JPH07118287A - 新規なクロマノール配糖体およびその製造方法 - Google Patents
新規なクロマノール配糖体およびその製造方法Info
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- JPH07118287A JPH07118287A JP5338083A JP33808393A JPH07118287A JP H07118287 A JPH07118287 A JP H07118287A JP 5338083 A JP5338083 A JP 5338083A JP 33808393 A JP33808393 A JP 33808393A JP H07118287 A JPH07118287 A JP H07118287A
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Abstract
剤である新規なクロマノール配糖体およびその製造方法
を提供する。 【構成】 一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一ま
たは異なる水素原子または低級アルキル基、R5 は水素
原子、低級アルキル基または低級アシル基、Xは単糖残
基またはオリゴ糖残基であり、糖残基の水酸基の水素原
子は低級アルキル基または低級アシル基で置換されてい
てもよく、nは0〜4の整数を表わし、またmは1〜6
の整数を表わす)で表わされるクロマノール配糖体。
Description
糖体およびその製造方法に関するものである。詳しく述
べると、2−置換アルコールに糖を結合させることによ
る化学的安定性に優れた新規な水溶性抗酸化剤およびそ
の製造方法に関するものである。
品質劣化の原因として知られていたが、最近では生体に
おいても動脈硬化、老化、癌など様々な疾病に関連して
いることが明らかになってきている。そこで、活性酸素
などによって引き起こされる過酸化脂質の生成を抑える
ための抗酸化剤の開発は、食品ばかりではなく化粧品、
医薬品など多くの分野において注目を集めている。
ロール類、没食子酸、アスコルビン酸、グルタチオン、
β−カロテンなどが知られており、また食品に添加して
油脂の酸化を防止する目的で合成されたブチルヒドロキ
シアニソールやブチルヒドロキシトルエンなども抗酸化
剤として知られている。
フェロール類のその優れた抗酸化活性は注目を集め、食
品、化粧品、医薬品分野において多用されている。ま
た、トコフェロールの優れた抗酸化活性はクロマン環に
起因していることより、トコフェロールの2位のイソプ
レノイド側鎖をカルボキシル基に置換した6−ヒドロキ
シ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カル
ボン酸(以下、トロロックス)等は商品として知られて
おり、また、その他にも2−置換アルコール等が知られ
ている。
ェロール類は、水に不溶な粘性油状物のため注射剤また
は内服液等の溶液剤としての利用は不可能である。ま
た、トロロックス、2−置換アルコールも水に対する溶
解性は非常に低い。
(a)界面活性剤の添加、(b)シクロデキストリンに
よる包括、(c)水溶性化合物を用いた化学修飾(エス
テル化)等の方法が考えられるが、(a)および(b)
の場合には、かなりの量の界面活性剤またはシクロデキ
ストリンが必要となり、本来不用な物の多量の混入が問
題となる。また、これらの方法では十分な水溶性が得ら
れていないのが現状である(特開昭61−21184
号、特開昭62−281855号、特開昭62−226
975号、特開昭60−116643号、特公昭41−
5118号等)。また、(c)の方法の6位のフェノー
ル性水酸基を水溶性化合物で修飾する方法では、抗酸化
活性を著しく減少させることになる。また、別の問題と
して、トコフェロールおよびクロマン環をもつ化合物等
は熱およびアルカリなどに対して不安定であるなどの欠
点も持っている。
化活性を有するクロマン環を利用して溶液剤としても使
用可能で、かつ化学的安定性にも優れた新規な水溶性抗
酸化剤であるクロマノール配糖体およびその製造方法を
提供することにある。
(1)
R4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル
基、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル
基、Xは単糖残基またはオリゴ糖残基であり、糖残基の
水酸基の水素原子は低級アルキル基または低級アシル基
で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を表わし、
またmは1〜6の整数を表わす)で表わされるクロマノ
ール配糖体により達成される。
R4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル
基、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル
基を表わし、またnは0〜4の整数を表わす)で表わさ
れる2−置換アルコールと、オリゴ糖類、可溶性澱粉、
澱粉またはシクロデキストリンを、相当する糖転位作用
を触媒する酵素の存在下に反応させることを特徴とする
