JPH11279496A - 感熱性粘着シート - Google Patents

感熱性粘着シート

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JPH11279496A
JPH11279496A JP8742498A JP8742498A JPH11279496A JP H11279496 A JPH11279496 A JP H11279496A JP 8742498 A JP8742498 A JP 8742498A JP 8742498 A JP8742498 A JP 8742498A JP H11279496 A JPH11279496 A JP H11279496A
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JP
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sensitive adhesive
heat
adhesive layer
starch
sheet
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JP8742498A
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Katsuaki Arai
克明 新井
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シートの断裁性に優れるため、スリッターある
いは断裁処理時の操業性が良好であり、十分な接着性を
示す感熱性粘着シートを提供する。 【解決手段】感熱性粘着剤層に一定量の澱粉を添加する
ことにより、接着機能を低下させることなく、シートの
断裁性を向上させることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温では非粘着性
であるが加熱により粘着性が発現し、しかも粘着性発現
後も粘着性が持続する感熱性粘着シートに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ラベル用記録シートを、価格表示
用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示
用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステ
ッカー)等のラベル用途として使用することが増加して
いる。その記録方式もインクジェット記録方式、感熱記
録方式、感圧記録方式等様々な方式がある。従来よりラ
ベルの情報記録面とは反対面に、粘着剤層と剥離紙を積
層した構成の一般的な粘着シートが、貼り合わせ時に剥
離紙を剥がし加圧のみで簡便に貼り合わせることのでき
るため広く使用されている。しかし、一般的な構成の粘
着シートは、剥離紙を剥離して使用するが、剥離された
剥離紙は回収されて再利用され難く、ほとんどの場合廃
棄処分されている。また、いわゆる粘着剤層はタックを
もっており、剥離紙を剥がした後の取り扱いが非常に難
しく、被着体に不用意に貼り付けてしまったときに貼り
直すために粘着シートを剥がそうとすると、粘着シート
がカールしたりしわが入ったりし、最悪の場合にはシー
トが破れるという問題があった。近年では、常温では粘
着性を示さず剥離紙を必要としない感熱性粘着シートが
注目されている。
【0003】感熱性粘着剤は、固体可塑剤および熱可塑
性樹脂を必須成分とし、これらに粘着付与剤等を混合し
たもので、これらの混合物を支持体上の印刷面の反対面
に塗工することにより感熱性粘着シートが得られる。感
熱性粘着シートの粘着層表面は、常温では全く粘着性を
示さないが、加熱することにより粘着性が発現し、熱源
を取り去った後でも暫くの間粘着性を維持するものであ
り、加熱によりまず固体可塑剤が融解し、熱可塑性樹脂
と粘着付与剤を溶解することにより粘着性が発現すると
考えられている。感熱性粘着シートは、前記の一般的な
粘着シートのように剥離紙を使用しないため、省資源、
環境問題の点から有利である。更に、被着体に接触させ
てから感熱性粘着シートを加熱すれば接着できるため、
貼付ミスを防止できる。
【0004】このような利点を有する感熱性粘着シート
であっても、従来のものには問題点を有するものもあっ
た。その問題点の1つとして、スリッター処理時の操業
性が悪いことが挙げられる。通常、感熱性粘着シートは
紙等の支持体に感熱性粘着剤層塗液を塗工あるいは印刷
して巻き取りの形態で製造される。この後、感熱性粘着
シートは様々な紙幅の巻き取りにスリッター処理を施し
たり、紙の長手方向に一定間隔で断裁したりすることに
より、最終形態である各種ラベルとして使用される。従
来の感熱性粘着シートでは、このスリッターあるいは断
裁処理を長時間行うと、感熱性粘着剤層の成分が使用し
ている刃に付着、堆積することにより、しだいに刃の切
れ味が悪くなり、処理したシートのコバ面が揃わなくな
