JPH11279495A - 感熱性粘着シート - Google Patents

感熱性粘着シート

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JPH11279495A
JPH11279495A JP8481698A JP8481698A JPH11279495A JP H11279495 A JPH11279495 A JP H11279495A JP 8481698 A JP8481698 A JP 8481698A JP 8481698 A JP8481698 A JP 8481698A JP H11279495 A JPH11279495 A JP H11279495A
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JP
Japan
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heat
sensitive adhesive
thermoplastic resin
layer
resin layer
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Application number
JP8481698A
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English (en)
Inventor
Katsuaki Arai
克明 新井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐ブロッキング性に優れ接着性の良好な感熱性
粘着シートを提供する。 【解決手段】支持体の片面に、感熱性粘着剤層、熱可塑
性樹脂層を順次積層することにより、接着機能を低下さ
せることなく耐ブロッキング性を向上させることが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温では非粘着性
であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現
後も粘着性が持続する感熱性粘着シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ラベル用粘着シートを、価格表示
用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示
用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステ
ッカー)等のラベル用途として使用することが増加して
いる。その記録方式も印刷方式、インクジェット記録方
式、熱転写記録方式、感熱記録方式、感圧記録方式等様
々な方式がある。従来よりラベルの情報記録面とは反対
面に、粘着剤層と剥離紙を積層した構成の一般的な粘着
シートが、貼り合わせ時に剥離紙を剥がし加圧のみで簡
便に貼り合わせることのできるため広く使用されてい
る。しかし、一般的な構成の粘着シートは、剥離紙を剥
離して使用するが、剥離された剥離紙は回収されて再利
用され難く、ほとんどの場合廃棄処分されている。ま
た、いわゆる粘着剤層はタックをもっており、剥離紙を
剥がした後の取り扱いが非常に難しく、被着体に不用意
に貼り付けてしまったときに貼り直すために粘着シート
を剥がそうとすると、粘着シートがカールしたりしわが
入ったりし、最悪の場合にはシートが破れるという問題
があった。近年では、常温では粘着性を示さず剥離紙を
必要としない感熱性粘着シートが注目されている。
【0003】感熱性粘着剤は、固体可塑剤および熱可塑
性樹脂を必須成分とし、これらに粘着付与剤等を混合し
たもので、これらの混合物を支持体上の印刷面の反対面
に塗工することにより感熱性粘着シートが得られる。感
熱性粘着シートの粘着層表面は、常温では全く粘着性を
示さないが、加熱することにより粘着性が発現し、熱源
を取り去った後でも暫くの間粘着性を維持するものであ
り、加熱によりまず固体可塑剤が融解し、熱可塑性樹脂
と粘着付与剤を溶解することにより粘着性が発現すると
考えられている。感熱性粘着シートは、前記の一般的な
粘着シートのように剥離紙を使用しないため、省資源、
環境問題の点から有利である。更に、被着体に接触させ
てから感熱性粘着シートを加熱すれば接着できるため、
貼付ミスを防止できる。
【0004】このような利点を有する感熱性粘着シート
であっても、従来のものには問題点を有するものもあっ
た。その問題点の1つとして、ブロッキングが挙げられ
る。ブロッキングは、粘着を意図しないにも拘わらず粘
着性を発現してしまう現象であり、常温よりも高い温度
雰囲気下に長時間曝された場合等に誘発することがあ
る。ロール状態またはそれを枚葉に裁断して積み重ねた
状態のいずれの場合においても、一たびブロッキングが
誘発すれば、感熱性粘着剤層と外面(支持体を挟んで感
熱性粘着剤層と反対面)とが接着し、紙送りに支障をき
たすのみならず、外面の印刷にも悪影響を与えることに
なる。
【0005】従来の感熱性粘着シートに用いられている
固体可塑剤としては、フタル酸ジエステル及びカテコー
ルジエステルなどの融点が約40〜140℃の範囲の各
種エステル系化合物が挙げられるが、従来の感熱性粘着
シート用固体可塑剤として最も汎用されているフタル酸
ジシクロヘキシルを例にとって説明すると、この融点は
64℃であるにも拘わらず、この固体可塑剤を用いて作
製された感熱性粘着シートは、約50℃の雰囲気下に保
存することにより粘着性が発現する現象が観察される。
【0006】そこで、ブロッキングを防止する手段とし
て、感熱性粘着剤中に滑性のあるワックスを配合したり
ワックスからなる層を感熱性粘着剤層上に設けたりする
方法(特公昭62−21835号公報、特開平8−28
