JP3633674B2 - 封止用液状エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 - Google Patents

封止用液状エポキシ樹脂組成物およびその硬化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は封止用液状エポキシ樹脂組成物に関する。詳しくは本発明は、電気・電子部品の表面を保護する低粘度、耐熱性および耐湿性に優れた封止用液状エポキシ樹脂組成物に関するものである。より具体的には、回路基板上のIC、LSI等の電気・電子部品の素子を封止することを目的とする封止用液状エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、IC、LSI等はエポキシ樹脂、セラミックス等で封止され、それらを基板上に装着して使用されてきた。しかしながら近年、電気・電子機器製品の多種多様化、軽薄短小化が求められるため、実装面積あるいは体積を小さくする手段として、ICやLSI等を基板に直接接続する表面実装技術を用いて実装することが主流となりつつある。基板上に直接接続された半導体素子は、通常液状エポキシ樹脂で封止される。この封止材には、トランスファー成形材料よりもさらに粘度が低いことが要求され、硬化物に関しては高信頼性、特に耐熱性、耐湿性が要求されている。
【0003】
これらの要求を満たすために、アリル基含有樹脂を含む液状エポキシ樹脂組成物が提案されている。例えば、特開平4−249526号にはアリル化ノボラックを含む液状エポキシ樹脂成形材料が開示されている。ただし、アリル化ノボラックの製造方法は開示されておらず、商品名の記載もない。また、特開平4−325544号にはエポキシ樹脂に2−アリルフェノールを部分的に反応させてなるアリル基含有エポキシ樹脂を含む液状エポキシ樹脂組成物が開示されている。しかしながら、これらの液状エポキシ樹脂組成物は硬化剤成分として、酸無水物あるいはアミン類を併用しているため、硬化物は加水分解しやすく、耐湿性に問題があるほかに、半導体装置内のリードフレームが腐食するという問題も挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低粘度で耐熱性、耐湿性に優れた封止用液状エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、上記問題を解決するに至り、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、
(A)エポキシ樹脂(B)アリル化フェノール樹脂(C)硬化促進剤を含んで成る封止用液状エポキシ樹脂組成物であって、該アリル化フェノール樹脂が、アリル化フェノールアラルキル型樹脂または、アリル化フェノールアラルキル型樹脂および2核体含有率が10面積%以下であって、2核体を除いた残りの部分の3核体含有率が50面積%以上、かつ、3核体含有率と4核体含有率の和が75面積%以上のアリル化ノボラック型フェノール系樹脂であることを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物、および、
【0010】
脂環式エポキシ樹脂が(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートであることを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物、および、
【0011】
エポキシ樹脂とアリル化フェノール樹脂の配合において、エポキシ樹脂のエポキシ基に対してアリル化フェノール樹脂の水酸基が化学量論で0.2〜2となるように配合することを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物、および、
【0012】
硬化促進剤が有機ホスフィン化合物および含窒素環状化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物、および、
【0013】
硬化促進剤の量が脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物、および、
【0014】
上記封止用液状エポキシ樹脂組成物の硬化物に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる(A)成分であるエポキシ樹脂とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する硬化可能なエポキシ樹脂であればいかなるものでもよい。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノール誘導体エポキシ樹脂、(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、(3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環族エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール樹脂グリシジルエーテル等の環状テルペン−フェノール共重合体グリシジルエーテル等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0016】
