JPH0719910Y2 - ミラー等のステー固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両，航空機，船舶，列車等において、後方
向，側方向，上下方向等の確認や安全確保のために使用
されるミラーや、モニターカメラ等を支持するステー
を、着脱自在に固定することのできるステー固定装置に
関する。

〔従来の技術〕

従来、この種ステー固定装置として、図示しないが、例
えば、自動車のフェンダパネルにバックミラーのステー
を取付ける場合には、先ず取付部の裏面に手が入るよう
にホイルアーチ部のマッドガード等を取り外した後、一
人の作業者が上方よりステーから突出した取付けボルト
をフェンダパネルに形成した取付穴に挿入し、その取付
位置がずれないように保持する。そして、もう一つの作
業者がフェンダパネルからタイヤハウス内に腕を入れ、
前記取付けボルトにナットを螺合して締付けることによ
り、フェンダパネルにバックミラーを取付けていた。

しかし、前記の如き従来の固定構造では、取付け部分が
外部から視認できないとゝもに、作業空間の非常に狭い
タイヤハウス内においてスパナ等の工具を使用して作業
するので、作業性が悪い。

また、汚泥の付着したタイヤハウス内で作業しなければ
ならないので、作業者の手が汚れたり傷ついたりする恐
れがあるとゝもに、その取付け作業は一人では行えない
ので、迅速，確実な対応が困難である等の欠点があっ
た。

そこで、上記の如き従来の欠点を解決するために、第４
図乃至第６図に示すような、車体外部からバックミラー
を取りつけることのできる実公昭56-98757号公報の考案
がある。

すなわち、ミラーステー１の下端には、針金形状の取付
杆支持体２により取付杆３が垂下状態に取付けられてお
り、この取付杆３の下端部には、第６図に示すように、
側方に突設する下側突部４と上側突部５とが首部６を介
して互いに突出方向が異なるように設けられている。

そして、円筒形状のケース７の内周面の下部には、対向
位置にプレート保持用突起８が突設されており、更に前
記ケース７内に収納される逆円錐形状のプレート９に
は、第５図に示すように、その周縁部9aに前記プレート
保持用突起８が通過する突起挿通用切欠10が形成されて
いるとゝもに、プレート９の底面には前記取付杆３の挿
通可能な取付杆係合孔11が形成され、該取付杆係合孔11
の周縁には、前記下側突起部４と上側突部５の挿通可能
な突部挿通用切欠12が、前記突起挿通用切欠10と直交位
置に形成されている。

そこで、円筒形状のケース７内に挿入されたプレート９
は、第４図の点線で示すように、その周縁部9aによりケ
ース７のプレート保持用突起８の上側に保持されるてお
り、また、ケース７内には、車体外板13の内面に固定さ
れたリテーナ板14とプレート９との間にコイルスプリン
グ15を介装すると共に、リテーナ板14の側板16に形成さ
れたケース保持用係合孔17に、ケース７の上端に形成し
た係合片18を係合させることによってリテーナ板14にケ
ース７を垂下させ、コイルスプリング15を圧縮状態とす
る。

また、ミラーステー１の下端に垂設された取付杆３は、
車体外板13の上に固定したベース19および車体外板13,
リテーナ板14の各挿通孔19a,13a,14aを通してケース７
内に挿入する。そして、ミラーステー１の向きを適宜に
回転することによって、取付杆３の下側突部４をプレー
ト９の突部挿通用切欠12と整合してミラーステー１を下
方に押圧すれば、上記の下側突部４が突部挿通用切欠12
を通過し、該下側突部４の直上に形成された首部６が取
付杆係合孔11内に位置する。

そこで、ミラーステー１をほぼ90°回転し、取付杆３の
上側突部５を突部挿通用切欠12と整合させてミラーステ
ー１を下降させると、上側突部５が突部挿通用切欠12に
挿入されるので、この状態でミラーステー１を回転する
と、プレート９が共同回転し、その突起挿通用切欠10と
ケース７のプレート保持用突起８とが整合した時に、プ
レート９とプレート保持用突起８との係合状態が解除さ
れる。

