図1から図4は、それぞれ本発明の第1実施形態の射出成形金型1の樹脂射出時の要部断面図、型開き途中の要部断面図、型開き完了時の要部断面図、成形品Pの突き出し時の要部断面図である。図3及び図4では固定型201の記載を省略している。第1実施形態の射出成形金型1の説明において固定型201を上、可動型301を下、図1を正面に見て左側を左、図1を正面に見て右側を右として説明する。またX方向を右方向、Y方向を上方向として説明する。
本発明の第1実施形態の射出成形金型1は、公知の射出成形金型と同様、成形品Pの外面側を成形する固定型201と、成形品Pの内面側を成形する可動型301とを備え、さらにゲートGを切断する可動側型板311に組み込まれたゲート切断機構11を備える。
固定型201は、成形品Pの外面側を成形するキャビティ210を備える固定側型板202を有する。可動型301は、成形品Pの内面側を成形するコア315を有する可動側型板311、可動側取付板330、エジェクタ機構340を備える。固定型201と可動型301とが閉じられた状態で、成形品Pを成形するギャビティ部Cが形成される。エジェクタ機構340は、一段の突き出し機構であり、エジェクタ台板341、エジェクタ台板341に取り付けられた第1エジェクタピン342、第2エジェクタピン343を有する。
ゲート切断機構11は、成形品PにつながるゲートGを切断する装置であり、ゲートGを切断するカッター25を備える第1摺動駒21と、第1摺動駒21に摺動可能に係合する第2摺動駒41、第2摺動駒41に摺動可能に係合する第3摺動駒61、第3摺動駒61に摺動可能に係合する引き上げ駒91と、各摺動駒及び引き上げ駒91を進退可能に収容するホルダー111と、引き上げ駒91を引き上げるスプリング135が装着された引き上げピン131とを備える。
本実施形態においてカッター25がコア部材に該当し、ゲート切断機構11がスライド機構に該当する。また引き上げ駒91と、引き上げ駒91を引き上げるスプリング135が装着された引き上げピン131とが駆動手段に該当し、スプリング135が第1駆動手段、引き上げピン131が第2駆動手段に該当する。
第1摺動駒21は、ゲートGを切断するカッター25と、カッター25を支持する駒本本体30とが一体的に形成されている。カッター25と駒本体30とを別体とし、これらを連結させたものを第1摺動駒21としてもよい。カッター25は、駒本体30の上部右側に駒本体30から突出するように設けられている。カッター25は、中央部に上下方向に貫通する、ゲートGとなるゲート部27を備える。
カッター25は、型締め状態で最も右側に位置しており(図1参照)、型締め状態でゲートGの先端部はキャビティ部Cと、反先端部側はランナーRと繋がる。ゲート部27は、貫通孔であり、貫通孔の上端部にゲートGを切断する刃部を有する。ゲート部27は、ランナーRにつながる基端側に比較してキャビティ部Cにつながる先端側が小さく先細り形状であり、キャビティ部C側に比較してランナーR側が広くなるように傾斜した部分は、ゲートGが切断されたランナーRの退避スペースとなる。
駒本体30は、ホルダー111に摺動自在に収容され、第2摺動駒41に摺動自在に係合し、第2摺動駒41の移動に伴い移動し、カッター25を左右方向(-X方向,X方向)に進退させる。駒本体30は、正面視において矩形ブロック部材の左側側面が斜めに切欠かれ下部が上部に比較して小さい台形形状を有する(図1参照)。駒本体30の上面とカッター25の上面とは面一となっている。
駒本体30は、傾斜面である左側面32に第2摺動駒41の傾斜面51に設けられた凸条52が摺動自在に嵌り込む蟻溝(図示省略)を備える。また駒本体30の正面外壁及び背面外壁にはホルダー111に設けられた凹溝113に摺動自在に嵌り込む凸条(図示省略)を備える。
以上からなる第1摺動駒21は、他の摺動駒と一緒にホルダー111に組み込まれ、ホルダー111と一体的に可動側型板311に組み込まれる。第1摺動駒21は、型開きに連動し、ホルダー111に設けられた凹溝113をガイドとして、カッター25が成形品Pの内側方向(左側,-X方向)に移動し、ゲートGを切断する。
第2摺動駒41は、ホルダー111に摺動自在に収容され、第1摺動駒21と摺動可能に係合し上下方向(Y方向,-Y方向)に進退することでカッター25を左右方向にスライドさせる。第2摺動駒41は、矩形ブロック状の本体42を有し、本体42には第1摺動駒21と係合する係合部50、第3摺動駒61と係合する係合部55が設けられている。第2摺動駒41は、正面視において成形品Pの内側下方に位置する。
係合部50は、本体42の右側に設けられた、正面視において中央部から上辺にかけ左上りの傾斜面51に凸条52を設けるかたちで形成されている。係合部55は、本体42の右側に設けられた、正面視において中央部から下辺にかけ左下がりの傾斜面56に、凸条57を設けるかたちで形成されている。
本体42の正面外壁及び背面外壁にはホルダー111に設けられた第2摺動駒ガイドである凹溝(図示省略)に摺動自在に嵌り込む凸条(図示省略)が設けられている。なお、ホルダー111の左側内壁面115を第2摺動駒41の移動方向を規制するガイドとし、第2摺動駒41の左側壁面45をホルダー111の左側内壁面115に摺動自在に接触させ、第2摺動駒41の移動方向を規制してもよい。
第3摺動駒61は、ホルダー111に摺動自在に収容され、第2摺動駒41及び引き上げ駒91と摺動可能に係合し、引き上げ駒91を介して右方向(X方向)にスライドすることで第2摺動駒41を降下させる。第3摺動駒61は、横長矩形ブロック状で正面視において台形状の本体62を有し、本体62の左側面に第2摺動駒41と係合する係合部70、本体62の右側面に引き上げ駒91と係合する係合部75が設けられている。
係合部70は、本体62の左側面に設けられた、正面視において右上がりの傾斜面に、蟻溝(図示省略)を設けるかたちで形成されている。係合部75は、本体62の右側面に設けられた、正面視において中央部から上辺にかけ左上りの傾斜面に、蟻溝(図示省略)を設けるかたちで形成されている。
本体62の正面外壁及び背面外壁にはホルダー111に設けられた第3摺動駒ガイドである凹溝117に摺動自在に嵌り込む凸条(図示省略)が設けられている。
引き上げ駒91は、引き上げピン131の下端に取付けられ、係合する第3摺動駒61を移動させる第4摺動駒91である。引き上げ駒91は、正面視が逆三角形のブロック状の本体92を有し、本体92の左側面に第3摺動駒61と摺動自在に係合する係合部94を有する。係合部94は、本体92の左側面に設けられた、正面視において左上がりの傾斜面に凸条96を設けるかたちで形成されている。引き上げ駒91の上面93には、引き上げピン131の下端が連結する。引き上げ駒91と引き上げピン131とは一体的に形成されていてもよい。
