JPH0641968A - 緑化用植生基体 - Google Patents

緑化用植生基体

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JPH0641968A
JPH0641968A JP17164892A JP17164892A JPH0641968A JP H0641968 A JPH0641968 A JP H0641968A JP 17164892 A JP17164892 A JP 17164892A JP 17164892 A JP17164892 A JP 17164892A JP H0641968 A JPH0641968 A JP H0641968A
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三千兵 坂手
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 法面の保護ならびに植物の育成面で好適なよ
うに、植生基体の引張強度を最短で半年、余裕を見込ん
で2年程度は維持されるようにし、かつ、植物がある程
度成育し繁茂した時点以降で最終的には腐食して土壌中
に同質化する公害防止の面から有用な条件を備えた理想
的な緑化用植生基体を提供すること。 【構成】 植生基材袋3を所定間隔置きに網状体2に装
着して成る緑化用植生基体1において、前記網状体を強
力レーヨン製または防腐処理された腐食性の繊維製とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、法面などの緑化工法に
用いられる緑化用植生基体に関する。
【0002】
【従来の技術】法面の緑化工法の一つに、植生種子や、
超遅効性や緩効性などの肥料、バーミキュライトやパー
ライトなどの保水材、炭カルや消石灰などの土壌改良材
(以上を総称して植生基材という)の一種以上を植生基
材袋に収容し、当該植生基材袋を所定間隔置きに網状体
に装着させて成る緑化用植生基体を法面に張設し、その
上から適宜、植生種子や肥料、有機質材料を主体にした
植生材料を吹き付ける工法が広く知られている。かゝる
工法によれば、植生種子と繊維質材を中心にした所謂フ
ァイバー種子吹き付けの工法に比較して、長期にわたる
植生物の成育繁茂が可能で且つ吹き付け材料の崩落が効
果的に防止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この工法に用いられる
緑化用植生基体の網状体は、一般にポリエチレン等の合
成樹脂製とされるが、これらは植物性や動物性の素材と
は異なり、長年月のうちに風雨に曝されて風化または腐
食して植生基材や土壌と同質化することがなく、そのま
ま半永久的に法面に残って公害問題を惹起したり、成長
しつつある植生物の発育性や根付性を悪化させる問題が
あった。
【0004】このような不都合を回避するために、例え
ばジュート等の植物性の素材や、それほど長期間を経な
くとも完全に腐食するいわゆる腐食性のビスコースレー
ヨン(再生セルロース)や腐食性を有する生分解性プラ
スチックを素材にして、植生基体の網状体を作製する試
みも提案されているが、これらの素材は性状的に、法面
に敷設してから2ヵ月程度を経過すると腐食してしまう
もので、植生基材袋内の種子や法面に吹き付けられた植
生材料から植生種子が発芽し、十分に成育して繁茂する
には2ヵ月といった期間は余りにも短過ぎ、この間に必
要な引張強度がなくなってしまうことは、降雨や凍上に
よる植生基材の流亡阻止面で致命的であることから殆ど
実施されていないのが現状である。
【0005】このことから明らかなように、法面の保護
ならびに植物の育成面からは、植生基体を構成する網状
体の素材として、法面に設置された植生基体の引張強度
が最短で半年、余裕を見込んで2年程度は維持され、か
つ、公害防止の面からは、植物がある程度成育し繁茂し
た時点以降で最終的には腐食し、土壌中に同質化する条
件を備えるものが理想的であると言える。本発明は、上
記の理想的な条件を備える網状体によって構成された緑
化用植生基体を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】かゝる目的を達成するた
めに第1発明では、植生基材袋を装着するための網状体
を強力レーヨンで編織した点に特徴がある。第2発明で
は、植生基材袋を装着するための網状体を、防腐処理さ
れた腐食性の素材で編織した点に特徴がある。第3発明
では、植生基材袋を装着するための網状体を腐食性の素
材で編織し、かつ、当該網状体を防腐処理した点に特徴