従って、コイルスプリング15の弾発力によってプレート
９はプレート保持用突起８の下側に押下させられ、該プ
レート９の底面は取付杆３の下側突部４の上端に圧着さ
れる。この結果、ミラーステー１はコイルスプリング15
の弾発力によって車体外板13に牽引され確実に固定され
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、前記実公昭56-98757号公報の考案は、構造が非
常に複雑であって、ケース７及びリテーナ板14,プレー
ト9,コイルスプリング15等のロック部と、車体外板13と
が別体となっているため、車体外板13の製作時にロック
部を取付けることは不可能であり、ロック部の取付け作
業は従来通り車体外板13の完成後に新たに実施しなけれ
ばならないため、本来のミラーステー１取付け工程の他
にロック部品の取付け工程が増加する。

又、ミラーステー１の着脱操作が面倒なので、迅速に着
脱することが不可能であり、更に車体外板13上に固定さ
れるベース19には、周壁19aが形成されており、取付時
にはこのベース19上でミラーステー１を回転させるた
め、該ミラーステー１の下端部の形状は真円形状に限定
されることになり、デザイン上の制約がある。

また、取付杆３の形状が複雑なので、加工上及び剛性に
問題があると共に、取付杆３が取付けられている取付杆
支持体２も針金形状なので、ミラーステー１を回転させ
るときの強度が不安定であるとゝもに、ミラーステー１
の固定装置には盗難防止機能がないので、簡単に取り外
して持ち去られる恐れがある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、上記のような従来の問題点を解決するために
成されたもので、工具を使用することなく、外部から簡
単，迅速に着脱できると共に，盗難防止機能を有するミ
ラー等のステー固定装置を提供するのが目的であり、そ
の要旨は、ステーの取付杆を回転止部材を介してボディ
パネルの取付孔に挿入し、該取付杆を回動せしめてその
ロック爪をボディパネルの下面に係合せしめると共に、
前記回転止部材と取付杆に夫々形成した連通横孔にピン
を挿入し、更に前記回転止部材をこれと着脱自在な装飾
用カバーで被覆したことを特徴とするミラー等のステー
固定装置にある。

〔実施例〕

以下、本考案を第１図乃至第３図に示す実施例により詳
細に説明する。なお、第１図は本考案に係る固定装置を
車両用バックミラーに適用した要部の縦断面図、第２図
は同バックミラーの分解斜視図、第３図は上記の固定装
置の構成部品を示す一部を切除した斜視図である。

図において、１は自動車などのバックミラーを支持する
ステーで、その底面にはこれと同一形状の中間ステー２
が溶着により連設されている。

３は前記中間ステー２の底面に固定したその底面と同一
形状のステーケースで、ビス４によって固定されてい
る。このステーケース３は下面が開口した円筒形状で、
その天面部の中央には取付杆５が植立されており、該取
付杆５の下部はステーケース３の下面3aから突出してい
る。

6,6は前記取付杆５の下部に突設した一対のロック爪
で、互いに直径方向の反対位置から突設しており、更に
前記取付杆５には該ロック爪6,6の上部位置において、
該ロック爪6,6と直交する位置に盗難防止ピン７の挿入
用小孔８が水平方向に形成されている。

なお、前記実施例では、ステー１の下部にこれとは別体
部品である中間ステー２とステーケース部３と連結した
が、これらを一体成形してステー１の下部にステーケー
ス３を設けてもよい。またステー１の下部形状は、円形
形状，角形形状，楕円形状、その他の任意の形状を採用
することができることは勿論である。

９はプレンワッシャで、その内周縁には前記ロック爪６
の挿入自在な切欠溝9aが形成されている。10は圧縮形の
コイルスプリングで、その平常時の高さは、ステーケー
ス３の高さより少し高くなっている。

