JPH07205207A - 射出成形金型 - Google Patents

射出成形金型

Info

Publication number
JPH07205207A
JPH07205207A JP62794A JP62794A JPH07205207A JP H07205207 A JPH07205207 A JP H07205207A JP 62794 A JP62794 A JP 62794A JP 62794 A JP62794 A JP 62794A JP H07205207 A JPH07205207 A JP H07205207A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mold
slide
die
shutter
molds
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP62794A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3158330B2 (ja
Inventor
Atsushi Takeishi
篤 武石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP00062794A priority Critical patent/JP3158330B2/ja
Publication of JPH07205207A publication Critical patent/JPH07205207A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3158330B2 publication Critical patent/JP3158330B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形金型に係り、複数のアンダーカット
を有するスライダ付のシャッタの成形を可能とする。 【構成】 屈曲部22を有する平板状のシャッタ本体2
3と、屈曲部22の一端内側から突出状態に形成される
スライダ26とスプリング引掛部25とを一体成形する
射出成形金型21であって、シャッタ本体23の法線方
向D0に型開きされる一対の主金型と、その型開き方向
0に直交する方向D2にスライド機構35によって移動
させられ主金型29との間にキャビティCを形成するス
ライド金型31と、型開き方向D0に主金型29に先行
して型開きされスライド金型31の移動スペースを確保
しかつ型締め時にスライド金型31を固定する抜き金型
33とを具備し、狭隘な部分におけるスライド金型31
の適用を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形金型に関し、
特に、光磁気ディスク(以下、MOディスクと略称す
る。)、ミニディスク(MD)等のカセットに設けられ
たヘッドアクセス窓を開閉するシャッタ本体を樹脂製と
し、その開閉を案内するスライダ等とともに一体成形す
る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光磁気ディスク用カセットは、図7に示
すように、円盤状の光磁気ディスク1を回転自在に収納
する箱状のケース本体2に、その側面の一部を切り欠い
て内部の光磁気ディスク1を露出させるヘッドアクセス
窓3と、前記ケース本体2の一辺に沿ってスライドさせ
られることにより前記ヘッドアクセス窓3を開閉するシ
ャッタ4とを具備している。前記シャッタ4は、光磁気
ディスク用カセット5のディスクユニット(図示略)等
への挿入により、該ディスクユニット内で自動的に開か
れる一方、ディスクユニットから引き出された状態で
は、スプリング6によってヘッドアクセス窓3を閉鎖状
態に保持するようになっている。
【0003】したがって、このような光磁気ディスク用
カセット5のシャッタ4としては、ヘッドアクセス窓3
の開閉の確実性と、光磁気ディスクカセット5全体のコ
ンパクト性とを確保するために、薄肉の平板状に形成さ
れたシャッタ本体7をスライドさせる構造のものが採用
されている。また、このシャッタ本体7のスライド安定
性を確保するために、光磁気ディスク用カセット5の一
辺にレール溝8が形成され、該レール溝8に沿って移動
させられるスライダ9がシャッタ本体7に設けられるよ
うになっている。
【0004】従来、上記シャッタ4は、その形状が比較
的簡単な平板状のシャッタ本体7と、それ以外のスライ
ダ9とに分割され、それぞれが別々に成形された後にネ
ジ10によって固定することにより形成されていた。す
なわち、図7に示すように、シャッタ本体7は、略長方
形状の薄肉平板であってその長手方向の一端をコ字状に
屈曲形成される形状であるため、その強度確保および成
