JPH05287053A - エポキシ樹脂、樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂、樹脂組成物及び硬化物

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JPH05287053A
JPH05287053A JP11523892A JP11523892A JPH05287053A JP H05287053 A JPH05287053 A JP H05287053A JP 11523892 A JP11523892 A JP 11523892A JP 11523892 A JP11523892 A JP 11523892A JP H05287053 A JPH05287053 A JP H05287053A
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JP
Japan
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resin
phenol novolac
epoxy resin
compound
novolac type
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JP11523892A
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English (en)
Inventor
Hiromi Morita
博美 森田
Shigeru Mogi
繁 茂木
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Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構 成】高分子量体及び低分子量体を減らした、2核
体化合物の量が10重量%以下であり、3核体化合物と
4核体化合物の合計が40重量%以上である、臭素化し
ていてもよいフェノールノボラック型エポキシ樹脂、こ
れを含む樹脂組成物及びその硬化物。 【効 果】高分子量体が少ない事により、流動性が良
く、低分子量体も少なくしている事により耐熱性、吸水
性に優れた硬化物を与えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、高信頼性に優れ
たフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂、これを含む
樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール類ノボラック型エポキシ樹脂
は、耐熱性に優れた特性を有することから、とりわけ半
導体の封止用樹脂として広く用いられ、近年の電子機器
の発展に大きく貢献している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ここ数年の目
ざましい電子機器の進歩は、半導体の高集積化、高密度
化によるところが大きく、これは、封止用樹脂に対して
一段と厳しい品質要求として現われてきている。とりわ
け、高集積化、高密度化による信頼性の向上の問題は、
高耐熱化及び充填剤の高含有化の要求となって現われて
きている。
【0004】すなわち、高密度化実装の際に採用される
ハンダリフローという過酷な条件でのクラックの発生と
いう現象が極めて大きな問題となってきた。これらの問
題を解決するには、封止材の耐熱性を上げる事や、一方
において、封止材中に含有する無機物(フィラー)の充
填量を上げて線膨張係数を小さくすることなどが考えら
れている。
【0005】しかるに、この耐熱性を上げる事の試みの
最大の問題は、一般的に、樹脂の粘度の上昇をもたらし
てしまうという欠点が有ることである。
【0006】この事は、前述の無機物(フィラー)の充
填量が小さくなって、むしろ線膨張係数の増大を招き、
クラックの発生を抑える為の手段としては不利となって
しまう。
【0007】ところが、充填量を上げる為に樹脂粘度を
下げると逆に、耐熱性の低下が起きるというやっかいな
問題が生ずる。従って、樹脂粘度を下げて、なおかつ、
耐熱性を保持した樹脂の開発は最近の電子部材開発にお
ける最大の技術課題である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決すべく鋭意検討を加えた結果、高耐熱化と高充填
化という相反する目的を解決することができた。
【0009】即ち本発明は、 (1) 式(1)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、nの平均値は1〜10であり、