これらのうち好ましくは、(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートである。
【0017】
本発明の(B)成分であるアリル化フェノール樹脂は、フェノール樹脂類をアリルエーテル化し、得られたアリルエーテル化フェノール樹脂を加熱しクライゼン転位させる周知の方法で得ることができる。
【0018】
具体的には、例えば、ベースレジンとなるフェノール樹脂を有機溶媒に溶解したのち、アルカリを添加してフェノラートとし、これに塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル等のアリルハライドを加えて室温〜100℃で1〜5時間反応させてフェノール性水酸基をアリルエーテル化する。
【0019】
ここで使用する有機溶媒としてはn−プロパノール、n−ブタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。使用する溶媒によってエーテル化反応生成物の収率が変化するが、上記の有機溶媒を使用すれば通常95%以上の反応率でエーテル化反応は進行する。得ようとする樹脂の使用目的によって溶媒を変えれば良いので、フェノール樹脂とアリルエーテル化物が可溶の溶媒であれば使用できる。また、アルカリは水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物が挙げられる。その使用量はアリルエーテル化したいフェノール性水酸基に対して当量のアルカリを使用する。
加えるアリルハライドの量は、アルカリに対して当量以上である。
【0020】
アリル化フェノール樹脂は、得られたアリルエーテル化フェノール樹脂を160〜250℃程度まで加熱することにより、エーテル結合していたアリル基が転位して本発明のアリル化フェノール樹脂を得ることができる。このアリル基は通常フェノール性水酸基に対してオルソ位に転位するが、パラ位に転位する場合もある。
【0021】
以下、アリル化フェノール樹脂について、さらに具体的に説明する。
本発明のアリル化フェノールアラルキル型樹脂を得るには、フェノールアラルキル型樹脂をベースレジンとして上記の方法によって得ることができる。
【0022】
フェノールアラルキル型樹脂は以下のようにして得られる。
アラルキル化合物1モルに対して、フェノール性化合物を通常1.0〜4.0モルの範囲で、好ましくは1.5〜3.0モルの範囲で加え、酸触媒の存在下あるいは無触媒でそのまま昇温して後述の温度で反応させる。反応終了後、未反応のフェノールをを真空下で留去させて得られた樹脂が上記のフェノールアラルキル型樹脂である。
【0023】
この反応に使用されるフェノール性化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物であればいかなる化合物でもよく、例えば、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール、2,6−キシレノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキル置換フェノール類、p−フェニルフェノール等の芳香族置換フェノール類、α−ナフトール、β−ナフトール等のナフトール類が挙げられる。
【0024】
また、この反応に使用されるアラルキル化合物としては、縮合付加が可能である2価のハロメチル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基等を有する芳香環化合物が使用される。例えば、α,α’−ジクロロ−p−キシレン、α,α’−ジクロロ−m−キシレン、α,α’−ジクロロ−o−キシレン等のジハロメチル芳香環化合物、p−キシリレングリコール等のジヒドロキシメチル芳香環化合物、α,α’−ジメトキシ−p−キシレン、α,α’−ジメトキシ−m−キシレン、α,α’−ジメトキシ−o−キシレン等のジアルコキシメチル芳香環化合物が挙げられる。
【0025】
触媒としては、塩化第二錫、塩化亜鉛、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸第二銅、硫酸第一水銀、硫酸第二水銀、塩化第一水銀、塩化第二水銀、硫酸銀、塩化銀、硫酸水素ナトリウム、等の無機化合物、あるいは、硫酸、モノエチル硫酸、ジエチル硫酸、ジメチル硫酸等の硫酸化合物、p−トルエンスルホン酸、p−フェノールスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸類が使用される。これら触媒は単独で使用するかまたは併用してもよい。触媒の使用量は、フェノール性化合物とアラルキル化合物の全重量の0.01〜5重量%である。
【0026】
アラルキル化合物にジハロメチル芳香環化合物を用いた場合は、触媒を使用しなくても反応は進行する。
【0027】
