JPH0712093Y2 - 自動車の換気口ガ−ニツシユ構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は自動車に装備される室内換気口の出口部分の
構造の技術分野に属する。

而して、この考案は自動車の換気口の出口部分に取り付
けられるガーニッシュ本体に幅方向に一体的に延出し、
室外方向に突出して形成された上側の固定部とその下側
の可動部から成る複数のバタフライが上下方向に亙って
相隣って配設され、補助部材を介しその上端の室内方向
に膨出されたガーニッシュ本体の上記開口端に該各バタ
フライが圧着され、更に、各バタフライの可動部の下端
に幅方向に拡がる補強リブが一体に形成されている換気
口ガーニッシュの構造に関する考案であり、特に、上記
補強リブが幅方向のスリットに上位し、その下位の肉厚
の固定部よりも室外方向に所定高さだけ長く突出してひ
さし機能を有するように形成された自動車の換気口ガー
ニッシュの構造に係る考案である。

〈従来の技術〉 周知の如く、一般に、自動車は衛生上、快適性等の観点
から換気装置が装備されており、車両の走行に伴う相対
流過風の動圧を利用したり、エアコンディショナのファ
ンを利用したりして車室内に新鮮な外気を導入し、リヤ
フェンダ等に設けられた換気口から車室内の空気を外に
排出するようにされている。

そして、該車室内の空気を排出する換気口は車両外側に
於いてスリット状のガーニッシュが付設され、車両の外
面の意匠性の向上を図ると共に車両外側からの雨水や塵
埃等の換気口内への流入によるダクト内に於ける錆発生
等の防止を図るような構造にされていた。

而して、従来態様の換気口の一般的ガーニッシュ構造は
第２〜４図（第２、３図は従来技術とこの考案とを共用
的に示す）に示す様に、短角筒状のガーニッシュ本体１
の室外側（図上左側）端面に複数のスリット板２、２…
が一体的に渡設されると共に他方の室内側（図上右側）
に連通する図示しないダクトに臨まされる開口端面に上
下方向に亙ってゴム製の複数のバタフライ３、３…がス
リットを介して横板部12を有する補助部材４に対しスタ
ッドを介する等して挾装されて圧着されるように設けら
れ、該バタフライ３、３…は一枚の板状のゴム材に複数
の横方向の切り込みが設けられて成り、車両の走行に伴
ってガーニッシュ本体１のスリット板２、２…の周辺に
風の負圧が生じた際等に車両外側方向に薄肉部のハッチ
を介して押し開かれる姿勢にされ、その他の場合には補
助部材４の端縁部と当接して室内に連通するダクトに臨
まされるガーニッシュ本体１の開口端面を閉塞する姿勢
にされるようにされている。

又、第４図に示す様に、各バタフライ３の下端部はその
幅方向に延出する補強リブ５を一体的に有して該バタフ
ライ３の旋回時に安定した姿勢を保持して開閉動作が得
られるようにされている。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかしながら、上述従来態様の自動車の換気口ガーニッ
シュは当該第４図に示す様に、バタフライ３の上端の経
時的な波うち変形を防止してガーニッシュ本体１の端面
に対する固設状態を確実にするために該バタフライ３の
上端の固定部６が一体的に幅方向に延出され室外方向の
突出状に形成されてその中央部から下方にかけての可動
部７よりも部材的に板厚が厚く形成されているため、該
ガーニッシュ本体１のスリット板２…の間から不測にし
てその内部に入り込んだ雨水を洗車時の洗浄水はＬで示
す経路からバタフライ３の補強リブ５の表面を通ってそ
の下方に隣位するバタフライ３の固定部６にかけて流下
し、大方はL₁で示す経路を通って車外に排出されはする
ものの、その一部はL₂で示す経路、即ち、バタフライ３
と補助部材４との微小間隙を通って室内に連通するダク
ト内に入り込み易くなるという虞れがあった。

