JP2002052569A - 微細な長孔を有する射出成形品の製造方法 - Google Patents
微細な長孔を有する射出成形品の製造方法Info
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Abstract
を精度よく成形でき、バリの発生を抑えた微細な長孔を
有する射出成形品の製造を可能とする。 【解決手段】 微細な長孔が内部に形成される射出成形
品の製造方法であって、該微細な長孔を内部に有する部
分を形作るキャビティの内壁に近接しながらこれに沿っ
て移動する移動板が前記細径中子ピンを貫通させた状態
でこの細径中子ピンに対して摺動自在に装着されると共
にこの細径中子ピンの先端が金型に対してクランプ手段
によって一時的に保持されると共に該クランプ手段の一
方のクランプ片に刻設された細径中子ピン先端受け入れ
溝と細径中子ピンとの間に微小な間隙を形成し、前記移
動板を溶融樹脂の圧力に抗して付勢する付勢手段を介し
て、キャビティ内に充填される溶融樹脂の圧力に抗して
該移動板を前記キャビティの始点から終点に向けて移動
させると共に移動板がキャビティの始点から終点に向け
て移動する間に発生するガスを前記細径中子ピン先端受
け入れ溝と細径中子ピンとの間の微小な間隙からガスを
キャビティの外に抜き出すようにする。
Description
出成形製品、例えば光ファイバを接続する際に使用され
るコネクタフェルールの製造方法に関する。
た射出成形製品、例えば光ファイバを接続する際に使用
されるコネクタフェルールの一例として特公平6-54364
号に記載されるものが知られている。これについて図4
ないし図6を参照して説明する。
本体(11)の先端部にはガイドピンを受け入れるための一
対のガイドピン挿入孔(13),(13)と1本以上の光ファイ
バの先端を臨ませる光ファイバ挿入用の微細な長孔(14)
が形成され、該フェルール本体の表面中央部には接着剤
を流し込むための窪部(12)が、また後端部には光ファイ
バの本線側を引き出す開口部(15)が形成されている。そ
して前記窪部(12)と開口部(15)は連通されている。さら
に前記光ファイバ挿入用微細長孔(14)は窪部(12)の底部
に連通されている。なお、該窪部(12)の底部には1本以
上の光ファイバを載置するに便利なように1本以上の溝
(16)が設けられている。一方、前記ガイドピン挿入孔(1
3),(13)は前記窪部(12)に連通させる必要はなくフェル
ール本体(11)の左右の肉部にのみ形成されている。そし
て、このコネクタに光ファイバを装着する場合は図4に
示されるように開口部(15)から複数本の光ファイバが挿
入され、各光ファイバ先端部が前記微細な長孔(14)に挿
入される。
製造方法について図10,図11を参照して説明する。
固定される一方の射出成形用金型(21)と該金型(21)に対
して分離自在に移動する他方の可動金型(22)と、該一対
の金型(21),(22)の間で両者の分離面において摺動する
スライドブロック(25)とによって当該製品のキャビティ
が形成される。
先端に光ファイバの外径とほぼ同じ外径で極めて細く、
例えば外径が0.125mmの細径中子ピン(26)を1本以上備
え、後端に前記フェルール本体(11)の開口部(15)を形成
すべき肉厚部及び蓋部(27)を具備している。さらにまた
当該製品の射出成形時に、前記細径中子ピン(26)の先端
部を保持、固定するための上下一対のクランプ手段(2
3),(24)がそれぞれ前記一対の金型(21),(22)の内部に固
定されている。そして、前記キャビティにゲート(図示
を省略)から溶融状態のエポキシ系熱硬化性樹脂あるい
はPPS等の熱可塑性樹脂(29)が射出され、該樹脂が固
まった後、前記細径中子ピン(26)を前記スライドブロッ
ク(25)と共に矢印方向に摺動させて中子ピンを引き抜い
た後、前記可動金型(22)を移動させて製品を取り出すよ
うに構成される。
圧力の大きさに比例して細径中子ピン(26)に曲がり変形
が生じる。通常の溶融樹脂の圧力は150Mpaを上回る場合
が多く、このため細径中子ピン(26)の曲がり変形はもと
より、金型(21),(22)との間隙および細径中子ピンとク
ランプ手段(23),(24)との間隙(28)に溶融樹脂が流入
し、バリが発生することになる。また、細径中子ピン(2
6)に曲がり変形が生じると該細径中子ピンによって形成
される光ファイバ挿入用微細孔(14)の寸法精度の確保が
困難になると共に該細径中子ピンの疲労破壊が生じ、そ
