JP2002036314A - 射出成形金型 - Google Patents

射出成形金型

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JP2002036314A
JP2002036314A JP2000227859A JP2000227859A JP2002036314A JP 2002036314 A JP2002036314 A JP 2002036314A JP 2000227859 A JP2000227859 A JP 2000227859A JP 2000227859 A JP2000227859 A JP 2000227859A JP 2002036314 A JP2002036314 A JP 2002036314A
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Seizo Suzuki
清三 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の射出成形金型は、微小な領域にアンダ
ーカット部を持った高精度かつ高品質な射出成形品を製
造することが困難である。 【解決手段】 可動側金型の型開き方向に対して交差す
る方向にそれぞれ退避移動可能な一対のアンダーカット
成形駒14,15を有し、これら一対のアンダーカット
成形駒14,15によって成形されるアンダーカット部
Uを持った樹脂製品Wを射出成形するための射出成形金
型であって、可動側金型の型開き動作に連動して一方の
アンダーカット成形駒15を退避移動させる第1駒移動
手段27,28と、一方のアンダーカット成形駒15の
退避移動に続き、可動側金型の型開き動作に連動して他
方のアンダーカット成形駒14を退避移動させる第2駒
移動手段とを具え、この第2駒移動手段は一端が他方の
アンダーカット成形駒15に連結されてこれを退避移動
させるワイヤケーブル24を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンダーカット部
を有する高精度かつ高品質な樹脂製品を製造するための
射出成形金型に関する。
【0002】
【従来の技術】パーソナルコンピュータの普及に伴い、
その出力機器の1つであるプリンタとして小型で安価な
レーザービームプリンタの開発が進められている。この
ような個人用のレーザービームプリンタにおいては、ト
ナーの補充を容易化するためにカセット式のトナータン
クが使用されており、必要に応じてこのトナータンクを
交換することにより、トナーの補充を行うようにしてい
る。トナーが充填されるトナータンクは、通常、樹脂の
射出成形品であることが多く、その機能上、内部にアン
テナ線の保持や撹拌軸の保持などを目的として、直径が
概ね3mm以下の小さな穴などを持ったアンダーカット部
が形成されている。周知のように、アンダーカット部
は、金型を型開きして成形品を金型から取り外す際に、
成形品の取り出し方向に対して金型が干渉するような形
状を有する部分を指す。このアンダーカット部を持った
成形品を製造する場合には、成形品の取り出し時にこれ
と干渉する位置にある成型駒をあらかじめアンダーカッ
ト部から退避移動させておく必要があり、通常は金型の
型開き時にこの退避移動が行われる。
【0003】このようなアンダーカット部を持った樹脂
製品を製造するための射出成形金型の一例として、例え
ば特開平7−156220号公報に開示されたような傾
斜コアを持つものが知られており、その概略構造を図1
2に示し、その矢視XIII部の抽出拡大断面構造を図13
に示し、その退避移動の手順を図14および図15に示
す。すなわち、図示しない射出機から供給される溶融樹
脂は、固定側金型101と可動側金型102との間に形
成された成形キャビティ103内に充填され、然るべき
保圧冷却工程を経た後、可動側金型102を後退させて
型開きが行われる。
【0004】可動側金型102の一部を構成する傾斜コ
ア104には、成形品105のアンダーカット部106
を形成するための凹部107(図15参照)が形成され
ている。傾斜コア104の基端部は、エジェクタピン1
08の基端部が連結されたエジェクタプレート109に
スライダ110を介して連結されており、その先端部に
は型開き方向に対して直交する方向に摺動自在に傾斜コ
ア104に保持されたスライドブロック111が取り付
けられている。成形キャビティ103に臨む突き出しピ
