JPH0715596B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents

重合トナーの製造方法

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JPH0715596B2
JPH0715596B2 JP61109509A JP10950986A JPH0715596B2 JP H0715596 B2 JPH0715596 B2 JP H0715596B2 JP 61109509 A JP61109509 A JP 61109509A JP 10950986 A JP10950986 A JP 10950986A JP H0715596 B2 JPH0715596 B2 JP H0715596B2
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聡 松永
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    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/44Polymerisation in the presence of compounding ingredients, e.g. plasticisers, dyestuffs, fillers
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は潜像を顕像化する方法に用いられるトナーの製
造方法に関する。
[従来の技術] このような目的におけるトナーとは、画像を形成し、記
録させるためのものである。例えば、電子写真法は米国
特許第2,297,691号明細書等に記載されている如く、多
数の方法が知られており、一般には光導電性物質を利用
し、種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、次い
で該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の
転写部材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力あるい
は溶剤蒸気等により定着し複写物を得る。トナーで現像
する方法及び定着する方法は従来各種の方法が提案さ
れ、必要に応じて用いられている。
従来、これらの目的に用いるトナーとしては、一般に熱
可塑性樹脂中に磁性粉、染・顔料等の着色剤を溶融混合
し、均一に分散した後、微粉砕装置及び分級機により所
望の粒径を有するトナーを製造してきた。
この製造方法はかなり優れたトナーを製造し得るが、あ
る種の制限、すなわちトナー用材料の選択範囲に制限が
ある。例えば、樹脂と着色剤との分散体が充分に脆く経
済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなくてはな
らない。この要求から、分散体を脆くするので、実際に
高速で微粉砕する場合に広い粒径範囲の粒子が形成され
やすく、特に比較的大きな割合の微粒子がこれに含まれ
るという問題が生ずる。さらに、このように高度に脆性
の材料は、複写機等において現像用に使用する際、しば
しば、さらに微粉砕ないし粉化を受ける。また、この方
法では、磁性粉あるいは着色剤等の固体微粒子を樹脂中
へ完全に均一に分散することは困難であり、その分散の
度合によっては、かぶりの増大、画像濃度の低下の原因
となるので、分散に注意をはらわなければならない。ま
た、破断面に磁性体のような導体が露出することによ
り、絶縁性のトナーを製造することが困難になる場合も
ある。
一方、これら粉砕法によるトナーの問題点を克服する
為、懸濁重合法によるトナーの製造方法が提案されてい
る。懸濁重合方法においては、重合性モノマー、重合開
始剤さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、磁性体、
着色剤その他添加剤を均一に溶解又は分散せしめた単量
体系を分散安定剤を含有する水相中に適当な攪拌機を用
いて分散し、同時に重合反応を行なわせ、所望の粒径を
有するトナー粒子を得ている。
[発明が解決しようとする問題点] かかる重合反応により得られるトナーは、粉砕工程を必
要としないため、粉砕による破断面の不均質さ、および
形状の不均質さという粉砕に基ずく問題を有さず、形状
も球状でありトナーとして好ましい方法である。
ちなみに粉砕法によるこれら不均質さは流動性、摩擦帯
電性に大きく影響し、トナーの現像特性、耐久性能の変
動劣化を左右する。
一方、上記重合反応により得られるトナーは実質的に水
相中に分散されたモノマー滴が重合されることによりト
ナー粒子となるため、トナー粒子は最初のモノマー滴の
状態に左右される。即ち、最初のモノマー滴の状態をい
かに均質とするかが重要な問題であり、例えば着色剤の
分散、含有量、添加剤の分散、含有量、重合開始剤の分
散、含有量の均質化をいかに行うかが重要な課題であっ
た。
従来、これらの問題を解決するために、着色剤の処理
や、着色剤のための分散剤を添加する方法等多数が提案
されているが、未だ充分ではなかった。
本発明は以上のような問題点に鑑みなされたもので、画
