JPH0885719A - 液状エポキシ樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

液状エポキシ樹脂組成物及びその製造方法

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JPH0885719A
JPH0885719A JP23263194A JP23263194A JPH0885719A JP H0885719 A JPH0885719 A JP H0885719A JP 23263194 A JP23263194 A JP 23263194A JP 23263194 A JP23263194 A JP 23263194A JP H0885719 A JPH0885719 A JP H0885719A
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epoxy resin
resin composition
liquid epoxy
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inorganic filler
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JP23263194A
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English (en)
Inventor
Taro Fukui
太郎 福井
Kenji Kitamura
賢次 北村
Naoki Ito
直樹 伊藤
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低粘度で取扱い性が良く、樹脂封止層をスポ
ット封止で形成するのに適し、反りが小さく、耐湿性及
び耐熱性等に優れた信頼性の高い硬化物を与えることが
できる液状エポキシ樹脂組成物及びその製造方法を提供
する。 【構成】 エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填剤を含有
する常温で液状の液状エポキシ樹脂組成物において、上
記硬化剤としてアリル化されたビスフェノール類の化合
物を含有し、上記無機充填剤として溶融シリカを含有す
る。上記無機充填剤が粒径20μm以上の粒子を有して
いて、粒径20μm以上で、かつ、比重0.7〜1.5
の中空シリカバルーン又はメチルシリケート等の粒子の
含有量が、上記粒径20μm以上の粒子の全量に対し
て、50体積%以上である。エポキシ樹脂、硬化剤及び
溶融シリカを含有する液状エポキシ樹脂組成物の配合品
を混練した混練品に、上記中空シリカバルーンを後添加
して混合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液状エポキシ樹脂組成物
に関し、例えば、半導体チップ等を封止する液状エポキ
シ樹脂組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂組成物は、優れた電気的性
能と接着力とを有するため、電気・電子分野の種々の用
途に使用されている。エポキシ樹脂組成物は、その硬化
に際して、種々の硬化剤を使用し、硬化剤の種類により
硬化物の性能が大きく異なることが知られており、用途
によって硬化剤が使い分けられている。例えば、接着剤
や積層板の用途では接着性が最も重要視されるためにア
ミン系の硬化剤が用いられ、注型材用途では電気的性能
と低粘度の点から酸無水物系が用いられ、封止材用途で
は耐水性の点からフェノール系硬化剤が用いられる。
【0003】従来、無溶剤型の接着剤、電気及び電子部
品用の封止材、塗料等の液状エポキシ樹脂組成物の硬化
剤としてアミン類及び酸無水物が知られている。フェノ
ール系硬化剤を用いる場合、一般にフェノールノボラッ
ク樹脂が使用され、その分子量が大きいことと、エポキ
シ樹脂に対する上記フェノールノボラック樹脂硬化剤の
添加量が50PHR以上であり、大きいことから、液状
エポキシ樹脂組成物の粘度が非常に高くなって実用に供
しなくなる。しかし、接着性、耐水性、電気的性能等の
物性バランスの点では、フェノール系硬化剤が最も優れ
た硬化剤である。すなわち、液状化が困難であるという
理由からフェノール系硬化剤は一般に固形の成形材料用
