JP4631165B2 - 液状封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品装置の封止用に好適な液状封止用エポキシ樹脂組成物及びこれにより封止された素子を備えた電子部品装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、トランジスタ、IC等の電子部品装置の素子封止の分野では生産性、コスト等の面から樹脂封止が主流となり、エポキシ樹脂組成物が広く用いられている。この理由としては、エポキシ樹脂が作業性、成形性、電気特性、耐湿性、耐熱性、機械特性、インサート品との接着性等の諸特性にバランスがとれているためである。COB(Chip on Board)、COG(Chip on Glass)等のベアチップ実装した半導体装置やTCP(Tape Carrier Package)においては、液状封止用エポキシ樹脂組成物が封止材として多く用いられている。
【0003】
液状封止用エポキシ樹脂組成物の硬化には、高温で長時間の加熱が必要であり、近年、生産性の向上を目的とした速硬化性の液状封止用エポキシ樹脂組成物の需要が高まっている。液状封止用エポキシ樹脂組成物に、硬化剤として固形フェノールノボラック樹脂を用いると、封止品の耐湿信頼性が良くなるという長所がある反面、組成物の粘度が高くなるため、その粘度調整のために多くの溶剤添加が必要となり、硬化に時間がかかるという短所がある。
また、最近では、液状封止用エポキシ樹脂組成物の硬化後の評価に光学的自動検査機を用いることが多いため、硬化後の表面は非鏡面が要求されている。これは、光学的自動検査機においてハレーションをおこさないためである。上記の固形フェノールノボラック樹脂硬化剤を用いた液状封止用エポキシ樹脂組成物では、硬化後の外観が鏡面になりやすい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる状況に鑑みなされたもので、速硬化性で、硬化物の表面が非鏡面になる液状封止用エポキシ樹脂組成物及びこれにより封止された素子を備えた電子部品装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、液状封止用エポキシ樹脂組成物に、硬化剤としてアリル基を有するフェノールノボラック樹脂を用いることにより上記の目的を達成しうることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は
(1)(A)エポキシ樹脂及び(B)硬化剤を必須成分とし、(B)硬化剤が重量平均分子量500未満のアリル基を有するフェノールノボラック樹脂を含有してなる液状封止用エポキシ樹脂組成物、
(2)(C)充填剤をさらに含有する上記(1)記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物、
(3)(D)溶剤をさらに含有する上記(1)又は(2)記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物、
(4)硬化物の表面の反射率が10%以下である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物、
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いたTCP用封止材、
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止された素子を備えた電子部品装置及び
(7)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止された素子を備えたTCP
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる(A)エポキシ樹脂は、硬化可能な1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であれば特に制限はなく、液状封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されているエポキシ樹脂を用いることができ、組成物が液状であれば固形、液状のどちらか一方を用いても両者を併用しても良い。たとえば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ナフタレンジオール、水添ビスフェノールA等とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂をはじめとするフェノール類とアルデヒド類とを縮合又は共縮合させて得られるノボラック樹脂をエポキシ化したノボラック型エポキシ樹脂、フタル酸、ダイマー酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン、イソシアヌル酸等のポリアミンとエピクロルヒドリンの反応により得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、オレフィン結合を過酢酸等の過酸で酸化して得られる線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、低粘度化の観点からは液状エポキシ樹脂が好ましく、フェノールノボラック樹脂との反応性の観点からはビスフェノール型液状エポキシ樹脂がより好ましい。
また、これらのエポキシ樹脂は、十分に精製されたもので、イオン性不純物が少ないものが好ましい。例えば、遊離Naイオン及び遊離Clイオンは500ppm以下であることが好ましい。
【0008】
