JPH07207235A - 感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記録シ−ト - Google Patents

感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記録シ−ト

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JPH07207235A
JPH07207235A JP6000560A JP56094A JPH07207235A JP H07207235 A JPH07207235 A JP H07207235A JP 6000560 A JP6000560 A JP 6000560A JP 56094 A JP56094 A JP 56094A JP H07207235 A JPH07207235 A JP H07207235A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 感圧性接着剤を用いた機密シ−トに自己発色
型感圧記録性能を付与させることを目的とする。このシ
−トは、支持体の全面に感圧接着性機能を有する自己発
色型感圧記録層が設けられており、該塗層面どうし又は
塗層面と反対面とを重ねて加圧圧着し、後刻、加圧圧着
面を剥離することによって機密情報の伝達が可能となる
ものである。尚、機密情報は加圧圧着させる前に、自己
発色型感圧記録シ−トの使用法に従って記載される。 【構成】 マイクロカプセル化された発色剤と顕色剤と
から成る自己発色型感圧記録層に、感圧性接着剤、粘着
付与剤、を含有させる。 【効果】 1枚のシ−トでありながら、感圧性接着機能
と自己発色型感圧記録性能を兼備させることができるの
で、他のシ−トとの複写によって、機密情報の控えを取
るのに有効であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感圧接着性機能を有す
る自己発色型感圧記録シ−トに関するもので、支持体の
全面に塗層が設けられており、この塗層は感圧接着性機
能と自己発色型感圧記録機能を兼ね備えたものである。
【0002】
【従来の技術】自己発色型感圧記録紙は、いわゆるノ−
カ−ボン複写紙から発展したもので、セルフコンティン
ドペ−パ−とも呼ばれている。その構成は、電子供与
性、被吸着性、呈色反応性を有する無色、または淡色の
有機化合物(以下、発色剤と称する)を内包するマイク
ロカプセルの塗料を支持体に塗設する工程と、さらにそ
の塗設上に酸性白土、活性白土、フェノ−ル樹脂、有機
酸性物質などの電子受容性物質(以下、顕色剤と称す
る)を塗設する工程との二工程から成る二層塗布による
製造方法や、上記二工程の成分を均一に混合して一層塗
布で製造する方法(特公昭47−16096号公報)が
知られている。
【0003】通常、自己発色型感圧記録紙は自己発色層
に上質紙などを重ねてその上から印字し、上質紙は控え
として利用されている。或いは、発色剤を塗布した上用
紙と顕色剤を塗布した下用紙と自己発色型感圧記録紙を
重ねて発色させる3枚セットや自己発色層の反対面に上
用紙用塗料を塗布しておき、上質紙と自己発色型感圧記
録紙と下用紙の3枚セットなどとして利用されており、
いずれも複写機能を利用して控えが取れるような仕組み
になっている。
【0004】一方、感圧接着性機能とは、例えばシ−ト
が紙の場合には見かけ上は、ごく一般にありふれた普通
の紙と変わらないが、このシ−トどうし及びこのシ−ト
と他の支持体とを接着させようとする際に、適当な圧力
を加えることにより瞬時に接着が完了するもので、情報
の機密性は加圧圧着させる前に加圧圧着させる面に印
刷、複写、筆記などの方法を用いて記載することによっ
て得られる。従来は、情報の機密性を得るために封書が
多用されてきたが、近年は葉書でありながら、このよう
な感圧接着性機能を利用して機密性の得られるように工
夫された各種のタイプのものが考案されている。
【0005】例えば、特開平3−10895号公報や実
開平3−108595号公報などには熱可塑性樹脂を用
いた感熱接着シ−トが記載されているが、熱による接着
は電子写真方式のプリンタ−で印字(印刷)する場合に
は、高熱によるトナ−の定着処理時に、発熱体と感熱接
着層が不必要な接着を起こし機械破損の原因となりやす
い。