ホルダー111は、第1摺動駒21、第2摺動駒41、第3摺動駒61、第4摺動駒91を進退可能に収容する上面及び底面が開口した内部空間を備える箱状の部材である。ここで収容とは、各摺動駒全体を収容する場合の他に、摺動駒の一部分のみを収容する場合も含む。ホルダー111は、第1摺動駒21、第2摺動駒41、第3摺動駒61、第4摺動駒91を進退可能に保持すると換言してもよい。この点は他の実施形態のホルダーにおいても同じである。ホルダー111は、型締め状態において第1摺動駒21の本体上面24が可動側型板311の上面312と面一となるように、可動側型板311に設けられた収容部に固定具121を介して取付けられる。
ホルダー111は、図1を正面から見て正面側の内壁(図示省略)及び背面側の内壁の上部に、第1摺動駒21を左右方向に案内する、第1摺動駒21に設けられた凸条が摺動自在に嵌り込む凹溝113を備える。同様に図1を正面から見て正面側の内壁(図示省略)及び背面側の内壁に第2摺動駒41、引き上げ駒91を上下方向に案内する、第2摺動駒41、引き上げ駒91に設けられた凸条が摺動自在に嵌り込む凹溝、また図1を正面から見て正面側の内壁(図示省略)及び背面側の内壁の下部に第3摺動駒61を左右方向に案内する、第3摺動駒61に設けられた凸条が摺動自在に嵌り込む凹溝117を有する。
固定具121は、ホルダー111を支持、固定する板状の部材であり、底面が可動側型板311の底面313と面一となるように可動側型板311に固定ボルト128で固定されている。固定具121には、降下した第2摺動駒41の下部が入ることができる開口部127が設けられている。
引き上げピン131は、引き上げ駒91を上下方向に進退させる部材であり、軸心方向をY軸方向と平行にして引き上げ駒91の上面93に下端が固定されている。引き上げピン131は、型締め状態で中央から上部が可動側型板311から突出する長さを有する(図1参照)。引き上げピン131の上端には鍔132が設けられている。鍔132と可動側型板311の上面312との間には引き上げピン131が挿通するスプリング135が装着されている。
固定側型板202には、型締め時に可動側型板311から突出する引き上げピン131の突出した部分及びスプリング135を収容する凹部204が設けられている。凹部204は、固定側型板202の底面203に臨むように設けられている。引き上げピン131は、型締め状態では鍔132が凹部204の底面205に接し、スプリング135は圧縮された状態である。スプリング135は、型開きに連動して引き上げピン131を上方(Y方向)に突き出す。
次に射出成形金型1の動作について説明する。
型が閉じられた状態で、図示を省略した射出装置から溶融した樹脂が射出され、樹脂は、固定型201に設けられたスプルー(図示省略)からランナーR及びカッター25に設けられたゲート部27を経由してキャビティ部Cに充填される(図1参照)。溶融材料の射出、冷却の各工程が終了すると、型開きが行われ、成形品Pの取り出し工程に移行する。型開き、取り出し工程における射出成形金型1の動作は次の通りである。
型締め状態から可動型301が後退することで型開きが開始され、固定型201と可動型301との間隔が広がる(図2、図3参照)。これに伴いスプリング135が伸長し、引き上げピン131が上方(Y方向)に引き上げられる。これに連動して引き上げ駒91が上方に、第3摺動駒61が右側(X方向)に、第2摺動駒41が下方(-Y方向)に、第1摺動駒21が左側(-X方向)にスライドする(図3参照)。
第1摺動駒21が左側にスライドすることでカッター25も左側にスライドし、ゲート部27がゲートGを横切りゲートGを切断する。ゲート部27には刃部が設けられ、さらにゲート部27は、ランナーR側に比較してキャビティ部C側が小さい先細り形状となっているためゲートGは面積が狭く、カッター25が少し左にスライドするだけでゲートGは容易に切断される。
型開きが完了すると成形品Pの取り出しとなる。型開きが完了した時点でカッター25は、全体が成形品Pの内側まで移動している(図3参照)。このときスプリング135が引き上げピン131を上方(Y方向)に突き出すように付勢しているため、引き上げ駒91に係合する係合部材である第3摺動駒61、さらには第2摺動駒41、第1摺動駒21も型開き完了時点の位置を保持することができる。つまりスプリング135は、コア部材の移動後の係合部材の位置を保持する保持手段として機能する。
ゲートGが切断された成形品Pは、図示を省略した突き出し装置を介してエジェクタロッド345が押し出され、エジェクタ台板341が上方(Y方向)に移動する。これに伴いエジェクタ台板341上に立設した第1エジェクタピン342が成形品Pを上方(Y方向)に突き出し、第2エジェクタピン343がランナーRを上方(Y方向)に突き出す(図4参照)。
成形品Pの取り出し後、次の成形品Pを成形すべく、再度、射出成形金型1の型締めが行われる。型締め時には、可動型301全体が図4の上方向(Y方向)に移動するとともに、エジェクタ台板341が図4の下方向(-Y方向)に移動する。引き上げピン131の鍔132が固定側型板202の凹部底面205と接することで引き上げ駒91を押し下げ、第3摺動駒61、第2摺動駒41、第1摺動駒21が型開きとは逆方向にスライドし、カッター25は、ゲートGを成形する位置に戻る。同時にスプリング135は、圧縮される。型締めが完了すると、成形材料が射出され次の成形品Pが成形される。
第1実施形態の射出成形金型1は、以下のように変形することができる。下端に第4摺動駒である引き上げ駒91を備える引き上げピン131の上端を固定型201に固定し、スプリング135を後述の第2実施形態の射出成形金型3のように配置してもよい(図6参照)。
このような射出成形金型1も、型開きに伴いスプリング135が伸長し、これに連動して第3摺動駒61が右側(X方向)に、第2摺動駒41が下方(-Y方向)に、第1摺動駒21が左側(-X方向)にスライドし、ゲート部27がゲートGを横切りゲートGを切断する。一方、型閉じに伴い第3摺動駒61が引き上げ駒91に押され、スプリング135が圧縮され、これに連動して第3摺動駒61が左側(-X方向)に、第2摺動駒41が上方(Y方向)に、第1摺動駒21が右側(X方向)にスライドし、カッター25は、ゲートGを成形する位置に戻る。
図5は、本発明の第1実施形態の射出成形金型1の第1変形例である射出成形金型2の樹脂射出時の要部断面図である。図1から図4に示す第1実施形態の射出成形金型1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
