JPH07173235A - アリルナフトール共縮合物およびエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

アリルナフトール共縮合物およびエポキシ樹脂組成物

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JPH07173235A
JPH07173235A JP31871893A JP31871893A JPH07173235A JP H07173235 A JPH07173235 A JP H07173235A JP 31871893 A JP31871893 A JP 31871893A JP 31871893 A JP31871893 A JP 31871893A JP H07173235 A JPH07173235 A JP H07173235A
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JP
Japan
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cocondensate
epoxy resin
allylnaphthol
dihydroxynaphthalene
naphthol
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JP31871893A
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English (en)
Inventor
Akihiro Naka
昭廣 中
Shuichi Ito
修一 伊藤
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アリルナフトール類とジヒドロキシナフタレ
ンとアルデヒド類とを共縮合させて得られた重量平均分
子量が300〜2000のアリルナフトール共縮合物。 【効果】 本発明のアリルナフトール共縮合物は、融点
および溶融粘度が低く、作業性能に優れている。また、
エポキシ樹脂の硬化剤として使用すると、得られるエポ
キシ樹脂硬化物が、高いガラス転移温度、耐熱性および
耐湿性を有し、半田処理においてもパッケージにクラッ
クが発生しにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアリルナフトー
ル共縮合物および該共縮合物を含有するエポキシ樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来、電
気電子部品、特に半導体封止用材料の分野では、半導体
素子を外部環境から保護するためにエポキシ樹脂組成物
で封止する方法が広く採用されている。この組成物は、
エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、充填剤およびその
他の添加剤で構成されている。エポキシ樹脂としては、
フェノール類とホルムアルデヒドとの反応により得られ
たノボラック樹脂をエポキシ化した樹脂、特にクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂が広く用いられ、硬化剤と
しては、フェノール・ホルムアルデヒドノボラック樹脂
が採用されている。
【0003】しかし、近年の半導体素子における高密
度、高集積化の傾向は、封止材に対して耐熱性、耐湿性
および密着性などの諸特性のより一層の向上を求めてい
る。
【0004】とりわけ、表面実装方式による半導体素子
の実装においては、半導体素子のパッケージが200〜
260℃程度の高温のオーブンに入れられ、苛酷な温度
条件にさらされる。そのため、前記のエポキシ樹脂組成
物を用いても、未だ半導体素子のパッケージにクラック
が発生するという問題があり、硬化物に対する高耐熱
性、低吸水性および高密着性の要求をますます強めてい
る。
【0005】これらの要求を満たすものとしてナフトー
ルとアルデヒドとを反応させたノボラック樹脂などが提
案されている。この樹脂は、ナフトール骨格を導入する
ことによって硬化物の耐熱性、耐湿性などの物性を改善
しようとするものであり、事実これらの点では優れた特
性を与えるものであるが、反面、高粘度で成形作業性が
悪い、密着性が悪いなどの問題を有する。
【0006】本発明の課題は、エポキシ樹脂の硬化剤と
して有用であり、融点と溶融粘度が低いために作業性に
優れ、かつ、高いガラス転移温度、耐熱性、耐湿性、密
着性および可撓性を有してクラックが発生しない硬化物
を与えることができる新規なアリルナフトール共縮合物
を提供する処にある。
【0007】また、本発明の他の課題は、ガラス転移温
度が高く、耐熱性、耐湿性、密着性および可撓性に優
れ、パッケージにクラックが発生するのを防止できる新
規なエポキシ樹脂組成物を提供する処にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のアリルナフトー
ル共縮合物は、下記一般式(I)で示される重量平均分
子量が300〜2000の化合物である。
【0009】
【化3】
【0010】また、本発明のアリルナフトール共縮合物
は、下記一般式(II)で示される重量平均分子量が3
00〜2000の化合物である。
【0011】
【化4】
【0012】本発明のアリルナフトール共縮合物は、ナ
フトール類とアルデヒドの縮合物にアリル基が導入さ