一般式(1)
R5 ,Xおよびnは前記定義のとおりであり、またmは
1〜6の整数である)で表わされるクロマノール配糖体
の製造方法によっても達成される。
R4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル
基、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル
基、Xは単糖残基またはオリゴ糖残基であり、糖残基の
水酸基の水素原子は低級アルキル基または低級アシル基
で置換されていてもよく、nは0〜4の整数を表わし、
またmは1〜6の整数を表わす)で表わされるクロマノ
ール配糖体を有効成分とする抗酸化剤によっても達成さ
れる。
物に比べると、(1)水に対する溶解度の向上、(2)
化学的な安定性の向上、(3)味質、生理活性の改変、
増大が可能など様々な利点が挙げられており、配糖化が
生理活性物質などの性状、物性を高める有用な手段の一
つであると考えられている。本発明者らは、クロマン環
を保持した水溶性抗酸化剤を開発するため、2−置換ア
ルコール(一般式(2))の2−位の水酸基に糖を結合
させた全く知られていない新規な配糖体(一般式
(1))を考え出した。
(2))は公知の物質であり、特公平1−43755
号、特公平1−49135号等の方法により、得ること
ができる。また2−置換アルコール(一般式(2)、R
1 =R2 =R3 =R4 =CH3 、R5 =H、n=1)は
トロロックスを水素化リチウムアルミニウムの存在下に
おいてジエチルエーテル中で加熱還流処理することなど
により容易に得ることができる。
2−置換アルコール(一般式(2))の2−位の水酸基
に対してのみ特異的に糖の特定の水酸基を結合させるこ
とは化学的合成法では困難である。本発明者らは酵素を
用いることにより、非常に効率よく目的のクロマノール
配糖体(一般式(1))を簡単に合成させうる方法を発
見した。そして得られた新規なクロマノール配糖体の水
溶性、安定性の著しい向上また水溶性抗酸化剤としての
優れた活性を確認し本研究を完成するに至った。
て使い分けることが好ましい。
コース残基を結合させる場合 (a)マルトースからマルトテトラオース位のマルトオ
リゴ糖に対してはα−グルコシダーゼ(α−gluco
sidase, EC 3.2.1.20)を作用させ
ることが望ましい。α−グルコシダーゼとしては、ほぼ
全ての起源由来のものを用いることができ、例えば、東
洋紡株式会社製のサッカロマイセス属(Sacchar
omyces sp.)由来のα−グルコシダーゼ、オ
リエンタル酵母工業株式会社製のサッカロマイセス セ
ロビイシエ(Saccharomyces cerev
isiae)由来のα−グルコシダーゼ、天野製薬株式
会社製のアスペルギルス ニガー(Aspergill
us niger)由来のα−グルコシダーゼ、和光純
薬工業株式会社製のサッカロマイセス属(Saccha
romyses sp.)由来のα−グルコシダーゼ、
シグマ(SIGMA)製のベーカー イースト(Bak
ers yeast)由来のα−グルコシダーゼ、バチ
ルス(Bacillus)属由来のα−グルコシダーゼ
等が挙げられる。
−グルカノトランスフェラーゼ(4−α−D−gluc
anotransferase, EC 2.4.1.
25)を作用させることが望ましい。
コース残基またはマルトオリゴ糖残基を結合させる場合 マルトオリゴ糖、可溶性澱粉、澱粉またはシクロデキス
トリン(α、β、γ)などに対してはシクロデキストリ
ングルカノトランスフェラーゼ(cyclodextr
in glucanotransferase, EC
2.4.1.19)を作用させることが望ましい。例
えば、天野製薬株式会社製のバチルスマセランス(Ba
cillus macerans)由来のシクロデキス
トリングルカノトランスフェラーゼ、株式会社林原生物
化学研究所製のバチルス ステアロサーモフィラス(B
acillus stearothermophilu
s)由来のシクロデキストリングルカノトランスフェラ
ーゼ、その他にはバチルス メガテリウム(Bacci
llus megaterium)、バチルスサーキュ
ランス ATCC 9995(Bacillus ci
rculansATCC 9995)由来のシクロデキ
ストリングルカノトランスフェラーゼなどが挙げられ
る。
コース残基を結合させる場合 (a)セロビオース、カードラン、ラミナランなどのβ
結合よりなるオリゴ糖に対してはβ−グルコシダーゼ
(β−glucosidase, EC 3.2.1.
21)を作用させることが望ましい。
てはセロビオース ホスホリラーゼ(cellobio
se phosphorylase, EC 2.4.
1.20)を作用させることが望ましい。
クトース残基を結合させる場合 (a)メリビオース、ラフィノースなどに対してはα−
ガラクトシダーゼ(α−galactosidase,
EC 3.2.1.22)を作用させることが望まし
い。
クトース残基を結合させる場合 (a)ラクトースなどに対してはβ−ガラクトシダーゼ
(β−galactosidase, EC 3.2.
1.23)を作用させることが望ましい。
エンド−1,4−β−ガラクタナーゼ(Endo−1,
4−β−galactanase, EC 3.2.