がある。
【0007】
【作用】即ち、第1発明で選択した網状体構成用の強力
レーヨン(ポリノジックレーヨンやタイヤコード用ビス
コースレーヨン)は、一般のビスコースレーヨンや生分
解性プラスチック等の素材に比べて引張強度が大であっ
て、湿潤時における強度低下が小さく、かつ、法面への
敷設後、半年を過ぎても当初の90%程度の引張強度を
維持し、その後、時間の経過と共に強度が低下して、や
がては腐食して土と同質化する特性を示し、かゝる強力
レーヨンを用いて網状体を編織すれば、植生物が或る程
度成育し繁茂するまでの期間(法面への植生基体の設置
後半年乃至2年程度)は、網状体に必要な強度を保持さ
せることができるのである。そして、植生物が或る程度
成育し繁茂した頃には強力レーヨンが分解腐食されて、
網状体の大半が土壌と同質化することから大きな公害問
題に至らず、環境の良化に寄与することができる。
【0008】第2および第3発明では、網状体の構成素
材を腐食性の素材とした上で、これを防腐処理してい
る。即ち、腐食性の素材であっても、これを撥水や防
水、防虫(防カビや防バクテリアなど)等の防腐処理を
施すことによって、植生基体の素材強度を敷設後半年乃
至2年程度は必要十分に維持させることができ、やがて
防腐処理の効果が弱まり或いは消滅するに伴って腐食が
始まり、これも土と同質化するもので、上記した強力レ
ーヨンと同等の法面保護上で理想的な条件を備えた植生
基体が構成され、従って、法面への設置後半年乃至2年
程度の期間は網状体に必要な強度を保持させることがで
きると共に、やがては分解腐食して土壌と同質化するこ
とから、網状体が半永久的に法面に残るといった公害問
題には繋がらず、環境の良化に寄与することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は緑化用植生基体1の一例を示し、図におい
て、2は縦横の目合いが例えば20×15mmの網状
体、3は植生種子や肥料、保水材、土壌改良材などの植
生基材4の一種以上を収容した植生基材袋で、この植生
基材袋3を網状体2に装着させるための袋装着部5が前
記網状体2の経糸方向に所定間隔を隔てて設けられてい
る。6は網状体1の幅方向両側部と幅中心部とに設けら
れた補強用のロープ(幅方向一方のみを図示してい
る。)である。
【0010】上記の網状体2は、ポリノジックレーヨン
(強力レーヨンの一種であり、その他ビスコースレーヨ
ン等も好適に実施できる。)を素材にして編織してお
り、かつ、補強用のロープ6も同じく強力レーヨン製と
している。そして、前記網状体2の緯糸方向で例えば1
5個目と5個目毎の網目に相当し且つ経糸方向では25
個目毎で3個の網目相当する部位の2本の緯糸を分断さ
せて、この3個の網目が連なった緯糸方向の網目部分に
よって袋装着部5を構成しており、この袋装着部5に容
易に挿通させ得るように植生基材袋3の太さを設定し
て、当該植生基材袋3を袋装着部5にジグザク状に挿通
させることによって緑化用の植生基体1が構成されてい
るのである。
【0011】一方、植生基材袋3は、それぞれが可溶性
である目合いが3〜5mmのネット7とシート8とをラ
ミネートし、より具体的には、植生種子の良好な発芽を
期する上で、可溶性のネット7を例えばスフ製とし、可
溶性のシート8を例えばパルプやスフあるいはこれらを
混紡した比較的薄手の不織布を選択して、前記ネット7
を外側にするようにして袋本体9を作製し、この袋本体
9内に、緑化せんとする法面の状況に即した植生基材
(例えば牧草種子や花植物種子、野草種子、樹木種子な
どの植生種子や、超遅効性や緩効性などの肥料、保水
材、土壌改良材などの一種以上)4を収容して成る。前
記植生基材袋3に収容される牧草種子としては、グリー
ピングレッドフェスク、ハイランドベントグラス等が選
択され、花植物種子としては、黄デージー、フランス
菊、大錦鶏菊などが選択され、野草種子としては、よも
ぎ、すすき、めどはぎ等が選択され、樹木種子として
は、あかまつ、やしゃぶし、いたちはぎ等が選択され
る。
【0012】次に、法面緑化工法の一手順について説明
すると、図2に示すように、網状体2の袋装着部5に植
生基材袋3を装着させた植生基体1を、アンカー10や止
め釘11等を用いて法面12上に張設する一方、有機質材料
や化学肥料、土壌改良剤、保水剤などに植生種子を加え
て混合した乾式の植生材料、あるいは、これを水で撹拌
したゲル状の植生材料13を、前記植生基体1を被うよう
にして適宜吹き付け機により適当な厚さ(例えば2〜5
cm)になるように吹き付けるのである。この吹き付け