3673)、無機物を添加あるいは混合させる方法(特
開平2−282050号公報)、固体可塑剤の表面を無
機化合物やコロイド粒子で保護し、固体可塑剤の軟化を
抑制することでブロッキングを防止する方法(特開平6
−57223号公報、特開平6−100847号公報、
特開平6−100848号公報)、感熱性粘着剤層上に
粘着性のない微細パターンを設ける方法(特開平8−4
1431号公報)等が開示されている。しかし、ワック
スを配合するとブロッキング防止効果が不十分であるば
かりか、逆に粘着性の低下をもたらす。通常の無機物の
添加だけでは耐ブロッキング性が不十分である。固体可
塑剤の表面を無機化合物やコロイド粒子で保護すると、
固体可塑剤の溶融、拡散に時間がかかり、感熱性粘着剤
の粘着性が現れにくく、接着性能が低下する等の問題を
生じ、実用上不十分である。感熱性粘着剤層上に粘着性
のない微細パターンを設ける方法は、耐ブロッキング性
が向上するものの、粘着性のない微細パターンは加熱活
性化時に感熱性粘着剤層に溶融、混合することがないた
め接着性を阻害する。また、高融点の可塑剤を用いるこ
とによりブロッキングは改良されるが、粘着力の著しい
低下をもたらす等の副作用が生じ、実際にはブロッキン
グが起こらないような低温度条件下で輸送、保管されて
いるのが現状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、接着機能を低下させることなく、
耐ブロッキング性を向上した感熱性粘着シートを得るこ
とである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、感熱性粘着
シートについて種々の研究を重ねた結果、支持体の片面
に、感熱性粘着剤層、熱可塑性樹脂層を順次積層するこ
とにより、接着機能を低下させることなく、耐ブロッキ
ング性を向上させることが可能であることを見いだし
た。
【0009】すなわち、支持体の片面に、感熱性粘着剤
層、熱可塑性樹脂層を順次積層した感熱性粘着シートの
発明である。
【0010】熱可塑性樹脂層が不連続な塗工層からなる
感熱性粘着シートの発明である。
【0011】熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−10℃
以上65℃以下である感熱性粘着シートの発明である。
【0012】熱可塑性樹脂層が顔料を含有する感熱性粘
着シートの発明である。
【0013】熱可塑性樹脂層の塗工量が3g/m2以下で
ある感熱性粘着シートの発明である。
【0014】支持体の反対面に情報記録層を設けた該感
熱性粘着シートの発明である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の感熱性粘着シー
トについて詳細に説明する。本発明に係わる感熱性粘着
シートは、支持体の片面に、感熱性粘着剤層、熱可塑性
樹脂層を順次積層した構造を有する。
【0016】本発明に係わる感熱性粘着剤層は、少なく
とも固体可塑剤と熱可塑性樹脂から構成される。感熱性
粘着剤層を構成する固体可塑剤としては、フタル酸ジフ
ェニル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシ
ル、フタル酸ジヒドロアビエチル、イソフタル酸ジメチ
ル、安息香酸スクロース、二安息香酸エチレングリコー
ル、三安息香酸グリセリド、三安息香酸トリメチロール
エタン、四安息香酸ペンタエリトリット、八酢酸スクロ
ース、クエン酸トリシクロヘキシル、N−シクロへキシ
ル−p−トルエンスルホンアミド、ステアリン酸ステア
リル、ベヘニル酸モノグリセライド、ステアリン酸モノ
グリセライド等、カテコールジパルミテート、カテコー
ルジステアレート、カテコールジベンゾエート等のカテ
コール誘導体、チオビス〔エチレン3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3−t−ブ
チル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオ
ネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕等のヒンダードフェノール系化合物、2−
[5′−(1″,1″,3″,3″−テトラメチルブチ
ル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾー
ル、2−[5′−(1″,1″,2″,3″−テトラメ
チルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリ
アゾール、2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジメ
チルプロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾト
リアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル−
2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール等のトリアゾール系化合物等の融点が約40〜1
40℃の範囲の化合物が挙げられる。これらのうち、粘
着性の持続時間が長いということからフタル酸ジシクロ
ヘキシルを使用することが好ましい。これらの化合物は
単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0017】これらの固体可塑剤および化合物は、ボー
ルミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミ
ル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしく
は乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いら
れるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用
することも可能である。固体可塑剤の粒径は10μm以
下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実
用上からは1〜2μmである。
【0018】感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂の
種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化
ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重
合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げら
れる。これらのうち、接着性、耐候性の観点から、アク
リル酸エステルをモノマー成分とする各種共重合体を使
用するのが好ましい。これらは単独または複数を組み合
わせて用いられる。
【0019】本発明の感熱性粘着シートにおいて、感熱
性粘着剤層を形成する固体可塑剤は、該シートを加熱し
た際に、感熱性粘着剤層を形成する熱可塑性樹脂と熱可
塑性樹脂層を形成する樹脂とを可塑化し粘着性を発現す
る。加熱時の感熱性粘着剤層の溶融粘度が十分に小さく
ないと、感熱性粘着剤層を形成する固体可塑剤は熱可塑
性樹脂層を形成する樹脂を十分に可塑化することができ
ず、予期した接着性が出ないことになる。加熱時の感熱
性粘着剤層の溶融粘度を低下させる方法として、ガラス
転移温度の低い熱可塑性樹脂を使用することが挙げられ
る。感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂は、ガラス
転移温度が0℃以下であることが好ましく、さらに好ま
しくは−15℃以下である。
【0020】本発明における固体可塑剤は、熱可塑性樹
脂100部に対して50〜400部、好ましくは100
〜300部の範囲で用いられる。この50部未満の場合
はブロッキングを生じやすくなり、400部を超えると
粘着力の低下やチョーキングが生じやすくなる。
【0021】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、粘着
力を向上するために、粘着付与剤を添加することができ
る。本発明に用いる粘着付与剤の具体例としては、テル
ペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、
テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いら
れる。
【0022】これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂100
部に対し200部以下、好ましくは20〜150部の範
囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加部数が20
0部を超えるとブロッキングを生じ易くなる。
【0023】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、フィ
ラー等も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であ
り、例えばアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシ
ウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化
物、硫酸塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリ
ン、焼成カオリン等の粘度類を含む無機系顔料、澱粉、
スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、ア
クリル樹脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス
等が使用可能である。
【0024】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、感熱
性粘着剤層と支持体との接着または感熱性粘着剤層内の
凝集力を高める目的で、水性高分子バインダー、例えば
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、
ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を添加することができ
る。
【0025】本発明に係わる感熱性粘着剤層には上記成
分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤
を添加することができる。
【0026】本発明に係わる感熱性粘着剤層は、通常紙
塗工用に用いられているブレードコーター、グラビアコ
ーター、グラビアオフセットコーター、バーコーター、
ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコータ
ー、コンマコーター、Uコンマコーター、スムージング
コーター、マイクログラビアコーター、リバースロール
コーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップ
コーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、
ダイコーター等、若しくはフレキソ、凸版、グラビア、
オフセット等の各種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷
される。
