JPH0626052A - 緑化用植生袋 - Google Patents

緑化用植生袋

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JPH0626052A
JPH0626052A JP11831492A JP11831492A JPH0626052A JP H0626052 A JPH0626052 A JP H0626052A JP 11831492 A JP11831492 A JP 11831492A JP 11831492 A JP11831492 A JP 11831492A JP H0626052 A JPH0626052 A JP H0626052A
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greening
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seeds
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Hiroyuki Kanbe
廣之 神部
Kiwamu Iizuka
究 飯塚
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 土のう用の植生袋を構成する素材の大半を、
植生種子が或る程度成育し繁茂して法面の緑化が達成さ
れて後に土壌と同質化させて、植生物の発育性や根付性
の良化と公害問題の防止を図る。 【構成】 植生物の発芽成育可能な目合いが形成された
網状体2を袋状に縫製して成る緑化用植生袋1におい
て、前記網状体2を、腐食性繊維と合成繊維とからなる
混紡繊維、または、高分子エマルジョン又は水溶性ポリ
マーの少なくとも一方をビスコース溶液に内添してなる
混繊レーヨンを用いて編織している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、道路法面の保護や河川
の護岸、築堤、山腹の緑化、災害時の復旧等あらゆる土
木分野(以下、法面を対象にして説明する。)において
活用される土のう用の緑化用植生袋に関する。
【0002】
【従来の技術】上記土のう用の緑化用植生袋として、植
生物の発芽成育可能な目合いが形成された網状体を袋状
に縫製して成るものがあり、法面の緑化に際しては、土
壌に植生種子や肥料、土壌改良材、バークやピートモス
等の有機物などを適宜混合した植生材料が投入される。
【0003】あるいは、実公昭46−8105号公報に
見られるように、上記の網状体を縫製して袋本体を形成
すると共に、当該袋本体の内面の一部に植生種子または
植生種子と肥料とを貼着して成るものや、実公昭62−
19710号公報に見られるように、網状体の一部の経
糸を表裏二重にすると共に表裏それぞれの経糸に緯糸を
編織して、植生基材(例えば遅効性や超遅効性の肥料、
保水材、土壌改良材の一種以上)を充填した袋体の袋収
容部を形成し、かつ、当該網状体を縫製して袋本体を形
成すると共に、この袋本体の内外面少なくとも一方の面
部に、植生種子または植生種子と肥料とを貼着して成る
緑化用植生袋もある。これらの公報に見られる緑化用植
生袋においては、法面の緑化に際して土壌が投入され、
あるいは必要に応じて、土壌に植生種子や肥料、土壌改
良材、バークやピートモス等の有機物などを適宜混合し
た植生材料が投入される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の植生袋を構成す
る網状体は一般に合成樹脂製の繊維によって編織される
が、これらは植物性や動物性の素材とは異なり、長年月
のうちに風雨に曝されて風化または腐食して植生基材や
土壌と同質化することがなく、そのまま半永久的に法面
に残って公害問題を惹起したり、成長しつつある植生物
の発育性や根付性を悪化させたりする問題があった。
【0005】このような不都合を回避するために、例え
ばジュート等の植物性の素材や、それほど長期間を経な
くとも完全に腐食するいわゆる腐食性のビスコースレー
ヨン(再生セルロース)を素材にして、あるいは、腐食
性を有する生分解性プラスチックを素材にして、網状体
や袋体を編織する試みも提案されているが、これらの素
材は法面に設置してから2ヶ月程度を経過すると腐食し
てしまうもので、土のうに保持させた種子が発芽し十分
に成育して繁茂するには2ヶ月といった期間は余りにも
短過ぎ、この間に引張強度がなくなってしまうことは、
降雨や凍上による土のう内土壌の流亡阻止面で致命的で
あることから殆ど実施されていないのが現状である。