本発明において用いられる(B)硬化剤としては、重量平均分子量500未満のアリル基を有するフェノールノボラック樹脂を含有していれば特に制限はなく、エポキシ樹脂の硬化剤として一般に使用されているものを用いることができる。たとえば、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、イソシアネート、脂肪族ポリアミン、ポリアミド樹脂、芳香族ジアミン等のアミン化合物、酸無水物、ルイス酸錯化合物などが挙げられ、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、保存安定性の観点からはフェノール樹脂が好ましく、接着性の観点からは芳香族アミンが好ましい。また、組成物が液状であれば固形硬化剤及び液状硬化剤のどちらか一方を用いても両者を併用してもよいが、低粘度化の観点からは液状硬化剤が好ましい。
【0009】
本発明において硬化剤として用いられるアリル基を有するフェノールノボラック樹脂としては、重量平均分子量が500未満であれば特に制限はないが、たとえば、下記一般式(I)又は(II)で示される化合物等が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。なかでも、下記一般式(I)で示される化合物が好ましく、低粘度化の観点からはRが水素原子でnが平均2〜3であるものがより好ましい。
【化1】
(ここで、Rは水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換又は非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換又は非置換の炭素数1〜10のアリル基及び置換又は非置換の炭素数1〜12のアリール基から選ばれ、nは1以上の整数を示す。)
【化2】
(ここで、nは1以上の整数を示す。)
【0010】
本発明において用いられるアリル基を有するフェノールノボラック樹脂の重量平均分子量は、低粘度化の観点から500未満であることが必要であるが、450以下がより好ましい。ここで、重量平均分子量とは、GPC測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量のことをいう。
アリル基を有するフェノールノボラック樹脂の粘度は、低粘度化の観点から、25℃における粘度が5〜80Pa・sであることが好ましく、10〜50Pa・sであることがより好ましく、15〜40Pa・sであることがさらに好ましい。また、アリル基を有するフェノールノボラック樹脂の水酸基当量は、100〜200が好ましく、120〜170がより好ましく、130〜160がさらに好ましい。
【0011】
アリル基を有するフェノールノボラック樹脂の配合量は、その性能を発揮するために(B)硬化剤全量に対して30重量%以上が好ましく、40重量%以上がより好ましく、60重量%以上がさらに好ましい。
【0012】
(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との当量比は特に制限はないが、それぞれの未反応分を少なく抑えるために、エポキシ樹脂に対して硬化剤を0.6〜1.6当量の範囲に設定することが好ましく、0.7〜1.4当量がより好ましく、0.8〜1.2当量がさらに好ましい。0.6.〜1.6当量の範囲からはずれた場合、硬化反応が不充分となり信頼性が低下する傾向がある。
ここで、当量とは反応当量であり、たとえば、フェノール樹脂の当量はエポキシ基1個に対しフェノール性水酸基1個が反応するものとして計算され、芳香族アミンの当量はエポキシ基1個に対しアミノ基の活性水素1個が反応するものとして計算され、酸無水物の当量はエポキシ基1個に対し酸無水物基1個が反応するものとして計算される。
【0013】
本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤としては液状封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されるもので特に制限はないが、たとえば、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、1,5−ジアザ−ビシクロ(4,3,0)ノネン、5、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7等のシクロアミジン化合物及びこれらの誘導体、これらのフェノール樹脂塩等の塩、又はこれらの化合物に無水マレイン酸、1,4−ベンゾキノン、2,5−トルキノン、1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルベンゾキノン、2,6−ジメチルベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−5−メチル−1,4−ベンゾキノン、2,3−ジメトキシ−1,4−ベンゾキノン、フェニル−1,4−ベンゾキノン等のキノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の三級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物及びこれらの誘導体、又はこれらの化合物に上記キノン化合物、ジアゾフェニルメタン、フェノール樹脂等のπ結合をもつ化合物を付加してなる分子内分極を有する化合物等の有機リン化合物、トリフェニルホスフィントリフェニルボロン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、N−メチルモルホリンテトラフェニルボレート等のフェニルボロン塩等及びこれらの誘導体などが挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。
硬化促進剤の配合量は、硬化促進効果が達成される量であれば特に制限されるものではないが、(A)エポキシ樹脂に対して0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは1〜15重量%である。0.1重量%未満では短時間での硬化性に劣る傾向があり、20重量%を超えると硬化速度が速すぎて制御が困難になったりポットライフ、シェルライフ等の保存安定性が劣ったりする傾向がある。