1.89)を作用させることが望ましい。。
クトース残基を結合させる場合 (a)ショ糖、ラフィノース、メリビオースなどに対し
てはレバンシュークラーゼ(levansucras
e, EC 2.4.1.10)を作用させることが望
ましい。
ノシダーゼ(β−fructofuranosidas
e, EC 3.2.1.26)を作用させることが望
ましい。
ルクトトランスフェラーゼ(inulin fruct
otransferase, EC 2.4.1.9
3)を作用させることが望ましい。
1)をα−グルコシダーゼを用いて合成する場合の反応
条件としては、2−置換アルコール(一般式(2))を
糖溶液に溶解させることが望ましい。そのためには有機
溶媒の添加が望ましく、例えば、ジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタ
ノール、アセトン、アセトニトリルなどが挙げられ、α
−グルコシダーゼの転移活性を高めるためにはジメチル
スルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミドが好まし
い。添加する有機溶媒の濃度は1〜50(v/v)%、
好ましくは反応効率を考えると5〜35(v/v)%で
ある。
度は、反応液中において飽和濃度もしくはそれに近い濃
度にすることが望ましい。用いる糖の種類はマルトース
からマルトテトラオース位の低分子のものが良く、好ま
しくはマルトースである。糖の濃度は1〜70(w/
v)%、好ましくは30〜60(w/v)%である。p
Hは4.5〜7.5、好ましくは5.0〜6.5であ
る。反応温度は10〜70℃、好ましくは30〜60℃
である。反応時間は1〜40時間、好ましくは2〜24
時間である。但し、これらの条件は使用する酵素量によ
り影響をうける。反応終了後、反応液をXAD(オルガ
ノ株式会社)を担体として用いたカラムクロマトグラフ
ィーで処理することにより、高純度のクロマノール配糖
体(一般式(1)、m=1)が得られる。
1)をシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ
を用いて合成する場合の反応条件としては、2−置換ア
ルコール(一般式(2))を糖溶液に溶解させることが
望ましい。そのためには有機溶媒の添加が望ましく、ジ
メチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、
メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリルな
どが挙げられる。添加する有機溶媒の濃度は1〜50
(v/v)%、好ましくは反応効率を考えると5〜35
(v/v)%である。2−置換アルコール(一般式
(2))の濃度は反応液中において、飽和濃度もしくは
それに近い濃度にすることが望ましい。
重合度を持つマルトオリゴ糖、可溶性澱粉、澱粉および
シクロデキストリン(α、β、γ)などが好ましい。糖
の濃度は1〜70(w/v)%、好ましくは5〜50
(w/v)%である。pHは4.5〜8.5、好ましく
は5.0〜7.5である。反応温度は10〜70℃、好
ましくは30〜60℃である。反応時間は1〜60時
間、好ましくは2〜50時間である。但し、これらの条
件は使用する酵素量により影響をうける。
(一般式(1))はmの数が1から8位の混合物とな
る。そこで、この混合物をグルコアミラーゼ(EC
3.2.1.3)処理することで、クロマノール配糖体
(一般式(1))のmが1のものだけを得ることが出来
る。この時の反応温度は20〜70℃、好ましくは30
〜60℃、反応時間は0.1〜40時間、好ましくは1
〜24時間である。但し、これらの条件は使用する酵素
の量により影響をうける。そしてこのグルコアミラーゼ
処理後の液を、XAD(オルガノ株式会社)を担体とし
て用いたカラムクロマトグラフィー処理することによ
り、高純度のクロマノール配糖体(一般式(1)、m=
1)が得られる。
2)を得る場合は上記条件により、シクロデキストリン
グルカノトランスフェラーゼによって得られるクロマノ
ール配糖体(一般式(1)、mが1から8位の混合物)
にβ−アミラーゼ(EC 3.2.1.2)を作用させ
ることにより、クロマノール配糖体(一般式(1))の
mが1と2のものだけを得ることが出来る。この時の反
応温度は20〜70℃、好ましくは30〜60℃、反応
時間は0.1〜40時間、好ましくは1〜24時間であ
る。但し、これらの条件は使用する酵素量により影響を
うける。そしてこのβ−アミラーゼ処理後の液を、XA
D(オルガノ株式会社)を担体として用いたカラムクロ
マトグラフィー処理することにより、高純度のクロマノ
ール配糖体(一般式(1)、m=2)が得られ、また同
時にクロマノール配糖体(一般式(1)、m=1)も得
られる。
3以上)を得る場合は上記条件により、シクロデキスト
リングルカノトランスフェラーゼによって得られるクロ
マノール配糖体(一般式(1)、mが1から8位の混合
物)を、HPLCを用いた分取クロマトグラフィーなど
で処理することにより、高純度の各m数のクロマノール
配糖体(一般式(1))を得ることが出来る。
体の水に対する溶解度はトロロックス、2−置換アルコ
ールに比べ著しく高いものとなり、注射剤または内服液
などの溶液剤としての利用が可能となった。また、該ク
ロマノール配糖体の熱安定性およびpH安定性はトコフ
ェロール、トロロックス、2−置換アルコールらに比べ
明らかに向上した。
プロピルアルコール溶液中における高度不飽和脂肪酸メ
チルエステルの過酸化速度を測定したところ、トコフェ
ロールと同等の結果を生じた。また生体膜をモデルとし
て卵黄レシチンでリポソームをつくり、水溶性ラジカル
発生剤でリポソームの外側より酸化反応を促進させた
際、リポソームの外側にクロマノール配糖体を存在させ
ておくことで、酸化速度を抑えることができた。そして
この結果は水溶性の抗酸化剤として知られるアスコルビ
ン酸などに比べて、顕著に酸化速度を抑えていることが
判った。また、クロマノール配糖体はクロマン環を持っ
ていることにより、一重項酸素など様々な活性酸素の消
去能をも有していることは明らかである。
らにより本発明の範囲がなんら制限されるものでないこ
とは言うまでもない。
C 3.2.1.20)の活性測定法 4(w/v)%マルトース水溶液100μlに100m
Mリン酸緩衝液(pH6.5)300μlを加え、37
℃で5分間インキュベートした後、酵素液40μlを加
え、同温度条件下において20分間反応させ5分間の煮
沸処理により反応を停止させた。そして生成したグルコ
ースをグルコース測定キット(和光純薬工業株式会社
製)を用い測定した。なお、1Uは上記条件において1
分間に1μmolのマルトースの加水分解を触媒する酵
素量とした。
clodextringlucanotransfer