像濃度が高く、鮮明な画像が得られ、定着性、現像性に
優れたトナーの製造方法を提供することを目的とする。
更には、重合度、その他の品質が均一で、流動性が良
く、凝集の起こらないトナーの製造方法の提供を目的と
する。
[問題点を解決するための手段および作用] 具体的には、本発明は、重合性単量体、該重合性単量体
に溶解している5〜500ppmの重合禁止剤、着色剤及び極
性重合体または極性共重合体たは環化ゴムを含有する組
成物を混合し、 該組成物に重合開始剤を添加して重合性単量体系を調製
し、 無機分散剤を含有している水相中、または、無機分散剤
及び0.001乃至0.1重量%の界面活性剤を含有している水
相中で該重合性単量体系を懸濁重合して平均粒径30μm
以下のトナーを生成することを特徴とする重合トナーの
製造方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
重合反応を行なう場合、重合開始剤の均一な溶解、分散
がトナーの均質化という問題に対して非常に重要であ
る。
重合禁止剤を含有していない重合性単量体系の調合は、
均質なトナーを得るために重合性単量体中に着色剤、ワ
ックス、電荷制御剤、その他添加剤を加温下に溶解、分
散した後、重合開始剤を添加する方法の場合、重合開始
剤の投入と同時に実質的に重合の進行が始まり、部分的
な重合の場の提供により体分子量の生成と重合性単量体
系の重合による粘度の上昇がみられ、水相(水系媒体)
中に投入して造粒をする工程において、攪拌による微粒
化が困難となり望ましい粒径を得ることが難しい。
また、造粒の問題を避けるために、粘度上昇の起こらな
い時間内で造粒をした場合には、重合開始剤の溶解、分
散が不均一となり、たとえ望ましい粒径を得ることはで
きたとしても、重合の不均一さがみられ、均質なトナー
が得られず定着性や現像性、貯蔵性、オフセット性等に
問題が生じやすい。
一方、これら加温下での問題を避けるために着色剤やワ
ックスの溶解分散後、低温条件下に重合開始剤を投入す
ると、着色剤の凝集やワックスの析出、凝集がみられ、
重合開始剤の均一化は計られても、着色剤やワックスの
分散または溶解の均一化が計られず、この場合も均質な
トナーが得られにくい。
次に、重合開始剤の均一化の後、加温することがある
が、通常の加熱方法は周囲からの加熱であり、これも同
様に部分的な重合の場の提供による低分子量の生成と重
合性単量体系の重合による粘度の上昇がみられ均一なト
ナーが得られにくい。
上記目的に鑑み、均質なトナーを得るために鋭意研究の
結果、重合性単量体系に重合禁止剤を所定量添加するこ
とにより、上記諸問題を実質的に回避し、重合開始剤の
均一な溶解、分散により均質なトナーを得ることができ
る。
これは重合禁止剤を所定量添加することにより誘導期間
を必要十分にとることができ、重合開始剤の分散が問題
なく十分に行なわれることによるものと思われる。この
重合開始剤の均一な分散による効果は、重合禁止剤の抑
制や禁止効果による影響を実質的に無視し得るものであ
る。
本発明においては、ビニル系単量体に溶解する重合禁止
剤が好ましい。例えば、下記の有機化合物が挙げられ
る。
キノン化合物:p−ベンゾキノン、クロルアニリル、アン
スラキノン、フエナンスキノン、ジクロロ−p−ベンゾ
キノン ハイドロキシ有機化合物:p−第3級ブチルカテノール、
ハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチ
ルエーテル ニトロ化合物:m−ジニトロベンゼン、2,4−ジニトロト
ルエンおよびフェノール、ピクリン酸、トリニトロトル
エン ニトロソ化合物:ニトロソベンゼン、ニトロソ−β−ナ
フトール アミノ化合物:メチルアニリン、p−フェニレンジアミ
ン、N,N′−テトラエチル−p−フェニレンジアミン、
ジフェニルアミン 有機イオウ化合物:テトラアルキルウラムジスルフィ
ド、ジチオベンゾイルジスルフィド、p,p′−ジトリル
トリおよびテトラスルフィド 遊離基型:ジフェニルピクリルドラジル、ガルビノキシ
ル、フェルダジル これらの中で特に好ましい重合禁止剤としては、ハイド
ロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−te
rt−ブチルカテコール、p−ベンゾキノン等のキノン化
合物、ハイドロキシ有機化合物が重合性単量体への溶解
性および重合性単量体系への分散性から好ましい。
これら重合禁止剤を過剰に添加した場合には、誘導期間
が必要以上に延びると共に、重合禁止剤に消費される重
合開始剤や反応初期のオリゴマーレベルのラジカルの量
が無視出来なくなり、これら低分子量生成物によりトナ
ー物性におけるブロッキング性やオフセット性、若しく
は、トナー製造段階における融着などが生じやすくな
る。又、少なくなると、誘導期間が短かくなりすぎ、ト
ナー物性として不均質なトナーが生成する傾向にある。
故にこれら重合禁止剤の使用量は重合性単量体に対し、
5〜500ppm、より好ましくは5〜150ppmの範囲で使用す
るのが良い。
重合禁止剤の添加方法としては、各々用いる重合性単量
体中に添加し溶解しておく方法、着色剤、ワックス、そ
の他添加剤等を重合性単量体に溶解、分散し、重合開始
剤の投入直前に添加する方法、重合性単量体、着色剤、