のメンテナンスが必要になる等の欠点がある。この発明
は、これらの欠点を解消した微細な長孔を内部に有する
部分を備えた射出成形品の製造方法を提供することを目
的とする。
に溶融樹脂の圧力が瞬時のうちに細径中子ピンの全長に
かからないように、移動板を利用して細径中子ピンの長
さ方向に溶融樹脂を徐々に充填し得るようにした微細な
長孔を内部に有する部分を備えた射出成形品の製造方法
である。この発明の製造方法によって、微細な長孔を内
部に有する部分を形成するための細径中子ピンの変形を
防止しながら溶融樹脂の急激な流動を規制する移動板を
キャビティ内に設けることによって細径中子ピンの変形
防止と高精度の微細孔をもった射出製品が得られる。
参照して本発明の一例を説明する。固定される一方の射
出成形用金型(41)に対向して分離自在に移動する他方の
可動金型(31)が設置される。そしてこれ等一対の金型の
間には、上記微細な長孔(14)を形成するための中子とな
る少なくとも1本の細径中子ピン(33)、例えば光ファイ
バの外径0.125mmにほぼ等しい外径の中子ピンが先端に
突設されたスライドブロック(32)が前記金型(31)の形成
される溝(31A)に対して摺動自在に装着されている。な
お、射出成形品に比較的内径の大きな貫通孔を形成する
必要が在る場合には、このための太い剛体の第2中子ピ
ン(33A)も同時に突設される。
およびスライドブロック(32)によってキャビティ(C1),
(C2)が形成される。ここでキャビティ(C1)は微細な長孔
(14)を内部に有する部分を形成する部分であり、キャビ
ティ(C2)は微細な長孔(14)を内部に有しない部分を形成
する部分である。また、前記金型(41),(31)の対向面に
於いて、金型(41)側から突出される一方のクランプ片(4
2)と他方の金型(31)側から突出される他方のクランプ片
(37)とによってクランプ手段が構成され、このクランプ
手段によって前記細径中子ピン(33)の先端が射出成形時
に一時的に保持される。なお、この場合少なくとも一方
のクランプ片には細径中子ピン(33)の先端を受け入れる
溝(37A)、例えばV字状の溝が細径中子ピン(33)の本数
に応じて刻設されており、この溝(37A)と細径中子ピン
(33)との間には、後述するガス抜き機能を持たせるため
の微小な間隙が形成されている。さらに、該クランプ手
段を挟んで、その前後にはキャビティ(C1)内部を移動す
る移動板(35)とキャビティ外部を移動する移動駒(34)が
それぞれ配置され双方は一体に連結されている。この移
動板(35)はキャビティ(C1)内に充填された溶融樹脂がキ
ャビティ(C1)の外に流出しないような大きさと精度を有
してキャビティの内壁近傍に沿って摺動可能に構成され
る。
ピン(33)を摺動自在に受け入れるピンホール(P)が形成
され、第2中子ピン(33A)が有る場合には、これを摺動
自在に受け入れる比較的内径の大きな貫通孔もまた形成
される。またキャビティ外部において金型(41),(31)の
対向面間に第2スライドブロック(39)が摺動自在に装着
されると共に該第2スライドブロック(39)上に前記移動
駒(34)がこの第2スライドブロック(39)に対して相対的
に摺動自在に設置されている。そして、第2スライドブ
ロック(39)と移動駒(34)との間には付勢手段(36)、例え
ばスプリングコイル、板バネ、皿バネ等のバネ手段が設
けられている。したがってキャビティ内の前記移動板(3
5)がキャビティの外部に向けて移動されると該移動板(3
5)と一体に連結される移動駒(34)もまた同一方向に移動
し、この結果、移動駒(34)が付勢手段(36)を押圧する。
なお、該付勢手段(36)と第2スライドブロック(39)に代
えて、油圧装置、空気圧装置に置き換えることが出来
る。
解放されたとき付勢手段(36)に蓄えられたエネルギによ
って移動駒(34)と第2スライドブロック(39)とは互いに
離反するが、第2スライドブロック(39)は金型(31)後端
部の係止部(31B)により係止され、移動駒(34)は第2ス
ライドブロック(39)自体の先端部に突出される突部(39
A)により係止されるように構成されている。なお、成形
中に金型(41)と(31)との間において、予期しない何らか
の原因、例えば射出される樹脂の圧力によって、両金型
間に微小な間隙が発生した場合、前記中子ピン(33)のク
ランプ手段の間にも微小間隙が生じてしまいクランプ手
段の機能が低下してしまうおそれが予測される。この場
合、図12に示すように一方の金型(41)から突出される
