JPH07216041A - ナフトールアルデヒド縮合物及びそれを含有するエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

ナフトールアルデヒド縮合物及びそれを含有するエポキシ樹脂組成物

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JPH07216041A
JPH07216041A JP2637494A JP2637494A JPH07216041A JP H07216041 A JPH07216041 A JP H07216041A JP 2637494 A JP2637494 A JP 2637494A JP 2637494 A JP2637494 A JP 2637494A JP H07216041 A JPH07216041 A JP H07216041A
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naphthol
condensate
epoxy resin
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weight
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JP2637494A
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English (en)
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Akihiro Naka
昭廣 中
Shuichi Ito
修一 伊藤
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DKS Co Ltd
Original Assignee
Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 α−ナフトール又はα−ナフトールとβ−ナ
フトールと、モノアルデヒドとの縮合により得られるナ
フトールアルデヒド縮合物であって、縮合物中の2核体
量が、3核体量又は4以上の核体量のいずれよりも多い
ナフトールアルデヒド縮合物。 【効果】 本発明の2量体リッチなナフトールアルデヒ
ド縮合物は、融点及び溶融粘度が低く、作業性能に優れ
ている。又本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化樹脂の
ガラス転移温度が高く、耐熱性、耐湿性に優れ、かつハ
ンダ処理においてもパッケージにクラックが発生しにく
いため、半導体封止用に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ樹脂の硬化剤と
して有用な、作業性能に優れたナフトールアルデヒド縮
合物、それを含有するエポキシ樹脂組成物及び信頼性に
優れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子を外部環境から保護す
るため、エポキシ樹脂組成物で封止する方法が広く採用
されている。前記組成物は、通常、エポキシ樹脂,硬化
剤,硬化促進剤,充填剤,及びその他の添加剤で構成さ
れている。前記エポキシ樹脂としては、フェノール類と
ホルムアルデヒドとの反応により得られたノボラック樹
脂をエポキシ化した樹脂、特にオルトクレゾールノボラ
ックエポキシ樹脂が広く用いられ、硬化剤としては、フ
ェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂が採用されて
いる。また、高性能な硬化剤としてα−ナフトールとホ
ルマリン水とを酸触媒を用いて反応させたノボラック樹
脂が紹介されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記硬
化剤のフェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂にお
いては、エポキシ樹脂との硬化後、耐熱性に劣り、かつ
吸湿性が高いためクラックが発生し、クレームが多発し
ている。又、α−ナフトールとホルマリン水とを酸触媒
を用いて反応させたノボラック樹脂においては、耐熱
性,吸湿性等の性能は満足できるものの、多核体が多量
に存在するため、縮合物の融点と溶融粘度が高く(通
常、融点125℃程度、150℃における溶融粘度70
00cp程度)、成型等の作業性に劣るため実用化され
ていないのが現状である。
