JPH07196559A - ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの接触水添による1,4−シクロヘキサンジメタノールの製法 - Google Patents

ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの接触水添による1,4−シクロヘキサンジメタノールの製法

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JPH07196559A JP6000803A JP80394A JPH07196559A JP H07196559 A JPH07196559 A JP H07196559A JP 6000803 A JP6000803 A JP 6000803A JP 80394 A JP80394 A JP 80394A JP H07196559 A JPH07196559 A JP H07196559A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレートの接触水添により、所望のトランス:シス異
性体比を有する1,4−シクロヘキサンジメタノール
(CHDM)を連続的に製造する。 【構成】 予め選択した条件下に原料からCHDMへの
変換率を測定することにより触媒の基準活性を定め;所
望の異性体比を有するCHDMを製造する触媒の基準活
性に応じて、予め選択した条件で反応混合物の有効滞留
時間を定め;所望の異性体比のCHDMを生成する実滞
留時間に相当する速度で、蒸気原料流を水添域に供給
し;CHDMへの変換率の測定により触媒の実活性をモ
ニターし;条件の少なくとも1種を調節することによっ
て、関係式:ART=(ERT× RA)/AAに従い、
所望の異性体比を有するCHDMを与える有効滞留時間
に相当する実滞留時間を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,4−シクロヘキサンジメタノール
は、テレフタール酸との反応により高重合鎖状縮合ポリ
マーを製造するのに使用され、かつある種のポリエステ
ルやポリエステルアミドの製造における中間体として有
用なものである。このような目的のための1,4−シク
ロヘキサンジメタノールの使用は、たとえばUS−A−
2901466に記載されている。この文献は、ポリシ
クロヘキシレンジメチレンテレフタレートのトランス異
性体(315〜320℃)が対応するシス異性体(260
〜267℃)よりも高い融点範囲を持っていることを教
えている。
【0003】1,4−シクロヘキサンジメタノール(ヘキ
サヒドロテレフタリルアルコール)を製造する一つの方
法は、US−A−2105664の実施例3に記載され
ているように、スラリー相反応器中、銅クロマイト触媒
の存在下、3,000psia(約206.84バール)の圧力
と255℃の温度で実施する、ジエチル1,4−シクロ
ヘキサンジカルボキシレート(ジエチルヘキサヒドロテ
レフタレート)の水素化を含むものであって、収率は、
77.5%と言われている。
【0004】ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレート(DMCD)の1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール(CHDM)への水素化は、次式(1)で示される:
【化1】 このようにして製造されたCHDMの2種の幾何学異性
体は、次のとおりである:
【化2】
【0005】結果として得られた1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール成績体は、異なった融点を有するこれら
2種の異性体の混合物である。Menachem Lewisら編、
Marcel Decker,Inc.出版、「Fiber Chemistr
y」9頁に報告されているように、「脂環式エステル(す
なわち、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レート)と脂環式ジオール(すなわち、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール)は、共に2種の異性形、シスとト
ランスで存在し、それらは結合の開裂なしには相互変換
不可能なものである」。更に、それに続いて、「(シ
ス:トランス)比のコントロールは、多くのポリマーや
繊維の性質がそれに依存するから、(1,4−シクロヘキ
サンジメタノールにおいて)重要である」と記載されて
いる。
【0006】1,4−シクロヘキサンジメタノールのシ
ス異性体は、融点43℃で、トランスは、融点67℃で
ある。より融点の高いトランス異性体は、高融点のポリ
エステルやポリエステルアミドが望ましいと考えられる
場合には、シス異性体よりも好ましい試薬として使用さ
れることが多い。上記の様に、トランス−ポリシクロヘ
キシルメチルテレフタレートのような典型的なポリエス
テルのトランス異性体は、シス異性体よりも高い融点を
有する。それ故に、例えば、US−A−5124435
はポリエステル共重合体を開示しているが、その1,4
−シクロヘキサンジメタノール含量は、少なくとも80
モル%のトランス異性体含量を有し、高い耐熱性を有す
る。シス−1,4−シクロヘキサンジメタノールよりも
トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノールの方が
好ましいことについても、US−A−2917549、
US−A−4999090およびGB−A−98831
6に開示がある。
【0007】ジメチルテレフタレートの複数段階の水素
化による1,4−シクロヘキサンジメタノールの液相製
造方法は、US−A−3334149に記載されてい
る。これは、パラジウム触媒を使用してジメチルテレフ
タレートからジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレートへの水素化を実施し、次いで液相中で銅クロ
マイト触媒を使用してこのジエステルを1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールへ水素化するものである。該特許
明細書の実施例1に記載された方法では、約40ないし
50分の滞留時間がその第2段階で使用される。US−
A−3334149に記載された亜クロム酸銅触媒の活
性では、長い滞留時間を要する。
【0008】US−A−3334149に開示された
1,4−シクロヘキサンジメタノールの液相製造方法に
おいて、1,4−シクロヘキサンジメタノールのトラン
ス:シス異性体の比率は、平衡値に向かう傾向があると
思われる。この平衡値については種々の報告があり、約
2.57:1(トランス−:シス−1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール)(GB−A−988316における報
告)と約3:1(US−A−2917549における報
告)の間にある可能性がある。しかしながら、出発物質
であるジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートは、一般に商業的には、シス異性体が多いシスおよ
びトランス異性体の混合物として得られる。このよう
に、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
トの典型的な商品グレードは、トランス:シス異性体比
約0.5:1〜0.6:1である。更に、水添工程中に生
成物組成が平衡に近付く速度は、液相中では小さい。従
って、従来技術による市販のジメチル1,4−シクロヘ
キサンジカルボキシレートの液相水添においては、1,
4−シクロヘキサンジメタノールの適当なトランス:シ
ス異性体平衡比(約2.57:1ないし3:1であると報
告されている)に近付く速度は、非常に小さい。従っ
て、工業的な液相法において、操作および触媒の消費の
費用に関して反応器の処理量を高めるという条件と、ト
ランス異性体の割合の大きい生成物を得るという条件と
が対立する。
【0009】1,4−シクロヘキサンジメタノールの製
造時に好ましさの度合が低いシス−1,4−シクロヘキ
サンジメタノール異性体が過剰に存在する問題を克服す
る試みは、シクロヘキサンジメタノールのシス異性体か
らそのトランス異性体への異性化に焦点が向けられて来
た。
【0010】US−A−2917549は、シス−1,
4−シクロヘキサンジメタノールをリチウム、ナトリウ
ム、カリウム、カルシウム、アルミニウムのような低原
子量金属のアルコキシドの存在下、少なくとも200℃
の温度に加熱することから成る、シス−1,4−シクロ
ヘキサンジメタノールのトランス−1,4−シクロヘキ
サンジメタノールへの異性化方法を開示している。しか
しながら、US−A−2917549の方法は、当初の
シス/トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノール
水素化物を水素化ゾーンから回収し、窒素雰囲気中、金
属アルコキシド触媒の存在下、200℃を越える温度で
処理する必要がある。US−A−2917549に教示
された方法を実施するためのプラントの建設費および運
転費はかなりの高額とになるものと思われる。このよう
なプラントの他の不利な点は、異性化ゾーンにおける触
媒としての金属アルコキシドの使用に伴う危険性であ
る。このような触媒は、銅/クロムまたはラネーニッケ
ル触媒のような水素化触媒を使用する典型的な水素化条
件下では進行しないと報告されている異性化を、US−
A−2917549の実施例11の教示に従って実施す
るために必要である。更に、金属アルコキシド触媒によ
る製品の汚染を防ぐための工程が必要である。
【0011】US−A−4999090は、アルカリ金
属水酸化物またはアルコキシドの存在下150〜200
℃の温度と1〜50mmHg(1.33〜66.5ミリバール)
の圧力で蒸留することによりシス−1,4−シクロヘキ
サンジメタノールを異性化する方法を開示している。こ
の方法は、US−A−2917549の方法に非常に類
似した欠点を持っている。
【0012】GB−A−988316は、ジメチルヘキ
サヒドロテレフタレート(すなわちジメチル1,4−シク
ロヘキサンジカルボキシレート)のシスおよびトランス
異性体の混合物を銅/亜鉛触媒の存在下、高温高圧で水
素化する、トランス−1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールの製造法を教示する。トランス−1,4−ジメチロ
ールシクロヘキサン(すなわちトランス−1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール)を反応成績体から結晶化によっ
て分離し、シス−1,4−シクロヘキサンジメタノール
が富化された残留物を水素化ゾーンにリサイクルし、異
性化によりシス/トランス−1,4−シクロヘキサンジ
メタノール混合物を形成させる。リサイクルを繰り返し
実施することにより、トランス異性体を実質的過剰に含
む1,4−シクロヘキサンジメタノール製品が得られ
る。しかしながら、GB−A−988316の方法は、
より好ましくはリサイクルしたシス異性体富化物を新し
いジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート
供給物と共に水素化ゾーンに再導入するような条件下で
運転される。シス異性体を水素化ゾーンへリサイクルす
る効果は、主として水素化と異性化の触媒作用を持って
いる銅/亜鉛触媒の二重機能の結果である。熱動力学的
原理から予期されるように、異性化作用はシス異性体を
優位に含む混合物を水素化ゾーンにリサイクルすると
き、最も効果的である。しかしながら、シス異性体をこ
のようにリサイクルすることは、新しい問題、すなわち
1−メチル−4−ヒドロキシメチルシクロヘキサンのよ
うな好ましくない副生物が生成することが知られてお
り、このものは苛酷な条件下に水素化反応を実施した場
合に形成される。このような副生物の生成を抑制するた
めに、水素化ゾーンはGB−A−988316の教示
(例えば2頁55〜79行参照)に従い、「比較的温和な
条件」下に運転するのがよい。しかし、そのような温和
な条件は、水素化ゾーンのワンパスについてジメチルヘ
キサヒドロテレフタレート(ジメチル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレート)の相当量が未変化のまま残る
