JPH0753993B2 - 緑化用植生基体 - Google Patents
緑化用植生基体Info
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- JPH0753993B2 JPH0753993B2 JP11685392A JP11685392A JPH0753993B2 JP H0753993 B2 JPH0753993 B2 JP H0753993B2 JP 11685392 A JP11685392 A JP 11685392A JP 11685392 A JP11685392 A JP 11685392A JP H0753993 B2 JPH0753993 B2 JP H0753993B2
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- Japan
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- greening
- plant seeds
- vegetation
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- Biological Depolymerization Polymers (AREA)
Description
【0001】本発明は、例えば緑化工事に用いられる緑
化用植生基体に関する。
化用植生基体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、道路建設や土地造成などに伴っ
て形成される山腹の法面などには、その保護と景観を保
持するために植物を植生して緑化することが行われてい
る。しかして、本発明者等は、以前に、実公昭57−5
2204号公報、実公昭58−5709号公報及び特開
昭61−179923号公報などにおいて、大型設備を
必要としたり複雑な施工などを行うことなく、簡単な施
工手段で、かつ、経済的に前記法面などの緑化を行うこ
とができる緑化用植生基体を提案した。
て形成される山腹の法面などには、その保護と景観を保
持するために植物を植生して緑化することが行われてい
る。しかして、本発明者等は、以前に、実公昭57−5
2204号公報、実公昭58−5709号公報及び特開
昭61−179923号公報などにおいて、大型設備を
必要としたり複雑な施工などを行うことなく、簡単な施
工手段で、かつ、経済的に前記法面などの緑化を行うこ
とができる緑化用植生基体を提案した。
【0003】以上の緑化用植生基体は、網状体に収容部
を形成し、この収容部内に有機質材料や保水材及び肥料
などの植生基材を収容すると共に、前記網状体に植物種
子や肥料などを直接付着保持させ、或は、これら植物種
子や肥料などを保有する張芝帯を貼着させ、又は、前記
網状体に植物種子の発芽成育可能なマットを貼着し、該
マット上に植物種子を付着保持させたものである。そし
て、斯かる緑化用植生基体を前記法面などに敷設するこ
とにより、前記植物種子を発芽させて前記法面などを緑
化させるようにしたものである。
を形成し、この収容部内に有機質材料や保水材及び肥料
などの植生基材を収容すると共に、前記網状体に植物種
子や肥料などを直接付着保持させ、或は、これら植物種
子や肥料などを保有する張芝帯を貼着させ、又は、前記
網状体に植物種子の発芽成育可能なマットを貼着し、該
マット上に植物種子を付着保持させたものである。そし
て、斯かる緑化用植生基体を前記法面などに敷設するこ
とにより、前記植物種子を発芽させて前記法面などを緑
化させるようにしたものである。
【0004】また、以上の緑化用植生基体に使用される
網状体は、その何れもがナイロンやポリエチレン及びポ
リプロピレンなどのプラスチック繊維が用いられてお
り、その理由は、これらのプラスチック繊維が丈夫で安
価なことと、前記法面などの緑化を行うためには、該法
面に植物が根付き、この植物がある程度成長するまでは
前記網状体の強度を保持して、網状体で前記法面を保護
し、網状体が植物の植生基盤となる必要があるためであ
る。
網状体は、その何れもがナイロンやポリエチレン及びポ
リプロピレンなどのプラスチック繊維が用いられてお
り、その理由は、これらのプラスチック繊維が丈夫で安
価なことと、前記法面などの緑化を行うためには、該法
面に植物が根付き、この植物がある程度成長するまでは
前記網状体の強度を保持して、網状体で前記法面を保護
し、網状体が植物の植生基盤となる必要があるためであ
る。
【0005】ところが、以上のような網状体に用いられ
るナイロンやポリエチレン及びポリプロピレンなどのプ
ラスチック繊維は、通常の条件下では半永久的に変質し
ない特性があり、このため他の動植物性繊維と異なり、
長年のうちに風雨に曝されて風化又は腐食して土壌に同
質化されることがなく、前記網状体が半永久的に残るこ
とになる。従って、最近では、以上のような特性がむし
ろ災いとなり、プラスチック公害として地球環境的な問
題となってきている。すなわち、以上のような状況下に
おいて、前記法面などの緑化を行うために、プラスチッ
ク繊維からなる網状体を使用することは、一方では環境
緑化に寄与するものの、他方では公害問題を招くといっ
た相矛盾することになるのである。
るナイロンやポリエチレン及びポリプロピレンなどのプ
ラスチック繊維は、通常の条件下では半永久的に変質し
ない特性があり、このため他の動植物性繊維と異なり、
長年のうちに風雨に曝されて風化又は腐食して土壌に同
質化されることがなく、前記網状体が半永久的に残るこ
とになる。従って、最近では、以上のような特性がむし
ろ災いとなり、プラスチック公害として地球環境的な問
題となってきている。すなわち、以上のような状況下に
おいて、前記法面などの緑化を行うために、プラスチッ
ク繊維からなる網状体を使用することは、一方では環境
緑化に寄与するものの、他方では公害問題を招くといっ
た相矛盾することになるのである。
【0006】そこで、以上のような問題を解決するため
に、従来では、例えばジュートなどの植物繊維からなる
網状体を使用することが試みられた。また、ビスコース
レーヨンは、再生セルロースからなり、長時間を経過し
なくても完全に腐食するいわゆる腐食性繊維であり、し
かも、織機に比較的容易にかけることができることか
ら、このビスコースレーヨンを、例えば実公昭63−8
28号公報で提案したように、網状体を部分的に腐食さ
せるような場合に用いることも試みられている。
に、従来では、例えばジュートなどの植物繊維からなる
網状体を使用することが試みられた。また、ビスコース
レーヨンは、再生セルロースからなり、長時間を経過し
なくても完全に腐食するいわゆる腐食性繊維であり、し
かも、織機に比較的容易にかけることができることか
ら、このビスコースレーヨンを、例えば実公昭63−8
28号公報で提案したように、網状体を部分的に腐食さ
せるような場合に用いることも試みられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、以上のよう
に、前記網状体の構成素材として、ジュートなどの植物
繊維やビスコースレーヨンを使用する場合には、次のよ
うな問題が発生したのである。すなわち、前記法面など
の緑化を行うために使用される理想的な網状体は、その
敷設後約半年〜1年程度は充分な引張強度を保持し、植
物がある程度まで成長した後に腐食して土壌と同質化す
ることが望ましいが、前述したような網状体は、その何
れもが前記法面などに敷設した後約2ケ月を経過する
と、ほとんどが腐食してしまって、植物を植生するため
に必要な植生基盤強度が得られなくなり、換言すると、
植物が発芽して充分に成長するまでには、2ケ月という
期間は余りにも短か過ぎ、前記網状体で前記法面などを
保護して、植物の植生基盤を確保するといった本来の目
