JPH07216896A - 植生用袋体 - Google Patents

植生用袋体

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JPH07216896A
JPH07216896A JP6036519A JP3651994A JPH07216896A JP H07216896 A JPH07216896 A JP H07216896A JP 6036519 A JP6036519 A JP 6036519A JP 3651994 A JP3651994 A JP 3651994A JP H07216896 A JPH07216896 A JP H07216896A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 法面に上手く馴染んで均一厚さに施工できる
植生用袋体を、植生基の成育にとって好適で、しかも、
施工性ならびに作業性に優れたものにして提供する。 【構成】 植生基としての植生種子、球根、芝生や笹の
ランナーを含む人工客土材3を、少なくとも部分的に経
時分解する筒状シートの袋4に充填して、人工客土袋2
を形成する一方、植生基の発芽成育に適する目合いの網
状袋1に、この網状袋1の表裏二枚の網状体9,10を
連結する吊り糸11によって複数の区画室aを形成し、
この各区画室aに上記の人工客土袋2を挿入して植生用
袋体Mを構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば山腹や河川の堤
防の法面、その他、土地造成などに伴って形成される法
面などの緑化工法に用いられる植生用袋体に関する。
【0002】
【従来の技術】上記法面の保護と景観保持のための緑化
に際して従来は、例えば植生種子や肥料などを現地の土
壌に混ぜて植生袋に充填し、この所謂土のうを法面に張
り付けるように設置する緑化工法がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現地の土壌に
は、大きな石の塊が含まれることが殆どであって、土の
うが重量物と化すことから作業性が悪い上に、袋内部に
吊り糸を設けて袋の膨らみを強制的に規制させるように
しても、土壌が植生袋の下部側に偏って植生袋が膨らむ
ことから取り扱いも困難となり、更に、土壌の偏りが法
面の均一な施工の妨げになることに加えて、植生袋が浮
き上がり気味になることから法面への馴染みが悪くな
り、総じて施工性が悪い点で問題があった。
【0004】また、現地の土壌は必ずしも植生種子の成
育に適しているとは限らず、上記したように、大きな石
の塊が含まれることもあって寧ろ痩せていることが多
く、たとえ植生種子が発芽しても根づきにくくて枯死し
易い問題があった。
【0005】更に、現地の土壌に混ぜた植生種子の通芽
を良くするために、植生袋の目合いを大きくすると、こ
の植生袋に充填させた土壌のこぼれ落ちが多くなり、目
合いを小さくすると却って通芽が悪くなる点で問題があ
った。またこのことから、現地の土壌に混ぜる植生基と
して、芽の太い球根を選択することができない問題もあ
った。
【0006】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、作業性ならびに施工性の面で優れ、しか
も、法面が均一厚さに施工される上に、植生基として植
生種子や球根、更には芝生や笹のランナーの何れを選択
しても、これらの発芽・成育が良好に行われる植生用袋
体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するに
至った本発明による植生用袋体は、植生材料に植生基を
混在させて成る人工客土材を、少なくとも部分的に経時
分解する筒状シートの袋に充填して、人工客土袋を形成
する一方、少なくとも表面側が植生基の発芽成育に適す
る目合いの表裏二枚の網状体を、互いに幅方向の両側な
らびに縦方向の一側で連結して網状袋を形成し、さらに
表裏二枚の網状体を幅方向で所定間隔置きに吊り糸で縦
方向に連結して、前記網状袋の内部を複数の区画室に分
割し、この各区画室に前記人工客土袋を挿入して成る点
に特徴がある。
【0008】上記の植生材料としては、例えば土壌改良
剤や一般化成肥料、その他バーク堆肥やピートモス等の
有機質材や、バーミキュライトやパートライト等の無機
質材などの一種以上が選択され、植生基としては植生種
子、球根、芝生や笹のランナーの一種以上が選択され
る。
【0009】筒状シートの袋としては、部分的に経時分
解するものの外に、袋全が経時分解するものも用いら
