JPH07136369A - 環縫いミシンの空環縫込み装置 - Google Patents

環縫いミシンの空環縫込み装置

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JPH07136369A
JPH07136369A JP5286422A JP28642293A JPH07136369A JP H07136369 A JPH07136369 A JP H07136369A JP 5286422 A JP5286422 A JP 5286422A JP 28642293 A JP28642293 A JP 28642293A JP H07136369 A JPH07136369 A JP H07136369A
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哲司 南条
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  • Textile Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環縫い用の空環を自動的に手前側に移動させ
て保持し、環縫い目の中に整然と縫い込むことができる
ようにする。 【構成】 環縫い目を形成するミシンにおいて、押さえ
足11の後方に空環C2を切断する後カッター16を設
けるとともに、押さえ足11の前部に上下に貫通する空
環案内孔21を形成し、かつ、押さえ足11の下面に
は、針落ち孔20から空環案内孔21に向って縫製線L
上に沿った溝22が形成され、さらに、空環案内孔21
の上方に空環吸い上げ管23を設け、この空環吸い上げ
管23内に吸い上げた空環C2の先端を把持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二重環および単環の縫
い目を形成するための環縫いミシンにおいて、生地の縫
い終り端に続いて形成された空環を、つぎに縫う生地の
縫い目中に縫い込んで縫い始め端におけるほつれ防止を
図るようになした環縫いミシンの空環縫込み装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】本縫いミシンにおいては、縫い目の縫い
始め端や縫い終り端から糸がほつれるのを防止するため
に返し縫いを行なっているが、オーバーロックミシンに
おいては、生地を後退させながら縫い目を形成させるこ
とができないことから、生地の縫い終り端に続いて形成
される空環を、ミシンの手前に保持させておき、次に縫
う生地の縫製の開始とともに縁かがり縫い目の中にその
空環を縫い込むようにしているのが一般的である。ま
た、例えば特開昭54−16257号公報などに開示さ
れているように、縁かがり縫い目に沿って生地の内側に
二重環縫い目を形成するようになされている安全縫いミ
シンにおいても、縁かがり縫いの空環および二重環縫い
の空環それぞれを、縫い始め前に縫製部の手前に保持さ
せておき、縫製の開始とともに生地に形成する縁かがり
縫い目の中に縫い込むようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な二重環縫いミシンにおいては、空環を手動作業によっ
て縫製部の手前へ引き回して、その端部をグリッパと呼
称される挟持具で保持させるようにしているため、空環
の処理に煩わしい手数を要して縫製作業能率の低下を招
きやすい。また、二重環縫い用と縁かがり用の針の位置
が前後にずれているミシンにおいては、いずれか一方の
空環に緩みが生じて、縁かがり縫い目の中に整然と縫い
込むにくいという問題があった。
【0004】本発明は上記したような問題を解消するた
めになされたもので、空環を自動的に縫製部の手前に移
動させて保持させることができるとともに、縫い目中に
整然と縫込むことができる環縫いミシンの空環縫込み装
置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る環縫いミシンの空環縫込み装置は、針
板と、この針板上に出没する送り歯に生地を押しつける
押さえ足と、環縫い用の針と、上記針板の下方で左右前
後に楕円運動するルーパーとを備え、上記針とルーパー
とにより環縫い目を形成するようになされた環縫いミシ
ンにおいて、上記押さえ足の後方には、生地の縫い終り
端に続いて形成される空環を切断する後カッターおよび