途にしか使用できていない。アミン系及び酸無水物系の
硬化剤では、液状化は容易であるが、以下のような問題
点を有している。すなわち、アミン系硬化剤を用いた場
合は、硬化物の架橋構造中に3級アミン構造が存在する
ため、吸湿性が高くなる。酸無水物系の硬化剤を用いた
場合は、硬化物の架橋構造中のエステル構造が化学的に
加水分解され易いため長期耐水性に劣る上に、硬化剤の
酸無水物基とエポキシ樹脂のエポキシ基との反応によっ
て、接着に寄与するアルコール性水酸基が副生し難いこ
とから、硬化物が接着性に劣る。
【0004】最近の電子部品は高密度化・薄型化の傾向
にあるため、従来のトランスファー成形したパッケージ
から、ベアチップを実装して液状の封止材で封止する、
いわゆるチップオンボード(COB)やTAB(Tap
e Automated Bonding)という方式
に代わりつつある。従来の液状封止材としては、粘度面
の制限から、アミン系又は酸無水物系の硬化剤を用いた
エポキシ樹脂組成物が主流を占めている。しかし、アミ
ン系又は酸無水物系の硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成
物からなる液状封止材は、前述のフェノールノボラック
樹脂硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物からなるトラン
スファー成形材料に比べて、総合的な信頼性に劣る。そ
のため、液状封止材の信頼性の向上が強く望まれてい
る。そこで、フェノール系硬化剤を用いたエポキシ樹脂
組成物の高粘度という欠点を補うために、溶剤の使用、
アミン系硬化剤又は酸無水物系硬化剤との併用等が行わ
れてきて取扱い性は容易になったが、液状封止材の信頼
性の点では、満足する段階には至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本願発明者等
は、特願平6−148379号で硬化剤としてアリル化
されたビスフェノール類の化合物を含有する液状エポキ
シ樹脂組成物を提案した。最近では、HICやPLCC
の用途で大面積を封止する必要が生じてきているばかり
でなく、通常の用途でもチップの大型化に伴い大面積封
止の機会が増加してきている。ところが、大面積封止を
行うと、基板と液状エポキシ樹脂組成物の硬化物との膨
張や収縮の違いから、この硬化物に反りが発生し、実装
時に問題になるだけでなく、反り応力による硬化物とチ
ップとのミクロな界面剥離を生じ易く、耐湿性低下の原
因になるという問題があった。この問題を解決するため
に、充填剤を増量したり、低弾性化を行ったりしている
が、十分な成果を上げるに至っていない。
【0006】本発明は上述の事実に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、低粘度で取扱い性が良
く、樹脂封止層をスポット封止で形成するのに適し、反
りが小さく、耐湿性及び耐熱性等に優れた信頼性の高い
硬化物を与えることができる液状エポキシ樹脂組成物及
びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
液状エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤及び
無機充填剤を含有する常温で液状の液状エポキシ樹脂組
成物において、上記硬化剤として下記の一般式で表さ
れる化合物を含有し、上記無機充填剤として溶融シリカ
を含有することを特徴とする。
【0008】
【化2】
【0009】本発明の請求項2に係る液状エポキシ樹脂
組成物は、上記無機充填剤が粒径20μm以上の粒子を
有していて、粒径20μm以上で、かつ、比重0.7〜
1.5の粒子の含有量が、上記粒径20μm以上の粒子
の全量に対して、50体積%以上であることを特徴とす
る。
【0010】本発明の請求項3に係る液状エポキシ樹脂
組成物は、上記粒径20μm以上で、かつ、比重0.7
〜1.5の粒子の無機充填剤が、中空シリカバルーンで
あることを特徴とする。
【0011】本発明の請求項4に係る液状エポキシ樹脂
組成物は、上記粒径20μm以上で、かつ、比重0.7
〜1.5の粒子の無機充填剤が、メチルシリケートであ
ることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項5に係る液状エポキシ樹脂