れ、網状袋の網状体としては、腐食性、耐腐食性、腐食
調整繊維の任意のものが用いられる。
【0010】
【作用】以上のように構成された本発明の植生用袋体に
よれば、人工客土材を筒状シートの袋に充填させている
ので、人工客土材のこぼれ落ちと袋内での偏り、更には
流亡が効果的に防止され、かつ、人工客土袋を含めて植
生用袋体の全体が柔軟性に富むことから、当該植生用袋
体が法面に上手く馴染み、法面が植生用袋体によって均
一厚さに施工される。
【0011】また、人工客土材が植生用袋体の軽量化と
植生基の成育とに寄与すると共に、上記筒状シートの袋
が少なくとも部分的に分解するすることで、人工客土材
の法面に対する密着性、延ては植物の根付き性が高ま
り、しかも、植生基として芽の太い球根を選択したとし
ても、これの通芽が上手く行われるもので、作業性なら
びに施工性のよい状態で法面の緑化が効果的に達成され
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1,2は本発明の一実施例による植生用袋体M
を示し、この植生用袋体Mは、網状袋1の内部を複数の
区画室aに分割して、この各区画室aに、柔軟性に富む
棒状の人工客土袋2を挿入して成る。
【0013】より具体的には、上記の人工客土袋2は、
土壌改良剤や一般化成肥料、その他バーク堆肥やピート
モス等の有機質材や、バーミキュライトやパートライト
等の無機質材などの一種以上の植生材料に、植生基とし
ての植生種子、球根、芝生や笹のランナーの一種以上を
混ぜて、この人工客土材3を少なくとも部分的に経時分
解する筒状シートの袋4に充填し、かつ、例えば接着な
どの手段によって前記袋4の口部を閉じて成る。
【0014】ここで、前記袋4のシート素材の一例を図
3に基づいて説明すると、このシート素材は、例えばパ
ルプ繊維の30〜50%と、ポリプロピレン繊維の35
〜45%と、パウダー状又は繊維状のポリビニルアルコ
ールの10〜30%とから成る水溶性シート5の一側面
に、上記の人工客土材3に含まれる植生基の通芽に適し
た目合いのカヤ地(例えばビニロン30番手10本の縦
糸6と、スフ6本/インチの横糸7とから成る。)8を
接合して成るもので、前記水溶性シート5をスキアゲ製
造する際に、この水溶性シート5の構成素材であるポリ
ビニルアルコールによって上記のカヤ地8を水溶性シー
ト5に接合一体化させている。
【0015】この接合手段をとって、水溶性シート5の
みを経時的に溶解させるようにしたことで、前記筒状シ
ートの袋4に部分的な経時分解の性状を有せしめている
のであるが、水溶性シート5の組成は上記の割合に限定
されるものではなく、最も好ましくは、パルプ繊維とし
て針葉樹のものを使用し、ポリプロピレン繊維として2
デニール太さの5mm長さのものを使用し、ポリビニル
アルコールとして1デニール太さの3mm長さの繊維を
使用し、これらパルプ繊維の35〜45%とポリプロピ
レン繊維の35〜45%とポリビニルアルコールの20
〜30%とによって水溶性シート5を得るものとする。
【0016】一方、網状袋1は、表裏二枚の網状体9,
10を、互いに幅方向の両側ならびに縦方向の一側にお
いて、それぞれ連結糸によって連結して成るもので、こ
の表裏二枚の網状体9,10を幅方向で所定間隔置きに
吊り糸11で縦方向に連結することによって、前記網状
袋1の内部を複数の区画室aに分割している。
【0017】尚、表面側の網状体9の目合いは、人工客
土材3に含ませる植生基(植生種子、球根、芝生や笹の
ランナー)の発芽成育に適する目合いに設定され、裏面
側の網状体10の目合いは、植生基の発根成育に適する
目合いに設定されるもので、この実施例では、表裏二枚
の網状体9,10の何れも、網状袋1の幅方向における
寸法が例えば10mm程度で、網状袋1の縦方向におけ
る寸法が例えば3mm程度になるように、その目合いの
大きさを設定している。
【0018】この網状袋1は、人工客土袋2の運搬なら
びに均等配置に寄与させることは勿論であるが、これに
加えて、前記筒状シート袋4が少なくとも部分的に経時
分解した際に、前記人工客土材3が凍上ならびに流亡す
ることを防止するためのものであって、例えばポリエチ
レンやポリプロピレン、ナイロンなどの耐腐食性の合成
樹脂繊維を使用して、平織りやカラミ織り、ラッセル織
りされたものが用いられ、前記区画室aに人工客土袋2
を挿入させて後に、図示はしないが、その口部が適宜ミ
シンなどによって縫合される。
【0019】そして、上記したように口部を縫合して後
に、又は縫合に先立って予め、この網状袋1の所定の箇