その切断後の空環を手前側に吹き返すための加圧空気源
に連結された空環吹き返し管とが設けられているととも
に、上記押さえ足の前部には、上下に貫通する空環案内
孔が形成され、かつ、上記押さえ足の下面には、環縫い
用針の針落ち孔の縫製線上の位置から上記空環案内孔に
向って縫製線上に沿った溝が形成され、さらに、上記空
環案内孔の上方には、減圧装置に連結された空環吸い込
み管が設けられており、この空環吸い込み管内に吸い上
げられた空環を保持する空環保持具が設けられているも
のである。
【0006】また、上記空環保持具としては、空気圧に
よって空環吸い込み管の内壁に押圧および押圧解除され
るように作動する板バネから構成されていることが望ま
しい。
【0007】
【作用】本発明によれば、生地の終端で所定の縫製が終
わると、その縫い終り端に続いて形成される空環が後カ
ッターで切断される。次に、押さえ足を上方へ変位させ
るとともに、空環吹き返し管および空環吸い込み管をと
もに作動させて、切断後の空環を押さえ足の手前側に移
動させ、かつ上方へ吸い上げた後、その空環を空環保持
具で保持させる。このとき、押さえ足の下方に位置する
空環は、該押さえ足の下面に形成されている溝に沿って
縫製線上に位置し、その状態で次の生地の縫製を待機す
る。そして、次の生地を押さえ足の下の針板上に挿入し
て、押さえ足を下降させてミシンを始動させると、上述
のように保持されている空環が上記溝に案内されて縫製
線上に沿って進み、環縫い目の中に整然と縫い付けられ
ることになり、縫い始め端における糸のほつれが防止さ
れる。
【0008】特に、上記空環保持具を、空気圧によって
空環吸い込み管の内壁に押圧および押圧解除されるよう
に作動する板バネから構成する場合は、空環を板バネの
弾性力によって比較的ソフトにして確実に保持させなが
ら、次の生地の縫製にともなって抵抗なくスムースに繰
り出して環縫い目の中に確実に縫い込ませることが可能
である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は、本発明の一実施例による空環縫込み装置
を付設した二重環縫いミシンの一例となる安全縫いミシ
ン1の全体を示す斜視図、図2は図1の主要部の作用状
態を示す拡大斜視図、図3は図1の主要部の作用状態を
示す拡大縦断面図、図4は図1の主要部の作用状態を示
す拡大平面図である。これら各図において、3,4はミ
シンアーム2の手前で上下二列に配置された縫製時用の
糸調子器列および空環形成時用の糸調子器列であり、こ
れら糸調子器列3,4は、レバー5による手動操作また
はソレノイド6による自動操作によって、いずれか一方
が作用状態に切り替わるようになされている。
【0010】上記安全縫いミシン1は、通常の安全縫い
ミシンと同様に、縁かがり用の針7と二重環縫い用の針
8(図3)およびそれら各針7,8に対応する針板9の
下方に配置されて左右前後に楕円運動する公知のルーパ
ー(図示を省略する)と、上記針板9に形成された孔1
0を通して該針板9上に出没する送り歯12と、この送
り歯12に生地Wを押しつけて、該送り歯12と協働し
て生地Wを矢印X方向に送る押さえ足11と、縁かがり
に先立って生地Wの縁部を切り揃える上下一対のメス1
3,14とを備え、上記両針7,8とこれらに対応する
ルーパーとにより、図8に示すように、縁かがり縫い目
Eおよびその内側に二重環縫い目Dを形成するように構
成されている。
【0011】15はミシンベッドで、このミシンベッド
15上の針板9および上記押さえ足11の後方部には、
空環C、即ち、縁かがり縫いの空環C1および二重環縫
いの空環C2を切断する後カッター16が設けられてい
る。この後カッター16は、図3に明示されているよう
に、生地送り方向Xに対して直交する上刃17とこの上
刃17に対向させて針板9と同一平面上に固定された下
刃18とからなり、図示しない駆動部材を介して上刃1
7を昇降させることにより、切断作用を行なうようにし
ている。
【0012】19は上記後カッター16の後方に配設さ
れた空環吹き返し管で、その先端部19aが図2および
図4に示すように、斜め手前に向って開口されており、
図7に示す加圧空気源(コンプレッサ)43から供給さ
れるエアを矢印a方向に向けて噴出することにより、針
8に連らなる切断後の空環C2を手前側に吹き返すよう
になされている。上記押さえ足11の前部には、図5お
よび図6に示すように、針落ち孔20よりも手前側に上
