JP2009143062A - 薄肉射出成形品の成形金型機構。 - Google Patents

薄肉射出成形品の成形金型機構。 Download PDF

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Abstract

【課題】 薄肉射出成形品(例えば薄肉レンズ)の薄肉部に溶融樹脂が回りきる金型機構を実現する。
【解決手段】 射出成形機のエジェクターロッド107に一体的に固定されたエジェクター駆動プレート108のエジェクト方向と反対の面に、頭部に入れ子120と当接する入れ子押しピン109OPを固定した入れ子押しプレート109を設け、該入れ子押しプレートを109エジェクターロッド107の軸方向に移動可能、且つエジェクター駆動プレート108方向に常時付勢し、また、金型の可動側受板105と前記エジェクター駆動プレート108の間にあって、エジェクターロッド107の軸方向に移動可能で且つエジェクター駆動プレート108方向に常時付勢されているエジェクター押しプレート113に前記エジェクターピン115を固着した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、薄肉の射出成形品(例えば薄肉レンズ)の成形金型機構に関する。
以下、従来技術を、図5〜図7を用いて説明する。図5は従来の技術において、インジェクションコンプレッション法を用い、薄肉射出成形品を射出成形する場合の、平当て構造の金型断面図による概略工程図で、図5(a)は、固定側金型に可動側金型を型合わせして、型締め圧力を及ぼしながら製品キャビティ内に圧力の掛かった溶融樹脂を充填する状態を、図5(b)は、溶融樹脂の射出圧力で金型が所定量だけ型開きする状態を、図5(c)は、射出圧力の低下と解除に伴い、型締め力によって金型は再型締めされる状態を、また、図6は、従来技術において、インジェクションコンプレッション法を用い、薄肉射出成形品を射出成形する場合で、外周嵌合構造の金型断面図をもちいた概略工程図の内、図6(a)は、図5(a)のA部相当部分を、図6(b)は、図5(c)のC部相当部分を、また、図7は、従来技術において、コアピン法により薄肉成形品を形成する場合の要部断面図で、図7(a)は、溶融樹脂の充填時を、図7(b)は、充填された合成樹脂が流動状態の時に、この流動状態の樹脂に凹部形成用のコアピンを突出した状態を示す。
合成樹脂の薄肉成形品を射出成形する場合、溶融樹脂が薄肉部迄十分回り切らないのを避ける為、従来は、特許文献1に記され、図5、図6で示した様に、射出力で所定量だけ型開きして大きく広がった製品キャビティに溶融樹脂を充填するインジェクションコンプレッション法や、図7に示し、特許文献2を用いて説明するコアピン法が行われてきた。
特開2002−264188号公報
特開平7−232345号公報
先ず、特許文献1で開示されたインジェクションコンプレッション法を、図5、図6を用いながら従来技術1として説明する。
図5(a)に示した従来技術1の平当て構造の金型10で薄肉射出成形品を成形する場合、固定金型12に対し、可動金型14を型合わせして、所定の型締め力を掛けながら、溶融樹脂2をノズル11から樹脂通路18を通じて製品キャビティ16a、16bに充填した。この時、図5(b)に示した様に、可動金型14は射出圧力により固定金型12から離れる方向に力を受けて型開きが行われるが、後続する工程で射出圧力を徐々に減少させて解除することで、型締め力が勝ってきて、図5(c)に示した様に金型の再型締めが行われ、その結果、目的とする形状の射出成形品を得ることができた。
ところで、この様な、インジェクションコンプレッション法で用いる薄肉成形品成形用の金型には、従来技術1として図5の16Gに示した様な、型合わせ面が、外周縁部から型合わせ方向に直接延び出し、直角方向に広がっている平当て構造の金型10の他に、図6に示した様に、型合わせ面が、製品キャビティ26a、26bの外周縁部26Gで型開閉方向に延び出す様に形成され、固定側金型22と、可動側金型24が、型合わせ方向で嵌め合わされる外周嵌合構造の金型20があった。
