JP2002179567A - ビタミンe代謝物含有抗酸化剤 - Google Patents
ビタミンe代謝物含有抗酸化剤Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】抗酸化作用を示す化合物を提供する。
【解決手段】2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシ
エチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩及び/又
は2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒド
ロキシクロマン若しくはその塩、又はこれらの水和物で
ある抗酸化剤又は当該物質を含有する抗酸化剤。更に当
該物質を含有する動脈硬化予防・治療剤。また、代謝酵
素により2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシエチ
ル)-6-ヒドロキシクロマンに変換することにより抗酸化
作用を示すα―トコフェロール及び/又はα―トコトリ
エノールを含有する抗酸化剤、又は代謝酵素により生体
内で2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒ
ドロキシクロマンに変換することにより抗酸化作用を示
すγ―トコトリエノール及び/又はγ―トコトリエノー
ルを含有する抗酸化剤。
エチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩及び/又
は2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒド
ロキシクロマン若しくはその塩、又はこれらの水和物で
ある抗酸化剤又は当該物質を含有する抗酸化剤。更に当
該物質を含有する動脈硬化予防・治療剤。また、代謝酵
素により2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシエチ
ル)-6-ヒドロキシクロマンに変換することにより抗酸化
作用を示すα―トコフェロール及び/又はα―トコトリ
エノールを含有する抗酸化剤、又は代謝酵素により生体
内で2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒ
ドロキシクロマンに変換することにより抗酸化作用を示
すγ―トコトリエノール及び/又はγ―トコトリエノー
ルを含有する抗酸化剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗酸化作用を示す
ビタミンE代謝物に関する発明であり、食品医薬分野に
おける発明である。
ビタミンE代謝物に関する発明であり、食品医薬分野に
おける発明である。
【0002】
【従来の技術】トコフェロールおよびトコトリエノール
は抗酸化作用を有することが知られており、α―トコフ
ェロールがその抗酸化作用によって、LDL(低密度リポ
蛋白)の酸化を抑制し、それが動脈硬化の発症を抑制す
る可能性が示唆されている。一方、カルボキシエチルヒ
ドロキシクロマン類はトコフェロールならびにトコトリ
エノールの生体内代謝物であり、その中の2,7,8-トリメ
チル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン
はナトリウム利尿作用を有することが知られている(We
chter et al., Proc Natl Acad Sci USA, 93, 6002-600
7, 1996)がそれ以外の作用については知られていな
い。
は抗酸化作用を有することが知られており、α―トコフ
ェロールがその抗酸化作用によって、LDL(低密度リポ
蛋白)の酸化を抑制し、それが動脈硬化の発症を抑制す
る可能性が示唆されている。一方、カルボキシエチルヒ
ドロキシクロマン類はトコフェロールならびにトコトリ
エノールの生体内代謝物であり、その中の2,7,8-トリメ
チル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン
はナトリウム利尿作用を有することが知られている(We
chter et al., Proc Natl Acad Sci USA, 93, 6002-600
7, 1996)がそれ以外の作用については知られていな
い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方で、他の同族体、
例えばγ―トコフェロール、トコトリエノール等は経口
投与しても血中には未変化体としてほとんど検出され
ず、それらが生体内において抗酸化作用を有するか否か
はいまだ明らかではない。そのような状況では、臨床
的、生物学的な作用物質としてのビタミンEは、α―ト
コフェロールのみと考えて差し支えないとまで言われて
いる(ビタミンE−基礎と臨床−,医歯薬出版,198
5,297頁)。そこで、本発明者はトコフェロールな
らびにトコトリエノールの生体内代謝物であるカルボキ
シエチルヒドロキシクロマン類の作用を鋭意検討した結
果、意外にも以下に示す化合物に抗酸化作用を示すこと
を見出し本発明を完成した。
例えばγ―トコフェロール、トコトリエノール等は経口
投与しても血中には未変化体としてほとんど検出され
ず、それらが生体内において抗酸化作用を有するか否か
はいまだ明らかではない。そのような状況では、臨床
的、生物学的な作用物質としてのビタミンEは、α―ト
コフェロールのみと考えて差し支えないとまで言われて
いる(ビタミンE−基礎と臨床−,医歯薬出版,198
5,297頁)。そこで、本発明者はトコフェロールな