下に貫通する空環案内孔21が形成されているととも
に、該押さえ足11の下面には、二重環縫い用の針8に
対する針落ち孔20を通る縫製線L上の位置から上記空
環案内孔21に向って上記縫製線L上に沿った溝22が
形成されている。なお、図5において、20Aは縁かが
り縫い用針7の通過する針落ち溝である。
【0013】また、上記空環案内孔21の上方には、空
環吸い込み管23が立設されており、この空環吸い込み
管23内に、図3に最も明瞭に示されているように、空
気圧作動式の板バネ24を備えた空環把持具25が設け
られている。この空環把持具25の板バネ24は、その
上端が上記空環吸い込み管23の下部にネジ26により
固定されており、水平ピン27で枢支されエアシリンダ
28の伸長駆動によって上記水平ピン27の周りを回動
する揺動腕29を介して、その下端部を空環吸い込み管
23の内壁に押圧して空環吸い込み管23内に吸い上げ
られた空環C2の先端を把持するように構成されてい
る。なお、上記エアシリンダ28が収縮すると、巻きバ
ネ30によって上記揺動腕29が水平ピン27の周りを
逆回動して、上記板バネ24の下端部の空環吸い込み管
23の内壁に対する押圧が解除されるようになされてい
る。
【0014】なお、上記の構成の他に、この安全縫いミ
シン1には、上記押さえ足11の上方位置に生地検出セ
ンサ31が設けられているとともに、この生地検出セン
サ31の後方に上記後カッター16の作動用手動スイッ
チ32が設けられ、さらに、運針カウンタ、上記空環吹
き返し管19に対する空気圧装置およびその制御装置な
どが備えられているが、それらの図示は省略されてい
る。また、この実施例においては、図3および図4に示
すように、上記針板9に縁かがり縫いの空環C1を形成
するための爪部33を先端に有し、その爪部33から手
前側に向って延びる管状の空洞部が形成され、その管状
空洞部を縁かがり縫いの空環吸引管34としている。
【0015】さらに、図7に示すように、上記空環吸い
込み管23および空環吸引管34は、それぞれ大小2個
の分岐管35,36を備えた管径の大きいベンチュリ管
37,38を介して集塵室39,40に接続されてお
り、上記大小の分岐管35,36はそれぞれ制御弁4
1,41、流量調整弁42,42を介してコンプレッサ
43に接続されている。
【0016】つぎに、上記構成の安全縫いミシン1によ
る縫製作用について説明する。図2に示すように、縫製
の終りにおいて生地Wの終端を生地検出センサ31が検
出すると、運針カウンタが作動して、生地Wの終端の縫
い目から引き続いて予め設定された数針分の空環C(C
1,C2)が形成された後、ミシン1の作動が停止す
る。つづいて、後カッター16の上刃17が作動して生
地Wの後端に連なって形成された縁かがり縫い用空環C
1および二重環縫い用空環C2を切断する。
【0017】次に、押さえ足11を上げるとともに、空
環吹き返し管19の先端部19aから矢印a方向に向け
て高圧エアを吹き出し、同時に制御弁41を開いて空環
吸い込み管23および空環吸引管34内に空気を吸引さ
せると、図3および図4に示すように、切断後の縁かが
り縫い用空環C1は針板9の爪部33から空環吸引管3
4内に吸込まれるとともに、二重環縫い用空環C2は押
さえ足11の空環案内孔21からその手前上方の空環吸
い込み管23内に吸い上げられる。その直後に、エアシ
リンダ28が伸長駆動されて揺動腕29の回動により空
環把持具25の板バネ24が押圧されて、針8に連なる
押さえ足11の下方の二重環縫い用空環C2は、縫製線
L上に位置する溝22に沿った状態となり、その先端が
空環吸い込み管23内で把持され、次の生地の縫製を待
機することになる。
【0018】次に、新たな生地Wを押さえ足11の下の
針板9上に挿入し、押さえ足11を下降させてミシン1
の作動を開始するとともに、エアシリンダ28による揺
動腕29の押圧を解除すると、空環吸い込み管23内で
把持されている二重環縫い用空環C2は、上記押さえ足
11の下面に形成の溝22により縫製線L上に沿って案
内されながら順次繰り出されて図8に示すように、生地
Wの上面側で二重環縫い目Dの中に縫い付けられ、また
針板9の爪部33の下部に設けた空環吸引管34内にあ
る縁かがり縫い目の空環C1は生地Wの下面側で縁かが
り縫い目Eの中に縫い込まれる。なお、ミシン1の作動
とともに、エアシリンダ28による揺動腕29の押圧を