的を達成することが出来なかったのである。
に、前記網状体の構成素材として、ジュートなどの植物
繊維やビスコースレーヨンを使用する場合には、次のよ
うな問題が発生したのである。すなわち、前記法面など
の緑化を行うために使用される理想的な網状体は、その
敷設後約半年〜1年程度は充分な引張強度を保持し、植
物がある程度まで成長した後に腐食して土壌と同質化す
ることが望ましいが、前述したような網状体は、その何
れもが前記法面などに敷設した後約2ケ月を経過する
と、ほとんどが腐食してしまって、植物を植生するため
に必要な植生基盤強度が得られなくなり、換言すると、
植物が発芽して充分に成長するまでには、2ケ月という
期間は余りにも短か過ぎ、前記網状体で前記法面などを
保護して、植物の植生基盤を確保するといった本来の目
的を達成することが出来なかったのである。
【0008】本発明は以上のような問題に鑑みてなした
もので、その目的は、例えば敷設後半年〜1年程度の期
間は網状体として充分な引張強度を保持し、この後構成
素材の大部分を分解腐食させて土壌と同質化させること
ができ、公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に
寄与することができる緑化用植生基体を提供することに
ある。
もので、その目的は、例えば敷設後半年〜1年程度の期
間は網状体として充分な引張強度を保持し、この後構成
素材の大部分を分解腐食させて土壌と同質化させること
ができ、公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に
寄与することができる緑化用植生基体を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1の発明は、網状体に植生基材を収容させる収容
部を形成すると共に、前記網状体に植物種子を付着保持
させ、或は、植物種子を保有する張芝帯を貼着させてな
る緑化用植生基体において、前記網状体を腐食性繊維と
合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成したことを特
徴とするものである。
め、第1の発明は、網状体に植生基材を収容させる収容
部を形成すると共に、前記網状体に植物種子を付着保持
させ、或は、植物種子を保有する張芝帯を貼着させてな
る緑化用植生基体において、前記網状体を腐食性繊維と
合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成したことを特
徴とするものである。
【0010】第2の発明は、網状体に植生基材を収容さ
せる収容部を形成すると共に、前記網状体に植物種子を
付着保持させ、或は、植物種子を保有する張芝帯を貼着
させてなる緑化用植生基体において、前記網状体を、高
分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方
をビスコース溶液に内添してなる混繊レーヨンを用いて
形成したことを特徴とするものである。
せる収容部を形成すると共に、前記網状体に植物種子を
付着保持させ、或は、植物種子を保有する張芝帯を貼着
させてなる緑化用植生基体において、前記網状体を、高
分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方
をビスコース溶液に内添してなる混繊レーヨンを用いて
形成したことを特徴とするものである。
【0011】第3の発明は、網状体に植生基材を収容さ
せる収容部を形成すると共に、前記網状体に植物種子の
発芽成育可能なマットを貼着し、該マット上に植物種子
を付着保持させてなる緑化用植生基体において、前記網
状体を腐食性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用い
て形成したことを特徴とするものである。
せる収容部を形成すると共に、前記網状体に植物種子の
発芽成育可能なマットを貼着し、該マット上に植物種子
を付着保持させてなる緑化用植生基体において、前記網
状体を腐食性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用い
て形成したことを特徴とするものである。
【0012】第4の発明は、網状体に植生基材を収容さ
せる収容部を形成すると共に、前記網状体に植物種子の
発芽成育可能なマットを貼着し、該マット上に植物種子
を付着保持させてなる緑化用植生基体において、前記網
状体を、高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少な
くとも一方をビスコース溶液に内添してなる混繊レーヨ
ンを用いて形成したことを特徴とするものである。
せる収容部を形成すると共に、前記網状体に植物種子の
発芽成育可能なマットを貼着し、該マット上に植物種子
を付着保持させてなる緑化用植生基体において、前記網
状体を、高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少な
くとも一方をビスコース溶液に内添してなる混繊レーヨ
ンを用いて形成したことを特徴とするものである。
【0013】以上の第1〜第4発明において、前記網状
体の収容部内には、植生基材として高吸水性ポリマーを
袋体を介して収容させることが望ましい。
体の収容部内には、植生基材として高吸水性ポリマーを
袋体を介して収容させることが望ましい。
【0014】
【作用】第1発明においては、緑化用植生基体の主素材
となる網状体が、動植物性の天然繊維又は生分解性化学
繊維などの腐食性繊維と、ビニロンやポリエステル系な
どの合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成され、前
記腐食性繊維は、微生物で分解腐食されて経時的に消失
するものの、前記合成繊維は、微生物で分解されること
なく半永久的に所定の引張強度を確保できることから、
以上の腐食性繊維と合成繊維とを所定の割合で、例えば
腐食性繊維60〜80%と合成繊維40〜20%の割合
で混合した混紡繊維を用いて前記網状体を編織すること
により、山腹の法面などに植物が植生するまでの敷設後
半年〜1年程度の期間は必要な強度を保持し、前記網状
体で法面などを保護して植物の植生基盤を確保でき、前
記網状体に付着保持された植物種子や前記張芝帯が保有
する植物種子を良好に育成させることができる。
となる網状体が、動植物性の天然繊維又は生分解性化学
繊維などの腐食性繊維と、ビニロンやポリエステル系な
どの合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成され、前
記腐食性繊維は、微生物で分解腐食されて経時的に消失
するものの、前記合成繊維は、微生物で分解されること
なく半永久的に所定の引張強度を確保できることから、
以上の腐食性繊維と合成繊維とを所定の割合で、例えば
腐食性繊維60〜80%と合成繊維40〜20%の割合
で混合した混紡繊維を用いて前記網状体を編織すること
により、山腹の法面などに植物が植生するまでの敷設後
半年〜1年程度の期間は必要な強度を保持し、前記網状
体で法面などを保護して植物の植生基盤を確保でき、前
記網状体に付着保持された植物種子や前記張芝帯が保有
する植物種子を良好に育成させることができる。
【0015】そして、前記網状体を編織する混紡繊維の
構成素材である腐食性繊維は、前記法面などに植生され
た植物種子が発芽して成長する頃には、微生物で分解腐
食されて土壌と同質化され、つまり、前記混紡繊維を構
成する合成繊維は分解腐食されないものの、前記腐食性
繊維が分解腐食されてしまうことから、前記網状体の全
体が法面などに半永久的に残ったりして公害問題を招い
たりすることなく、環境緑化に寄与することができる。