に用いる種子としては、例えば植生基材袋3に収容させ
た花や野草の種子、樹木の種子が任意に選択される。
【0013】上記の工法によれば、網状体2が強力レー
ヨン製で可撓性に富むことから、植生基体1を法面12に
沿わせて張設することが容易に達成され、かつ、植生基
体1が法面12に敷設された当初は、植生基材4は可溶性
の袋本体9で覆われているので当該植生基材4の流出が
効果的に防止される。
【0014】そして、網状体2とロープ5の構成素材と
して、一般のビスコースレーヨンや生分解性プラスチッ
ク等の素材に比べて引張強度が大であって、湿潤時にお
ける強度低下が小さく且つ敷設後半年を過ぎても当初の
90%程度の引張強度を維持し、その後、時間の経過と
共に強度が低下して、やがては腐食して土と同質化する
特性のポリノジックレーヨンを選択しているので、植物
が発芽・成育するまでの間(例えば半年乃至2年程度)
は、網状体2ならびにロープ5が強度を十分に維持し、
法面12上に吹き付けられた植生材料13の流亡が効果的に
防止される。
【0015】この間に、降雨等によって可溶性の袋本体
9が溶解されて分散状態となることで、当該袋本体9に
収容された植生種子の発芽が容易に行われると共に、法
面12に吹き付けられた植生材料13中の植生種子も発芽
し、この発芽した幼苗が植生基材4と植生材料13とに含
まれる肥料と水の供給を受けて成育し繁茂する。そし
て、植物がある程度成育し繁茂するころから徐々に網状
体2ならびにロープ5が分解・腐食して遂には土と同質
化することによって、植生物の発育性や根付性が良化さ
れるのであり、かつ、経時的に網状体2とロープ5が腐
食しても、それまでに植物が成育していることによって
植生基材4や植生材料13の流亡が防止されるのであり、
例えば網状体2の素材を半永久的に変質しない合成樹脂
繊維とする場合のような二次公害を伴わせずに、法面12
の緑化保護が永続的に維持されることになる。この際、
植生基材袋3に収容された牧草の成長が早いので、先ず
法面12が牧草によって筋状に保護され、次いで法面12に
吹き付けられた草花種子や樹木種子が発芽するが、これ
らは牧草から離れているので牧草による圧迫を受けるこ
となく成育し、法面12全体がバランスよく確実に緑化さ
れる。
【0016】尚、上記の実施例では、植生基材袋3に植
生種子を含む植生基材4を収容させているが、植生種子
を含まない肥料や土壌改良材、保水材などの一種以上を
収容させる場合は、前記可溶性のシート8として、例え
ばパルプやレーヨンあるいはこれらを混紡した比較的厚
手の不織布を選択すると、肥料がゆっくりと滲み出すこ
とから肥効が長時間にわたって維持され、あるいは、土
壌改良材や保水材等の流亡が効果的に防止されるので好
適である。
【0017】また、上記の植生種子を含まない植生基材
袋3と植生種子のみを収容させた袋とを用意して、これ
らを適宜分散させて網状体2の袋装着部5に装着させた
り、あるいは図3に示すように、例えば3個の網目が連
なった緯糸方向の網目部分を経糸方向で隣り合わせに設
けて二連の袋装着部5を形成し、この二連の袋装着部5
に、植生種子を含まない植生基材袋3と植生種子のみを
収容させた袋14とを装着させたりする形態を任意に選択
可能である。
【0018】更に、植生基材袋3には、植生種子や肥
料、保水材などを収容させているが、これらに更に、下
水汚泥等を処理して粉粒状にした例えばピーエムCザイ
(商標名:上毛緑産工業株式会社)を増量材として加え
たり、あるいは、上記のピーエムCザイは肥効性や保水
性を有することから、当該ピーエムCザイそのものだけ
を袋本体9に収容させて植生基材袋3を構成することも
できる。また、上記のピーエムCザイを植生種子袋14に
収容させたり、あるいは、植生基材13に混ぜて法面12に
吹き付けさせる形態をとることも可能である。
【0019】ところで、上記の植生基体1に用いる網状
体2の構成素材として、ポリノジックレーヨンやビスコ
ースレーヨン等の強力レーヨンを選択しているが、構成
素材として腐食性のものを選択して、この腐食性素材そ
のものに撥水の防腐処理を施して網状体2を編織し、あ
るいは、腐食性素材によって編織された網状体2に撥水
の防腐処理を施して、この網状体2を用いた植生基体1
によっても法面12の緑化保護が好適に達成される。
【0020】即ち、腐食はバクテリアと水分の存在によ
るものであって、この内の水分を網状体2の素材に浸透
させないように、この素材に撥水や防水、防虫(防カビ
や防バクテリアなど)の防腐処理を施せば、網状体2の
