO98/57053号に開示されたピスト
ンバルブ式層状掃気2サイクルエンジンの構成において
は、ピストン上死点位置で吸気ポート15とクランク室
3とを連通させるために、ピストン下縁31から吸気ポ
ート上縁15aまでの長さFの縦溝40を設けている。
そのため、ピストン下縁31は吸気ポート上縁15aか
ら長さFだけ下方に位置することとなる。前述のよう
に、ピストン下死点時において、ピストン上縁35は吸
気ポート上縁15aよりも上方に位置し、ピストン下縁
31はクランク軸20のバランスウエイト外周部23a
よりも上方に位置するように定められている。このた
め、ピストン上死点において、吸気ポート上縁15aか
らピストン上縁35までの高さをHとすると、ピストン
下縁31からピストン上縁35までのピストン高さは
「H+F」とする必要がある。ところが、従来からエン
ジンの高さをさらに低くして場積をできるだけ小さくす
ることが要求されており、上記のようにピストン高さに
伴ってコネクティングロッドの長さが長くなり、エンジ
ンの高さも高くなって場積が大きくなり、重量も重くな
り、コストも高くなるという問題を解決することが強く
要望されている。
ストンのシリンダ軸方向の長さを短くしてエンジンの高
さを低くし、よって場積を小さくし、重量を低減できる
ピストンバルブ式層状掃気2サイクルエンジンを提供す
ることを目的としている。
的を達成するために、本発明に係るピストンバルブ式層
状掃気2サイクルエンジンの第1発明は、クランクケー
スの上部に取着したシリンダの内壁に開口し、かつシリ
ンダ室に接続する掃気ポート、排気ポート及び先導空気
ポートと、シリンダの内壁に開口し、かつクランク室に
接続する混合気用の吸気ポートと、掃気ポートとクラン
ク室とを接続する掃気流路と、ピストンの外周部に設け
られ、吸入行程の際に掃気ポートと先導空気ポートとを
接続するピストン溝とを有し、掃気ポート、排気ポー
ト、先導空気ポート及び吸気ポートがピストンの上下動
により開閉されるピストンバルブ式層状掃気2サイクル
エンジンにおいて、先導空気ポートの下縁を吸気ポート
の上縁よりもクランク室側に位置させ、ピストンの先導
空気ポートに対向する位置の下端部に、ピストンの吸気
ポートに対向する位置のピストン下縁よりも下方に延伸
した延伸部を設け、この延伸部は、クランク軸のウエブ
に付設したバランスウエイトよりクランク軸方向の外側
に位置するとともに、外周面に前記ピストン溝を有する
構成としている。
を吸気ポートの上縁よりクランク室側に位置させたた
め、先導空気ポートの上縁をクランク室側に寄せること
ができる。したがって、ピストン下死点時におけるピス
トン上縁の位置をクランク室側に寄せることができる。
また、クランク軸のバランスウエイトより軸方向外側の
ピストン下縁部分を延伸し、この部分に先導空気ポート
と掃気ポートとを接続するピストン溝を設けている。こ
のため、ピストン下縁をピストン下死点時にバランスウ
エイト外周部に干渉しない位置まで下げることができ
る。したがって、ピストン上縁からピストン下縁までの
ピストン高さを低くすることができ、エンジン高さが低
く、軽量コンパクトで、コストの安い層状掃気2サイク
ルエンジンが得られる。
記吸気ポート上縁と先導空気ポート上縁とをほぼ同一高
さに位置させた構成としている。
けるピストン上縁を吸気ポート上縁近傍までクランク室
側に寄せることができ、ピストンのシリンダ軸方向長さ
を一層短くすることができる。したがって、コネクティ
ングロッドの長さを短くし、エンジンの高さを低くして
軽量化を図り、コストを安くすることができる。
ルブ式層状掃気2サイクルエンジンの実施形態につい
て、図面を参照して詳述する。
ルエンジン1の正面断面図、図2は図1のA−A矢視の
側面断面図であり、ピストン上死点位置の状態を示して
いる。図1、図2において、クランクケース2の上部に
はシリンダ10が取着されている。シリンダ10にはピ
ストン30がシリンダ10の軸方向に摺動自在に挿入さ
れ、ピストン30のヘッド側にシリンダ室11を形成
し、ボトム側にクランク室3を形成している。クランク
ケース2に軸受4を介して回転自在に取着されたクラン
ク軸20と、ピストン30とはコネクティングロッド5
により連結されている。クランク軸20のウエブ21の
クランクピン22の反対側にはバランスウエイト23が
設けられており、その外周部23aは円弧形状をなして