【0014】
本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて(C)充填剤を配合することができる。(C)充填剤としては、液状封止用エポキシ樹脂組成物に一般に使用されるもので特に制限はないが、吸湿性、線膨張係数低減、熱伝導性向上及び強度向上の観点から無機充填剤が好ましい。たとえば、溶融シリカ、結晶シリカ等のシリカ、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化アルミナ等のアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、窒化ホウ素、珪酸カルシウム、チタン酸カリウム、窒化アルミ、ベリリア、ジルコニア、ジルコン、フォステライト、ステアタイト、スピネル、ムライト、チタニア等の粉体、又はこれらを球形化したビーズ、ガラス繊維などが挙げられる。さらに、難燃効果のある無機充填剤としては水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硼酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、粘度上昇の抑制及び硬化物物性の観点からはシリカが好ましく、溶融シリカがより好ましい。
【0015】
充填剤の形状は、流動性等の成形性の観点から球形に近いことが好ましく、最密充填するように粒度分布を広げた球形溶融シリカがより好ましい。
(C)充填剤の平均粒径は、特に球形シリカの場合、1〜20μmの範囲が好ましく、2〜10μmの範囲がより好ましい。平均粒径が1μm未満では液状樹脂への分散性に劣る傾向や液状封止用エポキシ樹脂組成物にチキソトロピック性が付与されて流動特性に劣る傾向があり、20μmを超えるとフィラ沈降を起こしやすくなる傾向や、液状封止用エポキシ樹脂組成物の微細間隙への浸透性・流動性が低下してボイド・未充填を招きやすくなる傾向がある。
また、これらの充填剤は、必要に応じて表面をカップリング処理したものを用いてもよい。
(C)充填剤の配合量は、液状封止用エポキシ樹脂組成物の20〜90重量%が好ましく、30〜85重量%がより好ましく、50〜80重量%さらに好ましい。配合量が20重量%未満では熱膨張係数の低減効果が低くなり耐熱衝撃性に劣る傾向があり、90重量%を超えると液状封止用エポキシ樹脂組成物の粘度が上昇し、流動性、浸透性及びディスペンス性の低下を招く傾向がある。
【0016】
本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物には、低粘度化のために必要に応じて(D)溶剤を配合することができる。特に、固体のエポキシ樹脂及び硬化剤を用いる場合には、液状の組成物を得るために、溶剤を配合することが必要である。
(D)溶剤としては、特に制限はないが、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル系溶剤、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等のラクトン系溶剤、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶剤、トルエン、キシレンなど有機溶剤が挙げられ、これらの1種を単独で用いても2種以上を組合わせて用いてもよい。なかでも、速硬化性、成膜性等の成形性の観点からはグリコールエーテル系溶剤及びラクトン系溶剤が好ましい。また、加熱硬化時の急激な揮発による気泡形成を避ける観点からは沸点が100℃以上の溶剤が好ましい。
(D)溶剤の配合は、本発明の効果が得られる量であれば特に制限はないが、液状封止用エポキシ樹脂組成物に対して、速硬化性の観点から5〜30重量%とすることが好ましく、10〜20重量%がより好ましい。
【0017】
本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物には、その他の添加剤として、赤燐、リン酸エステル、メラミン、メラミン誘導体、トリアジン環を有する化合物、シアヌル酸誘導体、イソシアヌル酸誘導体等の窒素含有化合物、シクロホスファゼン等の燐窒素含有化合物、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化モリブデン、フェロセン等の金属化合物、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン等の酸化アンチモン、ブロム化エポキシ樹脂などの難燃剤、ハイドロタルサイト類、マグネシウム、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス等の元素の含水酸化物などのイオントラップ剤、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、エステル系ワックス、ポリオレフィン系ワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン等の離型剤、シリコーンオイルやシリコーンゴム粉末等の応力緩和剤、染料、カーボンブラック等の着色剤、希釈剤、レベリング剤、消泡剤などを必要に応じて配合することができる。
【0018】
