JPH07207169A - 偏光フィルム用アゾ系色素及びこれを用いた偏光フィルム - Google Patents

偏光フィルム用アゾ系色素及びこれを用いた偏光フィルム

Info

Publication number
JPH07207169A
JPH07207169A JP152894A JP152894A JPH07207169A JP H07207169 A JPH07207169 A JP H07207169A JP 152894 A JP152894 A JP 152894A JP 152894 A JP152894 A JP 152894A JP H07207169 A JPH07207169 A JP H07207169A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
alkyl group
alkyl
hydrogen atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP152894A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoriaki Matsuzaki
▲頼▼明 松▲崎▼
Tatsu Oi
龍 大井
Tsutayoshi Misawa
伝美 三沢
Akira Ogiso
章 小木曽
Rihoko Imai
理穂子 今井
Naoto Ito
尚登 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP152894A priority Critical patent/JPH07207169A/ja
Publication of JPH07207169A publication Critical patent/JPH07207169A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B31/00Disazo and polyazo dyes of the type A->B->C, A->B->C->D, or the like, prepared by diazotising and coupling
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B29/00Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling
    • C09B29/0003Monoazo dyes prepared by diazotising and coupling from diazotized anilines

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 疎水性樹脂をフィルム基材とした偏光フィル
ムに好適な、アゾ系色素及び該色素を配向して含有した
偏光フィルムを提供する。 【構成】 下記の特定の構造式(1)を有する新規アゾ
系色素及び該色素を少なくとも一種含有する偏光フィル
ム。 〔例えば、 〕 【効果】 この色素を用いた偏光フィルムは、偏光性
能、耐熱寸法安定性、耐湿熱性等に優れ、液晶表示用と
して極めて有用な偏光フィルムを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアゾ系色素及び該色素を
配向して含有した偏光フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】今日、最も一般的に使用されている偏光
フィルムは、フィルム基材としてポリビニルアルコール
系樹脂を用い、これにヨード化合物または選択された構
造を有する酸性染料もしくは直接染料等の二色性色素で
偏光性を付与したものである。この種の偏光フィルム
は、優れた偏光性能を示すが、耐久性が不十分であり、
かつ少なくとも片面が透明なフィルム状物(保護膜)で
覆うことにより耐久性が保持されている。即ち、本質的
に極めて耐久性に乏しい内部偏光フィルム(層)の欠点
を両面の保護膜(層)で保護することにより実質的な耐
久性を得る手段がとられている。
【0003】近来、液晶表示素子の車載用、コンピュー
タ用、産業機器用等への用途の拡大に伴い、一要素とし
て使用される偏光フィルムの耐久性の向上、特に耐湿
性、耐候性、耐熱性の改良が強く要望されている。この
ための一つの改良手段として、疎水性樹脂を基材として
用いた偏光フィルムが提案されており、特開昭57−8
4409号、特開昭58−68008号及び特開昭62
−265356号等に開示されている。しかし、かかる
偏光フィルムに用いられる色素は、耐久性は十分に満た
しているものの、偏光性の点で必ずしも満足できるもの
ではないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、疎水
性樹脂をフィルム基材とした偏光フィルムに好適なアゾ