ase,EC 2.4.1.19)の活性測定法 50mM酢酸緩衝液(pH6.0)で調整した0.55
(W/V)%可溶性澱粉(Merck社、No. 12
57)溶液250μlを、40℃で5分間インキュベー
トした後、酵素液50μlを加え、同温度条件下におい
て10分間反応させ、0.5M酢酸溶液を1ml添加す
ることにより反応を停止させた。
2(w/v)%KI溶液を1ml、水を2ml加え吸光
度700nmを測定することにより、可溶性澱粉の分解
率を測定した。なお、1Uは上記条件において1分間に
10%の吸光度(700nm)を減少させる酵素量とし
た。
(w/v)%マルトース溶液80mlに対し、ジメチル
スルホキシドで調整した5(w/v)%の式(3)で示
されるRS−2−置換アルコール溶液16mlおよび4
00Uの東洋紡株式会社製のサッカロマイセス属(Sa
ccharomyces sp.)由来のα−グルコシ
ダーゼを加え、40℃において20時間反応させた。こ
のときの2−置換アルコールのクロマノール配糖体への
転換率はモル比で約45%であった。この反応液を30
%メタノール溶液で平衡化したXAD−4(オルガノ株
式会社製)カラムにアプライし、非吸着物を30%メタ
ノール溶液で溶出後、80%メタノール溶液でクロマノ
ール配糖体を溶出させた。次に得られたクロマノール配
糖体画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸
エチル:メタノール,5:1,v/v)処理することで
高純度のクロマノール配糖体:式(4)で示される6−
ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
2−メチル−α−D−グルコピラノシドを約300mg
得た。
示す。
質量分析および比旋光度の結果を示す。
d6 、 プロトンデカップリングスペクトル) 11.7 11.7 12.6 19.7および19.8 22.2および22.4 28.2 60.6および60.8 70.0および70.1 71.2および71.5 71.9 72.6および72.9 73.1 73.8および73.9 98.7および98.8 116.6および116.7 120.1および120.2 120.7および120.8 122.5 144.2 145.1 質量スペクトル(FAB) m/z 398 (分子イオンピーク)
/v)%α−サイクロデキストリン溶液80mlに対
し、ジメチルスルホキシドで調整した5(w/v)%の
前記式(3)で示されるRS−2−置換アルコール溶液
16mlおよび19000Uの株式会社林原生物化学研
究所製のバチルス ステアロサーモフィラス(Baci
llus stearothermophilus)由
来のシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを
加え、50℃において43時間反応させた。この時のR
S−2−置換アルコールのクロマノール配糖体への転換
率はモル比で約95%であり、この反応液中のクロマノ
ール配糖体は、糖の結合数が1から8位の混合物であっ
た。この反応液を15分間煮沸処理することにより、シ
クロデキストリングルカノトランスフェラーゼを失活さ
せ、400Uの東洋紡株式会社製のリゾップス属(Rh
izopus sp.)由来のグルコアミラーゼを添加
し、50℃において5時間反応させることにより、反応
液中のクロマノール配糖体の約95%以上を糖の結合数
が1のものに変換した。この反応液を10分間煮沸処理
することにより、グルコアミラーゼを失活させた後、3
0%メタノール溶液で平衡化したXAD−4(オルガノ
株式会社製)カラムにアプライし、非吸着物を30%メ
タノールで溶出後、80%メタノール溶液でクロマノー
ル配糖体を溶出させた。次に得られたクロマノール配糖
体画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エ
チル:メタノール、5:1、v/v)処理することで高
純度のクロマノール配糖体:前記式(4)で示される6
−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン
−2−メチル−α−D−グルコピラノシドを約1100
mg得た。
に示す。
質量分析および比旋光度の結果を示す。
d6 、 プロトンデカップリングスペクトル) 11.7 11.7 12.6 19.7および19.9 22.2および22.4 28.3 60.6および60.8 70.0および70.1 71.1および71.4 71.9 72.6および72.9 73.1 73.8および73.9 98.8 116.6および116.7 120.2 120.8 122.5 144.2 145.1 質量スペクトル(FAB) m/z 398 (分子イオンピーク)
/v)%α−サイクロデキストリン溶液120mlに対
し、ジメチルスルホキシドで調整した5(w/v)%の
前記式(3)で示されるRS−2−置換アルコール溶液
24mlおよび150000Uの天野製薬株式会社製の
バチルス マセランス(Bacillus macer
ans)由来のシクロデキストリングルカノトランスフ
ェラーゼを加え、50℃において43時間反応させた。
この時のRS−2−置換アルコールのクロマノール配糖
体への転換率はモル比で約55%であり、この反応液中
のクロマノール配糖体は、糖の結合数が1から8位の混
合物であった。この反応液を15分間煮沸処理すること
により、シクロデキストリングルカノトランスフェラー
ゼを失活させ、600Uの東洋紡株式会社製のリゾップ
ス属(Rhizopus sp.)由来のグルコアミラ
ーゼを添加し、50℃において5時間反応させることに
より、反応液中のクロマノール配糖体の約95%以上を
糖の結合数が1のものに変換した。この反応液を10分
間煮沸処理することにより、グルコアミラーゼを失活さ
せた後、30%メタノール溶液で平衡化したXAD−4
(オルガノ株式会社製)カラムにアプライし、非吸着物
を30%メタノールで溶出後、80%メタノール溶液で
クロマノール配糖体を溶出させた。次に得られたクロマ
ノール配糖体画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(酢酸エチル:メタノール、5:1、v/v)処理す
ることで高純度のクロマノール配糖体:前記式(4)で
示される6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチ
ルクロマン−2−メチル−α−D−グルコピラノシドを
約950mg得た。
示す。
質量分析および比旋光度の結果を示す。
d6 、 プロトンデカップリングスペクトル) 11.7 11.7 12.6 19.9 22.3 28.2 60.6 69.9 71.1 71.9 72.6 73.0および73.1 73.8 98.8 116.6および116.7 120.2 120.8および120.9 122.5 144.2 145.1 質量スペクトル(FAB) m/z 398 (分子イオンピーク)