射出成形金型2は、第1実施形態の射出成形金型1と基本構成を同じくし、ゲート切断機構11も同じ構成からなる。射出成形金型2においてカッター25がコア部材に該当し、ゲート切断機構11がスライド機構に該当する。また引き上げ駒91と、引き上げ駒91を引き上げるスプリング135が装着された引き上げピン131とが駆動手段に該当し、スプリング135が第1駆動手段、引き上げピン131が第2駆動手段に該当する。引き上げ駒91が第4摺動駒91である点も第1実施形態の射出成形金型1と同じである。
射出成形金型2と射出成形金型1との相違点は、ゲートの種類である。射出成形金型1のゲートGがサイドゲートであるのに対して、射出成形金型2のゲートGはバナナゲートGである。バナナゲートGは、サブマリンゲートの傾斜部分をバナナのような形に加工したゲートである。
第1摺動駒21がバナナゲートGを切断するカッター25を備え、型開きに連動してゲート切断機構11を介してカッター25をスライドさせバナナゲートGを切断する点など、射出成形金型2の動作も射出成形金型1の動作と同じである。射出成形金型2の作用効果も射出成形金型1と基本的に同じである。但し、バナナゲートGの構造上、射出成形金型2の引き上げ駒91は、射出成形金型1の引き上げ駒91に比較して少ない引き上げ量でよい。
第1実施形態及び第1実施形態の第1変形例の射出成形金型1、2を用いて、異なる種類のゲートをゲート切断機構11により切断する例を示したが、カッター25の形態、構造を変形させることで他の種類のゲートを備える射出成形金型に適用することができる。
図6は、本発明の第2実施形態の射出成形金型3の樹脂射出時の要部断面図である。図1から図4に示す第1実施形態の射出成形金型1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態の射出成形金型3は、第1実施形態の射出成形金型1と同様に、成形品Pを成形する固定型201と可動型301と、ゲートを切断するゲート切断機構13とを備える。第2実施形態の射出成形金型3は、第1実施形態の射出成形金型1と基本構成を同じくするが、ゲート切断機構13の構成、特に第3摺動駒63を進退させる駆動手段が異なる。以下、第1実施形態の射出成形金型1と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態においてカッター25がコア部材に該当し、ゲート切断機構13がスライド機構に該当する。また強制引張駒141と、スプリング136とが駆動手段に該当し、スプリング136が第1駆動手段、強制引張駒141が第2駆動手段に該当する。
第1実施形態の駆動手段と第2実施形態の駆動手段とを比較すると、大略的には第1実施形態の引き上げ駒91及び引き上げピン131を強制引張駒141に置き代えたものといえる。強制引張駒141は、上端が固定側型板202の底面に取付けられ、型開き、型閉じに連動して第3摺動駒63を移動させる。
強制引張駒141は、下部に突出するように設けられた傾斜した爪143を備える。爪143は、射出成形金型3の型開き時に、第3摺動駒63を強制的に右側(X方向)にスライドさせるための部材である。爪143の前面は、右下がりの傾斜面144となっており、第3摺動駒63の右側に設けられた傾斜面76と平行である。爪143の裏面も、右下がりの傾斜面となっており、第3摺動駒63の右側に設けられた嵌合溝81の裏側の傾斜面と平行である。
第3摺動駒63は、第1実施形態の第3摺動込駒61と比較すると、本体65の中央から左側面にかけて下部が底面に平行に切り取られ、中央底部に段差部79が設けられている点で異なる。さらに第3摺動駒63は、右側傾斜面76のさらに後方に強制引張駒141の爪143が嵌り込む嵌合溝81が設けられている。嵌合溝81は、前後に右下がりの傾斜面を有する。
固定具123は、第1実施形態の固定具121と基本構成を同じくするが開口部127の右隣りに突起部129が設けられている。この突起部129と第3摺動駒63の底部の段差部79との間に第3摺動駒63をスライドさせるためのスプリング136が嵌め込まれている。このスプリング136は、第1実施形態のスプリング135と同様の機能を発揮する。
型締め状態で強制引張駒141は、爪143の裏側(右側)傾斜面と第3摺動駒63の嵌合溝81の後方(右側)傾斜面とが互いに摺動可能に接した状態で嵌合溝81に嵌り込む。このような強制引張駒141は、第3摺動駒63のロッキングブロックとして、また第3摺動駒63をホルダー119内に戻すように前進させる駆動手段として、さらに射出成形金型3の型開き時に、第3摺動駒63を強制的に移動させる手段として作用する。
強制引張駒141の爪143及び第3摺動駒63の嵌合溝81は、本実施形態の形態に限定されるものではない。爪143及び嵌合溝81は、型締め時に互いに係止するように爪143が嵌合溝81に嵌り込み、係合する爪143及び嵌合溝81の作用により、型開き時に第3摺動駒63を右側(X方向)に移動させることができればよく、爪143の代わりに突起であってもよい。なお爪143による第3摺動駒63の移動量(後退量)は、コア部材であるカッター25の食い付きを解消できればよい。
本実施形態のホルダー119は、上面、底面の他に右側側面が開口した断面がコ字状である。第1実施形態のホルダー111と形態は異なるが、機能は第1実施形態のホルダー111と同じである。つまりホルダー119は、ホルダー111と同様に、第1摺動駒21、第2摺動駒41、第3摺動駒61を摺動自在に収容し、各摺動駒を所定の方向に移動させるためのガイドを備える。
次に射出成形金型3の動作、作用について説明する。
射出成形金型3の基本動作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。型が閉じられた状態で、図示を省略した射出装置から溶融した樹脂が射出され、樹脂は、固定型201に設けられたスプルー(図示省略)からランナーR及びカッター25に設けられたゲート部27を経由してキャビティ部Cに充填される(図1参照)。溶融材料の射出、冷却の各工程が終了すると、型開きが行われ、成形品Pの取り出し工程に移行する。型開き、取り出し工程における射出成形金型3の動作は次の通りである。
型締め状態から可動型301が後退することで型開きが開始される。これに連動して第3摺動駒63は、強制引張駒141の爪143の作用により強制的に僅かに右方向(X方向)に移動させられる。強制引張駒141による移動量は、爪143の引っ掛かり分である。可動型301の後退に伴い固定型201と可動型301との間隔が広がり、第3摺動駒63は、スプリング136の作用によって右側(X方向)移動させられる。これに連動して第2摺動駒41が下方(-Y方向)に、第1摺動駒21が左側(-X方向)にスライドする。