11は上下面が平面な長楕円形状の回転止めプレートで、
その裏面の長径方向の端部には夫々突起12,12が突設し
ており、中央部には、第３図に示すように、前記取付杆
５の挿入孔13が形成されているとゝもに、該挿入孔13の
内周縁には、前記取付杆５のロック爪６の挿入自在な切
欠溝13aが短径方向に対向して形成されている。

更に、回転止めプレート11の外周面には周溝11aが形成
され、該周溝11aには短径方向の両側（切欠溝13aのある
位置）に、夫々盗難防止ピン７の挿入用小孔14が前記挿
入孔13に連通するように形成されている。

15は前記回転止めプレート11が取付けられる自動車のフ
ェンダパネルのようなパネルベースで、該パネルベース
15には、前記回転止めプレート11の挿入孔13および切欠
溝13aと、突起12,12に対応した位置に、同一形状の挿入
孔16および切欠溝16aと、突起12,12の係合孔17,17が夫
々形成されている。

18は長方形状のパネル保護パッチで、その水平部18aの
長手方向の両端部には、所定高さの側壁18bを介して互
いに反対方向に延出した水平な取付板18cが形成されて
おり、該パネル保護パッチ18の平面部18aには、前記挿
入孔16及び切欠溝16aと係合孔17,17と対応する位置に、
同一形状の挿入孔19及び及び切欠溝19aと係合孔20,20が
形成されている。

そして、このパネル保護パッチ18は、パネルベース15の
裏面において、取付板18cをスポット溶接することによ
りパネルベース15とほぼ平行に固定されている。

なお、前記パネルベース15およびパネル保護パッチ18の
挿入孔にステー１の取付杆５を挿入し、ステーケース３
の下面3aがパネルベース15の上面に当接した時には、取
付杆５のロック爪6,6の上端部はパネル保護パッチ18の
下面から極く僅か離間するように設定してある。

21は回転止めプレート11を被覆する装飾用カバーで、そ
の中央部にはステー１のステーケース３の下部の平面形
状と同一形状の開口部22が形成されているとゝもに、そ
の下面には、前記回転止めプレート11の平面形状と同一
形状の凹部23が前記開口部22と連通するように形成され
ており、該凹部23の内周面には、回転止めプレート11の
周溝11aに嵌合する突条部23aが形成されている。

前記装飾用カバー21は、中央部で一対のカバーユニット
21a,21bに２分割され、その分断部は両カバーユニット2
1a,21bを連結した時に噛合して固定できるように形成さ
れている。

なお、前記装飾用カバー21の開口部22は、ステーケース
３の下部の平面形状と同一形状に形成さているので、ス
テーケース３の下部形状が真円形状以外の、例えば角形
形状である場合にはステー１を回転不能に固定する効果
もある。

〔実施例の作用〕

パネルベース15にステー１を取付ける場合について説明
するに、先ず、パネルベース15の係合孔17,17に回転止
めプレート11の突起12,12を挿入して、パネルベース15
の挿入孔16に回転止めプレート11の挿入孔13を整合する
ことにより、パネルベース15の上面に回転止めプレート
11を固定する。

次に、ステーケース３内にコイルスプリング10を収納す
るが、該コイルスプリング10の上下に当接せしめたプレ
ンワッシャ９は、その切欠溝9aを取付杆５のロック爪６
に整合してから取付杆５に挿入する。

そして、前記取付杆５を、回転止めプレート11,パネル
ベース15,パネル保護パッチ18の各挿入孔13,16,19内
に、その切欠溝13a,16a,19aとロック爪６とを合わせて
挿入する。この場合、コイルスプリング10によって、ス
テーケース３の下面3aは、回転止めプレート11の上面か
ら少し上方位置にあり、また、ロック爪６の上端部はパ
ネル保護パネル18の上面から少し突出している。