尚、類似する自動車の換気口ガーニッシュの技術として
は、例えば、実開昭57-113215号公報に開示されている
ような態様も案出されている。

この考案の目的は上述従来態様の自動車の換気口ガーニ
ッシュの外部からの雨水や洗浄水の浸入に伴う問題点を
解決すべき技術的課題とし、ガーニッシュ本体へ車両外
側から入り込んだ雨水や洗浄水、塵埃等がバタフライ部
に於いて、室内に連通するダクト内部への浸入を完全に
阻止されるようにすることにより室内に連通するダクト
内部の錆発生を防止し、車両の耐久性の向上を図るよう
にして自動車産業における防錆技術利用分野に益する優
れた自動車の換気口ガーニッシュ構造を提供せんとする
ものである。

〈課題を解決するための手段〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を要旨とす
るこの考案の構成は前述課題を解決するために、ガーニ
ッシュ本体の室内連通ダクトに臨まされる開口端に室外
方向に開閉自在な複数のバタフライが上下方向に亙り相
隣って配設され、該各バタフライがその上端部に幅方向
に延出し、室外方向に突出して形成された固定部を、そ
して、該固定部の下に可動部を有しており、補助部材を
有して室内方向に膨出状に形成されたガーニッシュ本体
の上記開口端に固定部を圧着させると共に可動部の下端
部に幅方向に一体的に延出する補強リブを有している自
動車の換気口ガーニッシュ構造において、上記各バタフ
ライの固定部が横方向の切り込みに上位して可動部の一
般部よりも肉厚に形成され、又上記補強リブがその下方
のバタフライの固定部よりも所定高さだけ側方に高く室
外方向に突出して該固定部に対しひさし的姿勢状態に形
成されているようにした技術的手段を講じたものであ
る。

〈作用〉 而して、室内に連通するダクトに臨まされるガーニッシ
ュ本体の車室側の開口端面に於て、上部に固定部をその
下側に可動部を有して成る複数のバタフライが上下方向
に亙り相隣って配設され、周囲に配設される補助部材に
よってガーニッシュ本体の開口端面に各バタフライの上
端部が圧着され、更に、各バタフライの下端部にはその
幅方向に一体的に延出する補強リブがその下位のバタフ
ライの固定部よりも室外方向に所定高さ突出するように
形成され、該固定部は可動部の一般部より肉厚に形成さ
れ幅方向の切込みに上位されていることから、ガーニッ
シュ本体の室外側の開口部から入り込んだ雨水や洗浄水
や塵埃はバタフライの可動部から補強リブまで流下した
後、該補強リブのひさし作用によりその下位のバタフラ
イの固定部の上端部に滴下すること無く、補強リブの先
端部から直接ガーニッシュ本体の内側下面に滴下して車
両外部に排出されるようにし、併せて、固定部と補強リ
ブによりバタフライの強度、剛性を上げ、該バタフライ
の波うち現象等の変形発生を阻止し、この点からも気密
性を向上させることが出来るようにしたものである。

〈実施例〉 次に、この考案の１実施例を第２、３図を共用的に援用
して第１図に基づいて説明すれば以下の通りである。

尚、第２〜４図と同一態様部分には同一符号を用いて説
明するものとする。

８はこの考案の要旨の中心を成す換気口ガーニッシュで
あり、自動車のボディのリヤフェンダ部等の該自動車の
走行時に相対風による負圧を生ずる部位に取り付けら
れ、当該走行時に発生する該相対風の負圧を利用して当
該部位から室内の空気が排出されるようにされている。

而して、ガーニッシュ本体１の短角筒状に形成されたそ
の室外側端部にはボディのアウタパネル９に嵌着固定す
るためのフランジ10が形成され、更に、その開口部には
複数のスリット板２、２…が設定角度で傾斜した姿勢で
一体に形成されている。

一方、ガーニッシュ本体１の室内に連通する図示しない
ダクトに臨まされる開口端にはゴム製の所定数複数のバ
タフライ３′、３′…が上下方向に相隣って配設され、
その各上部の横成形の固定部６がスリットを間にした横
板部12、12…を有する補助部材４を介してガーニッシュ
本体１の開口端に圧着されるようにされている。

