JPH07157544A - エポキシ樹脂硬化剤、フェノール樹脂の製造方法及び電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料 - Google Patents

エポキシ樹脂硬化剤、フェノール樹脂の製造方法及び電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料

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JPH07157544A
JPH07157544A JP30882693A JP30882693A JPH07157544A JP H07157544 A JPH07157544 A JP H07157544A JP 30882693 A JP30882693 A JP 30882693A JP 30882693 A JP30882693 A JP 30882693A JP H07157544 A JPH07157544 A JP H07157544A
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晴昭 陶
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 Tgが高く、耐リフロークラック性に優れた
電子部品封止用エポキシ樹脂用硬化剤。 【構成】 ヒドロキシフェニルフルオレン類5〜20モ
ル%及びナフトール類20〜60モル%含むフェノール
類並びにアルデヒド類を、酸触媒の存在下に反応させた
後、常圧下120〜180℃に加熱して得られるフェノ
ール樹脂からなるエポキシ樹脂硬化剤。この硬化剤は、
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の硬化剤として、
電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂の硬化剤
として好適なフェノール樹脂の製造方法及びこの製造方
法によって製造されたフェノール樹脂を用いた電子部品
封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。本発明
になる電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料は、特に高
いガラス転移点(Tg)及び耐はんだリフロークラック
性を同時に高い水準で満たさなければならないような要
求特性が厳しいVLSIの製造に好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】トランジスタ、ICなどの電子部品封止
の分野ではエポキシ樹脂成形材料が広く用いられてい
る。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特性、耐湿
性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性などの
諸特性にバランスがとれているためである。特にオルト
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェノールノボ
ラック硬化剤の組合せは、これのバランスに優れてお
り、IC封止用成形材料のベース樹脂の主流になってい
る。
【0003】一方、IC製品は、プリント配線板に高密
度で実装するため、薄型、小型化している。ところが、
薄型、小型化したICパッケージは、配線板へのはんだ
付け(リフロー工程)時に、クラックを生じやすいとい
う問題がある。現在この現象を防止することが表面実装
型ICに係る大きな課題となっている。そして、この課
題に応えて、TSOP(Thin Small Out
line Package)等の薄型パッケージを対象
に、ビフェニル骨格型エポキシ樹脂を用いた封止用成形
材料が提案された(特開昭58−39677号公報参
照)。ビフェニル骨格型エポキシ樹脂は、吸湿性、耐湿
性が良好なであり、これを用いた封止用成形材料は、耐
リフロークラック性に優れている。
【0004】ところが、このビフェニル骨格型エポキシ
樹脂の硬化剤としてフェノールノボラック樹脂を用いる
と、Tgが低くなる。そこで、フェノールノボラック樹
脂に各種置換基を導入したり、ナフトール骨格を導入す
ることが試みられている(特開平4−199856号公
報参照)。しかし、IC封止用成形材料用とした場合、
軟化点、流動性の点から、骨格構造に剛直な構造は不利
であり、あまりにバルキーな置換基や剛直な構造は導入
されていないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる状況
に鑑みなされたもので、Tgが高く、耐リフロークラッ
ク性に優れた電子部品封止用エポキシ樹脂用硬化剤用フ
ェノール樹脂及びそれを用いた電子部品封止用エポキシ
樹脂成形材料を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、硬化剤と
して用いるフェノール樹脂の、分子量及び分子量分布が
Tg、耐リフロークラック性などに影響するとの知見に
基づき、本発明に至った。
【0007】本発明は、ヒドロキシフェニルフルオレン
類5〜20モル%及びナフトール類20〜60モル%含
むフェノール類並びにアルデヒド類を、酸触媒の存在下
に反応させた後、常圧下120〜180℃に加熱して得
られるフェノール樹脂からなるエポキシ樹脂硬化剤であ
る。そして、このフェノール樹脂は、ヒドロキシフェニ
ルフルオレン類5〜20モル%及びナフトール類20〜
60モル%含むフェノール類並びにアルデヒド類を、酸