腐食の進行を相当期間遅らせることができるからであ
り、この防腐処理の対象となる腐食性の素材としては、
動物性や植物性、化学性など種々のものがあるが、例え
ば動物性の素材としては皮や毛があり、植物性の素材と
しては綿や麻、パルプといった天然繊維が代表的であ
る。
【0021】尚、化学性素材としては薬品で易腐食化し
たポリオレフィン系の素材や、ビスコースレーヨンなど
の再生繊維、その他微生物分解性プラスチックや光分解
性プラスチックがある。微生物分解性のプラスチックと
しては、例えば商品名トーン(米国AMKO社製)や商
品名プルラン(林原株式会社製)、商品名ソア・フィル
(三菱レーヨン株式会社製)等がある。光分解型プラス
チックとしては、例えば商品名ポリグレイド(米国アン
ベイス社製)や商品名プラスチゴン(米国アイデアマス
ターズ社製)等がある。
【0022】例えば再生繊維であるビスコースレーヨン
を撥水処理するには、ビスコースレーヨン製造装置から
繰り出されたビスコースレーヨンを乾燥機に通して予備
乾燥させ、次いで撥水処理槽内の撥水剤に潜らせ、ある
いは、撥水剤をシャワリングやスプレーなどの手段でビ
スコースレーヨンに塗布させ、かつ、絞り用ローラで撥
水剤を適宜絞って別の乾燥機で乾燥処理し、次いでキュ
アリング装置で例えば150℃で3分間または 170℃で1
分間のキュアリング処理を行い、これを巻き取る形態を
とることができる。尚、上記の撥水剤としては、例えば
商品名アサヒガードAG−710やAG−730(何れ
も旭硝子株式会社製)の5〜7%溶液が用いられる。
【0023】このようにして撥水処理されたビスコース
レーヨンは、撥水の処理前とは異なり、湿潤時における
強度低下が小さく、上述した強力レーヨンとほゞ同等の
特性を持つようになる。この撥水処理されたビスコース
レーヨンを用いて網状体2を編織するのであるが、腐食
性素材を用いて網状体2を編織してから、この網状体2
を撥水剤に浸漬させたり、あるいは、撥水剤をシャワリ
ングやスプレーさせる手段で撥水処理させる形態も実施
可能である。
【0024】前記撥水処理された植生基体の腐食度合い
と引張強度を調べるために、次のような実験を行った。
即ち、撥水処理しない2000デニールのビスコースレ
ーヨンによって二枚の網状体を編織すると共に、一方の
網状体のみを上記したアサヒガードAG−710のスプ
レーによって撥水処理し、これらを1割2分勾配の南向
き法面に敷設して、敷設後における腐食の度合いと引張
強度について調べたところ、表1のような結果が得られ
た。
【0025】
【表1】
【0026】表1から明らかなように、撥水処理を施し
た網状体は、半年を経過しても1.82Kg(敷設当初
の96%)の引張強度を有し、換言すれば腐食の度合い
(即ち引張強度の低下度合い)は4%程度であって、腐
食が殆ど進行していないことが判明した。
【0027】そして、時間の経過と共に腐食がやゝ進行
するものの、1年を経過しても1.71Kg(敷設当初
の90%)の引張強度を有し、2年経過の時点でも未だ
1.14Kg(敷設当初の60%)を有しており、この
ような特性を有する網状体は、上記した強力レーヨン製
の網状体と同等の機能を持つものであると言っても過言
でなく、かつ、2000デニールの素線1本当たりの引
張強度が0.5Kg以上あれば、法面に吹き付けた植生
材料の凍上や崩壊が防止されることから、2年経過の時
点で引張強度が1.14Kgもあれば法面の保護が十分
に達成されることが理解される。
【0028】上記の撥水処理はビスコースレーヨンを対
象にしたものであるが、上述した微生物分解性プラスチ
ックや光分解性プラスチックなど各種の腐食性素材を撥
水処理の対象にしたり、これらの腐食性素材によって編
織した植生基体1を撥水処理の対象にすることができ
る。尚、撥水の処理対象がセルロース系以外の他の化学
繊維である場合は、例えば上記した商品名アサヒガード
AG−710やAG−730などの3〜5%溶液が好適
であるが、処理対象によっては、その他シリコン系やフ
ッ素系、ワックス系の撥水剤なども好適に実施可能であ
る。
【0029】上述の説明から理解されるように、腐食性
の素材であっても撥水処理を施すことによって、法面へ
の敷設後所定の期間内は所望の強度を維持させることが
できると共に、期間経過後において徐々に腐食させるこ
とができるのであるが、このような特性を持たせるため
の撥水処理に接着剤を用いることも可能であり、このた
めの接着剤としては、例えばアクリル樹脂系の商品名ポ
リゾールA−403−2やAT−130、その他AP−
6710(何れも昭和高分子株式会社製)などを選択で