クランプ片(42)をコイルバネ、板バネ、皿バネ等の付勢
手段(42A)を介して該金型(41)に対して移動自在に構成
すれば、金型(41)と(31)との間に微小間隙が生じたとし
てもクランプ片(42)が付勢手段(42A)によって前記微小
間隙を補うように突出移動するので上記のおそれは解消
される。ここで(42B)は、金型(41)に対して固定される
固定部材である。
製造する方法について説明する。図1の初期位置におい
て一対の金型(41),(31)を分離させてスライドブロック
(32)を移動させてスタート位置に設置すると共に第2ス
ライドブロック(39)を移動させて移動駒(34)をクランプ
片(37)に近接させた状態で前記金型(41)と(31)を閉じ
る。このとき、細径中子ピン(33)の先端は前記クランプ
手段によって保持固定される。ついで、金型のゲート
(G)から溶融樹脂を射出充填する。このとき、充填され
る樹脂の量に応じて移動板(35)及び移動駒(34)が付勢手
段(36)の付勢する力に抗してゆっくりと移動する。この
移動板(35)がキャビティ(C1)の始点、つまり微細な長孔
(14)を内部に有する部分を形成する部分から終点まで移
動する間に樹脂充填時に発生するガスは移動板(35)のピ
ンホール(P)と細径中子ピン(33)との間隙およびクラン
プ手段と細径中子ピン(33)との間隙からキャビティ(C1)
の外に抜け出る。このようにして、樹脂の充填が完了し
た後、金型を解放してスライドブロック(32)を矢印方向
に後退させて成形製品から細径中子ピン(33)を抜き取
り、次いで製品を金型から排出する。なお、このとき第
2スライドブロック(39)と移動駒(34)とは、付勢手段(3
6)のスプリングバックによって初期位置に復帰する。
本発明の他の例を説明する。微細な長孔を内部に有する
部分を備えた他の射出成形品、例えば光ファイバを接続
するための他のコネクタフェルール(60)は光ファイバの
先端部分を受け入れる微細な長孔(63)を備えた先端部(6
1)と被覆を着けたままの光ファイバの本線側を受け入れ
る幾分微細な長孔(64)を備えた基部(62)とを有する。こ
のフェルールは、図9に示される装置で製造される。一
方の金型(41)の中央部から細径中子ピン(33)が一体に突
設されており、この中子ピン(33)は前記微細な長孔(63)
を有する部分を形成するための部分(33B)と幾分微細な
長孔(64)を有する部分を形成するための部分(33C)とか
ら成っている。該部分(33C)が金型に固定される部分の
周囲はほぼ円柱状空間部を成し、この空間部が前記基部
(62)を形成するためのキャビティ(C2)を構成する。一
方、他方の金型(31)には、前記キャビティ(C2)に連続し
てフェルールの先端部(61)を形成するキャビティ(C1)が
形成されている。このキャビティ(C1)の出口には細径中
子ピン(33)の先端部をクランプするクランプ手段(30
A)、(30B)が開閉自在に金型(31)に装着されている。
んでキャビティ(C1)の入口には、この内部を摺動する移
動板(35)が装着されている。この移動板(35)は、細径中
子ピン(33)を挿通させて双方が対的に摺動しうるような
ピンホールが形成されていると共に、キャビティ(C1)内
に充填された溶融樹脂が移動板(35)の外に流出しないよ
うな大きさと精度を有してキャビティ(C1)の内壁近傍に
沿って摺動可能に構成される。さらに、キャビティ(C1)
の出口には移動駒(34)が金型(31)の内部溝内において移
動自在に装着されており、かつ移動板(35)と移動駒(34)
とは一体に連接されている。このため、双方は一体とな
って移動する。そして、前記金型(31)の内部溝内には前
記移動駒(34)を付勢する付勢手段(36)、例えばスプリン
グコイル、板バネ、皿バネ等のバネ手段が装着されてい
る。
製造する方法について説明する。図9の初期位置から一
対の金型(41),(31)のいずれか一方を移動させて双方を
密着させると共に細径中子ピン(33)を移動板(35)のピン
ホールを通過させ細径中子ピン(33)の先端をクランプ手
段(30A),(30B)で保持させる。次いで、金型(41)のゲー
ト(G)から溶融樹脂を充填すると金型(41)のキャビティ
(C2)に流れ込み中子ピン(33)の周りにフェルールの基部
(62)を形成する。続いて、溶融樹脂は移動板(35)をその
付勢手段(36)の付勢力に抗して移動させながらゆっくり
とキャビティ(C1)内に流れ込み細径中子ピン(33)の周り
にフェルールの先端部(61)を形成する。次いで、一方の
金型(31)を分離させると共に細径中子ピン(33)を抜き取
る。このとき、前記移動板(35)と移動駒(34)は、付勢手
段(36)によって初期位置に復帰する。その後、製品を金
型から取り出す。
板(移動駒)を使用することにより、射出成形によって
溶融樹脂をキャビティ内に充填するとき生じるガスが良
好に抜けるので、極低圧力で射出成形することができ、
且つ付勢手段によって低速度の成形が出来るので細径中
子ピンに作用する圧力が低くなり、細径中子ピンの変形
を防止することが出来る。このため高精度の微細孔を得
ることが出来る。
生が少ない。さらに、樹脂の充填性が良好になるので様
々な形状のゲートを採用することが出来る。
るようにして成形されるので移動板が成形品と接する部
分の形状を種々選択することにとって成形品の“面取
り”あるいは“座ぐり”等の加工を自動的に行うことが
出来る。
図
図
明図
視図
の例を示す説明図
Claims (2)
- 【請求項1】 一方の射出成形用金型(41)と該金型に対
して分離自在に移動する他方の可動金型(31)との間に形
成されるキャビティ空間に、微細な長孔(14)を形成する
ための細径中子ピン(33)が前記空間に固定されて成り、
該キャビティに溶融樹脂を射出して前記細径中子ピン(3
3)の外側に溶融樹脂を充填した後、この細径中子ピン(3
3)を引き抜いて微細な長孔(14)が内部に形成される射出
成形品の製造方法であって、 該微細な長孔(14)を内部に有する部分を形作るキャビテ
ィの内壁に近接しながらこれに沿って移動する移動板(3
5)が前記細径中子ピン(33)を貫通させた状態でこの細径
中子ピン(33)に対して摺動自在に装着されると共にこの
細径中子ピン(33)の先端が金型(31,41)に対してクラン
プ手段によって一時的に保持されると共に該クランプ手
段の一方のクランプ片(37)に刻設された細径中子ピン先
端受け入れ溝(37A)と細径中子ピン(33)との間に微小な
間隙を形成し、前記移動板(35)を溶融樹脂の圧力に抗し
て付勢する付勢手段(36)を介して、キャビティ内に充填
される溶融樹脂の圧力に抗して該移動板(35)を前記キャ
ビティの始点から終点に向けて移動させると共に移動板
(35)がキャビティの始点から終点に向けて移動する間に
発生するガスを前記細径中子ピン先端受け入れ溝(37A)
と細径中子ピン(33)との間の微小な間隙からガスをキャ
ビティ(C1)の外に抜き出すことを特徴とする微細な長孔
(14)を有する射出成形品の製造方法。 - 【請求項2】 前記微細な長孔(14)を有する射出成形品
が光ファイバを接続する際に使用されるコネクタフェル
ールであることを特徴とする請求項1記載の微細な長孔
(14)を有する射出成形品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2001132584A JP3673188B2 (ja) | 2001-04-27 | 2001-04-27 | 微細な長孔を有する射出成形品の製造方法 |
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KR100432783B1 (ko) * | 2002-06-14 | 2004-05-24 | 한국전자통신연구원 | 광접속 소자 제조 장치 및 방법 |
JP2010002610A (ja) * | 2008-06-19 | 2010-01-07 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光コネクタ及びその製造方法 |
CN109366903A (zh) * | 2018-10-26 | 2019-02-22 | 合兴汽车电子股份有限公司 | 一种注塑系统 |
WO2019237635A1 (zh) * | 2018-06-13 | 2019-12-19 | 惠州至精精密技术有限公司 | 一种用于生产无毛边五金件的模具、基于斜顶模具的五金件注胶方法和基于圆顶类包硅胶的五金件注胶方法 |
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2001
- 2001-04-27 JP JP2001132584A patent/JP3673188B2/ja not_active Expired - Fee Related
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