JP2626742B2 - 植生用網状体 - Google Patents

植生用網状体

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JP2626742B2 JP4356651A JP35665192A JP2626742B2 JP 2626742 B2 JP2626742 B2 JP 2626742B2 JP 4356651 A JP4356651 A JP 4356651A JP 35665192 A JP35665192 A JP 35665192A JP 2626742 B2 JP2626742 B2 JP 2626742B2
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廣之 神部
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、法面などの緑化工法に
用いられる緑化用植生基体を構成する植生用網状体に関
し、更に詳しくは、植生種子、肥料、保水材、土壌改良
材の一種以上を収容した植生基材袋が、所定間隔置きに
装着された植生用網状体の防腐防止に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】法面の緑化工法の一つに、植生種子や、
超遅効性や緩効性などの肥料、バーミキュライトやパー
ライトなどの保水材、炭カルや消石灰などの土壌改良材
(以上を総称して植生基材という)の一種以上を植生基
材袋に収容し、当該植生基材袋を所定間隔置きに植生用
網状体に装着させて成る緑化用植生基体を法面に張設
し、その上から適宜、植生種子や肥料、有機質材料を主
体にした植生材料を吹き付ける工法が広く知られてい
る。かゝる工法によれば、植生種子と繊維質材を中心に
した所謂ファイバー種子吹き付けの工法に比較して、長
期にわたる植生物の成育繁茂が可能で且つ吹き付け材料
の崩落が効果的に防止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この工法に用いられる
緑化用植生基体の植生用網状体は、一般にポリエチレン
等の合成樹脂製とされるが、これらは植物性や動物性の
素材とは異なり、長年月のうちに風雨に曝されて風化ま
たは腐食して植生基材や土壌と同質化することがなく、
そのまま半永久的に法面に残って公害問題を惹起した
り、成長しつつある植生物の発育性や根付性を悪化させ
る問題があった。
【0004】このような不都合を回避するために、例え
ばジュート等の植物性の素材や、それほど長期間を経な
くとも完全に腐食するいわゆる腐食性のビスコースレー
ヨン(再生セルロース)や腐食性を有する生分解性プラ
スチックを素材にして、植生基体の植生用網状体を作製
する試みも提案されているが、これらの素材は性状的
に、法面に敷設してから2ヵ月程度を経過すると腐食し
てしまうもので、植生基材袋内の種子や法面に吹き付け
られた植生材料から植生種子が発芽し、十分に成育して
繁茂するには2ヵ月といった期間は余りにも短過ぎ、こ
の間に必要な引張強度がなくなってしまうことは、降雨
や凍上による植生基材の流亡阻止面で致命的であること
から殆ど実施されていないのが現状である。
【0005】このことから明らかなように、法面の保護
ならびに植物の育成面からは、植生基体を構成する植生
用網状体の素材として、法面に設置された植生基体の引
張強度が最短で半年、余裕を見込んで2年程度は維持さ
れ、かつ、公害防止の面からは、植物がある程度成育し
繁茂した時点以降で最終的には腐食し、土壌中に同質化
する条件を備えるものが理想的であると言える。本発明
は、上記の理想的な条件を備える網状体によって構成さ
れた植生用網状体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かゝる目的を達成するた
めに、本発明者らは、鋭意研究の結果、腐食性の素材に
抗菌剤を塗布し、かつ、その抗菌剤の濃度と塗布量を調
整する抗菌処理が腐食期間の調整に極めて有効であるこ
とを見出した。しかも、数ある抗菌剤の内、ジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライドを有効成分とするものが
顕著な効果を奏することを本発明者らは確認した。続い
て、抗菌処理の施し様が、腐食性の素材に塗布するだけ
に限らず、腐食性の素材に吹付けを施したり、さらに
は、腐食性の素材を抗菌剤に浸漬することによって植生
用網状体を編織して防腐効果を奏することを本発明者ら
は確認した。さらには、抗菌処理として、抗菌剤を腐食
性の素材の溶液に内添することによって植生用網状体を
編織しても防腐効果があることが分かった。