ン112が一端側に突設されたスライドブロック111
は、ロッキングブロック113に形成されたテーパ面1
14に対して摺動自在に係合し、その他端側にはスライ
ドブロック111の突き出しピン112を成形キャビテ
ィ103に臨む傾斜コア104の成形面115から突出
するように付勢する圧縮コイルばね116が組み込まれ
ている。
【0005】上述した型開き後にエジェクタプレート1
09を前進させ、このエジェクタプレート109に連結
されたエジェクタピン108を突き出し、同時に傾斜コ
ア104もその長手方向に沿って前進させる。傾斜コア
104の前進に伴い、圧縮コイルばね116のばね力に
よってスライドブロック111がテーパ面114に案内
されながら傾斜コア104内を摺動し、突き出しピン1
12の先端部が傾斜コア104の成形面115から突出
し、成形品105のアンダーカット部106を傾斜コア
104の凹部107から確実に抜き外し(図14参
照)、最終的に図15に示すように可動側金型102か
ら成形品105の成形面115を分離させる。このよう
に、成形面11からのエジェクタピン108の突き出し
と同時に、アンダーカット部106が傾斜コア104の
凹部107から外れる方向に付勢することにより、変形
のない高品質な成形品105を取り出すことが可能とな
る。
【0006】上述したアンダーカット部106は、金型
104に食い込む突起状をなすものであるが、このよう
な突起状のアンダーカット部106以外に、例えば図1
6に示すような穴117もこの成形品105の取り出し
方向が穴117の軸線に対して交差する場合には、アン
ダーカット部106を構成することは容易に理解し得よ
う。
【0007】なお、金型の設置スペースが制限されるよ
うな場合、例えば特開平8−142131号公報に開示
されたようなカムとロッキング機構とを用いてアンダー
カット部を形成する方法も周知である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】個人を対象とした小型
のレーザービームプリンタに用いられるトナータンク
は、単にトナーを収容する容器であるとは言っても、一
般構造部品並みの高い加工精度を持つことが要求され
る。このような高い加工精度を維持するためには、これ
を成形するための金型各部の寸法形状を高精度に加工す
ることはもちろん、これに加えて射出成形技術に依存す
る事項を適切に設定することが必要である。この射出成
形技術に依存する事項は、成形品の加工精度を向上させ
る上でかなり大きな比重を占めており、多くの要因が複
雑に絡み合っているため、幾度にも及ぶ試鋳を行い、試
行錯誤の結果、成形品の要求精度や成形サイクルなどと
関連付けて最適な成形条件の組み合わせを決定するのが
一般的な方法である。
【0009】射出成形条件の中でも、成形品の精度や品
質および成形サイクルに対して影響を特に及ぼす要因が
温度に関わる事項であり、この中には金型温度や成形材
料の溶融温度、すなわち樹脂温度を挙げることができ
る。一般に、樹脂温度は射出機側で柔軟に制御可能であ
るが、金型の温度をその全域に亙って任意に制御するこ
とは極めて困難である。その理由は、金型の温度を制御
するための熱媒体として温調油と呼称される流体が通常
用いられ、この温調油の油温の制御を金型外部に設けら
れた温調機側で任意に設定可能であるもの、金型内部に
供給される温調油の流路を自由に設定することができな
いからである。すなわち、金型内に形成される温調油の
流路は、この金型を構成する分割された多くの部材や、
成形品を金型から突き外すための突き出しピン、あるい
は溶融樹脂が充填される成形キャビティの間を縫って配
置され、金型の任意の部分に温調油の流路を形成するこ
とが困難なため、金型温度を任意に制御することができ
ない。
【0010】特に、アンダーカット部を有する成形品を
製造するための金型においては、傾斜コアなどの複雑な
可動部材を組み込む必要があるため、この可動部材の近
傍に温調油の流路を形成することが困難であり、この領
域の温度制御がほとんど不可能となる。このため、アン
ダーカット部近傍の成形品の精度および成形サイクルに
重大な悪影響を及ぼすおそれがあった。また、金型内に
組み込まれる可動部材の構造が複雑なため、狭隘な箇所
にアンダーカット部を形成する必要がある場合や、成形
品自体の形状が複雑な場合には、実際の金型の製造が不