れ、かつジヒドロキシナフタレンが導入されているの
で、溶融粘度がきわめて低く、作業性に優れる。すなわ
ち、アリル基の導入により分子に立体障害効果が生じる
ことにより粘度が低下し、さらにジヒドロキシナフタレ
ンとの組合せにより高分子量物の生成が抑制されること
で粘度上昇が防止される。これら両効果により、粘度の
著しく低い共縮合物が得られる。さらに、分子内にジヒ
ドロキシナフタレン単位を含むため、1分子当りの水酸
基の数を増やすことができ、エポキシとの反応時の分子
間架橋密度を挙げることができる。従って、エポキシ樹
脂の硬化剤として用いると、硬化時に架橋密度を挙げる
ことができ、硬化物は高いガラス転移温度を示し、耐熱
性、耐湿性、密着性および可撓性に優れている。
【0013】本発明のアリルナフトール共縮合物は、ア
リルナフトール類とジヒドロキシナフタレンとアルデヒ
ド類とを共縮合させて得られた重量平均分子量が300
〜2000の化合物である。
【0014】また、このジヒドロキシナフタレンの80
%以下、好ましくは70%以下をα−ナフトールおよび
β−ナフトールの少なくとも1種で置き換えた共縮合物
も粘度が低く有用である。
【0015】アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド
およびパラホルムアルデヒドから選ばれる脂肪族アルデ
ヒド、または、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズア
ルデヒド、サリチルアルデヒドおよびテレフタルアルデ
ヒドから選ばれる芳香族アルデヒドが好ましい。
【0016】アリルナフトール類のアリル基は、ナフタ
レン核に1〜2個存在するが、縮合反応を促進させるた
めには1個であるのが好ましい。
【0017】本発明のアリルナフトール共縮合物の重量
平均分子量は300〜2000である。300未満だ
と、分子内のOH基数が少なすぎ、エポキシとの硬化が
不充分となり、2000を超えると、樹脂の融点と粘度
が高くなり、作業性に劣る。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物は、前記アリ
ルナフトール共縮合物とエポキシ樹脂とを含有してな
る。
【0019】前記アリルナフトール共縮合物を硬化剤と
して含む本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化促進剤を
含むのが好ましく、その場合には半導体封止用組成物と
して特に有効である。
【0020】なお、本明細書において「エポキシ樹脂」
とは、特に断りがない限り、樹脂状のエポキシ化合物の
みならず、低分子量のエポキシ化合物をも含む意味に用
いる。
【0021】本発明のアリルナフトール共縮合物は、ア
リルナフトール類とジヒドロキシナフタレンとアルデヒ
ド類とが共縮合した分子構造を有する化合物であれば良
く、例えば下記の2方法で製造することができる。
【0022】(A法)予めナフトール類をアリル化して
アリルナフトール類を合成し、それにジヒドロキシナフ
タレンとアルデヒド類を加え、必要により酸や塩基を加
えて通常のノボラックの合成と同様に脱水反応する方
法。
【0023】(B法)予めナフトール類とジヒドロキシ
ナフタレンとアルデヒド類により縮合物を合成した後、
ハロゲン化アリルと塩基と必要により水や有機溶剤を加
えて反応し、縮合物にアリル基を導入する方法。
【0024】A法の場合、アリル化するナフトール類と
しては、アリル基を分子内に1個以上導入でき、かつア
ルデヒド類が付加できる位置が1個以上あるものが利用
でき、例えばα−ナフトールやジヒドロキシナフタレン
や一部アルキル基で置換されたα−ナフトールやジヒド
ロキシナフタレンなどが挙げられ、特にα−ナフトール
が好ましい。
【0025】ナフトール類をアリル化するには、(1)
水中にナフトール類と塩基を加えてフェノラート化した
後、ハロゲン化アリルを加えて反応し、不純物を水洗し
た後、加熱してクライゼン転位する方法、(2)前記
(1)の方法において、ハロゲン化アリルを長時間かけ
て滴下して加える方法、(3)ナフトール類とハロゲン
化アリルと必要により有機溶剤を加え、それに塩基水溶
液を滴下して反応させ、不純物を水洗した後、クライゼ
ン転位する方法など、いずれの方法によってもよい。
【0026】また、一部未反応のナフトール類が残存し
ていても、次の共縮合反応で縮合物分子内にとり込まれ
るので問題ない。
【0027】アルデヒド類としては、例えば、ホルムア
ルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、グリオキサー
ルなどの脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒド、p−ヒ
ドロキシベンズアルデヒド、サリチルアルデヒド、テレ
フタルアルデヒドなどの芳香族アルデヒドが利用でき、
中でもパラホルムアルデヒドや芳香族のベンズアルデヒ
ド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、サリチルアルデ
ヒド、テレフタルアルデヒドが好ましい。これらのアル
デヒドは1種類を用いて反応させてもよく、2種類以上
を併用して反応させることも可能である。また、アルデ
ヒドの使用量は、原料のアリルナフトール類とジヒドロ
キシナフタレンと必要により加えるα−ナフトールやβ
−ナフトールの合計量の1モルに対して0.30〜0.