第1摺動駒21が左側にスライドすることでカッター25も左側にスライドし、ゲート部27がゲートGを横切りゲートGを切断する。ゲート部27には刃部が設けられ、さらにゲート部27は、ランナーR側に比較してキャビティ部C側が小さい先細り形状となっているためゲートGは面積が狭く、カッター25が少し左にスライドするだけでゲートGは容易に切断される。
型開きが完了すると成形品Pの取り出しとなる。型開きが完了した時点でスプリング136が係合部材である第3摺動駒63を右側(X方向)に突き出すように付勢しているので第3摺動駒63はその位置を保持することができる。第3摺動駒63に係合する第2摺動駒41、さらには第1摺動駒21も型開き完了時点の位置を保持することができる。つまりスプリング136は、コア部材の移動後の係合部材の位置を保持する保持手段として機能する。
射出成形金型3の型開き後の成形品Pの突き出し動作、成形品Pの取出し操作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。射出成形金型3の型締め操作では、型締めに伴い強制引張駒141が第3摺動駒63を左側(-X方向)にスライドさせ、スプリング136を圧縮させる。型締め時のその他の動作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。
型締め状態において、カッター25が喰い付いた場合、これをスプリング136のみで引き離すには強力なスプリングを用いる必要があり、ゲート切断機構13が大型化してしまう。これに対して射出成形金型3のゲート切断機構13は、型開きに伴い強制引張駒141が爪143を介して係合する第3摺動駒63を強制的に移動させるので、カッター25が他の部材に食い付いた場合であっても、食い付き部からカッター25を確実に引き離すことができる。このような構成を採用することでゲート切断機構13、射出成形金型3をコンパクト化することができる。
図7は、本発明の第3実施形態の射出成形金型4の樹脂射出時の要部断面図である。図1から図4に示す第1実施形態の射出成形金型1、図6に示す第2実施形態の射出成形金型3と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態の射出成形金型4は、第1実施形態の射出成形金型1と同様に、成形品Pを成形する固定型201と可動型301と、ゲートを切断するゲート切断機構14とを備える。第3実施形態の射出成形金型4は、大略的には第2実施形態の射出成形金型3のゲート切断機構13を構成する強制引張駒141を傾斜ピン151に置換したものといえる。以下、第1及び第2実施形態の射出成形金型1、3と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態においてカッター25がコア部材に該当し、ゲート切断機構14がスライド機構に該当する。また傾斜ピン151と、スプリング136とが駆動手段に該当し、スプリング136及び傾斜ピン151が第1駆動手段、傾斜ピン151が第2駆動手段に該当する。
傾斜ピン151は、中央から上部が固定側型板202内に、中央から下部が可動型301に向け突出するように右下がりに傾斜して取付けられたピンである。傾斜ピン151は、型締め状態において下部を第3摺動駒64に設けられた傾斜孔85に摺動自在に挿通させ、型開き、型閉じに連動して第3摺動駒64を移動させる。
第3摺動駒64は、第2実施形態の第3摺動駒63と同様に中央底部に段差部79が設けられ、後方に傾斜ピン151が摺動自在に嵌り込む傾斜孔85を備える。ホルダー119の形態、機能は、第2実施形態のホルダー119と同じであり、第1摺動駒21、第2摺動駒41、第3摺動駒64を摺動自在に収容し、各摺動駒を所定の方向に移動させるためのガイドを備える。
次に射出成形金型4の動作、作用について説明する。
射出成形金型4の基本動作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。型が閉じられた状態で、図示を省略した射出装置から溶融した樹脂が射出され、樹脂は、固定型201に設けられたスプルー(図示省略)からランナーR及びカッター25に設けられたゲート部27を経由してキャビティ部Cに充填される。溶融材料の射出、冷却の各工程が終了すると、型開きが行われ、成形品Pの取り出し工程に移行する。型開き、取り出し工程における射出成形金型4の動作は次の通りである。
型締め状態から可動型301が後退することで型開きが開始される。これに連動して第3摺動駒64は、傾斜ピン151及びスプリング136により右方向(X方向)に移動させられる。これに連動して第2摺動駒41が下方(-Y方向)に、第1摺動駒21が左側(-X方向)にスライドする。
第1摺動駒21が左側にスライドすることでカッター25も左側にスライドし、ゲート部27がゲートGを横切りゲートGを切断する。ゲート部27には刃部が設けられ、さらにゲート部27は、ランナーR側に比較してキャビティ部C側が小さい先細り形状となっているためゲートGは面積が狭く、カッター25が少し左にスライドするだけでゲートGは容易に切断される。
型開きが完了すると成形品Pの取り出しとなる。型開きが完了した時点でスプリング136が係合部材である第3摺動駒64を右側(X方向)に突き出すように付勢しているので第3摺動駒64はその位置を保持することができる。第3摺動駒64に係合する第2摺動駒41、さらには第1摺動駒21も型開き完了時点の位置を保持することができる。つまりスプリング136は、コア部材の移動後の係合部材の位置を保持する保持手段として機能する。
射出成形金型4の型開き後の成形品Pの突き出し動作、成形品Pの取出し操作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。射出成形金型4の型締め操作では、型締めに伴い傾斜ピン151が第3摺動駒63を左側(-X方向)にスライドさせ、スプリング136を圧縮させる。型締め時のその他の動作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。
図8は、本発明の第4実施形態の射出成形金型5の樹脂射出時の要部断面図である。図1から図4に示す第1実施形態の射出成形金型1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第4実施形態の射出成形金型5は、第1実施形態の射出成形金型1と同様に、成形品Pを成形する固定型201と可動型301と、ゲートを切断するゲート切断機構15とを備える。第4実施形態の射出成形金型5は、第1実施形態の射出成形金型1と基本構成を同じくするが、ゲート切断機構15の構成、特に第3摺動駒61を進退させる駆動手段が異なる。以下、第1実施形態の射出成形金型1と異なる部分について説明する。