らびにトコトリエノールの生体内代謝物であるカルボキ
シエチルヒドロキシクロマン類の作用を鋭意検討した結
果、意外にも以下に示す化合物に抗酸化作用を示すこと
を見出し本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は2,5,7,8-テトラ
メチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマ
ン若しくはその塩及び/又は2,7,8-トリメチル-2-(β-
カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその
塩、又はこれらの水和物である抗酸化剤である。また、
本発明は、2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシエ
チル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩及び/又は
2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロ
キシクロマン若しくはその塩、又はこれらの水和物を含
有する抗酸化剤である。更に、本発明は、代謝酵素によ
り2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-
ヒドロキシクロマンに変換することにより抗酸化作用を
示すα―トコフェロール及び/又はα―トコトリエノー
ルを含有する抗酸化剤、又は代謝酵素により2,7,8-トリ
メチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマ
ンに変換することにより抗酸化作用を示すγ―トコフェ
ロール及び/又はγ―トコトリエノールを含有する抗酸
化剤である。更に本発明は、2,5,7,8-テトラメチル-2-
(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくは
その塩及び/又は2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシ
エチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩、又はこ
れらの水和物を含有する動脈硬化予防・治療剤である。
メチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマ
ン若しくはその塩及び/又は2,7,8-トリメチル-2-(β-
カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその
塩、又はこれらの水和物である抗酸化剤である。また、
本発明は、2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシエ
チル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩及び/又は
2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロ
キシクロマン若しくはその塩、又はこれらの水和物を含
有する抗酸化剤である。更に、本発明は、代謝酵素によ
り2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-
ヒドロキシクロマンに変換することにより抗酸化作用を
示すα―トコフェロール及び/又はα―トコトリエノー
ルを含有する抗酸化剤、又は代謝酵素により2,7,8-トリ
メチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマ
ンに変換することにより抗酸化作用を示すγ―トコフェ
ロール及び/又はγ―トコトリエノールを含有する抗酸
化剤である。更に本発明は、2,5,7,8-テトラメチル-2-
(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくは
その塩及び/又は2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシ
エチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩、又はこ
れらの水和物を含有する動脈硬化予防・治療剤である。
【0005】本発明における2,5,7,8-テトラメチル-2-
(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマンはα―ト
コフェロール又はα―トコトリエノールの代謝物であ
り、以下の構造式を有する化合物である(以下、α-CEH
Cと称する)。α-CEHCは、2,5,7,8-テトラメチル-2(2´
-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマンと称される
こともある。
(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマンはα―ト
コフェロール又はα―トコトリエノールの代謝物であ
り、以下の構造式を有する化合物である(以下、α-CEH
Cと称する)。α-CEHCは、2,5,7,8-テトラメチル-2(2´
-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマンと称される
こともある。
【化1】 また2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒ
ドロキシクロマンは、γ―トコフェロール又はγ―トコ
