JP3809679B2 - クロマノール配糖体およびその製造方法、並びにそれを用いた抗酸化剤 - Google Patents

クロマノール配糖体およびその製造方法、並びにそれを用いた抗酸化剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なクロマノール配糖体およびその製造方法、並びにそれを用いた抗酸化剤に関するものである。詳しく述べると、公知の抗酸化剤として知られる、一般式(2)
【0002】
【化3】
Figure 0003809679
【0003】
(ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表わし、およびnは0〜4の整数である)で表される2−置換アルコール (以下、単に「2−置換アルコール」ともいう)に糖を結合させることにより得られる化学的安定性に優れた新規な水溶性クロマノール配糖体およびその製造方法、並びにそれを用いた水溶性抗酸化剤に関するものである。
【0004】
【従来の技術】
近年、活性酸素やフリーラジカルが生体に障害を与え、それが種々の疾病をはじめ発ガン、さらには老化にもつながることが次第に明らかになってきている。そこで、活性酸素やフリーラジカルによる障害を効率よく防御することができる抗酸化剤の開発は、化粧品、医薬品、食品など多くの分野において注目を集めている。
【0005】
現在、多くの抗酸化剤が知られているが、特にビタミンEはその優れた抗酸化活性より、食品、化粧品、医薬品分野において多用されている。しかしながら、ビタミンEは水に不溶な粘性油状物のため注射剤または溶液剤として使用するには界面活性剤等を用いて可溶化させねばならず、本来不用な物を大量に混入する結果となり問題が生じる。また、界面活性剤などでは高濃度のビタミンE水溶液を作ることは不可能である。つまりビタミンEの優れた抗酸化活性を保持した水溶性のビタミンE類似化合物が必要とされている。
【0006】
特開平7−118287号公報において、優れた水溶性を有するビタミンE類似化合物(クロマノール配糖体)および酵素法によるその製造方法が示されている。上記公報の製造方法において2−置換アルコールにガラクトースをβ結合で結合させる場合の簡単な記載がされているものの、実施例においてその物の物性、製法、抗酸化活性などは一切示されていない。また、生体に投与した場合においては、上記公報に示される2−置換アルコールにグルコースがα結合したもの(以下、グルコース型配糖体という)と、β結合によりガラクトースが結合したもの(以下、ガラクトース型配糖体)とでは生体内の糖質分解酵素の局在場所および活性などの違いから配糖体のグリコシド結合の安定性が異なることは常識であり、また、生体組織のレセプターの問題などからも、両者の生体組織への取り込まれ方は異なる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、生体内において公知のグルコース型配糖体とは生体内において異なる安定性および生体組織への取り込まれ方を示す新規なガラクトース型配糖体およびその製造方法、並びにそれを用いた水溶性抗酸化剤を提供するもである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、(A) 一般式(1)
【0009】
【化4】
Figure 0003809679
【0010】
(ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表わし、糖残基中の水酸基の水素原子は低級アルキル基または低級アシル基で置換されていてもよく、およびnは0〜4の整数である)で表わされるクロマノール配糖体により達成される。
【0011】
また、上記目的は、(B) 一般式(2)
【0012】
【化5】
Figure 0003809679
【0013】
(ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表わし、およびnは0〜4の整数を表す)で表わされる2−置換アルコール及び、β−ガラクトシル糖化合物を含有する溶液にβ−ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.23)を作用させることを特徴とする上記(A)に示す一般式 (1)で示されるクロマノール配糖体の製造方法によっても達成される。
【0014】