/v)%α−サイクロデキストリン溶液80mlに対
し、ジメチルスルホキシドで調整した5(w/v)%の
前記式(3)で示されるRS−2−置換アルコール溶液
16mlおよび19000Uの株式会社林原生物化学研
究所製のバチルス ステアロサーモフィラス(Baci
llus stearothermophilus)由
来のシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを
加え、50℃において43時間反応させた。この時のR
S−2−置換アルコールのクロマノール配糖体への転換
率はモル比で約95%であり、この反応液中のクロマノ
ール配糖体は、糖の結合数が1から8位の混合物であっ
た。この反応液を15分間煮沸処理することにより、シ
クロデキストリングルカノトランスフェラーゼを失活さ
せ、70mlの100mM酢酸緩衝液(pH5.0)を
加えた。そして2500Uのシグマ(SIGMA CH
EMICAL CO.)製TypeI−Bのスイートポ
テト由来のβ−アミラーゼを添加し、50℃において4
時間反応させることにより、反応液中のクロマノール配
糖体の約98%以上を糖の結合数が1と2のものに変換
した。この反応液を10分間煮沸処理することにより、
β−アミラーゼを失活させた後、30%メタノール溶液
で平衡化したXAD−4(オルガノ株式会社製)カラム
にアプライし、非吸着物を30%メタノールで溶出後、
80%メタノール溶液でクロマノール配糖体を溶出させ
た。次に得られたクロマノール配糖体画分をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール、
5:1、v/v)処理することで高純度のクロマノール
配糖体:前記式(4)で示される6−ヒドロキシ−2,
5,7,8−テトラメチルクロマン−2−メチル−α−
D−グルコピラノシドを約520mg、式(5)で示さ
れる6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルク
ロマン−2−メチル−α−D−マルトピラノシドを約6
10mg得た。
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−
メチル−α−D−グルコピラノシドの赤外線吸収スペク
トルは図2と同一であり、また1 H−NMR,13C−N
MR,質量分析および比旋光度の結果は実施例2と同一
であった。
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−
メチル−α−D−マルトピラノシドの赤外吸収スペクト
ルを図4に示す。
質量分析および比旋光度の結果を示す。
d6 、 プロトンデカップリングスペクトル) 11.7 11.7 12.6 19.7および19.8 21.8および22.3 28.1および28.5 59.7および60.2 60.7 69.7 70.6および70.7 71.0 71.5 72.4および72.5 72.8および72.9 73.2 73.3 73.7および73.9 79.8 98.4および98.6 100.8および100.9 116.6 120.1および120.2 120.9 122.6 144.1および144.2 145.2 質量スペクトル(FAB) m/z 560 (分子イオンピーク)
/v)%α−サイクロデキストリン溶液120mlに対
し、ジメチルスルホキシドで調整した5(w/v)%の
前記式(3)で示されるRS−2−置換アルコール溶液
24mlおよび150000Uの天野製薬株式会社製の
バチルス マセランス(Bacillus macer
ans)由来のシクロデキストリングルカノトランスフ
ェラーゼを加え、50℃において43時間反応させた。
この時のRS−2−置換アルコールのクロマノール配糖
体への転換率はモル比で約55%であり、この反応液中
のクロマノール配糖体は、糖の結合数が1から8位の混
合物であった。この反応液を15分間煮沸処理すること
により、シクロデキストリングルカノトランスフェラー
ゼを失活させ、100mlの100mM酢酸緩衝液(p
H5.0)を加えた。そして4000Uのシグマ(SI
GMA CHEMICAL CO.)製TypeI−B
のスイートポテト由来のβ−アミラーゼを添加し、50
℃において4時間反応させることにより、反応液中のク
ロマノール配糖体の約98%以上を糖の結合数が1と2
のものに変換した。この反応液を10分間煮沸処理する
ことにより、β−アミラーゼを失活させた後、30%メ
タノール溶液で平衡化したXAD−4(オルガノ株式会
社製)カラムにアプライし、非吸着物を30%メタノー
ルで溶出後、80%メタノール溶液でクロマノール配糖
体を溶出させた。次に得られたクロマノール配糖体画分
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:
メタノール、5:1、v/v)処理することで高純度の
クロマノール配糖体:前記式(4)で示される6−ヒド
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−
メチル−α−D−グルコピラノシドを約450mg、前
記式(5)で示される6−ヒドロキシ−2,5,7,8
−テトラメチルクロマン−2−メチル−α−D−マルト
ピラノシドを約440mg得た。
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−
メチル−α−D−グルコピラノシドの赤外吸収スペクト
ルは図3と同一であり、また1 H−NMR,13C−NM
R,質量分析および比旋光度の結果は実施例3と同一で
あった。
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−
メチル−α−D−マルトピラノシドの赤外吸収スペクト
ルを図5に示す。
質量分析および比旋光度の結果を示す。
d6 、 プロトンデカップリングスペクトル) 11.7 11.7 12.6 19.8 21.8および22.3 28.5 59.7 60.7 69.7 70.6および70.7 71.0 71.4 72.5 72.9 73.2 73.3 73.7および73.9 79.8 98.4および98.6 100.8および100.9 116.6 120.1および120.2 120.8 122.6 144.1 145.1 質量スペクトル(FAB) m/z 560 (分子イオンピーク)
(w/v)%マルトース溶液90mlに対し、ジメチル
スルホキシドで調整した2.5(w/v)%の式(6)
で示されるRS−2−置換アルコール溶液30mlおよ
び400Uの東洋紡株式会社製のサッカロマイセス属
(Saccharomyces sp.)由来のα−グ