構成素材である腐食性繊維は、前記法面などに植生され
た植物種子が発芽して成長する頃には、微生物で分解腐
食されて土壌と同質化され、つまり、前記混紡繊維を構
成する合成繊維は分解腐食されないものの、前記腐食性
繊維が分解腐食されてしまうことから、前記網状体の全
体が法面などに半永久的に残ったりして公害問題を招い
たりすることなく、環境緑化に寄与することができる。
【0016】第2発明では、前記網状体の素材として、
微生物で分解腐食される再生セルロースからなるビスコ
ース溶液に、酢酸ビニル樹脂などの高分子エマルジョン
又はポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーの少な
くとも一方を内添してなる混繊レーヨンが用いられ、ビ
スコースレーヨン自体は微生物で分解腐食されて経時的
に強度低下を招くものの、ビスコース溶液の段階で前記
高分子エマルジョンや水溶性ポリマーの所定量例えば2
〜15%を内添することにより、混繊レーヨンとしての
引張強度が強化され、該混繊レーヨンを1000デニー
ル程度にする場合でも、前記網状体の確実かつ良好な編
織が可能となり、しかも、前記混繊レーヨンで編織され
る網状体に必要な所定強度を確保することができる。ま
た、ビスコース溶液には多量の水酸基が含まれるもの
の、このビスコース溶液に前記エマルジョンやポリマー
を内添することにより、混繊レーヨン全体としての水酸
基量を少なくすることができ、この混繊レーヨンで前記
網状体を編織したときの水分吸収を少なくして、微生物
による分解腐食を抑制できる。従って、以上のような混
繊レーヨンで網状体を編織することにより、この網状体
に法面などに植物の植生基盤を確保する上で必要な一定
期間にわたる引張強度を確保でき、前記網状体に付着保
持された植物種子や前記張芝帯が保有する植物種子を良
好に育成させることができる。
微生物で分解腐食される再生セルロースからなるビスコ
ース溶液に、酢酸ビニル樹脂などの高分子エマルジョン
又はポリビニルアルコールなどの水溶性ポリマーの少な
くとも一方を内添してなる混繊レーヨンが用いられ、ビ
スコースレーヨン自体は微生物で分解腐食されて経時的
に強度低下を招くものの、ビスコース溶液の段階で前記
高分子エマルジョンや水溶性ポリマーの所定量例えば2
〜15%を内添することにより、混繊レーヨンとしての
引張強度が強化され、該混繊レーヨンを1000デニー
ル程度にする場合でも、前記網状体の確実かつ良好な編
織が可能となり、しかも、前記混繊レーヨンで編織され
る網状体に必要な所定強度を確保することができる。ま
た、ビスコース溶液には多量の水酸基が含まれるもの
の、このビスコース溶液に前記エマルジョンやポリマー
を内添することにより、混繊レーヨン全体としての水酸
基量を少なくすることができ、この混繊レーヨンで前記
網状体を編織したときの水分吸収を少なくして、微生物
による分解腐食を抑制できる。従って、以上のような混
繊レーヨンで網状体を編織することにより、この網状体
に法面などに植物の植生基盤を確保する上で必要な一定
期間にわたる引張強度を確保でき、前記網状体に付着保
持された植物種子や前記張芝帯が保有する植物種子を良
好に育成させることができる。
【0017】また、構成素材として混繊レーヨンが用い
られ、この混繊レーヨンは微生物により経時的に分解腐
食されるため、前記混繊レーヨンで網状体を編織するこ
とにより、前記網状体や張芝体に保持された植物種子が
発芽して成長する頃には、微生物で分解腐食されて土壌
と同質化される。一方、前記ビスコース溶液に内添され
る微生物で腐食され難い前記ポリマーやエマルジョン
は、前記混繊レーヨンの腐食に伴い分解されてしまうこ
とから、前記網状体が法面などに半永久的に残ったりし
て公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与す
ることができる。
られ、この混繊レーヨンは微生物により経時的に分解腐
食されるため、前記混繊レーヨンで網状体を編織するこ
とにより、前記網状体や張芝体に保持された植物種子が
発芽して成長する頃には、微生物で分解腐食されて土壌
と同質化される。一方、前記ビスコース溶液に内添され
る微生物で腐食され難い前記ポリマーやエマルジョン
は、前記混繊レーヨンの腐食に伴い分解されてしまうこ
とから、前記網状体が法面などに半永久的に残ったりし
て公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与す
ることができる。
【0018】第3発明においては、第1発明の場合と同
様に、緑化用植生基体の主素材となる網状体が、腐食性
繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成されて
いるため、一定期間は必要な強度を保持し、前記網状体
で法面などを保護して植物の植生基盤を確保でき、前記
網状体に貼着されたマット上の植物種子を良好に育成さ
せることができる。また、前記マット上の植物種子が発
芽して成長する頃には前記網状体の大部分が分解腐食さ
れて土壌と同質化されるのであり、従って、公害問題を
招いたりすることなく、環境緑化に寄与することができ
る。
様に、緑化用植生基体の主素材となる網状体が、腐食性
繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成されて
いるため、一定期間は必要な強度を保持し、前記網状体
で法面などを保護して植物の植生基盤を確保でき、前記
網状体に貼着されたマット上の植物種子を良好に育成さ
せることができる。また、前記マット上の植物種子が発
芽して成長する頃には前記網状体の大部分が分解腐食さ
れて土壌と同質化されるのであり、従って、公害問題を
招いたりすることなく、環境緑化に寄与することができ
る。
【0019】また、第4発明では、第2発明の場合と同
様に、前記網状体の素材として、ビスコース溶液に高分
子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方を
内添してなる混繊レーヨンが使用されているため、一定
期間は前記網状体で法面などを保護して植物の植生基盤
を確保でき、前記網状体に貼着されたマット上の植物種
子を良好に育成させることができる。また、前記マット
上の植物種子が発芽して成長する頃には前記網状体の大
部分が分解腐食されて土壌と同質化されるため、公害問
題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与することが
できる。
様に、前記網状体の素材として、ビスコース溶液に高分
子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方を
内添してなる混繊レーヨンが使用されているため、一定
期間は前記網状体で法面などを保護して植物の植生基盤
を確保でき、前記網状体に貼着されたマット上の植物種
子を良好に育成させることができる。また、前記マット
上の植物種子が発芽して成長する頃には前記網状体の大
部分が分解腐食されて土壌と同質化されるため、公害問
題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与することが
できる。
【0020】さらに、以上の各発明において、前記網状
体の収容部内に、植生基材として高吸水性ポリマーを袋
体を介して収容させるときには、降雨などで前記高吸水
性ポリマーが水分を吸水することにより、該高吸水性ポ
リマーを収容する前記袋体が膨張して前記網状体が前記
法面などに密着することから、前記網状体を前記法面な
どに固定するためのアンカーピンやアンカーボルトなど
の必要本数が少なくなり、しかも、乾燥期などには前記
高吸水性ポリマーで吸水保持された水分が徐々に植物に