さらに、上記目的は、(C) 上記(A)に示す一般式(1)で表わされるクロマノール配糖体を有効成分とすることを特徴とする抗酸化剤により達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係わるクロマノール配糖体(上記一般式(1))の酵素法による合成に用いられる酵素としては、β−ガラクトシダーゼが挙げられる。β−ガラクトシダーゼとしては、ほぼ全ての起源由来のものを用いることができ、例えば、東洋紡績株式会社製、オリエンタル酵母工業製、シグマ(SIGMA)製のエシェリキア コリ(Escherichia coli)由来のβ−ガラクトシダーゼ、東洋紡績株式会社製のアスペルギルス属(Aspergillus sp.)由来のβ−ガラクトシダーゼ、シグマ(SIGMA)製のウシ肝臓(bovine liver)、ウシ睾丸(bovine testes)、アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス オリーザ(Aspergillus oryzae)、サッカロミセス フラギリス(Saccharomyces fragilis)、タチナタマメ(Jack bean)由来のβ−ガラクトシダーゼなどが挙げられる。添加される酵素量としては、例えば、上述した東洋紡績株式会社製のエシェリキア コリ(Escherichia coli)由来のβ−ガラクトシダーゼを反応液3mlに添加する場合、5から70U、好ましくは10〜40Uである。酵素量が5U未満の場合には、酵素による触媒作用が少なく、また酵素量が70Uを越える場合には、過度の添加に見合うだけの効果が得られず不経済である。上述した東洋紡績株式会社製のアスペルギルス属(Aspergillus sp.)由来のβ−ガラクトシダーゼを反応液3mlに添加する場合、0.1〜20U、好ましくは0.5〜15Uである。酵素量が0.1U未満の場合には、酵素による触媒作用が少なく、また酵素量が20Uを越える場合には、過度の添加に見合うだけの効果が得られず不経済である。なお、ここでの上述したエシェリキア コリ由来のβ−ガラクトシダーゼの1Uは、基質にo−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシドを用い、pH7.3、37℃において1分間に1μmolのo−ニトロフェノールを生成する酵素量であり、上述したアスペルギルス属由来のβ−ガラクトシダーゼの1Uは、基質にo−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシドを用い、pH5.0、37℃において1分間に1μmolのo−ニトロフェノールを生成する酵素量である。
【0016】
次に、本発明に係わるクロマノール配糖体(上記一般式(1))を酵素法により合成するための条件としては、まず、2−置換アルコール(上記一般式(2))をβ−ガラクトシル糖化合物(本明細書では、単に「糖」ともいう)溶液に溶解させることが望ましく、そのためには水に対する溶解度が非常に低い2−置換アルコールを溶解し得る有機溶媒を添加する必要がある。さらに、添加されうる有機溶媒としては、β−ガラクトシダーゼの転移活性を効率よく発現させることができるものでなければならず、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、アセトンおよびアセトニトリルなどが挙げられ、上述したエシェリキア コリ由来のβ−ガラクトシダーゼの転移活性を高めるためにはジメチルスルホキシドが好ましく、上述したアスペルギルス属由来のβ−ガラクトシダーゼの転移活性を高めるためにはジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノールおよびアセトニトリルが好ましい。上述した2種類のβ−ガラクトシダーゼを用いる場合、添加する有機溶媒の濃度は、1〜50(v/v)%、好ましくは反応効率を考えると5〜40(v/v)%である。この有機溶媒濃度が1(v/v)%未満の場合には、所望とする2−置換アルコール(上記一般式(2))を糖溶液に溶解させることが難しく、また50(v/v)%を越える場合には、酵素の安定性が低下し、転移効率が悪くなるため好ましくない。
【0017】