ルコシダーゼを加え、40℃において20時間反応させ
た。このときの2−置換アルコールのクロマノール配糖
体への転換率はモル比で約55%であった。この反応液
を30%メタノール溶液で平衡化したXAD−4(オル
ガノ株式会社製)カラムにアプライし、非吸着物を30
%メタノール溶液で溶出後、80%メタノール溶液でク
ロマノール配糖体を溶出させた。次に得られたクロマノ
ール配糖体画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(酢酸エチル:メタノール、7:1、v/v)処理する
ことで高純度のクロマノール配糖体:式(7)で示され
る6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−2−エチルーα−D−グルコピラノシドを約55
0mg得た。
示す。
質量分析および比旋光度の結果を示す。
ロトンデカップリングスペクトル) 11.6 11.7 12.7 20.1 24.0および24.1 31.5および31.6 37.9および38.0 60.7および60.8 62.9および63.0 70.1および70.2 71.8 72.7および72.8 73.0および73.1 73.2 98.6および98.7 116.6 120.3 120.9 122.5 144.1 145.1 質量スペクトル(FAB) m/z 412 (分子イオンピーク)
/v)%α−サイクロデキストリン溶液120mlに対
し、ジメチルスルホキシドで調整した2.5(w/v)
%の式(6)で示されるRS−2−置換アルコール溶液
40mlおよび20000Uの株式会社林原生物化学研
究所製のバチルス ステアロサーモフィラス(Baci
llus stearothermophilus)由
来のシクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを
加え、50℃において43時間反応させた。この時のR
S−2−置換アルコールのクロマノール配糖体への転換
率はモル比で約35%であり、この反応液中のクロマノ
ール配糖体は、糖の結合数が1から8位の混合物であっ
た。この反応液を15分間煮沸処理することにより、シ
クロデキストリングルカノトランスフェラーゼを失活さ
せ、600Uの東洋紡株式会社製のリゾップス属(Rh
izopus sp.)由来のグルコアミラーゼを添加
し、50℃において5時間反応させることにより、反応
液中のクロマノール配糖体の約95%以上を糖の結合数
が1のものに変換した。この反応液を10分間煮沸処理
することにより、グルコアミラーゼを失活させた後、3
0%メタノール溶液で平衡化したXAD−4(オルガノ
株式会社製)カラムにアプライし、非吸着物を30%メ
タノールで溶出後、80%メタノール溶液でクロマノー
ル配糖体を溶出させた。次に得られたクロマノール配糖
体画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エ
チル:メタノール、7:1、v/v)処理することで高
純度のクロマノール配糖体:前記式(7)で示される6
−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン
−2−エチル−α−D−グルコピラノシドを約390m
g得た。
示す。
質量分析および比旋光度の結果を示す。
d6 、 プロトンデカップリングスペクトル) 11.6 11.7 12.6 20.1 24.0および24.1 31.5および31.6 37.9および38.0 60.7および60.8 62.9および63.0 70.1 71.8 72.7および72.8 73.0および73.1 73.2 98.6および98.7 116.6 120.2 120.9 122.5 144.1 145.1 質量スペクトル(FAB) m/z 412 (分子イオンピーク)
/v)%α−サイクロデキストリン溶液120mlに対
し、ジメチルスルホキシドで調整した2.5(w/v)
%の前記式(6)で示されるRS−2−置換アルコール
溶液40mlおよび20000Uの株式会社林原生物化
学研究所製のバチルス ステアロサーモフィラス(Ba
cillus stearothermophilu
s)由来のシクロデキストリングルカノトランスフェラ
ーゼを加え、50℃において43時間反応させた。この
時のRS−2−置換アルコールのクロマノール配糖体へ
の転換率はモル比で約35%であり、この反応液中のク
ロマノール配糖体は、糖の結合数が1から8位の混合物
であった。この反応液を15分間煮沸処理することによ
り、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼを
失活させ、110mlの100mM酢酸緩衝液(pH
5.0)加えた。そして6000Uのシグマ(SIGM
A CHEMICAL CO.)製TypeB−Iのス
イートポテト由来のβ−アミラーゼを添加し、50℃に
おいて4時間反応させることにより、反応液中のクロマ
ノール配糖体の約98%以上を糖の結合数が1と2のも
のに変換した。この反応液を10分間煮沸処理すること
により、β−アミラーゼを失活させた後、30%メタノ
ール溶液で平衡化したXAD−4(オルガノ株式会社
製)カラムにアプライし、非吸着物を30%メタノール
で溶出後、80%メタノール溶液でクロマノール配糖体
を溶出させた。次に得られたクロマノール配糖体画分を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メ
タノール、7:1、v/v)処理することで高純度のク
ロマノール配糖体:前記式(7)で示される6−ヒドロ
キシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−エ
チル−α−D−グルコピラノシドを約170mg、式
(8)で示される6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テ
トラメチルクロマン−2−エチル−α−D−マルトピラ
ノシドを約200mg得た。
ロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−
エチル−α−D−グルコピラノシドの赤外線吸収スペク
トルは図7と同一であり、また1 H−NMR,13C−N
MR,質量分析および比旋光度の結果は実施例7と同一
であった。
シ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−エチ
ル−α−D−マルトピラノシドの赤外線吸収スペクトル
を図8に示す。
質量分析および比旋光度の結果を示す。
d6 、 プロトンデカップリングスペクトル) 11.6 11.7 12.6 20.1 23.8および24.1 31.5 37.9および38.0 60.2 60.7 63.1 69.8 70.9 71.0 71.4 72.5 73.0 73.0 73.2および73.3 79.8 98.4 100.8 116.6 120.3 120.9 122.5 144.1 145.1 質量スペクトル(FAB) m/z 574 (分子イオンピーク)
