JP2000073022A - 感熱性粘着シート - Google Patents

感熱性粘着シート

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JP2000073022A
JP2000073022A JP10244512A JP24451298A JP2000073022A JP 2000073022 A JP2000073022 A JP 2000073022A JP 10244512 A JP10244512 A JP 10244512A JP 24451298 A JP24451298 A JP 24451298A JP 2000073022 A JP2000073022 A JP 2000073022A
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sensitive adhesive
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metal salt
acid
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Katsuaki Arai
克明 新井
Yuji Iguchi
裕二 井口
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】接着機能、ブロッキング性の両方を向上した感
熱性粘着シートを提供する。さらにポリオレフィン系フ
ィルムへの接着性を向上させた感熱性粘着剤を提供す
る。 【解決手段】感熱性粘着剤層に肪肪酸の金属塩を添加す
ることにより、接着機能、ブロッキング性の両方を向上
させることが可能となる。特にステアリン酸の金属塩が
好ましい。その中でもステアリン酸アルミニウムの添加
により、ブロッキング性とポリオレフィンフィルムへの
接着性とを向上させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温では非粘着性
であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現
後も粘着性が持続する感熱性粘着シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ラベル用記録シートを、価格表示
用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示
用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステ
ッカー)等のラベル用途として使用することが増加して
いる。その記録方式もインクジェット記録方式、感熱記
録方式、感圧記録方式等様々な方式がある。従来よりラ
ベルの情報記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙を積
層した構成の一般的な粘着シートが、貼り合わせ時に剥
離紙を剥がし加圧のみで簡便に貼り合わせることのでき
るため広く使用されている。しかし、一般的な構成の粘
着シートは、剥離紙を剥離して使用するが、剥離された
剥離紙は回収されて再利用され難く、ほとんどの場合廃
棄処分されている。また、いわゆる粘着剤層はタックを
もっており、剥離紙を剥がした後の取り扱いが非常に難
しく、被着体に不用意に貼り付けてしまったときに貼り
直すために粘着シートを剥がそうとすると、粘着シート
がカールしたりしわが入ったりし、最悪の場合にはシー
トが破れるという問題があった。近年では、常温では粘
着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着シートが
注目されている。
【0003】感熱性粘着剤は、固体可塑剤および熱可塑
性樹脂を必須成分とし、これらに粘着付与剤等を混合し
たもので、これらの混合物を支持体上の情報記録面の反
対面に塗工することにより感熱性粘着シートが得られ
る。感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層面は、常温では
全く粘着性を示さないが、加熱することにより粘着性が
発現し、熱源を取り去った後でも暫くの間粘着性を維持
するものであり、加熱によりまず固体可塑剤が融解し、
熱可塑性樹脂と粘着付与剤を溶解・膨潤することにより
粘着性が発現すると考えられている。感熱性粘着シート
は、前記の一般的な粘着シートのように剥離紙を使用し
ないため、省資源、環境問題の点から有利である。更
に、被着体に接触させてから感熱性粘着シートを加熱す
れば接着できるため、貼付ミスを防止できる。
【0004】このような利点を有する感熱性粘着シート
であっても、従来のものには問題点を有するものもあっ
た。その問題点の1つとして、ブロッキングが挙げられ
る。ブロッキングは、粘着を意図しないにも拘わらず粘
着性を発現してしまう現象であり、常温よりも高い温度
雰囲気下に長時間曝された場合等に誘発することがあ
る。ロール状またはそれを枚葉に裁断して積み重ねた状
態のいずれの場合においても、一たびブロッキングを誘
発すれば、感熱性粘着剤層面と外面(感熱性粘着剤層面
と反対面)とが接着し、紙送りに支障をきたすのみなら
ず、外面の印刷にも悪影響を与えることになる。
【0005】そこで、ブロッキングを防止する手段とし
て、感熱性粘着剤中に滑性のあるワックスを配合する方
法(特公昭62−21835号公報)、無機物を添加あ
るいは混合させる方法(特開平2−282050号公
報)、固体可塑剤の表面を無機化合物やコロイド粒子で
保護し、固体可塑剤の軟化を抑制することでブロッキン
グを防止する方法(特開平6−57223号公報、特開
平6−100847号公報、特開平6−100848号
公報)、感熱性粘着剤中に高分子ミクロスフェアを含有
させる方法(特開平3−91586号公報)等が開示さ
れている。しかし、ワックスを配合するとブロッキング
防止効果が不十分であるばかりか、逆に粘着性の低下を
もたらす。通常の無機物の添加だけでは耐ブロッキング
性が不十分である。固体可塑剤の表面を無機化合物やコ
ロイド粒子で保護すると、固体可塑剤の溶融、拡散に時
間がかかり、感熱性粘着剤の粘着性が現れにくく、接着
性能が低下する等の問題を生じ、実用上不十分である。