85モルとなるのが好ましい。このアルデヒドの使用量
が0.30モル未満の場合は、共縮合物の平均分子量が
小さくなるため、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性
が低下する。また、0.85モルを超えると、高分子量
物が生成して高溶融粘度となり、作業性能が悪くなり、
成形性に問題を生じる。特に、0.50〜0.75モル
が好ましい。
【0028】縮合反応におけるアリルナフトール類とジ
ヒドロキシナフタレン(必要により加えるα−ナフトー
ルやβ−ナフトールを含む)との使用モル比は、10:
90〜75:25の範囲が好ましい。アリルナフトール
類の使用モル比がこれより小さいと、低粘度化や可撓性
の効果が付与されず、大きいと、共縮合反応が円滑に進
行しなくなる。
【0029】本発明のアリルナフトール共縮合物を得る
ための共縮合反応は、ナフタレン核体数のコントロール
を容易にするため、高温に加熱するだけで行なわれる。
この場合の反応温度としては60〜180℃が適してお
り、特に80〜160℃が好ましい。反応は通常1〜1
0時間程度で終了する。なお、必要により、酸や塩基な
どの触媒を用いてもよい。
【0030】また、反応は無溶剤でも行なえるが、沸点
が80℃以上で、かつ水への溶解性の小さい溶剤、例え
ばトルエン、キシレン、メチルイソブチルケトンなどを
使用するのが好ましい。
【0031】反応終了後、必要により不純物を水洗など
により除去したり、溶媒および未反応物を減圧下にて除
去してもよい。
【0032】なお、B法の場合、ナフトール類とジヒド
ロキシナフタレンと(必要によりα−ナフトールやβ−
ナフトールと)前記のアルデヒド類を用いて、前記の縮
合方法などにより予め縮合物を合成した後、前記のアリ
ル化法(1)、(2)、(3)などを用いてアリル化す
ると、目的の分子構造を有する本発明の共縮合物が得ら
れる。
【0033】本発明のアリルナフトール共縮合物をエポ
キシ樹脂の硬化剤として使用する場合、単独で用いても
よいが、分子中に2個以上、好ましくは3個以上のフェ
ノール性水酸基を有する化合物からなる他の硬化剤と併
用することもできる。他の硬化剤としては、例えば、フ
ェノールや置換フェノール(o−クレゾール、p−クレ
ゾール、t−ブチルフェノール、クミルフェノール、フ
ェニルフェノールなど)とアルデヒド化合物とを酸触媒
や塩基性触媒の存在下で反応させた通常のフェノール樹
脂;レゾルシンとアルデヒド化合物との反応物;ポリビ
ニルフェノールなどが例示できる。他の硬化剤の割合
は、全硬化剤中70重量%以下、好ましくは50重量%
以下である。
【0034】エポキシ樹脂の種類は特に限定されず、従
来公知のものが用いられる。例えば、ビスフェノール
型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂などが挙げられる。これら樹脂のなかで
も、融点が室温を超えており、室温下では固形状もしく
は高粘度の溶液状を呈するものが好結果をもたらす。
【0035】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂として
は、通常、エポキシ当量160〜200、融点50〜1
30℃のものが用いられ、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂としては、エポキシ当量180〜300、融点
50〜130℃のものが用いられ、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜21
0、融点60〜110℃のものが一般的に用いられる。
【0036】エポキシ樹脂と硬化剤との割合は、エポキ
シ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤のフェノール性水酸
基の当量比(エポキシ基/フェノール性水酸基)が通常
1/0.8〜1.2、好ましくは1/0.9〜1.1と