触媒の存在下に反応させた後、常圧下120〜180℃
に加熱することによって得られる。
【0008】ヒドロキシフェニルフルオレン類として
は、9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フル
オレン、9,9−ビス−(4−ヒドロキシ−3−メチル
フェニル)−フルオレン、9−(4−ヒドロキシフェニ
ル)−フルオレンなどが挙げられ、特に、9,9−ビス
−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレンが好適であ
る。なお、これらフルオレン類は、単独でも、2種以上
を併用してもよい。
【0009】ナフトール類としては、1−ナフトール、
2−ナフトール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、
1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキ
シナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレンなどが
挙げられ、1−ナフトール、2−ナフトールがなかでも
好適である。ナフトール類も、フルオレン類と同様に、
単独でも、2種以上を併用してもよい。
【0010】ヒドロキシフェニル−フルオレン類、ナフ
トール類以外のフェノール類としては、フェノール、o
−クレゾール、p−クレゾール、ブチルフェノール、キ
シレノール、ノニルフェノールなど通常のフェノール樹
脂合成に用いられるフェノール化合物が挙げられ、単独
でも、2種以上を併用してもよい。
【0011】フェノール類には、ヒドロキシフェニルフ
ルオレン類5〜20モル%及びナフトール類20〜60
モル%含む必要があり、ヒドロキシフェニルフルオレン
類とナフトール類とのモル比は、ヒドロキシフェニルフ
ルオレン類をH、ナフトール類をNとすると、H/N=
0.05〜0.4とするのが好ましい。ヒドロキシフェ
ニルフルオレン類が5モル%より少ないと、耐熱性、耐
湿性が劣り、20モル%より多いと、得られるフェノー
ル樹脂の軟化点が高く、、また溶融粘度も大きくなる。
ナフトール類が20モル%より少ないと耐熱性、耐湿性
が劣り、60モル%より多いと、得られるフェノール樹
脂の軟化点が高く、また溶融粘度も大きくなる。
【0012】これらフェノール類とアルデヒド類とを、
酸触媒の存在下に、フェノール類1モルに対してアルデ
ヒド類0.3〜1.0モルを反応させる。
【0013】アルデヒド類としては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなど一般にフ
ェノール樹脂の合成に使用されるアルデヒド類が使用さ
れる。
【0014】触媒として使用される酸としては、塩酸、
硫酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢
酸等の強酸が挙げられる。
【0015】本発明におけるフェノール樹脂の製造工程
は、3つの段階に分けることができる。
【0016】第1段階は、初期重合反応である。初期重
合反応条件は、一般的には60〜110℃の温度で実施
するのが好ましい。反応時間は使用した触媒の種類や量
により異なるが、通常1〜24時間である。
【0017】第2段階は、分裂再配列反応である。この
分裂再配列反応は、初期重合反応終了後、常圧下120
〜180℃の条件で1〜12時間行う。反応系からは、
縮合水等が留去し、平衝状態に達する。この間にメチレ
ン鎖の開裂反応と再結合反応が起こり、低分子量化と狭
分散化が起こる。
【0018】第3段階は、未反応モノマーの除去であ
る。分裂再配列終了後、反応生成物を230℃以下の温
度で減圧濃縮及び/又は水蒸気蒸留を用いて除去する。
未反応物が所定の量になったときに、生成樹脂を反応容
器から取り出し冷却することにより、所望のエポキシ樹
脂硬化剤用フェノール樹脂が得られる。
【0019】本発明のエポキシ樹脂硬化剤は、構造式が
化2で示されるエポキシ樹脂に配合し、無機充填剤を加
えて電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料とされる。
【化2】
【0020】構造式が化2で示されるエポキシ樹脂は、
ビフェニル骨格を有するものであり、エポキシ樹脂の純
度、特に加水分解性塩素量はICなどの素子上のアルミ
配線腐蝕に係るため少ない方がよく、耐湿性の優れた電
子部品用エポキシ樹脂成形材料を得るためには、500
ppm以下であることが好ましいが、特に限定するもの
ではない。なお、加水分解性塩素量とは、試料のエポキ
シ樹脂1gをジオキサン30mlに溶解し、1N−KO
Hメタノール溶液5mlを添加して30分リフラックス
後電位差滴定により求めた値を尺度とした値である。
【0021】ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂は、
4,4’−ビスヒドロキシ、3,3’,5,5’−テト
ラメチルビフェニルをエピクロロヒドリンを用いてジグ
リシジルエーテル化することにより得ることができる。
【0022】前記構造式化2で示されるエポキシ樹脂の
ほかに、電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に
使用されてエポキシ樹脂を併用してもよい。それらを例
示すれば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オル
トクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールク
レゾールノボラック型エポキシ樹脂及び脂環族エポキシ
樹脂などがあり、これらを適宜何種類でも併用すること
ができる。この場合、ビフェニル骨格型エポキシ樹脂
は、最低でも30重量%、望ましくは、50重量%以上
必要である。併用するエポキシ樹脂の流動性が悪いとき
は、ビフェニル骨格型エポキシ樹脂の量を多くする。
【0023】必要により、エポキシ基とフェノール性水
酸基の硬化反応を促進するため、硬化促進剤を使用す
る。この硬化促進剤としては、例えば、1、8−ジアザ
ビシクロ(5、4、0)ウンデセン−7、トリエチレン
ジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノ−ツア
ミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルア
ミノメチル)フェノール、などの3級アミン類、2−メ
チルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フ
ェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイ
ミダゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィ
ン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフ
ィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなど
の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・
エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウ
ム・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウ
ム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルボ
リン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボ
ロン塩などがある。これらの硬化促進剤は、エポキシ樹
脂成形材料中に、好ましくは0.005〜3重量%配合
される。
【0024】無機充填剤は、吸湿性、線膨張係数低減、
熱伝導性向上及び強度向上のために配合されるものであ
り、溶融シリカ、ガラス、アルミナ、ジルコン、珪酸カ
ルシウム、炭酸カルシウム、炭化珪素、窒化珪素、窒化
ホウ素、ベリリア、ジルコニア、チタン酸カリウムなど
が、粉末又は球形化したビーズとして用いられる。単結
晶繊維、ガラス繊維なども配合することができる。無機
充填剤の配合量は、成形材料全体に対して、60体積%
以上、さらには65体積%以上が好ましい。配合量は樹
脂との混練が可能な範囲で、多いほどよい。多すぎる
と、樹脂と混練できなくなる。上記の無機充填剤の中
で、線膨張係数低減の観点からは溶融シリカが、高熱伝
導性の観点からは、アルミナが好ましく、充填剤形状は
成形時の流動性及び金型摩耗性の点から球形が好まし
い。
【0025】その他の添加剤として、高級脂肪酸、高級
脂肪酸金属塩、エステル系ワックスなどの離型剤、カー
ボンブラックなどの着色剤、エポキシシラン、アミノシ
ラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、アルキルシラ
ン、有機チタネート、アルミニウムアルコレートなどの
カップリング剤及び難燃剤などを必要により配合する。
【0026】
【作用】フェノール樹脂、特にノボラック樹脂は、80
℃〜還流温度で初期反応を行い、その後昇温し、減圧下
で濃縮反応を行うことにより所定の分子量、軟化点の樹
脂を得るのが一般的である。この反応において、未反応
フェノール類を除く系において、初期反応、還流反応、
減圧濃縮と時間が経過するのに伴い、平均分子量は増大
し、分子量分布が広くなる。その結果、流動性が悪くな
り、軟化点も高くなる。
【0027】しかしながら、還流反応終了後、120〜
180℃で1〜12時間反応を行うことによって、メチ
レン鎖の開裂及び再結合反応が起こり、低分子量化する
とともに分子量分布も狭くなる。特に、ナフトール類を
含むフェノール樹脂においては、低分子量化狭分散化が
顕著である。この反応を利用することにより骨格構造が
剛直で一般的な合成法により合成した場合、軟化点及び
流動性などの問題点から利用できないような骨格構造、
例えば9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンを利用することが可能となった。本発明によれば、
ナフトール類(N)とヒドロキシフェニルフルオレン類
(H)とフェノール類(P)とアルデヒド類(F)を反
応モル比H/N=0.05〜0.4、{F/(H+N+
P)}=0.3〜1.0で酸触媒の存在下で反応させる
ことにより、未反応モノマーを除く数平均分子量が20
0〜500であり、多分散度(Mw/Mn)が1.6以
下の狭分散樹脂を得ることができる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】実施例1 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコに、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1
22g、1−ナフトール380g、o−クレゾール40
0g、37%ホルマリン222g、2規定塩酸2mlを
入れ、オイルバス中にて、還流温度で反応を4時間続け