また、薄肉成形品の射出成形法には、上述した様な充填時に型開きさせるインジェクションコンプレッション法の他に、特許文献2として出願人が既に提案していたコアピンを前進させる方法もあるので、これを、図7を用いて簡単に説明する。
図7(a)に示した特許文献2の方法は、上金型32と下金型34をパーテリングラインPLで突き合せて製品キャビティ36を形成しておいてから、ランナーからゲートを経由してきた溶融樹脂33をその製品キャビティ36に充填し、その後、樹脂が固まらない状態下で、図7(b)の様に凹部形成用のコアピン37をB方向に突き出して半溶融状態の樹脂に凹部を形成し、所定時間経過し、樹脂が完全に固化したら、金型から取り出す薄肉成形品の製造方法である。
従来のインジェクションコンプレッション法で薄肉射出成形品を成形する場合、射出圧力で所定量だけ、型開きした金型を、製品キャビティ内の溶融樹脂が冷却固化する前に再型締めするが、平当て構造の金型を用いた場合、製品キャビティの外周の、金型の型合わせ面に形成される隙間に溶融樹脂が侵入して、射出成形製品にバリが生じ易かった。その為、従来技術1では、固まる直前に締め付け圧力を低減することで、バリ発生を防止していたが、樹脂が完全に固化した後の型開き量が大きくなり、成形品の肉厚を正確にコントロールすることが難しかった。また、構造的にバリ発生を抑制する外周嵌合構造の場合には、金型端面でチッピング等の金型破損が生じ易く、金型の短寿命化は避けられなかった。
そこで、出願人は、従来技術2として説明した様なコアピンを前進させて薄肉部を形成する方法を提案していたが、本発明は、そのコアピンを前進させる製造方法を更に具体化した金型機構である。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、解決する手段として、本発明の請求項1記載に係わる薄肉射出成形品の成形金型機構は、射出成形品の薄肉部を入れ子構造で成形する薄肉成形金型機構において、射出成形機のエジェクターロッドの前進第一ステップでは、射出成形品を金型から排出するエジェクターピンは停止させたまま、金型の可動側型板に摺動自在に設けた入れ子だけを前進させて射出成形品の薄肉部を成形し、エジェクターロッドの前進第二ステップでは、前記入れ子の前進は停止させたまま、前記エジェクターピンだけを前進させて、射出成形品を金型から排出することを特徴とする。
また、本発明の請求項2記載に係わる薄肉射出成形品の成形金型機構は、発明は、射出成形機の前記エジェクターロッドに一体的に固定されたエジェクター駆動プレートのエジェクト方向と反対側の面には、頭部に前記入れ子を当接する入れ子押しピンを固定した入れ子押しプレートが設けられ、該入れ子押しプレートはエジェクターロッドの軸方向に移動可能で、且つ前記エジェクター駆動プレート方向に常時付勢されており、また、金型の可動側受板と前記エジェクター駆動プレートの間にあって、エジェクターロッドの軸方向に移動可能で且つエジェクター駆動プレート方向に常時付勢されているエジェクター押しプレートには、前記エジェクターピンが固着されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項3記載に係わる薄肉射出成形品の成形金型機構は、前記入れ子押しプレートは、マグネットの吸着力によって、前記エジェクター駆動プレート方向に常時吸着されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項4記載に係わる薄肉射出成形品の成形金型機構は、前記入れ子押しプレートは、コイルスプリングの引張り力によって、前記エジェクター駆動プレート方向に常時付勢されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項5記載に係わる薄肉射出成形品の成形金型機構は、前記入れ子押しプレートに一体的に設け、かつ該入れ子押しプレートの前進により可動側受板に当接する入れ子ストッパーピンによって前記入れ子の前進量を調整することを特徴とする。
また、本発明の請求項6記載に係わる薄肉射出成形品の成形金型機構は、前記可動側型板と前記入れ子との間に作用する圧縮スプリングにより入れ子を入れ子押しピン側に常時押付けることで、入れ子押しピンの動きに入れ子を連動させることを特徴とする。