系色素及び該色素を配向して含有する偏光フィルムを提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な状況を踏まえ鋭意検討した結果、優れた偏光性能を有
し、且つ耐久性に優れた新規アゾ系色素を見出すに至っ
た。即ち、本発明は、下記一般式(1)(化4)で表さ
れる偏光フィルム用アゾ系色素及び疎水性樹脂中に該ア
ゾ系色素を配向して含有する偏光フィルムに関する。
【0006】
【化4】 〔式中、R1 〜R8 は水素原子、アルキル基、アルコキ
シ基またはハロゲン原子を示し、R9 〜R12は水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基
またはアルキルカルボニルアミノ基を示し、mは0また
は1を示し、Aは式(IIa)〜(IIc)(化5)で表さ
れる官能基
【0007】
【化5】 (式(IIa)〜(IIc)中、R13は水素原子、アルキル
基、シクロアルキル基または置換あるいは非置換のアリ
ール基を示し、Qは置換あるいは非置換の芳香族環を示
し、R14及びR15は水素原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、X1
及びX2 は酸素原子または硫黄原子を示す)を示し、K
は式(IIIa)〜(IIId)(化6)表されるカップラー
【0008】
【化6】 (式(IIIa)〜(IIId)中、R16〜R19は、水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基また
はアルキルカルボニルアミノ基を示し、R20及びR21
水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、シアノ
アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキ
シアルキル基またはアラルキル基を示し、R22は水素原
子、アルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル
基、アルコキシカルボニルアルキル基またはアルコキシ
アルコキシカルボニルアルキル基を示し、R23及びR24
は水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
原子を示し、R25はアルキル基を示す)を示す。但し、
Aが式(IIa)で、mが0の場合、R16は水酸基または
アルキルカルボニル基である〕
【0009】本発明のアゾ系色素が、偏光フィルム用色
素として好適な理由は、前記一般式(1)で表される様
に、二官能性基であるビフェニル基をアゾ結合で連結す
ることで、分子構造が長い直線的棒状構造となり、更に
は、アゾ連結基と水素結合性を有する官能基を導入する
ことで直線的棒状構造が安定化した結果、色素が偏光性
能を発現するために必要とされる分子の軸方向の吸光度
と短軸方向の吸光度の比が大きいという要求を満たすた
め、偏光性能が著しく向上するためである。
【0010】以下本発明について詳しく説明する。本発
明のアゾ系色素は、前記一般式(1)で表され、置換基
1 〜R8 は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基ま
たはハロゲン原子を示す。アルキル基としては、炭素数
1〜4のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、
ブチル等が例示でき、アルコキシ基としては、炭素数1
〜4のものが好ましく、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シ、ブトキシ等が例示でき、ハロゲン原子としては、フ
ッ素、塩素、臭素等が例示できる。置換基R9 〜R
12は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン
原子、水酸基またはアルキルカルボニルアミノ基を示
す。アルキル基としては、炭素数1〜4のものが好まし
く、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が例示でき、
アルコキシ基としては、炭素数1〜4のものが好まし
く、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が例
示でき、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等
が例示でき、アルキルカルボニルアミノ基としては、、
炭素数2〜4のものが好ましく、メチルカルボニルアミ
ノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミ
ノ等が例示できる。mは、0または1を示す。Aは、式
(IIa)〜(IIc)(化7)で表される官能基を示す。
【0011】
【化7】 式(IIa)〜(IIc)中、置換基置換基R13は、水素原