【0007】かくして、本発明では、緑化用植生基体に
用いられ、植生種子、肥料、保水材、土壌改良材の一種
以上を収容した植生基材袋が所定間隔置きに装着される
植生用網状体であって、ジメチルベンジルアンモニウム
クロライドを有効成分とする抗菌剤で、敷設後半年〜2
年程度は必要な強度を維持する程度に抗菌処理が施され
た腐食性の素材で編織して成ることを特徴とする植生用
網状体を提供するものである。
【0008】本発明におけるジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライドを有効成分とする抗菌剤として、現在市
販されているものとしては、例えば、商品名「メイラピ
ットV−43」(明成化学工業株式会社製)のラウリル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライドや商品名「メ
イカビノン SMB−85」(明成化学工業株式会社
製)のオクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロ
ライドを挙げることができる。
【0009】本発明における抗菌処理の塗布方式の1例
としては、2000デニールのビスコースレーヨン繊維
に前記メイラピットの5%(混合比率)溶液を0.20
g/mで吸着させ、乾燥させることから、抗菌処理しな
い2000デニールのビスコースレーヨン繊維単体に比
して、下記の表1に示すような防腐効果を有する植生用
網状体を編織できた。
【0010】
【表1】
【0011】この表1には、以上のように抗菌処理され
たビスコースレーヨンの経時的な機械的強度が示されて
いる。表1から明らかなように、抗菌処理を施して成る
植生用網状体の繊維は、植生が被覆された4ケ月以降も
1.8Kgの上限を有して引張強度を保持し、しかも、
半年を経過しても1.5Kg(敷設当初の80%)の上
限を有して引張強度を保持している。換言すれば腐食の
度合い(即ち引張強度の低下度合い)は21%程度であ
って、腐食が殆ど進行していないことが判明した。一
方、抗菌処理を施していない単体繊維は、2〜3ケ月で
腐食が進み、繊維の自然切断が見られ始めるようにな
り、半年を経過すると、完全分解、すなわち、繊維から
完全に土壌に変貌していることが分かる。このような特
性を有する植生用網状体の繊維は、例えば、腐食に強い
強力レーヨン製の網状体と同等の機能を持つものである
と言っても過言でなく、かつ、2000デニールの素線
1本当たりの引張強度が0.6Kg以上あれば、法面に
吹き付けた植生材料の凍上や崩壊が防止されることか
ら、2年経過の時点でも引張強度が補償され、法面の保
護が十分に達成されることが理解され得る。なお、この
表1は、平坦地ほ場に種子肥料を播き、この上に抗菌処
理を施した当該植生用網状体の繊維と施していない単体
繊維を敷設し、敷設後におけるこれら繊維の引張強度を
調査した結果を示している。
【0012】また、抗菌処理の塗布方式の別の例として
は、900デニールの綿糸繊維2本組みに前記メイラピ
ットの5%(混合比率)溶液を0.20g/mで吸着さ
せ、乾燥させることから、抗菌処理しない900デニー
ルの綿糸繊維単体に比して、下記の表2に示すような防
腐効果を有する植生用網状体を編織できた。
【0013】
【表2】
【0014】前記メイラピットの5%(混合比率)溶液
を塗布してなる900デニールの綿糸繊維を植生用網状
体として用いても、この表2に示すごとき効果を得るこ
とができた。この表2にも、以上のように抗菌剤を塗布
処理した綿糸繊維と無処理の繊維との経時的な機械的強
度が示されている。表2から明らかなように、抗菌処理
を施して成る植生用網状体の繊維は、植生が大きく生育
した4ケ月後以降も2.1Kgの上限を有して引張強度
を保持しており、しかも、半年を経過しても1.7Kg
(敷設当初の63%程度)の引張強度を保持している。
換言すれば腐食の度合い(即ち引張強度の低下度合い)
は37%程度であって、腐食が極めて遅くしか進行して
いないことが判明した。一方、抗菌処理を施していない
繊維は、2〜3ケ月で腐食が進み、4ケ月後には2.7
Kgから0.1Kgの小さな引張強度に低下して繊維の
自然切断が見られ始め、半年を経過すると、引張強度が
なくなり、以降は完全分解して繊維から土壌に変貌して
いくことが分かる。このような繊維は、当然のことなが
ら、植生用網状体としての機能は皆無であることは容易
に判断できる。したがって、前記表1の抗菌処理を施し
た植生用網状体の繊維と同様に、このような特性を有す
る植生用網状体は、法面に吹き付けた植生材料の凍上や
崩壊が防止されることから、2年経過の時点でも引張強