本実施形態においてカッター25がコア部材に該当し、ゲート切断機構15がスライド機構に該当する。また可動プレート163と、引き上げ駒91と、可動プレート163と引き上げ駒91とを連結する連結ピン161と、可動プレート163に着脱可能に連結する連結具166と、スプリング170とが駆動手段に該当し、スプリング170が第1駆動手段、駆動手段のうちスプリング170を除く他の部材が第2駆動手段に該当する。
第1実施形態の射出成形金型1のゲート切断機構11では、型開き型閉じに連動して、引き上げピン131及びスプリング135を用いて引き上げ駒91を進退させる。これに対して第4実施形態の射出成形金型5のゲート切断機構15では、連結ピン161、可動プレート163、連結具166、及びスプリング170を用いて、型開き型閉じに連動して引き上げ駒91を進退させる。引き上げ駒91が第4摺動駒91である点は第1実施形態の射出成形金型1と同じである。
連結ピン161は、下端が可動プレート163に取付けられ、上端を引き上げ駒91に連結させたピンである。連結ピン161と引き上げ駒91とは一体的に形成されていてもよい。また連結ピン161は、可動プレート163と引き上げ駒91とを連結可能な部材であればよく、ピン以外の形態であってもよい。可動プレート163は、エジェクタ台板341と可動側取付板330との間に配置された板状体である。可動プレート163には、エジェクタロッド345及びストッパー175が挿通する貫通孔を有し、可動プレート163とエジェクタ台板341とは独立して可動する。可動プレート163は、連結具166を介して固定型201と連結する。
連結具166は、可動プレート163と固定型201とを着脱自在に連結する棒状の部材であり、上端が固定側型板202に固定され、固定型201と一体的に動く。連結具166は、下端に可動プレート163の上面165が係止可能な段差部167を有する。さらにその段差部167の奥まった位置にボールプランジャ168が装着され、このボールプランジャ168を介して可動プレート163と着脱自在に連結する。連結具166は、型締め時に可動プレート163を押下げる押下具である。
ボールプランジャ168は、公知のボールプランジャであり、型締め時には先端部のボールが可動プレート163の側面に設けられた凹部164に嵌り込んでいる。一方、型開きの途中から、ボールプランジャ168は可動プレート163から離脱する。ボールプランジャ168は、可動プレート163と連結具166とを連結させ、可動プレート163と連結具166とを引き離すように可動プレート163及び/又は連結具166に所定の荷重が加わったとき、可動プレート163と連結具166との連結を解除するものである。このような部材としては、板ばねがあり、ボールプランジャ168に代えて板ばねを用いてもよい。
ストッパー175は、可動プレート163の移動量を制限する棒状の部材である。ストッパー175は、下端が可動型取付板330の上面331に固定され、中央から上部が可動プレート163に設けられた貫通孔を挿通し可動プレート163の上面165から突出する。ストッパー175の上端には、貫通孔を挿通不能な鍔176が設けられている。
スプリング170は、可動側取付板330と可動プレート163との間に設置され、型開きに伴い伸長し、可動プレート163を押圧し支持する。スプリング170は、上面が開口した外筒171と、外筒171内に摺動自在に収納され、外筒171の上面から突出可能な天井面を有する内筒172と、内筒172内に収納され内筒172の天井面を突き出すように付勢するスプリング本体173とで構成される。外筒171は、可動側取付板330の上面331に固定され、型締め状態でスプリング本体173は、圧縮されている。
次に射出成形金型5の動作、作用について説明する。
射出成形金型5の基本動作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。型が閉じられた状態で、図示を省略した射出装置から溶融した樹脂が射出され、樹脂は、固定型201に設けられたスプルー(図示省略)からランナーR及びカッター25に設けられたゲート部27を経由してキャビティ部Cに充填される(図1参照)。溶融材料の射出、冷却の各工程が終了すると、型開きが行われ、成形品Pの取り出し工程に移行する。型開き、取り出し工程における射出成形金型5の動作は次の通りである。
型締め状態から可動型301が後退することで型開きが開始される。可動型301が後退するに伴い固定型201と可動型301との間隔が大きくなるが、可動プレート163は、連結具166を介して固定型201に連結し、さらにスプリング170が可動プレート163を押圧し支持しているので、固定型201に対して型締め当初の位置を維持している。連結ピン161の上端に固定された引き上げ駒91も固定型201に対して型締め当初の位置を維持する。
一方、第3摺動駒61、カッター25などゲート切断機構15を構成する他の部材は、可動型301と一体的に降下(-Y方向)する。これにより引き上げ駒91が第3摺動駒61に対して相対的に上昇し、第1実施形態と同様の動きでカッター25も左側にスライドし、ゲート部27がゲートGを横切りゲートGを切断する。
さらに可動型301が降下すると、可動プレート163の上面165がストッパー175の鍔176に接触する。引き続き可動型301が降下すると、可動プレート163は、ストッパー170の鍔176に引っ掛かり可動型301と一体的に降下する。このとき連結具166は、装着されたボールプランジャ168が可動プレート163から離脱し、型開きが完了した時点で連結具166と可動プレート163とは完全に分離している。
型開きが完了すると成形品Pの取り出しとなる。型開きが完了した時点でスプリング170が可動プレートを上方(Y方向)に押し出すように支持しているので引き上げ駒91に係合する係合部材である第3摺動駒61はその位置を保持することができる。第3摺動駒61に係合する第2摺動駒41、さらには第1摺動駒21も型開き完了時点の位置を保持することができる。つまりスプリング170は、コア部材の移動後の係合部材の位置を保持する保持手段として機能する。コア部材の移動後の係合部材の位置を保持する保持手段は、ホルダー112にボールプランジャ又は弾性体のような着脱自在な部材を取付け、これらを保持手段としてもよい。
射出成形金型5の型開き後の成形品Pの突き出し動作、成形品Pの取出し操作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。射出成形金型5の型締め操作では、型締めに伴い連結具166が可動プレート163を押し下げるので、引き上げ駒91に係合する第3摺動駒61が左側(-X方向)にスライドし、さらにスプリング170が圧縮する。型締め時のその他の動作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。