子、アルキル基、シクロアルキル基または置換あるいは
非置換のアリール基を示す。
【0012】アルキル基としては、炭素数1〜8のもの
が好ましく、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が例示でき、シ
クロアルキル基としては、炭素数5〜6のものが好まし
く、シクロペンチル、シクロヘキシル等が例示でき、置
換あるいは非置換のアリール基としては、炭素数6〜1
0のものが好ましく、フェニル、p−トリル、p−エチ
ルフェニル、p−プロピルフェニル、p−ブチルフェニ
ル、p−エトキシフェニル、p−プロポキシフェニル、
p−ブトキシフェニル等が例示できる。Qは、置換ある
いは非置換の芳香族環を示す。芳香族環としては、ベン
ゼン環、ナフタレン環等が例示でき、芳香族環の置換基
としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ
基またはハロゲン原子を示し、アルキル基としては、炭
素数1〜4のものが好ましく、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等が例示でき、シクロアルキル基としては、
炭素数5〜6のものが好ましく、シクロペンチル、シク
ロヘキシル等が例示でき、アルコキシ基としては、炭素
数1〜4のものが好ましく、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシ等が例示でき、ハロゲン原子として
は、フッ素、塩素、臭素等が例示できる。
【0013】置換基R14及びR15は水素原子、アルキル
基、シクロアルキル基、アルコキシ基またはハロゲン原
子を示す。アルキル基としては、炭素数1〜4のものが
好ましく、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が例示
でき、シクロアルキル基としては、炭素数5〜6のもの
が好ましく、シクロペンチル、シクロヘキシル等が例示
でき、アルコキシ基としては、炭素数1〜4のものが好
ましく、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等
が例示でき、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭
素等が例示できる。X1 及びX2 は、酸素原子または硫
黄原子を示す。Kは、式(IIIa)〜(IIId)(化8)で
表されるカップラーを示す。
【0014】
【化8】 式(IIIa)〜(IIId)中、置換基R16〜R19は、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基
またはアルキルカルボニルアミノ基を示す。
【0015】アルキル基としては、炭素数1〜4のもの
が好ましく、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が例
示でき、アルコキシ基としては、炭素数1〜4のものが
好ましく、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ
等が例示でき、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、
臭素等が例示でき、アルキルカルボニルアミノ基として
は、炭素数2〜4のものが好ましく、メチルカルボニル
アミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニル
アミノ等が例示できる。置換基R20及びR21は、水素原
子、アルキル基、アルコキシアルキル基、シアノアルキ
ル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキシアル
キル基またはアラルキル基を示す。アルキル基として
は、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル、エチル、
プロピル、ブチル等が例示でき、アルコキシアルキル基
としては、炭素数3〜5のものが好ましく、メトキシエ
トキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキシ、エト
キシプロポキシ等が例示でき、シアノアルキル基として
は、炭素数2〜3のものが好ましく、シアノエチル、シ
アノプロピル等が例示でき、ヒドロキシアルキル基とし
ては、炭素数2〜3のものが好ましく、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシプロピル等が例示でき、アルキルカルボ
キシアルキル基としては、炭素数3〜6のものが好まし
く、メチルカルボキシエチル、エチルカルボキシエチ
ル、プロピルカルボキシエチル等が例示でき、アラルキ
ル基としては、炭素数7〜8のものが好ましく、ベンジ
ル、フェネチル等が例示できる。