【0006】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、法面の保護ならびに植生物の育成面から、
法面への設置後、半年〜1年程度の期間は袋体として十
分な引張強度が維持され、この後、公害防止の面から、
構成素材の大部分が分解腐食して土壌と同質化する条件
を備えた理想的な緑化用植生袋を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに第1発明では、植生物の発芽成育可能な目合いが形
成された網状体を袋状に縫製して成る緑化用植生袋にお
いて、前記網状体を、腐食性繊維と合成繊維とから成る
混紡繊維を用いて編織したことを特徴としている。第2
発明では、植生物の発芽成育可能な目合いが形成された
網状体を縫製して袋本体を形成すると共に、当該袋本体
の内外面少なくとも一方の面部の少なくとも一部に、植
生種子または植生種子と肥料とを貼着して成る緑化用植
生袋において、前記網状体を、腐食性繊維と合成繊維と
から成る混紡繊維によって編織したことを特徴としてい
る。第3発明では、植生物の発芽成育可能な目合いが形
成される網状体の一部の経糸を表裏二重にすると共に表
裏それぞれの経糸に緯糸を編織して、前記網状体に植生
基材充填袋の収容部を形成し、かつ、当該網状体を縫製
して袋本体を形成すると共に、この袋本体の内外面少な
くとも一方の面部の少なくとも一部に、植生種子または
植生種子と肥料とを貼着して成る緑化用植生袋におい
て、前記網状体を、腐食性繊維と合成繊維とから成る混
紡繊維によって編織したことを特徴としている。
【0008】第4発明では、植生物の発芽成育可能な目
合いが形成された網状体を袋状に縫製して成る緑化用植
生袋において、前記網状体を、高分子エマルジョン又は
水溶性ポリマーの少なくとも一方をビスコース溶液に内
添してなる混繊レーヨンによって編織したことを特徴と
している。第5発明では、植生物の発芽成育可能な目合
いが形成された網状体を縫製して袋本体を形成すると共
に、当該袋本体の内外面少なくとも一方の面部の少なく
とも一部に、植生種子または植生種子と肥料とを貼着し
て成る緑化用植生袋において、前記網状体を、高分子エ
マルジョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方をビス
コース溶液に内添してなる混繊レーヨンによって編織し
たことを特徴としている。第6発明では、植生物の発芽
成育可能な目合いが形成される網状体の一部の経糸を表
裏二重にすると共に表裏それぞれの経糸に緯糸を編織し
て、前記網状体に植生基材充填袋の収容部を形成し、か
つ、当該網状体を縫製して袋本体を形成すると共に、こ
の袋本体の内外面少なくとも一方の面部の少なくとも一
部に、植生種子または植生種子と肥料とを貼着して成る
緑化用植生袋において、前記網状体を、高分子エマルジ
ョン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方をビスコース
溶液に内添してなる混繊レーヨンによって編織したこと
を特徴としている。
【0009】
【作用】第1〜第3発明においては、微生物によって分
解腐食される腐食性繊維と、微生物によっては分解され
ない合成繊維とから成る混紡繊維によって網状体を編織
しており、かゝる構成の網状体によれば、腐食性繊維が
短期間で分解腐食すると共に、合成繊維も経時的に脆く
なって引張強度が低下するが、この合成繊維の引張強度
の低下は非常に緩速であるから、当該網状体に長期間に
わたって相当の引張強度を保持させることができる。即
ち、腐食性繊維と合成繊維とを所定の割合で、例えば腐
食性繊維60〜80%と合成繊維40〜20%の割合で
混合した混紡繊維を用いて網状体を編織することによっ
て、植生物が或る程度成育し繁茂するまでの期間(法面
への緑化用植生袋の設置後半年〜1年半程度)は、緑化
用植生袋に必要な強度を保持させることができるのであ
る。そして、植生物が或る程度成育し繁茂した頃には、
腐食性繊維は微生物によって分解腐食されて土壌と同質
化されることになり、一部に合成繊維が残るものの、網
状体の大半が土壌と同質化することから大きな公害問題
に至らず、環境の良化に寄与することができる。
【0010】第4〜第6発明においては、微生物によっ
て分解腐食され難いエマルジョンやポリマーを内添させ
た混繊レーヨンによって網状体を編織しており、かゝる
構成によれば、ビスコースレーヨン自体は微生物によっ
て分解腐食されて経時的に強度が低下するものの、ビス
コース溶液の段階でエマルジョンやポリマーを内添させ