また、本発明に係わるクロマノール配糖体(上記一般式(1))を酵素法により合成する際に原料として用いられる2−置換アルコール(一般式(2))は、公知物質であり、特公平1−43755号、特公平1−49135号等の方法により、得ることができる。また、例えば、一般式(2)においてR1 =R2 =R3 =R4 =CH3 、R5 =H、n=1とする2−置換アルコールの1種は、トロロックス(Trolox)を水素化リチウムアルミニウムの存在下においてジエチルエーテル中で加熱還流処理することなどにより容易に得ることができる。2−置換アルコール(上記一般式(2))の濃度は、反応液中において飽和濃度もしくはそれに近い濃度にすることが望ましい。これにより、実際上(および理論上)最大の収率を得ることができるためである。
【0018】
さらに、本発明に係わるクロマノール配糖体(上記一般式(1))を酵素法により合成する際に用いられるβ−ガラクトシル糖化合物の種類は、乳糖(ラクトース)、o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド、p−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシドおよびガラクトースがβ−1,4−グリコシド結合で結ばれた構造を持つ糖残基が2〜5位のオリゴ糖が挙げられ、好ましくは価格の面などから考慮して、乳糖である。乳糖の濃度は、5〜50(w/v)%、好ましくは10〜50(w/v)%である。乳糖の濃度が5(w/v)%未満では、糖が不足するため2−置換アルコールからクロマノール配糖体への高い転移率を得ることができない。また乳糖の溶解度の面から50(w/v)%を越える乳糖溶液の調製は難しい。
【0019】
さらに、本発明に係わるクロマノール配糖体(上記一般式(1))を酵素法により合成する際の反応系のpHは、上述したエシェリキア コリ由来のβ−ガラクトシダーゼを用いる場合5.0〜7.5、好ましくは5.5〜7.0であり、上述したアスペルギルス属由来のβ−ガラクトシダーゼを用いる場合3.0〜7.5、好ましくは3.5〜7.0である。pHが上記範囲を外れる場合には、上述した酵素が失活するなど好ましくない。
【0020】
さらに、本発明に係わるクロマノール配糖体(上記一般式(1))を酵素法により合成する際の反応温度は、上述したエシェリキア コリ由来のβ−ガラクトシダーゼを用いる場合、20〜60℃、好ましくは30〜50℃であり、上述したアスペルギルス属由来のβ−ガラクトシダーゼを用いる場合、20〜70℃、好ましくは30〜60℃である。反応温度が上記範囲を下回る場合には、上述した酵素の活性が低下し、十分な転移率を確保するのに長時間を要するため経済的でなく、また、反応温度が上記範囲を上回る場合には、上述した酵素が失活するため好ましくない。
【0021】
また、本発明に係わるクロマノール配糖体(上記一般式(1))を酵素法により合成する際の反応時間は、上述した2種類のβ−ガラクトシダーゼを用いる場合、2〜40時間、好ましくは10〜30時間である。反応時間が2時間未満の場合には、反応が平衡近くに達していないため、十分な転移率を得ることができず、40時間を越える場合には、これに見合うだけのさらなる効果が期待できない。
【0022】
ただし、上述した酵素法による合成の際のこうした条件は、使用する酵素量により若干の影響を受ける。
【0023】
次に反応終了後、反応液をXAD(オルガノ株式会社製)を担体として用いたカラムクロマトグラフィーで処理することにより、高純度のクロマノール配糖体(一般式(1))が得られる。
【0024】
なお、上述の一般式(1)〜(2)において、式中のR1 ,R2 ,R3 およびR4 は、同一または異なる水素原子または低級アルキル基であって、このうち低級アルキル基としては、好ましくは炭素原子数が1〜8のアルキル基、最も好ましくは炭素原子数が1〜6のアルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、及びオクチル基等が挙げられ、これらのうち、メチル基及びエチル基が好ましい。また同様にR5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基であり、このうち低級アルキル基としては、好ましくは炭素原子数が1〜8のアルキル基、最も好ましくは炭素原子数が1〜6のアルキル基であり、具体例としては上記と同様のものが挙げられる。また、低級アシル基としては、炭素原子数が1〜10のアシル基、最も好ましくは炭素原子数が1〜7のアシル基であり、具体的には、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、カプロイル基、及びベンゾイル基(C6 5 CO−)などが挙げられ、これらのうち、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が好ましい。さらに同様に糖残基の水酸基の水素原子は、低級アルキル基または低級アシル基で置換されていてもよく、かかる低級アルキル基としては、好ましくは炭素原子数が1〜8のアルキル基、最も好ましくは炭素原子数が1〜6のアルキル基であり、低級アシル基としては、炭素原子数が1〜10のアシル基、最も好ましくは炭素原子数が1〜7のアシル基であり、アルキル基及びアシル基の具体例としては上記と同様のものが挙げられる。さらに、nは0〜4、好ましくは1〜3の整数である。