ワックス、その添加剤等と同時に添加する方法等があ
る。これら各種方法のなかでも、特に、各々用いる重合
性単量体中に添加し溶解しておく方法をとることが好ま
しい。
本発明に適用出来る重合性単量体としては、スチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p
−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−
ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−
ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n
−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−
ドデシルスチレン、等のスチレンおよびその誘導体;エ
チレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのニ
チレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニ
ルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビ
ニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸
ビニルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル
酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタ
クリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα−メチ
レン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−
オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロ
ルエチル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステ
ル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビ
ニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソ
プロペニルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロ
ール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイソドー
ル、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物;ビ
ニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、アクリルアミドなどのアクリル酸もしくはメタク
リル酸誘導体などのビニル系単量体がある。
本発明においては、重合性単量体の重合時に添加剤とし
て極性基を有する重合体,共重合体または環化ゴムを含
有している重合性単量体系を重合している。
本発明においては、懸濁重合時に極性基を有する重合
体、共重合体または環化ゴムを加えた重合性単量体系を
該極性重合体と逆荷電性の無機分散剤を分散せしめた水
相中に懸濁させ、重合させることが好ましい。即ち、重
合性単量体系中に含まれるカチオン性又はアニオン性重
合体、共重合体または環化ゴムは、水相中に分散してい
る逆荷電性のアニオン性又はカチオン性無機分散剤と重
合進行中のトナーとなる粒子表面で静電気的に引き合
い、粒子表面を無機分散剤が覆うことにより粒子同士の
合一を防ぎ、安定化せしめると共に、重合時に添加した
極性重合体がトアーとなる粒子表層部に集まる為、一種
の殻のような形態となり、得られた粒子は疑似的なカプ
セルとなる。比較的高分子量の極性重合体、共重合体ま
たは環化ゴムを用い、トナー粒子にブロッキング性、現
像性、耐摩耗性の優れた性質を付与する一方で、内部で
は比較的低分子量で定着特性向上を寄与する様に重合を
行なう事により、定着性とブロッキグ性という相反する
要求を満足するトナーを得ることが出来る。本発明に使
用し得る極性重合体(または、極性共重合体,環化ゴ
ム)及び逆荷電性無機分散剤を以下に例示する。
(i) カチオン性重合体としては、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレー
ト等含窒素単量体の重合体もしくはスチレン、不飽和カ
ルボン酸エステル等と該含窒素単量体との共重合体があ
る。
(ii) アニオン性重合体としてはアクリロニトリル等
のニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸等の不飽和カルボン酸、不飽和二塩基
酸、不飽和二塩基酸の無水物、ニトロ系単量体の重合体
がある。
(iii) アニオン性無機分散剤としては、アエロジル#
200,#300(日本アエロジル社製)等のコロイダルシリカ
がある。
(iv) カチオン性無機分散剤としては酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、アミノアルキル変性コロイダ