【0004】このように公知の縮合方法では前記縮合物
の融点及び溶融粘度は低くならず、所望する低い融点及
び溶融粘度を持った作業性能に優れた縮合物は製造でき
ていなかった。
【0005】本発明の目的は、エポキシ樹脂の硬化剤と
して有用であり、融点と溶融粘度が極めて低いため作業
性に優れ、かつエポキシ樹脂との硬化後に高いガラス転
移温度、耐熱性及び耐湿性を有し、パッケージにクラッ
クが発生するのを防止できる硬化物を与えるナフトール
アルデヒド縮合物を提供することにある。
【0006】本発明の他の目的は、ガラス転移温度が高
く、耐熱性及び耐湿性に優れ、パッケージにクラックが
発生するのを防止できるエポキシ樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0007】本発明の他の目的は、半導体封止用材料と
して有用なエポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討の結果、(1)ナフタレン核体
数2の縮合物の含有量を多くした、すなわち2核体の量
(重量%)を3核体の量又は4以上の核体の量のいずれ
よりも多くしたナフトール・アルデヒド縮合物(以下
「2量体リッチなナフトールアルデヒド縮合物」とい
う)とすることで、所望する低い融点及び溶融粘度(融
点45〜110℃、150℃における溶融粘度10〜2
00cp)をもった作業性能に優れた縮合物が得られ、
(2)2量体リッチとすることによって、作業性に優
れ、エポキシ樹脂との硬化後は高いガラス転移温度を示
し、耐熱性及び耐湿性に優れていること、(3)前記縮
合物が、エポキシ樹脂の硬化剤として有用であることを
見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわちα−ナフトール又はα−ナフトー
ルとβ−ナフトールと、モノアルデヒドとの縮合により
得られるナフトールアルデヒド縮合物であって、縮合物
中の2核体量が、3核体量又は4以上の核体量のいずれ
よりも多いことを特徴とする2量体リッチなナフトール
アルデヒド縮合物を提供するものである。
【0010】前記モノアルデヒドがパラホルムアルデヒ
ド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド及
びサリチルアルデヒドの中から選ばれる少なくとも1つ
のアルデヒドである2量体リッチなナフトールアルデヒ
ド縮合物を提供するものである。
【0011】更に前記2量体リッチなナフトールアルデ
ヒド縮合物からなる硬化剤とエポキシ樹脂とを含むエポ
キシ樹脂組成物を提供するものである。
【0012】更に前記2量体リッチなナフトールアルデ
ヒド縮合物を硬化剤として含む本発明のエポキシ樹脂組
成物は、硬化促進剤を含むのが好ましく、その場合には
半導体封止用組成物として特に有効である。
【0013】なお本明細書において、「エポキシ樹脂」
とは、特に断りがない限り、樹脂状のエポキシ化合物の
みならず低分子量のエポキシ化合物も含む意味に用い
る。
【0014】(手段を構成する要件)本発明のナフトー
ルアルデヒド縮合物は、2量体リッチなナフトールアル
デヒド縮合物であり、これは2核体である縮合物の含有
量が3核体又は4以上の核体のいずれの縮合物の含有量
よりも多いものであり、この縮合物は作業性のよい低い
融点及び溶融粘度を持つものである。そこでこの2量体
リッチなナフトールアルデヒド縮合物を得るには、
(イ)α−ナフトール1モル又はα−ナフトールとβ−
ナフトールの合計のモル数1モルに対してモノアルデヒ
ドを0.5モル未満として縮合反応を行う必要がある。
更に(ロ)前記(イ)の条件での縮合反応は、未反応ナ
フトールが残存した状態で終了するため、この縮合物を
各種用途、特に本発明のエポキシ樹脂の硬化剤として使
用するためには、(ハ)未反応ナフトールを除去し、そ
の含有量を低減しておく必要がある。
【0015】さらに、以下の4つの条件のいずれか又は
全部をつけ加えると好ましい2量体リッチなナフトール
アルデヒド縮合物が得られる。 (ニ)触媒を用いずに加熱反応する。 (ホ)沸点80℃以上の水に不溶又は難溶性の溶剤を用
い、かつ反応温度を80〜150℃にする。 (ヘ)モノアルデヒドとして、ホルマリン水、パラホル
ムアルデヒド,ベンズアルデヒド,ヒドロキシベンズア
ルデヒド及びサリチルアルデヒドの内の少なくとも1つ
を使用する。
【0016】次に前記(イ)〜(ヘ)について詳しく説
明する。 (i)(イ)について 従来のナフトール・アルデヒド縮合物の反応は、ナフト
ール1モルに対してアルデヒドを0.5〜1.2モルの