x,y及びzは夫々独立して0〜2の整数を示す。)で
表わされるフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂にお
いて、n=0の2核体化合物の量が10重量%以下であ
り、かつn=1の3核体化合物とn=2の4核体化合物
の合計が40重量%以上であるフェノール類ノボラック
型エポキシ樹脂、
【0012】(2) 上記(1)に記載のフェノール類
ノボラック型エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する樹脂組
成物、
【0013】(3) 上記(2)に記載の樹脂組成物の
硬化物、に関する。
【0014】本発明のフェノール類ノボラック型エポキ
シ樹脂において、上記n=0の2核体化合物の量は10
重量%以下であるがより好ましくは7重量%以下であ
る。又、n=1の3核体化合物とn=2の4核体化合物
の合計は40重量%以上であるが、好ましくは45重量
%以上であり、より好ましくは50重量%以上である。
又、nの好ましい値は1〜6である。
【0015】本発明のフェノール類ノボラック型エポキ
シ樹脂は、式(2)
【0016】
【化3】
【0017】(式中、mの平均値は1〜10である。)
で表されるフェノールノボラック型樹脂において、m=
0の2核体化合物の量が10重量%以下であり、なおか
つm=1の3核体化合物とm=2の4核体化合物の合計
が40重量%以上であるフェノールノボラック型樹脂
を、公知の方法に準じ、必要により臭素化したのちエポ
キシ化することによって得られる。
【0018】本発明のフェノール類ノボラック型エポキ
シ樹脂においては、n=0である2核体化合物を少なく
することによって硬化物の耐熱性を保持し、なおかつ、
n=1の3核体化合物とn=2の4核体化合物を40重
量%以上にすることによって粘度の低下をはかってい
る。すなわち、低分子量体(n=0の成分)と高分子量
体(n=3以上の成分)を少なくすることによって、本
発明のフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂の優れた
特性が実現されている。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
フェノール類ノボラック型エポキシ樹脂は、例えば次の
ようにして製造できる。即ち、フェノールとホルムアル
デヒドをアルカリ触媒存在下で反応させ、あらかじめメ
チロール化物を合成し、続いてこれに酸触媒とフェノー
ルを加えて脱水縮合する。得られたフェノールノボラッ
ク型樹脂から、必要により、イソプロピルエーテル等を
用いた沈殿、分離操作を行うことにより高分子量体を濾
別する。
【0020】更に、必要により、煮沸水による抽出操作
を実施し、低分子量体を除去し、原料であるフェノール
ノボラック型樹脂を得る。
【0021】かくして得られたフェノールノボラック型
樹脂を常法によりエポキシ化することにより本発明のフ
ェノール類ノボラック型エポキシ樹脂を得ることができ
る。すなわち、得られたフェノールノボラック型樹脂と
その水酸基当量に対して過剰のエピハロヒドリンとをテ
トラメチルアンモニウムクロリドなどの第4級アンモニ
ウム塩又は水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化
物の存在下反応させることにより行うことができる。第
4級アンモニウム塩などを用いた場合は開環付加反応の
段階で反応がとまるので次いで上記アルカリ金属水酸化
物を加えて閉環反応させる。
【0022】また、最初からアルカリ金属水酸化物を加
えて反応させる場合は、開環付加反応及び閉環反応を一
気に行なわせる。又、これらの反応の際、反応を円滑に
行なわせる為、メタノールなどのアルコール類あるいは
ジメチルスルホキシドなどの非プロトン性極性溶媒を併
用することが好ましい。
【0023】エピハロヒドリンとしてはエピクロルヒド
リン、エピブロムヒドリン等が挙げられ、その使用割合
はフェノールノボラック型樹脂の水酸基1当量に対して
通常1〜50モル、好ましくは3〜15モルの範囲であ
る。
【0024】アルカリ金属水酸化物としては水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられ、その使用量はフ
ェノールノボラック型樹脂の水酸基1当量に対して通常
0.8〜1.5モル、好ましくは0.9〜1.3モルの
範囲であり、第4級アンモニウム塩を使用する場合はフ
ェノールノボラック型樹脂の水酸基1当量に対して、通
常0.001〜1モル、好ましくは、0.005〜0.