形の容易等の必要性から金属製薄板をプレス成形するこ
とによって形成されている。また、スライダ9は、長方
形断面を有する直棒状であって、その一端に設けられ該
スライダ9を前記レール溝8内に脱落不可に保持する保
持突起11と、他端に設けられるスプリング引掛部12
とを一体として、プラスチック等の樹脂材料を射出成形
することによって形成されている。
【0005】しかし、上記のようにシャッタ本体7のみ
を金属製とする場合には、以下の不都合が生じる。ま
ず、シャッタ本体7およびスライダ9のそれぞれを製造
する作業工程が必要であるうえに、これらを固定する作
業工程が必要となり、その作業工数および製造コストが
増大してしまう不都合がある。また、薄板とはいえ、広
い面積を有するシャッタ本体7が金属製であるために、
光磁気ディスク用カセット5全体の重量が増大してしま
う不都合がある。
【0006】さらに、金属製のシャッタ本体7が樹脂製
のケース本体2上を摺動させられることにより、場合に
よっては、ケース本体2が僅かながら削られることにな
り、光磁気ディスク1の表面に付着してしまう不都合が
考えられる。その一方で、金属製とすることにより確保
されるシャッタ本体7の強度は必要以上に過大なもので
あり、樹脂製のものに置き換えても十分に強度を確保す
ることが可能である。したがって、これらの不都合を回
避するためには、シャッタ本体7およびスライダ9を全
て樹脂製とし、これらを一体的に射出成形する方法が有
効であると考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、シャッ
タ本体7とスライダ9とを一体的に射出成形する場合に
は、その金型構造が複雑になるという難点がある。すな
わち、コ字状に屈曲形成された部分を有するシャッタ本
体7と、スライダ9あるいはスプリング引掛部12との
接合部分の形状が複雑になるために、複数箇所のアンダ
ーカットが生ずることが考えられる。このため、金型を
複数に分割して各々をスライドさせる方法が考えられる
が、例えば、スライダ9においては、その先端に形成さ
れている保持突起9が金型の移動の障害となるので、単
にスライド金型を採用するだけでは、スライダ付のシャ
ッタを一体成形することが困難であった。
【0008】また、このスライダ付のシャッタにおいて
は、シャッタ本体7が、他の部分に比して薄肉でありか
つ広い面積を有しているために、金型から分離される際
に、金型との結合力によって変形してしまう可能性があ
り、これを解決する金型構造の開発が望まれている。
【0009】本発明は、上述した事情に鑑みてなされた
ものであって、複雑な形状を有するスライダ付シャッタ
を一体成形することができるとともに、金型から分離さ
れる際におけるシャッタ本体の変形を回避することがで
きる射出成形金型を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、次の2つの手段を提案している。第1の
手段は、長手方向の一端にコ字状に形成された屈曲部を
有する平板状のシャッタ本体と、前記屈曲部の一端内側
から前記シャッタ本体の幅方向に突出状態に形成される
スライダと、前記屈曲部の他端内側に形成されるスプリ
ング引掛部とを一体成形する射出成形金型であって、前
記シャッタ本体の法線方向に型開きされる一対の主金型
と、該主金型の型開き方向に直交する方向にスライド機
構によってそれぞれ移動させられ主金型との間にキャビ
ティを形成する複数のスライド金型と、前記主金型の型
開き方向に主金型に先行して型開きされ前記スライド金
型の移動スペースを確保するとともに、型締め時にスラ
イド金型の移動を抑制する抜き金型とを具備している射
出成形金型を提案している。
【0011】第2の手段は、各スライド機構が、主金型
に設けられ型開き方向からスライド金型の移動方向に傾
斜状態に配されるアンギュラピンと、スライド金型に設
けられ前記アンギュラピンを嵌合させるスライド孔とか
らなり、シャッタ本体の長手方向に移動させられるスラ
イド金型のスライド孔とそれに嵌合させられるアンギュ
ラピンとの相互間隙が他のスライド機構よりも小さく形
成されている射出成形金型を提案している。
【0012】
【作用】本発明の第1の手段に係る射出成形金型によれ
ば、型締め時に、複数のスライド金型が主金型の型開き
方向に直交する複数の方向から移動させられて組み合わ
せられることにより、シャッタ本体の屈曲部両端におい
てスライダおよびスプリング引掛部によって複数方向に
形成されるアンダーカットに対応する位置にスライド金
型が配されるようにして、主金型との間にキャビティが
形成される。各スライド金型は、抜き型によって移動し
ないように支持されることにより、キャビティ内に射出
される樹脂の樹脂圧に対抗して固定されることになる。
【0013】また、製品が成形された後に金型が型開き