なる範囲が好ましい。このような割合でエポキシ樹脂と
硬化剤を使用すると、耐熱性、耐湿性に優れた硬化物が
得られる。
【0037】硬化促進剤としては、通常の硬化触媒が使
用でき、その種類は特に限定されない。硬化促進剤の具
体例としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ
ス−2,6−ジメトキシフェニルホスフィン、トリ−p
−トリルホスフィン、亜リン酸トリフェニルなどのリン
化合物;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダ
ゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシ
ルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール
などのイミダゾール類;2−ジメチルアミノメチルフェ
ノール、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジル
メチルアミンなどの三級アミン類;1,5−ジアザビシ
クロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビシ
クロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセンの有機塩基類などが挙
げられる。
【0038】硬化促進剤の添加量は、例えば、エポキシ
樹脂組成物中0.1〜3.0重量%であるのが、耐熱性
と耐湿性の点から好ましい。
【0039】本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応
じて添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例え
ば、充填剤、充填剤の表面を処理するための表面処理
剤、難燃剤、離型剤、着色剤、可撓性付与剤などが挙げ
られる。
【0040】充填剤の種類は、特に限定されず、例え
ば、結晶性シリカ粉、溶融性シリカ粉、石英ガラス粉、
タルク、ケイ酸カルシウム粉、ケイ酸ジルコニウム粉、
アルミナ粉、炭酸カルシウム粉などが挙げられる。これ
らの充填剤の中で、シリカ系充填剤が好ましい。充填剤
の割合は、全組成物の60〜90重量%、好ましくは7
0〜85重量%である。充填剤の配合量が90重量%を
超えると、組成物の流動性が低下して成形が困難とな
り、60重量%未満では熱膨張が大きくなる傾向があ
る。
【0041】表面処理剤としては、公知のシランカップ
リング剤などが挙げられ、難燃剤としては、三酸化アン
チモン、五酸化アンチモン、リン酸塩、臭素化物が挙げ
られる。離型剤としては、各種ワックス類が挙げられ、
着色剤としては、カーボンブラックなどが挙げられる。
可撓性付与剤には、例えば、シリコーン樹脂、ブタジエ
ン−アクリロニトリルゴムなどが含まれる。
【0042】本発明のエポキシ樹脂組成物の調製方法
は、特に限定されず、常法に従って行なうことができ
る。また、本発明の樹脂組成物を用いて半導体を封止す
る際の条件は、適当に選択でき、特に限定されない。封
止条件の一例を具体的に説明すると、例えば、175
℃、成形圧100kg/cmでの3分間の成形と、1
80℃での5時間の後硬化などである。通常はトランス
ファー成形によって成形される。
【0043】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明の実施の態様
を具体的に例示して説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0044】なお、合成物の分析・同定は、ゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(GPC法)および核磁
気共鳴スペクトル(NMR)により行なった。以下にG
PCとNMRの測定条件を示す。