可能となることもあった。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、成形品自体の形状が複
雑であって、その狭隘な箇所にアンダーカット部を形成
する場合でも、これを高精度に成形し得る簡単な構造の
射出成形金型を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による射出成形金
型は、固定側金型に対する可動側金型の型開き方向に対
して交差する方向にそれぞれ退避移動可能な一対のアン
ダーカット成形駒を有し、これら一対のアンダーカット
成形駒によって成形されるアンダーカット部を持った樹
脂製品を射出成形するための射出成形金型であって、前
記可動側金型の型開き動作に連動して一方の前記アンダ
ーカット成形駒を退避移動させる第1駒移動手段と、前
記一方のアンダーカット成形駒の退避移動に続き、前記
可動側金型の型開き動作に連動して他方の前記アンダー
カット成形駒を退避移動させる第2駒移動手段とを具
え、この第2駒移動手段は一端が前記他方のアンダーカ
ット成形駒に連結されるワイヤケーブルを有し、前記他
方のアンダーカット成形駒はこのワイヤケーブルを介し
て退避移動することを特徴とするものである。
【0013】本発明によると、可動側金型の型開き動作
に連動して第1駒移動手段により一方のアンダーカット
成形駒が成形品から退避移動し、これに続いて第2駒移
動手段のワイヤーケーブルによって他方のアンダーカッ
ト成形駒が退避移動する結果、成形品の取り外しの際に
おける一対のアンダーカット成形駒の干渉状態がなくな
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による射出成型装置におい
て、第2駒移動手段が他方のアンダーカット成形駒をそ
の退避位置側に付勢する弾性部材を有してもよい。
【0015】また、第2駒移動手段が一方のアンダーカ
ット成形駒の成形位置への移動に伴って他方のアンダー
カット成形駒をその成形位置に押し付ける揺動レバーを
有してもよい。
【0016】さらに、第2駒移動手段が可動側金型の型
開き方向に沿って移動可能に保持され、ワイヤケーブル
の他端がその端部に連結される駆動ロッドと、可動側金
型の型開き方向に沿った変位をこの駆動ロッドの先端部
に伝達するための変位伝達手段とを有してもよく、この
場合、変位伝達手段が可動側金型に保持される駆動ロッ
ドの先端部に形成された係止頭部と、固定側金型に取り
付けられてこの係止頭部に係止し得る係止爪部とを有す
ることが好ましい。この場合、第2駒移動手段が駆動ロ
ッドの移動範囲を規制する移動規制手段をさらに有し、
係止爪部はこの移動規制手段により駆動ロッドの移動が
規制された状態での可動側金型の移動に伴い、係止頭部
に対する係止状態が解除されるように、係止凸部との対
向方向に退避移動可能であることが好ましく、この場
合、第2駒移動手段は係止爪部が係止凸部に係止し得る
ように付勢する手段をさらに有してもよい。
【0017】
【実施例】本発明による射出成形金型を図1に示すよう
な樹脂成形品Wの製造に応用した一実施例について、図
2〜図11を参照しながら詳細に説明するが、本発明は
このような実施例に限らず、これらをさらに組み合わせ
たり、この明細書の特許請求の範囲に記載された本発明
の概念に包含されるべき他の技術にも応用することがで
きる。
【0018】本実施例における樹脂成型品Wは、レーザ
ービームプリンタで用いられるトナーを収容するための
トナータンクの一部であり、金型の型開き方向に対して
金型自体が干渉するようなアンダーカット部Uを有す
る。本実施例におけるアンダーカット部Uはカップ形断
面の止まり孔Hを有するけれども、以下の説明から明ら
かなように、これ以外の任意の形状のアンダーカット部
であっても、本発明の実施に際して何ら問題はない。
【0019】このようなアンダーカット部Uを有する樹
脂成形品Wを射出成形するための本実施例における射出
成形金型の外観を図2に示し、その右側面形状を図3に
示し、成形加工中および型開き中の金型の主要部の断面
構造を図4および図5に示す。すなわち、図示しない射
出機が連結される固定側金型11と、図示しない型締め
装置に連結される可動側金型12との間には、樹脂成形
品Wと対応した形状の成形キャビティ13が形成され、
ここに射出機のノズルから固定側金型11に形成された
図示しない樹脂通路を介して溶融樹脂が充填されるよう
になっている。
【0020】成形キャビティ13の一部を形成する成形