【0016】置換基R22は、水素原子、アルキル基、ア
ルコキシアルキル基、アラルキル基、アルコキシカルボ
ニルアルキル基またはアルコキシアルコキシカルボニル
アルキル基を示し、アルキル基としては、炭素数1〜6
のものが好ましく、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル等が例示でき、アルコキシアル
キル基としては、炭素数3〜5のものが好ましく、メト
キシエトキシ、エトキシエトキシ、メトキシプロポキ
シ、エトキシプロポキシ等が例示でき、アラルキル基と
しては、炭素数7〜8のものが好ましく、ベンジル、フ
ェネチル等が例示でき、アルコキシカルボニルアルキル
基としては、炭素数3〜6のものが好ましく、メトキシ
カルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポ
キシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル等が
例示でき、アルコキシアルコキシカルボニルアルキル基
としては、炭素数5〜7のものが好ましく、メトキシエ
トキシカルボニルメチル、エトキシエトキシカルボニル
メチル、プロポキシエトキシカルボニルメチル等が例示
できる。
【0017】置換基R23及びR24は、水素原子、アルキ
ル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、アルキ
ル基としては、炭素数1〜4のものが好ましく、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等が例示でき、アルコキ
シ基としては、炭素数1〜4のものが好ましく、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等が例示でき、ハ
ロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素等が例示でき
る。置換基R25は、アルキル基を示し、アルキル基とし
ては、炭素数1〜4のものが好ましく、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等が例示できる。)を示す。ただ
し、式(1)において、Aが式(IIa)で、mが0の場
合、R16は水酸基またはアルキルカルボニルアミノ基で
ある。
【0018】本発明の一般式(1)で表される化合物の
製造法としては、公知の方法が採用される。例えば、一
般式(1)において、mが0の場合、下記一般式(2)
(化9)で表される化合物を常法によりジアゾ化した
後、カップラーであるK(前記定義と同じ)とカップリ
ングさせることにより、前記一般式(1)において、m
が0である下記化合物(3)(化9)を製造することが
できる。
【0019】
【化9】 (式中、R1 〜R8 、A及びKは、前記定義と同じ)
【0020】また、前記一般式(1)において、mが1
である化合物は、一般式(2)で表される化合物をジア
ゾ化した後、下記一般式(4)(化10)で表されるア
ニリン類とカップリングさせ、下記一般式(5)(化1
0)で表されるモノアゾ化合物を得、次いで、一般式
(5)で表されるモノアゾ化合物をジアゾ化した後、カ
ップラーであるK(前記定義と同じ)とカップリングさ
せることにより、前記一般式(1)において、mが1で
ある下記化合物(6)(化10)を製造することができ
る。
【0021】
【化10】 (式中、R1 〜R11、A及びKは、前記定義と同じ)
【0022】本発明の偏光フィルムの製造において、使
用される色素は、粗製のまま使用することもできるが、
再結晶その他の精製手段を用いて精製されたものが好ま
しく、また数ミクロン以下に粉砕して使用することが好
ましい。使用する色素の量は、疎水性樹脂である基材樹
脂に対する色素の着色能力および目的とする偏光フィル
ムの厚さを考慮して決定されるが、好ましくは得られる
偏光フィルム1枚当たりの可視光透過率が30〜60%
となるように調整する。例えば、偏光フィルムの厚さが
30〜200μmであれば、色素の樹脂に対する量は
0.01〜10重量%の範囲である。本発明の偏光フィ
ルムは、前記色素を少なくとも1種含むものであり、好
みの色相を得るために、特にニュートラルグレイ色の偏
光フィルムを得るために、数種類を選択、混合して使用
することができる。更に本発明以外の二色性を有する色
素、場合によっては二色性を有しない色素、もしくは紫
外線吸収剤、近赤外線吸収剤等の添加剤、あるいはその
他の物質を含んでいてもよい。
【0023】本発明の偏光フィルムにおいて用いられる
疎水性樹脂は、分子構造上、親水性基を含まない直鎖状
構造を有する有機高分子化合物であれば、特に限定され
ないが、熱可塑性を有することが望ましく、具体的には
ハロゲン化ビニル重合体系、アクリル系、ポリオレフィ
ン系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエステル系、