組成物の製造方法は、請求項3記載の液状エポキシ樹脂
組成物の製造方法において、エポキシ樹脂、硬化剤及び
溶融シリカを含有する液状エポキシ樹脂組成物の配合品
を混練した混練品に、上記中空シリカバルーンを後添加
して混合することを特徴とする。
【0013】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
液状エポキシ樹脂組成物を構成するマトリックス樹脂と
しては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂であって、例えば、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック
型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ナフタ
レン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂等が用
いられる。これらのエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成
物が液状化する範囲内で選択可能であり、上記のエポキ
シ樹脂に限定されるものではない。
【0014】硬化剤としては、上記の一般式で表され
る化合物を使用することが必須である。上記の一般式
で表される化合物は、それぞれ、アリル化されていない
多価フェノールから合成が可能である。これらのアリル
化されていない多価フェノールは、高融点の固体であ
り、フェノールノボラック樹脂と同様に、硬化剤として
用いてもエポキシ樹脂組成物に良好な流動性を与えるこ
とができない。しかし、上記のアリル化されていない多
価フェノールをアリル化することにより、常温で液状を
有するアリル化された多価フェノールになるか、固体で
あっても融点が大幅に低下したアリル化された多価フェ
ノールになる。これらのアリル化された多価フェノール
を硬化剤として用いることにより、常温で低粘度の液状
エポキシ樹脂組成物を得ることができる。
【0015】硬化剤としては、必須成分である上記の一
般式で表される化合物以外に、特性を損なわない範囲
内で他の硬化剤と併用してもよい。
【0016】無機充填剤の含有量は、基板との膨張収縮
を抑えるために、液状エポキシ樹脂組成物の全量に対し
て10〜80重量%であることが好ましく、さらに好ま
しくは、30〜75重量%である。すなわち、無機充填
剤の含有量が液状エポキシ樹脂組成物の全量に対して8
0重量%を越える場合には、液状エポキシ樹脂組成物の
粘度が高くなり過ぎ、10重量%未満の場合には、低線
膨張化の効果が得られない。この無機充填剤としては、
溶融シリカを含有し、必要に応じて、無機充填剤の表面
をカップリング剤で表面処理をすることができる。本発
明でいう溶融シリカは、無機充填剤の中では、比重が
2.2程度であって小さいので、比重の大きい結晶シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム等に比べて反りの小さい
良好な硬化物が得られ、かつ、他の物性とのバランスに
優れている。
【0017】上記無機充填剤に粒径20μm以上の粒子
が含まれる場合には、粒径20μm以上で、かつ、比重
0.7〜1.5の粒子の含有量が、上記粒径20μm以
上の粒子の全量に対して、50体積%以上がであること
が好ましく、粒径20μm以上で、かつ、比重1.0〜
1.4の粒子の含有量が、上記粒径20μm以上の粒子
の全量に対して、50体積%以上がであることがさらに
好ましい。すなわち、粒径20μm以下の粒子では、沈
降が遅いため、殆ど反りの原因にはなっておらず、粒径
20μm以上で、かつ、比重0.7〜1.5の粒子の含
有量が、上記粒径20μm以上の粒子の全量に対して、
50体積%未満の場合には、反り低減の効果が小さい。
なお、本発明では、比重0.7〜1.5の粒子には、上
記溶融シリカを含まない。
【0018】上記粒径20μm以上で、かつ、比重0.
7〜1.5の粒子の無機充填剤が、中空シリカバルーン
又はメチルシリケートであることが好ましい。中空シリ
カバルーンを用いる場合には、混練時に、破壊してしま
う恐れがあるために、液状エポキシ樹脂組成物の製造方
法として、中空シリカバルーンを混練前の配合品に入れ
ずに、エポキシ樹脂、硬化剤及び溶融シリカ等を含有す