た。還流反応終了後、分裂再配列反応を150℃で4時
間行った。その後、減圧下に、180℃、3時間濃縮し
た。得られた樹脂は、数平均分子量(Mn)397、未
反応物8.5%、多分散度(Mw/Mn)1.31、軟
化点114℃であった。
【0030】数平均分子量(Mn)及び多分散度(Mw
/Mn)の測定は、日立製作所製高速液体クロマトグラ
フィL6000及び島津製作所製データ解析装置C−R
4Aを用いた。分析用GPCカラムは、東ソ−株式会社
製G2000HXL+G3000XLを使用した。試料濃度
は0.2%、移動相はテトラヒドロフランを用い、流量
1.0ml/minで測定を行った。数平均分子量は、
ポリスチレン標準サンプルを用いて検量線を作成し、そ
れを用いて計算した。
【0031】得られた樹脂72部(重量部 以下同
じ)、エポキシ当量190のメチル基置換ビフェニル骨
格型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ株式会社製YX
−4000Hを使用)80部、トリフェニルホスフィン
2.5部、カルナバワックス3部、カーボンブラック1
部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4
部、石英ガラス粉825部を配合し、10インチ径の加
熱ロールを使用して、80〜90℃、7〜10分混練し
て、電子部品封止用成形材料を得た。
【0032】実施例2 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコに、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1
31g、1−ナフトール202g、o−クレゾール57
8g、37%ホルマリン203g、2規定塩酸2mlを
入れ、オイルバス中にて、還流温度で反応を4時間続け
た。還流反応終了後、分裂再配列反応を140℃で4時
間行った。その後、減圧下に、180℃、3時間濃縮し
た。得られた樹脂は、数平均分子量(Mn)368、未
反応物7.5%、多分散度(Mw/Mn)1.28、軟
化点105℃であった。以下実施例1と同様にして、電
子部品封止用成形材料を得た。
【0033】実施例3 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコに、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1
22g、1−ナフトール300g、2−ナフトール80
g、o−クレゾール300g、p−クレゾール100
g、37%ホルマリン222g、2規定塩酸2mlを入
れ、オイルバス中にて、還流温度で反応を4時間続け
た。還流反応終了後、分裂再配列反応を160℃で4時
間行った。その後、減圧下に、180℃、3時間濃縮し
た。得られた樹脂は、数平均分子量(Mn)420、未
反応物8.5%、多分散度(Mw/Mn)1.42、軟
化点118℃であった。以下実施例1と同様にして、電
子部品封止用成形材料を得た。
【0034】実施例4 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコに、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン2
44g、1−ナフトール380g、o−クレゾール40
0g、37%ホルマリン263g、2規定塩酸2mlを
入れ、オイルバス中にて、還流温度で反応を4時間続け
た。還流反応終了後、分裂再配列反応を130℃で4時
間行った。その後、減圧下に、180℃、3時間濃縮し
た。得られた樹脂は、数平均分子量(Mn)410、未
反応物6.5%、多分散度(Mw/Mn)1.45、軟
化点120℃であった。以下実施例1と同様にして、電
子部品封止用成形材料を得た。
【0035】比較例1 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコに、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1
22g、1−ナフトール380g、o−クレゾール40
0g、37%ホルマリン222g、2規定塩酸2mlを
入れ、オイルバス中にて、還流温度で反応を4時間続け
た。還流反応終了後、減圧下に、180℃、3時間濃縮
した。得られた樹脂は、数平均分子量(Mn)590、
未反応物6.8%、多分散度(Mw/Mn)1.61、
軟化点140℃であった。以下実施例1と同様にして、
電子部品封止用成形材料を得た。
【0036】比較例2 撹拌機、冷却器、温度計を備えた2lのフラスコに、
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン1
31g、1−ナフトール202g、o−クレゾール57
8g、37%ホルマリン203g、2規定塩酸2mlを
入れ、オイルバス中にて、還流温度で反応を4時間続け
た。還流反応終了後、減圧下に、180℃、3時間濃縮
した。得られた樹脂は、数平均分子量(Mn)530、
未反応物7.2%、多分散度(Mw/Mn)1.62、
軟化点138℃であった。以下実施例1と同様にして、
電子部品封止用成形材料を得た。
【0037】比較例3 実施例1で得られた樹脂に代えて、フェノール・アラル
キル樹脂74部(三井東圧株式会社、商品名XL−22
5を使用)を用い、以下実施例1と同様にして、電子部
品封止用成形材料を得た。
【0038】比較例4 実施例1で得られた樹脂に代えて、ナフトール樹脂59
部(日本化薬株式会社、商品名NH−7000を使用)
を用い、以下実施例1と同様にして、電子部品封止用成
