JP4969906B2 - 二重編み植生ネット及びこれを用いた植生マット並びにこの二重編み植生ネットまたは植生マットを用いた緑化工法 - Google Patents

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Description

この発明は、例えば法面の緑化工法に用いられる緑化用の植生ネット及びこれを用いた植生マット並びにこの植生ネットまたは植生マットを用いた緑化工法に関する。
この種の植生ネットが、最低限具備させねばならない機能は、網体で裸地面を覆うことによって表層侵食の防止を図ることである。
ところで、従来の二重編み植生ネットでは、縦糸、横糸が、表裏とも同じ位置に配置され、つまりは表側のネットの縦糸と裏側のネットの縦糸、また、表側の横糸と裏側のネットの横糸とが上下に重合されて編まれていた。
特許公開2005−9202号公報 特開平06−185060号公報 特開平06−026055号公報 特開平05−148841号公報 特開平06−257158号公報
ところが、このような構造では、例えばネットによる法面の被覆面積(率)を増加させるには、繊維量を増やす、つまりは質量を増やすことが必要となり、コストアップにつながる。
また、植生ネットの機能を保つために、縦糸若しくは横糸の強度は一定以上必要である。
しかし、先駆樹種などの成長の早い樹木を斜面に導入しようとした場合には、この植生ネットの糸により、幹が締め付けられ、例えば強風などによって倒れるおそれが増大する。当然に、この植生ネットにより締め付けられた樹木の成長は自然状態ではなく、場合によっては成長が阻害される。
そこで本発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、ネットの質量を増加させることなく廉価に提供でき、また、ネット強度を低下させることなく、しかも先駆樹種などの成長を上手く促せる二重編み植生ネット及びこれを用いた植生マット並びにこの二重編み植生ネットまたは植生マットを用いた緑化工法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、第1発明では、請求項1に記載のように、二重ネットを構成するフロントネットとバックネットの何れか一方または両方のネットに目合いの粗密を設け、粗の目合いと密な目合いとをずらし、一方のネットの粗の目合いと他方のネットの密な目合いとが重なり合うようにして両ネットを編織したものである。
上記の構成の二重編み植生ネットにおいて、例えば、フロントネットの目合いの粗の部位にバックネットの目合いの密な部分を重ね合わせることで、先ず、第一に被地面積を、従来の二重編み植生ネットと同等に保てる。また、例えば、フロントネットの目合いの粗の部位にバックネットの目合いの粗の部分を重ね合わせることで、二重ネット全体としては、目合いに粗密が形成され、特にこの粗の部位に木本類を植え付けることで、その成長を良好に促す。また、ネット質量の軽減化が図れる。したがってまた、縦糸若しくは横糸の質量の軽減化で、糸の強度の調整も可能になり、フロントネットの目合いの粗の部位にバックネットの目合いの密な部分を重ね合わせたとしても、木本類の成長を良好に促す。つまり、例えば樹木を傾斜地に導入する場合、従来の二重ネットのように、ネットを構成する糸がフロントネット、バックネット共々に樹木の幹を締め付ける構造と違って、縦糸若しくは横糸の質量を、例えば半減できて、その糸の強度を調整でき、樹木の幹の成長に伴うネットからの締め付けを受けることなく生長を促すことができる。
以上、本第1発明は、ネット質量の軽減化を図りながらも裸地面の被覆面積は従来の二重ネットと同等或いはそれ以上に増大でき、表層浸食効果を改善する。しかも高強度の糸を採用すればネット強度を低下させることもなく、また、廉価で提供できる。併せて木本類の生長を阻害するおそれが少なくなる利点がある。