反応温度は通常110℃以上である。110℃より低い場合、反応は極端に遅くなる。また、反応時間を短縮するためには約130〜240℃の温度範囲が望ましい。反応時間は通常1〜20時間である。
【0028】
さらに、必要に応じて、比較的高沸点の有機溶剤を用いることができる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール,イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族化合物が挙げられる。
【0029】
次に、本発明の2核体含有率が10面積%以下であって、2核体を除いた残りの部分の3核体含有率が50面積%以上、かつ、3核体含有率と4核体含有率の和が75面積%以上のアリル化ノボラック型フェノール系樹脂について詳細な説明をする。アリル化ノボラック型フェノール系樹脂は、以下に示す核体分布を制御したノボラック型フェノール系樹脂を原料とすることで得られる。
【0030】
すなわち、2核体含有率が10面積%以下であって、2核体を除いた残りの部分の3核体含有率が50面積%以上、かつ、3核体含有率と4核体含有率の和が75面積%以上のノボラック型フェノール系樹脂をベースレジンとして上記のアリル化の手法によりアリル化ノボラック型フェノール系樹脂を得ることができる。
【0031】
本発明のアリル化ノボラック型フェノール系樹脂のベースレジンとなるノボラック型フェノール系樹脂の製造の一例を示す。
【0032】
まず最初にフェノール類をホルムアルデヒドに対して4〜30モル倍(以下P/F=4〜30と略)の割合で混合し、酸性触媒を添加して60〜100℃で2〜5時間縮合反応を行って初期縮合物を製造する。次いで、得られた初期縮合物を大気圧下に150〜160℃程度まで加熱して水および少量のフェノール類を取り除き、さらに減圧下に160〜180℃程度まで加熱して未反応のフェノール類を取り除く。次にマクマホンパッキング等の充填物を付した装置により1〜5mmHgの減圧下、さらに220〜250℃まで温度を上げて蒸留を行い、缶出物として2核体含有率が低く3核体含有率が高いノボラック型フェノール系樹脂を得ることができる。
【0033】
このノボラック型フェノール系樹脂の原料であるフェノール類としてはフェノールの他に、例えば、クレゾール、オルソまたはパラ、メタ置換アルキルフェノール類を例示できる。
【0034】
使用するホルムアルデヒド等価体としてはホルマリン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、トリオキサンおよび環状ホルマール等を例示できる。ホルムアルデヒド等価体とフェノール類の反応に用いる酸性触媒としては、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸および無機酸が挙げられる。
【0035】
このノボラック型フェノール系樹脂を得るための反応モル比はP/F=4以上であり、好ましくは8以上である。3核体以上の成分の含有率の割合はこの反応モル比によって大体コントロールでき、反応モル比が大きい程3核体含有率の高い樹脂が得られる。
【0036】
2核体含有率は蒸留時の温度、圧力によってコントロールできる。2核体除去はこのように減圧蒸留によってもよいが、その他抽出、水蒸気蒸留によっても良い。抽出方法としては例えば、フェノール系樹脂に対して貧溶媒であるトルエン、キシレン等で繰り返し洗うという方法で2核体を除去できる。水蒸気蒸留としては例えば不活性ガスや水蒸気を吹き込みながら減圧下に蒸留を行うという方法で2核体を除去することができる。
【0037】
この蒸留の缶出物として得られる、2核体含有率が低く3核体含有率の高い樹脂をアリル化ノボラック型フェノール系樹脂のベースレジンとして用いることができる。
【0038】
また、留出した2核体は有用なビスフェノールF類として利用できる。
【0039】
本発明の(C)成分である硬化促進剤としては、一般のエポキシ樹脂の硬化に用いられる硬化促進剤が使用可能である。好ましくは、有機ホスフィン化合物、含窒素環状化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用しても良い。
【0040】
有機ホスフィン化合物としては、例えばトリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン等のホスフィン化合物、トリフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン等のホスフィン−ボラン錯体等が挙げられるが、これらに限定するものではない。また、これらを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0041】
含窒素環状化合物としては、例えば2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシルメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシルメチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデカ−7−エン等の複素環含窒素化合物が挙げられるが、これらに限定するものではない。また、これらを単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0042】