ピン14およびスライドコア15は、本発明による一対
のアンダーカット成形駒として可動側金型12の一部を
構成する。本発明の他方のアンダーカット成形駒に相当
する成形ピン14は、可動側金型12の成形駒16に対
してアンダーカット部Uの止まり孔Hの軸線方向に沿っ
て摺動自在に保持され、その止まり孔Hの深さよりも大
きな移動量を有するように設定されている。また、本発
明の一方のアンダーカット成形駒に相当するスライドコ
ア15も、成形駒16に対しアンダーカット部Uの止ま
り孔Hの軸線方向に沿って摺動自在となっており、これ
らの移動は固定側金型11に対する可動側金型12の型
開き動作に連動して行われ、本実施例におけるその動力
源は、後述するように可動側金型12を開閉するための
駆動力を利用している。
【0021】成形ピン14の基端部には、成形駒16に
当接し得る頭部17が一体的に形成されており、この頭
部17と可動側金型12の成形駒16との間には、成形
ピン14の先端部を成形キャビティ13から退避するよ
うに付勢する圧縮コイルばね18が介装されている。ま
た、成形ピン14の頭部17を収容する可動側金型12
の成形駒16に形成された空隙19内には、一端側が成
形ピン14の頭部17に当接する揺動レバー20の中央
部が枢軸21を介して揺動自在に枢支されている。この
揺動レバー20の他端部には、ボルト22を介してスラ
イドコア15に一体的に固定された突き当てブロック2
3の先端部が当接し得るようになっており、成形時にお
いては、突き当てブロック23が揺動レバー20の他端
部に押し当たり、圧縮コイルばね18のばね力に抗して
成形ピン14の先端部を成形キャビティ13内に突出状
態に保持する。
【0022】成形ピン14の頭部17には、他端側が可
動側金型12の外側に引き出されるワイヤケーブル24
の一端部が連結されており、このワイヤケーブル24
は、後述するように、型開き時に成形ピン14の先端部
が樹脂成形品Wのアンダーカット部Uの止まり孔Hに強
固に密着している場合、これを圧縮コイルばね18のば
ね力によってアンダーカット部Uの止まり孔Hから引き
抜く際のきっかけを与えるためのものであり、金型1
1,12の外部に設けられたワイヤ駆動装置25に接続
される。これら圧縮コイルばね18,揺動レバー20,
突き当てブロック23などがワイヤ駆動装置25と共に
本発明の第2駒移動手段として機能する。
【0023】本実施例では、可動側金型12内で引き回
されるワイヤケーブル24の屈曲部分の摩擦による損傷
を防止するため、ワイヤケーブル24が摺接する屈曲部
分には油浸メタルなどを用いた潤滑部材26を組み込ん
でいるが、内部に潤滑剤が充填された可撓性のアウタケ
ーブルを併用し、このアウタケーブル内にワイヤケーブ
ル24を摺動自在に通すようにしてもよい。
【0024】固定側金型11には、スライドコア15に
形成されたロッド案内孔27に対して摺動自在に係合し
得るアンギュラロッド28が固定されており、本発明の
第1駒移動手段として機能するロッド案内孔27および
アンギュラロッド28の軸線は、型開き方向に対して傾
斜した状態となっている。
【0025】従って、図4に示した状態から可動側金型
12の型開き動作により、固定側金型11から可動側金
型12が後退するに連れ、アンギュラロッド28とロッ
ド案内孔27との嵌合位置のずれに伴ってスライドコア
15が可動側金型12の成形駒16に対して摺動し、樹
脂成形品Wのアンダーカット部Uから退避移動する。ま
た、スライドコア15の退避移動に伴い、突き当てブロ
ック23の先端部も揺動レバー20の他端部から引き離
されるため、圧縮コイルばね18のばね力によって成形
ピン14の先端部も可動側金型12の成形駒16内に退
避移動するようになっている(図5参照)。
【0026】図4中のVI−VI矢視断面構造を図6に示
す。すなわち、本実施例では成形ピン14を駆動するた
めの機構が簡略化されているため、水などの冷却液が通
される冷却液通路29をアンダーカット部Uとなる成形
キャビティ13の領域に近接して成形ピン14および突
き当てブロック23を挟むように可動側金型12の成形
駒16に形成することが可能である。このように、アン
ダーカット部Uとなる成形キャビティ13の領域に近接
して冷却液通路29を形成することにより、金型におけ
る温度などの成形条件が緩和される結果、ハイサイクル
で高精度の樹脂成形品Wを射出成形することができる。
【0027】型開きの際の駆動力を利用する図2に示さ