度が補償され、法面の保護が十分に達成されることが理
解され得る。なお、この表2も、表1と同様に、平坦地
ほ場に種子肥料を播き、この上に抗菌処理を施した当該
植生用網状体の繊維と施していない単体繊維を敷設し、
敷設後におけるこれら繊維の引張強度を調査した結果を
示している。
【0015】本発明における腐食性の素材としては、微
生物によって経時的に分解腐食される綿や絹、麻やパル
プなどの天然繊維や、ビスコースレーヨン(再生セルロ
ース)や腐食性を有する生分解性プラスチックなどの生
分解性化学繊維を含む腐食性繊維、さらには、皮や毛と
いった動物性の素材を挙げることができる。したがっ
て、本実施例に用いたビスコースレーヨン、綿糸以外の
上記腐食性の素材においても、抗菌剤の混合比率M
(%)として、1<M<10が好ましいものと判断でき
る。
【0016】
【作用】植生用網状体の構成素材を腐食性の素材とした
上で、この腐食性の素材を、ジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライドを有効成分とする抗菌剤で適度に抗菌処
理することによって、植生用網状体を防腐処理し、腐食
期間を調整することができる。即ち、腐食性の素材であ
っても、ジメチルベンジルアンモニウムクロライドを有
効成分とする抗菌剤で抗菌処理を施すことによって、植
生基体の素材強度を敷設後半年乃至2年程度は必要十分
に維持させることができ、やがて防腐処理の効果が弱ま
り或いは消滅するに伴って腐食が始まり、これも土と同
質化するもので、法面保護上で理想的な条件を備えた植
生基体が構成され、従って、法面への設置後半年乃至2
年程度の期間は植生用網状体に必要な強度を保持させる
ことができると推測されるものであって、やがては分解
腐食して土壌と同質化することから、網状体が半永久的
に法面に残るといった公害問題には繋がらず、環境の良
化に寄与することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、それによって本発明が限定を受けることは
ない。図1は緑化用植生基体1に用いられる植生用網状
体2の一実施例を示す。 図1において、2は縦横の目
合いが例えば20×15mmの植生用網状体、3は植生
種子や肥料、保水材、土壌改良材などの植生基材4の一
種以上を収容した植生基材袋で、この植生基材袋3を植
生用網状体2に装着させるための袋装着部5が植生用網
状体2の経糸方向に所定間隔を隔てて設けられている。
6は植生用網状体2の幅方向両側部と幅中心部とに設け
られた補強用のロープ(幅方向一方のみを図示してい
る。)である。
【0018】上記の植生用網状体2は、上述のごとく、
本実施例では、ビスコースレーヨン2000デニールの
繊維に前記メイラピットの5%(混合比率)溶液を0.
20g/mで吸着させ、乾燥させることから、編織され
ており、かつ、補強用のロープ6も本実施例では、網状
体2と同じ材質のものを使用している。そして、前記網
状体2の緯糸方向で例えば15個目と5個目毎の網目に
相当し且つ経糸方向では25個目毎で3個の網目相当す
る部位の2本の緯糸を分断させて、この3個の網目が連
なった緯糸方向の網目部分によって袋装着部5を構成し
ており、この袋装着部5に容易に挿通させ得るように植
生基材袋3の太さを設定して、当該植生基材袋3を袋装
着部5にジグザク状に挿通させることによって緑化用の
植生基体1が構成されているのである。
【0019】一方、植生基材袋3は、図1に示すよう
に、それぞれが可溶性である目合いが3〜5mmのネッ
ト7とシート8とをラミネートし、より具体的には、植
生種子の良好な発芽を期する上で、可溶性のネット7を
例えばスフ製とし、可溶性のシート8を例えばパルプや
スフあるいはこれらを混紡した比較的薄手の不織布を選
択して、前記ネット7を外側にするようにして袋本体9
を作製し、この袋本体9内に、緑化せんとする法面の状
況に即した植生基材(例えば牧草種子や花植物種子、野
草種子、樹木種子などの植生種子や、超遅効性や緩効性
などの肥料、保水材、土壌改良材などの一種以上)4を
収容して成る。前記植生基材袋3に収容される牧草種子
としては、クリーピングレッドフェスク、ハイランドベ
ントグラス等が選択され、花植物種子としては、黄デー
ジー、フランス菊、大金鶏菊などが選択され、野草種子
としては、よもぎ、すすき、めどはぎ等が選択され、樹
木種子としては、あかまつ、やしゃぶし、いたちはぎ等
が選択される。
【0020】次に、法面緑化工法の一手順について説明
すると、図2に示すように、植生用網状体2の袋装着部
5に植生基材袋3を装着させた植生基体1を、アンカー
10や止め釘11等を用いて法面12上に張設する一方、有機