ため、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートの変換率が低下する。上記「比較的温和な条件」と
は、GB−A−988316の2頁26〜32行の記載
によれば、少なくとも200℃、好ましくは240〜3
00℃の温度と200〜300気圧(202.65〜30
3.98バール)の圧力を意味する。これら高い温度での
高圧の使用は、このように極端な圧力に耐えるように構
成された特別な合金の厚い壁とフランジを有する反応器
を必要とする他に、危険である。従ってGB−A−98
8316の教示と同じような高圧で運転するプラントを
建設することは高額となる。更に、プラントを200気
圧(202.65バール)またはそれ以上で操作するのは
極めて危険であり、プラントの建設費のみならず、運転
費の点でも、非常に高額なものとなる。この建設費の本
質的な部分は、高圧常套商業規模の水素化プラントを運
転する場合に注意されるべき苛酷な安全予防措置に関連
するものである。気体流をこのような高圧に圧縮し、プ
ラント内を循環させることもまた、高い費用を必要とす
る。
【0013】「気体相」を使用している文献(GB−A
−988316の1頁84行参照)もあるが、温度30
0℃でさえ、200〜300気圧(202.65〜30
3.98バール)の圧力で、その実施例に記載された水
素:エステル比において、シスおよびトランス−ジメチ
ルヘキサヒドロテレフタレートのいずれもが液相にある
ものと思われる。このように、GB−A−988316
の各実施例では、液相条件が使用されている。ジメチル
ヘキサヒドロテレフタレート(すなわち1,4−ジメチル
シクロヘキサンジカルボキシレート)およびリサイクル
方法において使用され得るようなメタノールを含有する
供給混合物を使用している実施例4では、水素化成績体
中ジオールで存在する異性体は、トランス異性体約72
%およびシス異性体28%、すなわちトランス:シス比
=約2.57:1の平衡混合物として現されている。
【0014】気相中におけるある種のエステルおよびジ
エステルの水素化は知られている。例えば、気体相でエ
ステルの水素化を行うために還元酸化銅/酸化亜鉛触媒
を使用することが提案されている。例えば、GB−B−
2116552およびWO−A−90/8121参照。
【0015】更に、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、
またはこれらの2種またはそれ以上の混合物のジメチル
またはジエチルエステルのようなジカルボン酸のエステ
ルの触媒的水素化によるブタン−1,4−ジオールなど
のジオールの製造が知られている。このような方法は、
例えばGB−A−1454440、GB−A−1464
263、DE−A−2719867、US−A−403
2458およびUS−A−4172961に記載されて
いる。
【0016】ジエステル、代表的にはマレイン酸、フマ
ル酸、コハク酸、およびそれらの2種またはそれ以上の
混合物から選択されるC4ジカルボン酸のジアルキルエ
ステルの気相水素化によるブタン1,4−ジオールの製
造が提案されている。このような方法において、ジエス
テルはジメチルまたはジエチルマレエート、フマレート
またはサクシネートのようなジ−C1ないしC4アルキル
エステルが都合良い。このような方法は、更にUS−A
−4584419、EP−A−0143634、WO−
A−86/03189、WO−A−86/07358お
よびWO−A−88/00937にもその記載を見るこ
とができる。
【0017】上記の気相方法の全てにおいて、エステル
またはジエステルはすべてジメチル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレートや1,4−シクロヘキサンジメ
タノールの蒸気圧と比較して高い蒸気圧を持つ。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ジア
ルキル(例えばジメチル)シクロヘキサンジカルボキシレ
ートの水添によりシクロヘキサンジメタノールを製造す
る方法であって、比較的低い圧力下に実質的に安全性お
よび経済性を高めて行うことのできる方法を提供するこ
とである。本発明の他の目的は、ジ−(C1−C4アルキ
ル)シクロヘキサンジカルボキシレート(例えばジメチル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)の水添によ
り1,4−シクロヘキサンジメタノールを製造する方法
であって、従来の水添方法によって達成されるよりも高
いトランス:シス異性体比を有する1,4−シクロヘキ
サンジメタノール生成物を、水添工程によって直接得ら
れる方法を提供することである。従って、本発明の更な
る目的は、極端な水添条件と、別の異性化工程とを伴う
前記のような従来の方法に要する高い装置および操作費
用を回避することである。本発明は、ジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレートのシスおよびトラン
ス異性体混合物を、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルのシス異性体よりもトランス異性体の割合の大きいシ
スおよびトランス異性体混合物に、高い選択性および高
い変換率で短時間で変換する方法を提供することをも目
的とする。本発明の他の目的は、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールの製法であって、与えられたジメチル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート供給原料か
ら特定の所望のトランス:シス異性体比(任意に変化し
得る)を有する生成物を製造することができる方法を提
供することである。本発明は更に他の目的は、種々のト
ランス:シス異性体比を有するジメチルシクロヘキサン
ジカルボキシレート供給原料から、所望のトランス:シ
ス異性体比を有するシクロヘキサンジメタノール生成物
を製造する方法を提供することである。本発明の更なる
目的は、1,4−シクロヘキサンジメタノールの製法で
あって、長時間の間に水添触媒は活性を低下し得るが、
実質的に一定の所望のトランス:シス比を有する生成物
が生成し続ける長時間にわたって行うことのできる方法
を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明は、エステル水添
触媒の存在下にジアルキル1,4−シクロヘキサンジカ
ルボキシレートを接触水添することによって、所望また
は所定のトランス:シス異性体比を有する1,4−シク
ロヘキサンジメタノールを連続的に製造する方法であっ
て、水添触媒の活性低下を伴いながら長時間にわたって
行うことができ、下記工程を含んで成る方法を提供す
る: (a)エステルの水添を触媒し得る顆粒状水添触媒を入れ
た水添域を設け; (b)予め選択した供給温度、供給圧力、ジアルキル1,4
−シクロヘキサンジカルボキシレート供給速度、および
水素含有ガス:ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカ
ルボキシレートモル比において、顆粒状水添触媒上を通
過するジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レートと水素含有ガスとの反応混合物中の、ジアルキル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートから1,4−
シクロヘキサンジメタノールへの変換の程度を測定する
ことによって、顆粒状水添触媒の基準活性(RA)を定
め; (c)所望のトランス:シス異性体比を有する1,4−シク
ロヘキサンジメタノールを製造する顆粒状水添触媒の基
準活性に応じて、予め選択した供給温度および供給圧力
で反応混合物が顆粒状水添触媒と接触する有効滞留時間
(ERT)を定め; (d)予め選択した水素含有ガス:ジアルキル1,4−シク
ロヘキサンジカルボキシレートモル比で、ジアルキル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートと水素含有
ガスとを含有する蒸気供給流を形成し; (e)供給流の露点よりも高い約150〜350℃の実質
的に一定の温度と、約150〜2000psia(約10.3
4〜137.90バール)の範囲の実質的に一定の圧力の
下、所望のトランス:シス異性体比の1,4−シクロヘ
キサンジメタノールを生成する触媒と接触する供給流の
実滞留時間(ART)に相当する速度で、蒸気供給流を水
添域に供給し; (f)1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有する生成
物流を水添域から回収し; (g)供給温度、供給圧力、ジアルキル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレート供給速度、および水素含有ガ
ス:ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートモル比の実際の条件下、ジアルキル1,4−シクロ
ヘキサンジカルボキシレートから1,4−シクロヘキサ
ンジメタノールへの変換の程度を測定することによっ
て、顆粒状水添触媒の実活性(AA)を経時的にモニター
し; (h)(i)ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レート供給速度および(ii)水素含有ガス:ジアルキル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートモル比から
選択する、水添域への蒸気供給流供給条件の少なくとも
1種を、供給流を露点よりも高温に保ちながら調節する
ことによって、関係式:ART=(ERT× RA)/A
Aに従い、所望のトランス:シス異性体比を有する1,
4−シクロヘキサンジメタノールを与える有効滞留時間
(ERT)に相当する、触媒と接触する蒸気供給流の実滞
留時間(ART)を求める。
【0020】本発明において、「滞留時間」とは、蒸気供
給流が、水添域への供給温度および供給圧力で、触媒の
入った反応器の空間を通過するのに要する時間を意味す
る。
【0021】基準活性(RA)を測定する際の予め選択し
た供給条件は、作業者の判断で選択する。この目的のた
めに、触媒寿命の初期に適用する供給条件と同等の供給
条件を用いることが好都合である。
【0022】導入した触媒の活性は実際、いつの時点で
も同じであるということはない。しかし、適当な工程条
件の選択に際して知りたいのは、触媒の全体的な活性で
ある。触媒活性の便利な評価基準は、触媒上を通過する
反応混合物中におけるジアルキル1,4−シクロヘキサ
ンジカルボキシレートの変換の程度である。水添域中、
実質的に一定の反応条件下において変換の程度が変化す
れば、触媒活性が変化したことがわかる。すなわち例え
ば、ある条件下のジアルキル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレートの変換の程度が、時間の経過と共に9
5%から90%に低下し、条件は不変であったとする
と、本発明において触媒活性は半分になったと言うこと
ができる。基準活性においてある条件下の変換率が99
%で、その後97%に低下したとすると、未変換のジア
ルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの割
合が3倍となったので、触媒の基準活性1.0に対し
て、後の実活性は0.33となる。
【0023】ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカル
ボキシレートは好ましくは、ジ−(C1−C4アルキル)
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート、例えばジ
メチル、ジエチル、ジ−n−もしくは−イソ−プロピ
ル、またはジ−n−、−イソ−もしくは−s−ブチル1,
4−シクロヘキサンジカルボキシレートであり、より好
ましくはジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レートである。
【0024】本発明は、与えられた温度および圧力にお
いて、ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レートの水添率と、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルの異性化率とが実質的に同じであり、それ故、ジアル