そこで、ステー１を下方向に押圧すると、コイルスプリ
ング10が圧縮されると共に、ロック爪６の上端部はパネ
ル保護パネル18の下面に下降するので、この状態を保持
しながらステー１を所望方向に90°回転して、ロック爪
６をパネル保護パッチ18の切欠溝19aから離反させる。

つぎに、ステー１の押圧力を解除すると、コイルスプリ
ング10の復元力により該ステー１は上昇し、取付杆５の
ロック爪６の上端部はパネル保護パッチ18の下面に圧着
されて固定される。この際、取付杆５および回転止めプ
レート11の小孔8,14が一致するので、両小孔に盗難防止
ピン７を挿入してステー１を回転不能に固定する。

そして、回転止めプレート11の左右から装飾用カバー21
のカバーユニット21a,21bを嵌め込んで両者を噛合連結
すると、ステー１の下部及び回転止めプレート11は装飾
用カバー21により被覆される。

次に、ボディパネル15からステー１を取り外す場合につ
いて説明するに、まず、装飾用カバー21を取り外して回
転止めプレート11を露呈した後、取付杆５及び回転止め
プレート11の小孔8,14から盗難防止ピン７を引き抜いて
ステー１を回転可能とする。

そして、ステー１を少し押し下げて略90°回転し、ロッ
ク爪６をパネル保護パッチ18の切欠溝19aと整合せしめ
た後ステー１を引き上げると、取付杆５はパネル保護パ
ッチ18,ボディパネル15および回転止めプレート11の各
挿入孔19a,16a,13aから引き抜くことができる。

〔考案の効果〕

本考案に係るミラー等のステー固定装置は、上述のよう
に、ステーの取付杆を回転止部材を介してボディパネル
の取付孔に挿入し、該取付杆を回動せしめてそのロック
爪をボディパネルの下面に係合せしめると共に、前記回
転止部材と取付杆に夫々形成した連通横孔にピンを挿入
し、更に前記回転止部材をこれと着脱自在な装飾用カバ
ーで被覆した構成であるから、構成が単純であり、且つ
ステーの着脱時に他の関連部品を取り外すことなく簡単
に行え、着脱時間を短縮できる。

また、パネルベースの外側からステーの着脱作業が行え
るので、作業者が一人で安全，確実に作業でき、早急な
対応が可能であると共に、作業者の手を汚したり、傷つ
けることがない。

更に、ステーの盗難防止機能を備えているとゝもに、ス
テーの着脱時にはこれを回転止めプレートの上で回転す
るだけで行うことが出来るので、下部形状が円形形状に
限定されることがなく、ステーのデザインの自由度が拡
大するといった諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る固定装置を車両用バックミラーに
適用した要部の縦断面図、第２図は同バックミラーの分
解斜視図、第３図は上記の固定装置の構成部品を示す一
部を切除した斜視図、第４図は従来の車両用バックミラ
ー取付装置の要部縦断面図、第５図は同取付装置に使用
されるプレートの平面図、第６図は同じく取付杆の要部
を示す斜視図である。 １……ステー、３……ステーケース部、５……取付杆、
６……ロック爪、７……盗難防止ピン、8,14……小孔、
10……コイルスプリング、11……回転止めプレート、1
3,16,19……挿入孔、13a,16a,19a……切欠溝、15……パ
ネルベース、18……パネル保護パッチ、21……装飾用カ
バー、22……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ステーの取付杆を回転止部材を介してボデ
   ィパネルの取付孔に挿入し、該取付杆を回動せしめてそ
   のロック爪をボディパネルの下面に係合せしめると共
   に、前記回転止部材と取付杆に夫々形成した連通横孔に
   ピンを挿入し、更に前記回転止部材をこれと着脱自在な
   装飾用カバーで被覆したことを特徴とするミラー等のス
   テー固定装置。