高分子ミクロスフェアを含有させる方法でも、常温より
高い温度で長期間保存するとブロッキングを発生してし
まう。感熱性粘着シートは、ブロッキングが起こらない
ような低温度条件下で輸送され、保存されているのが現
状である。
【0006】また、感熱性粘着シートの別の問題点とし
て、ポリオレフィン系フィルムへの接着性が劣るという
点が挙げられ、これらのフィルムへのラベルとしての使
用は大きく制限されているのが実状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、接着機能、ブロッキング性の両方
を向上した感熱性粘着シートを提供するものである。さ
らにはポリオレフィン系フィルムへの接着性を向上させ
た感熱性粘着剤を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、感熱性粘着
シートについて種々の研究を重ねた結果、感熱性粘着剤
層に脂肪酸の金属塩を添加することにより、接着機能、
ブロッキング性を向上させることが可能であることを見
いだした。さらに、特別な脂肪酸の金属塩の添加によ
り、ポリオレフィン系フィルムへの接着性も大きく改良
されることを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、支持体の片面に熱可
塑性樹脂と固体可塑剤を含有する感熱性粘着剤層を設け
た感熱性粘着シートにおいて、該感熱性粘着剤層が脂肪
酸の金属塩を含有することを特徴とする感熱性粘着シー
トの発明である。
【0010】脂肪酸の金属塩がステアリン酸の金属塩で
ある感熱性粘着シートの発明である。
【0011】ステアリン酸の金属塩がステアリン酸アル
ミニウムである感熱性粘着シートの発明である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の感熱性粘着シー
トについて詳細に説明する。本発明の感熱性粘着シート
は、感熱性粘着剤層が脂肪酸の金属塩を含有することを
特徴とする感熱性粘着シートである。
【0013】本発明に係わる脂肪酸の金属塩の構成成分
である脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプ
リン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ス
テアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン
酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸等の炭素数4
から30の範囲の飽和脂肪酸、ミリストオレイン酸、パ
ルミトオレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、エイコセ
ン酸、エルシン酸、セラコレン酸、リノール酸、ヒラゴ
ン酸、リノレン酸、アラキドン酸、タリリン酸等の二重
結合や三重結合を有する炭素数4から30の範囲の不飽
和脂肪酸、あるいはオキシ酸、分枝脂肪酸、共役化脂肪
酸等が挙げられる。
【0014】脂肪酸の金属塩を構成する金属としては、
ナトリウム、カリウム、カルシウム、鉛、バリウム、亜
鉛、マグネシウム、アルミニウム等の各種金属が挙げら
れる。
【0015】これらの脂肪酸の金属塩のうち、ブロッキ
ング防止という観点から、常温で固体である化合物が好
ましく、融点70℃以上の化合物がさらに好ましい。ま
た、接着性という点では、加熱活性化時に脂肪酸の金属
塩が固体可塑剤に溶解することが好ましい。感熱性粘着
シートを加熱活性化させる際には、熱風、ヒーター、赤
外線、マイクロ波、高周波等の各種熱源を使用できる
が、通常70〜200℃の温度が利用される。加熱活性
化時に脂肪酸の金属塩が固体可塑剤に溶解するために
は、これらの温度で脂肪酸の金属塩が融解することが好
ましい。つまり、脂肪酸の金属塩の融点は70〜200
℃の範囲であることが、ブロッキング性、接着性の両方
の面から好ましく、さらに好ましくは90〜180℃で
ある。
【0016】本発明に係わる脂肪酸の金属塩の中で、ス
テアリン酸の金属塩は、接着性の低下が起こりにくくブ
ロッキング性が向上するという点で好ましい。ステアリ
ン酸の金属塩は例えば、ステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸カリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ス
テアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム等
の各種金属塩が挙げられる。
【0017】当初予期しなかったことであるが、感熱性
粘着剤層に脂肪酸の金属塩としてステアリン酸アルミニ
ウムを配合すると、ブロッキング性が向上するばかりで
なく、配合しなかった場合に比べポリオレフィン系フィ
ルムに対する接着性が大きく向上することが判明した。
【0018】ステアリン酸アルミニウムは、アルミニウ
ムと反応する脂肪酸の比率から考えてモノ、ジ、トリの
3種の化合物があるが、本発明に係わるステアリン酸ア
ルミニウムはこれらの化合物の総称であり、各タイプの
化合物を任意の比率で混合した混合物である。また、ス
テアリン酸アルミニウムの合成時に未反応の脂肪酸や金
属分が残留するが、これらの残留物を含んでいても構わ
ない。
【0019】本発明に係わる脂肪酸の金属塩の配合量は
感熱性粘着剤層の全乾燥固形分に対して0.01重量%
以上10重量%以下である必要がある。より好ましくは
0.05重量%以上5重量%以下、さらには0.1重量
%以上3重量%以下である。0.01重量%未満では添
加効果が小さく、10重量%を超えると接着性が低下し
やすくなる。
【0020】本発明に係わる感熱性粘着剤層は、少なく
とも固体可塑剤と熱可塑性樹脂から構成される。感熱性
粘着剤層を構成する固体可塑剤は、例えば、フタル酸ジ
ヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒド
ロアビエチル、フタル酸ジフェニル、N−シクロへキシ
ル−p−トルエンスルホンアミド、安息香酸スクロー
ス、三安息香酸トリメチロールエタン、四安息香酸ペン
タエリトリット、八酢酸スクロース、イソフタル酸ジメ
チル、クエン酸トリシクロヘキシル、二安息香酸エチレ