【0027】支持体に感熱性粘着剤層を塗工若しくは印
刷する際には、固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥
されなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の
他に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した
乾燥方法が使用できる。
【0028】感熱性粘着剤層の塗布量は、乾燥塗工量で
通常2〜50g/m2、好ましくは5〜35g/m2の範囲
で塗布される。感熱性粘着剤層の塗工量が2g/m2未満
であると、加熱による接着を行う際に十分な接着力が得
られない。また、50g/m2を超えると接着機能が飽和
し経済上好ましくない。
【0029】本発明に係わる熱可塑性樹脂層は、常温か
ら60℃程度の高温領域までは非粘着性でブロッキング
防止性があり、本発明に係わる感熱性粘着剤層を加熱活
性化し接着を行う際に、感熱性粘着剤層に含まれる固体
可塑剤により可塑化されることが好ましい。このため、
感熱性粘着シートを加熱活性化した際には、熱可塑性樹
脂層も可塑化し柔軟になっていないと感熱性粘着剤層と
溶融、混合しにくく接着性が出ない。接着性と耐ブロッ
キング性のバランスを考えると、熱可塑性樹脂層が軟化
する温度は、感熱性粘着剤層単体が溶融し接着性を発現
する温度よりも高いことが好ましい。こうした構成の場
合、熱可塑性樹脂層が軟化する温度以上に加熱し本発明
の感熱性粘着シートの活性化を行う。例えば、100〜
150℃の温度に1〜5秒間接触させることにより、本
発明の感熱性粘着剤シートの活性化を行う。
【0030】本発明に係わる熱可塑性樹脂層を構成する
熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、上記理由から−10
℃以上65℃以下であることが好ましい。さらには5℃
以上55℃以下、さらに好ましくは20℃以上45℃以
下である。熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−10℃よ
り低い場合はブロッキング防止効果がなく、70℃より
も高いと、加熱活性化時に感熱性粘着剤層に含まれる固
体可塑剤により可塑化されにくく粘着性が現れにくい。
【0031】本発明に係わる熱可塑性樹脂層を構成する
熱可塑性樹脂の種類としては、(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレ
ン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル
酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、
エチレン−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−
エチレン−塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン
−アクリル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン
−スチレン共重合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等
の樹脂が挙げられる。これらのうち、接着性、耐候性の
観点から、アクリル酸エステルをモノマー成分とする各
種共重合体を使用するのが好ましい。これらは単独また
は複数を組み合わせて用いられる。
【0032】本発明に係わる熱可塑性樹脂層には顔料を
添加することもできる。熱可塑性樹脂層に顔料を添加し
なかった場合には、本発明の感熱性粘着シートの熱可塑
性樹脂層とは反対面にプリンターで印字を行うと、シー
トの重送が起こる等、搬送性に問題が生じる傾向があ
る。ところが、熱可塑性樹脂層に顔料を添加した場合に
同様にプリンターで印字すると、シートの重送等の搬送
トラブルの発生が減少した。熱可塑性樹脂層に顔料を添
加したことにより、熱可塑性樹脂層の摩擦係数が低下し
たため、シートの搬送性が改良されたものと考えられ
る。
【0033】本発明に係わる熱可塑性樹脂層に添加する
顔料としては、アルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグ
ネシウム、バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸
化物、硫酸塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオ
リン、焼成カオリン等の粘度類を含む無機系顔料、澱
粉、スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹
脂、アクリル樹脂等が使用可能である。
【0034】本発明に係わる熱可塑性樹脂層に添加する
顔料の平均粒子径は1以上10μm以下であることが好
ましい。平均粒子径が1μm未満であると、プリンター
における搬送性改良効果に乏しく、10μmを超えると
本発明に係わる感熱性粘着剤層を加熱活性化した際に粘
着性が現れにくい。
【0035】本発明における顔料は、熱可塑性樹脂10
0部に対して100部以下であることが好ましく、さら
に好ましくは5部以上50部以下、さらには10部以上
30部以下の範囲で用いられる。添加部が100部を超
えると、加熱活性化した際に粘着性が現れにくい。
【0036】本発明に係わる熱可塑性樹脂層には、加熱
時の粘着力を向上するために粘着付与剤を添加したり、
感熱性粘着剤層と熱可塑性樹脂層との接着力を高める目
的で水溶性バインダーを添加したりすることができる。
【0037】本発明に係わる熱可塑性樹脂層には上記成
分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤
を添加することができる。
【0038】本発明の熱可塑性樹脂層は、連続した塗工
層であっても不連続な塗工層であっても構わないが、不
連続な塗工層であることがより好ましい。本発明の熱可
塑性樹脂層は、常温から60℃程度の高温領域では非粘
着性であることにより耐ブロッキング性が良好であり、
本発明に係わる感熱性粘着剤層を加熱活性化し接着を行
う際に、感熱性粘着剤層に含まれる固体可塑剤により可
塑化される必要がある。熱可塑性樹脂層を不連続な塗工
層とした場合は連続な塗工層とした場合に比べ、耐ブロ
ッキング性を損なうことなく、加熱活性化時に熱可塑性
樹脂層を形成する樹脂は固体可塑剤により十分に可塑化
されて接着性が良好となる。
【0039】本発明に係わる熱可塑性樹脂層を連続した
塗工層として形成する場合は、通常紙塗工用に用いられ
ているブレードコーター、グラビアコーター、グラビア
オフセットコーター、バーコーター、ロールコーター、
ナイフコーター、エアナイフコーター、コンマコータ
ー、Uコンマコーター、スムージングコーター、マイク
ログラビアコーター、リバースロールコーター、4本あ
るいは5本ロールコーター、ディップコーター、落下カ
ーテンコーター、スライドコーター、ダイコーター等、
若しくはフレキソ、凸版、グラビア、オフセット等の各
種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷される。
【0040】本発明に係わる熱可塑性樹脂層を不連続な
塗工層として形成する場合は、フレキソ、凸版、グラビ
ア、オフセット等の各種印刷法が使用される。不連続な
塗工層はどのような形状でも構わないが、例えば、網点
状、格子状、縞状等の規則的な形状が好ましい。
【0041】熱可塑性樹脂層を塗工若しくは印刷する際
には、熱可塑性樹脂層と支持体の間に設けられる感熱性
粘着剤層中の固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥さ
れなければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他
に赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾
燥方法が使用できる。
【0042】熱可塑性樹脂層の塗布量は、乾燥塗工量で
3g/m2以下、好ましくは0.5以上2g/m2以下の範
囲で塗布される。感熱性粘着剤層の塗工量が3g/m2
超えると、加熱による接着を行う際に熱可塑性樹脂層と
支持体の間に設けられる感熱性粘着剤層中の固体可塑剤
が熱可塑性樹脂層を十分に可塑化することができないた
め、接着性に劣る結果となる。
【0043】本発明に係わる支持体に好ましく用いられ
る原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成され
る。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学
パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、C
MP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等
のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバイン
ダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン
化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合
し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の
各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、ア
ルカリ性で抄造できる。また、該原紙は、金属ロールと
合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処
理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処
理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等
でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても
良い。
【0044】原紙に含まれる填料としては、例えば、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポ
ン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ムのような白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグ
メント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチ
レン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のよ
うな有機顔料等が挙げられる。
【0045】原紙に含まれるサイズ剤としては、例え
ば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジン
サイズ剤、AKD、ASA、カチオンポリマー型サイズ
剤等を挙げることができる。
【0046】本発明に係わる支持体としてはさらに、グ
ラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの
塗工紙を用いることができる。ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の
