JP2527119B2 - 緑化工事に用いる植生用材料 - Google Patents

緑化工事に用いる植生用材料

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JP2527119B2 JP4358401A JP35840192A JP2527119B2 JP 2527119 B2 JP2527119 B2 JP 2527119B2 JP 4358401 A JP4358401 A JP 4358401A JP 35840192 A JP35840192 A JP 35840192A JP 2527119 B2 JP2527119 B2 JP 2527119B2
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、法面などに敷設される
緑化用網状体の網状体本体に付設する肥料袋、マット、
張芝体などのような緑化工事に用いる植生用材料に関
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、道路建設や土地造成などに伴っ
て形成される山腹の法面などには、その保護と景観を保
持するために植物を植生して緑化することが行われてい
る。しかして、本発明者等は、以前に、実公昭57−5
2204号公報、実公昭58−5709号公報及び特開
昭61−179923号公報などにおいて、大型設備を
必要としたり複雑な施工などを行うことなく、簡単な施
工手段で、かつ、経済的に前記法面などの緑化を行うこ
とができる緑化用網状体を提案した。
【0003】以上の緑化用網状体は、網状体本体に収容
部を形成し、この収容部内に有機質材料や保水材及び肥
料などが装填された肥料袋を収容すると共に、前記網状
体本体に植物種子や肥料などを保有するクレープ紙等か
ら成る張芝を貼着させ、又は、前記網状体本体に植物
種子の発芽成育可能なマットを貼着し、該マット上に植
物種子を付着保持させたものである。そして、斯かる緑
化用網状体を前記法面などに敷設することにより、前記
植物種子を発芽成育させて前記法面などを緑化させるよ
うにしている。
【0004】ところで、以上の緑化用網状体を形成する
にあたって、前記鋼状体本体に付設される植生用材料、
つまり、前述した張芝体やマットなどは、前記植物種子
が発芽して法面などに根付き、この植物種子がある程度
成長するまでは所定の強度を保持して、前記植物種子の
移動を防止したり、土壌の保水性を確保したり、また、
法面表面などを保護して安定した植物の植生基盤を確保
する必要がある。さらに、前記植生用材料を構成する肥
料袋にあっても、早期に分解腐食されたりすると、内部
に収容する有機質材料や保水材及び肥料などが植物種子
が発芽成長する以前に流出してしまうことから、前記肥
料袋も一定期間は所定の強度を保持させる必要がある。
【0005】しかして、前記植生用材料に一定期間にわ
たって所定強度を保持させるためには、この植生用材料
を半永久的に変質しない例えば合成繊維で形成すること
が考えられるが、該合成繊維は、長年のうちに風雨に曝
されて風化又は腐食して土壌に同質化されることがな
く、前記植生用材料が半永久的に残ることとなって、公
害問題を招く問題がある。
【0006】そこで、以上のような問題を解決するため
に、前記植生用材料をジュートや綿などの植物繊維、又
は、再生セルロースから成るレーヨン綿などの腐食性素
材を用いて形成することが試みられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上のよう
に、前記植生用材料の素材として、ジュートや綿などの
植物繊維又はレーヨン綿などの腐食性素材を使用する場
合には、次のような問題が発生するのである。すなわ
ち、前記緑化用網状体に使用される理想的な植生用材料
は、敷設後半年〜1年程度は充分な引張強度を保持し、
植物がある程度まで成長した後に腐食して土壌と同質化
することが望ましいが、前述したような腐食性素材を用
いた植生用材料は、その何れもが前記法面などに敷設し
た後約2ケ月を経過すると、ほとんどが分解腐食されて
しまうのである。つまり、前記植生用材料が前記張芝体
やマットなどの場合には、これらが早期に分解腐食する
ことによって、前記植物種子が移動したり、土壌の保水
性を損なったり、また、法面表面などの流亡を招いて、
植物を植生するために必要な植生基盤強度が得られなく
なり、一方、肥料袋の場合には、内部に収容された有機
質材料や保水材及び肥料などが、植物が成長する以前に
流出してしまうのである。換言すると、前述した2ケ月
という期間は、植物種子を良好に発芽成長させると言う
点からは余りにも短か過ぎ、植生による法面などの緑化
という本来の目的を達成することができないのである。
【0008】本発明者は、以前から法面などを緑化する