また、本第2発明は、請求項2に記載のように、二重ネットを構成するフロントネットとバックネットにおいて、フロントネットの横糸がバックネットの目合いの縦方向寸法の中間位置にくるようにして編み込むことで、フロントネットの目合いとバックネットの目合いとをずらして構成したものである。
上記の構成の二重編み植生ネットにおいて、表裏両ネットの目合いが従来と同じ場合には、得られたネットの目合いは、実質的に従来の半分の大きさの、つまりは細かな目合いとなり、被地面積が格段に増大する。
したがって、この第2発明では、ネット質量の軽減化を図れると共に裸地面の被覆面積は従来の二重ネットと同等或いはそれ以上に増大でき、表層浸食効果を改善する。しかもネット強度を低下させることもなく、また、廉価で提供できる。併せて木本類の生長を阻害するおそれも格段に少なくなる利点がある。
更に本第3発明は、請求項3に記載のように、二重ネットを構成するフロントネットとバックネットの横糸、または縦横両方の糸を、フロントネットとバックネットとでずらすことによりフロントネットの目合いとバックネットの目合いとをずらし、裸地面の被覆面積を従来の二重編み植生ネットと同等に保ちながら、ネット質量の軽減化を図ったものである。
上記の構成の二重編み植生ネットにおいて、例えば、フロントネットとバックネットの目合いを従来の少なくとも倍にしても、裸地面の被覆面積を従来の二重編み植生ネットと同等に保つことができる。その結果、フロントネット或いはバックネットの何れか一方、若しくは両方のネットの質量の軽減化が図れる。したがってまた、縦糸若しくは横糸の質量の軽減化で、糸の強度の調整も可能になる。
したがって、この第3発明では、ネットの質量の軽減化を図りながらも裸地面の被覆面積は従来の二重ネットと同等にでき、表層浸食効果を改善する。しかもネット強度を低下させることもなく、また、廉価で提供できる。併せて木本類の生長を阻害するおそれも格段に少なくなる利点がある。
また、以上の本第1発明〜第3発明において、請求項4に記載のように、縦糸に高強度の糸を一本置き若しくは数本置きに配置するのが望ましい。
糸の強度を調整することで、樹木の幹の成長に伴うネットからの締め付けを受けることなく、生長を促すことができながらも、ネットの縦方向の強度が上手く保たれ、所期の裸地被覆作用が上手く達成できるからである。
また、本第4発明に係る植生マットは、請求項5に記載のように、請求項1〜4に記載の二重編み植生ネットにシート状体、種子、肥料または肥料袋のうち、少なくとも一つを付着させたものである。
この第4発明に係る植生マットは、請求項1〜4に記載の二重編み植生ネットにシート状体、種子、肥料または肥料袋のうち、少なくとも一つを付着させものであるから、請求項1〜4に記載の発明による効果を奏することに加えて、裸地の植生を上手く促し、所期の環境緑化に寄与できる。
更に、本第5発明に係る緑化工法は、請求項6に記載のように、請求項1〜4のいずれかに記載の二重編み植生ネットを法面に張設した後に植生基材を吹き付けるものである。
この本第5発明に係る緑化工法は、請求項1〜4に記載の発明による効果を奏することに加えて、ネットの位置ずれ防止機能や法面表土ならびに植生基材の保持機能を有せしめ得る植生基体を、植生材料収容袋を確実に保持できるものにして、安価に提供することができる。
そして、本第6発明に係る緑化工法は、請求項5に記載の植生マットを法面に張設するものである。
この本第6発明に係る緑化工法にあっては、請求項5に記載の植生マットを法面に張設して、植物種子を含む植生基材を吹き付けることで、法面の緑化が好適に行われるのであって、上記した二重編み植生ネットを用いることから、請求項1〜5に記載の発明による効果を奏することに加えて、袋収納部に植生材料収容袋を確実に保持させる作業が容易であって、植生基体そのものの取扱いも簡単であり、更に、法面に対する植生ネットの強固な設置や、二重編み植生ネットに吹き付ける植生基材や法面表土の流失防止が可能であって、法面の緑化をコスト的に安価に達成することができる。