発明の効果として、本願発明の成形金型機構のエジェクターロッド前進第一ステップでは、射出成形品を金型から排出するエジェクターピンは停止させたまま、金型の可動側型板に摺動自在に設けた入れ子だけを前進させて射出成形品の薄肉部を成形し、エジェクターロッドの前進第二ステップでは、前記入れ子の前進は停止させたまま、前記エジェクターピンだけを前進させて射出成形品を金型から排出する様に構成したので、元来、製品を排出する目的で設けたエジェクターロッドを、薄肉部を形成する為にも活用することが可能になった。また、入れ子による薄肉部成形と、エジェクターピンによる製品のエジェクト動作とを一連の機械的動作でつなげたので、タイミングがずれることで不良品を生産してしまうおそれがなく、また、金型から製品を排出する時に、エジェクターピンだけが前進し、入れ子は前進しないので、製品の要部を傷付けるおそれもなくなった。
また、発明の効果として、本願発明の薄肉射出成形品の成形金型機構では、射出成形機のエジェクターロッドに一体的に固定したエジェクター駆動プレートのエジェクト方向と反対側の面に、頭部に入れ子を当接する入れ子押しピンを固定した入れ子押しプレートを設け、該入れ子押しプレートをエジェクターロッドの軸方向に移動可能にして、且つ、エジェクター駆動プレート方向に常時付勢し、また、金型の可動側受板と前記エジェクター駆動プレートの間にあり、エジェクターロッドの軸方向に移動可能で、且つエジェクター駆動プレート方向に常時付勢されているエジェクター押しプレートに前記エジェクターピンを固着したので、射出成形品の要部を傷付ける心配無く、エジェクターロッドのエジェクト動作を射出成形品の薄肉部形成用に利用することが可能になった。
また、発明の効果として、本願発明の薄肉射出成形品の成形金型機構では、入れ子押しプレートを、マグネットの吸着力によって、エジェクター駆動プレートに常時吸着させる様にしたので、エジェクターロッドが前進第二ステップに入り、入れ子押しプレートと、エジェクター駆動プレートとの間に作用していたマグネットによる吸着が強制的に分離され、エジェクター駆動プレートのみが前進する時、入れ子押しプレートと、エジェクター駆動プレートとの間に作用していた吸着力は急減し、エジェクターロッドへの不用な負荷も急減する効果が得られた。
また、発明の効果として、本願発明の薄肉射出成形品の成形金型機構において、入れ子押しプレートを、コイルスプリングの引張り力によって、エジェクター駆動プレート方向に常時付勢する場合、マグネットの吸着力を利用する場合と比較すると、設備投資にかける費用が少なくてすみ、また、本発明の成形金型機構に用いる其の他のコイルスプリングと諸管理を共用化することで生産管理上のメリットが得られた。
また、発明の効果として、本願発明の薄肉射出成形品の成形金型機構では、入れ子ストッパーピンを入れ子押しプレートと一体的に設け、かつ該入れ子押しプレートが可動側受板に当接することで入れ子の前進量を調整するようにしたので、エジェクターロッドが前進第二ステップに入り前進を継続する場合も、入れ子は確実に停止し続ける事が可能になった。また、金型設定時に、射出成形製品を見ながら入れ子の前進量を微調整することも容易になった。
ところで本願発明の薄肉射出成形品の成形金型機構では、入れ子押しピンと入れ子は一体的に連動させる必要があるが、一方、製品キャビティの一部を構成する入れ子と、該入れ子に力を伝える役割を有する入れ子押しピンとは、要求される仕様(即ち、材質、加工精度、硬度等)が大きく相違する。そこで、本願発明では、入れ子と入れ子押しピンとに分離し、それぞれの要求仕様を確保した上で、圧縮スプリング力により入れ子を入れ子押しピン側に常時押付ける様に構成して、入れ子押しピンと入れ子の一体的連動性を確保することが可能になった。
以下、実施の形態を、実施例1〜2について図を用いて説明する。
先ず本発明の実施例1を、図1〜図3を用いて説明する。
図1は本発明の実施例1における薄型レンズの成形金型機構の断面図、図2は図1のA部拡図で、図2(a)は入れ子が前進する前の状態での断面図、図2(b)は入れ子が前進した状態での断面図、図3は、本発明の実施例1におけるエジェクターロッドの動きに連動した入れ子、及びエジェクターピンの動きを示すタイミングチャートである。