ングリコール、カテコールジパルミテート、カテコール
ジステアレート、カテコールジベンゾエート等のカテコ
ール誘導体、さらには、チオビス〔エチレン3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕等のヒンダードフェノール系化合物、
2−[5′−(1″,1″,3″,3″−テトラメチル
ブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾ
ール、2−[5′−(1″,1″,2″,3″−テトラ
メチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾト
リアゾール、2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジ
メチルプロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾ
トリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル
−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール等のトリアゾール系化合物等の融点が約40〜
140℃の範囲の各種化合物が挙げられる。これらの化
合物は単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0021】固体可塑剤は、加熱時に融点以上で融解し
熱可塑性樹脂を可塑化することにより、感熱性粘着剤と
して粘着性を発現するが、粘着性の持続時間は固体可塑
剤の種類によって異なる。感熱性粘着剤層を構成する固
体可塑剤としては、粘着性の持続時間が長く接着性が良
好であるということからフタル酸ジシクロへキシルを使
用することが好ましい。
【0022】これらの固体可塑剤および化合物は、ボー
ルミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミ
ル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしく
は乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いら
れるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用
することも可能である。固体可塑剤の粒径は10μm以
下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実
用上からは1〜2μmである。
【0023】感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂の
種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化
ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重
合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げら
れる。これらは単独または複数を組み合わせて用いられ
る。
【0024】感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂
は、ガラス転移温度が−50℃以上50℃以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは−30℃以上30℃以下
である。ガラス転移温度が−50℃より低いとブロッキ
ングを起こしやすく、50℃を超えると加熱したときに
粘着性が現れにくい。
【0025】本発明における固体可塑剤は、熱可塑性樹
脂100部に対して50〜500部、好ましくは100
〜400部の範囲で用いられる。50部未満の場合はブ
ロッキングが生じやすくなり、400部を越えると粘着
力の低下やチョーキングが生じやすくなる。
【0026】本発明に係わる感熱性粘着剤層には粘着力
を向上させるために、粘着付与剤を添加することができ
る。本発明に用いる粘着付与剤の具体例としては、テル
ペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、
テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いら
れる。
【0027】これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂100
部に対し200部以下、好ましくは20〜150部の範
囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加部数が20
0部を越えるとブロッキングを生じ易くなる。
【0028】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、顔料
等も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であり、例
えばアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、
バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸
塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリン、焼成
カオリン等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン
樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹
脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用
可能である。
【0029】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、感熱
性粘着剤層と支持体との接着または感熱性粘着剤層内の
凝集力を高める目的で、水性高分子バインダー、例えば
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エ
ーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、
ゼラチン、アルギン酸ソーダ等を添加することができ
る。上記水性高分子バインダーの混合比率は、感熱性粘
接着シートの本来の粘着力を損なわない範囲で添加さ
れ、具体的には感熱性粘着剤層全固形分に対し30重量
%以下、より好ましくは10重量%以下の範囲で用いら
れる。
【0030】本発明に係わる感熱性粘着剤層には前記成
分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤
を添加することができる。
【0031】本発明に係わる支持体に好ましく用いられ
る原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成され
る。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学
パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、C
MP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等
のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバイン
ダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン
化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合
し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の
各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、ア
ルカリ性で抄造できる。また、該原紙は、金属ロールと
合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処
理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処
理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等
でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても
良い。
【0032】原紙に含まれる填料としては、例えば、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白
色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アク
リル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイク
ロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料
等が挙げられる。
【0033】原紙に含まれるサイズ剤としては、例え
ば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジン
サイズ剤、AKD、ASA、カチオンポリマー型サイズ
剤等を挙げることができる。
【0034】本発明に係わる支持体としてはさらに、グ
ラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの
塗工紙、インクジェット記録紙、感熱記録紙、感圧記録
紙、昇華熱転写記録紙、溶融熱転写記録紙等の情報記録
用紙を用いることが可能である。ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等
のプラスチックシート、およびこれらの合成繊維からな
る合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、または
両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または金
属箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シー
ト、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、ガ
ラスペーパー等も使用可能である。
【0035】更に、紙送りや重ねた場合のトラブル防止
のために導電処理を行ったり、支持体と感熱性粘着剤層
の間にアンダーコート層を設ける等、各種の公知技術を
必要に応じて付加することができる。
【0036】本発明に係わる感熱性粘着剤層は、通常紙
塗工用に用いられているブレードコーター、グラビアコ
ーター、グラビアオフセットコーター、バーコーター、
ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコータ
ー、コンマコーター、Uコンマコーター、スムージング
コーター、マイクログラビアコーター、リバースロール
コーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップ
コーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、
ダイコーター等、若しくはフレキソ、凸版、グラビア、
オフセット等の各種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷
される。
【0037】支持体に感熱性粘着剤層を塗工若しくは印
刷する際、固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥され
なければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に
赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥
方法が使用できる。
【0038】感熱性粘着剤層の塗布量は、乾燥塗工量で
通常2g/m2以上50g/m2以下、好ましくは5g/m2
以上35g/m2以下の範囲で塗布される。塗工量が2g
/m2未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接