上記射出成形金型5では、連結具166を介して可動プレート163と固定型201とを着脱自在に連結するが、可動プレート163と固定型201とを連結させなくてもよい。この場合には連結具166の代わりに型締め時に可動プレート163に接し、これを押下げる押下具を固定型201に取付ければよい。押下具は、ボールプランジャ168のような着脱自在な部材を備えている必要はなく、形態も特に問われない。
図9は、本発明の第5実施形態の射出成形金型6の樹脂射出時の状態の要部断面図、図10は、射出成形金型6の型開き途中の要部断面図、図11は、射出成形金型6の型開き完了時の要部断面図、図12は、射出成形金型6の成形品Pの突き出し時の要部断面図、図13は、射出成形金型6の成形品Pの突き上げ後の要部断面図、図14は、射出成形金型6の型締め途中の要部断面図、図15は、射出成形金型6の型締め時の要部断面図である。図1から図4に示す第1実施形態の射出成形金型1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第5実施形態の射出成形金型6は、第1実施形態の射出成形金型1と同様に、成形品Pを成形する固定型201と可動型301と、ゲートを切断するゲート切断機構16とを備える。第5実施形態の射出成形金型6は、第1実施形態の射出成形金型1と基本構成を同じくするが、ゲート切断機構16の構成、特に第2摺動駒46を進退させる駆動手段が異なる。以下、第1実施形態の射出成形金型1と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態においてカッター25がコア部材に該当し、ゲート切断機構16がスライド機構に該当する。またスプリング191と引き上げピン195とが駆動手段に該当し、スプリング191が第1駆動手段、引き上げピン195が第2駆動手段に該当する。
第1実施形態のゲート切断機構11においては、第2摺動駒61に係合する係合部材である第3摺動駒61を、スプリング135が装着された引き上げピン131及び引き上げ駒91を用いて進退させ、カッター25をスライドさせる。これに対して射出成形金型6に組み込まれたゲート切断機構16は、第2摺動駒46に係合する係合部材としてレバー180を用い、スプリング191及び引き上げピン195を介してレバー180を回動(揺動)させ、カッター25をスライドさせる。
レバー180は、厚さが第2摺動駒46の本体47よりも厚い細長い部材であり、中央から先端部かけて、第2摺動駒46の本体47が嵌り込む凹部(図示省略)が設けられている。これによりレバー180の中央から先端部は、正面側及び背面側にそれぞれ支持片181が形成される。
またレバー180は、ほぼ中央に支持軸185が挿通する、正面側から背面側に貫通する貫通孔である支持孔(図示省略)を有する。支持軸185は、ホルダー112の正面側内壁及び背面側内壁118に架け渡すように固定されている。レバー180は、支持孔を支持軸185に挿通させ、支持軸185を起点に回動可能に取付けられている。
またレバー180は、一対の支持片181がそれぞれ先端部にX方向に長い長穴183を有する。レバー180は、凹部を第2摺動駒46の本体47に嵌め込み、第2摺動駒46の正面外壁及び背面外壁から突出するように取付けられた連結ピン186に長穴183を嵌め入れ、第2摺動駒46と回動自在に連結する。連結ピン186は、第2摺動駒46の本体47の左下に取付けられている。レバー180に連結ピン186を、第2摺動駒46に長穴183を設けてもよく、また先端部に長穴183を設ける代わりに中央の支持孔を長穴としてもよい。
スプリング191は、レバー180の末端部184の下方に位置し固定具125を介して可動側型板311に設けられた収容部316に取付けられている。スプリング191は、上面が開口した外筒192と、外筒192内に摺動自在に収納され、外筒192の上面から突出可能な天井面を有する内筒193と、内筒193内に収納され内筒193の天井面を突き出すように付勢するスプリング本体194とで構成される。外筒192は、固定具125の上面に固定され、型締め状態でスプリング本体194は、圧縮されている。
引き上げピン195は、上端が固定型201に固定され固定型201と一体的に移動するピンである。引き上げピン195は、下端にレバー180の末端部184が嵌り込む鉤部196を備える。引き上げピン195は、型締め状態において鉤部196をレバー180の末端部184に係止させ、レバー180の末端部184を下方に押下げる。本実施形態の引き上げピン195は、下端にレバー180の末端部184が嵌り込む鉤部196を備えるが、鉤部196はなくてもよい。
第2摺動駒46は、第1実施形態の第2摺動駒41と異なり、係合部55及び傾斜面56を備えていないが、他の構成は第1実施形態の第2摺動駒41と同じである。ホルダー112は、第1摺動駒21及び第2摺動駒46を摺動自在に収容し、各摺動駒を所定の方向に移動させるためのガイドを備える。固定具125は、第1実施形態の固定具121と同様にホルダー112を固定、支持する。
次に射出成形金型6の動作について説明する。
型が閉じられた状態で、図示を省略した射出装置から溶融した樹脂が射出され、樹脂は、固定型201に設けられたスプルー(図示省略)からランナーR及びカッター25に設けられたゲート部27部を経由してキャビティ部Cに充填される(図9参照)。溶融材料の射出、冷却の各工程が終了すると、型開きが行われ、成形品Pの取り出し工程に移行する。型開き、取り出し工程における射出成形金型6の動作は次の通りである。
型締め状態から可動型301が後退することで型開きが開始される(図10参照)。可動型301が降下するに伴い、引き上げピン195がレバー180の末端部184を引き上げ、スプリング191がレバー180の末端部184を押上げる(図10参照)。これに伴い第2摺動駒46が下方(-Y方向)に移動し、第1摺動駒21が左方向(-X方向)にスライドし、ゲート部27がゲートGを横切りゲートGを切断する。
さらに可動型301が降下すると、引き上げピン195はレバー180の末端部184から外れ、スプリング191のみがレバー180の末端部184を押上げる(図11参照)。
型開きが完了すると成形品Pの取り出しとなる。型開きが完了した後もスプリング191が引き続き係合部材であるレバー180の末端部184を押上げるので、レバー180の位置を保持することができる。これによりレバー180に係合する第2摺動駒46、さらには第1摺動駒21も型開き完了時点の位置を保持することができる。つまりスプリング191は、コア部材の移動後の係合部材の位置を保持する保持手段として機能する。