プラスチックシート、およびこれらの合成繊維からなる
合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、または両
面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金属
箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シー
ト、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガ
ラスペーパー等も使用可能である。
【0047】更に、紙送りや重ねた場合のトラブル防止
のために導電処理を行ったり、支持体と感熱性粘着剤層
の間にアンダーコート層を設ける等、各種の公知技術を
必要に応じて付加することができる。
【0048】本発明の感熱性粘着シートにおいて、支持
体の感熱性粘着剤層とは反対面に情報記録層を設けるこ
とにより、情報記録適性を付与することも可能である。
本発明に係わる情報記録層としては、印刷用コーティン
グ層、インクジェット記録層、昇華熱転写インク受容
層、溶融熱転写インク受容層、感熱記録層、感圧記録層
等が挙げられる。
【0049】
【作用】以下に本発明の作用を述べる。本発明の感熱性
粘着シートは、支持体の片面に、感熱性粘着剤層、熱可
塑性樹脂層を順次積層することにより、接着機能を低下
させることなく耐ブロッキング性を向上させることが可
能となる。特に、熱可塑性樹脂層が顔料を含有する場合
には、本発明の感熱性粘着シートの熱可塑性樹脂層とは
反対面にプリンターで印字を行った際に、搬送トラブル
が起こらず良好である。また、支持体の熱可塑性樹脂層
とは反対面に情報記録層を設け情報記録を行うと、好適
にラベルとして使用できる。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部および%のいずれも重量基準である。ま
た、塗工量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗工量
である。
【0051】予備操作 支持体の抄造 支持体は、LBKP(濾水度420mlcsf)72部
とNBKP(濾水度440mlcsf)28部からなる
木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重
質炭酸カルシウム/タルクの比率が32/33/35の
顔料25部、市販アルキルケテンダイマー0.12部、
市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオ
ン化澱粉1.2部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網
抄紙機を用いて坪量100g/m2で抄造した。
【0052】固体可塑剤分散液の調製 固体可塑剤としてフタル酸ジシクロへキシル(融点64
℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤
(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会
社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度56%と
しボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで
粉砕し、固体可塑剤分散液を作製した。
【0053】感熱性粘着剤層塗液の調製 固体可塑剤分散液を200部に、熱可塑性樹脂として酢
酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工
業株式会社製、スミカフレックス910;ガラス転移温
度 −20℃)100部と、粘着付与剤としてロジンエ
ステル分散液(荒川化学工業株式会社製、スーパーエス
テルE−730)70部とを混合して、固形分濃度50
重量%の感熱性粘着剤層塗液を調製した。
【0054】熱可塑性樹脂層塗液の調製1 熱可塑性樹脂としてスチレン−アクリル酸エステル共重
合体エマルジョン(日本エヌエスシー株式会社製、GD
902;ガラス転移温度 40℃)を使用した。この塗
液を熱可塑性樹脂層塗液Aとする。
【0055】熱可塑性樹脂層塗液の調製2 熱可塑性樹脂としてスチレン−アクリル酸エステル共重
合体エマルジョン(日本エヌエスシー株式会社製、GD
902;ガラス転移温度 40℃)100部に、顔料と
して炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社製、ソフト
ン1000;平均粒子径2.2μm)20部を混合し
て、熱可塑性樹脂層塗液を調製した。この塗液を熱可塑
性樹脂層塗液Bとする。
【0056】熱可塑性樹脂層塗液の調製3 熱可塑性樹脂としてスチレン−アクリル酸エステル共重
合体エマルジョン(日本エヌエスシー株式会社製、GD
902;ガラス転移温度 40℃)100部に、顔料と
してポリオレフィン樹脂(三井化学製、ケミパールW−
200;平均粒子径6μm)15部を混合して、熱可塑
性樹脂層塗液を調製した。この塗液を熱可塑性樹脂層塗
液Cとする。
【0057】実施例1 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液を塗工量が25g/m2
になるように塗工、乾燥した。この感熱性粘着剤層の上
に、エアーナイフコーターを用いて熱可塑性樹脂層塗液
Aを塗工量が2g/m2となるように塗工、乾燥して本発
明の感熱性粘着シートを得た。
【0058】実施例2 実施例1において、熱可塑性樹脂層をグラビア印刷によ
り網点状に設けた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱性粘着シートを得た。
【0059】実施例3 実施例1において、熱可塑性樹脂層をグラビア印刷によ