記式(4)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−2−メチル−α−D−グルコピラノシ
ド)、実施例6〜8によって得られたクロマノール配糖
体(前記式(7)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−2−エチル−α−D−グルコピ
ラノシド)、実施例4〜5によって得られたクロマノー
ル配糖体(前記式(5)、6−ヒドロキシ−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−2−メチル−α−D−
マルトピラノシド)および実施例8によって得られたク
ロマノール配糖体(前記式(8)、6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−エチル−
α−D−マルトピラノシド)の抗酸化活性をリノール酸
メチルのラジカル連鎖自動連鎖反応の抑制により評価し
た。132μmolのリノール酸メチル、16.5μm
olの脂溶性ラジカル発生剤(2,2´−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル))、0.1μmo
lのクロマノール配糖体、ブチルヒドロキシトルエンま
たはα−トコフェロールからなるヘキサン/イソプロピ
ルアルコール(1:1、v/v)溶液1.1mlを37
℃でインキュベートし、経時的にサンプリングし、高速
液体クロマイトグラフィーでリノール酸メチルハイドロ
パーオキサイドの生成量を測定した。図9および図10
に示すように、クロマノール配糖体前記式(4)、前記
式(5)、前記式(7)および前記式(8)の有機溶媒
中における抗酸化活性はブチルヒドロキシトルエンより
優れており、またα−トコフェロールと同等であること
が判る。
記式(4)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−2−メチル−α−D−グルコピラノシ
ド)、実施例6〜8によって得られたクロマノール配糖
体(前記式(7)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−2−エチル−α−D−グルコピ
ラノシド)、実施例4〜5によって得られたクロマノー
ル配糖体(前記式(5)、6−ヒドロキシ−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−2−メチル−α−D−
マルトピラノシド)および実施例8によって得られたク
ロマノール配糖体(前記式(8)、6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−エチル−
α−D−マルトピラノシド)の抗酸化活性を多重層リポ
ソームのラジカル連鎖自動酸化反応の抑制により評価し
た。5.5μmolの卵黄ホスファチジルコリンの多重
層リポソーム、16.5μmolの水溶性ラジカル発生
剤(2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩
酸塩)、0.1μmolのクロマノール配糖体またはア
スコルビン酸からなる反応液を10mMトリス−塩酸緩
衝液(pH7.4)1.1mlで調整後、37℃でイン
キュベートし、経時的にサンプリングし、高速液体クロ
マイトグラフィーでホスファチジルコリンハイドロパー
オキシサイドの生成量を測定した。図11および図12
に示すように、クロマノール配糖体前記式(4)、前記
式(5)、前記式(7)および前記式(8)は水溶性の
抗酸化剤であるアスコルビン酸より、明らかに効果的な
抗酸化剤であることが判る。
記式(4)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−2−メチル−α−D−グルコピラノシ
ド)、実施例6〜8によって得られたクロマノール配糖
体(前記式(7)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−2−エチル−α−D−グルコピ
ラノシド)、実施例4〜5によって得られたクロマノー
ル配糖体(前記式(5)、6−ヒドロキシ−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−2−メチル−α−D−
マルトピラノシド)および実施例8によって得られたク
ロマノール配糖体(前記式(8)、6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−エチル−
α−D−マルトピラノシド)の熱に対する安定性を評価
した。5mMのクロマノール配糖体溶液(水/エタノー
ル、1:3、v/v)を各温度条件でインキュベート
し、所定時間でサンプリングし、残存量を高速液体クロ
マイトグラフィーで測定した。比較として前記式(3)
および前記式(6)で示される2−置換アルコールおよ
びα−トコフェロール、トロロックスも同様に評価し
た。
結果を示す。これらの表により2−置換アルコールを配
糖体化することによる熱安定性の向上が認められた。
記式(4)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−2−メチル−α−D−グルコピラノシ
ド)、実施例6〜8によって得られたクロマノール配糖
体(前記式(7)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−2−エチル−α−D−グルコピ
ラノシド)、実施例4〜5によって得られたクロマノー
ル配糖体(前記式(5)、6−ヒドロキシ−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−2−メチル−α−D−
マルトピラノシド)および実施例8によって得られたク
ロマノール配糖体(前記式(8)、6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−エチル−
α−D−マルトピラノシド)の各pHに対する安定性を
評価した。各pHの5.5mMのクロマノール配糖体溶
液(緩衝液/エタノール、5:1、v/v)を40℃で
インキュベートし、所定時間でサンプリングし、残存量
を高速液体クロマイトグラフィーで測定した。比較とし
て前記式(3)および前記式(6)で示される2−置換
アルコールおよびトロロックスも同様に評価した。
果を示す。これらの表により2−置換アルコールを配糖
体化することによるpH安定性の向上が認められた。な
お、用いた緩衝液はpH5.5:100mM酢酸緩衝
液、pH7.0:100mMリン酸緩衝液、pH8.