ルシリカ等の親水性正帯電性シリカ微粉末等がある。極
性重合体のかわりに極性共重合体または環化ゴムを使用
しても良い。
本発明に用い得る磁性粒子(着色剤としても機能する)
としては、磁場の中に置かれて磁化される物質が用いら
れ、例えば鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属の
粉末、もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト
などの合金や化合物の粉末があげられる。粒径が0.05〜
5μm、好ましくは0.1〜1μmである磁性微粒子が用
いられる。この磁性粒子の含有量はトナー重量に対し、
10〜60重量%、好ましくは25〜50重量%が良い。又、こ
れら磁性微粒子はシランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、等の処理剤あるいは適当な反応性の樹脂等で
処理されていても良い。この場合磁性微粒子の表面積、
表面に存在する水酸基の密度にもよるが、5%以下の処
理量で十分な分散性が得られ、トナー物性に対しても悪
影響を及ぼさない。トナー中には必要に応じて荷電制御
剤、着色剤、流動性改質剤、添加しても良い。荷電制御
剤および流動性改質剤はトナー粒子と混合(外添)して
用いても良い。荷電制御剤としては含金属染料、ニグロ
シン等があり、着色剤としては従来より知られている染
料、顔料が使用可能であり、流動性改質剤としてはコロ
イダルシリカ、脂肪酸金属塩などがある。又、増量の目
的で炭酸カルシウム、微粉状シリカ等の充填剤を0.5〜2
0重量%の範囲でトナー中に配合してもよい。さらにト
ナー粒子相互の凝集を防止して流動性を向上するため
に、テフロン微粉末のような流動性向上剤を配合しても
よい。又、熱ロール定着時の離型性を良くする目的でト
ナー中に炭化水素系化合物やカルナバワックス等一般に
離型剤として用いられているワックス類を配合しても良
い。
本発明に用いる炭化水素化合物とは、C6以上の炭素を有
するパラフィン、ポリオレフィンなどがあり、例えばパ
ラフィンワックス(日本石油製)、パラフィンワックス
(日本精蝋製)、マイクロワックス(日本石油製)、マ
イクロクリスタンワックス(日本精蝋製)、PE-130(ヘ
キスト製)、三井ハイワックス110P(三井石油化学
製)、三井ハイワックス220P(三井石油化学製)、三井
ハイワックス660P(三井石油化学製)などがあり、特に
好ましくは低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピ
レン、パラフィンである。
重合開始剤としてはいずれか適当な重合開始剤、例えば
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ベンゾイルパー
オキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソ
プロピルパーオキシカーボネート、キュメンハイドロパ
ーオキサイド、2、4−ジクロリルベンゾイルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイド等を使用して重合性
単量体の重合を行わせることができる。一般には重合性
単量体の重量の約0.5〜5%の重合開始剤が使用され
る。
これら重合開始剤はそのまま添加しても良いし、重合性
単量体に溶解して添加しても良い。この時の重合性単量
体は重合に用いる重合性単量体と同じ種類であることが
好ましい。
重合に際して、次のような架橋剤を存在させて重合し、
架橋重合体としてもよい。
ジベニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルエー
テル、ジビニルスルホン、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコール
ジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチリレングリコールジメタクリレート、1,6
−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオベンチル
グリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコール
ジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタク
リレート、2,2′−ビス(4−メタクリロキシジエトキ
シフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリロキ
シジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、トリメチルロールプロパント
リアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリ
レート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレ
ート、フタル酸アリル、プロピレングリコール、1,3−