5モルの範囲である。
【0025】反応温度は通常30〜130℃、好ましく
は40〜80℃である。また反応で生成した水を反応系
外に除去しながら反応を進行させることもできる。
【0026】又、反応終了後水洗等により生成塩を除去
し、過剰のエピハロヒドリンを留去した後、メチルイソ
ブチルケトンに溶解し、再度フェノールノボラック型樹
脂の水酸基1当量に対して0.05〜0.2モルのアル
カリ金属水酸化物の存在下で60〜80℃の温度で反応
させることが好ましい。
【0027】反応後、水洗をくり返し、メチルイソブチ
ルケトンを留去することにより本発明のフェノール類ノ
ボラック型エポキシ樹脂(但し、臭素化されていないも
の)が得られる。
【0028】又、臭素化された本発明のフェノール類ノ
ボラック型エポキシ樹脂を得る場合は、前述の原料とし
て用いるフェノールノボラック型樹脂を公知の方法たと
えば特公昭50−10635号公報に記載されている方
法により臭素化し、臭素化フェノールノボラック型樹脂
を得、これを前述のエポキシ化の方法と同様の手法によ
りエポキシ化することにより、臭素化された本発明のフ
ェノール類ノボラック型エポキシ樹脂が得られる。
【0029】以下、本発明の樹脂組成物について説明す
る。本発明のフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂は
単独で用いても、あるいは他のエポキシ樹脂の1種又は
2種以上と併用してもよい。
【0030】併用する他のエポキシ樹脂としてはノボラ
ック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノール
S型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型
エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂(たとえば、日本化
薬(株)製 EPPN501など)等が挙げられる。
【0031】併用する場合、他のエポキシ樹脂と本発明
のエポキシ樹脂の混合割合は任意であり特に限定されな
いが、本発明のフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂
を全エポキシ樹脂中5重量%以上用いるのが好ましい。
【0032】硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミ
ン、芳香族ポリアミン、ポリアミドポリアミン等のポリ
アミン系硬化剤、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチ
ルテトラヒドロフタル酸等の酸無水物系硬化剤、フェノ
ールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール
系硬化剤、三弗化ホウ素等のルイス酸又はそれらの塩
類、ジシアンジアミド類などの硬化剤が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。これらは単独でも、
2種以上併用してもよい。
【0033】本発明の樹脂組成物において、硬化剤の使
用量は、使用するエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対
して、0.5〜1.5当量が好ましく特に、0.6〜
1.2当量が好ましい。
【0034】硬化促進剤は必要に応じて使用され、2−
メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミ
ダゾール系化合物、2−(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール等の第3アミン系化合物、トリフェニルホスフィ
ン等、公知の種々の硬化促進剤が使用でき、特に限定さ
れるものではない。硬化促進剤を用いる場合、その使用
量はエポキシ樹脂100重量部に対して0.01〜15
重量部の範囲が好ましく、特に0.1〜10重量部の範
囲が好ましい。
【0035】本発明の樹脂組成物には、更に必要に応じ
て公知の添加剤を配合することが出来る。添加剤として
は、例えば、シリカ、アルミナ、タルク、ガラス繊維等
の無機充填剤、シランカップリング剤のような充填剤の
表面処理剤、離型剤、顔料等が挙げられる。
【0036】本発明の樹脂組成物は、各成分を均一に混
合することにより得られ、通常130〜190℃の温度
で30〜600秒の範囲で予備硬化し、更に、150〜
200℃の温度で2〜10時間、後硬化することにより