型開きが完了した後の成形品Pの突き出し動作は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである(図12、図13参照)。
成形品Pの突き出し後、型閉じ(型締め)に移行する。型閉じに移行すると可動型301全体が上昇するとともに、エジェクタ台板341がリターンピン350に押され、図14の下方向(-Y方向)に移動する。固定型201と可動型301との間隔が狭まると、引き上げピン195の下端の鉤部196がレバー180の末端部184に係止し、以降レバー180の末端部184を押下げる(図14、図15参照)。
固定型201と可動型301との間隔が狭まるに従い、レバー180の末端部184が引き上げピン195により押下げられることによりスプリング191も圧縮される。これらによりレバー180が型開きとは逆方向に回動し、第2摺動駒46及び第1摺動駒21が型開きとは逆方向にスライドし、カッター25は、ゲートGを成形する位置に戻る。固定型201と可動型301とが接し、パーティング面PLが閉じることで型閉じが完了する(図15参照)。
図16は、本発明の第6実施形態の射出成形金型7の樹脂射出時の要部断面図、図17は、射出成形金型7の型開き途中の要部断面図、図18は、射出成形金型7の成形品Pの突き出し時の要部断面図である。図1から図4に示す第1実施形態の射出成形金型1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
第6実施形態の射出成形金型7は、大略的には第1実施形態の射出成形金型1のゲート切断機構11がアンダーカット処理機構17に置換されたものである。射出成形金型7は、公知の射出成形金型と同様、成形品Pの外面側を成形する固定型201と、成形品Pの内面側を成形する可動型301とを備え、さらにアンダーカット処理機構17を備える。以下、第1実施形態の射出成形金型1と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態においてアンダーカット部P1は、成形品Pの内面に設けられた凹部P1であり、アンダーカットを抜く方向が成形品Pの型抜き方向(Y方向)に対して交差している。成形品P、凹部P1の形状は特に限定されるものではなく、成形品Pの素材もプラスチック等の合成樹脂に限らず、鉄や銅、アルミニウム等の金属でも良い。
アンダーカット処理機構17は、成形品Pの成形時にアンダーカット部P1を成形し、型開きに連動してアンダーカット部P1から外れることで、成形品Pを射出成形金型7から型抜き可能とするものである。
アンダーカット処理機構17は、アンダーカット部P1を成形するアンダーカット成形コア28を備える第1摺動駒21と、第1摺動駒21に摺動可能に係合する第2摺動駒41、第2摺動駒41に摺動可能に係合する第3摺動駒61、第3摺動駒61に摺動可能に係合する引き上げ駒91と、各摺動駒及び引き上げ駒91を進退可能に収容するホルダー111と、引き上げ駒91を引き上げるスプリング135が装着された引き上げピン131とを備える。
本実施形態においてアンダーカット成形コア28がコア部材に該当し、アンダーカット処理機構17がスライド機構に該当する。また引き上げ駒91と、引き上げ駒91を引き上げるスプリング135が装着された引き上げピン131とが駆動手段に該当し、スプリング135が第1駆動手段、引き上げピン131が第2駆動手段に該当する。
第1摺動駒21、第2摺動駒41、第3摺動駒61、引き上げ駒91、ホルダー111、引き上げピン131及びスプリング135の構成及び動作は、第1実施形態の射出成形金型1のゲート切断機構11と同一である。引き上げ駒91が第4摺動駒91であること、引き上げ駒91と引き上げピン131とが一体的に形成されていてもよいことも第1実施形態の射出成形金型1のゲート切断機構11と同一である。また固定型201及び可動型301の基本構成は、第1実施形態の射出成形金型1と同じである。
次に射出成形金型7の動作について説明する。
型が閉じられた状態で、図示を省略した射出装置から溶融した樹脂が射出され、キャビティ部Cに充填される(図16参照)。溶融材料の射出、冷却の各工程が終了すると、型開きが行われ、成形品Pの取り出し工程に移行する。型開き、取り出し工程における射出成形用金型7の動作は次の通りである。
型締め状態から可動型301が後退することで型開きが開始され、固定型201と可動型301との間隔が広がる(図17参照)。これに伴いスプリング135が伸長し、引き上げピン131が上方(Y方向)に引き上げられる。これに連動して引き上げ駒91が上方に、第3摺動駒61が右側(X方向)に、第2摺動駒41が下方(-Y方向)に、第1摺動駒21が左側(-X方向)にスライドする(図17参照)。
第1摺動駒21が左側にスライドすることでアンダーカットが外れる。型開きが完了した時点でアンダーカットは完全に外れている。このときスプリング135が引き上げピン131を上方(Y方向)に突き出すように付勢しているため、引き上げ駒91に係合する係合部材である第3摺動駒61、さらには第2摺動駒41、第1摺動駒21も型開き完了時点の位置を保持することができる。つまりスプリング135は、コア部材の移動後の係合部材の位置を保持する保持手段として機能する。
型開きが完了後、成形品Pの取り出しとなる。アンダーカットが外れた成形品Pは、図示を省略した突き出し装置を介してエジェクタロッド345が押し出され、エジェクタ台板341が上方(Y方向)に移動する。これに伴いエジェクタ台板341上に立設した第1エジェクタピン342が成形品PをY方向に突き出す。(図18参照)。
成形品Pの取り出し後、次の成形品Pを成形すべく、再度、射出成形金型7の型締めが行われる。型締め時には、可動型301全体が図18の上方向(Y方向)に移動するとともに、エジェクタ台板341が図18の下方向(-Y方向)に移動する。引き上げピン131が固定側型板202の凹部底面205と接することで引き上げ駒91を押し下げ、第3摺動駒61、第2摺動駒41、第1摺動駒21が型開きとは逆方向にスライドし、アンダーカット成形コア28は、アンダーカットを成形する位置に戻る。型締めが完了すると、成形材料が射出され次の成形品Pが成形される。
第1から第6実施形態、さらには変形例を用いて説明したように本発明に係るスライド機構は、成形用金型内でゲートを切断するカッター、アンダーカット成形コアなどのコア部材を成形用金型の型開きに連動して移動(スライド)させるので、スライド機構の構成が簡便となり、コンパクト化することができる。これにより本発明に係るスライド機構が組み込まれた可動型、成形用金型も小型化が可能であり、スライド機構、スライド機構が組み込まれた可動型、成形用金型を安価に製造することができる。