先ず、図1を用いながら、実施例1における薄型レンズ成形金型機構の構成の説明から始める。
薄型レンズ成形金型機構100には、射出成形機の固定側プラテンと一体の固定側取付板101が設けられ、該固定側取付板101には固定側型板102が取付けられている。また、射出成形機の可動側プラテンと一体の可動側取付板103には、スペーサーブロック104を挟んで可動側受板105が設けられ、該可動側受板105には、前記固定側型板102と協働で製品キャビティ110を形成する可動側型板106が取付けられている。また、可動側受板105と可動側取付板103との間で、スペーサーブロック104で形成される空間には、射出成形製品をエジェクトする際用いるエジェクターロッド107が突き出している。
前記エジェクターロッド107の先端部にはエジェクター駆動プレート108が取付けてあり、このエジェクター駆動プレート108のエジェクト方向(即ち、固定側型板102方向)と反対の面には、入れ子押しプレート109(これは、上側入れ子押しプレート109Uと下側入れ子押しプレート109Dの2枚で構成される)が設けられている。この入れ子押しプレート109にはエジェクターロッド貫通穴109Hが設けてあり、このエジェクターロッド貫通穴109H内を、エジェクターロッド107が貫通することで、入れ子押しプレート109は、エジェクターロッド107の干渉を避けながら、また、可動側取付板103に固定されたサポーピラ111にガイドされながらエジェクターロッド107の軸方向に移動することができる。また、入れ子押しプレート109の端面にはマグネット112IOが設けられ、エジェクター駆動プレート108の端面に設けたマグネット112EKと互いに引き合うことで、入れ子押しプレート109はエジェクター駆動プレート108方向に常時吸着されている。
また、入れ子押しプレート109に固定された入れ子ストッパーピン109SPはエジェクター駆動プレート108とエジェクター押しプレート113を貫通して、可動側受板105の直前迄達している。そして、この入れ子ストッパーピン109SPの外周に設けた圧縮スプリングにより、可動側受板105とエジェクター駆動プレート108は相互に反対方向に押しあっている。
また、上述の入れ子押しプレート109には入れ子押しピン109OPが固定されており、この入れ子押しピン109OPは、エジェクター駆動プレート108と、エジェクター押しプレート113と、可動側受板105を貫通して、その頭部が可動側型板106に迄達している。
一方、可動側型板106に設けた入れ子収納穴106Hは、可動側受板105に設けた入れ子押しピン109OP用の貫通穴105Hと同軸で、かつ、一端が可動側受板105に、一端が製品キャビティ110内に連通し、製品キャビティ110側が細径穴の二段貫通穴である。そして、この入れ子収納穴106Hの細径穴に、二段の軸径を有する入れ子120の細軸部が摺動自在に挿入され、この細軸部の外周で、かつ入れ子収納穴106Hの太径穴内に設けた圧縮スプリング121によって、入れ子120の太径側頭部が、入れ子押しピン109OPの頭部に圧接されている。
可動側受板105とエジェクター駆動プレート108の間には、エジェクター押しプレート113(上側エジェクター押しプレート113Uと下側エジェクター押しプレート113Dとで構成される)が設けてある。このエジェクター押しプレート113は、可動側取付板103に固定したサポーピラ111の頭部と、可動側受板105の間で移動可能であり、エジェクター押しプレート113に固定したリターンピン113RPの周囲に取付けた圧縮スプリング114によってエジェクター駆動プレート108方向に常時付勢されている。また、このエジェクター押しプレート113には、エジェクターピン115が固着され、このエジェクターピン115は可動側受板105と可動側型板106とを貫通して製品キャビティ110内迄達している。
次に、図1〜図3を用いながら、本発明の実施例1における金型機構の作用の説明を行う。