供給されるため、植物が枯死したりするのを防止でき
る。
体の収容部内に、植生基材として高吸水性ポリマーを袋
体を介して収容させるときには、降雨などで前記高吸水
性ポリマーが水分を吸水することにより、該高吸水性ポ
リマーを収容する前記袋体が膨張して前記網状体が前記
法面などに密着することから、前記網状体を前記法面な
どに固定するためのアンカーピンやアンカーボルトなど
の必要本数が少なくなり、しかも、乾燥期などには前記
高吸水性ポリマーで吸水保持された水分が徐々に植物に
供給されるため、植物が枯死したりするのを防止でき
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明にかかる緑化用植生基体の実施
例を図面に基づいて説明する。図1は第1,第2発明を
実施する緑化用植生基体を示しており、同図において、
1は縦糸2と横糸3とを編織してなる網状体で、この網
状体1の複数箇所に収容部4を形成して、これら収容部
4内に植生基材5を収容させると共に、前記網状体1の
少なくとも一側外表面に、ポリビニルアルコールなどの
水溶性糊剤を介して植物種子6を直接付着保持させるの
であり、同図では、この植物種子6と共に肥料7及び土
壌改良材8を付着保持させている。また、前記網状体1
には、水溶性紙や落綿など腐食性材料の間に前記植物種
子6を前記肥料7や土壌改良材8などと共に挟在させた
所謂張芝体を貼着させることも可能である。
例を図面に基づいて説明する。図1は第1,第2発明を
実施する緑化用植生基体を示しており、同図において、
1は縦糸2と横糸3とを編織してなる網状体で、この網
状体1の複数箇所に収容部4を形成して、これら収容部
4内に植生基材5を収容させると共に、前記網状体1の
少なくとも一側外表面に、ポリビニルアルコールなどの
水溶性糊剤を介して植物種子6を直接付着保持させるの
であり、同図では、この植物種子6と共に肥料7及び土
壌改良材8を付着保持させている。また、前記網状体1
には、水溶性紙や落綿など腐食性材料の間に前記植物種
子6を前記肥料7や土壌改良材8などと共に挟在させた
所謂張芝体を貼着させることも可能である。
【0022】また、図2は第3,第4発明を実施する緑
化用植生基体を示しており、同図においては、図1の場
合と同様に、複数の収容部4を形成した網状体1の少な
くとも一側外表面に、植物種子の発芽成育可能なマット
9を貼着し、該マット9上に植物種子6を前記水溶性糊
剤を介して付着保持させており、このとき前記マット9
には前記植物種子6と共に肥料や土壌改良材などを付着
保持させるようにしてもよい。
化用植生基体を示しており、同図においては、図1の場
合と同様に、複数の収容部4を形成した網状体1の少な
くとも一側外表面に、植物種子の発芽成育可能なマット
9を貼着し、該マット9上に植物種子6を前記水溶性糊
剤を介して付着保持させており、このとき前記マット9
には前記植物種子6と共に肥料や土壌改良材などを付着
保持させるようにしてもよい。
【0023】以上のような網状体1の収容部4に収容さ
れる前記植生基材5は、肥料や保水材及び土壌改良材な
どからなり、これらの1種又は1種以上を組み合わせて
筒状の袋体内に収容するか、又は、袋体を用いることな
く、圧縮プレスなどを行って筒棒状に成形して形成され
る。また、前記植生基材5には、場合によっては前記植
物種子6を混入させることもある。
れる前記植生基材5は、肥料や保水材及び土壌改良材な
どからなり、これらの1種又は1種以上を組み合わせて
筒状の袋体内に収容するか、又は、袋体を用いることな
く、圧縮プレスなどを行って筒棒状に成形して形成され
る。また、前記植生基材5には、場合によっては前記植
物種子6を混入させることもある。
【0024】また、以上の網状体1に前記植生基材5の
収容部4を形成するにあたっては、例えば図3で明らか
にしたように、前記縦糸2と横糸3とを編織してなる網
状体1の2枚を重合させて、この重合された各網状体1
を適当間隔置きに網込み又は融着させることにより、編
み込まれない部分又は融着されない部分で前記収容部4
を形成している。
収容部4を形成するにあたっては、例えば図3で明らか
にしたように、前記縦糸2と横糸3とを編織してなる網
状体1の2枚を重合させて、この重合された各網状体1
を適当間隔置きに網込み又は融着させることにより、編
み込まれない部分又は融着されない部分で前記収容部4
を形成している。
【0025】さらに、図4は、前述したものと同様に形
成された網状体1の1枚を用い、該網状体1における縦
糸2と横糸3との任意のものを適当間隔置きにつまみ上
げ、このつまみ上げ部分を編み込むか又は融着させるこ
とにより、前記植生基材5の収容部4を形成している。
成された網状体1の1枚を用い、該網状体1における縦
糸2と横糸3との任意のものを適当間隔置きにつまみ上
げ、このつまみ上げ部分を編み込むか又は融着させるこ
とにより、前記植生基材5の収容部4を形成している。
【0026】また、前記網状体1の収容部4は、図5で
示したように、前記網状体1の一側外表面にフィルムな
どを列状に又は部分的に縫着又は融着手段などで張り付
けることにより、一側が開放されたポケット状の収容部
4を形成することも可能である。
示したように、前記網状体1の一側外表面にフィルムな
どを列状に又は部分的に縫着又は融着手段などで張り付
けることにより、一側が開放されたポケット状の収容部
4を形成することも可能である。
【0027】さらに、前記植生基材5の収容部4を形成
するにあたっては、図6で示したように形成することも
可能である。つまり、前記縦糸2と横糸3とをそれぞれ
織機にかけて1重の網状体1を平織り又は絡み織りで編
織し、この編織時に、前記横糸3の方向に適当間隔をお
いて、前記縦糸2間に収容部形成用縦糸2aを前記横糸3
を包含するように縦方向に編み込みながら、縦方向に所
定間隔をおいて前記横糸3から遊離させ、前記網状体1
に前記横糸3方向に連通されるループ部2bを形成して、
このループ部2bと前記網状体1との間に前記収容部4を
形成するのである。
するにあたっては、図6で示したように形成することも
可能である。つまり、前記縦糸2と横糸3とをそれぞれ
織機にかけて1重の網状体1を平織り又は絡み織りで編
織し、この編織時に、前記横糸3の方向に適当間隔をお
いて、前記縦糸2間に収容部形成用縦糸2aを前記横糸3
を包含するように縦方向に編み込みながら、縦方向に所
定間隔をおいて前記横糸3から遊離させ、前記網状体1
に前記横糸3方向に連通されるループ部2bを形成して、
このループ部2bと前記網状体1との間に前記収容部4を
形成するのである。
【0028】また、前記植生基材5の収容部4を形成す
るにあたっては、図7で示したように形成することも可
能である。つまり、前記縦糸2と横糸3とをそれぞれ織
機にかけて1重の網状体1を平織り又は絡み織りで編織
する。そして、縦方向適当長さに編織した後に、前記縦
糸2の複数本を前記横糸3から遊離させ、この遊離され
た縦糸2cに複数の横糸3aを打ち込んで編織し、この遊離
縦糸2cに対する横糸3aの打ち込み部分と前記網状体1と
の間に前記収容部4を形成するのである。
るにあたっては、図7で示したように形成することも可
能である。つまり、前記縦糸2と横糸3とをそれぞれ織
機にかけて1重の網状体1を平織り又は絡み織りで編織
する。そして、縦方向適当長さに編織した後に、前記縦
糸2の複数本を前記横糸3から遊離させ、この遊離され
た縦糸2cに複数の横糸3aを打ち込んで編織し、この遊離
縦糸2cに対する横糸3aの打ち込み部分と前記網状体1と
の間に前記収容部4を形成するのである。
【0029】以上の図6,図7においては、植物種子や
肥料や保水材及び土壌改良材などを組み合わせて前記植
生基材5の複数種類を用意し、この植生基材5の1本又