ることによって混繊レーヨンの引張強度がアップするこ
とから、当該混繊レーヨンの分解腐食が非常に緩速で行
われることになる。一方、ビスコース溶液には本来多量
の水酸基が含まれているが、このビスコース溶液にエマ
ルジョンやポリマーを内添させることによって混繊レー
ヨン全体の水酸基量は少なくなり、而して、この混繊レ
ーヨンによって編織したときの網状体に対する水分吸収
が少なくなって、当該混繊レーヨンの微生物による分解
腐食を抑制できることと、前記エマルジョンやポリマー
の内添による混繊レーヨンの引張強度のアップとが相乗
することで、法面への設置後半年〜1年程度の期間は緑
化用植生袋に必要な強度を保持させることができる。そ
して、混繊レーヨンに内添されるエマルジョンやポリマ
ーは微生物によっては腐食され難いが、このエマルジョ
ンやポリマーはレーヨンの腐食に伴って分解されて土壌
と同質化することから、緑化用植生袋が半永久的に法面
などに残るといった公害問題に繋がらず、環境の良化に
寄与することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は土のうに構成した緑化用植生袋1の一例を
示し、図2は植生袋1を構成するところの植生物の発芽
成育が可能な目合いを有する網状体2を示すものであっ
て、この網状体2の上端縁2aを折り返して括り紐3の挿
通部4を形成すると共に、当該網状体2を左右方向で二
つ折りして、その左右の縁部2b,2cと下端縁両側2d,2e
を縫着することにより、図3に示す土のう用の袋本体5
が構成される。法面の緑化に際しては、土壌に植生種子
や肥料、保水材、土壌改良材などを適宜混合した植生材
料を袋本体5に投入し、口部を緊縛して図1に示す土の
うを構成し、この土のうを法面の所定箇所に持ち込ん
で、当該土のうを法面の格子枠内に張り付けたり段積み
されたりする。
【0012】本発明では、上記の緑化用植生袋1を構成
する網状体2を、腐食性繊維と合成繊維とから成る混紡
繊維によって編織し、かつ、当該網状体2を袋に縫製す
る糸ならびに口部緊縛用の括り紐3も同じく混紡繊維製
としている。この混紡繊維の腐食性繊維としては、微生
物によって経時的に分解腐食される例えば綿、絹、麻な
どの天然繊維やビスコースレーヨンなどの生分解性化学
繊維などを選択でき、合成繊維としては、微生物では分
解されることなく半永久的に所定の引張強度が確保され
る例えばポリビニールアルコールなどのビニロン系、ポ
リエステルなどのポリエステル系、ナイロンなどのポリ
アミド系、及び、アクリルなどのポリアクリルニトリル
系などの合成繊維を選択できる。混紡繊維の組成として
は、腐食性繊維60〜80%と合成繊維40〜20%の
割合で混合したものが好ましい。
【0014】次に、腐食性繊維としてビスコースレーヨ
ンを、合成繊維としてポリエステルを用い、これら両者
をビスコースレーヨン70%に対してポリエステルを3
0%の比率で配合した混紡繊維と、その比較例としてビ
スコースレーヨンを単独使用した場合の引張強度につい
て試験を行ったところ、表1に示す結果が得られた。
尚、両者の引張試験は、微生物の活性が高くて、繊維の
分解腐食による強度低下が最も起こり易い7月に開始し
た。
【0015】
【表1】
【0016】表1から明らかなように、比較例として用
いたビスコースレーヨンは、約2ヶ月を経過すると引張
強度が0となったのに対し、混紡繊維においては、設置
時から徐々に微生物による分解腐食で強度低下が起こる
ものの、1年半経過時の引張強度が1.2Kgもあるこ
とが判明した。尚、網状体2を構成する混紡繊維の素線
1本当たりの引張強度が0.5Kg以上あれば、袋本体
5を法面に設置した際の降雨や凍上による土のう内土壌
の流亡が防止されることから、引張強度が1.2Kgも
あれば法面の保護が十分に達成される。
【0017】而して、第1発明による緑化用植生袋1に
おいては、網状体2と縫製糸ならびに括り紐3の構成素
材として、半年乃至1年半程度は十分に強度が維持さ
れ、その後、時間の経過と共に強度が低下して、やがて
は腐食して土と同質化する特性の腐食性繊維と、合成繊
維とから成る混紡繊維を選択しているので、上記の期間
中は勿論のこと、それ以上の期間にわたって袋本体5内
の土壌や植生材料などの流亡が効果的に防止される。こ
の間に、袋本体5内の植生種子が発芽成育し且つ繁茂す
ることによって、法面の緑化保護が達成されると共に、
以後の腐食性繊維の腐食による土との同質化によって植
生物の発育性や根付性が良化され、かつ、植生袋1の大
半(腐食性繊維)が腐食しても、それまでに植生物が成
育していることによって法面の緑化保護が永続的に維持