ブタンジオールなど、一般の架橋剤を適宜用いることが
できる。
これら架橋剤は、使用量が多いと溶融しにくくなって定
着性が劣ることとなる。また使用量が少ないとトナーと
して必要な耐ブロッキング性、耐久性などの性質が悪く
なり、熱ロール定着において、トナーの一部が紙に完全
に固着しないでローラー表面に付着し、次の紙に転移す
るというオフセット現象を防ぐことができにくくなる場
合がある。故に、これら架橋剤の使用量は、重合性単量
体の総量に対して0.001〜15重量%(より好ましくは0.1
〜10重量%)で使用するのが良い。
懸濁重合方法は、重合開始剤、着色剤、重合禁止剤を溶
融している重合性単量体、極性重合体及び添加剤等を均
一に溶解、又は分解せしめた単量体系を、懸濁安定剤を
含有する水相(すなわち連続相)中に通常の攪拌機又は
ホモミキサー、ホモナイザ等により分散せしめる。重合
性単量体系の液滴が所望のトナー粒子のサイズ、一般に
平均粒径30μm以下の大きさを有する様に攪拌速度、時
間を調整し、その後は分散安定剤の作用によりほぼその
状態が維持される様、攪拌を粒子の沈降が防止される程
度に行なえばよい。重合温度は50℃以上、一般滴には70
〜90℃の温度に設定して重合を行なう。反応終了後、生
成したトナー粒子を洗浄、濾過により回収し乾燥する。
懸濁重合法においては、通常重合性単量体100重量部に
対し水300〜3000重量部を分散媒として使用する。
本発明において用いられる適当な分散媒は、例えば、リ
ン酸三カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ベントナイ
ト、水酸化アルミニウム、水酸化第2鉄、水酸化チタ
ン、水酸化トリウム、等の無機分散剤の1種または混合
物を水相に包含させたものを使用する。この無機分散剤
は連続中で安定化する。この無機分散剤は連続相中で安
定化する量、好ましくは約0.1〜10重量%の範囲内で用
いる。又、前記無機分散剤の微細な分散のために0.001
〜0.1重量%の微少量の範囲内の界面活性剤を使用して
もよい。これは上記無機分散剤の所期の作用を促進する
ためのものであり、その具体例としては、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウ
ム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリ
ウム、アリル−アルキル−ポリエーテルスルホン酸ナト
リウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウ
ム、カプリン酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、ス
テアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、3,3−ジ
スルホンジフェニル尿素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ
−8−ナフトール−6−スルホン酸ナトリウム、オルト
−カルボキシベンゼン−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,
5,5−テトラメチル−トリルフェニルメタン−4,4−ジア
ゾ−ビス−β−ナフトール−ジスルホン酸ナトリウム、
その他を挙げることができる。
又、水に易溶性のモノマーは水中でも乳化重合を同時に
おこし、できた懸濁重合物を小さな乳化重合粒子で汚染
するので水溶性の重合禁止剤、例えば金属塩等を加えて
水相での乳化重合を防ぐこともよい。又、水系媒体の粘
度をまして粒子の合一を防ぐために、水にグリセリン、
グリコールなどを添加する事もよい。又、易溶性重合性
単量体の水への溶解度減少のためにNaCl,KCl,Na2SO4
どの塩類を用いることも可能である。
[実施例] 以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
実施例1 上記処方を容器中で70℃に加温し溶解し、分散した。高
せん断力を有する混合装置であるT.K式ホモミキサー
(特殊機化工業製)を備えた容器の中で得られた分散液
を70℃に保持しながら約5分間混合し、さらにアゾビス
イソブチロニトリル(重合開始剤)6gを加え15分間サン
ドミルで分散・混合を行ない、重合性単量体系を調製し
た。
別途、無機分散剤としてアエロジル200(日本アエロジ
ル製)4gを分散した水相(水系分散液)の入っている2l
のフラスコを70℃に加温しておき、上記重合性単量体系
を投入し、7000rpmで20分攪拌した。さらに低回転数で
攪拌し、懸濁重合を完結させた。無機分散剤を除去後、
濾過、水洗、乾燥を行ないトナーを得た。得られたトナ
ーは平均粒径11μmで、シャープな粒度分布を有してい
た。
このトナー100gにニプシルER(日本シリカ製)0.4gを加
え、現像剤とした。市販の複写機PC-20(キヤノン製)
を用いて画出しを行ったところ、良好な画像であり、耐
オフセット性、定着性も良好であった。又、3000枚の耐
久テストにおいても画質、濃度の劣化は見られなかっ
た。
実施例2 上記処方を容器中で70℃に加温し、溶解・分散した。こ
れをT.K式ホモミキサー(特殊機化工業製)の如き高せ