れたワイヤ駆動装置25の部分を抽出拡大して図7に示
し、その型開き状態を図8に示す。また、その可動側金
型12に取り付けられる部分を図9に分解して示し、固
定側金型11に取り付けられる部分を図10に分解して
示す。すなわち、本実施例におけるワイヤ駆動装置25
は、可動側金型12に相隔てて固定され、金型11,1
2の型開き方向に延在する案内部30をそれぞれ有する
一対の案内ブロック31と、これら一対の案内ブロック
31の案内部30に対して摺動自在に挟持される一対の
フランジ部32を有する摺動ブロック33と、基端部が
この摺動ブロック33に一体的にねじ止めされて金型1
1,12の型開き方向に延在する駆動ロッド34と、こ
の駆動ロッド34の中央部に突設された板状のドッグ3
5と、可動側金型12に固定されてドッグ35が当接す
ることにより摺動ブロック33の一方の移動端を規定す
るストッパブロック36と、可動側金型12にねじ止め
されて摺動ブロック33が当接することにより摺動ブロ
ック33の他方の移動端を規定するねじストッパ37
と、固定側金型11に固定され、駆動ロッド34の先端
部に形成された係止頭部38を収容する溝部39が形成
されたベースブロック40と、このベースブロック40
の溝部39を挟んで対向し、駆動ロッド34の移動方向
に対して直交する方向にベースブロック40に摺動自在
に装着される一対の係止爪部材41と、これら一対の係
止爪部材41をこれらの対向方向に付勢するそれぞれ大
小2つの組合せからなる一対の圧縮コイルばねユニット
42と、ベースブロック40にねじ止めされてこれら係
止爪部材41および圧縮コイルばねユニット42をベー
スブロック40内に保持する一対の押さえ板43とを有
し、可動側金型12外に引き出されたワイヤケーブル2
4の基端は、摺動ブロック33に取り付けられた連結ロ
ッド44にかしめスリーブ45を介して巻き止めされて
いる。
【0028】駆動ロッド34の係止頭部38は、係止爪
部材41の先端部にそれぞれ形成された一対の錐面46
に対応した2組の錐面47を有し、圧縮コイルばねユニ
ット42のばね力よりも大きな推進力が駆動ロッド34
に作用した場合、係止爪部材41の錐面46と係止頭部
38の錐面47とが相互に摺接し合って係止爪部材41
が退避移動し、係止爪部材41に対して駆動ロッド34
の係止頭部38の通過が可能となっている。図7に示す
成形中の状態では駆動ロッド34の係止頭部38が係止
爪部材41の上方に位置し、係止頭部38の下側の錐面
47と係止爪部材41の上側の錐面46との間に所定の
隙間が遊びとして形成される。型開きが行われると、一
対の係止爪部材41の退避移動を伴って駆動ロッド34
の係止頭部38がこれら係止爪部材41の間を通り抜け
ることが可能である。
【0029】なお、本実施例では先端部に鋼球48が収
容される雄ねじ筒49内に圧縮コイルばね50を組み込
んだ図11に示す如き構造を持つ一対のボールプランジ
ャ51を摺動ブロック33に装着し、摺動ブロック33
の移動端において鋼球48が案内ブロック31に形成し
たそれぞれ一対の係止凹部52,53に係止させること
により、その位置に摺動ブロック33を保持している。
【0030】成形キャビティ13内への溶融樹脂の射出
充填および保圧冷却工程では、スライドコア15と一体
の突き当てブロック23が揺動レバー20の他端に押し
当たり、この揺動レバー20の一端部が成形ピン14の
頭部17を介して成形時の射出圧力を受けるようになっ
ている。しかるべき冷却時間が経過した後、金型11,
12の主パーティング面54が開かれて樹脂成形品Wの
突き出し工程へと移行する。まず、スライドコア15が
アンギュラロッド28により後退し、同時に突き当てブ
ロック23も後退する(図5参照)。次に、上述した駆
動ロッド34の係止頭部38と係止爪部材41との遊び
に応じた可動側金型12の移動後に駆動ロッド34が係
止爪部材41に係止した状態で移動し始め、これに伴っ
てワイヤケーブル24が引っ張られ、樹脂成形品Wのア
ンダーカット部Uに形成された止まり孔Hと成形ピン1
4の先端部との固着状態を解除する。これにより、圧縮
コイルばね18のばね力が機能して成形ピン14の先端
部が可動側金型12の成形駒16内に退避する。アンダ
ーカット部から成形ピン14が完全に外れたならば、後
は通常の突き出し操作によって樹脂成形品Wを金型から
取り出すことが可能である。
【0031】ワイヤ駆動装置25は、成形ピン14の初