キル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの特定
の変換率において、特定のトランス:シス異性体比を有
する1,4−シクロヘキサンジメタノール生成物を得る
ことができるという発見に基づく。本発明の利点は、
(1)触媒寿命を通じて1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール生成物のトランス:シス異性体比を一定に保つこと
ができ、(2)1,4−シクロヘキサンジメタノール生成
物のトランス:シス異性体比を広い範囲(例えば約1:
1ないし3.84:1)で変化することができるという点
を包含する。すなわち、ジアルキル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレートから1,4−シクロヘキサンジ
メタノールへの変換が、適用する蒸気相水添条件下に非
常に短時間で起こり、実質的に完全な変換に数秒程度し
か要しないのみならず、水添域通過中に起こる1,4−
シクロヘキサンジメタノールの異性化が平衡に近付くの
も同様に短時間の間である。2種類の異なる反応を伴う
のであるから、そのようなことは驚くべき発見である。
従って、一定温度での平衡トランス:シス1,4−シク
ロヘキサンジメタノール比への接近と、ジアルキル1,
4−シクロヘキサンジカルボキシレートから1,4−シ
クロヘキサンジメタノールへの実質的に完全な変換と
を、水添域中の反応混合物の滞留時間約1分間まで、通
例約2〜15秒間で達成することができる。この滞留時
間は、従来の液相水添方法における長い滞留時間(例え
ば米国特許第3334149号の実施例1の滞留時間4
0〜50分間)とは顕著に対照的である。
【0025】本発明の方法は蒸気供給条件を用いて用
い、工程(e)において、供給流を実質的に液体不含有の
蒸気の形態で水添域に供給する。従って、供給流は、混
合物の露点よりも高い供給温度で水添域に供給する。本
発明の方法は、水添域全体が蒸気相条件となるように行
い得る。しかし、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカ
ルボキシレートを出発物質として使用する場合は、生成
物である1,4−シクロヘキサンジメタノールは、出発
物質ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
トよりも揮発性が小さい。従ってこの場合、特に供給流
温度が露点に近ければ、1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール含量の高い液体の凝縮が触媒上で起こる可能性が
ある。触媒上の1,4−シクロヘキサンジメタノール高
含有液体のこのような凝縮は、本発明の方法に有害では
ない。なぜなら、1,4−シクロヘキサンジメタノール
高含有液体中に存在し得るジメチル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレートの水添熱は、1,4−シクロヘ
キサンジメタノールの放熱効果によって得られるからで
ある。しかし、蒸気相供給条件の利点を実現しようとす
るならば、触媒床の入口端において供給流の温度は露点
よりも高くなければならない。本発明の方法において蒸
気相供給条件を用いると、液相法と比較して通例小さい
圧力を採用し得るという利点がある。このことは通例、
装置の建造費用だけでなく、作動費用の点でも、有意義
および有益である。
【0026】ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレート含量の高い液滴と触媒とが接触すると、エス
テル水添反応の発熱性の故に、触媒の局部的な過熱およ
び損傷が起こり得るので、そのようなことを避けるよう
注意しなければならない。従来の液相水添法において
は、触媒を液体でフラッドし、ジメチル1,4−シクロ
ヘキサンジカルボキシレートを不活性希釈剤(好ましく
は1,4−シクロヘキサンジメタノール)と混合して水添
域に供給することによって、前記のような危険性を排除
していた。
【0027】水添域において、水添可能な材料は、前記
式(1)に従って非常に急速に水添されて、1,4−シク
ロヘキサンジメタノールを生成する。それに加えて、用
いる水添条件下に、急速な異性化反応も起こる。従っ
て、シス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
シレート含量の高い供給原料からは、生成する1,4−
シクロヘキサンジメタノール生成物は、トランス−ジエ
ステル出発物質から生成する生成物よりも、トランス異
性体含量が高い傾向がある。高温の反応混合物を適当な
速度で水添触媒上に通すと、反応生成物混合物中の1,
4−シクロヘキサンジメタノールのトランス:シス異性
体比が、蒸気相水添条件による平衡値に近付く。ジメチ
ル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの水添の
場合、平衡比は3.84:1程度であることがわかっ
た。この比は、液相反応条件下にシス成分含量の高いジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートを供
給原料として使用した場合に達成されると報告されてい
る比2.57:1ないし3:1よりも明らかに大きい。
【0028】水添し得る材料が実質的に純粋なトランス
−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート
から成る場合は、シス−1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールがいくらか生成し得る。この場合、得られる1,
4−シクロヘキサンジメタノール生成物のトランス:シ
ス異性体比は約3.84:1よりも大きくなり得るが、
水添域中の滞留時間が増すにつれ、平衡トランス:シス
異性体比(すなわち約3.84:1)に近付き得る。
【0029】水添域に供給するジアルキル1,4−シク
ロヘキサンジカルボキシレートは、実質的に純粋なシス
−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
ト、トランス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカル
ボキシレート、またはシスおよびトランス異性体の任意
の比の混合物から成り得る。そのような混合物中のトラ
ンス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートとシス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレートとのモル比は、約0.01:1ないし100
0:1、好ましくは約0.05:1ないし1:1の範囲
であってよい。
【0030】ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレートは、高純度ジメチル1,4−シクロヘキサン
ジカルボキシレート、工業用ジメチル1,4−シクロヘ
キサンジカルボキシレート、シス−ジメチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレート、またはトランス−ジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートとし
て市販されている。本発明の方法に好ましい供給原料
は、工業用ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
シレートである。高純度、シスおよびトランス級のジメ
チル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートは、そ
の製造において更なる精製工程を要するからである。市
販のジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
トの通常のサンプル中、トランス:シス異性体比は約
0.5:1ないし0.6:1である。
【0031】本発明の開示に従って操作する装置を設計
する際、約3.84:1の平衡値に所望の程度近付いた
トランス:シス異性体比を有する1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール生成物を所望の生成率で得るために使用
する触媒量を決定する必要がある。この量は通例、1,
4−シクロヘキサンジメタノール生成物の所望のトラン
ス:シス異性体比が、触媒活性の最も大きい工程初期だ
けでなく、触媒有効寿命の末期にも達成されるように、
所望の変換率に充分な量を選択する。個別に、連続し
て、または並行して操作し得る2個またはそれ以上の水
添域に水添触媒を配置することによって、操作の自由度
が高められる。適当な触媒量の選択において、装置設計
者は、ガス供給圧縮機、ガス再循環圧縮機、および関連
するパイプの大きさも考慮しなければならない。
【0032】本発明方法で用いられる水素含有気体は、
新鮮な補給(make-up)気体または補給気体とリサイクル
(recycle)気体の混合物を含むことが出来る。補給気体
は、水素とCOやCO2のような任意の少量成分とアル
ゴン、窒素またはメタンのような不活性ガスの混合物で
あって、少なくとも70モル%の水素を含有するもので
あってよい。補給気体は、好ましくは少なくとも90モ
ル%、更に好ましくは少なくとも97モル%の水素を含
有していてもよい。補給気体は、適当な方法、例えば天
然ガスの部分的酸化または蒸気改質、続いて水性ガス移
動反応およびCO2吸収、続いて必要に応じ、酸化炭素
の残留痕跡の少なくとも幾分かのメタン化により生成す
ることが出来る。高純度水素補給気体が必要ならば、圧
力旋回吸収(pressure swing absorption)を用いること
も出来る。気体リサイクルを利用する場合、リサイクル
気体は、通常、水素化ゾーンの下流の成績体回収段階で
十分に凝縮されなかった水素化反応成績体の1種または
それ以上を少量含有する。例えば、気体リサイクルを用
いる場合、気体リサイクル流は、通常、微量のアルカノ
ール(例えば、メタノール)を含有するであろう。
【0033】本発明の方法は、約150℃以上で、約3
50℃以下の供給温度で行う。供給温度は、好ましくは
約150〜300℃、最も好ましくは約200〜260
℃の範囲である。
【0034】供給圧力は、約150〜2000psia(約
10.34〜137.90バール)の範囲である。供給圧
力450〜1000psia(約31.03〜68.95バー
ル)とすると、蒸気相供給条件の利点を好ましく実現す
ることができる。
【0035】本発明の方法においては、ジアルキル(例
えばジメチル)1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
トが、触媒床または各触媒床の入口端において蒸気相と
して存在するように、蒸気供給流を露点よりも高い温度
とする必要がある。すなわち、選択した工程条件下に、
蒸気供給混合物の温度が触媒床または各触媒床の入口端
において工程圧力下に常に露点を越えるように、蒸気供
給混合物の組成を調節しなければならない。「露点」と
は、ガスおよび蒸気の混合物が液体の滴または膜を生じ
始める温度を意味する。この露点における液体は通例、
蒸気相の全ての凝縮し得る成分と、溶解したガスとを、
通常の気/液基準を満足する濃度で含有し得る。通例、
水添域への蒸気供給混合物の供給温度は、工程圧力にお
ける露点よりも約5〜10℃またはそれ以上高い。
【0036】本発明の方法に使用する蒸気混合物を好都
合に形成するには、液体のジメチル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレートまたはジメチル1,4−シクロ
ヘキサンジカルボキシレート溶液を高温の水素含有ガス
の蒸気中に噴霧して、飽和または部分飽和蒸気混合物を
形成する。液体ジメチル1,4−シクロヘキサンジカル
ボキシレートまたはジメチル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレート溶液に高温の水素含有ガスを通気する
ことによっても、蒸気混合物を得ることができる。飽和
蒸気混合物を形成したら、触媒との接触前に部分飽和蒸
気混合物を形成するように、更に加熱するか、または更
なる高温ガスで希釈するべきである。
【0037】本発明の方法においては、水素含有ガス:
ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート
のモル比(水添および異性化反応の推進力の一つである)
は、他の工程パラメータ、例えば供給温度、供給圧力、
および水添触媒活性に応じて、広い範囲内で変化し得
る。
【0038】触媒床または各触媒床の入口端において、
蒸気供給流を工程圧力下に露点よりも高温に保つために
は、水素含有ガス:ジアルキル(例えばジメチル)1,4
−シクロヘキサンジカルボキシレートのモル比を、少な
くとも約10:1ないし8000:1とすることが望ま
しく、約200:2ないし1000:1とすることが好
ましい。しかし、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカ
ルボキシレートをジエステル出発物質として使用する場
合に、1,4−シクロヘキサンジメタノール含量の高い
液体の凝縮を避けようとして(1,4−シクロヘキサンジ
メタノールは、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカル
ボキシレートよりも揮発性が小さい)、触媒床または各
触媒床の全ての部分で接触する蒸気混合物を露点よりも
極端に高い温度にしなければならないわけではない。
【0039】本発明の方法は供給流を蒸気相として行う
が、工程(e)の水添域へのジアルキル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレートの供給速度は、水添触媒に通す
空間速度として表し、その空間速度は液空間速度として
表すことが好都合である。よって、水素化可能物質の水
素化触媒を通過する均等(equivalent)液体毎時空間速度
は、好ましくは約0.05〜4.0h-1である。言い換え
ると、液体水素化可能物質を、触媒の単位容量当たり、
毎時水素化可能物質の単位容量約0.05〜4.0に等し
い速度(即ち、触媒m3当たり約0.05〜4.0m3-1)
で蒸気化ゾーンに供給するのが好ましい。更に具体的に
は、液体毎時空間速度は、約0.1〜1.0h-1である。
【0040】水添触媒と接触する反応混合物の実滞留時
間は、水添域へのジアルキル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレートの供給速度、水素含有ガス:ジメチル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートのモル比、
水添域の触媒量、および水添域の温度と圧力から容易に
算出することができる。装置が、気化域の下流に連続ま
たは並行して連結された2個またはそれ以上の水添域を
有する場合には、場合に応じて使用すべき域の数を選択
することによって触媒の有効量を容易に変化することが
できる。
【0041】与えられたジアルキル(例えばジメチル)
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート供給原料か
ら、所望のトランス:シス異性体比を有する1,4−シ
クロヘキサンジメタノール生成物を製造するために必要
な実滞留時間は、ジアルキル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレート供給速度、水素含有ガス:ジアルキル
(例えばジメチル)1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レートのモル比、および触媒活性のような多数の因子に
よって異なる。触媒は工業用装置内で時間の経過と共に
活性を低下する傾向にあるが、その低下速度は、(何箇
月も測定するならば大きいが)比較的小さい。すなわ
ち、触媒活性の変化が顕著になるまでの時間よりは充分
短い時間にわたって実験的に、最も重要な四つの供給条
件(すなわち供給温度、供給圧力、供給速度、および水
素含有ガス:ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレートのモル比)を変化することによる効果を、1,
4−シクロヘキサンジメタノール生成物のトランス:シ
ス異性体比に及ぼすことが可能である。
【0042】基準時の触媒活性、すなわち基準活性(R
A)(便宜的に1.0とする)は、実験室用または工業用装
置内で、既知量の触媒を用いて標準的な任意の工程条件
下に、水素含有ガスと混合した蒸気供給流としての供給
原料を通して、ジアルキル(例えばジメチル)1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレートの変換の程度を測定す
ることによって、容易に定めることができる。後の任意
の時点の触媒の実活性(AA)(便宜的に、基準活性(A
A)に対して小さい数で表す(例えば0.89のように))
は、同じ工程条件および触媒を用いて、ジアルキル1,
4−シクロヘキサンジカルボキシレートから1,4−シ
クロヘキサンジメタノールへの変換の程度を再測定する
ことによって求めることができる。そのようなデータか
ら一連のデータを得ることができ、それにより、触媒の
基準活性を測定した時の予め選択した条件または標準的
な条件に戻る必要はなく、その場の条件下に触媒の実活
性を測定することが可能となる。
【0043】上記のように測定する触媒の実活性は、長
時間の水添工程の間に低下するので、関係式ART=
(ERT × RA)/AAに従って与えられた有効滞留
時間(ERT)を保つために実滞留時間(ART)を延長す
る必要のあることは明白である。
【0044】トランス:シス異性体比が約3.84:1
よりも小さい(例えば約0.5:1ないし0.6:1の)ジ
アルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート供
給原料を用いると、有効滞留時間を変化するように条件
を変化することによって、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール生成物のトランス:シス異性体比を、広い範囲
内(例えば約1:1ないし3.84:1)で所望の値に変
化し得ることが、実験により更にわかった。トランス:
シス異性体比が約3.84:1よりも大きいジアルキル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート供給原料を
使用する場合(例えば、トランス−ジメチルシクロヘキ
サンジカルボキシレートを供給原料として使用する場
合)には、1,4−シクロヘキサンジメタノール生成物の
トランス:シス異性体比は約3.84:1よりも大きく
なり得る。本発明を利用して、当業者は、与えられた触
媒の寿命を通じて触媒活性の低下にかかわらず1,4−
シクロヘキサンジメタノール生成物の所定のトランス:
シス異性体比を保つこと、またはジエステル供給原料の
異性体含量の変化にかかわらず生成物の異性体比を保つ
ことができる。また、所望の生成物組成の変化に応じて
生成物の異性体比を変化することも可能である。
【0045】ある特定の供給原料(例えばシス−ジメチ
ル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート)から所望
のトランス:シス異性体比の1,4−シクロヘキサンジ
メタノール生成物を製造するために適当な有効滞留時間
は、別の供給原料(例えばトランス−ジエステル)を用い
た場合と必ずしも同じではないことが理解されるであろ
う。従って、あるトランス:シス異性体比の生成物を製
造するのに有効滞留時間と有効工程条件とのどのような
組み合わせが必要であるかを知るために、個々の供給原
料に対して1種またはそれ以上の実験を行う必要があり
得る。そのような有効工程条件は通例、本発明の方法の
工程(d)および(e)において適用することが望ましい供給
温度、供給圧力、供給速度、および水素含有ガス:ジア
ルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートのモ
ル比の範囲から選択する条件である。あるトランス:シ
ス異性体比の供給原料に対して適当な工程条件を定めて
しまえば、異性体比がわずかしか異なっていない新たな
供給原料を用いる場合に、わずか1種または少数の試験
を行いさえすれば、その新たな供給原料を用いて所望の
異性体比をもたらす所望の新たな有効滞留時間を達成す
るためには、工程条件(先の供給原料に対し適当なもの)
にどのような変化を加える必要があるかを充分な精度で
知ることができるであろう。一方、新たなジアルキル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート供給原料の
トランス:シス異性体比が、先の供給原料の異性体比と
著しく相異する場合には、新たな有効滞留時間を決定す
るためのデータを得るために、より多くの実験を行う必
要があり得る。
【0046】触媒活性が低下すると、ジアルキル1,4
−シクロヘキサンジカルボキシレートの水添速度を改善
するために供給温度および/または供給圧力を調節し得
ることは、当業者に理解される。水添域への供給温度お
よび/または供給圧力を増す場合、異なる有効滞留時間
(ERT)が必要となることを除いては、同じ関係式を用
いてトランス:シス異性体比を調節することが可能であ
る。この新しい有効滞留時間(ERT)は、生成物のトラ
ンス:シス異性体比をモニターし、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール生成物の所望のトランス:シス異性体
比を達成するために必要に応じて実滞留時間(ART)を
調節することによって容易に定めることができる。
【0047】触媒活性が時間の経過と共に変化すると、
有効滞留時間を変化し、ジアルキル(例えばジメチル)
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートのモル変換
率を実質的に一定値に保つために、温度を変えることな
く供給速度を変えることが可能である。このように、供
給速度を変化することによって、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール生成物のトランス:シス異性体比を実質
的に所望の一定値に保つことができる。
【0048】供給流温度とその露点との温度差を一定に
保つための別の手法は、水添域への供給温度を高め、水
素含有ガス:ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカル
ボキシレートのモル比を低下することである。すなわち
例えば、供給流の供給温度を高め(他の条件が不変であ
れば、露点とそれを越える供給流温度との温度差が大き
くなる)、同時に水素含有ガス:ジアルキル1,4−シク
ロヘキサンジカルボキシレートのモル比を低下する(他
の条件が不変であれば、露点とそれを越える供給流温度
との温度差が小さくなる)ことによって、露点と供給温
度との差を有効に一定に保つことが可能である。水添域
への供給温度を変えると、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール生成物の所望のトランス:シス異性体比を保つ
ために新たな有効滞留時間が必要となることを、当業者
は理解するであろう。
【0049】時間が経過すると、触媒活性は低下する傾
向にある。しかし、適当な温度および圧力条件下に実質
的にジアルキル(例えばジメチル)1,4−シクロヘキサ
ンジカルボキシレートを含有しない水素含有ガス流で、
部分的に失活した水添触媒を処理することによって、触
媒を再生し得ることが実験によりわかった。そのような
手法を製造工程中に用いれば、実活性(AA)を再び高め
ることができ、そのような再生の後には、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール生成物の所望のトランス:シス
異性体比を達成するのに必要な有効滞留時間と所望のジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート変換
率とを再達成するために再生処理前よりも供給速度を高
め、および/または滞留時間を短縮する必要があり得
る。
【0050】特に好ましい方法においては、ジアルキル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートとしてシス
異性体含量の高い異性体混合物を使用し、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール生成物のトランス:シス異性体
比が約2:1ないし3.84:1、より好ましくは約2.