は2本を前記収容部4内に収容させるようにしている。
肥料や保水材及び土壌改良材などを組み合わせて前記植
生基材5の複数種類を用意し、この植生基材5の1本又
は2本を前記収容部4内に収容させるようにしている。
【0030】そして、以上のように構成された網状体1
は、例えば、図8で示したように、山腹などの法面Nに
敷設されて、アンカーピンやアンカーボルトBなどで固
定される。
は、例えば、図8で示したように、山腹などの法面Nに
敷設されて、アンカーピンやアンカーボルトBなどで固
定される。
【0031】しかして、第1発明においては、図1で示
したように、前記植生基材5の収容部4が形成された前
記網状体1に、水溶性糊剤を介して前記植物種子6など
を直接付着保持させた緑化用植生基体、又は、この植物
種子6などを水溶性紙や落綿など腐食性材料の間に挟在
させた所謂張芝帯を貼着させてなる緑化用植生基体にお
いて、前記網状体1を腐食性繊維と合成繊維とからなる
混紡繊維を用いて編織したのである。
したように、前記植生基材5の収容部4が形成された前
記網状体1に、水溶性糊剤を介して前記植物種子6など
を直接付着保持させた緑化用植生基体、又は、この植物
種子6などを水溶性紙や落綿など腐食性材料の間に挟在
させた所謂張芝帯を貼着させてなる緑化用植生基体にお
いて、前記網状体1を腐食性繊維と合成繊維とからなる
混紡繊維を用いて編織したのである。
【0032】前記網状体1を編織する混紡繊維の腐食性
繊維としては、微生物で分解腐食されて経時的に消失す
る例えば綿、絹、麻などの天然繊維及びビスコースレー
ヨンなどの生分解性化学繊維などが使用され、また、前
記合成繊維としては、微生物では分解されることなく半
永久的に所定の引張強度が確保される例えばポリビニー
ルアルコールなどのビニロン系、ポリエステルなどのポ
リエステル系、ナイロンなどのポリアミド系及びアクリ
ルなどのポリアクリルニトリル系などが使用される。
繊維としては、微生物で分解腐食されて経時的に消失す
る例えば綿、絹、麻などの天然繊維及びビスコースレー
ヨンなどの生分解性化学繊維などが使用され、また、前
記合成繊維としては、微生物では分解されることなく半
永久的に所定の引張強度が確保される例えばポリビニー
ルアルコールなどのビニロン系、ポリエステルなどのポ
リエステル系、ナイロンなどのポリアミド系及びアクリ
ルなどのポリアクリルニトリル系などが使用される。
【0033】また、前記混紡繊維は、腐食性繊維60〜
80%と合成繊維40〜20%の割合で混合したものが
好ましい。
80%と合成繊維40〜20%の割合で混合したものが
好ましい。
【0034】そして、以上のような緑化用植生基体の主
素材である網状体1の縦糸2(前記収容部形成用縦糸2a
及び遊離縦糸2cも含む)と横糸3(前記遊離縦糸2cに対
する打ち込み用横糸3aも含む)とを、以上のような腐食
性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維で形成して、該混
紡繊維で前記網状体1を編織することにより、この網状
体1は、前記法面Nへの敷設後半年〜1年程度の期間は
必要な強度を保持することとなって、前記網状体1で前
記法面Nを保護して植物の植生基盤を確保し、前記網状
体1に付着保持された植物種子6や前記張芝帯が保有す
る植物種子6を良好に育成させることができる。また、
前記腐食性繊維は、微生物で経時的に分解腐食され、前
記植物種子6が発芽して成長する頃には土壌と同質化さ
れるのであり、つまり、前記合成繊維は分解腐食されな
いものの、前記腐食性繊維が分解腐食されてしまうこと
から、前記網状体1の全体が法面Nに半永久的に残った
りして公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄
与することができる。特に、前記網状体1に前記植物種
子6などを直接付着保持させた緑化用植生基体、或は、
前記腐食性材料からなる張芝体を貼着させた緑化用植生
基体の何れにあっても、その構成素材の大部分を土壌に
同質化させ得るのである。
素材である網状体1の縦糸2(前記収容部形成用縦糸2a
及び遊離縦糸2cも含む)と横糸3(前記遊離縦糸2cに対
する打ち込み用横糸3aも含む)とを、以上のような腐食
性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維で形成して、該混
紡繊維で前記網状体1を編織することにより、この網状
体1は、前記法面Nへの敷設後半年〜1年程度の期間は
必要な強度を保持することとなって、前記網状体1で前
記法面Nを保護して植物の植生基盤を確保し、前記網状
体1に付着保持された植物種子6や前記張芝帯が保有す
る植物種子6を良好に育成させることができる。また、
前記腐食性繊維は、微生物で経時的に分解腐食され、前
記植物種子6が発芽して成長する頃には土壌と同質化さ
れるのであり、つまり、前記合成繊維は分解腐食されな
いものの、前記腐食性繊維が分解腐食されてしまうこと
から、前記網状体1の全体が法面Nに半永久的に残った
りして公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄
与することができる。特に、前記網状体1に前記植物種
子6などを直接付着保持させた緑化用植生基体、或は、
前記腐食性材料からなる張芝体を貼着させた緑化用植生
基体の何れにあっても、その構成素材の大部分を土壌に
同質化させ得るのである。
【0035】次に、以上のような腐食性繊維としてビス
コースレーヨンを、また、合成繊維としてポリエステル
を用い、これら両者を70;30の比率で配合した本発
明の混紡繊維と、その比較例としてビスコースレーヨン
を単独使用した場合の引張強度について試験を行ったと
ころ、次の表1に示す結果が得られた。尚、両者の引張
試験は、微生物の動きが活発で、この微生物の分解腐食
による強度低下が最も起こり易い7月に開始した。ま
た、前記両者の引張試験は、それぞれ2000デニール
のものを使用した。
コースレーヨンを、また、合成繊維としてポリエステル
を用い、これら両者を70;30の比率で配合した本発
明の混紡繊維と、その比較例としてビスコースレーヨン
を単独使用した場合の引張強度について試験を行ったと
ころ、次の表1に示す結果が得られた。尚、両者の引張
試験は、微生物の動きが活発で、この微生物の分解腐食
による強度低下が最も起こり易い7月に開始した。ま
た、前記両者の引張試験は、それぞれ2000デニール
のものを使用した。
【0036】
【表1】
【0037】上記表1から明らかなように、比較例とし
て用いたビスコースレーヨンは、約2か月経過すると引
張強度が0となったのに対し、本発明にかかる混紡繊維
は、敷設時から徐々に微生物による分解腐食で強度低下
が起こるものの、1年半経過時の引張強度が1.2Kg
もあり、従って、以上の混紡繊維で網状体1を編織する
ことにより、該網状体1が前記法面Nを保護して植物の
植生基盤を確保し得ることが理解できる。尚、前記網状
体1を構成する素線1本当りの引張強度が0.5Kg以
上あれば、前記法面Nに敷設したとき、その凍上や崩壊
を防止できることから、以上のように、引張強度が1.
2Kgもある場合には、前記法面Nの充分な保護ができ
る。
て用いたビスコースレーヨンは、約2か月経過すると引
張強度が0となったのに対し、本発明にかかる混紡繊維
は、敷設時から徐々に微生物による分解腐食で強度低下
が起こるものの、1年半経過時の引張強度が1.2Kg
もあり、従って、以上の混紡繊維で網状体1を編織する
ことにより、該網状体1が前記法面Nを保護して植物の
植生基盤を確保し得ることが理解できる。尚、前記網状
体1を構成する素線1本当りの引張強度が0.5Kg以
上あれば、前記法面Nに敷設したとき、その凍上や崩壊
を防止できることから、以上のように、引張強度が1.