範囲で、範囲内でも比較的多くの量を用い、しかも酸性
触媒を加えて反応し、極力未反応ナフトールを残存させ
ないことが主眼とされてきた。
【0017】又エポキシの硬化剤等として用いるために
は、硬化反応いいかえると橋かけ反応をさせる必要があ
り、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するナ
フタレン化合物が有用で、未反応ナフトールは極力少な
いことが望まれる。
【0018】従来の方法によるナフトールアルデヒド縮
合物は、融点と溶融粘度が高く、高沸点(280℃前
後)の未反応ナフトールを工業的有利に除去すること
は、きわめて困難であり、通常0.5〜3重量%程度残
存する。このため、前記の反応率を向上させ、未反応ナ
フトールの残存量の低減に努力してきたきらいがある。
【0019】本発明では、縮合物の原料としてα−ナフ
トール又はα−ナフトールとβ−ナフトールが用いら
れ、その1モルに対してモノアルデヒドを0.5モル未
満、好ましくは0.25〜0.45モルときわめて少量
にする。これにより縮合物中の2核体の量が急増し、同
時に未反応ナフトールがかなり残存することを見い出し
た。α−ナフトールとβ−ナフトールを使用する場合、
その配合比率は重量比で85/15〜15/85好まし
くは70/30〜30/70である。ここでα−ナフト
ールとパラホルムアルデヒドの反応におけるアルデヒド
仕込比と縮合物中の2核体量の関係を図1に示す。
【0020】0.5モル以上では2核体量が減少し3以
上の核体の量が増加するため、低粘度縮合物が得られ
ず、又好ましい範囲の下限である0.25モル未満で
は、未反応ナフトールの増加により2核体量が減少する
ため、除去すべきナフトール量がふえることで工業的に
不利となる。この条件により、2核体の縮合物の含有量
を3核体又は4以上の核体の含有量のいずれよりも多く
でき、すなわちこの時2核体の含有量は、少なくとも3
4重量%以上が可能であり、モノアルデヒドを0.25
〜0.45モルとした時、40重量%以上が可能とな
る。
【0021】(ii)(ロ)について 前記(イ)記載の条件では、未反応ナフトールが残存し
て反応が終了する。従来の方法の未反応ナフトールを極
力少なくした条件下では、3核体以上の量が増加し、低
粘度の縮合体が得られず、これ以上の未反応ナフトール
の除去は困難であるが、本発明の方法では、未反応ナフ
トールを5重量%以上、好しくは10〜50重量%残存
させることが肝要である。上限の50重量%をこえると
相対的に2核体量が減少し、除去する必要のある未反応
ナフトールが多くなるため経済的に不利である。α−ナ
フトールとパラホルムアルデヒドの反応における未反応
ナフトール量と2核体量の関係を図2に示す。この未反
応ナフトールの存在量は、モノアルデヒドの仕込モル比
によって変化し、モノアルデヒドが少ないほど未反応ナ
フトールが増加する。
【0022】(iii)(ハ)について 本発明のエポキシ樹脂の硬化剤として用いるためには、
(イ)と(ロ)により反応した粗成物から、残存させた
未反応ナフトールを除去することが必要である。
【0023】(イ)と(ロ)の条件により反応した粗成
物は前記のとおり、縮合物において2核体の量が多く必
然的に3核体物や4以上の核体物が少なく、縮合体自体
の融点と溶融粘度が低い。このため減圧脱気等の簡単な
操作で、短時間の内に未反応ナフトールを除去できるこ
とを見い出した。減圧脱気は150°〜300℃で20
mmHg以下好しくは170〜230℃で15mmHg
以下で行うと未反応ナフトールを通常は1重量%以下に
まで短時間で除去できる。
【0024】高粘度縮合物(150℃の溶融粘度が50
0cp以上とする)の場合、ほとんどナフトールの除去
が不可能で、150cp程度でも除去率は50%程度で
ある。これに対して本発明に従えばほとんどの場合10
0cp以下で良好な場合は10〜30cp品が得られる
ため除去がきわめて容易となった。
【0025】ナフトールアルデヒド縮合物は高温すなわ
ち230℃特に300℃以上では分解が生じ不用のナフ
トールが急増するため、可能なかぎり低温での脱気が必
要で、しかも短時間内に終了することが求められ、この
ためからも低粘度縮合体にしておくことが必須となる。
α−ナフトール・パラホルムアルデヒド縮合物の溶融粘
度と減圧処理後の残存ナフトール量の関係を図3に示
す。
【0026】(iv)(ニ)について 縮合反応は一般的には酸触媒や塩基性触媒が用いられ
る。しかしながら本発明ではこれを用いずに反応を行う