ったり、最終的には処理不能となったりしている。こう
したトラブルを防ぐため、定期的にスリッターあるいは
断裁機を停止し、刃の掃除をしており、操業性が悪化し
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、接着機能を低下させることなく、
シートの断裁性を向上した感熱性粘着シートを提供する
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、感熱性粘着
シートについて種々の研究を重ねた結果、感熱性粘着剤
層に一定量の澱粉を添加することにより、接着機能を低
下させることなく、シートの断裁性を向上させることが
可能であることを見いだした。
【0007】すなわち、本発明は、支持体の片面に固体
可塑剤と熱可塑性樹脂とを含有する感熱性粘着剤層を設
けた感熱性粘着シートにおいて、感熱性粘着剤層が澱粉
を含有することを特徴とする感熱性粘着シートの発明で
ある。
【0008】澱粉の配合量が感熱性粘着剤層の全乾燥固
形分に対して0.1重量%以上5重量%以下である感熱
性粘着シートの発明である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の感熱性粘着シー
トについて詳細に説明する。本発明の感熱性粘着シート
は、感熱性粘着剤層が澱粉を含有することを特徴とする
感熱性粘着シートである。
【0010】本発明に係わる澱粉としては、変性をして
いない澱粉でも変性した澱粉でも本発明の用途に使用可
能であり、変性澱粉としては例えば、酸化澱粉、エステ
ル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱粉、アルファー
化澱粉、カチオン澱粉等が挙げられる。これらの澱粉は
水に加熱溶解させて水溶液として使用する。感熱性粘着
剤層に澱粉を添加した感熱性粘着シートでは、スリッタ
ーや断裁処理の際に使用する刃に感熱性粘着剤層成分が
付着する度合が大きく低下し、操業性が良好となる。お
そらく、澱粉の添加により感熱性粘着剤層の凝集力が上
がるため、感熱性粘着剤層が刃に取られにくくなったの
だと考えられる。
【0011】一般に、感熱性粘着剤層の凝集力を高める
目的で、各種水性高分子バインダーが使用される。水性
高分子バインダーとしては、澱粉以外にも例えば、ポリ
ビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、カルボキシメチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロー
ス誘導体、カゼイン、ゼラチン、アルギン酸ソーダ等が
挙げられる。しかしこれらの水性高分子バインダーを感
熱性粘着剤層に使用した場合は、シートの断裁性改良が
小さかったり、接着性を大きく低下させたりする。
【0012】本発明に係わる澱粉の配合量は感熱性粘着
剤層の全乾燥固形分に対して0.1重量%以上5重量%
以下である必要がある。より好ましくは0.2重量%以
上3重量%以下、さらには0.3重量%以上2重量%以
下である。0.1重量%未満では澱粉の添加効果が小さ
く、5重量%を超えると接着性が低下しやすくなる。
【0013】本発明に係わる感熱性粘着剤層は、少なく
とも固体可塑剤と熱可塑性樹脂から構成される。感熱性
粘着剤層を構成する固体可塑剤は、例えば、フタル酸ジ
ヘキシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ジヒド
ロアビエチル、フタル酸ジフェニル、N−シクロへキシ
ル−p−トルエンスルホンアミド、安息香酸スクロー
ス、三安息香酸トリメチロールエタン、四安息香酸ペン
タエリトリット、八酢酸スクロース、イソフタル酸ジメ
チル、クエン酸トリシクロヘキシル、二安息香酸エチレ
ングリコール、カテコールジパルミテート、カテコール
ジステアレート、カテコールジベンゾエート等のカテコ
ール誘導体、さらには、チオビス〔エチレン3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート〕、トリエチレングリコールビス〔3−(3−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プ
ロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオールビス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕等のヒンダードフェノール系化合物、
2−[5′−(1″,1″,3″,3″−テトラメチル
ブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾトリアゾ
ール、2−[5′−(1″,1″,2″,3″−テトラ
メチルブチル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾト
リアゾール、2−[3′,5′−ジ−(2″,2″−ジ