ポリカーボネート系及びポリエーテルスルホン系樹脂等
の例が挙げられる。なかでも、ポリエチレンナフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンビス−
α、β−(2−クロルフェノキシ)エタン−4、4’−
ジカルボキシレート等の芳香族ポリエステル系樹脂成分
を少なくとも80重量%以上含む樹脂組成物が好まし
く、特に耐熱性、耐湿性および透明性に優れたポリエチ
レンテレフタレートが好ましい。
【0024】上記の様な疎水性樹脂である基材樹脂に色
素を含有させる方法は、従来から広く知られている方法
を用いることができる。例えば、a)色素を樹脂にドラ
イブレンドし、押出機によって混練するか、あるいは混
練したものをマスターバッチとして使用する方法、b)
色素を溶解させた溶媒に樹脂の無定形シートを浸し、含
浸させる方法がある。中でも、a)のドライブレンド
後、押出機内で混練する方法が色素濃度をコントロール
し易いという点で最も好ましい。
【0025】本発明の偏光フィルムを製造するには、基
材樹脂を、前記本発明の色素から選ばれた少なくとも1
種、必要により混合するその他の色素により、前記方法
にて着色した後、フィルムもしくはシート状に成形し、
縦または横方向の一方向に、3.5〜7.0倍、好まし
くは4.0〜6.5倍に(Tg−20℃)〜(Tg+5
0℃)で延伸する。なお、Tgはガラス転移温度を示
す。該延伸後、同時または前記延伸方向と直角方向に、
2.0倍以下に延伸することも可能である。ついで、上
記延伸フィルムを好ましくは80℃〜150℃で熱処理
を行うことにより製造される。
【0026】このようにして製造された偏光フィルム
は、用途によってさらに種々の形態のフィルムやシート
に加工して実用に供することができる。即ち、上記の方
法で製造されたフィルムのまま、片面もしくは両面に光
学的透明性と機械的強度に優れた保護膜、例えば、着色
もしくは無着色のガラス類、または合成樹脂よりなる保
護膜(層)を設けた形の偏光シートまたはフィルム、一
般的に利用される液晶ディスプレイ、窓ガラスまたはメ
ガネ等への使用に際し、その取扱の簡便さのために、片
面もしくは両面に粘着剤を塗布した形のもの、さらに
は、偏光フィルムの表面に蒸着、スパッタリングまたは
塗工法等の周知の方法でインジウム−スズ系酸化物等の
透明導電性膜を付加した形のものなどが例示される。こ
れらは液晶表示素子用のセル形成材としても利用するこ
とができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の色素および該色素を用いた偏
光フィルムの代表例について、具体的に実施例を挙げて
説明する。実施例中の二色性比は、次の方法によって測
定した値である。すなわち、2枚の偏光フィルムを延伸
方向が平行となるべく重ねて分光光度計の光路におき、
測定した可視領域最大吸収波長での吸光度(A‖)およ
び2枚の偏光フィルムを延伸方向が直行すべく重ねて測
定した同波長での吸光度(A⊥)より次式を用いて二色
性比(CR)を算出した。 CR=(A‖)/(A⊥) なお、実施例中の「部」は、重量部を示している。
【0028】実施例1 下記式(A)(化11)で表される化合物6部を、ジメ
チルホルムアミド(DMF)70部に溶解させ、35%
塩酸9部を加え、室温にて1時間攪拌した。次に0〜5
℃に冷却し、20%亜硝酸ナトリウム水溶液7.6部を
滴下し、2時間攪拌した。この溶液にスルファミン酸1
部を加え、1時間攪拌した後、N,N−ジメチル−m−
アミノフェノール2.7部を加え、2時間反応させた。
炭酸ナトリウムでpHを3〜4に調整した後、水200
部に排出して、生じた析出物を濾過、水洗、メタノール
洗浄後、乾燥を行い、下記の目的化合物(B)(化1
1)4.1部を得た。
【0029】
【化11】
【0030】前記色素(B)を、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂ペレットに偏光フィルムの単体透過率が40
%となるように加え、均一に混合した後、溶融押出し、
厚さ約200μmのシート状に成形した。このシートを
テンター延伸機を用いて80℃で横方向に5倍延伸し、
150℃で1分間熱処理して、厚さ100μmの橙黄色
偏光フィルムが得られた。その極大吸収波長470nm
における二色性比は、14.1と優れていた。この偏光
フィルムを80℃相対湿度90%の条件下で500時間
放置したが、色相の変化及び二色性比の低下は実質的に
認められなかった。また、フィルムの収縮率は縦方向及
び横方向とも1%以下であり、良好な寸法安定性を有し
ていた。 実施例2 下記式(C)(化12)で表される化合物6.5部を、
ジメチルホルムアミド(DMF)70部に溶解させ、3
5%塩酸9部を加え、室温にて、1時間攪拌した。次に
0〜5℃に冷却し、20%亜硝酸ナトリウム水溶液7.