着力が得にくい。また、50g/m2を越えると接着機
能が飽和し経済上好ましくない。
【0039】
【作用】以下に本発明の作用を述べる。本発明の感熱性
粘着シートは、感熱性粘着剤層に脂肪酸の金属塩を添加
することにより、接着機能、ブロッキング性の両方を向
上させることが可能となる。特にステアリン酸の金属塩
を用いた場合はブロッキング性が良好である。さらにス
テアリン酸アルミニウムを添加すると、ブロッキング性
が向上するばかりでなくポリオレフィン系フィルムに対
する接着性が大きく向上する。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部および%のいずれも重量基準である。ま
た、塗工量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗工量
である。
【0041】固体可塑剤分散液の調製 固体可塑剤としてフタル酸ジシクロへキシル(融点64
℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤
(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会
社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度56%と
しボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで
粉砕し、固体可塑剤分散液を作製した。
【0042】感熱性粘着剤層塗液の調製 固体可塑剤分散液200部、熱可塑性樹脂として酢酸ビ
ニル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体エマルジ
ョン(住友化学工業株式会社製、スミカフレックス91
0;ガラス転移温度 −20℃)100部、粘着付与剤
としてロジンエステル分散液(荒川化学工業株式会社
製、スーパーエステルE−730)70部、ステアリン
酸カルシウム水性分散液(サンノプコ社製、SN23
0、融点180℃)10部を混合して、固形分濃度50
重量%の感熱性粘着剤層塗液を調製した。このときのス
テアリン酸カルシウムの配合量は全乾燥固形分に対し
2.6重量%である。
【0043】実施例1 支持体として坪量80g/m2の片面アート紙の原紙面
に、エアーナイフコーターを用いて感熱性粘着剤層塗液
の調製で作製した感熱性粘着剤層塗液を塗工量が25g
/m2になるように塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着シ
ートを得た。
【0044】実施例2 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの代わりにステアリン酸亜鉛(融点140℃)1
0部を添加した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様
にして塗液の調整を行った。こうして得た感熱性粘着剤
層塗液を実施例1と同様に塗工、乾燥して本発明の感熱
性粘着シートを得た。
【0045】実施例3 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの代わりにステアリン酸アルミニウム(川村化成
工業製、アルステ#30、融点160℃)10部を添加
した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様にして塗液
の調整を行った。こうして得た感熱性粘着剤層塗液を実
施例1と同様に塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着シー
トを得た。
【0046】実施例4 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの代わりにオレイン酸カルシウム(融点83℃)1
0部を添加した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様
にして塗液の調整を行った。こうして得た感熱性粘着剤
層塗液を実施例1と同様に塗工、乾燥して本発明の感熱
性粘着シートを得た。
【0047】実施例5 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの代わりにカプロン酸亜鉛(融点142℃)10部
を添加した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様にし
て塗液の調整を行った。こうして得た感熱性粘着剤層塗
液を実施例1と同様に塗工、乾燥して本発明の感熱性粘
着シートを得た。
【0048】実施例6 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの配合量を10部から0.05部に変更した以外
は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様にして塗液の調整を
行った。このときのステアリン酸カルシウムの配合量は
全乾燥固形分に対し0.014重量%である。こうして
得た感熱性粘着剤層塗液を実施例1と同様に塗工、乾燥
して本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0049】実施例7 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの配合量を10部から40部に変更した以外は感
熱性粘着剤層塗液の調整と同様にして塗液の調整を行っ
た。このときのステアリン酸カルシウムの配合量は全乾
燥固形分に対し9.8重量%である。こうして得た感熱
性粘着剤層塗液を実施例1と同様に塗工、乾燥して本発
明の感熱性粘着シートを得た。
【0050】比較例1 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムを添加しなかった以外は感熱性粘着剤層塗液の調
整と同様にして塗液の調整を行った。こうして得た感熱
性粘着剤層塗液を実施例1と同様に塗工、乾燥して感熱
性粘着シートを得た。
【0051】比較例2 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの代わりにカルナウバワックス10部を添加した