トリエノールの代謝物であり、以下の構造式を有する化
合物である(以下、γ-CEHCと称する)。γ-CEHCは、2,
7,8-トリメチル-2(2´-カルボキシエチル)-6-ヒドロキ
シクロマンと称されることもある。
ドロキシクロマンは、γ―トコフェロール又はγ―トコ
トリエノールの代謝物であり、以下の構造式を有する化
合物である(以下、γ-CEHCと称する)。γ-CEHCは、2,
7,8-トリメチル-2(2´-カルボキシエチル)-6-ヒドロキ
シクロマンと称されることもある。
【化2】 α-CEHC及びγ-CEHCが代謝酵素により生成した場合は、
光学活性体(S体)が生成するが、本発明にかかる抗酸
化剤又は動脈硬化予防・治療剤はラセミ体を用いてもよ
い。α-CEHC及びγ-CEHCは、公知の方法により製造する
こともできる。また、これらの物質は無機物又は有機物
と塩を作ってもよく、更にこれらの物質又はその塩は水
和物であってもよい。
光学活性体(S体)が生成するが、本発明にかかる抗酸
化剤又は動脈硬化予防・治療剤はラセミ体を用いてもよ
い。α-CEHC及びγ-CEHCは、公知の方法により製造する
こともできる。また、これらの物質は無機物又は有機物
と塩を作ってもよく、更にこれらの物質又はその塩は水
和物であってもよい。
【0006】抗酸化剤としてのα-CEHC及び/又はγ-CE
HCの有効量は、一概に言えないが、例えば、血液中では
約200pmol/mLである。α-CEHC及び/又はγ-CEHCは、生
体内に限らず、医薬品、食品、飼料等に配合することに
よっても抗酸化作用を有し、α-CEHC若しくはγ-CEHC単
独、又は、α-CEHC及びγ-CEHCを組合わせて用いてもよ
い。
HCの有効量は、一概に言えないが、例えば、血液中では
約200pmol/mLである。α-CEHC及び/又はγ-CEHCは、生
体内に限らず、医薬品、食品、飼料等に配合することに
よっても抗酸化作用を有し、α-CEHC若しくはγ-CEHC単
独、又は、α-CEHC及びγ-CEHCを組合わせて用いてもよ
い。
【0007】また、α-CEHC又はγ-CEHCは、それぞれα
―トコフェロール、α―トコトリエノール又はγ―トコ
フェロール、γ―トコトリエノールが生体内で変換する
ことにより生成するため、α―トコフェロール、α―ト
コトリエノール、γ―トコフェロール又はγ―トコトリ
エノールを投与することによっても、生体において抗酸
化剤として作用する。従来、α―トコフェロールは生体
において抗酸化作用を有することが認められていたが、
α―トコトリエノール、γ―トコフェロール及びγ―ト
コトリエノールの生体における作用は確認されていなか
った。経口投与で体内において抗酸化作用を示すために
必要なα―トコトリエノール、γ―トコフェロール及び
γ―トコトリエノールの一回の服用量は10〜2000
mgである。
―トコフェロール、α―トコトリエノール又はγ―トコ
フェロール、γ―トコトリエノールが生体内で変換する
ことにより生成するため、α―トコフェロール、α―ト
コトリエノール、γ―トコフェロール又はγ―トコトリ
エノールを投与することによっても、生体において抗酸
化剤として作用する。従来、α―トコフェロールは生体
において抗酸化作用を有することが認められていたが、
α―トコトリエノール、γ―トコフェロール及びγ―ト
コトリエノールの生体における作用は確認されていなか
った。経口投与で体内において抗酸化作用を示すために
必要なα―トコトリエノール、γ―トコフェロール及び
γ―トコトリエノールの一回の服用量は10〜2000
mgである。
【0008】α-CEHC及び/又はγ-CEHCは抗酸化剤とし
てそのまま使用してもよいし、製剤化して用いてもよ
い。製剤化の例としては、α-CEHC及び/又はγ-CEHC
を、乳糖、マンニトール、無水ケイ酸類等の賦形剤と混
合し、更にデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロース、結晶セルロース等の崩壊剤、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース等の結合剤を混合し、水、エタノ
ール等の溶媒を加えて造粒し、必要に応じて整粒後、乾
燥して顆粒剤又は細粒剤を製造することができる。更
に、こうした顆粒剤等を充填して、カプセル剤とするこ
とや、打錠して錠剤とすることもできる。また、水に分
散溶解して液体剤とすることもでき、必要に応じてエタ
ノール等の有機溶媒、植物油、合成油、界面活性剤、矯
味矯臭剤等を使用することもできる。
てそのまま使用してもよいし、製剤化して用いてもよ
い。製剤化の例としては、α-CEHC及び/又はγ-CEHC
を、乳糖、マンニトール、無水ケイ酸類等の賦形剤と混
合し、更にデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセル
ロース、結晶セルロース等の崩壊剤、ヒドロキシプロピ
ルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロ
ピルメチルセルロース等の結合剤を混合し、水、エタノ
ール等の溶媒を加えて造粒し、必要に応じて整粒後、乾
燥して顆粒剤又は細粒剤を製造することができる。更
に、こうした顆粒剤等を充填して、カプセル剤とするこ
とや、打錠して錠剤とすることもできる。また、水に分
散溶解して液体剤とすることもでき、必要に応じてエタ
ノール等の有機溶媒、植物油、合成油、界面活性剤、矯
味矯臭剤等を使用することもできる。
【0009】
【効果】本発明にかかる化合物は抗酸化作用を示す。ま
た。生体内において動脈硬化予防・治療剤として効果を