6部を滴下し、2時間攪拌した。この溶液にスルファミ
ン酸1部を加え1時間攪拌した後、アニリン1.9部を
加え、2時間反応した。炭酸ナトリウムでpHを3〜4
に調整した後、水200部に排出し、生じた析出物を濾
過、水洗、メタノール洗浄後、乾燥を行い下記の前駆体
化合物(D)(化12)3.9部を得た。この化合物
(D)3.4部を、ジメチルホルムアミド(DMF)5
0部に溶解させ、35%塩酸2部を加え、室温にて1時
間攪拌した。次に0〜5℃に冷却し、20%亜硝酸ナト
リウム水溶液3.1部を滴下し、2時間攪拌した。この
溶液にスルファミン酸0.5部を加えジアゾニウム溶液
とした。別に、水50部に水酸化ナトリウム1.3部及
び下記化合物(E)(化12)1.6部を溶解あるいは
分散させ、5〜10℃に冷却した。この溶液に、前記ジ
アゾウニウム溶液を加え、2時間反応した。炭酸ナトリ
ウムでpHを3〜4に調整した後、生じた析出物を濾
過、水洗、メタノール洗浄後、乾燥を行い下記の目的化
合物(F)(化12)2.5部を得た。
【0031】
【化12】 前記色素(F)を用いて、実施例1と同様にフィルム加
工をして赤橙色の偏光フィルムを得た。極大吸収波長5
05nmにおける二色性比は14.3であり、実施例1
と同様な耐久性試験の結果、偏光度低下はなく、良好な
寸法安定性を有していた。
【0032】実施例3〜21 実施例1において、色素を第1表(表1、表2、表3)
に示す各種アゾ系色素に変えた以外は、実施例1と同様
にして偏光フィルムを作製した。第1表(表1、表2、
表3)に、色素構造式、偏光フィルムの二色性比及び色
調を示す。得られた偏光フィルムは、いずれも優れた偏
光性能を有していた。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】 比較例1〜3 実施例1において合成した色素の代わりに、特開昭57
−84409号公報の実施例1及び3において公開され
ている色素(比較例1、2の構造)、及び、特開昭62
−265356号公報の実施例6において公開されてい
る色素(比較例3の構造)を使用する以外は、実施例1
と同様にして偏光フィルムを作製した。第2表(表4)
に、色素構造式、偏光フィルムの二色性比及び色調を示
す。得られた偏光フィルムは、いずれも、二色性比が本
発明のアゾ系色素よりも劣っていた。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明のアゾ系色素を含有する偏光フィ
ルムは、偏光性能、耐熱寸法安定性、耐湿熱性等に優
れ、液晶表示用の偏光フィルムとして極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小木曽 章 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 今井 理穂子 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 伊藤 尚登 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)(化1)で表される偏
    光フィルム用アゾ系色素。 【化1】 〔式中、R1 〜R8 は水素原子、アルキル基、アルコキ
    シ基またはハロゲン原子を示し、R9 〜R12は水素原
    子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基
    またはアルキルカルボニルアミノ基を示し、mは0また
    は1を示し、Aは式(IIa)〜(IIc)(化2)で表さ
    れる官能基 【化2】 (式(IIa)〜(IIc)中、R13は水素原子、アルキル
    基、シクロアルキル基または置換あるいは非置換のアリ
    ール基を示し、Qは置換あるいは非置換の芳香族環を示
    し、R14及びR15は水素原子、アルキル基、シクロアル
    キル基、アルコキシ基またはハロゲン原子を示し、X1
    及びX2 は酸素原子または硫黄原子を示す)を示し、K
    は式(IIIa)〜(IIId)(化3)で表されるカップラー 【化3】 (式(IIIa)〜(IIId)中、R16〜R19は、水素原子、
    アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基また
    はアルキルカルボニルアミノ基を示し、R20及びR21
    水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、シアノ
    アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルキルカルボキ
    シアルキル基またはアラルキル基を示し、R22は水素原
    子、アルキル基、アルコキシアルキル基、アラルキル
    基、アルコキシカルボニルアルキル基またはアルコキシ
    アルコキシカルボニルアルキル基を示し、R23及びR24
    は水素原子、アルキル基、アルコキシ基またはハロゲン
    原子を示し、R25はアルキル基を示す)を示す。但し、
    Aが式(IIa)で、mが0の場合、R16は水酸基または
    アルキルカルボニルアミノ基である〕
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一般式(1)において、
    mが1で、R9 及び/またはR16が水酸基またはアルキ
    ルカルボニルアミノ基で表される偏光フィルム用アゾ系
    色素。
  3. 【請求項3】 疎水性樹脂中に、一般式(1)で表され
    る請求項1または2記載のアゾ系色素を少なくとも一種
    含有することを特徴とする偏光フィルム。