充分な硬化反応が進行し、本発明の硬化物が得られる。
又、樹脂組成物の成分を溶剤等に均一に分散または溶解
させ、溶媒を除去し硬化させることもできる。
【0037】こうして得られる硬化物は、耐熱性に優
れ、又一方、本発明のフェノール類ノボラック型エポキ
シ樹脂が流動性(低粘度である)に優れている事から、
シリカ等の充填剤の配合を多くすることが可能の為、線
膨張係数を小さくすることができる。
【0038】従って本発明のフェノール類ノボラック型
エポキシ樹脂は絶縁材料、積層板、封止材料等のあらゆ
る電気・電子材料の配合成分として有用であり、又、そ
の樹脂組成物は、これら信頼性を要求される分野におい
て、卓越した硬化物を供することができる。
【0039】
【実施例】以下合成例及び実施例によって、本発明を具
体的に説明するが、本発明がこれらの実施例のみに限定
されるものではない。
【0040】合成例1. (メチロール化工程)攪拌機、冷却器の付いたフラスコ
にフェノール94g(1モル)、水70gを仕込み、5
0℃に保ちながら40%水酸化ナトリウム水溶液100
g(水酸化ナトリウムとして1モル)を発熱に注意しな
がら滴下した。滴下後、パラホルムアルデヒド60g
(2モル)を仕込み、反応温度を50℃に保ちながら7
時間反応した。
【0041】反応終了後、水200gを仕込み、酢酸水
溶液を発熱に注意しながら滴下し、中和した。
【0042】(縮合工程)中和後、フェノール376g
(4モル)を仕込み、反応温度を70℃に保ちながら3
5%塩酸水溶液5gを滴下した。
【0043】滴下後、70℃の反応温度で2時間、更に
80℃の反応温度で1時間反応した。
【0044】反応終了後、冷却し、メチルイソブチルケ
トン500ccを加え水洗をくり返し中性に戻した。中性
に戻した後、メチルイソブチルケトン相を減圧下で加熱
し、未反応フェノール及びメチルイソブチルケトンを留
去し、フェノールノボラック樹脂(A1)260gを得
た。
【0045】得られた樹脂(A1)の軟化温度は68
℃、水酸基当量は104g/mol であった。
【0046】合成例2. 合成例1.の(縮合工程)においてフェノール282g
(3モル)を使用した以外は同様の操作を実施してフェ
ノールノボラック樹脂(A2)261gを得た。
【0047】得られた樹脂(A2)の軟化温度は77
℃、水酸基当量は104g/mol であった。
【0048】実施例1 合成例1で得られた樹脂(A1)104gを攪拌機、冷
却器の付いたフラスコに仕込み、続いて、エピクロルヒ
ドリン555g(6モル)及びメタノール50gを仕込
み、窒素を吹込みながら溶解した。
【0049】次いで、反応温度を50℃に保ちながら固
形の水酸化ナトリウム40g(1モル)を発熱に注意し
て2時間かけて添加した。添加終了後、50℃の反応温
度でさらに1時間反応を続行し、ついで反応温度を70
℃に保ち2時間反応した。
【0050】反応終了後、水洗を2回実施して、副生の
食塩を除いた。水洗後、過剰のエピクロルヒドリンを減
圧下で加熱留去した。
【0051】エピクロルヒドリン留去後、残留した樹脂
をメチルイソブチルケトン400gに溶解し、再び20
%の水酸化ナトリウム水溶液20g(水酸化ナトリウム
として0.1モル)を添加し、反応温度を70℃に保ち
1時間反応した。
【0052】反応後、水洗をくり返し、水相を中性に戻
した。水洗終了後、メチルイソブチルケトン相を減圧下
で加熱し、メチルイソブチルケトンを留去することによ
って、フェノールノボラックエポキシ樹脂(B1)15
3gを得た。
【0053】得られた樹脂(B1)は式(1)で表され
る樹脂(但し、x,y,zはいずれも0でnの平均値は
1.1である)であり、半固形であり、後記の分析法に
より分析した所エポキシ当量、ICI粘度、2核体量
(2核体化合物の量)、3核体量(3核体化合物の
量)、4核体量(4核体化合物の量)は表1に示す値で
あった。
【0054】実施例2 合成例2で得られた樹脂(A2)104gを使用した以
外は合成例1と同様の操作を実施し、フェノールノボラ
ックエポキシ樹脂(B2)151gを得た。得られた樹
脂(B2)は式(1)で表される樹脂(但しx,y,z
はいずれも0でnの平均値は1.8である)であり、半
固形であり、後記の分析法により分析した樹脂(B2)
の分析結果は表1に示す値であった。
【0055】実施例3 合成例1で得られた樹脂(A1)104gを攪拌機、冷
却器のついたフラスコに仕込み、続いてメタノール20
0gを仕込み、窒素ガスを吹込みながら溶解した。
【0056】これに、臭素256g(1.6モル)を反