2Kgもある場合には、前記法面Nの充分な保護ができ
る。
【0038】また、前記網状体1の収容部4内に収容さ
れる前記植生基材5を袋体を用いて形成するときには、
この袋体を腐食性素材例えばスフやパルプ系不織布や可
溶性紙又は生分解性プラスチックフィルムなどを使用し
て形成することが望ましく、これらの腐食性素材で前記
袋体を形成するときには、前記網状体1だけではなく前
記袋体も経時的に腐食させて土壌に同質化させることが
でき、公害問題の発生をなくすことができる。さらに、
図5で示したように、前記網状体1にフィルムなどを用
いて前記植生基材5の収容部4を形成するときには、前
記フィルムも前述したような腐食性素材で形成すること
が望ましく、このときにも、前述した場合と同様に、前
記フィルムを経時的に腐食させて土壌と同質化させ、公
害問題の発生をなくすことができる。
れる前記植生基材5を袋体を用いて形成するときには、
この袋体を腐食性素材例えばスフやパルプ系不織布や可
溶性紙又は生分解性プラスチックフィルムなどを使用し
て形成することが望ましく、これらの腐食性素材で前記
袋体を形成するときには、前記網状体1だけではなく前
記袋体も経時的に腐食させて土壌に同質化させることが
でき、公害問題の発生をなくすことができる。さらに、
図5で示したように、前記網状体1にフィルムなどを用
いて前記植生基材5の収容部4を形成するときには、前
記フィルムも前述したような腐食性素材で形成すること
が望ましく、このときにも、前述した場合と同様に、前
記フィルムを経時的に腐食させて土壌と同質化させ、公
害問題の発生をなくすことができる。
【0039】第2の発明は、以上の図1で示したような
緑化用植生基体において、前記網状体1の縦糸2と横糸
3として、高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少
なくとも一方をビスコース溶液に内添した混繊レーヨン
を用い、この混繊レーヨンで前記網状体1を編織したも
のである。
緑化用植生基体において、前記網状体1の縦糸2と横糸
3として、高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少
なくとも一方をビスコース溶液に内添した混繊レーヨン
を用い、この混繊レーヨンで前記網状体1を編織したも
のである。
【0040】前記網状体1を編織する混繊レーヨンとし
ては、微生物で分解腐食される再生セルロースからなる
ビスコース溶液に、微生物では分解腐食されることな
く、このビスコースレーヨンの分解腐食による強度低下
を補う、例えば酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレ
ン酢酸ビニル樹脂などの高分子エマルジョンと、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアマイドなどの水溶性ポ
リマーとの何れか一方を内添するか、又は、前記エマル
ジョンとポリマーとの両者を内添したものが使用され
る。
ては、微生物で分解腐食される再生セルロースからなる
ビスコース溶液に、微生物では分解腐食されることな
く、このビスコースレーヨンの分解腐食による強度低下
を補う、例えば酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレ
ン酢酸ビニル樹脂などの高分子エマルジョンと、ポリビ
ニルアルコール、ポリアクリルアマイドなどの水溶性ポ
リマーとの何れか一方を内添するか、又は、前記エマル
ジョンとポリマーとの両者を内添したものが使用され
る。
【0041】また、前記混繊レーヨンは、ビスコース溶
液に対し前記高分子エマルジョンや水溶性ポリマーを2
〜15%の割合で内添したものが好ましい。
液に対し前記高分子エマルジョンや水溶性ポリマーを2
〜15%の割合で内添したものが好ましい。
【0042】前記混繊レーヨンは、ビスコースレーヨン
の原料であるビスコース溶液に、前記高分子エマルジョ
ンや水溶性ポリマーを添加して混合溶液を調製し、この
混合溶液を扁平な特殊口金から紡糸して、所謂リボンス
トローと称されるテープ状に形成される。
の原料であるビスコース溶液に、前記高分子エマルジョ
ンや水溶性ポリマーを添加して混合溶液を調製し、この
混合溶液を扁平な特殊口金から紡糸して、所謂リボンス
トローと称されるテープ状に形成される。
【0043】そして、前記網状体1の縦糸2と横糸3と
して、以上のように調製された混繊レーヨンを用いるこ
とにより、微生物で分解腐食されて経時的に強度低下を
招くものの、この混繊レーヨンには前記高分子エマルジ
ョンや水溶性ポリマーが内添されていることから、混繊
レーヨンとしての引張強度が強化され、該混繊レーヨン
を1000デニール程度とする場合でも、前記網状体1
の縦糸2と横糸3としての充分な使用が可能となって、
前記網状体1の確実かつ良好な編織が可能となり、しか
も、前記混繊レーヨンで編織される網状体1に必要な所
定強度を確保することができる。
して、以上のように調製された混繊レーヨンを用いるこ
とにより、微生物で分解腐食されて経時的に強度低下を
招くものの、この混繊レーヨンには前記高分子エマルジ
ョンや水溶性ポリマーが内添されていることから、混繊
レーヨンとしての引張強度が強化され、該混繊レーヨン
を1000デニール程度とする場合でも、前記網状体1
の縦糸2と横糸3としての充分な使用が可能となって、
前記網状体1の確実かつ良好な編織が可能となり、しか
も、前記混繊レーヨンで編織される網状体1に必要な所
定強度を確保することができる。
【0044】また、前記ビスコース溶液には、本来多量
の水酸基が含まれるものの、このビスコース溶液に前記
エマルジョンやポリマーを内添することにより、混繊レ
ーヨン全体としての水酸基量を少なくすることができ、
この混繊レーヨンで前記網状体1を編織したときの水分
吸収を少なくして、微生物による分解腐食を抑制でき
る。従って、以上のような混繊レーヨンで網状体1を編
織することにより、この網状体1に法面Nに植物の植生
基盤を確保する上で必要な一定期間にわたる引張強度を
確保でき、前記網状体1に付着保持された植物種子6や
前記張芝帯が保有する植物種子6を良好に育成させるこ
とができる。
の水酸基が含まれるものの、このビスコース溶液に前記
エマルジョンやポリマーを内添することにより、混繊レ
ーヨン全体としての水酸基量を少なくすることができ、
この混繊レーヨンで前記網状体1を編織したときの水分
吸収を少なくして、微生物による分解腐食を抑制でき
る。従って、以上のような混繊レーヨンで網状体1を編
織することにより、この網状体1に法面Nに植物の植生
基盤を確保する上で必要な一定期間にわたる引張強度を
確保でき、前記網状体1に付着保持された植物種子6や
前記張芝帯が保有する植物種子6を良好に育成させるこ
とができる。
【0045】さらに、前記混繊レーヨンの構成素材とし
てビスコース溶液が用いられ、このビスコース溶液は微
生物により経時的に分解腐食されるため、前記混繊レー
ヨンで網状体1を編織することにより、該網状体1や張
芝体に保持された植物種子6が発芽して成長する頃に
は、微生物で分解腐食されて土壌と同質化される。一
方、前記ビスコース溶液に内添される微生物で腐食され
難い前記ポリマーやエマルジョンは、混繊レーヨンの腐
食に伴い分解されてしまうことから、前記網状体1が法
面Nに半永久的に残ったりして公害問題を招いたりする
ことなく、環境緑化に寄与することができる。
てビスコース溶液が用いられ、このビスコース溶液は微
生物により経時的に分解腐食されるため、前記混繊レー
ヨンで網状体1を編織することにより、該網状体1や張
芝体に保持された植物種子6が発芽して成長する頃に
は、微生物で分解腐食されて土壌と同質化される。一
方、前記ビスコース溶液に内添される微生物で腐食され
難い前記ポリマーやエマルジョンは、混繊レーヨンの腐
食に伴い分解されてしまうことから、前記網状体1が法
面Nに半永久的に残ったりして公害問題を招いたりする
ことなく、環境緑化に寄与することができる。
【0046】次に、ビスコース溶液に高分子エマルジョ
ンとして酢酸ビニル樹脂エマルジョンの5%を内添した
本発明にかかる混繊レーヨンと、その比較例としてビス
コースレーヨンを単独使用した場合の引張強度について
試験を行ったところ、次の表2に示す結果が得られた。
尚、両者の引張試験は、前述した場合と同様に、微生物
の動きが活発で、この微生物の分解腐食による強度低下
が最も起こり易い7月に開始した。また、前記両者の引
張試験は、それぞれ1000デニールのものを使用し
た。
ンとして酢酸ビニル樹脂エマルジョンの5%を内添した
本発明にかかる混繊レーヨンと、その比較例としてビス
コースレーヨンを単独使用した場合の引張強度について
試験を行ったところ、次の表2に示す結果が得られた。
尚、両者の引張試験は、前述した場合と同様に、微生物
の動きが活発で、この微生物の分解腐食による強度低下
が最も起こり易い7月に開始した。また、前記両者の引
張試験は、それぞれ1000デニールのものを使用し
た。
【0047】
【表2】
【0048】上記表2から明らかなように、比較例とし
て用いたビスコースレーヨンは、約2か月経過すると引
張強度が0となったのに対し、本発明にかかる混繊レー