そして、該バタフライ３′、３′…は一枚の板状のゴム
材に所定数複数のコの字状の切り込みが入れられて１つ
のユニット11とされ、そのコの字状に切り込まれた下側
部が各バタフライ３′…の旋回動する可動部７′…とさ
れ、該可動部７′…を除いた上の部位が切り込みによる
インテグラルヒンジを介して固定部６とされ、該固定部
６にほぼ沿う形状に形成された横板部12がユニット11の
固定部６に当接され、その状態で図示しないクリップ等
を介して補助部材４がガーニッシュ本体１に圧着される
ようにされている。

而して、該固定部６と共にインテグラルヒンジを介して
ユニット11を構成するバタフライ３′、３′…の各可動
部７′…はその下端部に幅方向に亙って補強リブ５′…
を一体に外向きに直角状に曲折して形成され、可動部
７′の旋回動時の安定した開閉動作が得られるようにさ
れており、更に、各補強リブ５′は室外方向に所定高さ
だけ突出するように形成され、その突出高さはその下方
のバタフライ３′の固定部６よりも高さｌだけ第１図に
示す様に、高くなってひさし機能を有するように設定さ
れている。

尚、バタフライ３′、３′…をユニット11ごとガーニッ
シュ本体１に圧着する補助部材４の横板部12は各バタフ
ライ３′の固定部６よりも上下方向に幅広に形成されて
おり、該バタフライ３′の閉状態時に横板部12の上端部
とバタフライ３′の可動部７′の下端部がオーバーラッ
プ的に当接するようにされている。

上述構成において、通常の自動車走行に際しては換気口
ガーニッシュ８は在来態様と同様に作動し、即ち、該自
動車の外側面に臨まされたガーニッシュ本体１のスリッ
ト板２…の周辺部に相対風による負圧が生じると、それ
に伴ってバタフライ３′、３′…が図中２点鎖線で示す
様に、インテグラルヒンジを介して室外方向に旋回し、
室内の空気が該室内に連通する図示しないダクトを介し
てガーニッシュ本体１を流過し、スリット板２…の間を
通って外部に排出される。

又、車両の停車時等にガーニッシュ本体１のスリット板
２…に向かって吹込む塵埃、雨水、洗浄水等は大半は所
定角度傾斜して配設されたスリット板２、２…によって
内部への侵入を遮ぎられ、その一部は該スリット板２、
２…の間隙からガーニッシュ本体１内に流入しても、該
ガーニッシュ本体１の室内側端面を図示実線で示す様
に、補助部材４と共に閉塞する各バタフライ３′に衝突
して室内に連通する図示しないダクトへ侵入することな
く、再びスリット板２…の間隙から自動車の外部に排出
される。

そして、該スリット板２、２…の間隙からガーニッシュ
本体１の内部に流入した雨水や洗浄水や塵埃はその一部
がバタフライ３′に付着し、在来態様の場合は、その可
動部７′の壁面から滴下した後、下方のバタフライ３′
の固定部６と補助部材４との間隙から室内に連通するダ
クト内に流入する不具合もあったが、当該実施例の換気
口ガーニッシュ８においては、バタフライ３′に付着、
或いは、衝突した雨水や洗浄水、塵埃は経路Ｌに沿って
その可動部７′の下端部に設けられた補強リブ５′の先
端を伝い、続いて経路L₁′から直接ガーニッシュ本体１
の内側下面に滴下し、スリット板２…の下方から自動車
の外部にスムースに排出される。

即ち、この考案の換気口ガーニッシュ８の場合、各バタ
フライ３′の補強リブ５′がその下方のバタフライ３′
の固定部６よりも（横方向）高さがｌだけ室外方向に突
出しているため、上方から流下して来た雨水や洗浄水、
塵埃等は下方の固定部６に対して上方の補強リブ５′が
ひさし作用をなし、該固定部６の上面外側寄りに滴下し
て固定部６と補助部材４との間隙に侵入することなく、
直接補強リブ５′から経路L₁に沿ってガーニッシュ本体
１の内部底面に滴下する。