上で最適な素材を得るための研究開発を継続しているの
であるが、植生用材料として腐食性素材を用いる場合、
この植生用材料がバクテリアなどの微生物で分解腐食さ
れることによって早期に強度低下が起こることに着目
し、前記植生用材料に抗菌処理を施せば、この植生用材
料に対する微生物の分解腐食を調整できることを知見し
た。本発明は、この知見に基づいてなされたものであっ
て、その目的とするところは、植物種子が発芽してある
程度成長する一定期間は前記植生用材料に所定強度を維
持させ、また、植物種子がある程度成長した後には前記
微生物で前記植生用材料を分解腐食させて、この植生用
材料を土壌と同質化させて、公害問題を招いたりするこ
となく、環境緑化に寄与できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、抗菌処理が施された腐食性素材を用
いて上記の植生用材料を形成している。 即ち、第1の発
明は、有機質材料や保水材及び肥料などの植生基材が収
納された不織布などから成る緑化工事用の肥料袋におい
て、前記不織布などを、抗菌処理が施された腐食性素材
を用いて形成したことを特徴としている。 第2の発明
は、薄綿ラップや不織布などから成り、水溶性糊剤を介
して植物種子を付着保持させた緑化工事用のマットにお
いて、前記薄綿ラップや不織布などを、抗菌処理が施さ
れた腐食性素材を用いて形成したことを特徴としてい
る。 第3の発明は、薄い素材間に植物種子などと共に肥
料や土壌改良材などを挟在させた緑化工事用の張芝体に
おいて、前記薄い素材を、抗菌処理が施された腐食性素
材を用いて形成したことを特徴としている。
【0010】尚、上記第1〜第3の発明において、前記
抗菌処理としては、ジメチルベンジルアンモニウムクロ
ライドを有効成分とする抗菌剤を使用することが好まし
い。
【0011】
【作用】本発明の植生用材料(肥料袋、マット、張芝
体)は、腐食性素材を用いて形成されており、この腐食
性素材はバクテリアなどの微生物で分解腐食されて最終
的には消失するものの、前記腐食性素材には抗菌処理が
施されていることから、この抗菌処理によって微生物に
よる分解腐食が抑制され、山腹の法面などに植物種子が
発芽してある程度成長するまでの敷設後半年〜1年程度
の期間は必要な強度が保持され、前記植生用材料で植物
種子の良好な育成を行うことができる。
【0012】そして、前記植物種子がある程度成長した
頃には、前記腐食性素材に対する前記抗菌処理による腐
食抑制効果が徐々に失われ、前記腐食性素材が微生物で
分解腐食されて最終的には土壌と同質化されるのであ
り、従って、前記植生用材料が法面などに半永久的に残
ったりして公害問題を招いたりすることなく、環境緑化
に寄与することができる。
【0013】また、以上の抗菌処理を施すに際しては、
ジメチルベンジルアンモニウムクロライドを有効成分と
する抗菌剤、例えばラウリルジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライドやオクタデシルジメチルベンジルアンモ
ニウムクロライドなどの抗菌剤を使用することにより、
前記腐食性素材に対する微生物などによる腐食抑制効果
を良好に発揮できて、前記植生用材料に植物種子が発芽
成長する上で必要な一定期間にわたる引張強度を確保で
き、前記植物種子を良好に育成させることができる。さ
らに、以上の抗菌剤は、前記植物種子がある程度成長し
た頃には、前記腐食性素材に対する腐食抑制効果が失わ
れ、前記植生用材料を微生物で分解腐食させて土壌と同
質化させ得るために、環境緑化を行う上で最適なもので
ある。また、前記抗菌剤の腐食性素材に対する塗着割合
を適当に調整することにより、この腐食性素材の分解腐
食期間を任意に調整できる。
【0014】
【実施例】以下、本発明にかかる緑化工事に用いる植生
用材料の実施例を図面に基づいて説明する。図1,図2
に示した緑化用網状体は、経糸1aと緯糸1bとを編織
してなる網状体本体1を備え、この網状体本体1に各種
の植生用材料2を付設させている。
【0015】つまり、同各図の実施例では、前記網状体
本体1の複数箇所に収容部1cを形成し、これら収容部
1cの内部に、前記植生用材料2として、有機質材料や
保水材及び肥料などの植生基材3が収納された不織布な
どから成る肥料袋4を挿入収容させると共に、同じく、
前記植生用材料2として、前記網状体本体1の一側外表
面に、薄綿ラップや不織布などから成るマット5をポリ
ビニルアルコールなどの水溶性糊剤6を介して接着一体
化させ、このマット5には、前記と同様の水溶性糊剤7
を介して植物種子8を付着保持させている。また、前記
網状体本体1には、前記マット5に変えて、薄い素材間
に前記植物種子8などと共に肥料や土壌改良材などを挟