JP152894A 1994-01-12 1994-01-12 偏光フィルム用アゾ系色素及びこれを用いた偏光フィルム Pending JPH07207169A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP152894A JPH07207169A (ja) 1994-01-12 1994-01-12 偏光フィルム用アゾ系色素及びこれを用いた偏光フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP152894A JPH07207169A (ja) 1994-01-12 1994-01-12 偏光フィルム用アゾ系色素及びこれを用いた偏光フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07207169A true JPH07207169A (ja) 1995-08-08

Family

ID=11504022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP152894A Pending JPH07207169A (ja) 1994-01-12 1994-01-12 偏光フィルム用アゾ系色素及びこれを用いた偏光フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07207169A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006523184A (ja) * 2003-02-22 2006-10-12 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 液晶としてのシアノピリドン誘導体
JP2012194297A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Nitto Denko Corp 組成物およびそれを用いた偏光膜の製造方法
US8323805B2 (en) 2009-06-04 2012-12-04 Nitto Denko Corporation Emissive aryl-heteroaryl acetylenes
US8354668B2 (en) 2009-06-29 2013-01-15 Nitto Denko Corporation Emissive triaryls
US8426040B2 (en) 2010-12-22 2013-04-23 Nitto Denko Corporation Compounds for use in light-emitting devices
WO2014109350A1 (ja) * 2013-01-10 2014-07-17 コニカミノルタ株式会社 樹脂組成物、トリアゾール化合物、光学フィルム、偏光板、光学レンズ、円偏光板及び画像表示装置
WO2014175136A1 (ja) * 2013-04-23 2014-10-30 コニカミノルタ株式会社 光学フィルム、円偏光板及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
US8927121B2 (en) 2009-06-29 2015-01-06 Nitto Denko Corporation Emissive aryl-heteroaryl compounds
US8933243B2 (en) 2011-06-22 2015-01-13 Nitto Denko Corporation Polyphenylene host compounds
JP2016012133A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 偏光フィルム、反射防止フィルムおよび表示装置
CN105294664A (zh) * 2015-11-10 2016-02-03 阜阳欣奕华材料科技有限公司 化合物及制备方法、液晶取向剂、液晶取向膜及液晶盒
JPWO2014184981A1 (ja) * 2013-05-15 2017-02-23 コニカミノルタ株式会社 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置
CN114144479A (zh) * 2019-07-23 2022-03-04 住友化学株式会社 化合物、组合物、膜、层叠体及显示装置

Cited By (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006523184A (ja) * 2003-02-22 2006-10-12 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング 液晶としてのシアノピリドン誘導体
US8323805B2 (en) 2009-06-04 2012-12-04 Nitto Denko Corporation Emissive aryl-heteroaryl acetylenes
US8927121B2 (en) 2009-06-29 2015-01-06 Nitto Denko Corporation Emissive aryl-heteroaryl compounds
US8354668B2 (en) 2009-06-29 2013-01-15 Nitto Denko Corporation Emissive triaryls
US9373797B2 (en) 2010-12-22 2016-06-21 Nitto Denko Corporation Compounds for use in light-emitting devices