される場合には、主金型に先行して抜き型が主金型の型
開き方向に型開きされることにより、スライド金型の固
定が解除されるとともに、抜き型が配されていた空間に
スライド金型の移動スペースが確保される。この状態
で、主金型を型開きすることにより、スライド機構が作
動させられて各スライド金型が主金型の型開き方向に直
交する方向に型開きされることになる。
【0014】さらに、本発明の第2の手段に係る射出成
形金型によれば、主金型が型開きされる際に、該主金型
に設けられているアンギュラピンも型開き方向に移動さ
せられる。これによりアンギュラピンは、スライド孔か
ら抜ける方向に移動させられる。この際に、スライド孔
を有する各スライド金型は、アンギュラピンの傾斜方向
に沿う主金型の型開き方向に直交する方向に移動させら
れ、型開きされることになる。この場合に、シャッタ本
体の長手方向に沿って移動させられるスライド金型は、
そのスライド孔とアンギュラピンとの相互間隙が他より
小さく形成されているので、他に先行して移動が開始さ
れ、製品との分離が最初に行われることになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る射出成形金型の一実施例
について、図1ないし図6を参照して説明する。本実施
例の射出成形金型は、図1に示す光磁気ディスク用カセ
ットのシャッタ20を成形するための金型である。
【0016】本実施例の射出成形金型21についての説
明に先立って、当該射出成形金型21によって成形され
るべきシャッタ20について説明する。このシャッタ2
0は、図1および図2に示すように、略長方形状に形成
されその長手方向の一端にコ字状の屈曲部22を有する
薄肉平板状のシャッタ本体23と、前記屈曲部22の内
側の一端に配されるスプリング引掛部24と、屈曲部2
2内側の他端からシャッタ本体23の幅方向に突出状態
に形成されその先端に保持突起25を有する棒状のスラ
イダ26とを具備している。このようなシャッタ20に
おいては、図1に示すように、例えば、シャッタ本体2
3の長手方向に対して、斜線で示す部分にアンダーカッ
トAが形成されていることになり、各アンダーカットA
に対して金型をそれぞれ用意する必要がある。
【0017】次に、このように複数のアンダーカットA
を有することとなるスライダ26付のシャッタ20を成
形するための本実施例の射出成形金型21について、以
下に説明する。本実施例の射出成形金型21は、図5お
よび図6に示すように、鉛直状態に配されるPL面27
aを有する固定型27とその側方に配置され前記固定型
27に対して水平方向(型開き方向)D0に接離させら
れる可動型28とよりなる主金型29と、可動型28に
設けられる複数のスライド金型30・31・32および
抜き金型33と、前記スライド金型30・31・32を
移動させるスライド機構34・35・36とから構成さ
れている。
【0018】前記固定型27は、図3に示すように、そ
のPL面27aに、シャッタ本体23のキャビティCの
一内面を形成する凹部27bと、該凹部27bに接続さ
れるゲート37およびスプール38とを具備している。
スプール38には射出装置(図示略)が接続され、該ゲ
ート37を通して溶融樹脂をキャビティC内に注入する
ようになっている。また、固定型27には、後述するス
ライド機構34・35・36のアンギュラピン34a・
35a・36aが固定されている。前記可動型28は、
図4に示すように、その側面に、シャッタ本体23の屈
曲部22およびスライダ26のキャビティCを形成する
凹部28aを具備するとともに、鉛直面内で移動させら
れる前記スライド金型30・31・32を配している。
【0019】前記スライド金型30は、シャッタ本体2
3のコ字状の屈曲部22の内側に配されるコアとなっ
て、主として前記主金型29とともにシャッタ本体23
および屈曲部22のキャビティCを形成する金型であ
る。このスライド金型30は、後述するスライド機構3
4によって可動型28の側面に沿うシャッタ本体23の
長手方向D1に移動させられるようになっている。
【0020】また、スライド金型31は、前記スライダ
26とシャッタ本体23の屈曲部22との間に形成され
るアンダーカットAに挿入されるコアとなり、主として
主金型29とともにスライダ26のキャビティCを形成
する金型である。このスライド金型31は、後述するス
ライド機構35によって前記スライド金型30と直交す
るスライダ26の長手方向D2に沿って鉛直面内で移動
させられるようになっている。
【0021】また、スライド金型32は、前記スプリン
グ引掛部24とシャッタ本体23の屈曲部22との間に
形成されるアンダーカットAに挿入されるコアとなり、
主として主金型29とともにスプリング引掛部24のキ
ャビティCを形成する金型である。このスライド金型3