本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物は、成形後の硬化物の表面を非鏡面とする観点から、硬化物の表面の反射率が10%以下であることが好ましい。ここで、硬化物の表面の反射率とは、硬化物に入射角45°〜75°で光照射した場合の光の反射率をいう。硬化物の表面の反射率の測定方法としては特に制限はないが、たとえば、図1にその概略を示すように、デジタル変角光沢計を用いて、本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物1に光源4から45〜75°の入射角6で白色光を照射し、入射光2の光量に対する反射光3の光量を測定し、白色板での測定値で校正して反射率を求める等の一般的な手法が挙げられる。図1において、5は測定器を示す。本発明においては、液状封止用エポキシ樹脂組成物に配合する各種成分の組み合わせ及び配合量を調整することによって、硬化物の表面の反射率が10%以下である液状封止用エポキシ樹脂組成物を得ることができる。(B)硬化剤の選定とその配合量が特に重要である。
【0019】
本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物は、上記各種成分を均一に分散混合できるのであれば、いかなる手法を用いても調製できるが、一般的な手法として、所定の配合量の成分を秤量し、らいかい機、ミキシングロール、プラネタリミキサ等を用いて混合、混練し、必要に応じて脱泡することによって得ることができる。
【0020】
本発明で得られる液状封止用エポキシ樹脂組成物により素子を封止して得られる電子部品装置としては、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハ等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子などの素子を搭載し、必要な部分を本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物で封止して得られる電子部品装置などが挙げられる。このような電子部品装置としては、例えば、リードフレーム上に半導体素子を固定し、ボンディングパッド等の素子の端子部とリード部をワイヤボンディングやバンプで接続した後、本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いてディスペンス方式等により封止してなる、PLCC(Plastic Leaded Chip Carrier)、QFP(Quad Flat Package)、SOP(Small Outline Package)、SOJ(Small Outline J-leaded package)、TSOP(Thin Small Outline Package)、TQFP(Thin Quad Flat Package)等の一般的な樹脂封止型IC、テープキャリアにリードポンディングした半導体チップを、本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物で封止したTCP(Tape Carrier Package)、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤーボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップを、本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物で封止したCOB(Chip On Board)、COG(Chip On Glass)等のベアチップ実装した半導体装置、配線板やガラス上に形成した配線に、ワイヤーボンディング、フリップチップボンディング、はんだ等で接続した半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子及び/又はコンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子を、本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物で封止したハイブリッドIC、マルチチップモジュール、マザーボード接続用の端子を形成したインターポーザ基板に半導体チップを搭載し、バンプまたはワイヤボンディングにより半導体チップとインターポーザ基板に形成された配線を接続した後、本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物で半導体チップ搭載側を封止したBGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)、MCP(Multi Chip Package)などが挙げられる。また、プリント回路板にも本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物は使用できる。
なかでも、本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物を使用したTCPやCOB、COG等のベアチップ実装した半導体装置で優れた特性を得ることができる。TCPは薄型、軽量で耐折り曲げ実装性に優れ、ノート型パソコン等の液晶ドライバ、積層メモリモジュール等に用いられる。
【0021】
本発明の液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いて素子を封止する方法としては、ディスペンス方式、注型方式、印刷方式等が挙げられる。
【0022】
【実施例】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0023】
実施例1及び比較例1