在させた所謂張芝体を貼着させることも可能である。
【0016】そして、以上のように構成された緑化用網
状体は、例えば、図2で示したように、山腹などの法面
Nに敷設されて、アンカーピンやアンカーボルトなどで
固定される。
【0017】しかして、本発明は、以上のような緑化用
網状体の網状体本体1に付設する植生用材料2、つま
り、前述した肥料袋4やマット5の構成素材を、また、
前記網状体本体1にマット5に変えて張芝体を貼着させ
る場合は、その構成素材を腐食性素材で形成する。
【0018】前記腐食性素材としては、例えばバクテリ
アなどの微生物で分解腐食されて経時的に消失する綿、
絹、麻などの天然繊維や、再生セルロースから成るビス
コースレーヨンなどの再生繊維、さらには、前述したよ
うな腐食性繊維の単独、又は、該腐食性繊維と合成繊維
とからなる混紡繊維を使用する。
【0019】さらに、前記腐食性素材としては、前述し
たもの以外に、薬品で易腐食化されたポリオレフィン系
の化学繊維、また、微生物分解性プラスチックや光分解
性プラスチックなどの生分解性化学繊維なども使用可能
である。
【0020】前記生分解性化学繊維のうち微生物分解性
プラスチックとしては、例えば商品名トーン(米国AM
KO社製)、商品名プルラン(林原株式会社製)、商品
名ソア・フィル(三菱レーヨン株式会社製)等があり、
また、光分解性プラスチックとしては、例えば商品名ポ
リグレイド(米国アンベイス社製)や商品名プラスチゴ
ン(米国アイデアマスターズ社製)等が使用される。
【0021】さらに、前記植生用材料2の構成素材とし
て、前記腐食性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用
いる場合、前記合成繊維としては、微生物では分解され
ることなく半永久的に所定の引張強度が確保される例え
ばポリビニールアルコールなどのビニロン系、ポリエス
テルなどのポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド
系及びアクリルなどのポリアクリルニトリル系などを使
用するのであるが、かかる合成繊維と前記腐食性繊維と
の配合比率は、腐食性繊維60〜80%と合成繊維40
〜20%の割合で混合したものが好ましい。
【0022】以上のように、前記植生用材料2の構成素
材として、前記混紡繊維を用いるときには、その合成繊
維が所定の引張強度を半永久的に保持して、前炉鋼状体
本体1を前記法面Nに敷設した時に、前記合成繊維は土
壌と同質化されることなく、最終的には土壌に残ること
になるが、前記合成繊維の腐食性繊維に対する配合比率
は小とされ、しかも、配合比率が大とされた腐食性繊維
は全て土壌と同質化されるため、前記植生用材料2の全
体を土壌に残存させる場合のように、公害問題を招いた
りすることなく、環境緑化に寄与できるのである。
【0023】ところで、以上のように、前記植生用材料
2を腐食性素材で形成する場合、前記緑化用網状体を前
記法面Nに敷設したとき、バクテリアなどの微生物が前
記腐食性素材を分解腐食させることによって起こるもの
であるから、この腐食性素材に抗菌処理を施せば、前記
植生用材料2の前記微生物による分解腐食を所定期間に
わたって抑制することができる。つまり、前記植生用材
料2が前述した張芝体やマット5の場合には、前記植物
種子8が発芽して法面Nに根付き、この植物種子8があ
る程度成長するまでは、前記抗菌処理により前記マット
5などに対する微生物の分解腐食を抑制できて、このマ
ット5などに所定の強度を保持し、該マット5などで前
記植物種子8の移動を防止したり、土壌の保水性を確保
したり、また、前記法面Nの表面を保護して安定した植
物の植生基盤を確保することができ、さらに、前記植生
用材料2が肥料袋4の場合にも、一定期間は所定の強度
を保持させて、前記肥料袋4に収容した有機質材料や保
水材及び肥料などの早期流出を防止できて、前記植物種
子8を良好に育成させることができるのである。
【0024】しかして、以上のような腐食性素材から成
る植生用材料2に抗菌処理を施すに際しては、例えば、
ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(明
成化学工業株式会社製の商品名メイラピットV−4
3)、オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロ
ライド(同社製の商品名メイカビノンSMB−85)な
どの抗菌剤が有効に使用される。
【0025】特に、上記したジメチルベンジルアンモニ
ウムクロライドを有効成分とするもの、つまり、前記ラ
ウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライドと、オ
クタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロライド
は、バクテリアなどの微生物による前記植生用材料2に
対する腐食抑制効果を良好に発揮できて、この植生用材
料2に前記植物種子8が発芽してある程度成長するまで
に必要な一定期間にわたる強度を確実に確保でき、前記
植物種子8を良好に育成させることができる。さらに、
前記各抗菌剤は、前記植物種子8が大きく成長した頃に
は、前記植生用材料2に対する腐食抑制効果が失われ、
この植生用材料2を微生物で分解腐食させて土壌と同質
化させ得るために、環境緑化に行う上で最適なものであ
る。
【0026】また、前記各種抗菌剤を用いて前記植生用
材料2の抗菌処理を行うにあたっては、この植生用材料
2に素材の段階で抗菌処理を施し、抗菌処理が施された
素材で植生用材料2を製作するか、又は、該植生用材料
2の製作後に抗菌処理を施すのである。
【0027】さらに、前記植生用材料2に抗菌処理を行
う場合は、この植生用材料2に前記抗菌剤を塗布するか
又は吹付け、或は、該抗菌剤を装填した処理槽中に前記
植生用材料2を浸漬して、その外表面に前記抗菌剤を塗
着させることによって行われる。
【0028】また、以上の抗菌処理を施すに際しては、
前記植生用材料2を構成する素材中に前記抗菌剤を予め
内添し、この抗菌剤が内添された素材で前記植生用材料
2を製作することにより、該植生用材料2に抗菌機能を
持たせるようにしてもよい。特に、前記抗菌剤を内添さ
せる場合は、前記植生用材料2の素材として、薬品で易
腐食化されたポリオレフィン系の化学繊維、また、微生
物分解性プラスチックや光分解性プラスチックなどの生
分解性化学繊維などを使用するときに採用される。
【0029】次に、前記植生用材料2を抗菌処理する場
合の一実施例を図3に基づいて説明する。同図の実施例
は、前記植生用材料2の構成素材となる綿不織布などか
らなる素材10に浸漬手段により抗菌処理を施す装置を
示しており、図中、11は前記素材10の送りローラ、
12は抗菌剤13を装填した処理槽、14は上下一対の
絞り用ローラ、15は乾燥機、16は巻取りローラであ
る。前記処理槽12に装填させる抗菌剤13は、1〜1
0%溶液、特に3〜5%溶液が最適である。
【0030】以上の装置においては、先ず、前記送りロ
ーラ11から前記素材10が送り出され、前記処理槽1
2内の抗菌剤13中を通過されて前記素材10に抗菌処
理が施される。この後、前記素材10は前記絞り用ロー
ラ14で絞られ、前記乾燥機16を通過して乾燥処理が
施され、前記巻取りローラ16に巻き取られる。そし
て、以上のように抗菌処理が施された素材10により、
前記植生用材料2である前記肥料袋4やマット5などが
製作される。
【0031】次に、前記植生用材料2を形成する腐食性
素材に抗菌処理を施した場合の腐食度合いを調べるため
に、次のような2つの試験を行った。先ず、試験1にお
いては、前記腐食性素材として綿不織布を使用し、前記
抗菌剤として前述したメイラピットV−43の3%溶液
を調製し、このメイラピット溶液を前記綿不織布に1平
方メートル当たり10gの割合で塗着させ、斯かるメイ
ラピット溶液が塗着された綿不織布で肥料袋を縫製して
本発明の試料Aとなし、また、前記メイラピット溶液を
1平方メートル当たり25gの割合で塗着した綿不織布
により縫製した肥料袋を本発明の試料Bとし、さらに、
その比較例として、抗菌処理を施さない綿不織布で縫製
した肥料袋を試料Cとして使用した。そして、以上の各
試料A,B,Cに、それぞれ肥料と保水材及び土壌改良
材を装填し、これら各試料を網状体本体に設けた収容部
に収容させ、該網状体本体を法面に敷設して、前記各試
料に穴があいて腐食される状況を経時的に観察した。以
上の試験1による結果は、下記の表1に示している。
【0032】
【表1】
【0033】さらに、試験2においては、ポリシングル
ネットから成る網状体本体にラップ機械を用いてレーヨ
ン綿を1平方メートル当たり30gの割合で接着させ、
この後前記抗菌剤として前述したメイラピットV−43
の5%溶液を用い、前記レーヨン綿に前記メイラピット
溶液を1平方メートル当たり10gの割合で塗着させた
領域と、同一レーヨン綿に前記メイラピット溶液を塗着
しない領域とをそれぞれ画成状に設けて、前記メイラピ
ット溶液の塗着領域を本発明の試料Dとなし、不塗着領
域を比較例Eとした。そして、前記網状体本体を盛土法
面に敷設して、前記各試料D,Eの腐食状況を経時的に
観察した。また、前記レーヨン綿には、1平方メートル
当たり100gの割合で化成肥料を接着させた。尚、前
記レーヨン綿には、腐食度合いの観察が困難となること
から、植物種子の接着は行わなかった。以上の試験2に
よる結果は、下記の表2に示している。
【0034】
【表2】
【0035】また、前記試験1,2は、微生物の動きが