【0045】(GPC分析) 溶 媒: テトラヒドロフラン 流 量: 0.8ml/min カラム: 東ソー(株)製のG4000H、G3000
H、G2000H(直列)であって、排除限界分子量が
それぞれ400,000、60,000、10,000
である。 担 体: スチレン・ジビニルベンゼン共重合体 (NMR)合成物のNMRスペクトルは以下に帰属され
ていることで確認を行なった。
【化5】
【0046】実施例1 撹拌装置、還流冷却管、温度計、窒素吹込口を備えた反
応容器内に、α−ナフトール144g(1モル)、水酸
化ナトリウム10%水溶液440gおよびメチルイソブ
チルケトン144gを仕込み、撹拌しながら80℃に加
熱して均一化させてフェノラート化させた。この反応液
に塩化アリル84.2g(1.1モル)を滴下ロートを
用いて3時間かけて滴下し、滴下終了後さらに1時間撹
拌して反応させた。反応終了後、分離、水洗し、減圧下
で溶剤を完全に留去した。次いで、得られた反応生成物
を反応容器に移し、140℃に加熱して2時間撹拌して
反応させてアリルナフトール(OH基当量184)を得
た。
【0047】撹拌装置、還流冷却管、温度計、窒素吹込
口を備えた反応容器内に、上記アリルナフトール92g
(0.5モル)、1,6−ジヒドロキシナフタレン80
g(0.5モル)およびパラホルムアルデヒド16.5
g(0.55モル、ホルムアルデヒド換算)(アリルナ
フトールと1,6−ジヒドロキシナフタレンの合計:パ
ラホルムアルデヒド=1:0.55(モル比))を仕込
み、140℃に加熱して窒素気流下で3時間撹拌して反
応させた。次に、200℃に加熱し、減圧下で未反応物
と水を除去し、下記式で示されるアリルナフトール共縮
合物を得た。この化合物の融点は81℃、150℃の溶
融粘度は0.5ポイズ(以下Pと記す)と低く、作業性
能に優れていた。(なお、以下の実施例および比較例に
おいても、粘度の測定はすべて150℃において行なっ
た。)重量平均分子量(GPC法で測定、以下同様)は
390で、OH基当量は124であった。
【0048】
【化6】
【0049】実施例2 実施例1の前段で合成したのと同じアリルナフトール6
1.6g(0.34モル)、1,6−ジヒドロキシナフ
タレン53.3g(0.33モル)、α−ナフトール4
8g(0.33モル)、キシレン86gおよびパラホル
ムアルデヒド19.5g(0.65モル、ホルムアルデ
ヒド換算)(アリルナフトールと1,6−ジヒドロキシ
ナフタレンとα−ナフトールの合計:パラホルムアルデ
ヒド=1:0.65(モル比))を仕込む以外は、実施
例1と同様にして共縮合物を製造した。キシレンは、反
応後に加熱減圧下で除去した。得られたアリルナフトー
ル共縮合物(下記式で示される)の融点は68℃、粘度
は0.3Pと低く、作業性能に優れていた。重量平均分
子量は540で、OH基当量は133であった。
【0050】
【化7】
【0051】実施例3 α−ナフトールの代わりにβ−ナフトールを同量用いる
以外は、実施例2と同様にして共縮合物を製造した。キ
シレンは、反応後に加熱減圧下で除去した。得られたア
リルナフトール共縮合物(下記式で示される)の融点は
78℃、粘度は0.2Pと低く、作業性能に優れてい
た。重量平均分子量は530で、OH基当量は132で
あった。
【0052】
【化8】
【0053】実施例4 パラホルムアルデヒドの代わりにベンズアルデヒド58
gを用いる以外は、実施例1と同様にして共縮合物を製
造した。得られたアリルナフトール共縮合物(下記式で
示される)の融点は78℃、粘度は0.8Pと低く、作
業性能に優れていた。重量平均分子量は470で、OH
基当量は150であった。
【0054】
【化9】
【0055】実施例5 パラホルムアルデヒドの代わりにp−ヒドロキシベンズ
アルデヒド67gを用いる以外は、実施例1と同様にし
て共縮合物を製造した。得られたアリルナフトール共縮
合物(下記式で示される)の融点は90℃、粘度は0.