【0006】又、特開平3−26697号公報などには
加圧圧着のみで機密性が得られるシ−トが記載されてい
るが、これらの方法に従えば加圧圧着で機密性は得られ
るものの、製造工程や印刷工程、或いは保管中など、加
圧圧着させる最終形態に至るまでの工程などの弱い加圧
力で、塗布面と未塗布面が不必要に一体化してしまうい
わゆるブロッキング現象が起こり易い。この改良とし
て、特開平3−100087号公報には接着剤層上に更
に接着抑制物質層を設ける記載があるが、この方法はブ
ロッキングの改良には効果的だが、機密性シ−トに最も
必要な加圧圧着性能は得られにくいし、機密情報の控え
が取れないという不都合がある。
【0007】又、機密情報の控えが取れるシステムも多
数提案されており、特に自己発色型感圧記録機能を利用
したものが多い。例えば、自己発色型感圧記録紙の塗層
上に離型層や粘着剤層を設けたもの(実開平4−287
48号公報、実開昭52−44828号公報、同57−
9569号公報、実開昭60−53575号公報、特開
平1−258988号公報など)、自己発色型感圧記録
層の一部分を接着させるもの(実開昭57−17777
4号公報)、自己発色型感圧記録紙と剥離紙を組み合わ
せたもの(実開昭57−27360号公報、実開昭50
−65507号公報など)、紙ベ−スに自己発色型感圧
記録組成物を含有させ、その上に離型剤や粘着剤を塗布
したもの(実開昭54−165551号公報)、自己発
色型感圧記録層の反対面に粘着処理を施したもの(実開
昭63−33968号公報)、
【0008】自己発色型感圧記録層の上に、硬化したラ
ジカル重合性組成物層を設けたもの(特開平2−208
089号公報)、自己発色型感圧記録層の上にヒ−トシ
−ル性接着層を設けたもの(実開平2−2173号公
報)、自己発色型感圧記録層の上に蒸着層や粘着層を有
するシ−ルを貼付するもの(実開平3−77670号公
報)などがある。これらの方法は、全て自己発色型感圧
記録シ−トをそのままの形で利用するため製造方法や製
造工程が多く、面倒で手間がかかる上に、自己発色型感
圧記録層の上に何等かの層を設けるものが多く、そのた
め発色性能が損なわれるものしか得られない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一度加圧圧
着させると通常の取扱いでは容易に剥がれることがな
く、意図的に剥す場合には快いタッチでスム−ズに剥す
ことができる感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記
録シ−トである。このシ−トは支持体全面に塗層が設け
られており、この塗層に機密性を得るための感圧接着性
機能と自己発色型感圧記録機能を兼備させることを目的
としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の感圧接着性機能
を有する自己発色型感圧記録シ−トの塗層に含まれる主
な素材は、発色剤、顕色剤、顔料、感圧性接着剤、及び
粘着付与剤である。発色剤と顕色剤を用いる目的は、自
己発色型感圧記録機能を得るためであり、感圧性接着剤
を用いる主目的は、支持体との接着性及び加圧圧着特性
を得るためであり、顔料を用いる理由は、発色特性や印
刷適性(インキ吸収、インキの着肉性など)の向上及び
ブロッキングの防止であり、粘着付与剤は機密性を得る
ための加圧圧着性能の改良のために用いられる。これら
の素材は、その目的に応じた使用方法が必要である。
【0011】本発明に用いられる発色剤としては、公知
の電子供与性ロイコ染料が全て使用できる。例えば、ク
リスタルバイオレットラクトンやフルオラン誘導体がそ
の代表的なものである。これらの発色剤は、通常は発色
剤を溶解し得る液状のものとともにマイクロカプセル化
されて使用される。マイクロカプセル化は公知の界面重
合法、インサイチュ−法、コアセルベ−ション法など、
いずれの方法でも用いることができる。芯物質を包む皮
膜は、尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマリン樹
脂、ポリウレタン樹脂、ポリ尿素樹脂、などが挙げら
れ、特に好ましい膜材料はメラミン−ホルマリン樹脂で
ある。
【0012】顕色剤も特に限定されず、公知の電子受容
性酸性物質が使用できる。顕色剤は、本来の使用目的で