又、スリット板２…の間隙から各バタフライ３′の上部
の固定部６方向に直接吹込んで来た雨水や洗浄水や塵埃
は各バタフライ３′の補強リブ５′…がひさしとなって
その流下は遮ぎられ、上述と同様に補強リブ５′の先端
からガーニッシュ本体１の内側下面に滴下する。

このようにして、外部からの雨水や洗浄水の室内へ通じ
るダクト内の侵入は阻止される。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るものでない
ことは勿論であり、他の種々の態様が採用可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、基本的に、ガーニッシュ本体
内部に自動車外側端部から侵入した雨水や洗浄水や塵埃
等がバタフライ部分で室内に連通するダクトへの侵入を
確実に阻止されるようになるため、室内に連通する該ダ
クト内部の錆発生が防止され、自動車の耐久性が向上す
るという優れた効果が奏される。

即ち、ガーニッシュ本体の室内に連通するダクト側の開
口端に配設される各バタフライの下端部にその下位のバ
タフライの上端部の固定部よりも室外方向に突出する高
さを有する補強リブが設けられるようにしたことによ
り、外部からの該バタフライの壁面を伝った雨水や洗浄
水や塵埃が該補強リブの先端部から該補強リブのひさし
作用を介して直接ガーニッシュ本体の内側下面に滴下
し、バタフライの固定部と補助部材との間隙に雨水や洗
浄水や塵埃が侵入しなくなるという優れた効果が奏され
る。

又、直接バタフライの可動部とその下方の固定部との間
隙に向かって吹込んで来た雨水や洗浄水や塵埃も各バタ
フライの補強リブが下方の固定部に対しひさしとなるた
め、該バタフライの固定部と補助部材との間隙に侵入し
なくなり、その結果、該固定部と横板部との間から流下
して室内に連通するダクト内に侵入することがないとい
う効果も奏される。

更に、バタフライの下端に補強リブを設けたことによ
り、上端の幅方向に一体的に延出され、室外方向に突出
状に形成された固定部と共に該バタフライの強度、剛性
を上げ、該バタフライの波うち現象等の変形発生等を阻
止し、この点からもバタフライの気密性を向上させるこ
とが出来るという優れた効果が奏される。

加えて、固定部が可動部の一般部より肉厚にされ、その
上部の幅方向切り込みに上位して設けられていることか
らガーニッシュ本体の補助部材に対する取付強度を大き
く出来、下端の補強リブと共にバタフライの強度剛性を
大にすることが出来、反復するバタフライ作用にもかか
わらず、耐久性を向上させることが出来るという優れた
効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の１実施例を示すものであり、第３図
のIVに対応する拡大断面図、第２図以下の図面は従来態
様を示すものであり、第２図はこの考案の実施例の説明
と従来技術の説明を兼ねる斜視図、第３図はこの考案の
実施例の説明と在来態様を兼ね、第２図のIII-IIIに対
応する断面図、第４図は第３図のIV部に対応する拡大断
面図である。 １……ガーニッシュ本体、３′……バタフライ、４……
補強部材、６……固定部、５′……補強リブ、８……換
気口ガーニッシュ、ｌ……所定高さ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ガーニッシュ本体の室内連通ダクトに臨ま
   される開口端に室外方向に開閉自在な複数のバタフライ
   が上下方向に亙り相隣って配設され、該各バタフライが
   その上端部に幅方向に延出し、室外方向に突出して形成
   された固定部を、そして該固定部の下に可動部を有して
   おり、補助部材を有して室内方向に膨出状に形成された
   ガーニッシュ本体の上記開口端に固定部を圧着させると
   共に可動部の下端部に幅方向に一体的に延出する補強リ
   ブを有している自動車の換気口ガーニッシュ構造におい
   て、上記各バタフライの固定部が横方向の切り込みに上
   位して可動部の一般部よりも内厚に形成され、又上記補
   強リブがその下方のバタフライの固定部よりも所定高さ
   だけ側方に高く室外方向に突出して該固定部に対しひさ
   し的姿勢状態に形成されていることを特徴とする自動車
   の換気口ガーニッシュ構造。