6:1ないし3.84:1となるように工程条件を選択
する。すなわち、本発明の方法により、シス異性体含量
の高い供給原料から、トランス:シス異性体比約2:1
ないし3.84:1(例えば約2.6:1ないし2.7:
1)の1,4−シクロヘキサンジメタノール生成物を、一
工程で容易に製造することができる。生成物のトラン
ス:シス異性体比は、少なくとも約2.6:1であるこ
とが好ましい。本発明により、トランス:シス異性体比
約3.1:1ないし3.84:1(例えば約3.2:1ない
し3.7:1)の1,4−シクロヘキサンジメタノール生
成物を一工程で製造することが可能である。より大きい
トランス:シス異性体比を有する1,4−シクロヘキサ
ンジメタノール生成物は、トランス−ジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレート出発物質から得るこ
とができる。
【0051】本発明の方法の蒸気相供給条件では、液相
条件下に報告されている通常の平衡化よりも大きいトラ
ンス:シス異性体比を有する1,4−シクロヘキサンジ
メタノール生成物混合物が、シス成分含量の高いジエス
テル供給原料から得られるということは、驚くべきこと
である。すなわち、シス成分含量の高いジエステル供給
原料から液相条件下に製造する1,4−シクロヘキサン
ジメタノール生成物の通常のトランス:シス異性体平衡
化は、好ましい条件下に約3:1であると報告されてい
るが、エステル(例えばジメチル1,4−シクロヘキサン
ジカルボキシレート)を常に蒸気相として供給する本発
明においては、トランス:シス異性体比が約1:1より
も小さいジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
シレート供給原料から、トランス:シス異性体比3.8
4:1もの1,4−シクロヘキサンジメタノールを製造
することができる。
【0052】従来技術においては、ジメチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレート(ジメチルヘキサヒド
ロテレフタレート)の水添により、多量の副生成物が生
成することが明らかになっている。すなわち、英国特許
第988316号には、1−メチル−4−ヒドロキシメ
チルシクロヘキサンのような望ましくない副生成物の生
成によって起こる問題が記載されている。本発明の方法
においては驚くべきことに、大過剰の水素が存在し、ジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの比
較的低い蒸気圧に対して水素分圧が非常に高いにもかか
わらず、反応が短時間で進行してジメチル1,4−シク
ロヘキサンジカルボキシレートから所望の生成物(すな
わち1,4−シクロヘキサンジメタノール)への変換率が
非常に高いだけでなく、その生成物の選択性が非常に高
く、それ故副生成物の収率が非常に低いということがわ
かった。すなわち、好ましい条件下に、ジメチル1,4
−シクロヘキサンジカルボキシレートから1,4−シク
ロヘキサンジメタノールへの変換率は98モル%または
それ以上にもなり得、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールの選択率も96モル%を越え得る。更に、適当な反
応条件下に、トランス:シス異性体比1:1未満のエス
テル出発物質(例えばジメチル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレート)を、トランス:シス異性体比が1:
1よりも大きく、通例約2.6:1ないし3.84:1
(従来技術に開示されている最大の平衡トランス:シス
異性体比よりもはるかに大きい値である)であるシクロ
ヘキサンジメタノール生成物に一工程で変換し得ること
もわかったが、これも驚くべきことである。更に驚くべ
きことに、この変換は比較的低い温度および圧力で達成
できることがわかった。
【0053】工業用装置内では、不均一エステル水添触
媒を入れた少なくとも二つの水添域を並行して接続する
ことが好ましい。それらの域にはそれぞれ、蒸気供給原
料混合物の供給を止めることができる。従って、孤立し
た域には、他の域とは実質的に異なる条件を適用するこ
とができ、例えば、孤立した域の中の触媒を再生または
交換する一方、他の域では本発明の方法を続けることが
できる。このことは、国際出願公開91/01961号
に記載の条件下にも行うことができる。その場合、並行
に接続した二つの水添反応器を使用する。新しい触媒を
用いての操作の最初の相においては反応器1個のみを使
用し、他方の反応器には触媒と水素を入れて待機させて
おく。時間が経過して触媒活性が幾分低下したら、第2
の反応器を使用し、その間に第1の反応器の準備を整え
る。更に時間の経過後、触媒全部を交換する時まで両方
の反応器を並行使用する。二つまたはそれ以上の水添域
を連続して接続すること、および所望により一つまたは
それ以上の水添域を迂回して使用中の触媒量を任意に減
らすことも可能である。
【0054】本発明の方法に使用する顆粒状触媒は、エ
ステルを水添または水素化分解して対応するアルコール
またはアルコール混合物とすることができるいずれの触
媒であってもよい。触媒は、ペレット、リングまたはサ
ドルのようないずれの適当な形状に成形してもよい。
【0055】通常のエステル水添触媒は、銅含有触媒お
よび第VIII族金属含有触媒を包含する。適当な銅含
有触媒の例には、銅/アルミナ触媒、還元酸化銅/酸化
亜鉛触媒(促進剤要または不要)、マンガン促進銅触媒、
および還元亜クロム酸銅触媒があり、適当な第VIII
族金属含有触媒には、プラチナ触媒およびパラジウム触
媒がある。適当な酸化銅/酸化亜鉛触媒前駆体として
は、CuO/ZnO混合物を含んでおり、Cu:Zn重量比
が、約0.4:1〜2:1であるものが含まれる。例と
して、DRD 92/71と呼ばれる触媒前駆体があ
る。促進化酸化銅/酸化亜鉛前駆体は、CuO/ZnO混
合物を含んでおり、そのCu:Zn重量比が、約0.4:
1〜2:1の範囲のものであり、約0.1〜15重量%
のバリウム、マンガンまたはバリウムとマンガンの混合
物により促進化される。このように促進化CuO/ZnO
混合物には、DRD 92/92の呼称で入手可能なMn
−促進化CuO/ZnO前駆体がある。適切な銅クロマイ
ト触媒前駆体には、約0.1:1〜4:1、好ましくは
約0.5:1〜4:1の範囲のCu:Cr重量比を持つも
のが含まれる。この型の触媒前駆体は、DRD 89/
21またはPG 85/1なる呼称で入手可能である。
促進化銅クロマイト前駆体は、約0.1:1〜4:1、
好ましくは約0.5:1〜4:1の範囲のCu:Cr重量
比を有するものが含まれ、約0.1〜15重量%のバリ
ウム、マンガンまたはバリウムとマンガンの混合物によ
り反応促進される。マンガン促進化銅触媒前駆体は、典
型的には、約2:1〜10:1のCu:Mn重量比を有し
ており、通常、約2:1〜4:1のCu:Al重量比とな
るようにアルミナ支持体を含有している。その具体例と
しては、触媒前駆体DRD 92/89がある。
【0056】上記一般呼称DRDまたはPGを有する触
媒は、全てイギリス、クリヴランド・TS18・3H
A、ストックトン−オン−ティーズ、ボウスフィールド
・レーン、P.O.Box 37のディビー・リサーチ・
アンド・デベロップメント・リミテッドから入手するこ
とが出来る。使用出来ると考えられる他の触媒として
は、P.S.WehnerらによりJournal ofCatalysis,136
420−426(1992)により記載された型のPd/ZnO触媒、
US−A−4837368およびUS−A−51854
76に開示された型の担持パラジウム/亜鉛触媒、US
−A−4929777に開示された型の化学的混合銅−
チタン酸化物などがある。更に本発明方法において使用
の対象となる触媒としては、A.El MansourらがAngew.
Chem.,101,360(1989)に報告したロジウム/スズ触媒
などを挙げることが出来る。
【0057】本発明方法で使用される触媒の物理的支持
体としては、支持体として知られているものを適宜に使
用することが可能であり、そのような支持体は、酸化亜
鉛、アルミナ、シリカ、アルミナ−シリカ、シリコンカ
ーバイド、ジルコニア、チタニア、炭素、ゼオライト、
またはそれらの適当な組合せなどの物質により提供され
る。
【0058】各水添域は、シェル−アンド−チューブ型
反応器を備えることが出来、これは等温またはほぼ等温
の条件下、管内の触媒および反対に殼内の冷却剤で操作
され得る多管式反応器から成ることがある。しかしなが
ら、普通は、建設費が低い点で断熱式反応器を用いるの
が好ましい。このような断熱式反応器は、水素化触媒の
単一充填部を有してもよく、また同じもしくは異なった
水素化触媒の触媒床の2つまたはそれ以上を有していて
もよい。所望ならば、外部または内部のインターベッド
(inter-bed)熱交換器を設け、入口温度を断熱型水素化
反応器の入り口から下流の1つまたはそれ以上の触媒床
に調節してもよい。
【0059】別の方法において、プラントは、少なくと
も2つの水添域を有しており、かつそれぞれに粒状水素
化触媒の充填物を含有しており、操作の第一相において
蒸気状供給流が少なくとも1つの水添域に供給されると
共に、他の水添域の少なくとも1つに水素含有気体流が
供給され、それによりその中で水素化触媒の充填物を再
活性化する。操作の第二相では、当該他の水添域の少な
くとも1つに蒸気状供給流を供給すると共に、前記少な
くとも1つの水添域に水素含有気体流が供給され、それ
によりその中で水素化触媒の充填物を再活性化する。
【0060】この方法では、稼働していないそのまたは
各水添域には、水素含有気体流が供給され、それにより
触媒充填物が再活性化される。通常は、この再活性化を
高温、典型的には約100〜350℃の温度で行うのが
好ましい。この再活性化工程において、各水添域への入
口温度は、使用中の水添域への蒸気供給流の入口温度よ
り低くても、それと実質的に同じでも、それよりも例え
ば約10〜50℃高くてもよい。このような再活性化段
階で用いられる水素含有気体流は、熱リサイクル補給気
体流を含んでいてもよい。
【0061】この別方法の一態様では、触媒の再活性化
を行っているゾーン水素含有気体流を回収するものであ
り、この気体流は、ジアルキル(例えばジメチル)シクロ
ヘキサンジカルボキシレートの蒸気状水素含有流と混合
されて、稼働ゾーンへの蒸気状供給流を形成する。もう
一つの態様では、触媒の再活性化を行っているゾーンか
ら水素含有気体流を回収するものであり、この気体流は
稼働ゾーンからの反応成績体流と混合される。更なる態
様では、触媒の再活性化を行っているゾーンから水素含
有気体流を回収するものであり、この気体流はジアルキ
ル(例えばジメチル)シクロヘキサンジカルボキシレート
を蒸気化してジアルキルシクロヘキサンジカルボキシレ
ートの蒸気状水素含有流を形成するのに使用される。な
お、熱リサイクル気体とジアルキル(例えばジメチル)シ
クロヘキサンジカルボキシレートの蒸気状水素含有流を
混合することにより、稼働ゾーンへの蒸気状供給流を形
成することは更に好都合である。触媒再活性化が起こっ
ている、そのまたは各水添域を通過する水素含有気体流
の流動方向は、そのゾーンが稼働している場合、そこを
通過する蒸気状供給流の流動方向と同じであっても逆で
あってもよい。
【0062】要約すると、本発明の方法は、シクロヘキ
サンジメタノール生成物のトランス:シス比が所望の値
となるように調節することができる。この調節は、本発
明の方法においては1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル生成物のトランス:シス異性体比は、水添域中でのジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの変