実施例1の射出成形では、先ず、金型の型締めを行う。即ち、図1で示した様に、射出成形機の可動側プラテンと一体の可動側取付板103を前進させ、固定側型板102に可動側型板106を当接し、製品キャビティ110を形成する。射出成形機では、この時、エジェクターロッド107を可動側取付板103に対して相対的な停止状態にしておくので、入れ子120は図2(a)に示した様に、後退して控えており、製品キャビティ110の狭隘部、即ち薄肉レンズ部は、正規の厚みよりやや広がった形状をしている。この状態で、溶融樹脂121を製品キャビティ110内に充填し、続いてエジェクターロッド107を前進(即ち、固定側型板102方向へ突き出す)させる。
実施例1におけるエジェクターロッド107の前進第一ステップ(図3に於てA―B間)では、エジェクターロッド107の前進に伴い、エジェクターロッド107の先端に固定したエジェクター駆動プレート108も前進し、更にエジェクター駆動プレート108にマグネット112IO、112EKの吸着力で引付けられた入れ子押しプレート109と、入れ子押しプレート109に設けた入れ子押しピン109OPも一緒に前進する。このため、可動側型板106に摺動自在に設けた入れ子120は、圧縮スプリング121に抗して図2(b)に示した様に製品キャビティ110内に押し込まれ、射出成形品の薄肉部が成形される。
この入れ子120の前進は、入れ子押しプレート109に設けた入れ子ストッパーピン109SPの先端が可動側受板105に当接(つまり、入れ子ストッパーピン109SPの先端と可動側受板105との距離L2がゼロになる)する迄(即ち、図3のB点)継続する。
入れ子押しプレート109に設けた入れ子ストッパーピン109SPが可動側受板105に当接しても、エジェクター駆動プレート108は前進を継続する。しかし、入れ子押しプレート109は入れ子ストッパーピン109SPによって前進を阻止されているので、エジェクター駆動プレート108と入れ子押しプレート109の間に働いていたマグネット112EK、112IOによる吸着は切り離され、その結果、入れ子押しプレート109並びにそれと一体の入れ子押しピン109OPは前進を停止し、入れ子押しピン109OPの頭部に圧接されている入れ子120も前進を停止している。(図3のB−C間)
そこで、エジェクターロッド107の前進第一ステップにおいて、エジェクター駆動プレート108が、エジェクター駆動プレート108に押されることでエジェクターピン115が前進することのない様に、エジェクター駆動プレート108と、エジェクター押しプレート113との間隙(d)は、入れ子ストッパーピン109SPの先端と可動側受板105との距離(L2)より少し大きく設定している。
エジェクターロッド107が前進して、エジェクター駆動プレート108と、エジェクター押しプレート113との間隙(d)がゼロなると、前進第二ステップ(図3に於てC―D間)に入る。
エジェクターロッドの前進第二ステップでは、入れ子ストッパーピン109SPの先端と可動側受板105との距離(L2)はゼロに、エジェクター駆動プレート108と、エジェクター押しプレート113との間隙(d)もゼロとなる。そして、入れ子120が前進を停止した状態で、可動側受板105とエジェクター押しプレート113の距離(L1)がゼロにならない範囲において、エジェクター駆動プレート108がエジェクター押しプレート113を押し上げ、それにつれて、エジェクター押しプレート113に固定したエジェクターピン115が製品キャビティ110内に突出され、射出成形品は製品キャビティ110から排出される。
この後、エジェクターロッド107が後退する(図3に於て、D−G間)につれ、エジェクターピンも後退(図3に於て、D−E間)し、更に、入れ子も後退(図3に於て、F−G間)して、射出成形作業のワンサイクルが完了する。