本発明に係るスライド機構は、成形品の突き出し操作前にカッターによるゲートの切断、あるいはアンダーカット部を抜く操作が完了し、さらに係合部材を動作させる駆動手段が、成形用金型の型開き後に係合部材の位置を保持するので、カッターあるいはアンダーカット成形コアの位置も保持され、安全にまた確実に成形品の突き出しを行うことができる。
また本発明に係るスライド機構は、型開き型締めに連動して第2摺動駒を進退させる係合部材を動作せしめる駆動手段が、第1駆動手段と第2駆動手段とで構成され、各々が第2摺動駒の後退、前進を担うので確実にコア部材を移動させることができる。
また本発明に係るスライド機構は、上記実施形態に示すように種々の構成・形態を採用することが可能であり、成形用金型の用途・目的に応じて適宜選択して使用することができる。またスライド機構の駆動手段も種々の構成・形態を採用することが可能であり、第1駆動手段にはスプリング又は弾性体を用いることができるので、スライド機構の簡便化・コンパクト化も容易となる。
また本発明に係るスライド機構は、駆動手段を成形品の外側に配置し、コア部材を成形品の型抜き方向とは交差する方向に移動させることができる。さらにはコア部材を成形品の内側方向に移動させることができるため、多様なコア部材のスライド機構として利用することができる。
また本発明に係るスライド機構は、コア部材を備える第1摺動駒、第2摺動駒及び係合部材をホルダーに組み込みユニット化することが可能であり、又はコア部材を備える第1摺動駒、第2摺動駒、係合部材及び駆動手段をホルダーに組み込みユニット化することが可能なため成形用金型への組み込みも容易である。またスライド機構をユニット化することで、既設の成形用金型に対しても簡単な改造で取付け可能となる。
以上、第1から第6実施形態及び変形例の射出成形金型1、2、3、4、5、6、7、さらにはそれらに組み込まれたゲート切断機構11、12、13、14、15、16、アンダーカット処理機構17を用いて、本発明のスライド機構、可動型及び成形用金型を説明したが、本発明のスライド機構、可動型及び成形用金型は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変形して使用することができる。
例えば第1実施形態のゲート切断機構11において、ゲートGを切断するカッター25を、被加工物を切断するカッターに変更すれば被加工物を切断するスライド機構として使用することができる。このようなカッターは、被加工物を切断する刃部と、刃部と同期して移動し切断された被加工物を退避させるための退避スペースとを備えるので、被加工物を確実にまたきれいに切断することができる。
第1実施形態のゲート切断機構11では、第1摺動駒21に蟻溝を第2摺動駒41に凸条52を設け、これらを互いに摺動自在に係合させるが、第1摺動駒21に凸条を第2摺動駒41に蟻溝を設け、これらを互いに摺動自在に係合させてもよい。要すれば第1摺動駒21と第2摺動駒41とを摺動自在に係合できればよく、一方に蟻溝、他方に凸条を設ければよい。これは、第1摺動駒21、第2摺動駒41、第3摺動駒61とホルダー111との関係、第2摺動駒41と第3摺動駒61、第3摺動駒61と引き上げ駒91との関係においても同じであり、他の実施形態においても同じである。
また本発明のスライド機構において、互いに係合する蟻溝、凸条の断面形状は図に示した矩形であるものに限定されるものではなく、嵌合部又は係合部の断面が円形、三角形等であるものであってもよい。また本発明のスライド機構及び成形用金型において、ホルダー、摺動駒及び保持駒それぞれの係合手段は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、リニアガイド等を用いてもよい。
上記実施形態のスライド機構では、摺動駒と摺動駒又は摺動駒と係合部材とを蟻溝構造で摺動自在に結合し、又はピンを用いて回動(揺動)自在に連結する。このような連結構造を備えるスライド機構であれば、いずれか1の摺動駒又は係合部材を進退させ、あるいは回動させれば他の摺動駒もこれに連動して進退する。このため例えば第1実施形態のゲート切断機構11において、第1摺動駒21を直接進退させるようにスプリング135を配置してもよい。
また第1実施形態のゲート切断機構11のように第1摺動駒から第4摺動駒21、41、61、91が、ホルダー111内に移動方向が規制された状態で保持され、摺動駒が互いに摺動自在に接触した構造の場合、互いが蟻溝構造又はピンを用いた回動機構で連結されていなくても第1摺動駒21を第2摺動駒41側に向けて押し出せば、他の摺動駒も全て押し出される。第4摺動駒91を第3摺動駒61側に向けて押し出した場合も同じである。
以上のように本発明に係るスライド機構において、隣り合う摺動駒は、必ずしも蟻溝構造、又はピンを用いた回動機構で連結されていなくてもよいことが分かる。本発明に係るスライド機構は、隣合う一部の摺動駒が蟻溝構造で連結され、他の隣合う摺動駒が互いの平面状の側面を摺動自在に接触させている場合にも成立する。
上記説明から分かるように本発明において、2つの摺動駒が摺動自在に係合するとは、2つの駒が摺動自在に噛み合う又は一方の駒が他方の駒を摺動自在に抱え込むということの他に、2つの駒が摺動自在に接触することも含まれている。
第1から第6実施形態及び変形例の射出成形金型1、2、3、4、5、6、7では、ホルダー111、112、119が可動型301とは別体となっているが、本発明の成形用金型においてホルダーを可動型に一体的に設けてもよい。
また本発明のスライド機構及び成形用金型において、各構成部材の角及び側稜にR面取りやC面取り等が施されていてもよい。
また本発明のスライド機構及び成形用金型に使用される各構成部材の材質は、特定の材質に限定されるものではなく、公知のスライド機構及び成形用金型に使用される部材の材質と同様のものを適宜用いればよい。ただし各構成部材における摺動面は、摺動性の良好な材質又は摺動性の良好な表面処理が施された材料を用いることが好ましい。なお各摺動面は、面接触であるものに限定されるものではなく、線接触や点接触であってもよい。
また本発明のスライド機構及び成形用金型は、水平、垂直又はその他の方向に開閉する金型に適用可能である。また本発明のスライド機構及び成形用金型は、射出成形金型以外にダイカスト金型のようなモールド金型、モールドプレス成形金型などに好適に使用することができる。
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施形態を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更及び修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。