所にハトメ13を取り付けている。このハトメ13の取
り付け箇所は任意であるが、植生用袋体Mを法面に設置
する際の網状袋1の上辺両側の少なくとも二隅に取り付
けることとし、更にはその上辺の中間部にも取り付けて
もよく、或いは網状袋1の四隅だけに取り付けてもよ
く、好ましくは図示したように、四隅に加えて各辺の中
間部にも設けることである。
【0020】法面の緑化に際しては、上記構成の植生用
袋体Mの複数枚を、それの縦方向つまの区画室aの区画
方向を法面の上下方向に向けて法面上に敷き詰める。こ
の際、上記のハトメ13を利用して、隣合う植生用袋体
Mどうしを紐状体で結び合ったり、法面に形成の法枠の
フックにハトメ13を引っ掛けたりし、かつ、隣合う植
生用袋体Mの重合部におけるハトメ13,13にアンカ
ーピンを打ち込み、または適宜、植生用袋体Mの重合部
にもアンカーピンを打ち込んで、植生用袋体Mを法面に
設置するのである。
【0021】尚、上記したように、網状袋1の少なくと
も二隅にハトメ13を設けると、隣合う植生用袋体Mを
整然と設置できることに加えて、アンカーピンの打ち込
みが容易になる等、施工性のアップが達成されるが、こ
のようにハトメ13を設けることは必須の条件ではな
い。
【0022】ここで、上記構成の植生用袋体Mにあって
は、人工客土材3を筒状シートの袋4に充填させている
ので、施工運搬時における人工客土材3のこぼれ落ち
と、施工後の相当期間における人工客土材3の凍上なら
びに流亡が効果的に防止され、更に、人工客土材3が植
生用袋体Mの軽量化に寄与することから、袋体設置の作
業性が向上する。
【0023】また、人工客土材3の偏りが筒状シートの
袋4によって防止されることに加えて、人工客土袋2を
含めて植生用袋体Mの全体が柔軟性に富むことから、こ
の植生用袋体Mによって法面が均一厚さに施工される。
【0024】そして降雨によって、筒状シートの袋4を
構成する水溶性シート5が速やかに溶解されて、この袋
4が部分的に経時分解するすることで、植物の根付き面
で好適なように人工客土材3が法面に密着すると共に、
人工客土材3に含まれている植生基が袋4を通して容易
に通芽し、特に植生基として芽の太い球根を選択したと
しても、これの通芽が上手く行われ、通芽した幼苗は肥
料および水分の供給を受けて確実に成長する。
【0025】上記した植生用袋体Mの構成は一例であ
り、例えば筒状シートの袋4として、例えばスフを素材
にした分散性不織布や、この分散性不織布を上記したカ
ヤ地にラミネートして得られる部分水解性シート、カン
レイシャ付き水溶性紙(ボンリック;金星製紙株式会社
の商品名)などを採用することができる。
【0026】或いは、袋4の全体を経時的に分解させる
構成とするもよく、その際は、例えばパルプ繊維の30
〜50%と、ポリプロピレン繊維の35〜45%と、パ
ウダー状又は繊維状のポリビニルアルコールの10〜3
0%とによる水溶性のシートや、ポリビニルアルコール
が100%の水溶性のシート、その他、水によって溶解
する高分子フイルムやデンプン系フイルムなどを採用す
ることができる。
【0027】また、前記網状袋1の素材としては、上記
した素材の外に、例えばバクテリアなどの微生物によっ
て分解腐食されるジュートや綿、絹などの植物性の天然
繊維や、紙テープやレーヨン系の糸、再生セルロースか
ら成るレーヨン綿などの再生繊維、これらと合成繊維と
の混紡繊維、その他、ビスコースレーヨンや生分解性樹
脂繊維、ポリノジックレーヨンやタイヤコード用ビスコ
ースレーヨンに代表される強力レーヨンなども好適に実
施可能である。
【0028】上記の強力レーヨンは、引張強度が大で湿
潤時における強度低下が小さく、かつ、設置後半年を過
ぎても当初の90%程度の引張強度を維持し、その後、
時間の経過と共に腐食して土と同質化する特性を示すも
ので、この強力レーヨンを網状袋1の素材として用いれ
ば、植生基が発芽・成育するまでの半年乃至2年程度は
強度を十分に維持することから、法面上の人工客土材3
の凍上ならびに流亡が効果的に防止され、その後、植物
がある程度成育し繁茂するころから徐々に分解・腐食し
て遂には土に帰することから、例えば半永久的に変質し
ない合成樹脂繊維とする場合のような二次公害が防止さ
れるものであって、法面の緑化にとって極めて好適であ
る。
【0029】或いは腐食性の繊維であっても、抗菌処理
を施すことによって素材強度を半年乃至2年程度は十分
に維持させることができ、かつ、やがては徐々に分解・
腐食して遂には土に帰することから、このように抗菌処
理を施した腐食調整繊維も網状袋1の素材として好適に
用いることができる。