ヨンは、敷設時から徐々に微生物による分解腐食で強度
低下が起こるものの、1年経過時の引張強度が0.6K
gもあり、従って、以上の混繊レーヨンで網状体1を編
織することにより、該網状体1が前記法面Nを保護して
植物の植生基盤を確保し得ることが理解できる。
て用いたビスコースレーヨンは、約2か月経過すると引
張強度が0となったのに対し、本発明にかかる混繊レー
ヨンは、敷設時から徐々に微生物による分解腐食で強度
低下が起こるものの、1年経過時の引張強度が0.6K
gもあり、従って、以上の混繊レーヨンで網状体1を編
織することにより、該網状体1が前記法面Nを保護して
植物の植生基盤を確保し得ることが理解できる。
【0049】第3の発明は、図2で示したように、前記
網状体1に植生基材5を収容させる収容部4を形成する
と共に、前記網状体1に植物種子6の発芽成育可能なマ
ット9を貼着し、該マット9上に植物種子6を付着保持
させてなる緑化用植生基体において、前記網状体1を腐
食性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成し
たのである。
網状体1に植生基材5を収容させる収容部4を形成する
と共に、前記網状体1に植物種子6の発芽成育可能なマ
ット9を貼着し、該マット9上に植物種子6を付着保持
させてなる緑化用植生基体において、前記網状体1を腐
食性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成し
たのである。
【0050】この第3発明においても、第1発明のもの
と同様に、前記網状体1が腐食性繊維と合成繊維とから
なる混紡繊維で形成されていることから、前記法面Nに
敷設したとき、その敷設後半年〜1年程度の期間は必要
な強度を保持し、前記網状体1で前記法面Nを保護して
植物の植生基盤を確保して、前記網状体1に貼着された
マット9上の植物種子6を良好に育成させることがで
き、また、前記植物種子6が発芽して成長する頃には、
前記網状体1の大部分が分解腐食されて土壌と同質化さ
れるのであり、従って、公害問題を招いたりすることな
く、環境緑化に寄与することができる。
と同様に、前記網状体1が腐食性繊維と合成繊維とから
なる混紡繊維で形成されていることから、前記法面Nに
敷設したとき、その敷設後半年〜1年程度の期間は必要
な強度を保持し、前記網状体1で前記法面Nを保護して
植物の植生基盤を確保して、前記網状体1に貼着された
マット9上の植物種子6を良好に育成させることがで
き、また、前記植物種子6が発芽して成長する頃には、
前記網状体1の大部分が分解腐食されて土壌と同質化さ
れるのであり、従って、公害問題を招いたりすることな
く、環境緑化に寄与することができる。
【0051】第4の発明は、以上の図2で示したような
緑化用植生基体において、第2発明の場合と同じく、前
記網状体1の縦糸2と横糸3として、ビスコース溶液に
高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一
方を内添した混繊レーヨンを使用し、この混繊レーヨン
で前記網状体1を編織したものである。
緑化用植生基体において、第2発明の場合と同じく、前
記網状体1の縦糸2と横糸3として、ビスコース溶液に
高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一
方を内添した混繊レーヨンを使用し、この混繊レーヨン
で前記網状体1を編織したものである。
【0052】この第4発明においても、前記網状体1を
前記法面Nに敷設したとき、その敷設後半年〜1年程度
の期間は必要な強度を保持し、前記網状体1で前記法面
Nを保護して植物の植生基盤を確保することができ、前
記網状体1に貼着されたマット9上の植物種子6を良好
に育成させることができ、また、前記マット9上の植物
種子6が発芽して成長する頃には、前記網状体1の大部
分が分解腐食されて土壌と同質化されるため、該網状体
1が前記法面Nに半永久的に残ったりして公害問題を招
いたりすることなく、環境緑化に寄与することができ
る。
前記法面Nに敷設したとき、その敷設後半年〜1年程度
の期間は必要な強度を保持し、前記網状体1で前記法面
Nを保護して植物の植生基盤を確保することができ、前
記網状体1に貼着されたマット9上の植物種子6を良好
に育成させることができ、また、前記マット9上の植物
種子6が発芽して成長する頃には、前記網状体1の大部
分が分解腐食されて土壌と同質化されるため、該網状体
1が前記法面Nに半永久的に残ったりして公害問題を招
いたりすることなく、環境緑化に寄与することができ
る。
【0053】また、以上の第3,第4発明において使用
されるマット9は、例えばスフやパルプ系不織布や可溶
性紙又は生分解性プラスチックフィルムなどの腐食性素
材を使用して形成することが望ましく、これらの腐食性
素材で前記マット9を形成するときには、前記網状体1
だけではなく前記マット9も経時的に腐食させて土壌に
同質化させることができ、公害問題の発生をなくすこと
ができる。
されるマット9は、例えばスフやパルプ系不織布や可溶
性紙又は生分解性プラスチックフィルムなどの腐食性素
材を使用して形成することが望ましく、これらの腐食性
素材で前記マット9を形成するときには、前記網状体1
だけではなく前記マット9も経時的に腐食させて土壌に
同質化させることができ、公害問題の発生をなくすこと
ができる。
【0054】さらに、以上の各発明において、前記網状
体1の収容部4内には、前記植生基材5として高吸水性
ポリマーを袋体を介して収容させることが望ましく、こ
のように高吸水性ポリマーを収容させるときには、降雨
などで前記高吸水性ポリマーが水分を吸水することによ
り、該高吸水性ポリマーを収容する前記袋体が膨張して
前記網状体1が前記法面Nに密着されることから、前記
網状体1を前記法面Nに固定するための前記アンカーピ
ンやアンカーボルトBなどの必要本数が少なくなり、し
かも、乾燥期などには前記高吸水性ポリマーで吸水保持
された水分が徐々に植物に供給されるため、植物が枯死
したりするのを防止できる。
体1の収容部4内には、前記植生基材5として高吸水性
ポリマーを袋体を介して収容させることが望ましく、こ
のように高吸水性ポリマーを収容させるときには、降雨
などで前記高吸水性ポリマーが水分を吸水することによ
り、該高吸水性ポリマーを収容する前記袋体が膨張して
前記網状体1が前記法面Nに密着されることから、前記
網状体1を前記法面Nに固定するための前記アンカーピ
ンやアンカーボルトBなどの必要本数が少なくなり、し
かも、乾燥期などには前記高吸水性ポリマーで吸水保持
された水分が徐々に植物に供給されるため、植物が枯死
したりするのを防止できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、第1発明にかかる
緑化用植生基体は、その主素材である網状体を腐食性繊
維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成したか
ら、山腹の法面などへの敷設後半年〜1年程度の期間は
必要な強度を保持し、前記網状体で前記法面などを保護
して植物の植生基盤を確保することができ、前記網状体
に付着保持された植物種子や前記張芝帯が保有する植物
種子を良好に育成させることができる。また、植物種子
が発芽して成長する頃には、前記網状体の大部分を分解
腐食させて土壌に同質化させることができ、このため、
前記網状体の全体が前記法面などに半永久的に残ったり
して公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与
することができる。
緑化用植生基体は、その主素材である網状体を腐食性繊
維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成したか
ら、山腹の法面などへの敷設後半年〜1年程度の期間は
必要な強度を保持し、前記網状体で前記法面などを保護
して植物の植生基盤を確保することができ、前記網状体
に付着保持された植物種子や前記張芝帯が保有する植物
種子を良好に育成させることができる。また、植物種子
が発芽して成長する頃には、前記網状体の大部分を分解
腐食させて土壌に同質化させることができ、このため、
前記網状体の全体が前記法面などに半永久的に残ったり
して公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与
することができる。
【0056】また、第2発明の緑化用植生基体は、その
主素材となる網状体を、ビスコース溶液に高分子エマル
ジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方を内添して
なる混繊レーヨンを用いて形成したから、前述した場合
と同様に、植物種子が発芽して成長するまでの所定期間
は前記網状体に必要強度を保持して、該網状体で植物の
植生基盤を確保でき、この網状体に付着保持された植物
種子や張芝帯が保有する植物種子を良好に育成させるこ
とができる。その上、植物の成長後には前記網状体の大
部分を分解腐食させることができるのであり、従って、
前記網状体の全体が前記法面などに半永久的に残ったり