エポキシ樹脂としてエポキシ当量160のビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(東都化成株式会社製商品名YDF−8170C)、ビスフェノールAD型液状エポキシ樹脂(三井化学株式会社製商品名R−710)、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製商品名ESCN−195−6)、硬化剤として重量平均分子量426、水酸基当量141、25℃における粘度25Pa・sである下記式(III)で示されるアリル基を有するフェノールノボラック樹脂、重量平均分子量750、水酸基当量105、軟化点83℃の固形フェノールノボラック樹脂(明和化成株式会社製商品名H−100)、硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7のフェノールノボラック樹脂塩(サンアプロ株式会社製商品名SA−841)、充填剤として比表面積1m2/g、平均粒径4μmの球状溶融シリカ、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとγ−ブチロラクトンとの重量比1/1の混合溶剤を、それぞれ表1に示す重量部で配合し、三本ロールにて混練分散した後、真空脱泡して、実施例1及び比較例1の液状封止用エポキシ樹脂組成物を作製した。組成物の25℃における粘度はいずれも3Pa・sであった。
【0024】
【化3】
(ここで、nは上記の重量平均分子量を示す1以上の整数である。)
【0025】
【表1】
【0026】
作製した実施例1及び比較例1の液状封止用エポキシ樹脂組成物を次の各試験により評価した。評価結果を表2に示す。
(1)曲げ試験
液状封止用エポキシ樹脂組成物をディスペンス方式により130℃又は140℃で所定時間加熱して300μm厚のシート状に成形した硬化物を、長さ70mm、幅10mmの短冊状に切り取り試験片とし、引張試験機(株式会社島津製作所製)を用いて、JIS−K−6911に準拠した3点支持型の曲げ試験を行い、スパン距離24mm、曲げ速度2mm/minの条件で曲げ強度(σ、単位:MPa)及び曲げ弾性率(E、単位:GPa)を求め、140℃/60分の加熱条件で成形した硬化物の値に対する百分率を算出して速硬化性を評価した。
(2)反射率
硬化物の表面が非鏡面か否かを確認するための指標として反射率を測定した。
TCP(チップサイズ15.6×1.9×0.65mm、デバイス孔16.1×2.1mm、リードピッチ:65〜195μm、ポリイミド製テープキャリア)を、液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いてディスペンス方式により140℃/15分の加熱条件で成形して作製し、液状封止用エポキシ樹脂組成物(硬化物)の表面の反射率を、デジタル変角光沢計(スガ試験器株式会社製)を用いて、図2に概略図で示すように測定した。白色光源4を用いて、光源入射角6を45°、60°又は75°として測定した値を、表面コーティングされたセラミック白色板で校正した。
【0027】
【表2】
【0028】
曲げ強度、曲げ弾性率ともに140℃/60分で成形した硬化物に対する百分率が、成形温度130℃、140℃のいずれの場合でも、実施例は比較例よりも高い。特に140℃/10分の値を比較すると、実施例では曲げ強度、曲げ弾性率ともに100%であるのに対して、比較例ではそれぞれ90.7%、97.2%で著しく劣る。これらの結果から実施例の液状封止用エポキシ樹脂組成物が速硬化性であることが確認される。
また、実施例では硬化物表面の反射率がいずれの入射角でも10%以下であるのに対して、比較例では40%以上であり、実施例の液状封止用エポキシ樹脂組成物では硬化物の表面が非鏡面であり、比較例の液状封止用エポキシ樹脂組成物では硬化物の表面が鏡面であることが確認される。
【0029】
【発明の効果】
本発明になる液状封止用エポキシ樹脂組成物は、実施例で示したように速硬化性で、表面が非鏡面の硬化物が得られるので、この液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いて素子を封止すれば半導体装置等の電子部品装置の製造工程での管理等も簡便になり、その工業的価値は大である。特に液状封止材が多く用いられるCOB、COG等のベアチップ実装した半導体装置やTCPに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化物表面の反射率の測定方法を示す概略図
【図2】TCPにおいて液状封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物表面の反射率の測定方法を示す概略図
【符号の説明】
1:液状封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物
2:入射光
3:反射光
4:光源
5:測定器
6:入射角
7:ソルダーレジスト
8:テープキャリア
9:Cuリード
10:Auバンプ
11:半導体チップ
Claims (4)
- (A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、および(D)溶剤を必須成分とし、(B)硬化剤が重量平均分子量500未満のアリル基を有するフェノールノボラック樹脂を含有してなる、TCP用の液状封止用エポキシ樹脂組成物。
- 液状封止用エポキシ樹脂組成物が(C)充填剤をさらに含有する請求項1記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物。
- 入射角45°〜75°で光照射したときの硬化物の表面の反射率が10%以下である請求項1または2記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液状封止用エポキシ樹脂組成物を用いて封止された素子を備えたTCP。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000398597A JP4631165B2 (ja) | 2000-12-27 | 2000-12-27 | 液状封止用エポキシ樹脂組成物及び電子部品装置 |
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