メチルプロピル)−2′−ヒドロキシフェニル]ベンゾ
トリアゾール、2−(3′−t−ブチル−5′−メチル
−2′−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール等のトリアゾール系化合物等の融点が約40〜
140℃の範囲の各種化合物が挙げられる。これらの化
合物は単独または複数を組み合わせて用いられる。
【0014】固体可塑剤は、加熱時に融点以上で融解し
熱可塑性樹脂を可塑化することにより、感熱性粘着剤と
して粘着性を発現するが、粘着性の持続時間は固体可塑
剤の種類によって異なる。感熱性粘着剤層を構成する固
体可塑剤としては、粘着性の持続時間が長く接着性が良
好であるということからフタル酸ジシクロへキシルを使
用することが好ましい。
【0015】これらの固体可塑剤および化合物は、ボー
ルミル、サンドミル、ペイントシェイカー、ダイノミ
ル、アトライター、ヘンチェルミキサー等の湿式もしく
は乾式の粉砕機により微粒化され水分散液として用いら
れるが、従来公知の方法でマイクロカプセル化して使用
することも可能である。固体可塑剤の粒径は10μm以
下が好ましく、より好ましくは5μm以下であるが、実
用上からは1〜2μmである。
【0016】感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂の
種類としては、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリル酸
エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ア
クリロニトリル−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重
合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−アク
リル酸エステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−塩化
ビニル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−アクリル酸エ
ステル共重合体、酢酸ビニル−エチレン−スチレン共重
合体、ポリブタジエン、ポリウレタン等の樹脂が挙げら
れる。これらは単独または複数を組み合わせて用いられ
る。
【0017】感熱性粘着剤層を構成する熱可塑性樹脂
は、ガラス転移温度が−50℃以上50℃以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは−30℃以上30℃以下
である。ガラス転移温度が−50℃より低いとブロッキ
ングを起こしやすく、50℃を超えると加熱したときに
粘着性が現れにくい。
【0018】本発明における固体可塑剤は、熱可塑性樹
脂100部に対して50〜400部、好ましくは100
〜300部の範囲で用いられる。50部未満の場合はブ
ロッキングが生じやすくなり、400部を越えると粘着
力の低下やチョーキングが生じやすくなる。
【0019】本発明に係わる感熱性粘着剤層には粘着力
を向上させるために、粘着付与剤を添加することができ
る。本発明に用いる粘着付与剤の具体例としては、テル
ペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クマ
ロンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂、
テルペンフェノール樹脂、ロジン誘導体樹脂等が用いら
れる。
【0020】これら粘着付与剤は、熱可塑性樹脂100
部に対し200部以下、好ましくは20〜150部の範
囲で混合して用いられる。粘着付与剤の添加部数が20
0部を越えるとブロッキングを生じ易くなる。
【0021】本発明に係わる感熱性粘着剤層には、顔料
等も本発明の目的を妨げない範囲で添加可能であり、例
えばアルミニウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム、
バリウム、チタン等の炭酸塩、酸化物、水酸化物、硫酸
塩等、および天然シリカ、ゼオライト、カオリン、焼成
カオリン等の粘土類を含む無機系顔料、澱粉、スチレン
樹脂、ポリオレフィン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹
脂、パラフィン、天然ワックス、合成ワックス等が使用
可能である。
【0022】本発明に係わる感熱性粘着剤層には前記成
分以外に必要に応じて硬膜剤、防腐剤、染料、紫外線吸
収剤、酸化防止剤、pH調節剤、消泡剤等の各種添加剤
を添加することができる。
【0023】本発明に係わる支持体に好ましく用いられ
る原紙は、木材パルプと填料を主成分として構成され
る。木材パルプとしては、LBKP、NBKP等の化学
パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、C