有機ホスフィン化合物および/または含窒素環状化合物等の硬化促進剤の添加量は、脂環式エポキシ樹脂100重量部に対して0.01重量部〜10重量部が好ましい。特に好ましい添加量は0.05重量部〜5重量部である。
【0043】
エポキシ樹脂とアリル化フェノールアラルキル樹脂との配合比は、エポキシ樹脂中のエポキシ基数1に対しアリル化フェノールアラルキル樹脂中の水酸基数が化学量論的に0.2〜2.0となるように配合するのが好ましい。
【0044】
本発明の組成物の溶融粘度は10ポアズ(100℃)以下であることが好ましい。10ポアズを越えると流動性、成形加工性の低下という問題が生じる。
【0045】
この他、必要に応じて種々の成分、例えばシリカ、アルミナ、タルク、クレー等の充填剤、三酸化アンチモン等の難燃剤、カーボンブラック等の着色剤、アクリロニトリル−ブタジエンゴムやシリコーンオイル等の可撓剤を添加することができる。
【0046】
【実施例】
以下実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明する。なお、実施例における各種特性値の評価または測定は下記(1)〜(2)の方法により実施した。
(1)各核体含有率および重量平均分子量
明細書中、重量平均分子量およびで面積%表した各核体含有率はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(カラム:(東ソー社製)G4000HXL+G2500HXL+G2000HXL×2本、溶離液:テトラヒドロフラン、検出器:示差屈折計)により測定した。
(2)フェノール樹脂類の水酸基当量
樹脂中の水酸基をピリジン存在下、無水酢酸でアセチル化した。過剰の無水酢酸を加水分解し、生成した酢酸を水酸化カリウム−エタノールで滴定した。水酸基当量は以下の式によって算出した。
OH価(KOHmg/g)=28.05×(B−A)×F÷S
OH当量(g/eq)=56.11×1000÷OH価
ここに
A:終点までの滴定に消費した0.5N水酸化カリウム−エタノール溶液の量(ml)
B:ブランク試験におけるAに相当する量
F:0.5N水酸化カリウム−エタノール溶液のファクター
S:試料の質量
(3)溶融粘度
溶融粘度はICIコーン&プレート型粘度計(リサーチ・エクイップメント社製:ロンドン)を用いて、100℃で測定した。
(4)ガラス転移温度(Tg)および貯蔵弾性率(E’)
動的粘弾性は、レオバイブロンDDV−2−EP((株)東洋ボールドウィン製)を用いて測定した。Tgはtanδのピーク温度とした。E’は250℃での値を読み取った。
なお、昇温速度は2.0℃/min、測定温度範囲は50〜350℃とした。測定周波数は110Hzである。
(5)吸水率
硬化物の吸水率は煮沸吸水率であり、100℃/2時間で各サンプルの煮沸を行い、その重量増加率(F)で示す。その計算式を以下に示す。
A=水吸収後の硬化物の重量 B=水吸収前の硬化物の重量
F=〔(A−B)/B〕×100 (%)
【0047】
製造例1(フェノールアラルキル樹脂の製造)
714.4g(7.60モル)のフェノールと31.8gのメタノール及び0.853gのジエチル硫酸を70℃の冷却水を通した凝縮器を備えた反応機に装入し、攪拌しながらオイルバスで昇温した。液温が140℃に達したところでα,α’−ジメトキシ−p−キシレンの装入を開始した。800g(4.81モル)のα,α’−ジメトキシ−p−キシレンを4時間かけて連続的に装入した後、さらに液温140℃で90分間熟成反応を行った。次いで液温を160℃に昇温し、減圧下で未反応のフェノールを除去して、1025gの樹脂を得た。
【0048】
製造例2(核体分布を制御したノボラック型フェノール系樹脂の製造)
フェノール2000gと37%ホルマリン水溶液86.3gとを混合(P/F=20)する以外は製造例1の場合と同じ条件で縮合反応を行い、水およびフェノールを取り除き、同様の装置を用いて、蒸留を圧力3mmHgで最終温度240℃まで行い、缶出物として目的のノボラック型フェノール樹脂を得た。この得られた樹脂を樹脂Bとする。この得られたノボラック型フェノール樹脂(樹脂B)の各核体含有率を前出の方法により求めたところ、2核体含有率は5.4面積%で、2核体を除いた残りの部分において、3核体含有率は83.7面積%、3核体含有率と4核体含有率の和は97.3面積%であった。
【0049】
製造例3(アリル化フェノールアラルキル樹脂の製造)