表すものと考えられる。以下に、本発明にかかる化合物
の効果を実験例によって示す。
た。生体内において動脈硬化予防・治療剤として効果を
表すものと考えられる。以下に、本発明にかかる化合物
の効果を実験例によって示す。
【0010】<方法> 1) LDLの調整 ヒトより採血した血液を3000rpmで10分間遠心にかけ、
血漿を分離した。血漿1.1mLにKBrを添加した後、密度勾
配超遠心分離法(Single spin分画法)にて分取し、蛋
白定量後、LDLをPBSにて調整した。 2) アゾ化合物(V-70)による酸化変性LDL測定法 In vitroにおける酸化変性LDLの測定法は近藤らの方法
を用いた。この方法は酸化開始剤として2,2´-azobis
(4-methyl-2,4-dimethylvaleronitrile ; V-70)を用い
ている。LDL蛋白濃度、約70μg/mLに対してV-70の終濃
度を200μMとし、その時のLDLの共役ジエン生成を吸光
度234nmで300分間測定した。共役ジエン生成を抑えてい
る時間をラグタイムとして示した。各抗酸化物の効能は
V-70を添加する際に同時に添加し、各抗酸化物によるラ
グタイムを測定し、評価を行った。
血漿を分離した。血漿1.1mLにKBrを添加した後、密度勾
配超遠心分離法(Single spin分画法)にて分取し、蛋
白定量後、LDLをPBSにて調整した。 2) アゾ化合物(V-70)による酸化変性LDL測定法 In vitroにおける酸化変性LDLの測定法は近藤らの方法
を用いた。この方法は酸化開始剤として2,2´-azobis
(4-methyl-2,4-dimethylvaleronitrile ; V-70)を用い
ている。LDL蛋白濃度、約70μg/mLに対してV-70の終濃
度を200μMとし、その時のLDLの共役ジエン生成を吸光
度234nmで300分間測定した。共役ジエン生成を抑えてい
る時間をラグタイムとして示した。各抗酸化物の効能は
V-70を添加する際に同時に添加し、各抗酸化物によるラ
グタイムを測定し、評価を行った。
【0011】<結果> 1) α-ならびにγ-CEHCによるLDLに対する抗酸化性 まず、最初にα-ならびにγ-CEHCを濃度依存的(終濃
度:60〜1000ng)にLDLに添加し、その抗酸化性につい
て検討した。その結果、α-ならびにγ-CEHCとも濃度依
存的にラグタイムを延長させた。このことにより、α-
ならびにγ-CEHCともLDLに対して抗酸化性を示すことが
明らかとなった。
度:60〜1000ng)にLDLに添加し、その抗酸化性につい
て検討した。その結果、α-ならびにγ-CEHCとも濃度依
存的にラグタイムを延長させた。このことにより、α-
ならびにγ-CEHCともLDLに対して抗酸化性を示すことが
明らかとなった。
【0012】2)CEHCsならびにtroloxにおけるLDLに対
する抗酸化性の比較(高濃度の場合) 次に、水溶性の合成抗酸化剤であるtroloxと比較した。
成人男女8名から採血を行い、上記の方法に従ってLDLを
分取した。このLDLにα-、γ-CEHCならびにtroloxをそ
れぞれ1μg(終濃度)、LDLに添加し、ラグタイムを測
定した。その結果、抗酸化剤無添加のコントロールの場
合、ラグタイムが88.1±29.4分だったのに対して、α-C
EHC添加群で190.8±65.1分の有意な延長(p<0.01)が認
められ、さらにγ-CEHC添加群では263.1±114.8分とな
り、α-CEHCより有意な延長が見られた。この結果α-CE
HCよりもγ-CEHCの方がLDLに対して有意に強い抗酸化性
を示した。
する抗酸化性の比較(高濃度の場合) 次に、水溶性の合成抗酸化剤であるtroloxと比較した。
成人男女8名から採血を行い、上記の方法に従ってLDLを
分取した。このLDLにα-、γ-CEHCならびにtroloxをそ
れぞれ1μg(終濃度)、LDLに添加し、ラグタイムを測
定した。その結果、抗酸化剤無添加のコントロールの場
合、ラグタイムが88.1±29.4分だったのに対して、α-C
EHC添加群で190.8±65.1分の有意な延長(p<0.01)が認
められ、さらにγ-CEHC添加群では263.1±114.8分とな
り、α-CEHCより有意な延長が見られた。この結果α-CE
HCよりもγ-CEHCの方がLDLに対して有意に強い抗酸化性
を示した。
【0013】3)CEHCsならびにtroloxにおけるLDLに対
する抗酸化性の比較(低濃度の場合) Stahlら (Anal. Biochem., 275, 254-259, 1999) は、
ヒトにRRR-α-トコフェロールを500IU投与した時の血漿
中α-CEHC濃度はおよそ200pmol/mLであり、また、それ
と同時に食事から摂取したγ-トコフェロール由来のγ-
CEHCはほとんどが遊離体で存在していると報告してい
る。それゆえ、次に血漿中で存在しうる濃度でのLDLに
対する抗酸化性についても検討した。上記の方法と同様
にtrolox群も加え、添加終濃度を先ほど述べた200pmol/
mLに近い値(終濃度:60ng)に設定し、各群を比較し
た。
する抗酸化性の比較(低濃度の場合) Stahlら (Anal. Biochem., 275, 254-259, 1999) は、
ヒトにRRR-α-トコフェロールを500IU投与した時の血漿
中α-CEHC濃度はおよそ200pmol/mLであり、また、それ
と同時に食事から摂取したγ-トコフェロール由来のγ-
CEHCはほとんどが遊離体で存在していると報告してい
る。それゆえ、次に血漿中で存在しうる濃度でのLDLに
対する抗酸化性についても検討した。上記の方法と同様