されることになる。
【0018】尚、上記の植生材料に、下水汚泥等を処理
して粉粒状にした例えばピーエムCザイ(上毛緑産工業
株式会社所有登録商標名)を増量材として加えたり、あ
るいは、上記のピーエムCザイは肥効性や保水性を有す
ることから、当該ピーエムCザイに植生種子を加えたも
のだけを袋本体5に収容させて土のうを構成するもよ
い。また、上記の法面緑化に際して、一般には緑化用植
生袋1に土壌や植生材料を投入させた土のうを法面に持
ち込む手段がとられているが、上記の植生種子や肥料、
保水材、土壌改良材、ピーエムCザイ、その他バークや
ピートモス等の有機物などを適宜混合撹拌した乾式の植
生材料を、法面の所定箇所にポンプアップさせるように
し、かつ、その箇所に緑化用植生袋1を持ち込んで、こ
こで緑化用植生袋1内に上記の植生材料を投入して土の
うを構成し、この土のうを法面の格子枠内に張り付けた
り段積みしたりする手段をとるもよく、土のうを法面に
持ち込む手段に比べて、安全且つ能率的に法面の緑化保
護が達成される。
【0019】図4乃至図6は別実施例の土のうを構成す
る緑化用植生袋1の一例を示し、この実施例では、腐食
性繊維と合成繊維とから成る混紡繊維によって網状体2
を編織し、この網状体2の一方の面の半面2Aの全域に、
図4に示すように、牧草や野草など適宜の植生種子6と
肥料7および保水剤8を、例えばポリビニルアルコール
などの水溶性の発泡接着剤9によって貼着させている。
そして、この網状体2の上端縁2aを折り返して括り紐3
の挿通部4を形成すると共に、植生種子6などを貼着さ
せた半面2A部分を外面に向けるように二つ折りし、その
左右の縁部2b,2cと下端縁両側2d,2eを縫着して図6に
示す土のう用の袋本体5が構成されている。
【0020】尚、前記植生種子6と肥料7および保水剤
8を網状体2に直接貼着させているが、その他、水溶性
の二枚の紙間に植生種子を挟着させた所謂張芝を網状体
2に貼着させる等の手段を採用可能である。また、植生
種子6などを袋本体5の一方の面の半面2Aの全域に貼着
させて、当該植生種子6などを外面に向けて袋本体5を
構成しているが、植生種子6などを内面に向けるように
してもよく、また、植生種子6などを半面2Aの一部や、
一方の面の全域あるいはその一部に貼着させて実施可能
であり、更には、網状体2の両面の全域あるいはその一
部に貼着させても実施可能である。
【0021】法面の緑化に際しては、袋本体5に土壌の
みを投入し、あるいは、土壌に植生種子や肥料、保水
材、土壌改良材、ピーエムCザイなどを適宜混合した植
生材料を袋本体5に投入し、かつ、口部を緊縛して図6
に示す土のうを構成する。この土のうを法面の所定箇所
に持ち込んで、植生種子6などを外方に向けるようにし
て、当該土のうを法面の格子枠内に張り付けたり段積み
されたりするのであり、かゝる法面の緑化形態において
は、袋本体5内の植生種子に加えて更に、植生袋1に貼
着された植生種子6が発芽成育し且つ繁茂することによ
って、法面の緑化保護が一層良好に達成される。
【0022】図7に更に別実施例の土のうを構成する緑
化用植生袋1の一例を示す。この実施例では、腐食性繊
維と合成繊維とから成る混紡繊維によって網状体2を編
織するに際して、図8に示すように、網状体2の一部に
おける5〜6本の緯糸10に相当する範囲の1本置きの経
糸11を表裏二重にすると共に、この表裏それぞれの経糸
11に緯糸10を表裏交互に絡ませて、網状体2の一部に袋
収容部12を形成している。そして、網状体2の袋収容部
12とは反対側の半面2Bの全域に、牧草や野草など適宜の
植生種子6と肥料7および保水剤8を例えばポリビニル
アルコールなどの水溶性の発泡接着剤9によって貼着
し、あるいは、水溶性の二枚の紙間に植生種子を挟着さ
せた所謂張芝を網状体2に貼着させて、前記植生種子6
などを貼着させた半面2Bを外側に向けるようにして網状
体2を二つ折りにし、かつ、その二辺を縫着して袋本体
5を形成している。
【0023】上記の袋収容部12には、図9に示すよう
に、例えば遅効性や超遅効性の肥料、保水材、土壌改良
材の一種以上の植生基材13を充填させた袋体14が収容さ
れ、かつ当該袋本体5内に適宜、植生種子や肥料、保水
材、土壌改良材、ピーエムCザイ、その他バークやピー
トモス等の有機物、土壌等が投入されている。尚、上記
の植生基材13を充填させる袋体14として、植生基材13に
植生種子が含まれる場合は、パルプやスフあるいはこれ
らを混紡した比較的薄手の不織布を選択することが、植
生種子の発芽面で好適である。また、袋体14に充填され
る植生基材13に植生種子が含まれない場合は、パルプや