以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様にして塗液の調
整を行った。こうして得た感熱性粘着剤層塗液を実施例
1と同様に塗工、乾燥して感熱性粘着シートを得た。
【0052】比較例3 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウム水性分散液の代わりにステアリン酸アミドワック
ス10部を添加した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と
同様にして塗液の調整を行った。こうして得た感熱性粘
着剤層塗液を実施例1と同様に塗工、乾燥して感熱性粘
着シートを得た。
【0053】比較例4 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの代わりにカオリン(エンゲルハードミネラルズ
製、ウルトラホワイト90)50部を添加した以外は感
熱性粘着剤層塗液の調整と同様にして塗液の調整を行っ
た。こうして得た感熱性粘着剤層塗液を実施例1と同様
に塗工、乾燥して感熱性粘着シートを得た。
【0054】比較例5 感熱性粘着剤層塗液の調製において、ステアリン酸カル
シウムの代わりにコロイダルシリカ(日産化学工業製、
スノーテックス40)50部を添加した以外は感熱性粘
着剤層塗液の調整と同様にして塗液の調整を行った。こ
うして得た感熱性粘着剤層塗液を実施例1と同様に塗
工、乾燥して感熱性粘着シートを得た。
【0055】以上の実施例、比較例により得られた感熱
性粘着シートを以下の試験方法により評価し、その結果
を表1に示した。
【0056】<試験方法> 1)接着性 感熱性粘着シートを25mm幅に断裁し、120℃雰囲
気内で1分間加熱することにより粘着性を発現させた
後、速やかにステンレス鋼板およびポリエチレンフィル
ムに貼り付けた。1日後、180度動剥離強度(300
mm/分)をテンシロン万能試験機にて測定した。な
お、表1中の単位はg/25mmである。接着力が80
0g/25mm以上の場合接着性が十分あり優れてい
る。500g/25mm以上800g/25mm未満の
場合は実用上問題のないレベルであり、500g/25
mm未満の場合は接着性に劣っており実用上使用困難で
ある。
【0057】2)ブロッキング性 感熱性粘着シートの感熱性粘着剤層と反対面の原紙面が
対向するように重ね合わせ、500g/cm2の加重をか
けた。50℃で1日間保存後に、ブロッキングの発生状
況を下記の基準で評価した。 ◎:ブロッキングを起こさなかったもの。 ○:少しブロッキングするが実用上問題のないもの。 ×:ブロッキングを起こしており実用上問題があるも
の。
【0058】
【表1】
【0059】<評価>実施例1〜7に示すように、感熱
性粘着剤層に脂肪酸の金属塩を添加することにより、接
着機能、ブロッキング性の両方を向上させることが可能
となる。実施例1、2、3に示すように、脂肪酸の金属
塩としてステアリン酸の金属塩を添加した場合は、ブロ
ッキング性がさらに良好となる。さらに、ステアリン酸
の金属塩としてステアリン酸アルミニウムを添加した実
施例3においては、ブロッキング性が向上するばかりで
なく、ポリエチレンに対する接着性も大きく向上してお
り特に良好である。また、実施例1、6、7は、脂肪酸
の金属塩の配合量を変化させた場合の比較である。これ
らの実施例から、脂肪酸の金属塩の配合量を感熱性粘着
剤層の全乾燥固形分に対し0.01重量%以上10重量
%以下とした場合、接着性とブロッキング性のバランス
が良好となることがわかる。一方、比較例1に示すよう
に、感熱性粘着剤層に脂肪酸の金属塩が含まれない場合
には、接着性は良好であるもののブロッキング性に問題
がある。比較例2、3に示すように、脂肪酸の金属塩の
代わりにワックスを添加した場合は、ブロッキング性は
まずまずであるが接着力の低下が起こる。比較例4、5
に示すように、脂肪酸の金属塩の代わりに無機顔料ある
いはコロイド粒子を添加した場合は、接着性は良好であ
るがブロッキング性に問題を生じる。
【0060】
【発明の効果】本発明の感熱性粘着シートは、感熱性粘
着剤層に脂肪酸の金属塩を添加することにより、接着機
能を低下させることなく、ブロッキング性を向上させる
ことが可能となる。特にステアリン酸の金属塩を用いた
場合はブロッキング性が良好である。さらにステアリン
酸アルミニウムを添加すると、ブロッキング性が向上す
るばかりでなく、添加しなかった場合に比べポリオレフ
ィン系フィルムに対する接着性が大きく向上する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に、熱可塑性樹脂と固体可
    塑剤を含有する感熱性粘着剤層を設けた感熱性粘着シー
    トにおいて、該感熱性粘着剤層が脂肪酸の金属塩を含有
    することを特徴とする感熱性粘着シート。
  2. 【請求項2】 脂肪酸の金属塩がステアリン酸の金属塩
    である請求項1記載の感熱性粘着シート。
  3. 【請求項3】 ステアリン酸の金属塩がステアリン酸ア
    ルミニウムである請求項2記載の感熱性粘着シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7056552B2 (en) 2001-03-09 2006-06-06 Ricoh Company, Ltd. Heat-sensitive adhesive material
JP2019143001A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 東ソー株式会社 接着剤及びこれよりなる積層体

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7056552B2 (en) 2001-03-09 2006-06-06 Ricoh Company, Ltd. Heat-sensitive adhesive material
JP2019143001A (ja) * 2018-02-16 2019-08-29 東ソー株式会社 接着剤及びこれよりなる積層体
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