6Pと低く、作業性能に優れていた。重量平均分子量は
490で、OH基当量は115であった。
【0056】
【化10】
【0057】実施例6 パラホルムアルデヒドの代わりにホルマリン水(37
%)44.6gを用いる以外は、実施例1と同様にして
共縮合物を製造した。得られたアリルナフトール共縮合
物(下記式で示される)の融点は86℃、粘度は1.0
Pと低く、作業性能に優れていた。重量平均分子量は4
20で、OH基当量は126であった。
【0058】
【化11】
【0059】実施例7 パラホルムアルデヒドの代わりにサリチルアルデヒド6
7gを用いる以外は、実施例1と同様にして共縮合物を
製造した。得られたアリルナフトール共縮合物(下記式
で示される)の融点は87℃、粘度は1.3Pと低く、
作業性能に優れていた。重量平均分子量は570で、O
H基当量は114であった。
【0060】
【化12】
【0061】実施例8 パラホルムアルデヒドの代わりにテレフタルアルデヒド
49gを用いる以外は、実施例1と同様にして共縮合物
を製造した。得られたアリルナフトール共縮合物(下記
式で示される)の融点は93℃、粘度は1.5Pと低
く、作業性能に優れていた。重量平均分子量は810
で、OH基当量は133であった。
【0062】
【化13】
【0063】比較例1 実施例1の前段で合成したアリルナフトールを用いず
に、α−ナフトール144gとパラホルムアルデヒド2
2gを使用する以外は、実施例1と同様にして縮合物を
製造した。得られた縮合物の融点は86℃、粘度は1
8.3Pと高く、流動性に劣り、作業性能が悪かった。
重量平均分子量は1280で、OH基当量は165であ
った。
【0064】比較例2 パラホルムアルデヒドの代わりにホルマリン水(37
%)を60gとパラトルエンスルホン酸を0.5g用い
る以外は、比較例1と同様にして縮合物を製造した。得
られた縮合物の融点は131℃、粘度は76Pと高く、
流動性に劣り、作業性能が悪かった。重量平均分子量は
1320で、OH基当量は178であった。
【0065】実施例9〜16および比較例3 下記に示すエポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、充填
剤、三酸化アンチモン、シランカップリング剤、ワック
スおよびカーボンブラックを、表1と表2に示す割合
(重量部)で配合して、二本ロールで70〜110℃の
温度にて混練した後に冷却し、粉砕して半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物を調製した。
【0066】エポキシ樹脂: o−クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂(エポキシ当量195、融点85℃) 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ
当量280、融点83℃) 硬 化 剤 : 実施例1〜8で得られた共縮合物 フェノールノボラック樹脂(水酸基当量106、融点8
0℃) 硬化促進剤 : トリフェニルホスフィン 充 填 剤 : 球状シリカ(三菱金属(株)のBF1
00)
【0067】得られた組成物を、175℃、100kg
/cm、3分間の硬化条件で成形し、次いで、180
℃、6時間の条件でポストキュアーさせて成形試験片を
作製した。この試験片は、80ピン四方向フラットパッ
ケージ(80ピンQFP、サイズ20×14×2mm)
であり、ダイパッドサイズ8×8mmである。
【0068】このようにして得られた半導体装置につい
て、−50℃/5分〜150℃/5分のTCTテストを
行ないクラック発生数を調べた。また、前記試験片を、
85℃/85%RHの相対湿度の恒温槽中に放置して吸
湿させた後に、260℃の半田溶融液に10秒間浸漬し
て耐クラック性試験を行なった。結果を表3と表4に示
す。
【0069】また、得られた試験片の200℃における
曲げ強度(高温強度)、ガラス転移温度、熱膨張係数、
85℃/85%RHで500時間の加湿試験後の吸水率
を調べた。結果を表5と表6に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
【発明の効果】本発明のアリルナフトール共縮合物は、
融点および溶融粘度が低く、作業性能に優れている。ま
た、エポキシ樹脂の硬化剤として使用すると、得られる
エポキシ樹脂硬化物が、高いガラス転移温度、耐熱性お
よび耐湿性を有し、半田処理においてもパッケージにク
ラックが発生しにくい。
【0077】このアリルナフトール共縮合物を硬化剤と
して含む本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物は、ガラ
ス転移温度が高く耐熱性に優れ、また機械的強度も大き
く、しかも吸水率が小さく耐湿性に優れ、半田処理にお
いてもクラックの発生が極めて少ない。そのため、本発
明のエポキシ樹脂組成物は、半導体封止用組成物として
有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で示される重量平均分
    子量が300〜2000のアリルナフトール共縮合物。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記一般式(II)で示される重量平均
    分子量が300〜2000のアリルナフトール共縮合
    物。 【化2】
  3. 【請求項3】 アリルナフトール類とジヒドロキシナフ
    タレンとアルデヒド類とを共縮合させて得られた重量平
    均分子量が300〜2000のアリルナフトール共縮合
    物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のア
    リルナフトール共縮合物およびエポキシ樹脂を含有して
    なるエポキシ樹脂組成物。
JP31871893A 1993-12-17 1993-12-17 アリルナフトール共縮合物およびエポキシ樹脂組成物 Pending JPH07173235A (ja)

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