【0030】この腐食性繊維に対する抗菌の処理として
は、撥水剤や接着剤による表面撥水の処理が一般的であ
るが、腐食性繊維の分解・腐食はバクテリアの存在によ
るものでもあることから、腐食性繊維自体あるいは腐食
性繊維で編織した網状体9,10を、防カビ剤や防バク
テリア剤、防腐剤などに浸漬又は塗布させる防腐処理も
好適に実施可能である。
【0031】上記の撥水処理の対象となる腐食性の素材
としては、動物性や植物性、化学性など種々のものを選
択できるが、例えば動物性の素材としては皮や毛、植物
性の素材としては綿や麻、パルプといった天然繊維が代
表的であり、化学性素材としては薬品で易腐食化したポ
リオレフィン系の素材や、ビスコースレーヨンなどの再
生繊維、その他微生物分解性プラスチックや光分解性プ
ラスチックがある。
【0032】生分解性化学繊維のうち微生物分解性プラ
スチックとしては、例えば商品名トーン(米国AMKO
社製)、商品名プルラン(林原株式会社製)、商品名ソ
ア・フィル(三菱レーヨン株式会社製)等があり、ま
た、光分解性プラスチックとしては、例えば商品名ポリ
グレイド(米国アンベイス社製)や商品名プラスチゴン
(米国アイデアマスターズ社製)等が使用される。
【0033】分解しない合成繊維を用いる場合でも、こ
れを腐食性繊維と混紡することによって、公害の抑止を
期する網状袋1を得ることができる。即ち、合成繊維と
腐食性繊維との混紡繊維であれば、合成繊維は分解腐食
されることはないが、植生基が発芽して成長する頃には
微生物によって腐食性繊維が分解腐食されて土壌と同質
化されることから、網状袋1の全体が半永久的に法面に
残ることがなく、従って公害問題が抑止されることか
ら、この混紡繊維も網状袋1の素材として好適に実施で
きるのである。
【0034】この混紡繊維の腐食性繊維としては、微生
物によって経時的に分解腐食される例えば綿、絹、麻な
どの天然繊維やビスコースレーヨンなどの生分解性化学
繊維などを選択でき、合成繊維としては、微生物では分
解されることなく半永久的に所定の引張強度が確保され
る例えばポリビニールアルコールなどのビニロン系、ポ
リエステルなどのポリエステル系、ナイロンなどのポリ
アミド系、及び、アクリルなどのポリアクリルニトリル
系などの合成繊維を選択でき、その組成としては、腐食
性繊維60〜80%と合成繊維40〜20%の割合で混
合したものが好ましい。
【0035】この繊維に対する抗菌の処理には、例えば
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(明
成化学工業株式会社製の商品名メイラピットV−43)
や、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド(同社製の商品名メイカビノンSMB−85)など
の抗菌剤が有効に使用される。
【0036】これらは、バクテリアなどの微生物による
繊維の腐食を効果的に抑制することから、植生基が発芽
してある程度成長するまでの一定期間における網状袋1
の強度を確実に確保することができ、そして、植物が大
きく成長した頃には腐食抑制効果を失い、而して、上記
の繊維は微生物によって分解腐食されて土壌と同質化す
るので、これも法面の緑化にとって好適である。
【0037】これらの他に、ビスコース溶液に高分子エ
マルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方を内添
してなる混繊レーヨンを用いても、公害問題を伴わない
法面緑化の面で好適な網状袋1を得ることができる。即
ち、ビスコース溶液に内添されるエマルジョンやポリマ
ーは、微生物によって腐食され難いが、混繊レーヨンの
腐食に伴って分解されてしまうことから、網状袋1が法
面に半永久的に残ることがなく、公害問題を伴わせずに
法面の緑化が達成されるのである。
【0038】この混繊レーヨンとしては、微生物によっ
て分解腐食される再生セルロースから成るビスコース溶
液に、微生物では分解腐食されず且つレーヨンの分解腐
食による強度低下を補うことのできる高分子エマルジョ
ン(例えば酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢
酸ビニル樹脂など)と、水溶性ポリマー(例えばポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアマイドなど)の何れか
一方を、ビスコース溶液の段階で内添させたもの、ある
いは、エマルジョンとポリマーとの両者を内添させたも
のが使用される。混繊レーヨンの組成としては、ビスコ
