JP3049898B2 - 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及びこれを用いたicパッケ−ジ - Google Patents
電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及びこれを用いたicパッケ−ジInfo
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Description
樹脂成形材料に関するもので、特に、表面実装用プラス
チックパッケージICが対象となる。
子部品封止の分野ではエポキシ樹脂成形材料が広く用い
られている。この理由としては、エポキシ樹脂が電気特
性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着
性などの諸特性にバランスがとれているためである。特
に、オクソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂とフェ
ノールノボラック硬化剤の組み合わせはこれらのバラン
スに優れており、IC封止用成形材料のベース樹脂とし
て主流になっている。
ント配線板への高密度実装化が進んでおり、これに伴い
電子部品は従来のピン挿入型のパッケージから表面実装
型のパッケージが主流になっている。IC、LSIなど
の表面実装型ICは実装密度を高くし、実装高さを低く
するために薄型、小型のパッケージになっており、素子
のパッケージに対する占有体積が大きくなりパッケージ
の肉厚は非常に薄くなってきた。さらに、これらのパッ
ケージは従来のピン挿入型のものと実装方法が異なって
いる。即ち、ピン挿入型パッケージはピンを配線板に挿
入した後、配線板裏面からはんだ付けを行うため、パッ
ケージが直接高温にさらされることがなかった。しか
し、表面実装型ICは配線板表面に仮止めを行い、はん
だバスやリフロー装置などで処理されるため、直接はん
だ付け温度にさらされる。この結果、ICパッケージが
吸湿した場合、はんだ付け時に吸湿水分が急激に膨張
し、パッケージをクラックさせてしまう。現在、この現
象が表面実装型ICに係わる大きな問題となっている。
現行のベース樹脂組成で封止したICパッケージでは、
上記の問題が避けられないためICを防湿梱包して出荷
したり、配線板へ実装する前に予めICを充分乾燥して
使用するなどの方法がとられている。しかし、これらの
方法は手間がかかり、コストも高くなる。本発明は係る
状況に鑑みなされたもので、配線板への実装の際、特定
の前処理をすることなく、はんだ付けを行うことができ
る電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料を提供しようと
するものである。
解決するために鋭意検討を重ねた結果、ベース樹脂とし
てナフタレン骨格を有する特定のエポキシ樹脂を配合す
ることにより上記の目的を達成しうることを見い出し、
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、 (1)(A)構造式が
環を有するエポキシ樹脂を含有しないことを特徴とする
電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料、 (2)(A)成分のエポキシ樹脂が2,7−ジヒドロキ
シナフタレン及びβナフトールを原料とすることを特徴
とする上記(1)に記載の電子部品封止用エポキシ樹脂
成形材料、 (3)上記(1)又は(2)に記載の電子部品封止用エ
ポキシ樹脂成形材料を用いて電子部品を封止したICパ
ッケ−ジ、である。
フタレン骨格を有する、構造中にナフタレン環以外の芳
香族環を含まない2核体ナフタレン型エポキシ樹脂であ
り、エポキシ樹脂の純度、特に加水分解性塩素量はIC
など素子上のアルミ配線腐食に係わるため少ない方がよ
く、耐湿性の優れた電子部品封止用エポキシ樹脂成形材
料を得るためには500ppm 以下であることが好ましい
が、特に限定するものではない。ここで、加水分解性塩
素量とは試料のエポキシ樹脂1gをジオキサン30mlに
溶解し、1N−KOHメタノール溶液5mlを添加して3
0分間リフラックス後、電位差滴定により求めた値を尺
度としたものである。(A)のエポキシ樹脂は、ジヒド
ロキシナフタレン及びナフトールを原料として、酸触媒
下でホルムアルデヒドと反応させて得られた樹脂をエポ
キシ化することで合成できるが、ジヒドロキシナフタレ
ンの比率が高いほどガラス転移温度、高温強度は高くな
り、耐リフロークラック性にも優れることが分かった。
さらに、(A)で示す構造を効率よく得るためには、
2,7−ジヒドロキシナフタレン及びβナフトールを原
料とすることが望ましい。
しては、上記(A)の構造式で示されるものの他に、電
子部品封止用エポキシ樹脂成形材料で一般に使用されて
いるものと組合わせて使用してもよい。それを例示すれ
ば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オクソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノ
ール類とアルデヒド類のノボラック樹脂をエポキシ化し
たもの、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、及び脂環族
エポキシ樹脂などがあり、これらを適宜何種類でも併用
することができる。これらのエポキシ樹脂を併用する場
合、特に限定するものではないが、本発明の(A)エポ
キシ樹脂の配合比は、エポキシ樹脂全体の30重量%以
上が好ましく、さらには50重量%以上が好ましい。こ
の理由としては、30重量%未満では本発明の目的であ
る耐リフロー性に対して効果が少なく、特に有効な効果
を発揮するためには50重量%以上が必要となるためで
ある。さらに、本発明の(B)のフェノール類のノボラ
ック樹脂としては、フェノール、クレゾール、ナフトー
ル等とアルデヒド類の縮合および/または共縮合により
得られる樹脂などがある。本発明に用いられるエポキシ
樹脂と(B)のフェノール樹脂の当量比は、硬化性、耐
熱性等の点から0.8〜1.3の範囲が望ましい。
化反応を促進する硬化促進剤を使用することができる。
この硬化促進剤としては、例えば、1,8−ジアザビシ
クロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジア
ミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミ
ン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミ
ノメチル)フェノールなどの三級アミン類、2−メチル
イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニ
ル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダ
ゾールなどのイミダゾール類、トリブチルホスフィン、
メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィンなどの
有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・テト
ラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エ
チルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム
・テトラブチルボレートなどのテトラ置換ホスホニウム
・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリ
ン・テトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロ
ン塩などがある。
向上の観点から無機充填剤を用いることが必要である。
無機充填剤としては結晶シリカ、溶融シリカ、アルミ
ナ、ジルコン、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭化
珪素、窒化珪素、窒化ホウ素、ジルコニア、ジルコン、
フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、
チタニアなどの粉体、またはこれらを球形化したビーズ
などが挙げられ、1種類以上用いることができる。充填
剤の配合量としては同様の理由から、60容量%以上が
必要であり、さらには65容量%以上が好ましい。その
他の添加剤として高級脂肪酸、高級脂酸金属塩、エステ
ル系ワックスなどの離型剤、カーボンブラックなどの着
色剤、エポキシシラン、アミノシラン、ウレイドシラ
ン、ビニルシラン、アルキルシラン、有機チタネート、
アルミニウムアルコレートなどのカップリング剤及び難
燃剤などを用いることができる。以上のような原材料を
用いて成形材料を作製する一般的な方法としては、所定
の配合量の原材料をミキサー等によって充分混合した
後、ミキシングロール、押出機などによって混練し、冷
却、粉砕することによって成形材料を得ることができ
る。本発明で得られる成形材料を用いて電子部品を封止
する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一
般的であるが、インジェクション成形法、圧縮成形法に
よっても可能である。
は、ICの保管時に吸湿した水分がリフロー時に急激に
膨張することが原因であり、この結果、パッケージのク
ラック及び素子やリードフレームと樹脂界面の剥離を生
じる。従って、リフローに強い樹脂としては、吸水率が
低いこと、高温で強度が高いことが要求される。本発明
の主成分となるエポキシ樹脂は骨格の剛直性、疎水性に
優れたナフタレン骨格型樹脂であり、エポキシ基も多い
ため高温強度の高く、吸湿特性にも優れた組成物を得る
ことができたと推察できる。この効果により耐リフロー
クラック性が向上したと考えられる。
明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
部と水酸基当量106、軟化点83℃のフェノールノボ
ラック樹脂52重量部と、臭素比率50重量%、エポキ
シ当量375の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂
20重量部、トリフェニルホスフィン(2.5重量
部)、カルナバワックス(3重量部)、カーボンブラッ
ク(1重量部)、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン(4重量部)、石英ガラス粉(75重量%)を
配合し10インチ径の加熱ロールを使用して、混練温度
80〜90℃、混練時間7〜10分の条件で実施例1の
エポキシ樹脂成形材料を作製した。
え、フェノールノボラック樹脂の配合量を59重量部と
した以外は実施例1と同様に作製した。比較例は実施例
1のエポキシ樹脂をエポキシ当量200、軟化点73℃
のオクソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂80重量
部に置き換え、フェノールノボラック樹脂の配合量を4
8重量部とした以外は実施例1と同様に作製した。
試験法の詳細を表2に示す。本発明の効果を明確にする
ために、評価用ICを用いたリフロー時の耐クラック性
及びリフロー後の耐湿性の結果を示す。耐クラック性評
価に用いたICは外形が19×14×2.0(mm)のフ
ラットパッケージであり、8×10×0.4(mm)の素
子を搭載した80ピン、42アロイリードのものであ
る。試験条件は85℃、85%RHで所定時間加湿した
後、215℃のベーパーフェーズリフロー炉で90秒加
熱するものである。評価は外観を顕微鏡観察し、パッケ
ージクラックの有無を判定することにより行った。なお
ICパッケージの成形は180℃、90秒、70kgf/cm
2 の条件で行い、成形後180℃、5時間の後硬化を行
った。表3にリフロー時の耐クラック試験の結果を示
す。実施例は比較例と比べ、Tg、高温強度に優れ、こ
の結果良好なリフロー性を示した。
形材料はリフロー時の耐クラック性及びリフロー後の耐
湿性が従来のものと比べ大きく改善できる。電子部品の
分野、特にFP(フラットパッケージ)、SOP(スモ
ールアウトラインパッケージ)などのICではパッケー
ジが薄形、小形になり、素子の大型化と相俟って耐パッ
ケージクラック性が強く要求されており、これらの製品
へ広く適用でき、その工業的価値は大きい。
Claims (3)
- 【請求項1】(A)構造式が 【化1】 で示されるエポキシ樹脂、 (B)フェノール類のノボラック樹脂、 (C)60体積%以上の無機充填剤、 を必須成分として含有し、骨格中に非置換のナフタレン
環を有するエポキシ樹脂を含有しないことを特徴とする
電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料。 - 【請求項2】 (A)成分のエポキシ樹脂が2,7−ジ
ヒドロキシナフタレン及びβナフトールを原料とするこ
とを特徴とする請求項1に記載の電子部品封止用エポキ
シ樹脂成形材料。 - 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の電子部品
封止用エポキシ樹脂成形材料を用いて電子部品を封止し
たICパッケ−ジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3343321A JP3049898B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及びこれを用いたicパッケ−ジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP3343321A JP3049898B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及びこれを用いたicパッケ−ジ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05175370A JPH05175370A (ja) | 1993-07-13 |
JP3049898B2 true JP3049898B2 (ja) | 2000-06-05 |
Family
ID=18360621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP3343321A Expired - Lifetime JP3049898B2 (ja) | 1991-12-25 | 1991-12-25 | 電子部品封止用エポキシ樹脂成形材料及びこれを用いたicパッケ−ジ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3049898B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4844725B2 (ja) * | 2005-04-25 | 2011-12-28 | 信越化学工業株式会社 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
-
1991
- 1991-12-25 JP JP3343321A patent/JP3049898B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05175370A (ja) | 1993-07-13 |
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