いる。シリンダ10の内壁面にはシリンダ室11に接続
する掃気ポート12、排気ポート13、先導空気ポート
14が設けられるとともに、クランク室3に接続する混
合気用の吸気ポート15が設けられている。また、シリ
ンダ10には掃気ポート12とクランク室3とを接続す
る掃気流路16が設けられている。図3は、シリンダ1
0の断面図であり、図1のA−A矢視断面図である。同
図に示すように、吸気ポート15の両側には2個の先導
空気ポート14,14が設けられており、それぞれの先
導空気ポート下縁14b,14bは吸気ポート上縁15
aよりも下方に位置しており、本実施形態においては、
吸気ポート上縁15aと先導空気ポート上縁14a,1
4aとは同一高さに位置している。先導空気ポート1
4,14の上方には所定の間隔で掃気ポート12,12
が設けられており、それぞれ掃気流路16,16に接続
している。
トンバルブ式層状掃気2サイクルエンジンの側面断面図
である。ピストン下縁31は従来のものと同様に、クラ
ンク軸20の両バランスウエイト23,23の外周部2
3aに干渉しない最もクランク軸20寄りの位置に設定
されており、この部分はピストン30が上下動したとき
に吸気ポート15に対向する位置となっている。ピスト
ン30のクランク軸20の軸方向の両端部の下端部には
ピストン下縁31より下方に延伸して延伸部32,32
が設けられ、延伸部32の外周部にはピストン溝34が
それぞれ設けられている。延伸部32の内幅W1は、ク
ランク軸20の両バランスウエイト23,23間のクラ
ンク軸方向の外幅W2より大きく設定されている。ま
た、図3に示す2つの先導空気ポート14,14の間隔
W3は、延伸部32の内幅W1より大きく設定されてい
る。延伸部下縁33はクランク室3に設けられた、軸受
4を内設しているボス6の外周部6aに干渉しない位置
に設定されている。延伸部32はピストン30が上下動
したときに先導空気ポート14に対向する位置に設けら
れており、延伸部32に設けられたピストン溝34は、
図2に示すように、ピストン上死点位置において掃気ポ
ート12と先導空気ポート14とを接続する。またピス
トン上縁35は、図4に示すように、ピストン下死点位
置で吸気ポート上縁15a及び先導空気ポート上縁14
aよりも上方に位置するように設定されている。
は図5のB−B矢視図である。前述のように、ピストン
30の下端部にはピストン下縁31より下方に延伸して
延伸部32が設けられている。延伸部32の外周面に
は、ピストン溝34が設けられている。また、ピストン
下縁31はバランスウエイト外周部23aに干渉しない
位置に、延伸部下縁33はクランク室3のボス6の外周
部6aに干渉しない位置にそれぞれ設定されている。こ
のとき、ピストン上縁35からピストン下縁31までの
ピストン高さはHである。
ート15の反対側には排気ポート13が設けられ、吸気
ポート15の両側には先導空気ポート14,14が設け
られている。吸気ポート15と排気ポート13とを結ぶ
中心線E−Eに対して直角方向の両側には掃気ポート1
2,12と掃気流路16,16とが設けられている。ピ
ストン上死点位置において、2つのピストン溝34,3
4は、それぞれ先導空気ポート14,14と掃気ポート
16,16とを接続している。
ダ内壁面に設けられた各ポートとピストンとの関係位置
を示す展開図である。実線はシリンダ10の内壁面に設
けられた掃気ポート12,12、排気ポート13、先導
空気ポート14,14及び吸気ポート15を示してい
る。細い破線は上死点位置のピストン上縁35、ピスト
ン下縁31及びピストン溝34を示し、細い2点鎖線は
下死点位置のピストン上縁35及びピストン下縁31を
それぞれ示している。ピストン上死点位置において、ピ
ストン溝34は先導空気ポート14と掃気ポート12と
を接続している。ピストン下縁31は吸気ポート15の
上方に位置している。またピストン下死点位置において
は、ピストン上縁35は、掃気ポート12及び排気ポー
ト13の下方に位置するとともに、先導空気ポート14
及び吸気ポート15の上方に位置している。このとき、
ピストン上縁35からピストン下縁31までの距離は、
図5に示すピストン高さHである。
サイクルエンジン1は上記のような構成としたため、ピ
ストン30の高さを低くすることができる。すなわち、
図9に示す従来のピストン30aに比して、長さFだけ