質材料や化学肥料、土壌改良剤、保水剤などに植生種子
を加えて混合した乾式の植生材料、あるいは、これを水
で撹拌したゲル状の植生材料13を、前記植生基体1を被
うようにして適宜吹き付け機により適当な厚さ(例えば
2〜5cm)になるように吹き付けるのである。この吹
き付けに用いる種子としては、例えば植生基材袋3に収
容させた花や野草の種子、樹木の種子が任意に選択され
る。
【0021】上記の工法によれば、植生用網状体2がビ
スコースレーヨン製で可撓性に富むことから、植生基体
1を法面12に沿わせて張設することが容易に達成され、
かつ、植生基体1が法面12に敷設された当初は、植生基
材4は可溶性の袋本体9で覆われているので当該植生基
材4の流出が効果的に防止される。
【0022】そして、植生用網状体2とロープ5の構成
素材として、一般のビスコースレーヨンや生分解性プラ
スチック等だけの腐食性の素材に比べてラウリルジメチ
ルベンジルアンモニウムクロライドをビスコースレーヨ
ンに塗布したので、引張強度が大であって(前述した表
1参照)、湿潤時における強度低下が小さく且つ敷設後
半年を過ぎても当初の80%程度の引張強度を維持し、
その後、時間の経過と共に強度が低下して、やがては腐
食して土と同質化する腐食性の素材(ビスコースレーヨ
ン)を選択しているので、植物が発芽・成育するまでの
間(例えば半年乃至2年程度)は、植生用網状体2なら
びにロープ5が強度を十分に維持し、法面12上に吹き付
けられた植生材料13の流亡が効果的に防止されるものと
推測される。このように、ジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライドを有効成分とする抗菌剤で抗菌処理を施し
た植生用網状体2を用いた植生基体1によって、法面12
の緑化保護が好適に達成される。
【0023】この間に、降雨等によって可溶性の袋本体
9が溶解されて分散状態となることで、当該袋本体9に
収容された植生種子の発芽が容易に行われると共に、法
面12に吹き付けられた植生材料13中の植生種子も発芽
し、この発芽した幼苗が植生基材4と植生材料13とに含
まれる肥料と水の供給を受けて成育し繁茂する。そし
て、植物がある程度成育し繁茂するころから徐々に、植
生用網状体2ならびにロープ5が分解・腐食して遂には
土と同質化することによって、植生物の発育性や根付性
が良化されるのであり、かつ、経時的に植生用網状体2
とロープ5が腐食しても、それまでに植物が成育してい
ることによって植生基材4や植生材料13の流亡が防止さ
れるのであり、例えば、植生用網状体2の素材を半永久
的に変質しない合成樹脂繊維とする場合のような二次公
害を伴わせずに、法面12の緑化保護が永続的に維持され
ることになる。この際、植生基材袋3に収容された牧草
の成長が早いので、先ず法面12が牧草によって筋状に保
護され、次いで法面12に吹き付けられた草花種子や樹木
種子が発芽するが、これらは牧草から離れているので牧
草による圧迫を受けることなく成育し、法面12全体がバ
ランスよく確実に緑化される。
【0024】尚、上記の実施例では、植生基材袋3に植
生種子を含む植生基材4を収容させているが、植生種子
を含まない肥料や土壌改良材、保水材などの一種以上を
収容させる場合は、前記可溶性のシート8として、例え
ばパルプやレーヨンあるいはこれらを混紡した比較的厚
手の不織布を選択すると、肥料がゆっくりと滲み出すこ
とから肥効が長時間にわたって維持され、あるいは、土
壌改良材や保水材等の流亡が効果的に防止されるので好
適である。
【0025】また、上記の植生種子を含まない植生基材
袋3と植生種子のみを収容させた袋とを用意して、これ
らを適宜分散させて網状体2の袋装着部5に装着させた
り、あるいは図3に示すように、例えば3個の網目が連
なった緯糸方向の網目部分を経糸方向で隣り合わせに設
けて二連の袋装着部5を形成し、この二連の袋装着部5
に、植生種子を含まない植生基材袋3と植生種子のみを
収容させた袋14とを装着させたりする形態を任意に選択
可能である。
【0026】更に、植生基材袋3には、植生種子や肥
料、保水材などを収容させているが、これらに更に、下
水汚泥等を処理して粉粒状にした例えばピーエムCザイ
(商標名:上毛緑産工業株式会社)を増量材として加え
たり、あるいは、上記のピーエムCザイは肥効性や保水
性を有することから、当該ピーエムCザイそのものだけ
を袋本体9に収容させて植生基材袋3を構成することも
できる。また、上記のピーエムCザイを植生種子袋14に
収容させたり、あるいは、植生基材13に混ぜて法面12に
吹き付けさせる形態をとることも可能である。
【0027】なお本実施例では、上記の植生基体1に用
いる植生用網状体2の構成素材として、ビスコースレー