解除するとき、ベンチュリ管37,38の小分岐管3
6,36による吹き付け作用によって空環C1,C2に
適正な張力を与えると、両空環C1,C2は円滑に縫い
込まれる。
【0019】なお、上記実施例では、二重環縫い目と縁
かがり縫い目とを同時に形成する安全縫いミシンについ
て説明したが、単に、二重環縫い目あるいは単環縫い目
のみを形成するミシンに適用しても、同様な効果を奏す
るものである。また、この実施例においてエアシリンダ
28と巻きバネ30の作用を逆にしてもよく、さらに、
空環把持具25を省いてエアによる吸引力のみで空環を
保持するようにすることもできる。
【0020】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、所定の
縫製が終わったときに、その縫い終り端に続いて形成さ
れ後カッターで切断された空環を、空環吹き返し管およ
び空環吸い込み管の作動によって押さえ足の手前側に自
動的に移動させるとともに、その空環の先端を押さえ足
の上方で保持させることができる。しかも、このとき、
押さえ足の下方に位置する空環を該押さえ足の下面に形
成されている溝に沿って縫製線上に位置させておくとと
もに、次の生地の縫製に伴って、その保持されている空
環を上記溝に案内させて縫製線上に沿って進ませること
ができるので、空環を環縫い目の中に整然と縫込むこと
ができ、したがって、縫い始め端における糸のほつれ防
止効果を確実に発揮させることができるという効果を奏
する。
【0021】特に、上記空環保持具を、空気圧によって
空環吸い込み管の内壁に押圧および押圧解除されるよう
に作動する板バネから構成する場合は、空環の先端を板
バネの弾性力によって比較的ソフトにして確実に保持さ
せながら、次の生地の縫製にともなって抵抗なくスムー
スに繰り出して環縫い目の中に確実に縫い込ませること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による空環縫込み装置を付設
した安全縫いミシンの全体を示す斜視図である。
【図2】図1の主要部の作用状態を示す拡大斜視図であ
る。
【図3】図1の主要部の作用状態を示す拡大縦断面図で
ある。
【図4】図1の主要部の作用状態を示す拡大平面図であ
る。
【図5】図1の主要部の1つである押さえ足を示す拡大
平面図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図1の実施例における空気圧作動部の概略配管
図である。
【図8】本発明により空環が縫い込まれた生地の一部を
示す平面図である。
【符号の説明】
8 二重環縫い用の針 9 針板 11 押さえ足 12 送り歯 16 後カッター 19 空環吹き返し管 20 針落ち孔 21 空環案内孔 22 溝 23 空環吸い込み管 24 板バネ 25 空環把持具 W 生地 C2 空環 L 縫製線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針板と、この針板上に出没する送り歯に
    生地を押しつける押さえ足と、環縫い用の針と、上記針
    板の下方で左右前後に楕円運動するルーパーとを備え、
    上記針とルーパーとにより環縫い目を形成するようにな
    された環縫いミシンにおいて、上記押さえ足の後方に
    は、生地の縫い終り端に続いて形成される空環を切断す
    る後カッターおよびその切断後の空環を手前側に吹き返
    すための加圧空気源に連結された空環吹き返し管とが設
    けられているとともに、上記押さえ足の前部には、上下
    に貫通する空環案内孔が形成され、かつ、上記押さえ足
    の下面には、環縫い用針の針落ち孔の縫製線上の位置か
    ら上記空環案内孔に向って縫製線上に沿った溝が形成さ
    れ、さらに、上記空環案内孔の上方には、減圧装置に連
    結された空環吸い込み管が設けられており、この空環吸
    い込み管内に吸い上げられた空環を保持する空環保持具
    が設けられていることを特徴とする環縫いミシンの空環
    縫込み装置。
  2. 【請求項2】 上記空環保持具は、空気圧によって空環
    吸い込み管の内壁に押圧および押圧解除されるように作
    動する板バネから構成されている請求項1記載の環縫い
    ミシンの空環縫込み装置。
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