ことが好しい。触媒を用いない場合は用いる場合に比較
し、反応がマイルドとなり、ナフタレン核体数3以上の
縮合物の生成を抑えることが可能である。触媒を用いた
場合は、反応が急激となり、ナフタレン核体数の高いも
のの生成が促進され、分布が広くなり、融点や溶融粘度
が高くなるため好しくない。
【0027】(v)(ホ)について 次に縮合反応の反応温度は80〜150℃という範囲で
行われるのが好ましく、更にこの反応温度を80℃〜1
30℃に維持することによって、マイルドな反応が促進
され、ナフタレン核体数3以上のものの含有量を更に低
くすることができ、硬化剤としての作業性能が更によく
なる。縮合反応の反応時間は通常2〜10時間である。
【0028】縮合反応は、熱縮合法によることもできる
が、反応温度は前記より80〜150℃の範囲で低温側
のマイルドな反応条件が特に好ましいことから、溶剤を
使用した溶剤混合熱縮合法が好ましい。使用する溶剤
は、沸点が80℃以上、好ましくは100℃以上で水に
不溶又は、難溶性のものであり、具体的には、トルエ
ン,キシレン,メチルイソブチルケトン等が挙げられ
る。沸点が低過ぎると反応物が液状となりにくく、又水
への溶解性が高いと縮合反応が進みにくい。これらの溶
剤の使用量は任意で良いが通常ナフトールの10〜20
0重量%である。この溶剤は縮合反応終了後、加熱常圧
下や、加熱減圧下で除去される。
【0029】(vi)(ヘ)について アルデヒドはモノアルデヒドすなわち分子内にアルデヒ
ド基を1個有するアルデヒドが用いられる。具体的には
脂肪族系のパラホルムアルデヒドやベンズアルデヒド,
ヒドロキシベンズアルデヒド及びサリチルアルデヒドか
ら選ばれた芳香族系モノアルデヒドが好ましく用いられ
る。又ホルマリン水も使用可能である。前記アルデヒド
は単独で用いることができるが数種を併用して用いても
よい。
【0030】このようにして製造された縮合物は、反応
終了後、必要により、不純物を水洗などにより除去した
り、溶剤洗浄したり、前記の減圧脱気などの方法で未反
応モノマーやアルデヒドなどを除去してもよく、特に未
反応モノマーの除去は欠せない。
【0031】ナフタレン核体数及びその含有量の測定は
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)
により行い、測定条件は下記に示す通りである。また核
体数の確定は分子量既知のポリスチレンによった。
【0032】 溶媒:テトラヒドロフラン、流量:0.8ml/min カラム:東ソー(株)製 G4000H、G3000
H、G2000H(直列)であって、排除限界分子量が
それぞれ400,000、60,000、10,000
である。 担体:スチレンジビニルベンゼン共重合体
【0033】本発明のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤と
して機能する前記2量体リッチなナフトールアルデヒド
縮合物とエポキシ樹脂とを含んでいる。この組成物は、
さらに硬化促進剤を含むのが好ましく、この場合には、
特に半導体封止用樹脂組成物として有用である。
【0034】エポキシ樹脂の硬化剤として使用する場
合、2量体リッチなナフトールアルデヒド縮合物は単独
で用いてもよく、分子中に2個以上、好ましくは3個以
上のフェノール性水酸基を有する化合物からなる他の硬
化剤と併用することもできる。他の硬化剤としては、例
えば、フェノールや置換フェノール(o−クレゾール、
p−クレゾール、t−ブチルフェノール、クミルフェノ
ール、フェニルフェノールなど)とアルデヒド化合物と
を酸触媒や塩基性触媒の存在下で反応させた通常のフェ
ノール樹脂;レゾルシンとアルデヒド化合物との反応
物;ポリビニルフェノールなどが例示できる。他の硬化
剤の割合は、硬化剤中70重量%以下、好ましくは50
重量%以下である。
【0035】エポキシ樹脂の種類は特に限定されず、従
来公知のものが用いられる。例えば、ビスフェノール
型,フェノールノボラック型,クレゾールノボラック型
エポキシ樹脂などが挙げられる。これら樹脂のなかで
も、融点が室温を越えており、室温下では固形状もしく
は高粘度の溶液状を呈するものが好結果をもたらす。
【0036】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂として
は、通常、エポキシ当量160〜200、融点50〜1
30℃のものが用いられ、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂としては、エポキシ当量180〜210、融点