期の強い食いつきを離型させることが目的であるので、
ワイヤケーブル24の引っ張り動作が始まるタイミング
は、大まかで良いけれども、スライドコア15がほぼ完
全に後退した後に始動させることである。そうしない
と、揺動レバー20に対して突き当てブロック23が干
渉したままワイヤケーブル24が引っ張られてしまい、
この結果、ワイヤケーブル24が切断して成形ピン14
の後退が不可能となり、可動側金型12を破損させる事
態を招く可能性がある。このワイヤケーブル24の引っ
張り動作が始まるタイミングの設定は、上述したように
駆動ロッド34の係止頭部38と係止爪部材41との間
隔(遊び)を調整することによって可能である。また、
駆動ロッド34の移動ストロークは、成形ピン14の移
動ストロークの1/2〜1/3程度で良く、その位置精
度も±0.5mm程度で十分である。
【0032】本実施例では、駆動ロッド34を摺動ブロ
ック33に連結し、この摺動ブロック33にボールプラ
ンジャ51を組み込んで案内ブロック31の係止凹部5
2に係合させるようにしているので、図8に示すように
駆動ロッド34の係止頭部38が係止爪部材41から離
れた状態となっても、摺動ブロック33が下方へ落下す
るような不具合は生じない。逆に、金型11,12が閉
じている状態でも摺動ブロック33がねじストッパ37
に当接して駆動ロッド34の係止頭部38と係止爪部材
41との隙間を確保しており、ワイヤケーブル24の引
っ張り動作のタイミングを正確に維持することができ
る。
【0033】
【発明の効果】本発明の射出成形金型によると、可動側
金型の型開き動作に連動して一方のアンダーカット成形
駒を退避移動させる第1駒移動手段と、一方のアンダー
カット成形駒の退避移動に続き、可動側金型の型開き動
作に連動して他方のアンダーカット成形駒を退避移動さ
せる第2駒移動手段とを設け、一端が他方のアンダーカ
ット成形駒に連結されるワイヤケーブルを第2駒移動手
段の一部として機能させ、このワイヤケーブルを介して
他方のアンダーカット成形駒を退避移動させるようにし
たので、従来のような複雑なスライド機構を金型内に組
み込む必要がなくなり、成形品自体の形状が複雑であっ
て、その狭隘な箇所にアンダーカット部を形成するよう
な場合であっても、これに対応可能な射出成形金型を製
造することができる。また、従来のような複雑なスライ
ド機構を金型内に組み込む必要がなくなったので、温調
油の流路に対する設計の自由度を従来のものよりも増大
させることができ、金型温度の制御をよりきめ細かく行
なって品質の良好な高精度の成形品を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となった射出成形品の外観を破断
状態で表す斜視図である。
【図2】本発明による射出成形金型の一実施例の外観を
表す正面図である。
【図3】図2に対する右側面図であり、その右半分を省
略して描いている。
【図4】本実施例における主要部の構造を表す断面図で
ある。
【図5】図4に対応した型開き状態の断面図である。
【図6】図4中のVI−VI矢視断面図である。
【図7】図2に示されたワイヤ駆動装置の部分の抽出拡
大図である。
【図8】図7に対応した型開き状態の抽出拡大図であ
る。
【図9】図7および図8に示したワイヤ駆動装置の第1
の主要部品の分解斜視図である。
【図10】図7および図8に示したワイヤ駆動装置の第
2の主要部品の分解斜視図である。
【図11】図9中の矢視XI部の抽出拡大破断図である。
【図12】従来の射出成形金型の一例を表す断面図であ
る。
【図13】図12中の矢視XIII部の抽出拡大断面図であ
る。
【図14】図13に対応した断面図であり、型開き途中
の状態を示す。
【図15】図13および図14に対応した断面図であ
り、型開き状態を示す。
【図16】アンダーカット部を有する射出成形品の一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