吸気ポート15及び先導空気ポート14の位置をクラン
ク室3寄りにずらすことができるとともに、ピストン上
縁35の位置をFだけクランク室3寄りにずらすことが
できる。これにより、従来のピストン高さは「H+F」
であったのに対し、本発明に係るピストン高さはHであ
り、長さFだけ小さくできる。したがって、これに伴っ
てコネクティングロッド5を短くできるので、高さが低
く、軽量コンパクトで、かつコストの安いピストンバル
ブ式層状掃気2サイクルエンジンが得られる。
ン上死点時の正面断面図である。
ン上死点時の側面断面図である。
ン下死点時の側面断面図である。
シリンダ部側面断面図である。
2:クランクケース、3:クランク室、6:ボス、6
a:ボス外周部、10:シリンダ、11:シリンダ室、
12:掃気ポート、13:排気ポート、14:先導空気
ポート、14a:先導空気ポート上縁、14b:先導空
気ポート下縁、15:吸気ポート、15a:吸気ポート
上縁、16:掃気流路、20:クランク軸、21:ウエ
ブ、23:バランスウエイト、23a:外周部、30:
ピストン、31:ピストン下縁、32:延伸部、33:
延伸部下縁、34:ピストン溝、35:ピストン上縁。
Claims (2)
- 【請求項1】 クランクケース(2) の上部に取着したシ
リンダ(10)の内壁に開口し、かつシリンダ室(11)に接続
する掃気ポート(12)、排気ポート(13)及び先導空気ポー
ト(14)と、シリンダ(10)の内壁に開口し、かつクランク
室(3) に接続する混合気用の吸気ポート(15)と、掃気ポ
ート(12)とクランク室(3) とを接続する掃気流路(16)
と、ピストン(30)の外周部に設けられ、吸入行程の際に
掃気ポート(12)と先導空気ポート(14)とを接続するピス
トン溝(34)とを有し、掃気ポート(12)、排気ポート(1
3)、先導空気ポート(14)及び吸気ポート(15)がピストン
(30)の上下動により開閉されるピストンバルブ式層状掃
気2サイクルエンジン(1) において、 先導空気ポート(14)の下縁(14b) を吸気ポート(15)の上
縁(15a) よりもクランク室(3) 側に位置させ、ピストン
(30)の先導空気ポート(14)に対向する位置の下端部に、
ピストン(30)の吸気ポート(15)に対向する位置のピスト
ン下縁(31)よりも下方に延伸した延伸部(32)を設け、こ
の延伸部(32)は、クランク軸(20)のウエブ(21)に付設し
たバランスウエイト(23)よりクランク軸方向の外側に位
置するとともに、外周面に前記ピストン溝(34)を有する
ことを特徴とするピストンバルブ式層状掃気2サイクル
エンジン。 - 【請求項2】 請求項1記載のピストンバルブ式層状掃
気2サイクルエンジンにおいて、 前記吸気ポート上縁(15a) と先導空気ポート上縁(14a)
とをほぼ同一高さに位置させたことを特徴とするピスト
ンバルブ式層状掃気式2サイクルエンジン。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35588499A JP3828699B2 (ja) | 1999-12-15 | 1999-12-15 | ピストンバルブ式層状掃気2サイクルエンジン |
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AU18875/01A AU1887501A (en) | 1999-12-15 | 2000-12-13 | Piston valve type layered scavenging 2-cycle engine |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP35588499A Expired - Lifetime JP3828699B2 (ja) | 1999-12-15 | 1999-12-15 | ピストンバルブ式層状掃気2サイクルエンジン |
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- 1999-12-15 JP JP35588499A patent/JP3828699B2/ja not_active Expired - Lifetime
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