レーヨンあるいはこれらを混紡した比較的厚手の不織布
を選択すると、肥料がゆっくりと滲み出すことから肥効
が長期間にわたって維持され、あるいは、土壌改良材や
保水材等の流亡が効果的に防止されるので好適である
が、必ずしもこれらに限られるものではない。
【0024】ところで、上記の各実施例による植生袋1
の網状体2の構成素材として、腐食性繊維と合成繊維と
から成る混紡繊維を選択しているが、高分子エマルジョ
ン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方をビスコース溶
液に内添してなる混繊レーヨンによって網状体2を編織
し、この網状体2によって土のうを構成しても、法面の
緑化保護が好適に達成される。
【0025】即ち、ビスコースレーヨン自体は微生物に
よって分解腐食されて経時的に強度が低下するものの、
このビスコース溶液の段階でエマルジョンやポリマーを
内添させることによって、前記混繊レーヨンの引張強度
がアップされ、かつ、ビスコース溶液には本来多量の水
酸基が含まれているが、これにエマルジョンやポリマー
を内添させることによって混繊レーヨン全体の水酸基量
は少なくなり、而して、この混繊レーヨンによって編織
したときの植生袋に対する水分吸収が少なくなることか
ら、当該混繊レーヨンの微生物による分解腐食を抑制で
き、この分解腐食の抑制とエマルジョンやポリマーの内
添による混繊レーヨンの引張強度のアップとが相乗し
て、法面への設置後半年〜1年程度の期間は緑化用植生
袋に必要な強度を保持させることができるのである。一
方、ポリマーやエマルジョンは微生物によっては腐食さ
れ難いが、このポリマーやエマルジョンはレーヨンの腐
食に伴って分解されて土壌と同質化するもので、緑化用
植生袋が半永久的に法面に残ることがなく、この混繊レ
ーヨンも法面の緑化に好適に使用することができるので
ある。
【0026】この混繊レーヨンとしては、微生物によっ
て分解腐食される再生セルロースから成るビスコース溶
液に、微生物では分解腐食されず且つレーヨンの分解腐
食による強度低下を補う高分子エマルジョン(例えば酢
酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂
など)と、水溶性ポリマー(例えばポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアマイドなど)の何れか一方を、ビス
コース溶液の段階で内添させたもの、あるいは、エマル
ジョンとポリマーとの両者を内添させたものが使用され
る。尚、混繊レーヨンの組成としては、ビスコース溶液
に高分子エマルジョンや水溶性ポリマーを2〜15%の
割合で内添させたものが好ましい。
【0028】次に、高分子エマルジョンとして酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョンの5%をビスコースレーヨンに内添
させた1000デニールの混繊レーヨンと、その比較例
として1000デニールのビスコースレーヨンを単独使
用した場合の引張強度について試験を行ったところ、表
2に示す結果が得られた。尚、両者の引張試験は、前述
した場合と同様に、微生物の活性が高くて、繊維の分解
腐食による強度低下が最も起こり易い7月に開始した。
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、比較例として用
いたビスコースレーヨンは、約2ヶ月を経過すると引張
強度が0となったのに対し、混繊レーヨンにおいては、
法面への設置時から徐々に微生物による分解腐食で強度
低下が起こるものの、1年経過時の引張強度が0.6K
gもあり、この混繊レーヨンにより編織した緑化用植生
袋によっても法面の緑化保護が好適に達成されることが
理解できる。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、第1〜第3発明に
おいては、網状体の構成素材として腐食性繊維と合成繊
維とから成る混紡繊維を選択したことで、法面への設置
後半年〜1年半程度の期間は網状体に必要な強度を保持
させることができるようになり、降雨や凍上による土の
う内土壌の流亡防止と法面の緑化保護が効果的に達成さ
れる。そして、植生物が或る程度成育し繁茂した頃に
は、網状体の大部分が分解腐食して土壌と同質化される
ことになり、一部に合成繊維が残るものの、網状体の大
半が土壌と同質化することから大きな公害問題に至ら
ず、環境の良化に寄与することができる。
【0032】第4〜第6発明においては、網状体の構成