き、これらを2〜3倍に希釈して、これを腐食性素材そ
のものや腐食性素材で編織された網状体に塗布させた
り、あるいは、希釈された接着剤に腐食性素材そのもの
や腐食性素材で編織された網状体を浸漬させたりすれば
よい。
【0030】上述したように、腐食はバクテリアの存在
によるものでもあることから、腐食性素材そのもの或い
は腐食性素材で編織された網状体に、商品名ベンレート
(デュポン社製)や商品名トップジンM(日本槽達株式
会社製)、その他商品名キシラモンEX(武田薬品工業
株式会社製)などの防カビ剤、防バクテリア剤、防腐剤
などを塗布させたり或いは浸漬させたりしても、腐食性
素材の腐食を一定期間遅らせることができ、このように
防虫の防腐処理を施した網状体であっても法面の緑化が
好適に達成される。
【0031】尚、実施例では、一重の網状体2の3個の
網目を連ねて袋装着部5を構成しているが、網状体2を
二重の構成にしたり、網状体2の網目に細工を施さずに
植生基材袋3を網目そのものにジグザク状に挿通させる
装着手段をとること可能であり、即ち図4に示すよう
に、例えば目合いが40×40mm程度の太糸の表網2a
に、それの網目を斜めにした状態で目合いが25×25
mm程度の細糸の裏網2bを重ね合わせて、それの例えば
表網2aの2個の網目そのものを袋装着部5にして植生基
材袋3を装着させたり、あるいは、針金やテープ等を利
用して植生基材袋3を網状体2に括り付けたりする装着
が可能であり、更に、二重の構成の網状体を適当間隔置
きに例えば編み込んで、表裏の網間に袋装着部を形成す
る等の形態を実施可能である。また上記した緑化工法に
おいては、網状体2の袋装着部5に植生基材袋3を予め
装着させているが、網状体2のみを法面12に張設して、
この網状体2に挿通や括り付けの手段で植生基材袋3を
装着させる形態での実施も可能である。
【0032】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、緑
化用植生基体の網状体の構成素材として強力レーヨンを
選択し、あるいは、腐食性の素材を網状体の構成素材と
してこれを防腐処理するようにしたことで、所定の期間
内は所望の強度を維持し且つその期間経過後は徐々に腐
食される植生基体が得られるようになり、而して、この
植生基体を用いることで、上記期間中は植生基材の流亡
が効果的に防止されると共に、この間に植生種子が成育
し且つ繁茂することによって法面の緑化保護が永続的に
達成されるようになり、しかも、以後の腐食による植生
基体の土壌との同質化によって、網状体が半永久的に残
るような二次公害を伴わせずに、植生物の発育性や根付
性を良化させ得るもので、全体として、法面の保護なら
びに植生物の育成面で必要な期間にわたって引張強度が
維持されると共に、公害防止の面から構成素材の大部分
が土壌と同質化する理想的な条件の網状体による緑化用
植生基体を提供できるに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】要部を取り出して拡大図示した緑化用植生基体
の一例を示す斜視図である。
【図2】法面緑化工法の一例を示す断面図である。
【図3】別実施例の緑化用植生基体を示す斜視図であ
る。
【図4】更に別実施例の緑化用植生基体を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
2…網状体、3…植生基材袋。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植生種子、肥料、保水材、土壌改良材の
    一種以上を収容した植生基材袋を、所定間隔置きに網状
    体に装着して成る緑化用植生基体であって、前記網状体
    を強力レーヨンで編織して成ることを特徴とする緑化用
    植生基体。
  2. 【請求項2】 植生種子、肥料、保水材、土壌改良材の
    一種以上を収容した植生基材袋を、所定間隔置きに網状
    体に装着して成る緑化用植生基体であって、前記網状体
    を防腐処理された腐食性の素材で編織して成ることを特
    徴とする緑化用植生基体。
  3. 【請求項3】 植生種子、肥料、保水材、土壌改良材の
    一種以上を収容した植生基材袋を、所定間隔置きに網状
    体に装着して成る緑化用植生基体であって、前記網状体
    を腐食性の素材で編織し、かつ、当該網状体を防腐処理
    して成ることを特徴とする緑化用植生基体。
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