5:100mMトリスー塩酸緩衝液である。
記式(4)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−2−メチル−α−D−グルコピラノシ
ド)、実施例6〜8によって得られたクロマノール配糖
体(前記式(7)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−2−エチル−α−D−グルコピ
ラノシド)、実施例4〜5によって得られたクロマノー
ル配糖体(前記式(5)、6−ヒドロキシ−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−2−メチル−α−D−
マルトピラノシド)および実施例8によって得られたク
ロマノール配糖体(前記式(8)、6−ヒドロキシ−
2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−エチル−
α−D−マルトピラノシド)の水に対する溶解度を評価
した。過剰量のクロマノール配糖体を水1mlに加え、
25℃でインキュベートし、20時間撹拌(200rp
m)後、サンプレップCO2−LG(ミリポア社製)に
液を移し、遠心分離(4100×g、10分、20℃)
することにより不溶物を除去し、得られた水溶液中のク
ロマノール配糖体の溶解量を高速液体クロマトグラフィ
ーで測定した。比較として前記式(3)および前記式
(6)で示される2−置換アルコールおよびトロロック
ス同様に評価した。
糖体の優れた水に対する溶解性が明らかになった。表中
の値は1mlの水に溶解した量を示す。
よびその製造方法は、前記のとおりであるから新規であ
るばかりではなく、特に水溶液中において非常に有効な
新規な抗酸化剤であり、また優れた熱およびpH安定性
により、化粧品、衣料品、食品、化成品などの原料とし
て非常に有用である。
1における赤外線吸収スペクトルである。
2における赤外線吸収スペクトルである。
3における赤外線吸収スペクトルである。
4における赤外線吸収スペクトルである。
5における赤外線吸収スペクトルである。
6における赤外線吸収スペクトルである。
7における赤外線吸収スペクトルである。
8における赤外線吸収スペクトルである。
活性を示すグラフである。
化活性を示すグラフである。
化活性を示すグラフである。
化活性を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一ま
たは異なる水素原子または低級アルキル基、R5 は水素
原子、低級アルキル基または低級アシル基、Xは単糖残
基またはオリゴ糖残基であり、糖残基の水酸基の水素原
子は低級アルキル基または低級アシル基で置換されてい
てもよく、nは0〜4の整数を表わし、またmは1〜6
の整数を表わす)で表わされるクロマノール配糖体。 - 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一ま
たは異なる水素原子または低級アルキル基、R5 は水素
原子、低級アルキル基または低級アシル基を表わし、ま
たnは0〜4の整数を表わす)で表わされる2−置換ア
ルコールと、オリゴ糖類、可溶性澱粉、澱粉またはシク
ロデキストリンを、相当する糖転位作用を触媒する酵素
の存在下に反応させることを特徴とする一般式(1) 【化3】 (但し、R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R5 ,Xおよびnは
前記定義のとおりであり、またmは1〜6の整数であ
る)で表わされるクロマノール配糖体の製造方法。 - 【請求項3】 一般式(1) 【化4】 (ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一ま
たは異なる水素原子または低級アルキル基、R5 は水素
原子、低級アルキル基または低級アシル基、Xは単糖残
基またはオリゴ糖残基であり、糖残基の水酸基の水素原
子は低級アルキル基または低級アシル基で置換されてい
てもよく、nは0〜4の整数を表わし、またmは1〜6
の整数を表わす)で表わされるクロマノール配糖体を有
効成分とする抗酸化剤。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33808393A JP3550412B2 (ja) | 1993-02-10 | 1993-12-28 | 新規なクロマノール配糖体およびその製造方法 |
US08/195,113 US5478812A (en) | 1993-02-10 | 1994-02-10 | Chromanol glycoside and method for production thereof |
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