2は、後述するスライド機構36によって前記スライド
金型31の逆方向D3に鉛直面内で移動させられるよう
になっている。
【0022】前記抜き金型33は、図5および図6に示
すように、前記可動型28の他の側面に配置されスプリ
ング39の弾発力によって可動型28に対して型開きさ
れる金型であって、型締めされた状態でその上端を前記
スライド金型30・31の側方まで突出させられる2つ
の抜きブロック40・41を有している。これら各図に
おいて、符号42は、抜き金型33と可動型28とを一
定距離以上離れないように保持するロッドである。
【0023】該抜きブロック40は、図3に示すよう
に、スライド金型30の側方に配置されシャッタ本体2
3の長手方向端部のキャビティCを形成するコアの一部
となっている。この抜きブロック40の先端部には、図
6に示すように、水平方向に対してシャッタ本体23の
長手方向に傾斜する押圧面40aが設けられており、ス
ライド金型30の背後には、型締め状態で該押圧面40
aに密接させられる被押圧面30aが設けられている。
したがって、スライド金型30は、型締め状態において
その被押圧面30aを抜きブロック40の押圧面40a
によって押圧され、シャッタ本体23の長手方向D1
の移動を抑制されるようになっている。
【0024】また、抜きブロック41の先端は、図5に
示すように、スライド金型31とスライダ26の保持突
起25との間に配置され、スライダ26のキャビティC
を形成するコアの一部となっている。この抜きブロック
41の先端部には、水平方向に対してシャッタ本体23
の幅方向に傾斜する押圧面41aが設けられており、ス
ライド金型31の背後には、型締め状態で該押圧面41
aに密接させられる被押圧面31aが設けられている。
したがって、スライド金型31は、型締め状態において
その被押圧面31aを抜きブロック41の押圧面41a
によって押圧され、シャッタ本体23の幅方向D2への
移動を抑制されるようになっている。
【0025】一方、スライド金型32は、固定型27に
設けられたロッキングブロック43によって、前記スラ
イド金型31と同様に型締め状態でのシャッタ本体23
の幅方向D3への移動を制限されるようになっている。
【0026】前記スライド機構34・35・36は、前
記固定型27に固定されるアンギュラピン34a・35
a・36aと、スライド金型30・31・32に設けら
れ該アンギュラピン34a・35a・36aを挿入する
スライド孔34b・35b・36bとから構成されてい
る。前記アンギュラピン34a・35a・36aは、各
スライド金型30・31・32に対して1本ずつ設けら
れ、水平方向に対して、それぞれの移動方向D1・D2
3に傾斜状態に配置されている。したがって、固定型
27と可動型28とが型開きされると、アンギュラピン
34a・35a・36aが可動型28に対して型開き方
向D0に相対移動させられることになるので、各スライ
ド金型30・31・32はアンギュラピン34a・35
a・36aの傾斜角度に応じた移動量だけ、それぞれの
移動方向に移動させられることになる。
【0027】ここで、本実施例の射出成形金型21にお
いては、スライド金型30のスライド機構34における
スライド孔34bとアンギュラピン34aとの相互間
隙、すなわち、ガタが他のスライド金型31・32のス
ライド機構35・36におけるよりも小さく形成されて
いる。これにより、固定型27と可動型28とが開かれ
ることによりスライド金型30・31・32が移動され
る場合に、スライド金型30が他のスライド金型31・
32よりも先に移動開始されるようになっている。
【0028】このように構成された射出成形金型21に
よって、シャッタ20を成形する場合について以下に説
明する。まず、抜き金型33を側方から可動型28方向
に押圧することによってスプリング39を介して可動型
28が水平移動させられる。これにより、可動型28側
部に配されているスライド金型30・31・32のスラ
イド機構34・35・36が作動させられて、各スライ
ド金型30・31・32が鉛直面内で移動され、固定型
27と可動型28とが完全に密着させられた状態で、該
固定型27、可動型28、スライド金型30・31・3
2の間に、キャビティCが形成されることになる。この
状態で、スライド金型32は、固定型27に設けられた
ロッキングブロック43によって背後から押圧され、そ
の移動を抑制されることになる。
【0029】そして、この状態からスプリング39の弾
発力に抗して抜き金型33をさらに水平移動させると、
スプリング39が圧縮されて抜きブロック40・41が
水平移動し、該抜きブロック40・41に設けられた押
圧面40a・41aによってスライド金型30・31の
被押圧面30a・31aが押圧され、各スライド金型3
0・31の移動が抑制されることになる。この状態で、