50〜130℃のものが用いられ、クレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂としては、エポキシ当量180〜21
0、融点60〜110℃のものが一般的に用いられる。
【0037】エポキシ樹脂と硬化剤との割合は、エポキ
シ樹脂のエポキシ基に対する硬化剤のフェノール性水酸
基の当量比(エポキシ基/フェノール性水酸基)が通常
1/0.8〜1.2、好ましくは1/0.9〜1.1と
なる範囲が好ましい。このような割合でエポキシ樹脂と
硬化剤を使用すると、耐熱性,耐湿性に優れた硬化物が
得られる。
【0038】硬化促進剤としては、通常の触媒が使用で
き、その種類は特に限定されない。硬化促進剤の具体例
としては、例えば、トリフェニルフォスフィン、トリス
−2,6−ジメトキシフェニルフォスフィン、トリ−p
−トリルフォスフィン、亜リン酸トリフェニルなどのリ
ン化合物;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミ
ダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデ
シルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ルなどのイミダゾール類;2−ジメチルアミノメチルフ
ェノール、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジ
ルメチルアミンなどの三級アミン類;1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,4−ジアザビ
シクロ[2.2.2]オクタン、1,8−ジアザビシク
ロ[5.4.0]−7−ウンデセンの有機塩基類などが
挙げられる。
【0039】硬化促進剤の添加量は、例えば、エポキシ
樹脂組成物中0.1〜3.0重量%であるのが耐熱性と
耐湿性の点から好ましい。
【0040】本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応
じて添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例え
ば、充填剤、充填剤の表面を処理するための表面処理
剤,難燃剤,離型剤,着色剤,可撓性付与剤などが挙げ
られる。
【0041】充填剤の種類は、特に限定されず、例え
ば、結晶性シリカ粉,溶融性シリカ粉,石英ガラス粉,
タルク,ケイ酸カルシウム粉,ケイ酸ジルコニウム粉,
アルミナ粉,炭酸カルシウム粉等が挙げられる。これら
の充填剤のなかで、シリカ系充填剤が好ましい。充填剤
の割合は、全組成物に対して60〜90重量%、好まし
くは70〜85重量%である。充填剤の配合量が90重
量%をこえると、組成物の流動性が低下して成型が困難
となり、60重量%未満では熱膨張が大きくなる傾向が
ある。
【0042】表面処理剤としては、公知のシランカップ
リング剤などがあげられ、難燃剤としては、三酸化アン
チモン,五酸化アンチモン,リン酸塩,臭素化物があげ
られる。離型剤としては、各種ワックス類が挙げられ、
着色剤としては、カーボンブラックなどが挙げられる。
可撓性付与剤には、例えば、シリコーン樹脂,ブタジエ
ン−アクリロニトリルゴムなどが含まれる。
【0043】本発明のエポキシ樹脂組成物の調製方法は
特に限定されず、常法に従って行なうことができる。ま
た、本発明の樹脂組成物を用いて半導体を封止する際の
条件は、適当に選択でき特に限定されない。封止条件の
一例を具体的に説明すると、例えば、175℃、成型圧
100kg/cm2 、3分間の成型と、180℃,5時
間の後硬化などである。通常はトランスファー成型によ
って成型される。
【0044】
【実施例】以下、実施例をあげて、本発明の実施の態様
を具体的に例示して説明する。本発明はこれらの実施例
に限定されるものではない。 実施例1 撹拌装置,水分離除去管付還流冷却管,温度計,窒素吹
込口を備えた反応容器に、α−ナフトール144g、パ
ラホルムアルデヒド12g(α−ナフトール:アルデヒ
ド=1:0.4(モル比、ホルムアルデヒド換算))を
仕込み、110℃に加熱して連続的に反応系より水を除
去しながら、8時間撹拌して反応させた。
【0045】反応終了物は2核体量が35.3重量%、
3核体量が20.7重量%、4以上の核体量が13重量
%、未反応ナフトールが31重量%であり、2量体リッ
チな縮合物が得られた。これをエバポレーターに移し、
200℃に加熱して5mmHgに減圧した処、未反応ナ