る液状エポキシ樹脂組成物の配合品を混練した混練品
に、上記中空シリカバルーンを後添加して混合すること
が好ましい。すなわち、この中空シリカバルーンを後添
加して混合することにより、この中空シリカバルーンの
破壊が殆どなくなり、反り低減の効果が大きくなる。
【0019】硬化促進剤としては、リン系、3級アミン
系の硬化促進剤等が用いられ、特に限定するものではな
い。さらに、必要に応じて、反応希釈剤、難燃剤、顔
料、染料、可撓性付与剤及び離型剤等を添加することが
できる。
【0020】
【作用】反りの発生原因については、基板と液状エポキ
シ樹脂組成物の硬化物との膨張、収縮による原因のみで
なく、無機充填剤の沈降による上記硬化物の上下面での
無機充填剤の含有量の相違により発生する。すなわち、
常温で液状を呈する必要のある液状エポキシ樹脂組成物
では、硬化のために高温にすると反応によって高分子化
が起こる前に、液状エポキシ樹脂組成物が非常に低粘度
になるので、比重の大きい無機充填剤が沈降して、その
結果、反りが発生する。
【0021】液体中に浮遊する球状粒子の沈降速度v
は、ナビエ−ストークスの方程式から導かれ以下の式で
表される。
【0022】 ここで、ρ;粒子比重、ρ0 ;溶液比重、g;重力加速
度 D;粒子径、 η ;溶液粘度 すなわち、無機充填剤の沈降を防止するには、(ρ−ρ
0 )を小さく、すなわち、溶液比重ρ0 と粒子比重ρと
の差を小さく、かつ、無機充填剤の粒子径Dを小さくす
ることが好ましい。ところが、比重の小さい充填材で
は、他の特性とのバランスの悪いものも多く、粒子を小
さくし過ぎると、比表面積が大きくなり、無機充填剤を
多量に添加できず、硬化物の線膨張率が大きくなり、硬
化物と基板との膨張、収縮の差が拡がり、かえって反り
が大きくなってしまう。したがって、粒径の大きい無機
充填剤の比重を小さくすることが有効である。すなわ
ち、無機充填剤に含まれる粒径20μm以上で、かつ、
比重0.7〜1.5の粒子の含有量を、上記粒径20μ
m以上の粒子の全量に対して、50体積%以上にするこ
とにより、無機充填剤の沈降速度を遅くし、無機充填剤
の沈降による上記硬化物の上下面での無機充填剤の含有
量の差を低減できるので、硬化物の反りが小さくなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により、比較例と比較
しながら具体的に説明する。
【0024】(実施例1〜実施例10)エポキシ樹脂と
しては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YD812
5:東都化成社製)とフェノールノボラック型エポキシ
樹脂(YDPN180P:東都化成社製)とを用いた。
【0025】硬化剤として上記の一般式中でm=1、
n=1、R1 及びR2 をメチル基とした下記の一般式
〔A〕で表される化合物(以下、化合物Aと記す)と、
上記の一般式中でm=1、n=1、R1 及びR2 を水
素とした下記の一般式〔B〕で表される化合物(以下、
化合物Bと記す)とを用いた。化合物Aは、三井東圧化
学社製のPF012を使用し、化合物Bは、本願発明者
等が特願平6−148379で開示した合成例で得られ
た化合物Bを使用した。すなわち、化合物Bは、下記の
一般式〔b〕で表される化合物(以下、化合物bと記
す)を用いて合成される。化合物bは、融点が125℃
の固体であり、本州化学工業社から入手した。
【0026】化合物bを80gと臭化アリルを106.
4gとを配合して配合品とし、この配合品と脱水アセト
ン200gとを1リットル四つ口フラスコに入れ溶解さ
せ、上記臭化アリルの配合量(106.4g)と同モル
数の炭酸カリウムとを加えた後、室温(10〜30℃程
度)で臭化アリル106.4gを20分間で滴下し、5
時間アセトンを還流し反応させた。反応終了後、1リッ
トルビーカーに移し、脱イオン水を500ミリリットル
加え、トルエン200ミリリットルで2回抽出し、トル
エン溶液を10%水酸化ナトリウム水溶液150ミリリ
ットルで3回、イオン交換水200ミリリットルで3回
洗浄し、次いで、トルエンを減圧留去し、上記の化合物
bのアリルエーテル化合物を得た。
【0027】このアリルエーテル化合物80gとN,N
−ジエチルアニリン80gとを200ミリリットルナス
型フラスコに入れ、190℃19時間でクライゼン転移