【0025】
このようにして得られたクロマノール配糖体(一般式(1))の水に対する溶解度は、トコフェロールの2位のイソプレノイド側鎖をカルボキシル基に置換した6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(以下、単にトロロックスともいう)、2−置換アルコールに比べ著しく高いものである。
【0026】
さらに、得られたクロマノール配糖体(一般式(1))は、ヘキサン−イソプロピルアルコール溶液中における高度不飽和脂肪酸メチルエステルの脂質過酸化速度の測定で明らかなように、トコフェロールと同等の抗酸化活性を有している。またクロマノール配糖体(一般式(1))は、水溶性の抗酸化剤として知られるアスコルビン酸などに比べて、顕著な酸化速度の抑制作用を奏するものである。例えば、生体膜をモデルとして、脂溶性ラジカル発生剤を内部に含有したリポソームを調製し、酸化反応を促進させた際、水相にクロマノール配糖体(一般式(1))を存在させておくことで、アスコルビン酸などよりも顕著に酸化反応を抑制することができる。また、クロマノール配糖体(一般式(1))は、クロマン環をもっていることにより、一重項酸素など様々な活性酸素の消去能をも有している。
【0027】
また、得られたクロマノール配糖体(一般式(1))は、その高い溶解性(水溶性)および優れた抗酸化活性から活性酸素が関与する様々な疾病に効果のある注射剤または内服薬などの溶解剤などの抗酸化剤の有効成分として利用することができ、この場合には、該クロマノール配糖体(一般式(1))の水溶液をそのまま抗酸化剤として使用できるほか、該溶液に、相互に反応性のない他の有効成分を適当量配合して用いてもよい。
【0028】
【実施例】
次に、実施例等により本発明を説明するが、これらにより本発明の範囲がなんら制限されるものでないことはいうまでもない。
【0029】
参考例1
(1)エシェリキア コリ由来のβ−ガラクトシダーゼの活性測定
100mM リン酸緩衝液(pH7.3)2.5ml、3.36M メルカプトエタノール溶液0.1ml、30mM MgCl2 溶液(pH7.3)0.1ml、34mM o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド溶液0.2mlをキュベット(d=1.0cm)にいれ、37℃に制御された分光光度計にセットした。5分間インキュベートした後、酵素溶液0.1mlを加え410nmの吸光度変化を求めた。なお、1Uは、上記条件において1分間に1μmolのo−ニトロフェノールを生成する酵素量とした。
【0030】
(2)アスペルギルス属由来のβ−ガラクトシダーゼの活性測定
100mM 酢酸緩衝液(pH5.0)1.0mlに20mM o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトピラノシド溶液0.2mlを加え、37℃で5分間インキュベートした後、酵素溶液0.5mlを加え、同温度条件下において15分間インキュベートした。そして、0.2M Na2 CO3 溶液2.0mlを加えて反応を停止させ、410nmの吸光度を測定した。なお、1Uは、上記条件において1分間に1μmolのo−ニトロフェノールを生成する酵素量とした。
【0031】
実施例1
50mM リン酸緩衝液(pH6.5)で調製した40(w/v)%乳糖溶液160mlに対し、ジメチルスルホキシドで調製した5(w/v)%の式(3)
【0032】
【化6】
Figure 0003809679
【0033】
で示される2−置換アルコール溶液32mlおよび1600Uの東洋紡績株式会社製のエシェリキア コリ(Escherichia coli)由来のβ−ガラクトシダーゼを加え、40℃において20時間反応させた。このときの2−置換アルコールのクロマノール配糖体への転換率はモル比で約20%であった。
【0034】