US8426040B2 (en) 2010-12-22 2013-04-23 Nitto Denko Corporation Compounds for use in light-emitting devices
JP2012194297A (ja) * 2011-03-16 2012-10-11 Nitto Denko Corp 組成物およびそれを用いた偏光膜の製造方法
US8933243B2 (en) 2011-06-22 2015-01-13 Nitto Denko Corporation Polyphenylene host compounds
US9548458B2 (en) 2011-06-22 2017-01-17 Nitto Denko Corporation Polyphenylene host compounds
WO2014109350A1 (ja) * 2013-01-10 2014-07-17 コニカミノルタ株式会社 樹脂組成物、トリアゾール化合物、光学フィルム、偏光板、光学レンズ、円偏光板及び画像表示装置
CN104903406A (zh) * 2013-01-10 2015-09-09 柯尼卡美能达株式会社 树脂组合物、三唑化合物、光学膜、偏振片、光学透镜、圆偏振片及图像显示装置
US10012777B2 (en) 2013-01-10 2018-07-03 Konica Minolta, Inc. Resin composition
TWI572600B (zh) * 2013-01-10 2017-03-01 Konica Minolta Inc 樹脂組成物、三唑化合物、光學薄膜、偏光板、光學透鏡、圓偏光板、及圖像顯示裝置
JPWO2014109350A1 (ja) * 2013-01-10 2017-01-19 コニカミノルタ株式会社 樹脂組成物、トリアゾール化合物、光学フィルム、偏光板、光学レンズ、円偏光板及び画像表示装置
WO2014175136A1 (ja) * 2013-04-23 2014-10-30 コニカミノルタ株式会社 光学フィルム、円偏光板及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置
US9720140B2 (en) 2013-04-23 2017-08-01 Konica Minolta, Inc. Optical film, circularly polarizing plate and organic electroluminescent display device
JPWO2014184981A1 (ja) * 2013-05-15 2017-02-23 コニカミノルタ株式会社 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP2016012133A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. 偏光フィルム、反射防止フィルムおよび表示装置
CN105294664A (zh) * 2015-11-10 2016-02-03 阜阳欣奕华材料科技有限公司 化合物及制备方法、液晶取向剂、液晶取向膜及液晶盒
CN114144479A (zh) * 2019-07-23 2022-03-04 住友化学株式会社 化合物、组合物、膜、层叠体及显示装置
CN114144479B (zh) * 2019-07-23 2023-10-20 住友化学株式会社 化合物、组合物、膜、层叠体及显示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6790490B1 (en) Dye type polarizing plate
JP4825135B2 (ja) アゾ化合物およびそれらを含有する染料系偏光膜または偏光板
JPH07207169A (ja) 偏光フィルム用アゾ系色素及びこれを用いた偏光フィルム
EP0348964B1 (en) Polarizing film
JP2001033627A (ja) 染料系偏光膜
JP2001240762A (ja) アゾ化合物又はその塩及びそれらを含有する染料系偏光膜
JP4371345B2 (ja) 染料系偏光膜
TW201734143A (zh) 偏光元件及使用該偏光元件之偏光板與顯示裝置
TWI665265B (zh) 偶氮化合物及含有該化合物之染料系偏光膜,以及偏光板
JPS62296101A (ja) 偏光フイルム
JP2011150162A (ja) 偏光板およびその製法
JPS5868008A (ja) カラ−偏光板
WO2020050333A1 (ja) 偏光素子並びにそれを用いた偏光板及び光学部材等
JPH0436189B2 (ja)
JPH11218610A (ja) 新規偏光膜
JP6736549B2 (ja) アゾ化合物及びそれらを含有する染料系偏光膜並びに偏光板
JP6702622B2 (ja) アゾ化合物及びそれらを含有する染料系偏光膜並びに偏光板
JPH01103667A (ja) アントラキノン系色素および該色素を用いた偏光フィルム
JP2001027708A (ja) 液晶プロジェクター用偏光板及びカラー液晶プロジェクタ
CN110249008B (zh) 偶氮化合物或其盐以及含有它们的染料系偏光膜、染料系偏光板及液晶显示装置
TW201704360A (zh) 偶氮化合物及含有此等之染料系偏光膜以及偏光板
TWI735527B (zh) 偶氮化合物、使用該偶氮化合物之偏光元件與偏光板,及顯示裝置
JPH03132701A (ja) 偏光フィルム
JP3100461B2 (ja) 二色性アゾ色素及びこれを用いた偏光フィルム
CN110114417B (zh) 偶氮化合物或其盐,以及含有偶氮化合物或其盐的染料系偏光膜及染料系偏光板