させた。転移反応終了後、10%水酸化ナトリウム水溶
液200ミリリットルで2回抽出し、33%塩酸で中和
し、さらにトルエン200ミリリットルで2回抽出し、
イオン交換水200ミリリットルで6回洗浄し、最後
に、トルエンを減圧留去し、目的生成物である下記の一
般式〔B〕で表される化合物すなわち、化合物Bを得
た。この化合物Bの粘度は、820センチポイズであっ
た。
【0028】
【化3】
【0029】
【化4】
【0030】無機充填剤として、溶融シリカと中空シリ
カバルーンとメチルシリケートとを用いた。溶融シリカ
の全量に対して、粒径20μm以上の粒子の含有量が4
0体積%で粒径20μm以下の粒子の含有量が60体積
%としたものを溶融シリカCと称し、溶融シリカの全量
に対して、粒径20μm以上の粒子の含有量が20体積
%で粒径20μm以下の粒子の含有量が80体積%とし
たものを溶融シリカDと称し、溶融シリカの全量に対し
て、粒径20μm以上の粒子の含有量が10体積%で粒
径20μm以下の粒子の含有量が90体積%としたもの
を溶融シリカEと称した。溶融シリカの比重は2.20
であった。中空シリカバルーンとして、中空シリカバル
ーンの全量に対して、粒径20μm以上の粒子の含有量
が30体積%で粒径20μm以下の粒子の含有量が70
体積%で比重が1.272の中空シリカバルーン(H−
330:日本シリカ社製)を用いた。メチルシリケート
として、メチルシリケートの全量に対して、粒径20μ
m以上の粒子の含有量が50体積%で粒径20μm以下
の粒子の含有量が50体積%で比重が1.330のメチ
ルシリケート(MSP−150:日興ファインプロダク
ツ社製)を用いた。
【0031】硬化促進剤として、1,8ジアザ−ビシク
ロ−(5,4,0)ウンデセン−7〔DBU〕のオクチ
ル酸塩(SA102:サンアプロ社製)を用いた。
【0032】表1に示したそれぞれの配合量を重量部で
表した配合に基づいて混合し、この混合物を室温(25
℃程度)でセラミック製3本ロールで混練して液状エポ
キシ樹脂組成物を得た。ただし、実施例7については、
エポキシ樹脂、硬化剤及び溶融シリカ等を含有する液状
エポキシ樹脂組成物の配合品を混練した混練品に、上記
中空シリカバルーンを後添加して撹拌機を用いて100
rpmで10分間回転して混合し、液状エポキシ樹脂組
成物を得た。
【0033】実施例1〜実施例10について、これらの
液状エポキシ樹脂組成物の30℃での粘度を回転粘度計
を用いて測定するとともに、2枚のガラス板の間に注型
し、160℃3時間加熱することによって、それぞれの
硬化物を得た。これらの硬化物を121℃2気圧PCT
条件で1000時間処理し、その処理品の性状を観察し
た。PCT1000時間処理後に溶解、粘着性を生じた
ものを不可、異常が認められなかったものを良好とし
た。また、5×10mmのガラスエポキシ積層板(R−
1739:松下電工社製)の上に全面均一に1mm厚に
液状エポキシ樹脂組成物を塗布し、乾燥機中で160℃
で3時間熱処理して、硬化物を得た。これらの硬化物の
積層板の裏面を表面粗さ計で測定することにより、最大
反り量を検出した。これらの結果を表1に示した。ま
た、無機充填剤の組成を表1に示した。なお、表1中の
低比重充填剤は、比重0.7〜1.5の充填剤を表して
いる。
【0034】
【表1】
【0035】(比較例1〜比較例7)化合物Aのアリル
化されていない化合物である下記の一般式〔a〕で表さ
れるビスフェノールA(試薬)を化合物aと称し、比較
例1の硬化剤として用いた。
【0036】
【化5】
【0037】化合物Bのアリル化されていない化合物、
すなわち、上記のように化合物Bの原料である下記の一
般式〔b〕で表される化合物を化合物bと称し、比較例
2の硬化剤として用いた。
【0038】
【化6】
【0039】化合物bは固体で融点が125℃であり、
本州化学工業社から入手した。比較例3については、硬
化剤としてフェノールノボラック(PSM6200:群
栄化学社製)を、比較例4については、硬化剤として酸
無水物(B−650:大日本インキ社製)を表2に示し
たそれぞれの配合量を重量部で表した配合で用いた以外
は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物及び硬
化物を得て、エポキシ樹脂組成物の30℃での粘度の測