ース溶液に高分子エマルジョンや水溶性ポリマーを2〜
15%の割合で内添させたものが好ましい。
【0039】尚、人工客土材3に混合させる植生種子と
しては、牧草などの外来種植物の種子や、花植物種子、
野草、樹木などの郷土種植物の種子が適宜に選択され
る。具体的には、牧草種子としては、グリーピングレッ
ドフェスク、ハイランドベントグラス、レッドトップ、
バミューダグラス、ケンタッキーブルーグラス等があ
り、花植物種子としては、黄デージー、フランス菊、大
錦鶏菊、のこぎり草、ハエトリナデシコ、カリフォルニ
アポピー、ムラサキハナナ、カスミソウ、コスモス、ケ
イトウ、カワラナデシコ、テンニンギク等があり、ま
た、野草種子としては、よもぎ、すすき、めどはぎ、い
たどり等がある。
【0040】更に、樹木植物としては、あかまつ、やし
ゃぶし、いたちはぎ、やまはぎ、こまつなぎ等がある。
また、一年生花植物や多年生花植物などの花植物種子と
樹木種子とを適宜に混合してもよい。
【0041】これらの植生種子の外に、植生基としてチ
ューリップやユリ、グラジオラスなどの球根や、芝生や
笹のランナーなどを選択可能であり、これらを適宜、花
植物種子や樹木種子に混合してもよく、或いは、これら
を種類分けして複数の人工客土袋2に任意に含ませて、
花植物や樹木、笹などを芝生で囲うように育成させた
り、或いは花植物や樹木、笹などを帯状に育成させるよ
うにしてもよい。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の植生用袋
体によれば、植生基の成育が現地の土壌に左右されない
ように選択した人工客土材が、植生用袋体の軽量化に寄
与することから、植生用袋体の法面に対する施工性なら
びに作業性の向上が達成されるようになり、しかも、そ
の人工客土材を筒状シートの袋に充填させているので、
人工客土材のこぼれ落ちを始めとして袋内での人工客土
材の偏りが効果的に防止され、加えて、人工客土袋を含
む植生用袋体の全体が柔軟性に富むことから、植生用袋
体が法面に上手く馴染むようになり、而して、法面を植
生用袋体によって均一厚さに施工することができる。
【0043】そして、筒状シートの袋が少なくとも部分
的に経時分解することで、この袋に充填された人工客土
材の法面に対する密着性、延ては植生基の根付き性が高
まると共に、植生基として芽の太い球根を選択したとし
ても、これの通芽が上手く行われることになり、更に、
この少なくとも部分的に経時分解する人工客土袋を網状
袋の複数の区画室に挿入させたことで、人工客土材の効
果的な流亡防止が達成され、更に、複数の人工客土袋に
植生基を任意に入れることで、所望する植物を種類分け
して成育させることができ、全体として、作業性ならび
に施工性のよい状態で法面の緑化が効果的に達成される
理想的な植生用袋体を提供できるに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】挿入途中の人工客土袋と網状袋を破断した植生
用袋体の斜視図である。
【図2】植生用袋体の断面図である。
【図3】筒状シートより成る袋の素材を示す部分斜視図
である。
【符号の説明】
1…網状袋、2…人工客土袋、3…人工客土材、4…
袋、9,10…網状体、11…吊り糸、a…区画室。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植生材料に植生基を混在させて成る人工
    客土材を、少なくとも部分的に経時分解する筒状シート
    の袋に充填して、人工客土袋を形成する一方、少なくと
    も表面側が植生基の発芽成育に適する目合いの表裏二枚
    の網状体を、互いに幅方向の両側ならびに縦方向の一側
    で連結して網状袋を形成し、さらに表裏二枚の網状体を
    幅方向で所定間隔置きに吊り糸で縦方向に連結して、前
    記網状袋の内部を複数の区画室に分割し、この各区画室
    に前記人工客土袋を挿入して成ることを特徴とする植生
    用袋体。
  2. 【請求項2】 前記植生基が、植生種子、球根、芝生や
    笹のランナーの一種以上から成る請求項1に記載された
    植生用袋体。
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JP2001169611A (ja) * 1999-12-15 2001-06-26 Nisshoku Corp アマモ場の造成に用いる播種基体
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