実施例1の効果としては、元来、射出成形製品を排出する目的で設けたエジェクターロッドを、薄肉部を形成する為にも利用して、出願人が既に提案したコアピン方式による薄肉部の射出成形方法を更に具体化した。そして、端面形状が単純な金型を用い、また狭隘部を広げた状態で製品キャビティ内に溶融樹脂を充填しても、バリの発生を抑制することが可能になり、その結果、金型の破損や磨耗によるトラブルの減少、また、金型の設計、加工、調整の各工程においての作業工数の低減が可能になった。また、従来は射出成形品の薄肉部に発生し易かったウエルド位置を、製品の要部外へ移動させることが容易になり、更に、製品を取り出す時に、入れ子が前進しないので、この射出成形金型機構を用いることで入れ子により製品の要部を傷つける心配も無く、また、レンズ部分の転写性が向上する効果も得られた。
また、実施例1の射出成形金型機構を用いると、ヒケ対策が可能になる効果も得られた。即ち、一般的に溶融樹脂は温度が下がると縮んで凹み(ヒケ)ができ易くなるが、薄肉部分は、他の部分と比して流動樹脂の速度が速く、温度も高く、また圧力も高いので、溶融樹脂の温度が下がった時の薄肉部分の縮み率が、他の部分に比して大きくなってしまう。しかし、本発明では、間隙を広げて樹脂をユックリ流せる為、これらの不利な条件が改善され、その結果ヒケが発生し難くなる効果が得られた。
次に、実施例2における薄肉射出成形品用の成形金型機構の説明を、図4を用いながら行う。尚、以下に説明する実施例2では、実施例1の場合と同一の構成品に同一の符号を付すだけにして、その説明は省略する。
図4は、本発明の実施例2における薄型レンズ成形金型機構200の断面図である。実施例2の成形金型機構を、図1を用ながら既に説明した実施例1の薄型レンズ成形金型機構100と比較すると、実施例1の場合は、入れ子押しプレート109にマグネット112IOを設け、エジェクター駆動プレート108に設けたマグネット112EKと吸着しあうことで、入れ子押しプレート109をエジェクター駆動プレート108方向に常時吸着していたが、図4で示した実施例2の場合は、コイルスプリング201の引張り力を利用して入れ子押しプレート109をエジェクター駆動プレート108方向に常時付勢している。
次に、実施例2の効果の説明に移る。実施例2の構成を、実施例1の構成と比較すると、入れ子押しプレートをエジェクター駆動プレート方向に付勢する為に、コイルスプリングを用いたことのみが相違点なので、実施例2の場合も実施例1と略同一の効果が得られた。即ち、実施例2の成形金型機構を用いれば、出願人が既に提案したコアピン方式による薄肉部の射出成形が容易に実現できるばかりか、狭隘部を広げた状態で、バリの無い射出成形が可能になり、その結果、金型破損や磨耗によるトラブルが減少し、また、金型の設計や加工、調整における作業工数の低減が可能となった。また、製品薄肉部に発生し易いウエルド位置を、製品の要部外へ移動させることも容易になり、更に、この成形金型機構を用いると、製品を取り出す際、製品要部を傷つける心配も無く、また、この成形金型機構を用いることで、レンズ部分の転写性が向上すると共にヒケ対策も可能になる効果が得られた。
尚、実施例2に特有の効果としては、入れ子押しプレートをコイルスプリングの引張り力によって、エジェクター駆動プレート方向に常時付勢される様に構成したので、実施例1で用いたマグネットより設備投資額が少なくてすみ、また、本成形金型機構に用いる他のコイルスプリングと生産管理を共通化することで生産管理上のメリットも得られた。
ところで、以上の説明では、射出成形品として薄肉レンズを例にあげて説明を行ってきた。しかし、本願発明の成形金型機構が、薄肉レンズの射出成形だけに限定されないことは明らかである。即ち、本願発明を広く一般的な薄肉射出成形品の成形金型機構に応用することで、薄肉レンズと略同一の効果、即ち、コアピン方式による薄肉部の射出成形が容易となり、その結果、簡単な金型構成で、狭隘部を広げながら、バリを無くした射出成形が可能となり、その結果、金型の破損や磨耗が原因のトラブルが減少し、金型の設計、加工、調整の工数が低減し、また、ウエルド位置を要部外へ移動し、更に、製品要部を傷付ける心配のないエジェクトや、薄肉部分の転写性の向上や、ヒケ対策の容易化が可能になる。