MP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等
のパルプを含み、必要に応じて従来公知の顔料やバイン
ダー及びサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン
化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合
し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤ抄紙機等の
各種装置で支持体の製造が可能であり、酸性、中性、ア
ルカリ性で抄造できる。また、該原紙は、金属ロールと
合成樹脂ロールからなるカレンダー装置をオンマシン処
理しても良い。その際、オフマシン処理しても良く、処
理後に、更にマシンカレンダー、スーパーカレンダー等
でカレンダー処理を施して平坦性をコントロールしても
良い。
【0024】原紙に含まれる填料としては、例えば、軽
質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、
酸化亜鉛、硫化亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウ
ム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、
合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白
色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アク
リル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイク
ロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料
等が挙げられる。
【0025】原紙に含まれるサイズ剤としては、例え
ば、酸性抄紙用ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジン
サイズ剤、AKD、ASA、カチオンポリマー型サイズ
剤等を挙げることができる。
【0026】本発明に係わる支持体としてはさらに、グ
ラシン紙、アート紙、コーテッド紙、キャスト紙などの
塗工紙を用いることが可能である。ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド
等のプラスチックシート、およびこれらの合成繊維から
なる合成紙や不織布、または合成樹脂を紙に片面、また
は両面にラミネートしたラミネート紙、金属箔、または
金属箔と紙、蒸着紙、ホログラム処理を施した不透明シ
ート、合成樹脂フィルムとの貼り合わせ品、マイカ紙、
ガラスペーパー等も使用可能である。
【0027】更に、紙送りや重ねた場合のトラブル防止
のために導電処理を行ったり、支持体と感熱性粘着剤層
の間にアンダーコート層を設ける等、各種の公知技術を
必要に応じて付加することができる。
【0028】本発明に係わる感熱性粘着剤層は、通常紙
塗工用に用いられているブレードコーター、グラビアコ
ーター、グラビアオフセットコーター、バーコーター、
ロールコーター、ナイフコーター、エアナイフコータ
ー、コンマコーター、Uコンマコーター、スムージング
コーター、マイクログラビアコーター、リバースロール
コーター、4本あるいは5本ロールコーター、ディップ
コーター、落下カーテンコーター、スライドコーター、
ダイコーター等、若しくはフレキソ、凸版、グラビア、
オフセット等の各種印刷機を用いて支持体に塗工、印刷
される。
【0029】支持体に感熱性粘着剤層を塗工若しくは印
刷する際、固体可塑剤が融解しない温度範囲で乾燥され
なければならない。乾燥の手段としては熱風乾燥の他に
赤外線、マイクロ波、高周波による熱源を利用した乾燥
方法が使用できる。
【0030】感熱性粘着剤層の塗布量は、乾燥塗工量で
通常2g/m2以上50g/m2以下、好ましくは5g/m2
以上35g/m2以下の範囲で塗布される。塗工量が2g
/m2未満であると、加熱による接着を行う際に十分な接
着力が得にくい。また、50g/m2を越えると接着機
能が飽和し経済上好ましくない。
【0031】
【作用】以下に本発明の作用を述べる。本発明の感熱性
粘着シートは、感熱性粘着剤層に一定量の澱粉を添加す
ることにより、接着機能を低下させることなく、シート
の断裁性を向上させることが可能となる。シートの断裁
性の向上により、スリッターあるいは断裁処理時に使用
する刃に感熱性粘着剤層が付着、堆積しにくくなり、操
業性が向上する。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳しく説明する
が、本発明の内容は、実施例に限られるものではない。
以下に示す部および%のいずれも重量基準である。ま
た、塗工量を示す値は断わりのない限り乾燥後の塗工量
である。
【0033】予備操作1 支持体の抄造 支持体は、LBKP(濾水度420mlcsf)72部