ある自己発色型感圧記録性能を得る以外にも非常に有用
な効果を発揮する。例えば、酸性白土、活性白土などの
無機系粘土鉱物を使用した場合、使用する顔料の役割を
兼ねさせることができる。又、有機系顕色剤としてフェ
ノ−ルホルムアルデヒド樹脂及び多価金属塩、芳香族カ
ルボン酸の多価金属塩、サリチル酸樹脂多価金属化物
(特開昭63−186729号公報など)、サリチル酸
類とロジン類及び多価金属化合物からなる多価金属塩化
合物(特開平2−563号公報)、などを使用した場
合、感圧性機密シ−トを得るための主要素材のひとつで
ある粘着付与剤の役割を兼備させることができる。顕色
剤は、微粒化して用いても良いし、発色剤同様にマイク
ロカプセル化して用いても良い。
【0013】本発明で言う感圧性接着剤とは、加圧する
ことによって接着性を示すものであれば良い。具体的に
は支持体に接着剤を塗布し、スチ−ル製カレンダ−ロ−
ルで塗布した面どうしを200Kg/cmの加圧を掛け
た後、90度方向に引き剥した時の剥離力が25mm当
たり10g以上のものを言う。従って、感圧性接着剤と
しては広い範囲から選択することができる。例えば、ポ
リウレタン系、合成ゴム系、天然ゴム系、塩化ビニル
系、アクリル系、スチレン−ブタジエン系、エチレン−
酢酸ビニル系、塩化ビニリデン系、などの他、ポリエチ
レンオキサイドなどの水溶性高分子類なども使用するこ
とが可能である。中でも好ましいのは、適当な加圧圧着
性能と支持体への強い凝集力を合わせ持つアクリル系や
ポリエチレンオキサイド、或いはガラス転移温度が−2
0℃より低いものが好適である。これらの接着剤は2種
類以上を併用して用いることもでき、主要成分として用
いる発色剤、顕色剤、顔料、粘着付与剤などの種類や使
用量を調節することによって、目標品質を得ることがで
きる。
【0014】本発明では粘着付与剤を併用するが、粘着
付与剤とは一般的には分子量が数百から数千のオリゴマ
−(2量体以上、分子量1万までの中分子重合体)の総
称と言われており、タッキファイヤ−とも称されてい
る。
【0015】具体的には、ガムロジン、ウッドロジン、
ト−ル油ロジンなどの天然ロジン類や不均化ロジン、水
素化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジン、フマル化
ロジン、ホルムアルデヒド変性ロジン、ロジンフェノ−
ル樹脂、エステル化ロジンなどの変性ロジンのごときロ
ジン類の他、テルペン系樹脂、脂肪族(C5 )系石油樹
脂、芳香族(C9 )系石油樹脂、共重合(C5/C9)系
石油樹脂、脂環族系石油樹脂、スチレン系樹脂、アルキ
ルフェノ−ル系樹脂、キシレン樹脂、クマロン・インデ
ン樹脂、カルナウバワックス、ライスワックス、ミツロ
ウ、セラッカロウ、パラフィンワックス、ポリエチレン
ワックス、高級脂肪酸及びその誘導体や金属塩、シリコ
−ン類、各種の固体状可塑剤などが挙げられる。
【0016】顔料は使用する目的が、発色特性の向上、
インキ吸収などの印刷適性の向上、ブロッキングの防止
などであり、この主旨に添うもであれば広い範囲から選
択することができる。例えば、カルシウム、亜鉛、マグ
ネシウム、アルミニウム、チタン、ニッケル、ジルコニ
ウム、マンガン、錫、アンチモン、モリブデン、などの
金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、などの他、
カオリン、タルク、などの無機顔料や尿素ホルマリン樹
脂、メラミン樹脂、スチレンアクリル樹脂、ベンゾグア
ナミン樹脂、などの有機顔料も使用することができる。
顔料は、品質特性の求めに応じて種類と使用量が増減さ
れるべきであり、不使用であっても支障のない場合も有
り得る。
【0017】又、顔料ではないがデンプン粒子、コ−ン
スタ−チ粒子、微細セルロ−ス繊維粉末なども用いるこ
とができる。これらは自己発色型感圧記録紙の製造に際
し、不必要な発色汚れを防止するために、恒常的に使用
されているものであり、本発明においても発色汚れの防
止の他、シ−トを卷き取ったり加工したりする時の軽荷
重によるブロッキングの防止にも有効に働く。
【0018】塗層にはその他、必要に応じて消泡剤、防
腐剤、分散剤、劣化防止剤、増粘剤、酸化防止剤、各種
界面活性剤、軟化剤、可塑剤、着色染料、湿潤剤などの
各種助剤を使用することができる。
【0019】本発明に使用される支持体は特に限定され