この反応液を30%メタノール溶液で平衡化したXAD−4(オルガノ株式会社製)カラムにアプライし、非吸着物を30%メタノールで溶出後、80%メタノールでクロマノール配糖体を溶出させた。次に得られたクロマノール配糖体画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=5:1、v/v)処理することで高純度のクロマノール配糖体である式(4)
【0035】
【化7】
Figure 0003809679
【0036】
で示される2−(β−D−ガラクトピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オール[2-(β−D-galactopyranosyl)methyl-2,5,7,8-tetramethylchroman-6-ol](一般式(1)のn=1、R=R=R=R=CH、R=Hに相当する)を約300mg得た。
【0037】
得られた上記式(4)に示されるクロマノール配糖体の赤外線吸収スペクトルを図1に示す。
【0038】
また、上記式(4)に示されるクロマノール配糖体の 1H−NMR、13C−NMR、質量分析および旋光度の結果は以下の通りである。
【0039】
1H−NMR δ(270MHz, DMSO−d6 ) 1.21および1.24(s,3H)、1.67から1.73(m,1H)、1.90から1.93(m,1H)、1.98(s,3H)、2.02(s,3H)、2.05(s,3H)、2.50(broad t,2H)、3.17から4.78(m,13H)、7.38(s,1H)
13C−NMR δ(67.8MHz,DMSO−d6 、プロトンデカップリングスペクトル) 11.7、11.8、12.6、19.7および19.8、22.2および22.5、28.0および28.1、60.3および60.4、68.1、70.5、73.1および73.2、73.4、73.9および74.0、75.1および75.2、104.0および104.2、116.8、120.2、120.8、122.5、144.2、145.2
質量スペクトル(FAB) m/z 398 (分子イオンピーク)
【0040】
【外1】
Figure 0003809679
【0041】
実施例2
50mM 酢酸緩衝液(pH4.5)で調製した40(w/v)%乳糖溶液160mlに対し、ジメチルスルホキシドで調製した5(w/v)%の式(3)
【0042】
【化8】
Figure 0003809679
【0043】
で示される2−置換アルコール溶液32mlおよび1000Uの東洋紡績株式会社製のアスペルギルス属(Aspergillus sp.)由来のβ−ガラクトシダーゼを加え、50℃において20時間反応させた。このときの2−置換アルコールのクロマノール配糖体への転換率はモル比で約7%であった。
【0044】
この反応液を30%メタノール溶液で平衡化したXAD−4(オルガノ株式会社製)カラムにアプライし、非吸着物を30%メタノールで溶出後、80%メタノールでクロマノール配糖体を溶出させた。次に得られたクロマノール配糖体画分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=5:1、v/v)処理することで高純度のクロマノール配糖体である式(5)
【0045】
【化9】
Figure 0003809679
【0046】
で示される2−(β−D−ガラクトピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オール[2-(β−D-galactopyranosyl)methyl-2,5,7,8-tetramethylchroman-6-ol](一般式(1)のn=1、R=R=R=R=CH、R=Hに相当する)を約90mg得た。
【0047】
得られた上記式(5)に示されるクロマノール配糖体の赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
【0048】
また、上記式(5)に示されるクロマノール配糖体の 1H−NMR、13C−NMR、質量分析および旋光度の結果は以下の通りである。
【0049】
1H−NMR δ(270MHz, DMSO−d6 ) 1.21および1.24(s,3H)、1.67から1.73(m,1H)、1.90から1.93(m,1H)、1.98(s,3H)、2.02(s,3H)、2.05(s,3H)、2.50(broad t,2H)、3.17から4.78(m,13H)、7.38(s,1H)