ヨンあるいは綿糸にラウリルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライドを塗布したものを示したが、これに限ら
ず、ビスコースレーヨンあるいは綿糸にオクタデシルジ
メチルベンジルアンモニウムクロライドを塗布したもの
や、塗布以外にラウリルジメチルベンジルアンモニウム
クロライド、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウ
ムクロライドの吹付けを施したり、さらには、ビスコー
スレーヨンあるいは綿糸をこれら抗菌剤に浸漬するこ
と、さらには、ビスコース溶液等にこれら抗菌剤を内添
するようにしてもよい。また、腐食性の素材として、ビ
スコースレーヨン、綿糸を用いることに限る必要のない
ことは言うまでもない。そして、このように腐食性の素
材と抗菌剤とを組み合わせるに際して、腐食性の素材に
対する抗菌剤の混合比率M(%)を、1<M<10に設
定するとともに、抗菌剤の腐食性の素材への塗布量等は
適宜選択すれば上記実施例と同様の効果を奏する。
【0028】また、本実施例では、一重の網状体2の3
個の網目を連ねて袋装着部5を構成しているが、植生用
網状体2を二重の構成にしたり、植生用網状体2の網目
に細工を施さずに植生基材袋3を網目そのものにジグザ
ク状に挿通させる装着手段をとることも可能であり、即
ち図4に示すように、例えば目合いが40×40mm程
度の太糸の表網2aに、それの網目を斜めにした状態で目
合いが25×25mm程度の細糸の裏網2bを重ね合わせ
て、それの例えば表網2aの2個の網目そのものを袋装着
部5にして植生基材袋3を装着させたり、あるいは、針
金やテープ等を利用して植生基材袋3を植生用網状体2
に括り付けたりする装着が可能であり、更に、二重の構
成の網状体を適当間隔置きに例えば編み込んで、表裏の
網間に袋装着部を形成する等の形態を実施可能である。
また上記した緑化工法においては、植生用網状体2の袋
装着部5に植生基材袋3を予め装着させているが、植生
用網状体2のみを法面12に張設して、この植生用網状体
2に挿通や括り付けの手段で植生基材袋3を装着させる
形態での実施も可能である。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、緑
化用植生基体に用いられる植生用網状体を、ジメチルベ
ンジルアンモニウムクロライドを有効成分とする抗菌剤
で、敷設後半年〜2年程度は必要な強度を維持する程度
に抗菌処理された腐食性の素材で編織したので、別途、
用意した植生基材袋を、この植生用網状体に所定間隔置
きに装着することにより、腐食期間の調整が可能で、所
定の期間(敷設後半年〜2年程度)内は所望の強度を維
持し且つその期間経過後は徐々に腐食される植生基体が
得られるのである。而して、この植生基体を用いること
で、上記期間中は植生基材の流亡が効果的に防止される
と共に、この間に植生種子が成育し且つ繁茂することに
よって法面の緑化保護が永続的に達成されるようにな
り、しかも、以後の腐食による植生基体の土壌との同質
化によって、植生用網状体が半永久的に残るような二次
公害を伴わせずに、植生物の発育性や根付性を良化させ
得るもので、全体として、法面の保護ならびに植生物の
育成面で必要な期間にわたって引張強度が維持されると
共に、公害防止の面から構成素材の大部分が土壌と同質
化する理想的な条件の網状体による緑化用植生基体を提
供できるに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】要部を取り出して拡大図示した緑化用植生基体
の一例を示す斜視図である。
【図2】法面緑化工法の一例を示す断面図である。
【図3】別実施例の緑化用植生基体を示す斜視図であ
る。
【図4】更に別実施例の緑化用植生基体を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
2…植生用網状体、3…植生基材袋。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緑化用植生基体に用いられ、植生種子、
    肥料、保水材、土壌改良材の一種以上を収容した植生基
    材袋が所定間隔置きに装着される植生用網状体であっ
    て、ジメチルベンジルアンモニウムクロライドを有効成
    分とする抗菌剤で、敷設後半年〜2年程度は必要な強度
    を維持する程度に抗菌処理が施された腐食性の素材で編
    織して成ることを特徴とする植生用網状体。
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