ず、例えばセルロ−ス繊維を主体とする上質紙や各種合
成紙、各種コ−ト紙、ラミネ−ト紙、金属蒸着紙、不織
布、各種プラスチックフィルム、などが使用できる。
【0020】発色剤、顕色剤、感圧性接着剤、粘着付与
剤を主体とする総塗布量は、1〜20g/m2 が適当で
ある。この塗布量は、塗布面と塗布面を加圧圧着させる
場合には、塗布面と塗布面の反対面(未塗布面)を加圧
圧着させる場合の約半分の塗布量ですませられる。塗布
方法はエア−ナイフコ−タ−、ブレ−ドコ−タ−、バ−
コ−タ−、フレキソ印刷、スクリ−ン印刷、などの従来
公知の塗布、印刷方法により塗布することができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中の「部」「%」は断りの無い
場合は重量部、重量%を示す。
【0022】実施例1 ジアリ−ルエタン系溶媒(日本石油化学(株)製、商品
名ハイゾ−ルSAS−N296)95部に、クリスタル
バイオレットラクトン5部を加熱溶解し、それをPH
5.8のスチレン無水マレイン酸共重合体の5%水溶液
120部に加えて強くかきまぜ、平均粒子径が5ミクロ
ンになるまで分散乳化した。別にメラミン11部、ホル
ムアルデヒドの37%水溶液20部、及び水30部を加
えてPH9.5に調整し、加熱溶解してメラミン−ホル
ムアルデヒド初期縮合物を得た。それを上記乳化液に加
えてかきまぜを続け、70℃で2時間反応させた後、室
温まで冷却し、発色剤を芯物質とするマイクロカプセル
を得た。
【0023】このマイクロカプセル分散液100部に、
サンドグラインダ−で1ミクロンに微粒化したサリチル
酸樹脂多価金属塩(特開昭63−186729号公報に
よるもの)を固形分で20部と、接着剤としてアクリル
系感圧接着剤(中央理化工業(株)製、商品名リカボン
ドAP−80)を固形分で100部添加した。そこへ平
均粒子径が3ミクロンになるように水で分散した合成シ
リカ(水沢化学工業(株)製、商品名ミズカシルP−8
32)を固形分で200部と粘着付与剤としてテルペン
系(荒川化学(株)製、商品名タマノルE−101)を
固形分で50添加し、最終的に液固形分を30%に調整
して感圧性機密シ−ト用塗液を得た。この塗液をエア−
ナイフコ−ティングによって、100g/m2 の上質紙
に固形分で6g/m2 となるように塗布して感圧接着性
機能を有する自己発色型感圧記録シ−トを得た。
【0024】実施例2 実施例1のうち、感圧性接着剤をSBR系(日本合成ゴ
ム(株)製、商品名JSR−0596)とした以外は実
施例1同様にして感圧接着性機能を有する自己発色型感
圧記録シ−トを得た。
【0025】実施例3 実施例1のうち、感圧性接着剤をポリエチレンオキサイ
ド(住友精化(株)製、製品名PEO−1)とした以外
は実施例1同様にして感圧接着性機能を有する自己発色
型感圧記録シ−トを得た。
【0026】実施例4 実施例1のうち、感圧性接着剤を天然ゴム系(積水化学
(株)製、製品名エスダインMS−32)とした以外は
実施例1同様にして感圧接着性機能を有する自己発色型
感圧記録シ−トを得た。
【0027】実施例5 実施例1のうち、顕色剤をフェノ−ル系(住友デュレズ
社製、商品名PR−53377E)とした以外は、実施
例1同様にして感圧接着性機能を有する自己発色型感圧
記録シ−トを得た。
【0028】実施例6 実施例1のうち顕色剤を3,5ジ(α−メチルベンジ
ル)サリチル酸亜鉛塩とした以外は、実施例1同様にし
て感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記録シ−トを
得た。
【0029】実施例7 実施例1のうち、粘着付与剤をロジン系(理化ハ−キュ
レス(株)製、製品名D−188)とした以外は実施例
1同様にして感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記
録シ−トを得た。
【0030】実施例8 実施例1の顔料と顕色剤を不使用とし、顔料兼顕色剤と
して活性白土を固形分で200部使用した以外は実施例
1同様にして感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記
録シ−トを得た。
【0031】実施例9 実施例1に用いた顔料の半分を小麦デンプン粒子に置換
した以外は、実施例1同様にして感圧接着性機能を有す