とNBKP(濾水度440mlcsf)28部からなる
木材パルプ100部に対して、軽質炭酸カルシウム/重
質炭酸カルシウム/タルクの比率が32/33/35の
顔料25部、市販アルキルケテンダイマー0.12部、
市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオ
ン化澱粉1.2部、硫酸バンド0.5部を調製後、長網
抄紙機を用いて坪量100g/m2で抄造した。
【0034】固体可塑剤分散液の調製 固体可塑剤としてフタル酸ジシクロへキシル(融点64
℃)100部に、分散剤としてノニオン性界面活性剤
(商品名:ノイゲンEA−120、第一工業製薬株式会
社製)2.4重量部と水を均一に混合して濃度56%と
しボールミルを用いて平均粒子径2.0μmになるまで
粉砕し、固体可塑剤分散液を作製した。
【0035】感熱性粘着剤層塗液の調製 酸化澱粉(日本食品化工製、MS#3800)を90℃
に加熱した水に溶かし10%の澱粉水溶液を得た。この
澱粉水溶液を乾燥固形分にして10部、固体可塑剤分散
液200部、熱可塑性樹脂として酢酸ビニル−エチレン
−アクリル酸エステル共重合体エマルジョン(住友化学
工業株式会社製、スミカフレックス910;ガラス転移
温度 −20℃)100部、粘着付与剤としてロジンエ
ステル分散液(荒川化学工業株式会社製、スーパーエス
テルE−730)70部を混合して、固形分濃度50重
量%の感熱性粘着剤層塗液を調製した。この感熱性粘着
剤層塗液の澱粉の配合量は感熱性粘着剤層の全乾燥固形
分に対し2.6%である。
【0036】実施例1 予備操作で作製した支持体の片面に、エアーナイフコー
ターを用いて感熱性粘着剤層塗液の調製で作製した感熱
性粘着剤層塗液を塗工量が25g/m2になるように塗
工、乾燥し、幅500mm、長さ1000mの巻き取り
の形態で本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0037】実施例2 感熱性粘着剤層塗液の調製において、澱粉の添加量を
0.4部に変更した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と
同様にして塗液の調整を行った。この感熱性粘着剤層塗
液の澱粉の配合量は感熱性粘着剤層の全乾燥固形分に対
し0.11%である。こうして得た感熱性粘着剤層塗液
を実施例1と同様に塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着
シートを得た。
【0038】実施例3 感熱性粘着剤層塗液の調製において、澱粉の添加量を
0.3部に変更した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と
同様にして塗液の調整を行った。この感熱性粘着剤層塗
液の澱粉の配合量は感熱性粘着剤層の全乾燥固形分に対
し0.08%である。こうして得た感熱性粘着剤層塗液
を実施例1と同様に塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着
シートを得た。
【0039】実施例4 感熱性粘着剤層塗液の調製において、澱粉の添加量を1
9部に変更した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様
にして塗液の調整を行った。この感熱性粘着剤層塗液の
澱粉の配合量は感熱性粘着剤層の全乾燥固形分に対し
4.9%である。こうして得た感熱性粘着剤層塗液を実
施例1と同様に塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着シー
トを得た。
【0040】実施例5 感熱性粘着剤層塗液の調製において、澱粉の添加量を2
0部に変更した以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様
にして塗液の調整を行った。この感熱性粘着剤層塗液の
澱粉の配合量は感熱性粘着剤層の全乾燥固形分に対し
5.1%である。こうして得た感熱性粘着剤層塗液を実
施例1と同様に塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着シー
トを得た。
【0041】実施例6 感熱性粘着剤層塗液の調製において、澱粉をリン酸エス
テル化及びカルバミンエステル化を行った澱粉(日本食
品化工製、MS#4400)に変更し、添加量を10部
とした以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様にして塗
液の調整を行った。この感熱性粘着剤層塗液の澱粉の配
合量は感熱性粘着剤層の全乾燥固形分に対し2.6%で
ある。こうして得た感熱性粘着剤層塗液を実施例1と同
様に塗工、乾燥して本発明の感熱性粘着シートを得た。
【0042】比較例1 感熱性粘着剤層塗液の調製において、澱粉を添加しなか
った以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同様にして塗液