(実施例1)
以下、本発明の実施例を図1,2に基づいて説明する。
この二重編み植生ネット(以下、単に植生ネットという)1は、二重ネット構造で、上側のフロントネット2と下側のバックネット3とからなる。両ネット2、3の目合い4,5は何れも縦横が2インチ程度のもので、例えば従来の一般的なネットの目合いに比べてほぼ倍の大きさの目合いになるように形成されている。一例として、図1に示される構造では、縦糸方向30mm、横糸方向15mmである。この数値はあくまでも一例で、例えば、横糸方向にも倍の寸法、つまり30mmにしてみたり、逆に縦糸方向15mm、横糸方向30mmにするなど、必要に応じて種々の形態を採用できる。また、寸法もここに例示したものに限定されることなく、必要に応じて種々選択できることは言うまでもない。
両ネット2、3は、図1に示すように、フロントネット2をバックネット3に対して、その目合いの縦寸法の半分の長さ寸法で、つまり一つの目合いを一ピッチとすると、半ピッチ分縦方向にずらせ、このフロントネット2の横糸6がバックネット3の目合い5の縦方向寸法の丁度中間位置にくるようにして編み込まれる。
その結果、従来の二重ネットと同じ目合い寸法を得られながら、少なくともフロントネット2の横糸6とバックネット3の横糸7は従来の半分で済むことになって、ネットの質量の格段の軽量化が達成され、大変廉価に提供できる。併せて裸地面の被覆面積は従来の二重ネットと同等にでき、表層浸食効果も同等のものを期待できる。しかも高強度の糸を採用すればネット強度を低下させることもない。また、少なくともフロントネット2の横糸6とバックネット3の横糸7は半ピッチずれて存在しているから、決して重合することがない。その結果、従来の二重ネットのように上下の横糸が二重に重なって剛の構造であるのに比べて、幹が締め付けられるおそれが少なく、例えば強風などによって倒れるおそれがなく、木本類の生長を阻害するおそれも格段に少なくなる利点がある。
上記の両ネット2,3の具体的な編織は、以下のようにして行われる。
即ち、目合いの大きさが縦糸方向30mm、横糸方向15mmで、横糸方向の幅が約100cmの植生ネット1を編織するものとして、フロントネット2の縦糸8とバックネット3の縦糸9を構成するモノフィラメント糸夫々65本を15mm間隔にして鎖編みしていくと共に、これらにフラットヤーンから成るネット編織用の横糸6,7を夫々に順次絡ませて、植生ネット1を編織するのである。
更に具体的に説明するため、図2に示すように、ここではこの植生ネット1をフロントネット2とバックネット3に分離して表現する。両ネット2,3は、例えばポリエチレンを素材にして編織されている。このうちのフロントネット2は、例えば380デニールのポリエチレン製のモノフィラメントを鎖編みした縦糸8の隣り合う二本に渡って、例えば1000デニールのポリエチレン製のフラットヤーン(例えば幅が2.5mmで厚みが49μm)からなる横糸6をジグザク状に編み込んでなる。
一方、バックネット3の縦糸9は、例えば380デニールのポリエチレン製のモノフィラメントを鎖編みしてなり、この縦糸9に直交する横糸7は、ポリエチレン製である、例えば1000デニールのフラットヤーン(例えば幅が2.5mmで厚みが49μm)からなる横糸7をジグザク状に編み込んでなる。
そして、図1,2に示すように、上記の両ネット2,3を、その互いの目合い4,5を半ピッチずらせて、重ね合わせた構成となるように、ダブルラッセル編機によって二重ネットを編織し、もって植生ネット1を得るものである。
(実施例2)