本発明の実施例1における薄型レンズの成形金型機構の断面図ある。 本発明である図1のA部拡図で、図2(a)は、入れ子が前進する前の状態での断面図、図2(b)は、入れ子が前進した状態での断面図である。 本発明の実施例1におけるエジェクターロッドの動きに対する入れ子とエジェクターピンの動きを示すタイミングチャートである。 本発明の実施例2における薄型レンズの成形金型機構の断面図で、エジェクター駆動プレートと、入れ子押しプレートをスプリングで引付ける場合を示す。 従来技術において、インジェクションコンプレッション法を用い、薄肉射出成形品を射出成形する場合の、平当て構造の金型断面図をもちいた概略工程図で、図5(a)は、固定側金型に可動側金型を型合わせして、型締め圧力を及ぼしながら製品キャビティ内に圧力の掛かった溶融樹脂を充填する状態を、図5(b)は、射出圧力で金型が所定量だけ型開きする状態を、図5(c)は、射出圧力の低下と解除に伴い、型締め力によって金型は再型締めされ状態を示す。 従来技術において、インジェクションコンプレッション法を用い、薄肉射出成形品を射出成形する場合で、外周嵌合構造の金型断面図をもちいた概略工程図の内、図6(a)は、図5(a)のA相当部分を、図6(b)は、図5(c)のC相当部分を示す。 従来技術において、コアピン法により薄肉成形品を形成する場合の要部断面図で、図7(a)は、溶融樹脂を充填する状態を、図7(b)は、充填された合成樹脂の流動状態時に凹部形成用のコアピンを突出した状態を示す。
符号の説明
100、200 成形金型機構
105 可動側受板
106 可動側型板
107 エジェクターロッド
108 エジェクター駆動プレート
109 入れ子押しプレート
109 入れ子押しピン
109SP 入れ子ストッパーピン
112EK、112IO マグネット
113OP エジェクター押しプレート
115 エジェクターピン
120 入れ子
121 圧縮スプリング
201 コイルスプリング
A−B 前進第一ステップ
C−D 前進第二ステップ

Claims (6)

  1. 射出成形品の薄肉部を入れ子構造で成形する薄肉成形金型機構において、射出成形機のエジェクターロッドの前進第一ステップでは、射出成形品を金型から排出するエジェクターピンは停止させたまま、金型の可動側型板に摺動自在に設けた入れ子だけを前進させて射出成形品の薄肉部を成形し、エジェクターロッドの前進第二ステップでは、前記入れ子の前進は停止させたまま、前記エジェクターピンだけを前進させて、射出成形品を金型から排出することを特徴とする薄肉射出成形品の成形金型機構。
  2. 射出成形機の前記エジェクターロッドに一体的に固定されたエジェクター駆動プレートのエジェクト方向と反対側の面には、頭部に前記入れ子を当接する入れ子押しピンを固定した入れ子押しプレートが設けられ、該入れ子押しプレートはエジェクターロッドの軸方向に移動可能で、且つ前記エジェクター駆動プレート方向に常時付勢されており、また、金型の可動側受板と前記エジェクター駆動プレートの間にあって、エジェクターロッドの軸方向に移動可能で且つエジェクター駆動プレート方向に常時付勢されているエジェクター押しプレートには、前記エジェクターピンが固着されていることを特徴とする請求項1に記載の薄肉射出成形品の成形金型機構。
  3. 前記入れ子押しプレートは、マグネットの吸着力によって、前記エジェクター駆動プレート方向に常時吸着されていることを特徴とする請求項2に記載の薄肉射出成形品の成形金型機構。
  4. 前記入れ子押しプレートは、コイルスプリングの引張り力によって、前記エジェクター駆動プレート方向に常時付勢されていることを特徴とする請求項2に記載の薄肉射出成形品の成形金型機構。
  5. 前記入れ子押しプレートに一体的に設け、かつ該入れ子押しプレートの前進により可動側受板に当接する入れ子ストッパーピンによって前記入れ子の前進量を調整することを特徴とする請求項2乃至請求項4に記載の薄肉射出成形品の成形金型機構。
  6. 前記可動側型板と前記入れ子との間に作用する圧縮スプリングにより入れ子を入れ子押しピン側に常時押付けることで、入れ子押しピンの動きに入れ子を連動させることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の薄肉射出成形品の成形金型機構。
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