定、硬化物のPCT処理を行った。これらの結果を表2
に示した。比較例5〜比較例7については、実施例1の
溶融シリカCの代わりに、それぞれ、比重2.60の結
晶シリカ、比重3.90のアルミナ、比重2.7の炭酸
カルシウムを用いた以外は、実施例1と同様にして、エ
ポキシ樹脂組成物及び硬化物を得て、最大反り量を検出
した。これらの結果を表2に示した。
【0040】
【表2】
【0041】上記表1及び表2に示す結果により、比較
例1〜比較例4のエポキシ樹脂組成物の30℃での粘度
については、比較例4のエポキシ樹脂組成物以外は、粘
稠物あるいは固体で測定不能であった。比較例4では、
硬化物のPCT処理後に溶解、粘着性を生じて不可であ
った。比較例5〜比較例7のエポキシ樹脂組成物の硬化
物の最大反り量は、520〜600μmと大きかった。
【0042】これに対して実施例1〜実施例10では、
液状エポキシ樹脂組成物の30℃での粘度が、30P〜
7000Pであり、ほとんどが、低粘度で取扱い性が良
く、樹脂封止層をスポット封止で形成するのに適し、P
CT処理という苛酷な条件下であっても安定な硬化物を
維持し、耐湿性及び耐熱性等に優れた信頼性の高い硬化
物を与え、比重の小さい溶融シリカ、中空シリカバルー
ン、メチルシリケート等の無機充填剤を使用した液状エ
ポキシ樹脂組成物の硬化物の最大反り量は、170〜4
60μmであり、比較例5〜比較例7に比べて小さく、
反り量の小さい硬化物を与えることができる液状エポキ
シ樹脂組成物であることが確認できた。特に、実施例7
では、最大反り量が170μmであり、非常に反り量の
小さい硬化物を与えることができる液状エポキシ樹脂組
成物であることが確認できた。
【0043】
【発明の効果】本発明の請求項1〜請求項4に係る液状
エポキシ樹脂組成物は上記のように構成されているの
で、本発明の請求項1〜請求項4に係る液状エポキシ樹
脂組成物によると、低粘度で取扱い性が良く、樹脂封止
層をスポット封止で形成するのに適し、反りが小さく、
耐湿性及び耐熱性等に優れた信頼性の高い硬化物を与え
ることができる液状エポキシ樹脂組成物が得られる。
【0044】また、本発明の請求項5に係る液状エポキ
シ樹脂組成物の製造方法は上記のように構成されている
ので、本発明の請求項5に係る液状エポキシ樹脂組成物
の製造方法によると、さらに、反りの小さい硬化物を与
えることができる液状エポキシ樹脂組成物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤及び無機充填剤を
    含有する常温で液状の液状エポキシ樹脂組成物におい
    て、上記硬化剤として下記の一般式で表される化合物
    を含有し、上記無機充填剤として溶融シリカを含有する
    ことを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物。 【化1】
  2. 【請求項2】 上記無機充填剤が粒径20μm以上の粒
    子を有していて、粒径20μm以上で、かつ、比重0.
    7〜1.5の粒子の含有量が、上記粒径20μm以上の
    粒子の全量に対して、50体積%以上であることを特徴
    とする請求項1記載の液状エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記粒径20μm以上で、かつ、比重
    0.7〜1.5の粒子の無機充填剤が、中空シリカバル
    ーンであることを特徴とする請求項2記載の液状エポキ
    シ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 上記粒径20μm以上で、かつ、比重
    0.7〜1.5の粒子の無機充填剤が、メチルシリケー
    トであることを特徴とする請求項2記載の液状エポキシ
    樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の液状エポキシ樹脂組成物
    の製造方法において、エポキシ樹脂、硬化剤及び溶融シ
    リカを含有する液状エポキシ樹脂組成物の配合品を混練
    した混練品に、上記中空シリカバルーンを後添加して混
    合することを特徴とする液状エポキシ樹脂組成物の製造
    方法。
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