次に実施例2に示す植生ネットは、図3に示すように、フロントネット2もバックネット3も共々に、縦方向に目合いが粗である部分4A、5Aと密である部分4B、5Bを交互に形成し、両ネットを編織する段階で、フロントネット2の粗の目合い4Aがバックネット3の密な目合い5Bに重なり合うようにしたものである。粗である部分は4A、5Aの具体構成は、図示するように、両ネット2,3ともに所定間隔で横糸6,7を織り込まない部分を設けて形成される。図例では横糸本置きに、本の横糸を織り込まない部分を設けて形成している。なお、これはあくまでも、模式的に示された図面上のことで、実際とは整合しないことはいうまでもない。
得られた二重ネット1は、結果として図1、図2に示す構造と同じく、縦・横に目合いが整然と整った形のネットとなる。また、奏し得られる作用効果も、実施例1と同様である。
(実施例3)
次に、実施例3に示す植生ネットは、図4に示すように、縦糸方向に所定間隔置きで袋収納部11を備え、この袋収納部11に、図7に示すように、例えば肥料基材入り袋12などを収納する。この肥料基材入り袋12は、降雨などにより肥料養分が徐々に滲み出すような厚みと通気性を有する腐食性の素材で構成された袋体に、肥料や土壌改良剤、保水剤などの植物の生育に直接的または間接的に必要な肥料材料を収納してなる。
また、この実施例3の二重ネット1は、基本的には実施例1と同様に、縦・横に整然とした目合い4,5が形成されている。しかし、袋収納部11の上端と下端とは、強度を持たせる意味からも、次のように構成される。先ず、袋収納部11の上端に対応するバックネット3の相隣り合う一対の横糸7の中間部に一本の横糸7Aを編織し、フロントネット2の横糸6と重合させるようにする。他方、袋収納部11の下端に対応するフロントネット2の相隣り合う一対の横糸6の中間部に一本の横糸6Aを編織し、バックネット3の横糸7と重合させるようにする。このように、袋収納部11の上下両端では横糸が二重に重なり合うので、その強度が高まる。
前記袋収納部11は、上記二重ネット1を重ね合わせると共に、ポリエチレン製の例えば380デニールのモノフィラメントの綴じ糸によって、両ネット2,3の互い対向する縦糸8,9を縦糸方向並びに横糸方向で所定間隔置に綴じ合わせて、横糸方向で縦糸8,9が全く綴じ合わさない部分を形成し、この縦糸8,9が全く綴じ合わさない部分の両ネット間を袋収納部11としてある。更に具体的には、横糸方向の各縦糸を、縦糸方向で2目合い半分を残して6目合い分ずつ綴じ糸で綴じ、袋収納部11では綴じ糸を例えばフロントネット2側或いはバックネット3側の何れか一方の縦糸8,9(又は横糸6,7)に撚り合わせている。
得られた二重ネット1は、袋収納部11を備えた以外には、基本的には結果として図1、図2、更には図3に示す構造と同じく、縦・横に目合いが整然と整った形のネットとなる。また、奏し得られる作用効果も、実施例1や実施例2と同様である。加えて、この実施例3は袋収納部11に、図7に示すように、例えば肥料基材入り袋12(後述)などを収納できるので、肥料基材入り袋12から適宜肥料が供給され、植生基材に含まれる植物が成育し且つ繁茂することによって、法面の緑化保護が達成される。
なお、前記肥料基材入り袋12は、肥料、土壌改良剤、保水剤など植物の生育に直接的または間接的に必要な植生材料を、降雨などにより肥料養分が徐々に滲み出すような厚みと通気性とを有するように、ポリビニールアルコールなどのビニロン系やポリエステルなどのポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、アクリルなどのポリアクリルニトリル系などの不織布、その他、スフ系不織布、パルプ系不織布、可溶性紙、生分解性プラスチックフィルムなどの腐食性素材から成る袋に収納して成るもので、植生材料には、必要に応じて植物種子が混入される。
(実施例4)
実施例4は、先の実施例3の形態を変形したもので、図5に示すように、各横糸6,7を、縦糸方向で2目合い半分を残して1目合い分ずつ綴じ糸で綴じ、袋収納部11では綴じ糸を例えばフロントネット2側或いはバックネット3側の何れか一方の縦糸8,9(又は横糸6,7)に撚り合わせている。つまり、袋収納部11の間には1目合い分の目合いを残すのみで、他は全て袋収納部11にして、この袋収納部11を多くし、肥料基材入り袋12を多数保持できるようにしてある。