撹拌装置、温度計、冷却器、滴下ロートを付設した1000ml四口セパラブルフラスコに、反応溶媒にイソプロパノール360gを用い、製造例1で得たフェノールアラルキル樹脂103gを溶解し、水酸化カリウム45.6gを加え均一になるまで撹拌した。これに塩化アリル56.7gを10分間で滴下した後反応溶液を40℃で1時間撹拌し、さらに70℃で5時間加熱撹拌してアリルエーテル化反応を完結させた。次いで反応液を濾別して副生した塩化カリウムを除去した後、イソプロパノールを留去して回収した。残留物を酢酸エチルに溶解し、水で洗浄後、酢酸エチルを留去し、アリルエーテル化フェノールアラルキル樹脂を得た。得られたアリルエーテル化フェノールアラルキル樹脂120gを300mlセパラブルフラスコにとり、195℃に加熱して5時間撹拌して熱転位を行わせ、アリル化フェノールアラルキル樹脂を得た(収率98%、重量平均分子量2070、水酸基当量248(g/eq))。
【0050】
製造例4(アリル化ノボラック型フェノール系樹脂の製造)
製造例3と同様の撹拌装置、温度計、冷却器、滴下ロートを付設した1000ml四口セパラブルフラスコに、イソプロパノール320g、製造例3で得られたノボラック型フェノール樹脂を106g溶解し、製造例3と同様の条件下でアリルエーテル化反応を行い、アリルエーテル化ノボラック型フェノール樹脂を得た。次いで得られたアリルエーテル化ノボラック型フェノール樹脂130gとり、300mlセパラブルフラスコに移し、製造例3と同様にしてアリル化フェノール樹脂を得た(収率96%、重量平均分子量400、水酸基当量149(g/eq))。
【0051】
実施例1〜4、比較例1〔表1〕に示した配合比に基づき、製造例3で得たアリル化フェノールアラルキル樹脂、製造例4で得たアリル化ノボラック型フェノール系樹脂および脂環式エポキシ樹脂(チバ・ガイギー製、アラルダイトCY−179〔エポキシ当量126g/eq〕)とイミダゾール化合物(四国化成(株)製、2E4MZ)を室温で溶解混合して、液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0052】
比較例〔表1〕に示した配合比に基づき、フェノールノボラック樹脂(三井東圧化学(株)製、#2000〔水酸基当量103g/eq〕)、脂環式エポキシ樹脂(チバ・ガイギー製、アラルダイトCY−179〔エポキシ当量126g/eq〕)とイミダゾール化合物(四国化成(株)製、2E4MZ)を室温で溶解混合して、液状エポキシ樹脂組成物を調製した。
【0053】
硬化物の作成
実施例1〜4、および比較例1,2で得られた樹脂組成物より、直径約50mm×約3mm厚の硬化物の注型板を作成し吸水率の評価に供した。また、同組成物より、長さ20mm×幅2mm×0.1mm厚の硬化物のフィルムを作成し動的粘弾性の評価に供した。
【0054】
【表1】
Figure 0003633674
【0055】
【発明の効果】
本発明の封止用液状エポキシ樹脂組成物は、〔表1〕より判るように、粘度が低下しており、成形加工性に優れていると考えられる。また、この組成物の硬化物については、ガラス転移点および250℃での貯蔵弾性率ともに高く、耐熱性に優れているだけでなく、吸水率も低く、耐湿性が良好である。従って、本発明の液状エポキシ樹脂組成物は半導体装置の封止用途に有効に利用することができる。

Claims (6)

  1. (A)エポキシ樹脂(B)アリル化フェノール樹脂(C)硬化促進剤を含んで成る封止用液状エポキシ樹脂組成物であって、該アリル化フェノール樹脂が、アリル化フェノールアラルキル型樹脂または、アリル化フェノールアラルキル型樹脂および2核体含有率が10面積%以下であって、2核体を除いた残りの部分の3核体含有率が50面積%以上、かつ、3核体含有率と4核体含有率の和が75面積%以上のアリル化ノボラック型フェノール系樹脂であることを特徴とする封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  2. エポキシ樹脂が、脂環式エポキシ樹脂の(3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル)−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートであることを特徴とする請求項1記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  3. エポキシ樹脂とアリル化フェノール樹脂の配合において、エポキシ樹脂のエポキシ基に対してアリル化フェノール樹脂の水酸基が化学量論で0.2〜2となるように配合することを特徴とする請求項1または2記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 硬化促進剤が有機ホスフィン化合物および含窒素環状化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  5. 硬化促進剤の量がエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜10重量部であることを特徴とする請求項1〜記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜記載の封止用液状エポキシ樹脂組成物からなることを特徴とする硬化物。
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