にtrolox群も加え、添加終濃度を先ほど述べた200pmol/
mLに近い値(終濃度:60ng)に設定し、各群を比較し
た。
【0014】結果を図1に示した。図ではコントロール
群を1とし、ラグタイム延長率で示している。この結
果、γ-CEHC群ではα-CEHC群、trolox群よりも有意にラ
グタイム延長率が高かった。これらの結果より、CEHC、
特にγ-CEHCは血漿中において非常に有用な抗酸化剤と
なり、LDL膜表面にてトコフェロールと同様に抗酸化能
を発揮することが示唆された。また、ビタミンE、特に
γ-トコフェロール及びγ-トコトリエノール代謝物にこ
のような生理活性があることが示されたことから、今
後、動脈硬化症ならびに心疾患治療のためのビタミンE
効能がγ-トコフェロール及び/又はγ-トコトリエノー
ルを同時に投与することによってより強い働きを示す可
能性が推測された。
群を1とし、ラグタイム延長率で示している。この結
果、γ-CEHC群ではα-CEHC群、trolox群よりも有意にラ
グタイム延長率が高かった。これらの結果より、CEHC、
特にγ-CEHCは血漿中において非常に有用な抗酸化剤と
なり、LDL膜表面にてトコフェロールと同様に抗酸化能
を発揮することが示唆された。また、ビタミンE、特に
γ-トコフェロール及びγ-トコトリエノール代謝物にこ
のような生理活性があることが示されたことから、今
後、動脈硬化症ならびに心疾患治療のためのビタミンE
効能がγ-トコフェロール及び/又はγ-トコトリエノー
ルを同時に投与することによってより強い働きを示す可
能性が推測された。
【0015】
【図1】図1はCEHC等を添加した場合のLDL酸化抑制
時間の延長を示す図である。
時間の延長を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B018 MD10 MD26 ME06 ME14 4C062 FF69 4C086 AA01 AA02 BA08 MA01 MA04 NA14 ZA45 ZC02 ZC33
Claims (6)
- 【請求項1】2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシ
エチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩及び/又
は2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒド
ロキシクロマン若しくはその塩、又はこれらの水和物で
ある抗酸化剤。 - 【請求項2】2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシ
エチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩及び/又
は2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒド
ロキシクロマン若しくはその塩、又はこれらの水和物を
含有する抗酸化剤。 - 【請求項3】代謝酵素により2,5,7,8-テトラメチル-2-
(β-カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマンに変換す
ることによって抗酸化作用を示すα―トコフェロール及
び/又はα―トコトリエノールを含有する抗酸化剤。 - 【請求項4】代謝酵素により2,7,8-トリメチル-2-(β-
カルボキシエチル)-6-ヒドロキシクロマンに変換するこ
とによって抗酸化作用を示すγ―トコフェロール及び/
又はγ―トコトリエノールを含有する抗酸化剤。 - 【請求項5】2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシ
エチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩及び/又
は2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒド
ロキシクロマン若しくはその塩、又はこれらの水和物を
含有する動脈硬化予防・治療剤。 - 【請求項6】2,5,7,8-テトラメチル-2-(β-カルボキシ
エチル)-6-ヒドロキシクロマン若しくはその塩及び/又
は2,7,8-トリメチル-2-(β-カルボキシエチル)-6-ヒド
ロキシクロマン若しくはその塩、又はこれらの水和物を
含有する脂質酸化抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001294777A JP2002179567A (ja) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | ビタミンe代謝物含有抗酸化剤 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000-294802 | 2000-09-27 | ||
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JP2000-304487 | 2000-10-04 | ||
JP2000304487 | 2000-10-04 | ||
JP2001294777A JP2002179567A (ja) | 2000-09-27 | 2001-09-26 | ビタミンe代謝物含有抗酸化剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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