このような実施例4の構成では、実施例1〜3の記載された発明によるのと同等の作用効果を奏する。しかも、多くの袋収納部11の存在により、ここに収納される例えば肥料基材入り袋12などがストッパーとしての役割を果たすと共に、例えば図8に示すように、植生基材G(後述)を上手く保持する効果があり、併せて表層浸食効果も格段に増強される。
(実施例5)
次に、実施例5に示す植生ネット1は、基本的な構造は図4に示したものと同様であるが、袋収納部11の強度をより強くするための工夫が施されている。
すなわち、図6に示すように、袋収納部11は、二目合い半とし、この二目合い半の内の二目合いに更に半目合い分の間隔をおいて横糸6A,7Aが編織される。したがって、この袋収納部11では上下のネット2,3は共に、他の部位の目合い4,5の半分の寸法になる。袋収納部11の目合いが幅狭となり、その分、強度的に他の部位より、一層強くなり、肥料基材入り袋12のより的確な保持が可能になる。
具体的には、上記フロントネット2とバックネット3を重ね合わせると共に、ポリエチレン製の例えば380デニールのモノフィラメントの綴じ糸によって、両ネット2,3の互い対向する縦糸8,9を縦糸方向並びに横糸方向で所定間隔置に綴じ合わせて、横糸方向で縦糸8,9が全く綴じ合わさない部分を形成し、この縦糸8,9が全く綴じ合わさない部分の両ネット間を袋収納部11としてある。更に具体的には、横糸方向の各縦糸を、縦糸方向で2目合い半分を残して6目合い分ずつ綴じ糸で綴じ、袋収納部11では綴じ糸を例えばフロントネット2側或いはバックネット3側の何れか一方の縦糸8,9(又は横糸6,7)に撚り合わせている。
得られた植生ネット1は、袋収納部11では、目合いが他の部位に比べて半分になること以外には、基本的には結果として図1、図2、更には図3、図4に示す構造と同じく、縦・横に目合いが整然と整った形のネットとなる。また、奏し得られる作用効果も、実施例1や実施例2と同様であるが、併せて、この実施例5は、袋収納部11に例えば肥料基材入り袋12などをしっかりと収納できるので、表層浸食効果も増強される。
以上各実施例の構造において、本発明の植生ネット1に用いられる横糸7と縦糸8の素材としては、ポリエチレンやポリプロピレンなどのように耐腐食性に優れたものや、麻やジュートなどの植物性繊維あるいはビスコースレーヨンなどのように比較的短期間で腐食されるようなものなど、従来からの素材のほかに、次のような素材を好適に用いることができる。
すなわち、強力レーヨンや、防腐処理を施した種々の腐食性素材(これらの素材およびこれを用いた植生ネットとしては、特公平6−99918号公報に示されるものがある)や、腐食性繊維と合成繊維とから成る混紡繊維や、高分子エマルジョンまたは水溶性ポリマーのうち少なくとも一方をビスコース溶液に内添した混繊レーヨン(これらの素材を用いた植生ネットおよびこれを用いた植生ネットとしては、特公平7−53994号公報に示されるものがある)、その他、化学合成系や天然物系などの生分解性プラスチックによる繊維などのように、腐食時期を調整できるようにした素材を好適に用いることができる。
以上の各実施例で得られた植生ネット1は、袋収納部11を備えたものには、この袋収納部11内に肥料基材入り袋12などを挿入して、例えば図8に示すように、法面N上に、例えばアンカーや止め釘Aなどを用いて、バックネット3側が法面N側になるようにして張設して用いられる。
(実施例6)
次に、本発明に係る植生ネット1を用いた植生マットについて以下に説明する。
この植生マット1Aは、公知の技術が採用されるものであるが、本発明の植生ネット1に適用することによって、その作用が一層効果的に発揮される。