13C−NMR δ(67.8MHz,DMSO−d6 、プロトンデカップリングスペクトル) 11.7、11.8、12.6、19.7および19.8、22.2および22.5、28.0および28.1、60.3および60.4、68.1、70.5、73.1および73.2、73.4、73.9および74.0、75.1および75.2、104.0および104.2、116.8、120.2、120.8、122.5、144.2、145.2
質量スペクトル(FAB) m/z 398 (分子イオンピーク)
【0050】
【外2】
Figure 0003809679
【0051】
実施例3
実施例1および実施例2によって得られた式(4)、式(5)に示されるクロマノール配糖体の抗酸化活性をリノール酸メチルのラジカル連鎖自動酸化反応の抑制により評価した。132μmolのリノール酸メチル、16.5μmolの脂溶性ラジカル発生剤(2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル))、0.1μmolの式(4)、式(5)に示されるクロマノール配糖体、ブチルヒドロキシトルエンまたはα−トコフェロールからなるヘキサン/イソプロピルアルコール(1:1、v/v)溶液1.1mlを37℃でインキュベートし、経時的にサンプリングし、高速液体クロマトグラフィーでリノール酸メチルハイドロパーオキサイドの生成量を測定した。図3に示すように、式(4)および式(5)に示されるクロマノール配糖体の抗酸化活性は、ブチルヒドロキシトルエン以上であり、またα−トコフェロールと同等であることがわかる。
【0052】
実施例4
実施例1および実施例2によって得られた式(4)、式(5)に示されるクロマノール配糖体の抗酸化活性を多重層リポソームのラジカル連鎖自動酸化反応の抑制により評価した。5.5μmolの卵黄ホスファチジルコリン、1.1μmolの脂溶性ラジカル発生剤(2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.5mM ジエチレントリアミン−N,N,N′,N″,N″−五酢酸(diethylenetriamine−N,N,N′,N″,N″−pentaacetic acid)を含んだ10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)1mlに懸濁させ多重層リポソームを調製し、これに上記緩衝液で調製した100μMの式(4)、式(5)に示されるクロマノール配糖体またはアスコルビン酸を0.1ml加えた。そして、50℃でインキュベートし、経時的にサンプリングし、高速液体クロマトグラフィーでホスファチジルコリンハイドロパーオキサイドの生成量を測定した。
【0053】
図4に示すように、式(4)および式(5)に示されるクロマノール配糖体はアスコルビン酸より、明らかに効果的な抗酸化剤であることがわかる。
【0054】
実施例5
実施例1および実施例2によって得られた式(4)、式(5)に示されるクロマノール配糖体の水に対する溶解度を評価した。過剰量の式(4)または式(5)に示されるクロマノール配糖体を水1mlに加え、25℃でインキュベートし、20時間、撹拌(200rpm)後、サンプレップC02−LGに液を移し、遠心分離(4100×g、10分、20℃)することにより不溶物を除去し、水溶液中のクロマノール配糖体の溶解量を高速液体クロマトグラフィーで測定した。また比較として、トロロックス(Trolox、アルドリッチケミカルカンパニー社(Aldrich Chemical Company,Inc.)製)、式(3)で示される2−置換アルコールも同様に評価した。
【0055】
【表1】
Figure 0003809679
【0056】
表1に示すように式(4)および式(5)に示されるクロマノール配糖体の優れた水に対する溶解性が明らかになった。
【0057】
実施例6