の調整を行った。こうして得た感熱性粘着剤層塗液を実
施例1と同様に塗工、乾燥して感熱性粘着シートを得
た。
【0043】比較例2 感熱性粘着剤層塗液の調製において、澱粉をポリビニル
アルコール(クラレ製、PVA117)に変更し、添加
量を10部とした以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と同
様にして塗液の調整を行った。この感熱性粘着剤層塗液
のポリビニルアルコールの配合量は感熱性粘着剤層の全
乾燥固形分に対し2.6%である。こうして得た感熱性
粘着剤層塗液を実施例1と同様に塗工、乾燥して感熱性
粘着シートを得た。
【0044】比較例3 感熱性粘着剤層塗液の調製において、澱粉をポリビニル
アルコール(クラレ製、PVA117)に変更し、添加
量を0.4部とした以外は感熱性粘着剤層塗液の調整と
同様にして塗液の調整を行った。この感熱性粘着剤層塗
液のポリビニルアルコールの配合量は感熱性粘着剤層の
全乾燥固形分に対し0.11%である。こうして得た感
熱性粘着剤層塗液を実施例1と同様に塗工、乾燥して感
熱性粘着シートを得た。
【0045】以上の実施例、比較例により得られた感熱
性粘着シートを以下の試験方法により評価し、その結果
を表1に示した。
【0046】<試験方法> 1)接着性 感熱性粘着シートを25mm幅に断裁し、120℃雰囲
気内で1分間加熱することにより粘着性を発現させた
後、速やかにステンレス鋼板に貼り付けた。1日後、1
80度動剥離強度(300mm/分)をテンシロン万能試
験機にて測定した。なお、表1中の単位はg/25mm
である。接着力が800g/25mm以上の場合接着性
が十分あり優れている。500g/25mm以上800
g/25mm未満の場合は実用上問題のないレベルであ
り、500g/25mm未満の場合は接着性に劣ってお
り実用上使用困難である。
【0047】2)シートの断裁性 幅500mm、長さ1000mの巻き取りの形態である
感熱性粘着シートについて、両耳50mmずつスリッタ
ー処理を行い、幅400mm、長さ1000mの巻き取
りにした。このときの巻き取りの形態およびスリッター
の汚れ具合により、シートの断裁性を以下の基準で評価
した。 ◎:仕上がった巻き取りに断裁不良が見られず、スリッ
ターの刃の汚れが全くない。 ○:仕上がった巻き取りに断裁不良は見られないもの
の、スリッターの刃にわずかな白い付着物が見られる。 ×:仕上がった巻き取りに断裁不良によるコバの不揃い
が見られ、スリッターの刃にもはっきりと白い付着物が
見られる。
【0048】
【表1】
【0049】<評価>実施例1〜6に示すように、感熱
性粘着剤層に澱粉を添加することにより、接着機能を低
下させることなく、シートの断裁性を向上させることが
可能となる。特に、澱粉の配合量が感熱性粘着剤層の全
乾燥固形分に対して0.1重量%以上5重量%以下であ
る場合は、接着性とシートの断裁性のバランスが良好で
ある。一方、比較例1に示すように、感熱性粘着剤層に
澱粉が含まれない場合には、接着性は良好であるものの
シートの断裁性に問題がある。比較例2に示すように、
澱粉の代わりにポリビニルアルコールを添加した場合
は、シートの断裁性向上の効果が見られるものの接着力
の低下が起こる。比較例3に示すように、ポリビニルア
ルコールの添加量を減らし接着力を向上させた場合は、
シートの断裁性は向上しなかった。
【0050】
【発明の効果】本発明の感熱性粘着シートは、感熱性粘
着剤層に一定量の澱粉を添加することにより、接着機能
を低下させることなく、シートの断裁性を向上させるこ
とが可能となる。シートの断裁性の向上により、スリッ
ターあるいは断裁処理時に使用する刃に感熱性粘着剤層
が付着、堆積しにくくなり、操業性が向上する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に固体可塑剤と熱可塑性樹
    脂とを含有する感熱性粘着剤層を設けた感熱性粘着シー
    トにおいて、感熱性粘着剤層が澱粉を含有することを特
    徴とする感熱性粘着シート。
  2. 【請求項2】 澱粉の配合量が感熱性粘着剤層の全乾燥
    固形分に対して0.1重量%以上5重量%以下である請
    求項1記載の感熱性粘着シート。
JP8742498A 1998-03-31 1998-03-31 感熱性粘着シート Pending JPH11279496A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001303019A (ja) * 2000-04-21 2001-10-31 Daicel Chem Ind Ltd 水系感熱性粘着剤組成物及び感熱性粘着シート
CN111945466A (zh) * 2020-07-08 2020-11-17 广东冠豪高新技术股份有限公司 一种水粘胶纸及其制备方法

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