形材料を得た。
【0039】得られたエポキシ樹脂成形材料について、
スパイラルフロー、ガラス転移点、曲げ弾性率及び耐リ
フロークラック性を調べた。その結果を表1及び表2に
示す。それぞれの、試験方法は以下の通りである。な
お、試験片の作製及びフラットパッケージの成形は、1
80℃、90秒、6.9MPaの条件で行い、成形後、
180℃、5時間後硬化した。
【0040】スパイラルフロー試験(流動性の指標)、 EMM−I−66に準拠し、180℃、6.9MPaで
測定 単位:cm
【0041】ガラス転移点(Tg) 理学電機株式会社製の熱機械分析装置(TMA−814
1BS、TAS−100)により19mm×4mm×4
mmの形状の試験片を用いて、昇温速度5℃/分で測定
単位:℃
【0042】曲げ弾性率 東洋ボールドウィン株式会社製テンシロンを用い、JI
S−K−6911に準拠した3点支持型の曲げ試験によ
り測定 単位:GPa
【0043】耐リフロークラック性 6×6(mm)の素子を搭載した54ピン、42アロイ
リードのQFP(フラットパッケージ)型IC(フラッ
トパッケージのサイズ:19×14×2.0(mm))
を作製し、85℃/85%RHの加湿条件に所定時間
(表に記載した各時間)保持した後、VPS(Vapo
r Phase Soldering 気相はんだづ
け)装置により、215℃、90秒の条件でリフローを
行い、パッケージクラックを目視で確認した。
【0044】
【表1】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 試験項目 1 2 3 4 ─────────────────────────────── スパイラルフロー 82 102 85 90 ガラス転移点 151 145 155 150 曲げ弾性率 23.9 23.9 24.5 22.8 ─────────────────────────────── 耐リフロー 18時間 0/5 0/5 0/5 0/5 クラック性 24時間 0/5 0/5 0/5 0/5 (不良数/ 36時間 0/5 0/5 0/5 0/5 試験数) 48時間 1/5 0/5 2/5 2/5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0045】
【表2】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 比較例 試験項目 1 2 3 4 ─────────────────────────────── スパイラルフロー 40 45 89 7 ガラス転移点 165 160 113 150 曲げ弾性率 23.2 23.9 22.9 23.2 ─────────────────────────────── 耐リフロー 18時間 2/5 3/5 0/5 0/5 クラック性 24時間 5/5 5/5 0/5 1/5 (不良数/ 36時間 5/5 5/5 0/5 3/5 試験数) 48時間 5/5 5/5 1/5 5/5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0046】表から、本発明のエポキシ樹脂成形材料
は、流動性が良好で、ガラス転移点が高く、耐リフロー
クラック性が良好であることがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明によって得られたエポキシ樹脂用
硬化剤を用いたエポキシ樹脂成形材料は、流動性、ガラ
ス転移点、耐クラック性いずれについても優れている。
電子部品の分野、特にQFP(フラットパッケージ)、
SOP(スモールアウトラインパッケージ)などのIC
ではパッケージが薄型、小型になり、素子の大型化と伴
い高いガラス転移点、耐リフロークラック性が要求され
ており、本発明になるエポキシ樹脂成形材料は、これら
の製品へ広く適用でき、その工業的価値は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/29 23/31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒドロキシフェニルフルオレン類5〜2
    0モル%及びナフトール類20〜60モル%含むフェノ
    ール類並びにアルデヒド類を、酸触媒の存在下に反応さ
    せた後、常圧下120〜180℃に加熱して得られるフ
    ェノール樹脂からなるエポキシ樹脂硬化剤。
  2. 【請求項2】 ヒドロキシフェニルフルオレン類が、
    9,9−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−フルオレ
    ンである、請求項1記載のエポキシ樹脂硬化剤。
  3. 【請求項3】 ナフトール類が、1−ナフトール及び/
    又は2−ナフトールである、請求項1又は2記載のエポ
    キシ樹脂硬化剤。
  4. 【請求項4】 ヒドロキシフェニルフルオレン類5〜2
    0モル%及びナフトール類20〜60モル%含むフェノ
    ール類並びにアルデヒド類を、酸触媒の存在下に反応さ
    せた後、常圧下120〜180℃に加熱することを特徴
    とするフェノール樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 構造式が化1で示されるエポキシ樹脂、
    請求項1、2又は3記載のエポキシ樹脂硬化剤及び無機
    充填剤を必須成分とする電子部品封止用エポキシ樹脂成
    形材料。 【化1】
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