活発で、この微生物による分解腐食が最も起こり易い4
月から経時的に行った。
【0036】上記表1から明らかなように、比較例とし
て使用した試料Cは、敷設後2か月で35%の腐食が起
こり、4か月を経過する頃にはほぼ完全に腐食されるの
に対し、本発明の試料Aは、敷設後2か月頃から徐々に
微生物による分解腐食が起こるものの、植物種子が発芽
成育する5か月までは腐食部分が65%あり、この結
果から前記試料Aは半年程度つまり樹木などの植物が成
長するまでの期間は充分な強度をもつものと推測され
る。さらに、本発明の試料Bは、敷設後3か月頃から徐
々に微生物による分解腐食が起こり、5か月までは腐食
部分が45%6か月までは腐食部分が65%あるこ
とから、前記試料Bは1年程度つまり樹木などの植物が
成長するまでの期間は充分な強度をもつものと推測され
る。従って、前記試料A,Bで製作した前記植生用材料
は、植物が成長するまでの一定期間にわたり必要強度を
保持し得ることが理解できる。
【0037】また、上記表2から明らかなように、比較
例として用いた試料Eは、敷設後3か月で約90%が腐
食されるのに対し、本発明の試料Dは、敷設時から徐々
に微生物による分解腐食が起こるものの、5か月経過時
の腐食部分が約80%あり、従って、前記試料Dで製
作した植生用材料は、植物が成長するまでの一定期間に
わたり必要強度を保持し得ることが理解できる。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による緑化
工事用の肥料袋,マット,張芝体は、抗菌処理が施され
た腐食性素材を用いて形成したから、この腐食性素材は
バクテリアなどの微生物で分解腐食されて最終的には消
失するものの、前記腐食性素材に抗菌処理を施すことに
より微生物による分解腐食を抑制し、山腹の法面などに
植物種子が発芽してある程度成長するまでの所定期間は
必要な強度を保持して、前記植生用材料で植物種子の良
好な育成を行うことができる。
【0039】一方、前記植物種子が大きくて成長した頃
には、前記抗菌処理による前記腐食性素材の腐食抑制効
果が徐々に失われ、この腐食性素材が微生物で分解腐食
されて最終的には土壌と同質化されるのであり、従っ
て、前記植生用材料が法面などに半永久的に残ったりし
て公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与す
ることができる。
【0040】また、以上の抗菌処理を施すに際して、ジ
メチルベンジルアンモニウムクロライドを有効成分とす
る抗菌剤を使用することにより、前記腐食性素材に対す
る微生物などによる腐食抑制効果を良好に発揮できて、
前記植生用材料に植物種子が発芽成長する上で必要な一
定期間にわたる機械強度を確保でき、前記植物種子を良
好に育成させることができる。さらに、以上の抗菌剤
は、前記植物種子がある程度成長した頃には、前記腐食
性素材に対する腐食抑制効果が失われ、前記植生用材料
を微生物で分解腐食させて土壌と同質化させ得るため
に、環境緑化に行う上で最適なものと言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の植生用材料を付設した緑化用網状体の
一例を示す斜視図である。
【図2】同緑化用網状体の側断面図である。
【図3】植生用材料に抗菌処理を施す場合の一例を示す
工程図である。
【符号の説明】
2…植生用材料(4…肥料袋、5…マット)。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機質材料や保水材及び肥料などの植生
    基材が収納された不織布などから成る緑化工事用の肥料
    袋であって、前記不織布などを、抗菌処理が施された腐
    食性素材を用いて形成したことを特徴とする肥料袋
  2. 【請求項2】 薄綿ラップや不織布などから成り、水溶
    性糊剤を介して植物種子を付着保持させた緑化工事用の
    マットであって、前記薄綿ラップや不織布などを、抗菌
    処理が施された腐食性素材を用いて形成したことを特徴
    とするマット。
  3. 【請求項3】 薄い素材間に植物種子などと共に肥料や
    土壌改良材などを挟在させた緑化工事用の張芝体であっ
    て、前記薄い素材を、抗菌処理が施された腐食性素材を
    用いて形成したことを特徴とする張芝体。
  4. 【請求項4】 抗菌処理として、ジメチルベンジルアン
    モニウムクロライドを有効成分とする抗菌剤を使用する
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の植生用
    材料。
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