上記した実施例1〜4に示した植生ネット1に対して、図7に示すように、それの表面側若しくは裏面側、或いは両面(図例は表面側)に植生種子を担持させたシート状体Sを設けて、これを植生基体と成し、この植生基体を、シート状体Sを法面側に向けてアンカーや止め釘により法面に張設する。
なお、この植生基体に、例えばゲル状にした植生基材G(後述)を吹き付けることによっても、法面Nの緑化を効果的に達成することができる。
上記の植生ネット1に設けられるシート状体Sとしては、植物種子の発芽生育の妨げにならず、しかも、水分により溶解するクレープ紙、高分子系フィルムあるいは澱粉系フィルム、寒冷紗付き水溶性紙、スフ綿、スフ系不織布、パルプ系不織布など各種の水溶性素材あるいは水解性素材などを選択でき、好適には、スフによる薄綿ラップをシート状にし、得られたシート状体Sに、植物種子、肥料、土壌改良剤などよりなる植生基材を、例えばポリビニルアルコール(PVA)のような水溶性糊剤によって付着保持させ、かつ、このシート状体Sを、上記の水溶性糊剤と同様の水溶性糊剤を用いて、植生ネット1の裏面側に係着させることである。
(実施例7)
次に、本発明に係る植生ネット1或いは植生マット1Aを法面緑化工法に適用する場合について説明する。
前記の通り、実施例1〜5に記した植生ネット1或いは植生マット1A(図例は植生ネット1)を、図8に示すように、アンカーや止め釘Aなどを用いて、バックネット3側が法面N側になるようにして張設する。
その後、有機質材料や化学肥料、土壌改良剤、保水剤など植物の生育に直接的または間接的に必要な植生材料に植生種子を加えて十分に混合した乾式の植生基材Gを、前記植生ネット1或いは植生マット1Aの上からこれを覆うようにして、適宜に吹き付け機によって適当な厚さ(例えば2〜5cmほど)になるように吹き付ける。
このとき用いる種子としては、牧草種子や花の種子、その他よもぎ、ススキ、めどはぎなどの野草の種子、あかまつ、やしゃぶし、いたちはぎなどの樹木の種子が任意に選択される。
このようにすることによって、法面Nに対する植生ネット1或いは植生マット1Aの強固な滑り防止と、法面表土ならびに吹き付け植生基材Gの流失防止が効果的に達成されることは言うまでもない。
図示はしないが、上記植生基材2の吹き付けによる法面Nの緑化に際して、上記の植生材料を収容した肥料基材入り袋12と、この肥料基材入り袋12とは別の構成の植生材料収容袋、即ち、植生の発芽・成育の妨げにならず、しかも、水分により溶解する高分子系フィルムあるいは澱粉系フィルムまたは寒冷紗付き水溶性紙による袋内に例えば牧草種子を収納した植生材料収容袋とを、植生ネット1の袋収納部11に例えば交互に収納させて、これを緑化用の植生基体とし、この植生基体を法面Nに張設して、これに植生基材Gを吹き付けるようにしてもよいのである。
なお、本発明では、以上の各実施例に示された植生ネット1の構成において、特にフロントネット2とバックネット3との目合い4,5のずらせ方としては各種の対応が考えられる。
例えば、図6に示す実施例5の、袋収納部11の強度アップのために、フロントネット2とバックネット3との袋収納部11に対応する部位の目合い4,5を他の部位よりも細かくして上下の横糸6,7が互いに重合するようにした構成は、図4に示した実施例3や図5に示した実施例4に適用できることはいうまでもない。
また、図9や図10に示すように、上記と同じように、袋収納部11に対応する部位以外の部位13においては、一つの目合いの半ピッチ以下ずらせた寸法にしたりすることもできる。そしてこの形態は、図示するように、前記図4〜5の構成にも転用できることは言うまでもない。
また、各実施例に示された植生ネット1は、必要に応じて縦糸8,9が補強されるのが望ましい。
具体的には、例えば200〜2000デニールの合成樹脂製素材のモノフィラメントまたはフラットヤーンを鎖編みして得たものを縦糸8,9の交互若しくは数本おきに編織する。