り格子状に設けた以外は実施例1と同様にして本発明の
感熱性粘着シートを得た。
【0060】実施例4 実施例1において、熱可塑性樹脂層塗液Aに代えて酢酸
ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業
株式会社製、スミカフレックス751;ガラス転移温度
−15℃)を使用した以外は実施例1と同様にして本
発明の感熱性粘着シートを得た。
【0061】実施例5 実施例1において、熱可塑性樹脂層塗液Aに代えて酢酸
ビニル−エチレン共重合体エマルジョン(住友化学工業
株式会社製、スミカフレックス473;ガラス転移温度
−5℃)を使用した以外は実施例1と同様にして本発
明の感熱性粘着シートを得た。
【0062】実施例6 実施例1において、熱可塑性樹脂層塗液Aに代えてスチ
レン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(日本
エヌエスシー株式会社製、AA−76;ガラス転移温度
60℃)を使用した以外は実施例1と同様にして本発
明の感熱性粘着シートを得た。
【0063】実施例7 実施例1において、熱可塑性樹脂層塗液Aに代えてスチ
レン−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(日本
エヌエスシー株式会社製、2E−5037;ガラス転移
温度 70℃)を使用した以外は実施例1と同様にして
本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0064】実施例8 実施例1において、熱可塑性樹脂層塗液Aに代えて熱可
塑性樹脂層塗液Bを使用した以外は実施例1と同様にし
て本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0065】実施例9 実施例1において、熱可塑性樹脂層塗液Aに代えて熱可
塑性樹脂層塗液Cを使用した以外は実施例1と同様にし
て本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0066】実施例10 実施例1において、熱可塑性樹脂層塗液を塗工量が3g
/m2となるように塗工、乾燥した以外は実施例1と同様
にして本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0067】実施例11 実施例1において、熱可塑性樹脂層塗液を塗工量が4g
/m2となるように塗工、乾燥した以外は実施例1と同様
にして本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0068】比較例1 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液を塗工量が25g/m2
になるように塗工、乾燥して感熱性粘着シートを得た。
【0069】比較例2 感熱性粘着剤層塗液の調製において、酢酸ビニル−エチ
レン共重合体エマルジョンの代わりにスチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体エマルジョン(日本エヌエスシー
株式会社製、2E−5037;ガラス転移温度 70
℃)100部を使用して感熱性粘着剤層塗液を調製し
た。こうして得た感熱性粘着剤層塗液を予備操作で作製
した支持体の片面に、エアーナイフコーターを用いて塗
工量が25g/m2になるように塗工、乾燥して感熱性粘
着シートを得た。
【0070】比較例3 感熱性粘着剤層塗液の調製において、フタル酸ジシクロ
へキシルの代わりに三安息香酸トリメチロールエタン
(融点73℃)を使用した以外は、感熱性粘着剤層塗液
の調整と同様にして感熱性粘着剤層塗液を調製した。こ
の感熱性粘着剤層塗液を予備操作で作製した支持体の片
面に、エアーナイフコーターを用いて塗工量が25g/
2になるように塗工、乾燥して感熱性粘着シートを得
た。
【0071】以上の実施例、比較例により得られた感熱
性粘着シートを以下の試験方法により評価し、その結果
を表1に示した。
【0072】<試験方法> 1)接着性 感熱性粘着シートを120℃雰囲気内で1分間加熱する
ことにより粘着性を発現させた後、速やかにステンレス
鋼板に貼り付けた。20℃65%RH環境で1日保管
後、180度動剥離強度(300mm/分)をテンシロン
万能試験機にて測定した。なお、表1中の単位はg/2
5mmである。接着力が800g/25mm以上の場合
接着性が優れている。500g/25mm以上800g
/25mm未満の場合は実用上問題のないレベルであ
り、500g/25mm未満の場合は接着機能に劣って
おり実用上使用困難である。
【0073】2)耐ブロッキング性 感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層と反対面の原紙面が
対向するように重ね合わせ、500g/cm2の加重を
かけた。50℃で1日間保存後に、ブロッキングの発生
状況を下記の基準で評価した。 ◎:ブロッキングを起こさなかったもの。 ○:少しブロッキングするが実用上問題のないもの。 ×:ブロッキングを起こしており実用上問題があるも
の。
【0074】
【表1】
【0075】インクジェット記録層塗液の調製 インクジェット記録層塗液として、合成非晶質シリカ
(ファンシールX37B、徳山曹達製)120部、ポリ
ビニルアルコール(PVA117、クラレ製)35部、
カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001、住
友化学工業製)20部を用い、これを調液し、固形分濃
度15%とした。
【0076】インクジェット記録シートの作製 予備操作で作製した支持体の片面に、インクジェット記
録層塗液をエアーナイフコーターにより塗工量が5.5