応温度25℃〜30℃で滴下した。臭素滴下終了後、そ
のままの温度で30分間攪拌を続けた。その後、30%
水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加し、副生した臭化
水素を中和した。
【0057】中和後、この反応液を激しく攪拌してある
水5リットル中に滴下し、粒状の臭素化フェノールノボ
ラック樹脂を得た。
【0058】こうして得られた粒状臭素化フェノールノ
ボラック樹脂をエピクロルヒドリン555g(6モル)
に溶解し、還流装置のついた反応器に仕込み、減圧下
(100mmHg〜200mmHg)で共沸脱水により系内の水
分を除去した。
【0059】共沸脱水後、48%水酸化ナトリウム水溶
液85gを6時間かけて滴下した。この間、水酸化ナト
リウム水溶液に含まれる水及び反応により生成する水を
減圧下(150mmHg〜200mmHg)で共沸脱水しながら
反応温度を75℃〜80℃に保った。水酸化ナトリウム
水溶液滴下終了後、そのままの温度でさらに1時間攪拌
した。
【0060】反応終了後、副生した塩を濾過し、更に、
濾液を水洗して中性に戻した。
【0061】中和後、減圧下で加熱して過剰のエピクロ
ルヒドリンを留去した。エピクロルヒドリン留去後、残
留した樹脂をメチルイソブチルケトン500gに溶解
し、再び20%の水酸化ナトリウム水溶液20gを添加
し、反応温度を70℃に保ち1時間反応した。
【0062】反応後、水洗をくり返し、水相を中性に戻
した。水洗終了後、メチルイソブチルケトン相を減圧下
で加熱し、メチルイソブチルケトンを留去することによ
って、臭素化フェノールノボラックエポキシ樹脂(B
3)260gを得た。樹脂(B3)は式(1)で表され
る樹脂(但しnの平均値は1.1であり、臭素含有量は
47重量%)であり、固形であり、後記の分析法により
分析した分析結果は表1に示す値であった。
【0063】実施例4 合成例2で得られた樹脂(A2)104gを使用した以
外は実施例3と同様の操作を実施し、臭素化フェノール
ノボラックエポキシ樹脂(B4)261gを得た。得ら
れた樹脂(B4)は式(1)で表される樹脂(但しnの
平均値は1.8であり臭素含有量は44重量%)であ
り、固形であり、後記の分析法により分析した分析結果
は表1に示す値であった。
【0064】実施例5〜8 表2に示す割合でフェノールノボラック樹脂(日本化薬
(株)製、水酸基当量106g/mol 、軟化温度85
℃)、実施例1、2、3、4で得られたフェノール類ノ
ボラック型エポキシ樹脂(B1)、(B2)、(B
3)、(B4)、トリフェニルホスフィン(TPP)
(硬化促進剤)及び各種充填剤、添加剤を配合し、本発
明の樹脂組成物を得た。これをロールで加熱混練し、得
られた樹脂組成物を粉砕した。
【0065】粉砕して得た材料を用い、170℃5分間
の条件でトランスファー成型した後、180℃で8時間
加熱硬化して後記の方法によりガラス転移温度、及び吸
水率を測定した。又、粉砕して得た材料の流れ性を測定
する為170℃×70kg/cm2 の条件でスパイラルフロ
ー値を求めた。これらの結果を表3に示した。
【0066】比較例1〜8 表1に示す2種類のフェノールノボラックエポキシ樹脂
(樹脂B5=日本化薬(株)製、EPPN−201、エ
ポキシ当量186g/mol 、軟化温度70℃);(樹脂
B6=日本化薬(株)製、RE−305、エポキシ当量
173g/mol、半固形)、及び2種類の臭素化フェノ
ールノボラックエポキシ樹脂(樹脂B7=日本化薬
(株)製、BREN−S、エポキシ当量281g/mol
、軟化温度83℃);(樹脂B8=日本化薬(株)
製、BREN−104、エポキシ当量280g/mol 、
軟化温度68℃)をそれぞれ他の成分と表2に示す割合
で配合し実施例5〜8と同様の方法によりガラス転移温
度、吸水率、スパイラルフロー値を求めた。その結果を
表3に示した。
【0067】以下、分析法を記す。 (エポキシ当量)JIS K−7236に準じた方法で
測定し、1g当量のエポキシ基を含む樹脂の質量を、g
/mol の単位で表した数値。
【0068】(ICI粘度)150℃におけるコーンプ
レート法による溶融粘度であり単位をポイズで表した数
値。 (2核体量、3核体量、4核体量)GPC分析装置によ
り分析し、標準ポリスチレンより求めた2核体、3核
体、4核体のリテンションタイムに相当する位置のピー
クの面積百分率より各成分(2核体化合物、3核体化合
物、4核体化合物)の量を求めた。
【0069】GPC分析条件 GPC装置;島津製作所製 (カラム ;東洋曹達工業製 TSK GEL G3000HXL(2本)+G200