る自己発色型感圧記録シ−トを得た。
【0032】実施例10 実施例1の発色剤と顕色剤を不使用とした塗液を実施例
1で得られた感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記
録シ−トの反対面に塗布したものを得た。
【0033】比較例1 実施例1の発色剤と顕色剤を不使用とした塗液を市販の
三菱ダイヤセルフ(自己発色型感圧記録紙、100g/
2 )の塗布面の上に塗布した以外は、実施例1同様に
して感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記録シ−ト
を得た。
【0034】以上の実施例、比較例で得られたシ−トを
下記試験方法に従って、諸特性の評価を行なった。
【0035】(発色特性)得られたシ−トの塗布面に、
60g/m2 の上質紙を重ねてタイプライタ−にて印字
したところ、実施例の全て(実施例10については実施
例1の面)が市販の自己発色型感圧記録紙(三菱ダイヤ
セルフ)と同等の濃い発色濃度が得られ、上質紙は控え
として利用することができた。しかし、比較例1は、自
己発色型感圧記録層の上に感圧接着層を設けたために薄
い発色濃度のものしか得られなかった。そこで、濃い発
色濃度レベルに達するように感圧接着層の厚みを減じて
いったところ、次第に感圧接着機能が損なわれ、結局、
発色特性と感圧接着特性の両立ができなかった。
【0036】(剥離特性)上記のように発色させたシ−
トを官製葉書の2倍の大きさに裁断し、発色面どうしが
密着するように中央部から折り重ねてス−パ−カレンダ
−を用いて200Kg/cmの圧力で加圧したところ、
実施例、比較例の全てが瞬時にして接着が完了した。そ
れを剥離してみたところ、全てが適度に接着しており、
快いタッチでスム−ズに剥離することができた。尚、実
施例10については官製葉書の3倍の大きさに裁断した
ものを3つ折り(Z折り)としたが、両面とも適度に接
着しており、剥離特性も良好であった。尚、当然ながら
本発明の感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記録シ
−トは両面塗布により、3つ折り(Z折り)葉書などに
も利用できる。
【0037】(ブロッキング)塗層面どうしを密着さ
せ、温度40℃、湿度90%、荷重0.1Kg /cm2
の条件で1週間放置した後のブロッキング状態を評価し
たところ、実施例、比較例の全てにブロッキングが無く
良好な状態であった。そこで荷重を10倍に重くして過
酷な比較テストを行なったところ、全て良好なレベルを
維持していたが、特に実施例9が優れていた。
【0038】
【発明の効果】本発明の感圧接着性機能を有する自己発
色型感圧記録シ−トは、従来の自己発色型感圧記録層に
感圧性接着剤と粘着付与剤を含有させることによって、
感圧接着性機能と自己発色型のノ−カ−ボン複写機能を
兼備させることができる。この複写機能は、機密情報の
控えを取るための機能として、有効に利用することがで
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、発色剤を内包するマイ
    クロカプセルを主成分とする塗料と顕色剤を主成分とす
    る塗料を均一に混合し、一層で塗布した自己発色型感圧
    記録シ−トにおいて、該塗層に感圧性接着剤と粘着付与
    剤を含有させることを特徴とする感圧接着性機能を有す
    る自己発色型感圧記録シ−ト。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の塗層の上に印刷、複写、
    筆記などの方法による情報を記載した後に、該情報記載
    面どうしを対向させて加圧圧着させることを特徴とする
    感圧接着性機能を有する自己発色型感圧記録シ−ト。
  3. 【請求項3】 支持体の両面に、請求項1記載の塗層を
    設けることを特徴とする感圧接着性機能を有する自己発
    色型感圧記録シ−ト。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の塗層の反対面に、発色し
    ない感圧接着層を設けることを特徴とする感圧接着性機
    能を有する自己発色型感圧記録シ−ト。
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