g/m2となるように塗工、乾燥しインクジェット記録シ
ートを作製した。
【0077】実施例12 実施例1において、予備操作で作製した支持体の代わり
にインクジェット記録シートを使用し、インク受容層と
は反対面に、実施例1と同様にして感熱性粘着剤層、熱
可塑性樹脂層を順次設けて本発明の感熱性粘着シートを
得た。
【0078】実施例13 実施例8において、予備操作で作製した支持体の代わり
にインクジェット記録シートを使用し、インク受容層と
は反対面に、実施例8と同様にして感熱性粘着剤層、熱
可塑性樹脂層を順次設けて本発明の感熱性粘着シートを
得た。
【0079】実施例14 実施例9において、予備操作で作製した支持体の代わり
にインクジェット記録シートを使用し、インク受容層と
は反対面に、実施例9と同様にして感熱性粘着剤層、熱
可塑性樹脂層を順次設けて本発明の感熱性粘着シートを
得た。
【0080】以上の実施例により得られた感熱性粘着シ
ートについて、接着性、耐ブロッキング性、プリンター
適性および画像鮮明性を評価し、その結果を表2に示し
た。
【0081】<試験方法> 3)プリンター適性 A4の大きさに断裁した感熱性粘着シートを、市販のイ
ンクジェットプリンター(キャノン製 BJC−45
5)に20枚セットし、感熱性粘着剤層とは反対面にカ
ラー画像印字を行った。この操作を5回繰り返し、計1
00枚の印字を行った。紙送りトラブルに起因する色の
乱れが生じる枚数と、ジャミングにより排出された枚数
の総計で、インクジェットプリンター適性を判定した。
当然、少ないほど良好であるが、目安として3枚までの
枚数であればプリンター適性(通紙性)は良好であり、
4〜9枚であれば許容範囲内であり、10枚以上だと定
常的にミス紙が出ていることになり好ましくない。 4)画像鮮明性 プリンター適性の試験で得られた試験片において、イン
クジェット記録部分を拡大ルーペで観察した。画像にニ
ジミがなく、シャープさを有する場合を画像鮮明性が
優、ややシャープさに欠けるが十分に画像が鮮明である
場合を画像鮮明性が可、ニジミが発生し、画像が乱れて
いる場合を画像鮮明性が劣で判定した。
【0082】
【表2】
【0083】<評価>実施例1〜14に示すように、支
持体の片面に、感熱性粘着剤層、熱可塑性樹脂層を順次
積層したことにより、接着機能を低下させることなく、
耐ブロッキング性を向上させた感熱性粘着シートを作製
することができた。熱可塑性樹脂層の組成は熱可塑性樹
脂単体であっても、固体可塑剤にバインダーを配合させ
たものでも良好な特性を示した。熱可塑性樹脂層が不連
続な塗工層により構成されている実施例2、3では、連
続な塗工層により構成されている実施例1に比べ、加熱
時の接着性が向上している。熱可塑性樹脂層で使用され
る熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−10℃以上65℃
以下である実施例1、5、6では、接着性と耐ブロッキ
ング性のバランスが良好である。実施例1、10、11
の比較より、熱可塑性樹脂層の塗工量は3g/m2以下で
ある場合は、接着性が良好である。また、熱可塑性樹脂
層が顔料を含有し、かつ熱可塑性樹脂層とは反対面にイ
ンクジェット記録層を設けた実施例14、15では、接
着性、耐ブロッキング性が良好であるだけでなく、プリ
ンターの通紙性が向上し、鮮明なインクジェット記録画
像が得られる。顔料の粒径がより大きい実施例14で
は、プリンターでの搬送トラブルは全く生じなかった。
【0084】一方、比較例1に示すように、支持体の片
面に感熱性粘着剤層のみを設けた構成では、接着性に優
れるものの耐ブロッキング性に劣る結果となった。比較
例1において使用した熱可塑性樹脂に代えて、ガラス転
移温度が高い熱可塑性樹脂を使用した比較例2では、耐
ブロッキング性は向上しているものの接着性に問題があ
る。また、高融点の固体可塑剤を使用した比較例3で
は、耐ブロッキング性に優れるものの接着性に劣ってい
た。
【0085】
【発明の効果】本発明の感熱性粘着シートは、支持体の
片面に、感熱性粘着剤層、熱可塑性樹脂層を順次積層す
ることにより、接着機能を低下させることなく耐ブロッ
キング性を向上させることが可能となる。特に、該熱可
塑性樹脂層が顔料を含有する場合には、プリンター適性
が向上する。また、支持体の熱可塑性樹脂層とは反対面
に情報記録層を設けた場合は、鮮明な画像が得られ本発
明の感熱性粘着シートをラベルとして使用した場合に好
適である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、感熱性粘着剤層、熱可
    塑性樹脂層を順次積層したことを特徴とする感熱性粘着
    シート。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂層が不連続な塗工層からな
    る請求項1または2記載の感熱性粘着シート。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−10
    ℃以上65℃以下である請求項1または2記載の感熱性
    粘着シート。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂層が顔料を含有する請求項
    1、2または3記載の感熱性粘着シート。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂層の塗工量が3g/m2以下
    である請求項1、2、3または4に記載の感熱性粘着シ
    ート。
  6. 【請求項6】 支持体の反対面に情報記録層を設けたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の感熱性粘着シート。
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