ん断力を有する混合装置を備えた容器の中で70℃に保持
しながら約5分間混合し、さらにアゾビスイソブチロニ
トリル6gを加え、溶解させた。これを20分間高速攪拌下
に分散・溶解を行ない、重合性単量体系を調製した。
一方、あらかじめ水にアミノアルキルシラン処理シリカ
(無機分散剤)10gを分散させた2lフラスコを70℃に加
温しておき、上記重合性単量体系を投入し、7000rpmで2
0分攪拌した。さらに低回転数で攪拌し、重合を完結さ
せた。無機分散剤を除去後、濾過・水洗・乾燥を行ない
トナーを得た。このトナーは平均粒径10μmで、粒度分
布もシャープなものであった。
このトナー100gにタラノックス500(タルコ社)0.4gを
加え現像剤とした。市販の複写機PC-270RE(キヤノン
製)を用いて画出しを行ったところ、良好な画像であ
り、耐オフセット製、定着性も良好であった。又、3000
枚の耐久テストにおいても画質、濃度の劣化は見られな
かった。
実施例3 上記配合を用い、実施例1と同様の方法で重合を行な
い、平均粒径10μmのブルートナーを得た。このトナー
100gにニプシルER(日本シリカ製)0.4g、さらに鉄粉キ
ャリアを加え、現像剤とした。実施例1と同様に画出し
を行なったところ、良好な画像であり、耐オフセット
性、定着性も良好であった。又、3000枚の耐久テストに
おいても画質、濃度の劣化は見られなかった。
実施例4 上記処方を容器中で70℃に加温し、溶解し、分散した。
高剪断力を有する混合装置であるT.K式ホモミキサー
(特殊機化工業製)を備えた容器の中で得られた分散液
を70℃に保持しながら約5分間混合し、さらにアゾビス
イソブチロニトリル6gを加え、アトライターにて10分間
分散・混合を行ない、重合性単量体系を調製した。一
方、実施例2と同様に水相(分散媒系)を用い、重合を
行ない、平均粒径10μmのトナーを得た。
このトナー100gにタラノックス500(タルコ社)0.4gを
加え現像剤とした。市販の複写機NP-270RE(キヤノン
製)を用いて画出しを行ったところ、良好な画像が得ら
れ、耐オフセット性、定着性も良好であった。又、3000
枚の耐久テストにおいても画質、濃度の劣化は見られな
かった。
比較例1 実施例1の処方において重合禁止剤を添加しない重合性
単量体系を用いて、実施例1と同様の分散・混合を行な
った。サンドミルを用いての分散・混合中に増粘が観察
され、トナーは得られたものの、平均粒径は15μmと大
きく、又分布も広いものであった。実施例1と同様の外
添・画出しを行なったところ、オフセットが発生した。
比較例2 実施例2の処方において、スチレンに添加するp−tert
−ブチルカテコールを1000ppm、2−エチルヘキシルメ
タクリレートに添加するハイドロキノンモノメチルエー
テルを1000ppmで増やして重合を行なったところ、実施
例2と同じ反応時間で取り出したところ、濾過の段階で
融着が生じ、反応が完結していなかった。
[発明の効果] 以上のように、本発明の製造方法によれば、画像濃度の
高い鮮明な画像が得られ、定着性、現像性に優れ、経時
連続使用時にも安定した性能を示すトナーが提供され
る。また、均一な品質を有し、流動性が良く、凝集の起
こらないトナーが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 邦子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 兵主 善彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 今井 栄一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−41649(JP,A) 特開 昭59−174851(JP,A) 特開 昭61−95002(JP,A) 特開 昭60−8302(JP,A) 特開 昭48−86851(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合性単量体、該重合性単量体に溶解して
    いる5〜500ppmの重合禁止剤、着色剤及び極性重合体ま
    たは極性共重合体または環化ゴムを含有する組成物を混
    合し、 該組成物に重合開始剤を添加して重合性単量体系を調製
    し、 無機分散剤を含有している水相中、または、無機分散剤
    及び0.001乃至0.1重量%の界面活性剤を含有している水
    相中で該重合性単量体系を懸濁重合して平均粒径30μm
    以下のトナーを生成することを特徴とする重合トナーの
    製造方法。
  2. 【請求項2】重合禁止剤の含有量が5〜150ppmである特
    許請求の範囲第1項の重合トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】重合禁止剤がキノン化合物またはハイドロ
    キシ有機化合物である特許請求の範囲第1項又は第2項
    の重合トナーの製造方法。
  4. 【請求項4】重合性単量体がビニル系単量体である特許
    請求の範囲第1項〜第3項いずれかの重合トナーの製造
    方法。
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