換率の関数であるという驚くべき発見によって達成する
ことができる。ジメチル1,4−シクロヘキサンジカル
ボキシレートの変換率は、有効滞留時間に影響され、有
効滞留時間は、適用する蒸気相水添条件下における触媒
活性、触媒量、供給温度、触媒床温度条件、供給圧力、
水素含有ガス:ジメチル1,4−シクロヘキサンジカル
ボキシレート比、および触媒への反応混合物供給速度の
関数である。従って、水添域中でのジメチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレートの変換量を触媒の老化
に応じて調節し、または触媒を再生することによって、
1,4−シクロヘキサンジメタノール生成物のトラン
ス:シス比を調節することができる。
【0063】好ましい実施態様の詳細な説明 図1はフローチャートであり、商業的プラントでは更に
温度および圧力センサー、圧力リリーフバルブ、コント
ロールバルブ、レベルコントローラーなどの装置部材が
付加的に必要となることは、当業者にとって理解出来る
ところである。このような付属の装置部材を設けること
は、本発明の必須構成要素ではなく、慣用的な化学工学
技術に過ぎない。更に、本発明の範囲は、様々な流れの
加熱、蒸気化および凝縮の具体的な方法、またはそのた
めに設けられる加熱器、熱交換器または蒸気化あるいは
凝縮装置の配列により、何ら制限を受けるべきものでは
ない。本発明の要件を満たす図1に示された以外の装置
を、慣用的な化学工学技術に従い、図示されている装置
の代わりに用いることも出来る。
【0064】図1を参照するに、テクニカル級ジメチル
1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートは、操作の
第1相において、ライン1でパッキング4のベッド上の
蒸発器容器3の上部に位置する蒸発器ノズル2に供給さ
れる。熱水素含有気体流は、ライン5で蒸発器容器3の
底部に供給される。ジメチル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレートを含む飽和蒸気状混合物は、ライン6
で蒸発器容器3の頂部から回収される。生じた蒸気状混
合物を、更にバルブ8で調節しながらライン7からの熱
水素含有気体と混合する。合わせた材料流は、水素:ジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートモル
比が約400:1、圧力が約905psia(約62.40バ
ール)、温度が約220℃となっており、これをバルブ
9およびライン10によって水添反応器11に供給す
る。水添反応器11には、ペレット化した不均一水添触
媒12(例えば還元亜クロム酸銅またはクロム不含有触
媒DRD92/89)の床が入っている。水添反応生成
物混合物は、ライン13により反応器11から排出さ
れ、バルブ14を通ってライン15に入る。ライン15
へ入った水添反応生成物混合物は、熱互交換器16で冷
却され、生じた部分的凝縮混合物は、ライン17で冷却
器18を通り、そこで更に冷却される。生じた気体と凝
縮物の混合物はライン19で気体−液体分離器20へ流
れて行き、そこからメタノールと粗1,4−シクロヘキ
サンジメタノールの混合物がライン21で回収される。
ライン22における未凝縮の気体状混合物は、不活性気
体およびメタノール蒸気と共に未反応水素を含んでお
り、コンプレッサー23により圧縮されて、ライン24
で圧縮気体流を得る。
【0065】ライン24における圧縮リサイクル気体を
ライン25からの補給水素含有気体と合する。ライン2
6におけるこの合した混合物を、熱交換器16を通過さ
せて加熱し、ライン27で加熱器28に流し込み、その
温度をジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ート供給物の蒸気化をもたらすに適当な温度まで上げ
る。生じた熱気体をライン29で2つの気体流に分け、
一方はライン5の、他方はライン30の気体流とする。
この後者の気体流を更に加熱器31で約240℃まで加
熱し、ライン32、バルブ33およびライン34と35
を通過させて、操作の第1相では再活性化モードとなっ
ている第2の水素化反応器36の底へ導く。反応器36
は水添触媒37の充填物を含有している。ライン7で反
応器36の頂部を出た熱気体を、既に記載したようにラ
イン6での飽和蒸気状混合物と混合し、その中の水素:
ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの
モル比を増大させ、その温度を露点以上、例えば少なく
とも5〜10℃以上高い温度に上げる。
【0066】プラントはまたライン38および39とバ
ルブ40および41を含んでおり、両方ともこの操作相
では閉じられている。ライン42は、蒸発器容器3の底
部に集められた“重質類(heavies)”を含有する流れを
吸引し得るものである。43は、循環気体中に不活性ガ
スが増えるのを制限するため、パージガス流を取り出す
ことが出来るパージガスラインを示している。このよう
な不活性ガスはライン25で補給気体流にまぎれてプラ
ントに入ることがある。
【0067】時間が経過すると、触媒12の活性は幾分
低下し得る。使用中の水添域の出口流において、1,4
−シクロヘキサンジメタノール生成物のトランス:シス
異性体比をモニターすることによって、この比を所望の
値に保つことができる。反応条件を変更すること、例え
ば水添触媒上の空間速度を低下することによって、有効
滞留時間を実質的に一定に保つことができ、それによ
り、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
トの変換率を実質的に一定の値に保つことができる。こ
のようにして、生成物のトランス:シス異性体比を所望
の値、例えば約2.6:1ないし2.7:1またはそれ以
上で約3.84:1までの値(例えば約3.1:1ないし
3.7:1)に保つことが可能である。
【0068】操作期間後、触媒充填物12の活性は再活
性化が望まれる点まで低下しているであろう。触媒不活
性化の理由は明確ではないが、この触媒活性の損失の原
因として考えられるのは、エステル交換反応により触媒
表面上に不揮発性ポリエステルの痕跡が形成されること
である。このエステル交換反応は、例えばジメチル1,
4−シクロヘキサンジカルボキシレートと、1,4−シ
クロヘキサンジメタノールまたは水素化反応の中間生成
物であると考えられるメチル4−ヒドロキシメチルシク
ロヘキサンカルボキシレートもしくはジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレートと1,4−シクロヘ
キサンジメタノールエステルとの間の交換生成物である
ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチル1,4−シクロ
ヘキサンジカルボキシレートとの間で生ずるものと推定
される。生成した2量体または3量体物質は、更に蒸気
状混合物の成分と反応して、これらの低重合体鎖を伸長
させることとなる。ポリエステルおよび混合ポリエーテ
ル−ポリエステルもまた形成することがある。
【0069】このような触媒表面上の重合体副生物は、
水素化されやすい。故に、熱水素含有気体との処理によ
る触媒の再活性化が可能である。更に本発明の背景をな
すジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート
の水素化に関する実験研究過程において、理由はともあ
れ、部分的に不活性化された触媒の熱水素含有気体流に
よる処理は、触媒活性を少なくとも部分的に回復させる
に有益な効果を示すことが認められた。
【0070】従って、操作の第2相では、バルブ33を
閉じ、バルブ41を開けると共に、バルブ14を閉じ、
バルブ40を開ける。これにより、新しいまたは再活性
化した触媒充填物37を持つ水素化反応器36を稼働さ
せ、他方、反応器11を再活性化モードにし、その触媒
の部分的不活性化充填物12を再活性化する。この操作
の第2のモードでは、ライン6の飽和蒸気状混合物をラ
イン10からの熱水素含有気体と混合して蒸気状供給混
合物を形成させ、この混合物はライン7で反応器36と
その触媒充填物37に流れる。生じた反応混合物は、ラ
イン35および38によりバルブ40を通ってライン1
5に流れる。ライン32からの熱水素含有気体はバルブ
41を通ってライン39に行き、その後ライン13を通
って水素化反応器11の底部に行く。
【0071】操作のこの第2相においても、使用中の水
添域からの出口流の1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル生成物のトランス:シス異性体比をモニターすること
ができ、前記のように条件を調節して水添域中の反応混
合物の有効滞留時間を実質的に一定に保ち、それによっ
てトランス:シス−1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル比を所望のレベルに保つことができる。
【0072】触媒充填物37がある程度不活性化したと
き、バルブ14、33、40および41を再調整して水
添反応器11および36の流れを切り変えて操作の第1
相の流れに戻すことが出来る。上記段階は、都合の良い
程度に繰り返すことが出来、反応器11および36を再
活性化手段によりもはや触媒活性が所望の増加を示さな
くなるまで、またはプラントを整備またはその他の理由
などで閉鎖しなければならなくなるまで順に稼働させ、
そのうえで触媒充填物12および37を排出し、触媒ま
たは触媒前駆体の新しい充填物に置換することが出来
る。
【0073】ライン25における補給気体は、水素、C
OやCO2のような任意の少量成分およびアルゴン、窒
素またはメタンのような不活性ガスの混合物であって、
少なくとも水素を約70モル%含有するものであり得
る。補給気体は、水素を好ましくは少なくとも90モル
%、より好ましくは少なくとも97モル%含有する。補
給気体は、常套の方法、例えば天然ガスの部分的酸化ま
たは蒸気改質、それに続く水性ガス移動反応およびCO
2吸収、必要ならばそれに続く酸化炭素の残留痕跡の少
なくとも幾分かのメタン化により製造することが出来
る。高純度水素補給気体が所望ならば、圧力旋回吸収を
用いることも出来る。
【0074】プラントの運転開始時に、反応器11およ
び36をそれぞれ、銅クロマイト触媒前駆体のような不
均一系水素化触媒前駆体の充填物で充填する。しかしな
がら、反応器11および36は、DRD92/89のような
クロムを含まない水素化触媒を充填するのが好ましい。
その後、触媒供給業者の指示に従って、触媒前駆体を注
意深く還元する。EP−A−0301853の方法を用いて銅
クロマイト前駆体を還元する場合には、その後、触媒床
12および37の両者を同時に還元することが出来る。
触媒前駆体を予備還元した後、熱水素含有気体をプラン
ト中に循環させる。蒸発器容器3および反応器11の入
り口温度が適温に達したら、ライン1でのジメチル1,
4−シクロヘキサンジカルボキシレートの流入を開始
し、プラントを操作の第1相で稼働状態にする。
【0075】以下に実施例を挙げて、本発明を更に詳細
に説明する。実施例で使用された触媒A〜Bの組成は、
表Iに示したとおりである。触媒の酸素含量は、各場合
において分析対象から除外された。実施例は、図3と共
に、触媒活性の変化に応じて工程中に選択する必要のあ
る反応条件に関して、当業者に教示を与えるものであ
る。
【0076】
【表1】
【0077】
【実施例】
実施例1 図2に示す実験装置を用いて、工業用ジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレートの水添を行った。工
業用原料の組成は、次の通りであった: トランス−ジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート34.