ゲート37の部分を除いたキャビティC各部が密閉され
る。
【0030】そして、ゲート37から高圧状態の溶融樹
脂をキャビティC内に注入・充填することにより、キャ
ビティCの形状通りのシャッタ20が成形されることに
なる。この場合において、各スライド金型30・31・
32が、その背後から抜きブロック40・41あるいは
ロッキングブロック43によって支持されているので、
樹脂圧に対抗してキャビティCが密封状態に保持される
ことになる。
【0031】キャビティC内の樹脂が硬化した後には、
側方からの押圧力を緩めることにより、抜き金型33が
戻り方向に移動させられる。この場合に、可動型28
は、抜き金型33と可動型28との間に配されているス
プリング39の弾発力によって、暫くの間、固定型27
と密着状態に保持されるので、この間においては、可動
型28と抜き金型33との相対移動のみが実施される。
したがって、抜きブロック40・41の押圧面40a・
41aによるスライド金型30・31の被押圧面30a
・31aの移動制限は解除される。また、これととも
に、抜きブロック40・41がスライド金型30・31
の背後から側方に外れた位置に配されることにより、ス
ライド金型30・31の移動スペースが確保されること
になる。
【0032】そして、抜き金型33がさらに側方に移動
させられると、ロッド42に引掛けられて可動型28が
抜き金型33とともに移動させられる。これにより、ス
ライド金型30・31・32はそのスライド孔34b・
35b・36bをアンギュラピン34a・35a・36
aに摺動させながら、各アンギュラピン34a・35a
・36aの傾斜方向D1・D2・D3に沿って鉛直面内で
移動させられる。この場合に、上述したように、スライ
ド金型30・31の背後には、すでに移動スペースが形
成されているので、スライド金型30・31は可動型2
8の移動に伴って容易に移動されることになる。
【0033】ここで、スライド金型30のスライド孔3
4bはアンギュラピン34aに対してガタが少なく形成
されているので、他のスライド金型31・32に先んじ
て移動が開始される。その結果、成形品たるシャッタ2
0とスライド金型30との結合がまず最初に切り離され
る。すなわち、シャッタ20がスライダ26およびスプ
リング引掛部24においてスライド金型31・32およ
び主金型29によって支持されている状態で薄肉平板状
のシャッタ本体23の剥離が行われるので、結合力を切
り離すための偏った力がシャッタ本体23に付与される
ことがなく、シャッタ本体23の変形が回避されること
になる。
【0034】したがって、本実施例に係る射出成形金型
21によれば、主金型29が開かれる前に、抜き金型3
3が可動型28から型開きされ、スライド金型30・3
1の移動を制限している抜きブロック40・41が抜き
金型33とともに除去されるので、スライド金型30・
31、特に、背後に障害物としての保持突起25が配さ
れているスライド金型31の移動スペースを確実に確保
することができる。その結果、成形品たるシャッタ20
に対してその長手方向D1および幅方向D2・D3にそれ
ぞれスライド金型30・31・32の移動制限が解除さ
れることにより、複数のアンダーカットAを有するスラ
イダ26付のシャッタ20を容易に成形することができ
る。
【0035】また、薄肉かつ広い面積を有するシャッタ
本体23を成形する金型として、スライド金型を使用す
る場合に発生するシャッタ本体23の変形が、スライド
金型の移動開始順序を変化させることにより回避され、
成形されるシャッタ20の製品精度を向上することがで
きる。
【0036】なお、本発明に係る射出成形金型において
は、以下の技術を採用することができる。 本実施例では、3方向に移動させられる3つのスラ
イド金型30・31・32を採用したが、これに代え
て、任意の数のスライド金型を採用することとしてもよ
い。 スライド金型32の移動を制限する部材としてロッ
キングブロックを採用したが、これに代えて、スライド
金型30・31と同様に抜き金型を使用することとして
もよい。 スライド機構34・35・36を、アンギュラピン
34a・35a・36aとスライド孔34b・35b・
36bよりなる構成としたが、これに代えて、ラックピ
ニオン方式やカム方式としてもよい。 抜き金型を可動型から型開きさせる手段としてスプ
リングを使用したが、これに代えて、シリンダ等を使用
することとしてもよい。
【0037】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の第1の手
段に係る射出成形金型は、長手方向の一端にコ字状に形
成された屈曲部を有する平板状のシャッタ本体と、屈曲
部の一端内側からシャッタ本体の幅方向に突出状態に形
成されるスライダと、屈曲部の他端内側に形成されるス