素材として高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少
なくとも一方をビスコース溶液に内添してなる混繊レー
ヨンを選択したことで、上述した場合と同様に、植生物
が或る程度成育し繁茂するまでの所定期間は網状体に必
要な強度を保持させることができると共に、やがては網
状体の殆ど全てが分解腐食して土壌と同質化することか
ら公害問題に至らず、環境の良化に寄与することがで
き、全体として、法面の保護ならびに植生物の育成面で
必要な期間にわたって引張強度が維持されると共に、公
害防止の面から構成素材の大部分が土壌と同質化する条
件を備えた理想的な素材による植生袋を提供できるに至
ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】土のうに構成した緑化用植生袋の一例を示す斜
視図である。
【図2】網状体の平面図である。
【図3】袋本体の斜視図である。
【図4】第1別実施例の網状体の平面図である。
【図5】第1別実施例の植生種子や肥料などの貼着部の
拡大図である。
【図6】第1別実施例の緑化用植生袋を土のうに構成し
た斜視図である。
【図7】第2別実施例の緑化用植生袋の正面図である。
【図8】第2別実施例の袋収容部付き網状体の平面図で
ある。
【図9】第2別実施例の緑化用植生袋の断面図である。
【符号の説明】
2…網状体、5…袋本体、6…植生種子、7…肥料、10
…緯糸、11…経糸。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植生物の発芽成育可能な目合いが形成さ
    れた網状体を袋状に縫製して成る緑化用植生袋におい
    て、前記網状体を、腐食性繊維と合成繊維とから成る混
    紡繊維を用いて編織してあることを特徴とする緑化用植
    生袋。
  2. 【請求項2】 植生物の発芽成育可能な目合いが形成さ
    れた網状体を縫製して袋本体を形成すると共に、当該袋
    本体の内外面少なくとも一方の面部の少なくとも一部
    に、植生種子または植生種子と肥料とを貼着して成る緑
    化用植生袋において、前記網状体を、腐食性繊維と合成
    繊維とから成る混紡繊維によって編織してあることを特
    徴とする緑化用植生袋。
  3. 【請求項3】 植生物の発芽成育可能な目合いが形成さ
    れる網状体の一部の経糸を表裏二重にすると共に表裏そ
    れぞれの経糸に緯糸を編織して、前記網状体に植生基材
    充填袋の収容部を形成し、かつ、当該網状体を縫製して
    袋本体を形成すると共に、袋本体の内外面少なくとも一
    方の面部の少なくとも一部に、植生種子または植生種子
    と肥料とを貼着して成る緑化用植生袋において、前記網
    状体を、腐食性繊維と合成繊維とから成る混紡繊維によ
    って編織してあることを特徴とする緑化用植生袋。
  4. 【請求項4】 植生物の発芽成育可能な目合いが形成さ
    れた網状体を袋状に縫製して成る緑化用植生袋におい
    て、前記網状体を、高分子エマルジョン又は水溶性ポリ
    マーの少なくとも一方をビスコース溶液に内添してなる
    混繊レーヨンによって編織してあることを特徴とする緑
    化用植生袋。
  5. 【請求項5】 植生物の発芽成育可能な目合いが形成さ
    れた網状体を縫製して袋本体を形成すると共に、当該袋
    本体の内外面少なくとも一方の面部の少なくとも一部
    に、植生種子または植生種子と肥料とを貼着して成る緑
    化用植生袋において、前記網状体を、高分子エマルジョ
    ン又は水溶性ポリマーの少なくとも一方をビスコース溶
    液に内添してなる混繊レーヨンによって編織してあるこ
    とを特徴とする緑化用植生袋。
  6. 【請求項6】 植生物の発芽成育可能な目合いが形成さ
    れる網状体の一部の経糸を表裏二重にすると共に表裏そ
    れぞれの経糸に緯糸を編織して、前記網状体に植生基材
    充填袋の収容部を形成し、かつ、当該網状体を縫製して
    袋本体を形成すると共に、袋本体の内外面少なくとも一
    方の面部の少なくとも一部に、植生種子または植生種子
    と肥料とを貼着して成る緑化用植生袋において、前記網
    状体を、高分子エマルジョン又は水溶性ポリマーの少な
    くとも一方をビスコース溶液に内添してなる混繊レーヨ
    ンによって編織してあることを特徴とする緑化用植生
    袋。
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