47重量%、シス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレート62.61重量%、式:
【化3】 で示されるメチル水素1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレート1.50重量%、水0.05重量%、および残
部の不純物。
【0078】商業的プラントでは、水素ガスを、水素添
加生成物から分離して有利には水素添加域へ再循環させ
ている。水素再循環流れは所定量の、ジメチル1,4−
シクロヘキサンジカルボキシレートの水添によって生成
したメタノール蒸気を含んでいる。よって、商業プラン
トの水素添加域に供給された蒸気混合物は、一般に水素
および不飽和有機化合物に加え、メタノールを含んでい
る。以下に記載の実験装置は、商業的操作で得られるで
あろう結果を正確に予測できるものでなければならず、
このため、蒸発器へ供給される液体供給物につき、商業
プラントの再循環水素流れに含まれるであろう所定量の
メタノールに相当する所定量の液体メタノールによって
修正した。以下に記載の実験装置では水素を再循環させ
るが、再循環水素流れ中に含まれる所定量のメタノール
は、対応する商業的再循環流れに含まれるものよりも比
較的少ない量とした。この差異が生じたのは、実験装置
内の再循環ガスが、商業プラントで好適に冷却される温
度よりも実質的に低い温度に冷却されるためである。こ
のため、実験上の再循環水素流れから、より多量のメタ
ノールが「たたき出される」。実験装置と商業プラント
の間のこの不一致は、実験装置に用いられる器具、とく
に分析器具の精巧さにより必然的なものである。この実
施例および後続の全ての実施例において、メタノールを
実験用の液体生成物に対し、実験用再循環水素流れ中に
実際に存在するメタノール量を差し引いた、仮に実験装
置を商業的な条件下に操作した場合に実験用再循環流れ
中に存在する釣りあったメタノール量と実質的に等しい
用量で添加する。当該実施例では、変換率や単位時間当
たりの空間速度のような全てのパラメーターは、メタノ
ール不存在下の基準で算出した。
【0079】実験用装置は図2に示した。約70重量%
メタノール溶液の高純度グレイドのジメチル1,4−シ
クロヘキサンジカルボキシレートを貯蔵器100からバ
ルブ101、ライン102およびバルブ103により液
体供給ポンプ104へ供給する。ビュレット105は緩
衝的な供給を付与する一方、ビュレット106はバルブ
101をコントロールする液体レベルコントローラー
(図示せず)を付設して備え、その結果、液体供給物の、
貯蔵器100から液体供給ポンプ104への一定の水頭
での供給が保証される。液体供給物を非返還バルブ10
7および単離バルブ108を介してライン109へポン
プ供給するが、ここは、加熱液体が6mm×6mmのガラス
リング112床上方の絶縁蒸発器111内に入る前に電
気加熱テープ110で加熱することができる。ステンレ
ススチール・デミスターパッド113は蒸発器111の
頂部に付設する。高温水素含有ガスの流れはライン11
4の蒸発器111の底部に供給する。ドレインバルブ1
16を付設して備える液体ドレインライン115は蒸発
器111の基部から未蒸発液体供給物質(たとえば、重
質類)の回収を可能にさせる。蒸発器111へ供給され
た液体供給物の蒸発は、加熱テープ117により促進さ
れる。ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートおよび水素からなる飽和蒸発混合物は、蒸発器11
1の頂部からライン118により回収する。蒸気混合物
は、粒状亜クロム酸銅水添触媒121(200ml、32
1.1g)床を含む水添反応器120の頂部に入る前に、
加熱テープ119により加熱して当該混合物の露点以上
の温度に上昇させる。当該触媒は表Iの触媒Aである。
ガラスリングは反応器120内の触媒床121の上下に
充填する。蒸気混合物は、ジメチル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレートの1,4−シクロヘキサンジメ
タノールへの転化が断熱条件で生じる触媒床121介し
下方に進行する。断熱性は、反応器120周囲の絶縁物
質内の電気加熱テープ(図示せず)により、好適な位置に
配置した熱電対(図示せず)のコントロールの下に維持さ
れる。総反応は穏やかな発熱反応で、触媒床の温度は通
常約1〜2℃上昇する。水添生成物混合物は、ライン1
22の水添反応器120に存在し、熱交換器123を通
過するが、この熱交換器は、水添生成物混合物の冷却
と、ライン124からの水素含有ガスの供給物の加熱を
同時に行う。ライン122における1,4−シクロヘキ
サンジメタノールの大半の凝縮は熱交換器123で起こ
る。ライン124のガスはライン125からの水素含有
ガスからなり、所望によりライン126から供給された
メタン、アルゴン、窒素などの不活性ガスの混合物また
は単独の不活性ガスを含む。ライン125のガスはライ
ン127により供給された補給水素と、ライン128に
より供給された再循環水素から構成される。ライン12
7による補給水素は、ライン129および/またはライ
ン130の流れにより、ライン125へ、圧力コントロ
ーラー131〜136および高純度水素シリンダー(図
示せず)からのマスフロー・コントローラー137のシ
ステムを介して供給する。
【0080】熱交換器123からの加熱水素含有ガス
は、ライン114を通過し、さらに電気的加熱テープ1
38により加熱し、蒸発器111へ供給する。熱交換器
123からの冷却水素添加生成物はライン139を通過
し、さらにクーラー140で室温付近の温度に冷却す
る。クーラー140からの液体/蒸気混合物はライン1
41を通過して、第1ノックアウト・ポット142に入
るが、ここに液体水素添加生成物が集められ、バルブ1
43、ライン144およびコントロールバルブ145に
よる最終的な供給によって製品ライン146へ送られ
る。水素および未凝縮メタノールからなる蒸気混合物
は、ライン147のノックアウト・ポット142の頂部
に存在し、さらにクーラー148で温度10℃に冷却さ
れる。クーラー148からの付加的に冷却した液体/蒸
気混合物は、ライン149を介し、第2ノックアウト・
ポット150へ供給するが、ここに凝縮メタノールが集
められ、バルブ151およびライン152を介する最終
的な供給により製品ライン146へ送る。ノックアウト
・ポット150からのガスおよび未凝縮物質は、ライン
153を介し吸引ポット154を通ってライン155内
に入り、次いでバルブ156を介してガス再循環圧縮器
157へ送る。ガスは、バルブ158、ライン128、
125、124および114を介して貯蔵器111へ再
循環する。窒素などの不活性ガス濃度のコントロールの
ために、再循環ガス中に、パージガス流をライン159
のシステムからバルブ160のコントロールの下に流入
させる。参照番号161はバイパスバルブを示す。
【0081】本発明の装置の始動時点で、触媒充填物を
反応器120へ内に入れ、次いで窒素で当該反応器をパ
ージする。触媒充填物を次いでEP−A−030185
3開示に従い還元した。次いで、適当に希釈した工業用
ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート
を、86/ml/hの速度(液空間速度0.43h-1に相当)
で蒸発器111にポンプ輸送した。ライン118中の蒸
気混合物のH2: ジメチル1,4−シクロヘキサンジカ
ルボキシレートモル比は338:1であった。反応器1
20の温度を230℃に、圧力を901psia(62.12
バール)に保った。すなわち、水添域の条件は、ジメチ
ル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートと、より
揮発性の小さい1,4−シクロヘキサンジメタノール生
成物との両方の凝縮を防止する条件とした。水添域の温
度は全体に、工程圧力下の露点よりも高い温度であっ
た。
【0082】ライン146の液体は、毛管ガスクロマト
グラフィにより、長さ15mおよび内径0.32mmの溶融
シリカカラム(DBワックスの0.25μm膜で内部被
覆)、ヘリウム流速2ml/分(ガス供給分割比=100:
1)およびフレーム・イオン化検出器を用い、定期的に
分析した。当該機器はピーク・インテグレイターを有す
るチャート・レコーダーを備え、市販の試料である既知
組成のジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
ートを用いて検定した。また出口ガスを採取し、ガスク
ロマトグラフィによりクロマトグラフィ法を用いて分析
した。ピークの同定は、当該物質の基準試料の分析によ
って観察された保持時間の比較およびマススペクトルに
より確認した。反応混合物中に検出された化合物には、
以下のものが含まれていた:1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレート、4−メトキシメチル・シクロヘキサンメタ
ノール、ジ(4−メトキシメチルシクロヘキシルメチル)
エーテルおよびメタノール。貯蔵庫100からのジメチ
ル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの供給溶
液中に存在するメタノールを差し引くと、水添反応の化
学量論に従い変換されたジメチル1,4−シクロヘキサ
ンジカルボキシレート1モルごとに、メタノール2モル
が検出された。結果を以下の表IIに、後続の実施例2〜
8の結果とともに掲げた。触媒の実活性は、工程の開始
時に標準工程条件下に測定した、新たに還元した触媒の
基準活性を1.0とした場合の値である。実施例1にお
いて、触媒の実活性は0.68であったが、これは、新
しい触媒を使用した時と比較して、標準条件下の未変換
ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの
割合が1.47倍であったということである。すなわ
ち、実活性は、新たな触媒の基準活性1.0に対して1
/1.47、すなわち0.68ということである。
【0083】
【表2】 表2の注釈: DMCO=ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
シレート LHSV=液空間速度 CHDM=シクロヘキサンジメタノール ガス=水素含量が98%v/vを越える水素含有ガス
【0084】実施例2〜8 実施例1と同様の手順で、同じ供給溶液を用い、亜クロ
ム酸銅触媒(表1の触媒A)による実験を更に7回行っ
た。それらは、種々の工程条件下に予想される触媒寿命
を測定するように行った。得られた結果を表2に示す。
いずれの場合も、触媒と接触する蒸気混合物は露点より
も高温であった、各実施例の触媒の実活性は、標準条件
の供給温度、供給流圧力、供給原料流速および水素流速
の読み取り前または直後に測定した。
【0085】実施例1〜8のデータは1回の実験をある
時間にわたって行って得たもので、実施例を行った時間
にわたって触媒活性が顕著に低下するにもかかわらず、
一定の有効滞留時間(ERT)を保つことによって一定の
トランス:シス異性体比が得られることを示している。
【0086】実施例1〜3は、液空間速度として0.4
1〜0.43の供給速度で、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール生成物のトランス:シス異性体比が一定である
ことを示す。有効滞留時間を実質的に一定に保ち、それ
により1,4−シクロヘキサンジメタノール生成物のト
ランス:シス異性体比を実質的に一定に保つには、圧力
と、水素含有ガス:ジメチル1,4−シクロヘキサンジ
カルボキシレートモル比を少し変化させれば充分であ
る。それらの実施例を行った時間の間、ジメチル1,4
−シクロヘキサンジカルボキシレートの変換率は平均9
9.0%であった。実施例4以降は、残りの試験時間に
わたってジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
レートの変換率を平均98.8%に保つように、ジメチ
ル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレート供給速度
を低下した。この間、標準試験条件下で測定した触媒活
性は著しく低下した。しかし、供給速度と、水素含有ガ
ス:ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
トモル比との調節によって、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール生成物のトランス:シス異性体比と、1,4
−シクロヘキサンジメタノールの選択性とを殆んど一定
のレベルに保った。この間、供給圧力の変化はわずかし
か必要なかった。
【0087】実施例9〜17 工程条件の変更がジメチル1,4−シクロヘキサンジカ
ルボキシレートの水添に及ぼす影響を表3に示す。その
ような結果は、1,4−シクロヘキサンジメタノール生
成物の選択したトランス:シス異性体比を達成するため
に供給条件をどのように変化し得るかを示している。
【0088】
【表3】
【0089】実施例10、13および17は、供給圧力
変化による影響と、供給圧力の増加によりトランス:シ
ス異性体比が高まることとを示す。実施例12、13お
よび16は、供給速度変化による影響と、供給速度の増
加によりトランス:シス異性体比が低下することとを示
す。実施例9、15および17は、供給温度変化による
影響と、供給温度の上昇によりトランス:シス異性体比
が高まることを示す。いずれの実施例においても、生成
物が蒸気相中に存在するように水素:ジエステル比を適
当に調節した。
【0090】実施例9〜17のデータは、実施例1〜8
において使用したものと同じ触媒を用いて、ある時間に