して公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与
することができる。
主素材となる網状体を、ビスコース溶液に高分子エマル
ジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方を内添して
なる混繊レーヨンを用いて形成したから、前述した場合
と同様に、植物種子が発芽して成長するまでの所定期間
は前記網状体に必要強度を保持して、該網状体で植物の
植生基盤を確保でき、この網状体に付着保持された植物
種子や張芝帯が保有する植物種子を良好に育成させるこ
とができる。その上、植物の成長後には前記網状体の大
部分を分解腐食させることができるのであり、従って、
前記網状体の全体が前記法面などに半永久的に残ったり
して公害問題を招いたりすることなく、環境緑化に寄与
することができる。
【0057】さらに、第3発明の緑化用植生基体は、第
1発明の場合と同じく、その主素材である網状体を、腐
食性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成し
たから、一定期間は必要な強度を保持し、前記網状体で
法面などを保護して植物の植生基盤を確保でき、前記網
状体に貼着されたマット上の植物種子を良好に育成させ
ることができる。また、前記マット上の植物種子が発芽
して成長する頃には前記網状体の大部分が分解腐食され
て土壌と同質化させることができ、従って、公害問題を
招いたりすることなく、環境緑化に寄与することができ
る。
1発明の場合と同じく、その主素材である網状体を、腐
食性繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成し
たから、一定期間は必要な強度を保持し、前記網状体で
法面などを保護して植物の植生基盤を確保でき、前記網
状体に貼着されたマット上の植物種子を良好に育成させ
ることができる。また、前記マット上の植物種子が発芽
して成長する頃には前記網状体の大部分が分解腐食され
て土壌と同質化させることができ、従って、公害問題を
招いたりすることなく、環境緑化に寄与することができ
る。
【0058】また、第4発明の緑化用植生基体は、第2
発明と同じく、その主素材となる網状体を、ビスコース
溶液に高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なく
とも一方を内添してなる混繊レーヨンを用いて形成した
から、一定期間は前記網状体で法面などを保護して植物
の植生基盤を確保でき、前記網状体に貼着されたマット
上の植物種子を良好に育成させることができる。また、
前記マット上の植物種子が発芽して成長する頃には前記
網状体の大部分が分解腐食されて土壌と同質化させるこ
とができるために、公害問題を招いたりすることなく、
環境緑化に寄与することができる。
発明と同じく、その主素材となる網状体を、ビスコース
溶液に高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なく
とも一方を内添してなる混繊レーヨンを用いて形成した
から、一定期間は前記網状体で法面などを保護して植物
の植生基盤を確保でき、前記網状体に貼着されたマット
上の植物種子を良好に育成させることができる。また、
前記マット上の植物種子が発芽して成長する頃には前記
網状体の大部分が分解腐食されて土壌と同質化させるこ
とができるために、公害問題を招いたりすることなく、
環境緑化に寄与することができる。
【0059】さらに、以上の各発明において、前記網状
体の収容部内に、植生基材として高吸水性ポリマーを袋
体を介して収容させることにより、降雨などで前記高吸
水性ポリマーに水分を吸水させて、該高吸水性ポリマー
を収容する前記袋体を膨張させて前記網状体を前記法面
などに密着させることができ、このため、前記網状体を
前記法面などに固定するためのアンカーピンやアンカー
ボルトなどの必要本数を少なくなし、しかも、乾燥期な
どには前記高吸水性ポリマーで吸水保持された水分を徐
々に植物に供給して、植物が枯死したりするのを防止で
きる。
体の収容部内に、植生基材として高吸水性ポリマーを袋
体を介して収容させることにより、降雨などで前記高吸
水性ポリマーに水分を吸水させて、該高吸水性ポリマー
を収容する前記袋体を膨張させて前記網状体を前記法面
などに密着させることができ、このため、前記網状体を
前記法面などに固定するためのアンカーピンやアンカー
ボルトなどの必要本数を少なくなし、しかも、乾燥期な
どには前記高吸水性ポリマーで吸水保持された水分を徐
々に植物に供給して、植物が枯死したりするのを防止で
きる。
【図1】第1,第2発明にかかる緑化用植生基体の実施
例を示す斜視図である。
例を示す斜視図である。
【図2】第3,第4発明にかかる緑化用植生基体の実施
例を示す斜視図である。
例を示す斜視図である。
【図3】網状体の実施例を示す斜視図である。
【図4】同網状体の他の実施例を示す斜視図である。
【図5】同網状体の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】同網状体の他実施例を示す斜視図である。
【図7】同網状体の他実施例を示す斜視図である。
【図8】施工例を示す断面図である。
1…網状体、4…収容部、5…植生基材、6…植物種
子、9…マット。
子、9…マット。
Claims (5)
- 【請求項1】 網状体に植生基材を収容させる収容部を
形成すると共に、前記網状体に植物種子を付着保持さ
せ、或は、植物種子を保有する張芝帯を貼着させてなる
緑化用植生基体において、前記網状体を腐食性繊維と合
成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成したことを特徴
とする緑化用植生基体。 - 【請求項2】 網状体に植生基材を収容させる収容部を
形成すると共に、前記網状体に植物種子を付着保持さ
せ、或は、植物種子を保有する張芝帯を貼着させてなる
緑化用植生基体において、前記網状体を、高分子エマル
ジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方をビスコー
ス溶液に内添してなる混繊レーヨンを用いて形成したこ
とを特徴とする緑化用植生基体。 - 【請求項3】 網状体に植生基材を収容させる収容部を
形成すると共に、前記網状体に植物種子の発芽成育可能
なマットを貼着し、該マット上に植物種子を付着保持さ
せてなる緑化用植生基体において、前記網状体を腐食性
繊維と合成繊維とからなる混紡繊維を用いて形成したこ
とを特徴とする緑化用植生基体。 - 【請求項4】 網状体に植生基材を収容させる収容部を
形成すると共に、前記網状体に植物種子の発芽成育可能
なマットを貼着し、該マット上に植物種子を付着保持さ
せてなる緑化用植生基体において、前記網状体を、高分
子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方を
ビスコース溶液に内添してなる混繊レーヨンを用いて形
成したことを特徴とする緑化用植生基体。 - 【請求項5】 網状体の収容部内に、植生基材として高
吸水性ポリマーを袋体を介して収容させたことを特徴と
する請求項1,2,3,4のいずれかに記載の緑化用植
生基体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11685392A JPH0753993B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 緑化用植生基体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11685392A JPH0753993B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 緑化用植生基体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06185065A JPH06185065A (ja) | 1994-07-05 |
JPH0753993B2 true JPH0753993B2 (ja) | 1995-06-07 |
Family
ID=14697248
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11685392A Expired - Lifetime JPH0753993B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 緑化用植生基体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753993B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP11685392A patent/JPH0753993B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06185065A (ja) | 1994-07-05 |
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