フトールは0.3重量%に減少(除去率99%)した。
【0046】このものは、2核体量が51重量%、3核
体量が29.7重量%、4以上の核体量が19重量%で
あり、2核体量が多く、かつ未反応ナフトールが少ない
融点61℃、150℃における溶融粘度30cpの作業
性能の優れたナフトール・アルデヒド縮合物であった。
【0047】実施例2 実施例1においてメチルイソブチルケトン(沸点118
℃)200gを追加して同様に反応した。反応終了物は
2核体量が43.5重量%、3核体量が21.7重量
%、4以上の核体量が9.8重量%、未反応ナフトール
が25重量%と、2量体リッチな縮合物が得られた。こ
れをエバポレーターに移し、200℃に加熱して5mm
Hgに減圧した処、未反応ナフトールは0.1重量%に
減少(除去率99.6%)した。
【0048】このものは、2核体量が58重量%、3核
体量が28.9重量%、4以上の核体量が13重量%
と、2核体量が多く、かつ未反応ナフトールが少ない融
点58℃、150℃における溶融粘度20cpの作業性
能の優れたナフトール・アルデヒド縮合物であった。本
縮合物のGPCチャートを図4に示す。
【0049】実施例3 実施例1においてパラホルムアルデヒドの代わりに、ベ
ンズアルデヒドを37g(α−ナフトール:アルデヒド
=1:0.35(モル比)を用い、反応温度を130℃
にして、同様に反応した。
【0050】反応終了物は2核体量が42.7重量%、
3核体量が13.7重量%、4以上の核体量が3.6重
量%、未反応ナフトールが40重量%と、2量体リッチ
な縮合物が得られた。これをエバポレーターに移し、2
00℃に加熱して20分間5mmHgに減圧した処、未
反応ナフトールは0.2重量%に減少(除去率99.5
%)した。
【0051】このものは、2核体量が71重量%、3核
体量が22.8重量%、4以上の核体量が6重量%と、
2核体量が多く、かつ未反応ナフトールが少ない融点7
8℃、150℃における溶融粘度15cpの作業性能の
優れたナフトール・アルデヒド縮合物であった。
【0052】実施例4 実施例1においてキシレン(沸点140℃)200gを
追加し、パラホルムアルデヒドのかわりにヒドロキシベ
ンズアルデヒド48.8g(α−ナフトール:アルデヒ
ド=1:0.4(モル比))を用い、反応温度を130
℃にして、同様に反応した。
【0053】反応終了物は2核体量が69.3重量%、
3核体量が3.9重量%、4以上の核体量が2.8重量
%、未反応ナフトールが24重量%と、2量体リッチな
縮合物が得られた。これをエバポレーターに移し、20
0℃に加熱して5mmHgに減圧した処、未反応ナフト
ールは0.4重量%に減少(除去率98.3%)した。
【0054】このものは、2核体量が91重量%、3核
体量が5重量%、4以上の核体量が3.6重量%と2核
体量が多く、かつ未反応ナフトールが少ない融点105
℃、150℃における溶融粘度20cpの作業性能の優
れたナフトール・アルデヒド縮合物であった。
【0055】実施例5 実施例2において、α−ナフトールのかわりに、α−ナ
フトール72gとβ−ナフトール72gを用いて同様に
反応した。
【0056】反応終了物は2核体量が67重量%、3核
体量が6.9重量%、4以上の核体量が3.1重量%、
未反応ナフトールが23重量%と、2量体リッチな縮合
物が得られた。これをエバポレーターに移し、200℃
に加熱して5mmHgに減圧した処、未反応ナフトール
は0.1重量%に減少(除去率99.5%)した。
【0057】このものは、2核体量が87重量%、3核
体量が9重量%、4以上の核体量が3.9重量%と2核
体量が多く、かつ未反応ナフトールが少ない融点67
℃、150℃における溶融粘度15cpの作業性能の優
れたナフトール・アルデヒド縮合物であった。
【0058】比較例1 パラホルムアルデヒド12gを21.9g(α−ナフト
ール:アルデヒド=1:0.73(モル比))にする以
外は、実施例1と同様にして縮合物を得、同様にエバポ
レーター処理した。このものは2核体量が18重量%
(3核体量が44重量%、4以上の核体量が35.5重
量%)と低く、ナフトールが2.5重量%残存してお
り、150℃における溶融粘度は1820cpとかなり
高かった。
【0059】比較例2 触媒としてパラトルエンスルホン酸を0.5g及びパラ
ホルムアルデヒドの代わりにホルマリン水(35%)を
60g用いる以外は実施例1と同様に縮合物を得(α−
ナフトール:アルデヒド=1:0.7(モル比))、同
様にエバポレーター処理した。このものは、2核体量が
9%(3核体量が30重量%、4以上の核体量が52.