わたって水添実験を行って得たものである。それらの結
果は、それらの実施例を通じて標準条件下に測定した実
触媒活性があまり変化しないように、比較的短時間で得
たものである。工程条件を適当に変化することによっ
て、広範なトランス:シス異性体比の1,4−シクロヘ
キサンジメタノール生成物が得られることがわかる。実
施例9と11とを比較すると、実質的に圧力が異なって
も、(ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレー
ト供給速度が同じでも)供給温度と、水素含有ガス:ジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートモル
比を調節すれば、トランス:シス異性体比が同様に小さ
い生成物を得ることができることがわかる。実施例15
および17は、圧力が同程度で、ジメチル1,4−シク
ロヘキサンジカルボキシレート供給速度が異なる場合、
温度と、水素含有ガス:ジメチル1,4−シクロヘキサ
ンジカルボキシレートモル比を調節すれば、生成物のト
ランス:シス異性体比を同程度にできることを示してい
る。実施例10および13は、圧力の影響を示すもの
で、供給流温度を同程度に露点よりも高めるために水素
含有ガス:ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボキ
シレートモル比を必要に応じて調節したことを除いて
は、条件は実質的に一定である。実施例14および16
は、一定の供給温度の下、ジメチル1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシレートの供給速度を実質的に変化する
ことによる影響を示すものである(ただし、圧力と、水
素含有ガス:ジメチル1,4−シクロヘキサンジカルボ
キシレートモル比とを少し変化させた)。
【0091】図3は、供給温度と供給圧力との2種の異
なる組み合わせに対する、有効滞留時間と、得られる
1,4−シクロヘキサンジメタノール生成物のトラン
ス:シス異性体比との相関を示すグラフである。図3に
おいて、実線は供給圧力の900psia(62.05バー
ル)および供給温度240℃でのトランス:シス異性体
比と有効滞留時間との相関を示し、破線は供給圧力45
0psia(31.03バール)および供給温度215℃での
同様の相関を示す。他の供給温度/供給圧力組み合わせ
に対しても、同様のグラフを作成することができる。当
業者はそのようなグラフに基づいて、有効滞留時間を一
定とし、それによりトランス:シス異性体比を実質的に
一定にするために必要な適当な条件を選択することがで
きる。
【0092】
【発明の効果】本発明の製法によれば、比較的低い圧力
下に、従来法によって達成されるよりも高いトランス:
シス異性体比を有する1,4−シクロヘキサンジメタノ
ールを連続的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 並行して接続した2個の水添反応器内で、ジ
メチル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの水
添により1,4−シクロヘキサンジメタノールを製造す
るための装置の簡単な流れ図である。
【図2】 単一の水添域内で、ジメチル1,4−シクロ
ヘキサンジカルボキシレートの水添により1,4−シク
ロヘキサンジメタノールを製造するための実験装置の簡
単な流れ図である。
【図3】 供給温度と供給圧力との2種の組み合わせに
対する実験結果から導いた、有効滞留時間と、1,4−
シクロヘキサンジメタノール生成物のトランス:シス比
との相関を示すグラフである。
【符号の説明】
1……ライン、2……ノズル、3……気化器、4……パ
ッキング、5……ライン、6……ライン、7……ライ
ン、8……バルブ、9……バルブ、10……ライン、1
1……水添反応器、12……水添触媒、13……ライ
ン、14……バルブ、15……ライン、16……熱交換
器、17……ライン、18……冷却器、19……ライ
ン、20……気液分離器、21……ライン、22……ラ
イン、23……圧縮器、24……ライン、25……ライ
ン、26……ライン、27……ライン、28……ヒータ
ー、29……ライン、30……ライン、31……ヒータ
ー、32……ライン、33……バルブ、34……ライ
ン、35……ライン、36……反応器、37……水添触
媒、38……ライン、39……ライン、40……バル
ブ、41……バルブ、42……ライン、43……パージ
ガスライン。100……貯蔵器、101、103……バ
ルブ、102……ライン、104……ポンプ、105、
106……ビュレット、107……バルブ、108……
バルブ、109……ライン、110……加熱テープ、1
11……蒸発器、112……ガラスリング、113……
デミスターパッド、114……ライン、115……ドレ
インライン、116……ドレインバルブ、117、11
9……加熱テープ、118……ライン、120……水添
反応器、121……水添触媒、122……ライン。12
3……熱交換器、124〜130……ライン、131〜
136……圧力コントローラー、137……マス・コン
トローラー、138……加熱テープ、139……ライ
ン、140……クーラー、141……ライン、142…
…第1ノックアウト・ポット、143……バルブ、14
4……ライン、145……バルブ、146……製品ライ
ン、147……ライン、148……クーラー、149…
…ライン、150……第2ノックアウト・ポット、15
1……バルブ、152、153……ライン、154……
吸引ポット、155……ライン、156……バルブ、1
57……圧縮器、158……バルブ、159……ライ
ン、160……バルブ、161……バイパスバルブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 リチャード・クライブ・スプラット イギリス、イングランド、エイチエイ2・ 0キューアール、ミドルセックス、サウ ス・ハーロウ、サウスダウン・クレセント 50番 (72)発明者 マイケル・ウィリアム・マーシャル・タッ ク イギリス、イングランド、エスダブリュー 16・1キューエル、ロンドン、リジンデイ ル・ロード5番

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル水添触媒の存在下にジアルキル
    1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートを接触水添
    することによって、所望または所定のトランス:シス異
    性体比を有する1,4−シクロヘキサンジメタノールを
    連続的に製造する方法であって、水添触媒の活性低下を
    伴いながら長時間にわたって行うことができ、下記工程
    を含んで成る方法: (a)エステルの水添を触媒し得る顆粒状水添触媒を入れ
    た水添域を設け; (b)予め選択した供給温度、供給圧力、ジアルキル1,4
    −シクロヘキサンジカルボキシレート供給速度、および
    水素含有ガス:ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカ
    ルボキシレートモル比において、顆粒状水添触媒上を通
    過するジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レートと水素含有ガスとの反応混合物中の、ジアルキル
    1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートから1,4−
    シクロヘキサンジメタノールへの変換の程度を測定する
    ことによって、顆粒状水添触媒の基準活性(RA)を定
    め; (c)所望のトランス:シス異性体比を有する1,4−シク
    ロヘキサンジメタノールを製造する顆粒状水添触媒の基
    準活性に応じて、予め選択した供給温度および供給圧力
    で反応混合物が顆粒状水添触媒と接触する有効滞留時間
    (ERT)を定め; (d)予め選択した水素含有ガス:ジアルキル1,4−シク
    ロヘキサンジカルボキシレートモル比で、ジアルキル
    1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートと水素含有
    ガスとを含有する蒸気供給流を形成し; (e)供給流の露点よりも高い約150〜350℃の実質
    的に一定の温度と、約150〜2000psia(約10.3
    4〜137.90バール)の範囲の実質的に一定の圧力の
    下、所望のトランス:シス異性体比の1,4−シクロヘ
    キサンジメタノールを生成する触媒と接触する供給流の
    実滞留時間(ART)に相当する速度で、蒸気供給流を水
    添域に供給し; (f)1,4−シクロヘキサンジメタノールを含有する生成
    物流を水添域から回収し; (g)供給温度、供給圧力、ジアルキル1,4−シクロヘキ
    サンジカルボキシレート供給速度、および水素含有ガ
    ス:ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレ
    ートモル比の実際の条件下、ジアルキル1,4−シクロ
    ヘキサンジカルボキシレートから1,4−シクロヘキサ
    ンジメタノールへの変換の程度を測定することによっ
    て、顆粒状水添触媒の実活性(AA)を経時的にモニター
    し; (h)(i)ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシ
    レート供給速度および(ii)水素含有ガス:ジアルキル
    1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートモル比から
    選択する、水添域への蒸気供給流供給条件の少なくとも
    1種を、供給流を露点よりも高温に保ちながら調節する
    ことによって、関係式:ART=(ERT× RA)/A
    Aに従い、所望のトランス:シス異性体比を有する1,
    4−シクロヘキサンジメタノールを与える有効滞留時間
    (ERT)に相当する、触媒と接触する蒸気供給流の実滞
    留時間(ART)を求める。
  2. 【請求項2】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシ
    レートはトランス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジ
    カルボキシレートである請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 ジアルキルシクロヘキサンジカルボキシ
    レートはシス−ジメチル1,4−シクロヘキサンジカル
    ボキシレートである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカ
    ルボキシレートは、ジアルキルシクロヘキサンジカルボ
    キシレートのシス−およびトランス−異性体の混合物か
    ら成る請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 蒸気混合物中の水素含有ガス:ジアルキ
    ルシクロヘキサンジカルボキシレートモル比が約20
    0:1ないし1000:1である請求項1〜4のいずれ
    かに記載の方法。
  6. 【請求項6】 水添域への供給温度が約150〜300
    ℃である請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 水添域への供給温度が約200〜260
    ℃である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 供給圧力が約450〜1000psia(約
    31.03〜68.95バール)である請求項1〜7のい
    ずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 触媒は、還元マンガン促進銅触媒、還元
    亜クロム酸銅触媒、および還元促進亜クロム酸銅触媒か
    ら成る群から選択する請求項1〜8のいずれかに記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 触媒は、バリウム、マンガンおよびそ
    れらの混合物から成る群から選択する少なくとも1種の
    促進剤を約15重量%以下の量で含有する請求項9記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 ジアルキル1,4−シクロヘキサンジ
    カルボキシレートは、液空間速度として約0.05〜4.
    0h-1の速度で供給する請求項1〜10のいずれかに記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 有効滞留時間は、トランス:シス異性
    体比約2.0:1ないし3.84:1の1,4−シクロヘ
    キサンジメタノール生成物が得られるように選択する請
    求項1〜11のいずれかに記載の方法。
  13. 【請求項13】 工程(h)において、少なくとも1種の
    供給条件の調節は、ジアルキル1,4−シクロヘキサン
    ジカルボキシレート供給速度の調節を含んで成る請求項
    1〜12のいずれかに記載の方法。
JP00080394A 1993-12-02 1994-01-10 ジアルキル1,4−シクロヘキサンジカルボキシレートの接触水添による1,4−シクロヘキサンジメタノールの製法 Expired - Lifetime JP4153049B2 (ja)

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