マウスのTリンパ腫株EL−4細胞をRPMI−1640+10%牛胎仔血清+HEDES緩衝液(25mM)系培養液(以下、「完全培養液」と略称する)中で37℃、5%CO2 雰囲気下で継代培養し、細胞密度が2×105 個/mlになるように調整した。このようにして培養されたEL−4細胞培養液の上清を除去し、これに実施例1と同様にして調製したクロマノール配糖体(一般式(4))溶液を完全培養液中の最終濃度が1mMになるように加え、X線を照射するまでの30分間、上記と同様の条件下で細胞培養を行った。クロマノール配糖体を含む培養液中で所定時間培養した後、3Gyの放射線を0.92Gy/分の線量率で照射した。放射線照射終了直後、細胞を遠心沈降(400g×5分)させ、RPMI−1640で2回洗浄し、完全培養液で再浮遊させて培養した。これに、サイトカラシンBのDMSO溶液(2mg/ml濃度)を最終濃度が3μg/mlになるように添加し、20時間培養後に2核細胞中の小核保有細胞の頻度(小核誘発頻度)を測定し、細胞の放射線損傷の頻度を表わす尺度とした。また、クロマノール配糖体の処理濃度を0mMとした以外は上記操作を繰り返すことにより得られた小核誘発頻度(比較例1)を基準として下記式より小核誘発抑制率を計算した。この際、上記細胞は1群4〜5連で放射線照射実験を行い、結果はこれらの平均値として表わした。結果を表2に示す。
【0058】
【数1】
Figure 0003809679
【0059】
【表2】
Figure 0003809679
【0060】
表2より示されるように、小核誘発頻度は、一般式(4)で表わされるクロマノール配糖体で処理した(実施例6)場合、処理しなかった(比較例1)場合に比べて有意に小さく、これより、本発明のクロマノール配糖体は優れた放射線防護作用を有することが示された。
【0061】
【発明の効果】
本発明のクロマノール配糖体(一般式(1))は、生体内において公知のグルコース型配糖体とは生体内において異なる安定性および生体組織への取り込まれ方を示す新規なガラクトース型配糖体であり、トロロックス、2−置換アルコールに比べ著しく高い溶解性(約1000倍以上)を有し、かつビタミンCより優れた抗酸化活性効果を奏する。
【0062】
次に、本発明のガラクトース型配糖体は、高濃度の有機溶媒存在下においても安定で、かつ、転移活性の高い酵素を用いることにより効率的に合成することができる。
【0063】
また、本発明の製造方法により安価に供給されるガラクトース型配糖体の優れた特性を活用することで、食品、化粧品および医薬品等に適用し得る水溶性抗酸化剤の有効成分としての利用が図れる。
【0064】
さらに、本発明のガラクトース型配糖体は、優れた放射線防護作用を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた式(4)に示されるクロマノール配糖体の赤外線吸収スペクトルである。
【図2】 実施例2で得られた式(5)に示されるクロマノール配糖体の赤外吸収スペクトルである。
【図3】 実施例1および実施例2によって得られた式(4)、式(5)に示されるクロマノール配糖体、ブチルヒドロキシトルエンおよびα−トコフェロールの抗酸化活性をリノール酸メチルのラジカル連鎖自動酸化反応の抑制により評価すべく、経時的にリノール酸メチルハイドロパーオキサイドの生成量を測定した結果を示すグラフである。
【図4】 実施例1および実施例2によって得られた式(4)、式(5)に示されるクロマノール配糖体およびアスコルビン酸の抗酸化活性を多重層リポソームのラジカル連鎖自動酸化反応の抑制により評価すべく、経時的にホスファチジルコリンハイドロパーオキサイドの生成量を測定した結果を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 0003809679
    (ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表わし、糖残基中の水酸基の水素原子は低級アルキル基または低級アシル基で置換されていてもよく、およびnは0〜4の整数である)で表わされるクロマノール配糖体。
  2. 一般式(2)
    Figure 0003809679
    (ただし、式中、R1 ,R2 ,R3 およびR4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表わし、およびnは0〜4の整数である)で表わされる2−置換アルコール及び、β−ガラクトシル糖化合物を含有する溶液にβ−ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.23)を作用させることを特徴とする請求項1に記載の一般式 (1)で示されるクロマノール配糖体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の一般式(1)で表わされるクロマノール配糖体を有効成分とすることを特徴とする抗酸化剤。
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