更に、上記それぞれの実施の形態では、植生ネット1を構成する縦糸8としてモノフィラメントを、また、横糸7としてフラットヤーンを用いているが、このような種類に限られるものではなく、上記とは逆の組み合わせであってもよく、縦糸8および横糸7の全てを、モノフィラメントまたはフラットヤーンにしてもよい。また、求めるネット強度により、使用する糸の太さも100〜3000デニールまで適宜選択可能である。
また、実施例3〜5では、植生ネット1を構成するに当たって綴じ糸10を用いた構造を示したが、この構造に限定されることなく、例えば実施例1,2と同様にダブルラッセル編みでこの植生ネット1を編織できることはいうまでもない。綴じ糸10を用いない分、一層のネット質量の軽量化とコストダウンを図れる。
第1の実施例の二重編み植生ネットを、その編織過程も合わせて示し、表面側から見た斜視図である。 図1に示す二重編み植生ネットの要部の拡大斜視図である。 第2の実施例の二重編み植生ネットを、その編織過程も合わせて示し、表面側から見た斜視図である。 第3の実施例の二重編み植生ネットを、その編織過程も合わせて示し、表面側から見た斜視図である。 第4の実施例の二重編み植生ネットを、その編織過程も合わせて示し、表面側から見た斜視図である。 第5の実施例の二重編み植生ネットを、その編織過程も合わせて示し、表面側から見た斜視図である。 この発明の二重編み植生ネットを用いた植生マットの斜視図である。 この発明の二重編み植生ネット又は植生マットを用いた法面の法面緑化工法の説明図である。 異なる目合いのずれを断続する袋収納部を備えた二重編み植生ネットに適用した事例を示した説明図である。 異なる目合いのずれを連続する袋収納部を備えた二重編み植生ネットに適用した事例を示した説明図である。
1…二重編み植生ネット
1A…植生マット
2…フロントネット
3…バックネット
4…フロントネットの目合い
4A…目合いが粗である部分
4B…目合いが密である部分
5…バックネットの目合い
5A…目合いが粗である部分
5B…目合いが密である部分
6…フロントネットの横糸
7…バックネットの横糸
8…フロントネットの縦糸
9…バックネットの縦糸
11…袋収納部
12…肥料基材入り袋
13…袋収納部に対応する以外の部位

Claims (7)

  1. 二重ネットを構成するフロントネットとバックネットの何れか一方または両方のネットに目合いの粗密を設け、粗の目合いと密な目合いとをずらし、一方のネットの粗の目合いと他方のネットの密な目合いとが重なり合うようにして両ネットを編織したことを特徴とする二重編み植生ネット。
  2. 二重ネットを構成するフロントネットとバックネットにおいて、フロントネットの横糸がバックネットの目合いの縦方向寸法の中間位置にくるようにして編み込むことで、フロントネットの目合いとバックネットの目合いとをずらして構成したことを特徴とする二重編み植生ネット。
  3. 二重ネットを構成するフロントネットとバックネットの横糸、または縦横両方の糸を、フロントネットとバックネットとでずらすことによりフロントネットの目合いとバックネットの目合いとをずらし、裸地面の被覆面積を従来の二重編み植生ネットと同等に保ちながら、ネット質量の軽減化を図ったことを特徴とする二重編み植生ネット。
  4. 縦糸に高強度の糸を一本置き若しくは数本置きに配置した請求項1〜3の何れかに記載の二重編み植生ネット。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の二重編み植生ネットにシート状体、種子、肥料または肥料袋のうち、少なくとも一つを付着させた植生マット。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の二重編み植生ネットを法面に張設した後に植生基材を吹き付ける緑化工法。
  7. 請求項5に記載の植生マットを法面に張設する緑化工法。
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