プリング引掛部とを一体成形する射出成形金型であっ
て、シャッタ本体の法線方向に型開きされる一対の主金
型と、その型開き方向に直交する方向にスライド機構に
よってそれぞれ移動させられ主金型との間にキャビティ
を形成する複数のスライド金型と、主金型の型開き方向
に主金型に先行して型開きされスライド金型の移動スペ
ースを確保しかつ型締め時にスライド金型の移動を抑制
する抜き金型とを具備しているので、以下の効果を奏す
る。 主金型の型開きに先行して抜き金型が型開きされる
ことにより移動スペースを確保するので、狭隘な部分に
配されるアンダーカットにスライド金型を適用すること
ができ、シャッタ本体とスライダ、スプリング引掛部と
を一体的に有するシャッタを成形することができる。 型締め時にスライド金型が抜き金型によって移動し
ないように支持されるので、樹脂圧に対抗してキャビテ
ィを保持し、成形されるシャッタの精度を向上すること
ができる。
【0038】また、本発明の第2の手段に係る射出成形
金型は、各スライド機構が、主金型に設けたアンギュラ
ピンと、スライド金型に設けたスライド孔とからなり、
シャッタ本体の長手方向に移動させられるスライド金型
のスライド孔とそれに嵌合させられるアンギュラピンと
の相互間隙が他のスライド機構よりも小さく形成されて
いるので、第1の手段の効果に加えて以下の効果を奏す
る。すなわち、成形されたシャッタのシャッタ本体に密
接しているスライド金型が、主金型の型開きに際して最
初に移動開始されるので、平板状のシャッタ本体が最初
に金型から切り離され、スライド金型が移動する際に成
形品たるシャッタに付与される力が最小限に抑えられ、
シャッタ本体の変形を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る射出成形金型の一実施例により成
形される成形品たるスライダ付のシャッタを示す正面図
である。
【図2】図1のシャッタの屈曲部におけるスライダとシ
ャッタ本体との接合部を示す側面図である。
【図3】本発明に係る射出成形金型の一実施例における
固定型を示す正面図である。
【図4】本発明に係る射出成形金型の一実施例における
移動型を示す正面図である。
【図5】本発明に係る射出成形金型の一実施例を示す縦
断面図である。
【図6】図5の射出成形金型を図5と直交する方向に切
断した縦断面図である。
【図7】光磁気ディスク用カセットに使用されるシャッ
タの従来例を示す斜視図である。
【符号の説明】
C キャビティ D0 型開き方向(法線方向) D1 長手方向 D2・D3 幅方向 20 シャッタ 21 射出成形金型 22 屈曲部 23 シャッタ本体 25 プリング引掛部 26 スライダ 29 主金型 30・31・32 スライド金型 33 抜き金型 34・35・36 スライド機構 34a・35a・36a アンギュラピン 34b・35b・36b スライド孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向の一端にコ字状に形成された屈
    曲部を有する平板状のシャッタ本体と、前記屈曲部の一
    端内側から前記シャッタ本体の幅方向に突出状態に形成
    されるスライダと、前記屈曲部の他端内側に形成される
    スプリング引掛部とを一体成形する射出成形金型であっ
    て、 前記シャッタ本体の法線方向に型開きされる一対の主金
    型と、 該主金型の型開き方向に直交する方向にスライド機構に
    よってそれぞれ移動させられ主金型との間にキャビティ
    を形成する複数のスライド金型と、 前記主金型の型開き方向に主金型に先行して型開きされ
    前記スライド金型の移動スペースを確保するとともに、
    型締め時にスライド金型の移動を抑制する抜き金型とを
    具備していることを特徴とする射出成形金型。
  2. 【請求項2】 各スライド機構が、主金型に設けられ型
    開き方向からスライド金型の移動方向に傾斜状態に配さ
    れるアンギュラピンと、スライド金型に設けられ前記ア
    ンギュラピンを嵌合させるスライド孔とからなり、 シャッタ本体の長手方向に移動させられるスライド金型
    のスライド孔とそれに嵌合させられるアンギュラピンと
    の相互間隙が他のスライド機構よりも小さく形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の射出成形金型。
JP00062794A 1994-01-07 1994-01-07 射出成形金型 Expired - Fee Related JP3158330B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00062794A JP3158330B2 (ja) 1994-01-07 1994-01-07 射出成形金型