W 樹脂成型品 U アンダーカット部 H 止まり孔 11 固定側金型 12 可動側金型 13 成形キャビティ 14 成形ピン 15 スライドコア 16 成形駒 17 頭部 18 圧縮コイルばね 19 空隙 20 揺動レバー 21 枢軸 22 ボルト 23 突き当てブロック 24 ワイヤケーブル 25 ワイヤ駆動装置 26 潤滑部材 27 ロッド案内孔 28 アンギュラロッド 29 冷却液通路 30 案内部 31 案内ブロック 32 フランジ部 33 摺動ブロック 34 駆動ロッド 35 ドッグ 36 ストッパブロック 37 ねじストッパ 38 係止頭部 39 溝部 40 ベースブロック 41 係止爪部材 42 圧縮コイルばねユニット 43 押さえ板 44 連結ロッド 45 かしめスリーブ 46,47 錐面 48 鋼球 49 雄ねじ筒 50 圧縮コイルばね 51 ボールプランジャ 52,53 係止凹部 54 主パーティング面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定側金型に対する可動側金型の型開き
    方向に対して交差する方向にそれぞれ退避移動可能な一
    対のアンダーカット成形駒を有し、これら一対のアンダ
    ーカット成形駒によって成形されるアンダーカット部を
    持った樹脂製品を射出成形するための射出成形金型であ
    って、 前記可動側金型の型開き動作に連動して一方の前記アン
    ダーカット成形駒を退避移動させる第1駒移動手段と、 前記一方のアンダーカット成形駒の退避移動に続き、前
    記可動側金型の型開き動作に連動して他方の前記アンダ
    ーカット成形駒を退避移動させる第2駒移動手段とを具
    え、この第2駒移動手段は一端が前記他方のアンダーカ
    ット成形駒に連結されるワイヤケーブルを有し、前記他
    方のアンダーカット成形駒はこのワイヤケーブルを介し
    て退避移動することを特徴とする射出成形金型。
  2. 【請求項2】 前記第2駒移動手段は、前記他方のアン
    ダーカット成形駒をその退避位置側に付勢する弾性部材
    を有することを特徴とする請求項1に記載の射出成形金
    型。
  3. 【請求項3】 前記第2駒移動手段は、前記一方のアン
    ダーカット成形駒の成形位置への移動に伴って前記他方
    のアンダーカット成形駒をその成形位置に押し付ける揺
    動レバーを有することを特徴とする請求項1または請求
    項2に記載の射出成形金型。
  4. 【請求項4】 前記第2駒移動手段は、前記可動側金型
    の型開き方向に沿って移動可能に保持され、前記ワイヤ
    ケーブルの他端がその端部に連結される駆動ロッドと、
    前記可動側金型の型開き方向に沿った変位をこの駆動ロ
    ッドの先端部に伝達するための変位伝達手段とを有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載
    の射出成形金型。
  5. 【請求項5】 前記変位伝達手段は、前記可動側金型に
    保持される前記駆動ロッドの先端部に形成された係止頭
    部と、前記固定側金型に取り付けられてこの係止頭部に
    係止し得る係止爪部とを有することを特徴とする請求項
    4に記載の射出成形金型。
  6. 【請求項6】 前記第2駒移動手段は、前記駆動ロッド
    の移動範囲を規制する移動規制手段をさらに有し、前記
    係止爪部は、この移動規制手段により前記駆動ロッドの
    移動が規制された状態での前記可動側金型の移動に伴
    い、前記係止頭部に対する係止状態が解除されるよう
    に、前記係止凸部との対向方向に退避移動可能であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の射出成形金型。
  7. 【請求項7】 前記第2駒移動手段は、前記係止爪部が
    前記係止凸部に係止し得るように付勢する手段をさらに
    有することを特徴とする請求項6に記載の射出成形金
    型。
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KR20190014539A (ko) * 2017-04-17 2019-02-12 가부시키가이샤 테크노크라쯔 유지 유닛, 상기 유지 유닛을 구비하는 성형 금형의 돌출 기구
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US11213984B2 (en) 2017-03-27 2022-01-04 Technocrats Corporation Undercut processing mechanism and molding die assembly

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