0HXL(2本)) 溶 媒 ;テトラヒドロフラン 検 出 ;UV(254nm) なお、樹脂(B1)〜(B8)のそれぞれについてGP
C分析を行って得た分子量分布曲線をそれぞれ図1〜図
8に示した。
【0070】(ガラス転移温度) 熱機械測定装置(TMA);真空理工(株) TM−7
000 昇 温 速 度;2℃/MiN (吸水率) 試 験 片;直径 50mm 厚サ 3mm 円板 条 件;100℃の水中で100時間煮沸した
後の重量増加量(重量%)
【0071】(スパイラルフロー) トランスファー成形温度 170℃ トランファー成形圧 70kg/mm2 におけるスパイラルフロー値(単位 cm)
【0072】 表1 実施例 比較例 1 2 3 4 1 2 3 4 エポキシ樹脂 B1 B2 B3 B4 B5 B6 B7 B8 エポキシ当量 (g/mol) 166 169 335 330 186 173 281 280 ICI粘度 (poise) 0.2 0.4 3.0 3.5 4.7 0.1 11.0 3 臭素含有量 (wt%) 0 0 47 44 0 0 35 35 2核体量 (wt%) 6 5 6 5 11 40 12 18 3核体量 (wt%) 56 30 55 29 9 23 11 15 4核体量 (wt%) 15 25 16 25 7 13 9 11 3核体と4核体の合計量(%) 71 55 71 54 16 46 20 26
【0073】
【0074】表中、数字は重量部を示す。 シランカップリング剤;信越化学工業(株)製 KBM
−573 溶 融 シ リ カ ;電気化学工業(株)製 FS−
891 EOCN−1020 ;日本化薬(株)製、エポキシ当
量200g/mol 、軟化点65℃
【0075】
【0076】表中、数字は重量部を示す。 シランカップリング剤;信越化学工業(株)製 KBM
−573 溶 融 シ リ カ ;電気化学工業(株)製 FS−
891 EOCN−1020 ;日本化薬(株)製、エポキシ当
量200g/mol 、軟化点65℃
【0077】 表3 実 施 例 比 較 例 5 6 7 8 5 6 7 8 ガラス転移温度(℃) 168 169 172 174 165 140 169 155 吸 水 率(%) 0.75 0.73 0.50 0.50 0.85 0.95 0.65 0.69 スパイラルフロー値(cm) 135 130 137 132 75 135 50 105
【0078】
【発明の効果】本発明のフェノール類ノボラック型エポ
キシ樹脂を用いた樹脂組成物は、流れ特性に優れている
為、フィラーの高充填化が実現され、しかも低分子量
体、高分子量体のいづれも少なくしている所から反応性
が良好で、高耐熱性を有する硬化物が得られる。従っ
て、本発明のフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂及
びその硬化物は電子部品の材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】樹脂(B1)のGPC分析による分子量分布曲
【図2】樹脂(B2)のGPC分析による分子量分布曲
【図3】樹脂(B3)のGPC分析による分子量分布曲
【図4】樹脂(B4)のGPC分析による分子量分布曲
【図5】樹脂(B5)のGPC分析による分子量分布曲
【図6】樹脂(B6)のGPC分析による分子量分布曲
【図7】樹脂(B7)のGPC分析による分子量分布曲
【図8】樹脂(B8)のGPC分析による分子量分布曲
【符号の説明】
2 2核体化合物 3 3核体化合物 4 4核体化合物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1) 【化1】 (式中、nの平均値は1〜10であり、x,y及びzは
    夫々独立して0〜2の整数を示す。)で表されるフェノ
    ール類ノボラック型エポキシ樹脂において、n=0の2
    核体化合物の量が10重量%以下であり、かつn=1の
    3核体化合物とn=2の4核体化合物の合計が40重量
    %以上であるフェノール類ノボラック型エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のフェノール類ノボラック
    型エポキシ樹脂及び硬化剤を含有する樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の樹脂組成物の硬化物。
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