5重量%)と少なく、ナフトールは8.5重量%残存
し、150℃における溶融粘度は7000cpときわめ
て高かった。
【0060】実施例6〜10及び比較例3 下記に示すエポキシ樹脂,硬化剤,硬化促進剤,充填
剤,及び三酸化アンチモン,シランカップリング剤,ワ
ックス,カーボンブラックを、表1に示す割合で配合し
て、二本ロールで70〜110℃の温度にて混練したの
ち冷却し、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を
調製した。
【0061】エポキシ樹脂:o−クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂 エポキシ当量 195 融点 85℃ 臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂 エポキシ当量 280 融点 83℃ 硬化剤:実施例1〜5で得られた縮合物 比較例1及び2で得られた縮合物 フェノールノボラック樹脂 水酸基当量 106 融点 80℃ 硬化促進剤:トリフェニルフォスフィン 充填剤:球状シリカ(三菱金属(株)のBF100)
【0062】得られた組成物を、175℃、100kg
/cm2 、3分間の硬化条件で成型し、ついで180
℃、6時間の条件でポストキュアーさせ成型試験片を作
製した。このパッケージは80ピン四方向フラットパッ
ケージ(80ピンQFP、サイズ;20×14×2m
m)であり、ダイパッドサイズ8×8mmである。比較
例1,2で得られた縮合物を用いた場合は、組成物の粘
度が高く、作業性が悪く、特に比較例2は試験片にクラ
ックが生じたため、以降の評価は実施できなかった。
【0063】このようにして得られた半導体装置につい
て、−50℃/5分〜150℃/5分のTCTテストを
行いクラック発生数を調べた。また、前記試験片を、8
5℃/85%RHの相対湿度の恒温槽中に放置して吸湿
させた後に、260℃の半田溶融液に10秒間浸漬する
試験を行った。結果を下記の表2に示す。
【0064】また、得られた試験片の200℃における
曲げ強度(高温強度)、ガラス転移温度,熱膨張係数,
85℃,85%RHで500時間の加湿試験後の吸水率
を調べた。結果を下記の表3に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明の2量体リッチなナフトールアル
デヒド縮合物は、融点及び溶融粘度が低く、作業性能に
優れている。又エポキシ樹脂の硬化剤として使用するこ
とにより、高いガラス転移温度,耐熱性及び耐湿性を有
し、ハンダ処理においてもパッケージにクラックが発生
するのを防止できる硬化物を与える。
【0069】2量体リッチなナフトールアルデヒド縮合
物を硬化剤として含む本発明のエポキシ樹脂組成物は、
硬化樹脂のガラス転移温度が高く耐熱性に優れ、また機
械的強度も大きく、しかも吸水率が少なく耐湿性に優
れ、ハンダ処理においてもクラックの発生が極めて少な
い。そのため、半導体封止用組成物として有用である。
また前記エポキシ樹脂組成物は硬化促進剤を含むのが好
ましく、その場合には半導体封止用として特に有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】α−ナフトールとパラホルムアルデヒドの反応
におけるアルデヒドの仕込みモル比と縮合物中の2核体
量の関係図である。
【図2】α−ナフトールとパラホルムアルデヒドの反応
における未反応α−ナフトールと縮合物中の2核体量の
関係図である。
【図3】α−ナフトールとパラホルムアルデヒドの縮合
物の溶融粘度と減圧処理後に存在するα−ナフトール量
の関係図である。
【図4】実施例2のα−ナフトール・アルデヒド縮合物
のGPCチャートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−ナフトール又はα−ナフトールとβ
    −ナフトールと、モノアルデヒドとの縮合により得られ
    るナフトールアルデヒド縮合物であって、該ナフトール
    アルデヒド縮合物中の2核体量が、3核体量又は4以上
    の核体量のいずれよりも多いことを特徴とするナフトー
    ルアルデヒド縮合物。
  2. 【請求項2】 モノアルデヒドがパラホルムアルデヒ
    ド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド及
    びサリチルアルデヒドの群から選ばれる少なくとも一つ
    のアルデヒドである請求項1記載のナフトールアルデヒ
    ド縮合物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のナフトールアルデ
    ヒド縮合物からなる硬化剤とエポキシ樹脂とを含むエポ
    キシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のエポキシ樹脂組成物に、
    更に硬化促進剤を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
JP2637494A 1994-01-28 1994-01-28 ナフトールアルデヒド縮合物及びそれを含有するエポキシ樹脂組成物 Pending JPH07216041A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013067697A (ja) * 2011-09-21 2013-04-18 Dic Corp ナフトール樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプリント配線基板
JP2013173838A (ja) * 2012-02-24 2013-09-05 Dic Corp シアン酸エステル樹脂、硬化性樹脂組成物、その硬化物、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及び、ビルドアップフィルム
JP2016128574A (ja) * 2016-01-19 2016-07-14 Dic株式会社 硬化性樹脂組成物、その硬化物、半導体封止材料、プリプレグ、回路基板、及び、ビルドアップフィルム

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