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00062794A JP3158330B2 (ja) 1994-01-07 1994-01-07 射出成形金型

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07205207A true JPH07205207A (ja) 1995-08-08
JP3158330B2 JP3158330B2 (ja) 2001-04-23

Family

ID=11478974

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00062794A Expired - Fee Related JP3158330B2 (ja) 1994-01-07 1994-01-07 射出成形金型

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3158330B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103817878A (zh) * 2012-11-19 2014-05-28 苏州汉扬精密电子有限公司 强制脱模机构
CN104972620A (zh) * 2015-07-01 2015-10-14 浙江凯华模具有限公司 注塑模具塑件侧边上下内倒扣脱模机构
CN109501167A (zh) * 2018-12-28 2019-03-22 青岛海泰科模具有限公司 抽芯斜顶结构及注塑模具
KR102187481B1 (ko) * 2020-01-09 2020-12-09 에이테크솔루션(주) 상부 언더컷 및 하부 언더컷을 갖는 사출 제품(p)을 제조하기 위한 사출 금형 및 사출 금형 제어 방법
CN116653231A (zh) * 2023-07-25 2023-08-29 成都宝利根创科电子有限公司 一种多面抽芯同侧出模的脱模抽芯机构及注塑模具

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103817878A (zh) * 2012-11-19 2014-05-28 苏州汉扬精密电子有限公司 强制脱模机构
CN103817878B (zh) * 2012-11-19 2016-06-15 苏州汉扬精密电子有限公司 强制脱模机构
CN104972620A (zh) * 2015-07-01 2015-10-14 浙江凯华模具有限公司 注塑模具塑件侧边上下内倒扣脱模机构
CN109501167A (zh) * 2018-12-28 2019-03-22 青岛海泰科模具有限公司 抽芯斜顶结构及注塑模具
CN109501167B (zh) * 2018-12-28 2024-02-23 青岛海泰科模具有限公司 抽芯斜顶结构及注塑模具
KR102187481B1 (ko) * 2020-01-09 2020-12-09 에이테크솔루션(주) 상부 언더컷 및 하부 언더컷을 갖는 사출 제품(p)을 제조하기 위한 사출 금형 및 사출 금형 제어 방법
CN116653231A (zh) * 2023-07-25 2023-08-29 成都宝利根创科电子有限公司 一种多面抽芯同侧出模的脱模抽芯机构及注塑模具
CN116653231B (zh) * 2023-07-25 2023-10-24 成都宝利根创科电子有限公司 一种多面抽芯同侧出模的脱模抽芯机构及注塑模具

Also Published As

Publication number Publication date
JP3158330B2 (ja) 2001-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4273401B2 (ja) 射出成形用金型
JP7007690B2 (ja) スライド機構、可動型及び成形用金型
JPH07205207A (ja) 射出成形金型
JPH10264217A (ja) 樹脂成形用金型装置
JPH081680A (ja) 成形用金型装置
JPWO2020174615A1 (ja) アンダーカット処理機構、成形用金型及び成形品
JPH06114898A (ja) 樹脂成形用金型装置
JP2003231160A (ja) 射出成形機用金型
JP2998529B2 (ja) 樹脂成形装置
JP2003053794A (ja) 射出成形金型のロック機構
JPH0852769A (ja) 樹脂成形用金型
JP3296670B2 (ja) 射出成形用金型
JP2600593Y2 (ja) 射出成形金型
JP3398946B2 (ja) 記録ディスクのシャッター成形用金型装置
JP2004098654A (ja) 光学素子成形用金型及び光学素子成形品
JPH0671701A (ja) 樹脂成形用金型装置
JP2002052569A (ja) 微細な長孔を有する射出成形品の製造方法
JPH0517216Y2 (ja)
JPH07314505A (ja) 金型装置
JP2787302B2 (ja) カメラボデイの製造方法
JPH09300367A (ja) 記録ディスクのシャッター成形用金型装置
JP2526202Y2 (ja) 磁気テープ用カセット
JPH09104039A (ja) 射出成形用金型
JPH079503A (ja) 射出成形用金型
JP2003025387A (ja) 射出成形用金型のスライド機構

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20010109

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees