JP2002000290A - 固定化酵素を用いたクロマノール配糖体組成物の製造方法 - Google Patents

固定化酵素を用いたクロマノール配糖体組成物の製造方法

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JP2002000290A
JP2002000290A JP2000185262A JP2000185262A JP2002000290A JP 2002000290 A JP2002000290 A JP 2002000290A JP 2000185262 A JP2000185262 A JP 2000185262A JP 2000185262 A JP2000185262 A JP 2000185262A JP 2002000290 A JP2002000290 A JP 2002000290A
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anion exchange
exchange resin
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lower alkyl
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JP2000185262A
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Tsutomu Kunieda
勉 国枝
Toshiaki Fujii
利秋 藤井
Hironori Murase
博宣 村瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度で水溶性の極めて高いクロマノール配
糖体組成物を効率よく、安価に、かつ実用的に製造する
方法を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1、R2、R3およびR4は同一または
異なって水素原子または低級アルキル基を表し、R5
水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表し、
nは0〜4の整数を表す)で示される2−置換アルコー
ルと糖とを、有機溶媒共存下において、多孔質キトサン
ビーズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂にシクロマルト
デキストリングルカノトランスフェラーゼを固定化させ
た固定化酵素を用いて、反応させることを特徴とする、
下記一般式(2) 【化2】 (ただし、式中、R1、R2、R3、R4、R5およびnは
上述と同様、Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級ア
ルキル基または低級アシル基で置換されていてもよい単
糖残基またはオリゴ糖残基を表し、およびmは1〜10
の整数である)で示されるクロマノール配糖体組成物の
製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な固定化酵素
を用いた、高純度で水溶性の極めて高いクロマノール配
糖体組成物を効率よく製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般式(I)
【0003】
【化3】
【0004】で表されるクロマノール配糖体は、代表的
なビタミンEであるα−トコフェロールのクロマン環の
2位のフィチル基をアルコールで置換し、さらに糖を結
合させて得られるものであり、高い水溶性と優れた抗酸
化性を有する化合物である。このような化合物は、特開
平7−118287号公報にて公知である。また本発明
者等は前記クロマノール配糖体を工業的に、かつ安価で
高純度のものを製造する方法として、前記一般式(I)
においてmが1〜6であるクロマノール配糖体を主成分
とする、高純度で水溶性の極めて高いクロマノール配糖
体組成物を製造する技術を開発した(特願2000−2
5748号)。
【0005】しかしながら、上述の特願2000−25
748号に開示されている方法は、酵素を糖溶液と一般
式(II)
【0006】
【化4】
【0007】で示される2−置換アルコール溶液との混
合溶液中に直接添加する方法であり、反応液中で酵素が
溶液の状態で存在しているため、反応終了後、工業的に
反応生成物を取得するためには、酵素の変性または除去
等が必要である。そのため酵素が未だ活性を有していて
も、1回の反応毎にこれを廃棄しなければならず、経済
的に不利である。また、あえて酵素を回収しようとした
場合、限外濾過膜等による処理が必要となり、酵素の分
離に多大な設備と時間を要し、やはり経済的に不利であ
る。従って、高い水溶性と優れた抗酸化性を有するクロ
マノール配糖体組成物を工業的に、かつ安価に製造する
ためには、酵素の効果的な再利用を可能とする技術の確
立が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みなされたものであり、その目的は、新規な固定化酵
素を用いた、前記一般式(I)においてmが1〜6であ
るクロマノール配糖体を主成分とする、高純度で水溶性
の極めて高いクロマノール配糖体組成物を効率よく製造
する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、鋭
意研究を重ねた結果、多孔質キトサンビーズまたは弱塩
基性陰イオン交換樹脂にシクロマルトデキストリングル
カノトランスフェラーゼを固定化することにより、この
酵素が極めて効果的に担体上に吸着され、有機溶媒共存
下においても酵素の高活性が保持および発現されること
を見出した。さらに本発明者らは、このようにして得ら
れた固定化酵素を用いることにより、一般式(II)で示
される2−置換アルコールと糖とを結合させて一般式
(I)においてmが1〜6であるクロマノール配糖体を
主成分とする、高純度で水溶性の高いクロマノール配糖
体組成物を効率よく製造することが可能であることを見
出した。
【0010】すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0011】
【化5】
【0012】(ただし、式中、R1、R2、R3およびR4
は同一または異なって水素原子または低級アルキル基を
表し、R5は水素原子、低級アルキル基または低級アシ
ル基を表し、nは0〜4の整数を表す)で示される2−
置換アルコールと糖とを、有機溶媒共存下において、多
孔質キトサンビーズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂に
シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ
を固定化させた固定化酵素を用いて、反応させることを
特徴とする、下記一般式(2)
【0013】
【化6】
【0014】(ただし、式中、R1、R2、R3およびR4
は同一または異なって水素原子または低級アルキル基を
表し、R5は水素原子、低級アルキル基または低級アシ
ル基を表し、Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級ア
ルキル基または低級アシル基で置換されていてもよい単
糖残基またはオリゴ糖残基を表し、nは0〜4の整数で
あり、およびmは1〜10の整数である)で示されるク
ロマノール配糖体組成物の製造方法である。
【0015】さらに本発明は、前記クロマノール配糖体
組成物は、クロマノール配糖体のmのみが異なり、mが
1〜6であるクロマノール配糖体のいずれをも含有し、
かつmが7以上の前記クロマノール配糖体の含有率が3
%以下である、前記製造方法である。
【0016】さらに本発明は、前記固定化酵素は、多孔
質キトサンビーズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂を架
橋剤で架橋処理した後に酵素を固定化させたものである
前記製造方法である。
【0017】さらに本発明は、前記多孔質キトサンビー
ズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂の粒径が0.1〜
3.0mmである前記製造方法である。
【0018】さらに本発明は、シクロマルトデキストリ
ングルカノトランスフェラーゼの多孔質キトサンビーズ
または弱塩基性陰イオン交換樹脂上への固定化量が、湿
質量にて、前記キトサンビーズまたは弱塩基性陰イオン
交換樹脂1gあたり0.01〜100mgである前記製
造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の方法によって製造される
前記一般式(2)で表されれるクロマノール配糖体につ
いて説明する。
【0020】前記一般式(2)において、R1、R2、R
3、R4およびR5の低級アルキル基としては、炭素原子
数が1〜8、好ましくは1〜6の低級アルキル基がよ
く、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソ
ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が
挙げられる。これらの中では、メチル基またはエチル基
が好ましい。また、R5の低級アシル基としては、炭素
原子数が1〜8、好ましくは1〜6の低級アシル基がよ
く、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル
基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバ
レリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイ
ル基、オクタノイル等が挙げられる。これらの中では、
アセチル基、プロピオニル基またはブチリル基が好まし
い。また、Xの単糖残基としては、グルコース、ガラク
トース、フコース、キシロース、マンノース、ラムノー
ス、フルクトース、アラビノース、リキソース、リボー
ス、アロース、アルトロース、イドース、タロース、デ
オキシリボース、2−デオキシリボース、キノボース、
アベクオース等の糖残基が挙げられる。Xのオリゴ糖残
基としては、上記単糖が2〜4個結合したもの、例えば
マルトース、ラクトース、セロビオース、ラフィノー
ス、キシロビオース、スクロースの糖残基等が挙げられ
る。これらの中ではグルコース、ガラクトース、フコー
ス、キシロース、ラムノース、マンノース、フルクトー
ス等の単糖残基が好ましい。また、Xの糖残基中の水酸
基の水素原子は低級アルキル基、好ましくは炭素原子数
が1〜8の低級アルキル基、または低級アシル基、好ま
しくは炭素原子数が1〜10の低級アシル基で置換され
ていてもよい。さらに、nは0〜4の整数であり、mは
1〜6、好ましくは1〜3の整数である。一般式(1)
で表されるクロマノール配糖体の好ましい例としては、
2−(α−D−グルコピラノシル)メチル−2,5,
7,8−テトラメチルクロマン−6−オール、2−(β
−D−ガラクトピラノシル)メチル−2,5,7,8−
テトラメチルクロマン−6−オール、2−(β−L−フ
コピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチル
クロマン−6−オール、2−(α−L−ラムノピラノシ
ル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
6−オール、2−(β−D−キシロピラノシル)メチル
−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オー
ル、2−(β−D−グルコピラノシル)メチル−2,
5,7,8−テトラメチルクロマン−6−オール、2−
(β−D−フルクトフラノシル)メチル−2,5,7,
8−テトラメチルクロマン−6−オール、2−(α−D
−マンノピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラ
メチルクロマン−6−オール等が挙げられる。
【0021】本発明に用いられるクロマノール配糖体
は、前記一般式(1)(ただし、式中、R1、R2
3、R4、R5及びnは前記と同義である)で表される
2−置換アルコール及びオリゴ糖類、可溶性澱粉、澱粉
またはシクロデキストリンを相当する糖転位作用を触媒
する酵素の存在下に反応させ、2−置換アルコールの2
位の水酸基に対して特異的に糖の特定の水酸基を結合さ
せることからなる酵素反応によって製造される。本発明
はこのような酵素法において、有機溶媒存在下におい
て、多孔質キトサンビーズまたは弱塩基性陰イオン交換
樹脂にシクロマルトデキストリングルカノトランスフェ
ラーゼを固定化させた固定化酵素を用いたクロマノール
配糖体の製造方法である。
【0022】次に、本発明において使用される固定化酵
素について詳細に説明する。本発明において使用される
多孔質キトサンビーズは、カニやエビなど甲殻類の殻、
蚕などの昆虫の甲皮、オキアミやイカなどの軟体動物の
殻や骨髄由来のキチンを40〜50%水酸化ナトリウム
溶液中で100〜200℃、4〜5時間処理することに
よりキチンをN−脱アセチル化し、このN−脱アセチル
化物を水洗、乾燥してキトサンを得て、さらにこのキト
サンを粒状および多孔質化して表面積を大きくして吸着
能を高めることによって得られる。このような多孔質キ
トサンビーズの具体例としては、キトパールBCW−2
510、BCW−2610、BCW−2610、BCW
−3010、BCW−3510(いずれも富士紡績株式
会社製)等があげられる。
【0023】また本発明において使用されるキトサンビ
ーズの粒径は、特には制限されないが、圧力損失や粒子
表面積等を考慮すると、0.1〜3.0mmであり、好
ましくは0.5〜2.0mm、さらに好ましくは0.5
〜1.5mmである。
【0024】本発明において使用される弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂は、例えば、スチレン系陰イオン交換樹脂ま
たはフェノール系陰イオン交換樹脂等がある。スチレン
系陰イオン交換樹脂としては、スチレン・ジビニルベン
ゼン共重合体であって、かつ4級アンモニウム基を官能
基として有する弱塩基性を有する陰イオン交換樹脂を挙
げることができる。上記スチレン・ジビニルベンゼン共
重合体は、酵素に対する吸着性や熱安定性等を阻害しな
い範囲であれば、これらの成分以外の重合成分を含んで
もよい。また、イオン交換樹脂の粒子径、粒度分布、比
表面積、細孔容積、ポア径、塩基性の程度等も適宜決定
できる。このようなスチレン系陰イオン交換樹脂は固定
化酵素調整用として広く市販されており、容易に入手可
能であり、具体例としてアンバーライトIRA−93Z
U(オルガノ株式会社製)、ダイヤイオンWA−30
(三菱化学株式会社製)等が使用可能である。
【0025】フェノール系陰イオン交換樹脂とは、例え
ば、フェノール・ホルマリン縮合重合体またはフェノー
ル・ホルマリン・ポリアミン化合物縮合重合体であっ
て、かつ3級アミンを官能基を有する弱塩基性の陰イオ
ン交換樹脂を挙げることができる。上記フェノール・ホ
ルマリン縮合重合体およびフェノール・ホルマリン・ポ
リアミン化合物縮合重合体は、酵素に対する吸着性や熱
安定性を阻害しない範囲であれば、これらの成分以外の
重合成分を含んでもよい。また、イオン交換樹脂の粒子
径、粒度分布、比表面積、細孔容積、ポア径、塩基性の
程度等も適宜決定できる。このようなフェノール系陰イ
オン交換樹脂は、固定化酵素調整用として広く市販され
ており、容易に入手可能であり、具体例としてデュオラ
イト(Duolite)500番シリーズ(住友化学工
業株式会社製)等である。
【0026】上述の多孔質キトサンビーズおよび弱塩基
性陰イオン交換樹脂において、それらの質量は湿質量と
して言及されている。湿質量は、乾燥状態の多孔質キト
サンビーズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂に水または
緩衝液を吸収させて余分な水分を十分に切った状態、す
なわち実使用状態で測定された質量である。
【0027】また本発明において使用される弱塩基性陰
イオン交換樹脂の粒径は、特には制限されないが、圧力
損失や粒子表面積等を考慮すると、0.1〜3.0mm
であり、好ましくは0.3〜1.5mmである。
【0028】本発明に用いるシクロマルトデキストリン
グルカノトランスフェラーゼとしては、ほぼ全ての起源
由来のシクロマルトデキストリングルカノトランスフェ
ラーゼを用いることができ、精製酵素または粗酵素の別
を問わない。具体例としては、株式会社林原生物科学研
究所製のバチルス ステアロサーモフィラス由来のシク
ロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ、天
野製薬株式会社製のバチルス マセランス(Bacil
lus macerans)由来のシクロマルトデキス
トリングルカノトランスフェラーゼがあり、好ましくは
バチルス ステアロサーモフィラス由来のものである。
【0029】本発明による固定化酵素を製造する方法と
しては、水または適当な緩衝液中で、多孔質キトサンビ
ーズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂に、前述のシクロ
マルトデキストリングルカノトランスフェラーゼを接触
させる方法がある。以下に、多孔質キトサンビーズの担
体として、キトパールBCW−3510を用いた際の固
定化方法の一実施形態を示す。1g(湿質量)のキトパ
ールBCW−3510を10〜100mMの各緩衝液
(pH5.0〜7.0)で十分に平衡化した後、1gの
担体(湿質量)に対して、シクロマルトデキストリング
ルカノトランスフェラーゼを0.01〜100mg、好
ましくは1〜100mg、より好ましくは5〜50mg
を、同緩衝液1mlに溶解したものを添加し、十分に混
合する。ついで、4〜60℃、好ましくは10〜40℃
にて、1〜24時間、好ましくは2〜15時間静置する
か、または0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間往
復振とう処理する。該振とう処理の回転数は、50〜1
80rpm、好ましくは100〜140rpmである。
次いで処理液を濾紙またはガラスフィルターで濾過し、
続いて水または緩衝液で酵素が溶出しなくなるまで洗浄
する。
【0030】なお、上記実施形態において、特に酵素と
してバチルス ステアロサーモフィラス由来のシクロマ
ルトデキストリングルカノトランスフェラーゼを用いた
際には、該トランスフェラーゼの添加量は担体1g(湿
質量)に対して、0.01〜20mg(比活性175U
/mg)、好ましくは0.1〜10mgである。
【0031】上記方法により本発明による固定化酵素を
得ることができるが、この際、該固定化酵素をさらに改
善することを目的として、多孔質キトサンビーズまたは
弱塩基性陰イオン交換樹脂を架橋剤で前処理した担体を
固定化担体として用いることができる。このような担体
を用いると、さらに有機溶媒共存下においてより高い糖
転移活性を示す固定化酵素を得ることができる利点があ
る。
【0032】本発明において使用される架橋剤として
は、特に制限されないが、多孔質キトサンビーズを架橋
する場合、キトサンビーズと接触したときにキトサンビ
ーズのアミノ基と結合する能力を有するものが好まし
い。また弱塩基性陰イオン交換樹脂を架橋する場合、弱
塩基性陰イオン交換樹脂と接触したときに、弱塩基性陰
イオン交換樹脂のアミノ基と結合する能力を有するもの
が好ましい。この場合、多孔質キトサンビーズおよび弱
塩基性陰イオン交換樹脂に使用できる架橋剤の例として
は、例えば、グルタルアルデヒド、エピクロロヒドリ
ン、ビスジアゾベンジジン、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソチオシアネートおよびN,N−エチレンビスマレイ
ンイミド等が挙げられる。これらの架橋剤は、単独であ
るいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
好ましくは、グルタルアルデヒドおよびエピクロロヒド
リンである。
【0033】前処理の方法としては、水または上記の緩
衝液中、担体に架橋剤を接触させる方法をも用いること
ができる。架橋剤の濃度は、担体に対して、通常0.0
1〜5(体積/体積)%の範囲が好ましい。多孔質キト
サンビーズの担体としてキトパールBCW−3510
を、および架橋剤としてグルタルアルデヒドを用いた際
の前処理の方法の一実施形態を以下に示す。キトパール
BCW−3510 1g(湿質量)を2(体積/体積)
%グルタルアルデヒド(以下、「GLA」と略す)溶液
2ml中に浸透させ、4〜40℃、好ましくは10〜3
0℃にて、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間静置
するか、または0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間
往復振とう処理(50〜180rpm、好ましくは10
0〜140rpm)した後、濾紙またはガラスフィルタ
ーで濾過し、過剰のGLAを除去、洗浄することによっ
て目的の架橋された担体を得ることができる。
【0034】また、上記実施形態におけるシクロマルト
デキストリングルカノトランスフェラーゼの多孔質キト
サンビーズ上への固定化量は、処理条件や使用する担体
の種類等によって異なるが、例えば、GLA処理したキ
トパールBCW−3510を固定化担体として用いる場
合、キトパールBCW−3510 1g(湿質量)に対
して、上記と同様に緩衝液中で、0.01〜100m
g、好ましくは1〜100mg、より好ましくは5〜5
0mgである。ここで固定化量が0.01mg未満の場
合、処理効率が不十分であり、一方で100mgを超過
する場合、固定化量に見合った処理効率が得られずいず
れも好ましくない。
【0035】同様に、上記実施形態におけるシクロマル
トデキストリングルカノトランスフェラーゼの弱塩基性
陰イオン交換樹脂上への固定化量は、処理条件や使用す
る担体の種類等によって異なるが、弱塩基性陰イオン交
換樹脂1g(湿質量)に対して、上記と同様に緩衝液中
で、0.01〜100mg、好ましくは1〜100m
g、より好ましくは5〜50mgである。
【0036】特に上記実施形態において、シクロマルト
デキストリングルカノトランスフェラーゼとして、バチ
ルス ステアロサーモフィラス由来のものを使用する際
には、固定化量はキトパールBCW−3510 1g
(湿質量)に対して、0.01〜20mg、好ましくは
0.1〜10mgである。酵素の固定化担体上への固定
化処理は、GLAによる架橋処理と同様の条件で静置ま
たは振とう処理によって行うことができる。この際、未
吸着の酵素は、酵素の溶出がなくなるまで、濾紙または
ガラスフィルターで洗浄を行うことにより除去すること
ができる。
【0037】また、酵素の固定化法としては、上記に述
べた他に、多孔質キトサンビーズ担体をカラムに充填し
た後、2(体積/体積)%GLA溶液を2〜3時間通液
させ、滅菌蒸留水で十分に洗浄した後、酵素溶液を通液
させることにより固定化する方法を採用することができ
る。
【0038】上述のようにして得られた本発明による固
定化酵素は、固定化前の酵素と比較すると,至適温度曲
線はほぼ同様の傾向を示すものの、至適pH曲線は固定
化することによってやや酸性側での活性が増大する傾向
があることが示された。
【0039】次に、本発明のクロマノール配糖体組成物
の製造方法について詳細に説明する。
【0040】本発明に用いる一般式(1)の2−置換ア
ルコールは、特開平7−118287号公報に開示され
た方法により調製できる。
【0041】本発明に用いる一般式(1)の2−置換ア
ルコールの反応液中の濃度は、0.3〜1.5(質量/
体積)%、好ましくは0.5〜1(質量/体積)%であ
る。2−置換アルコールの濃度が0.3(質量/体積)
%未満の場合、合成効率が下がり、一方で1.5(質量
/体積)%を超過する場合、水に難溶のクロマノール配
糖体(mが7以上)の割合が増加するのでいずれも好ま
しくない。
【0042】本発明に用いる糖転移反応に使用される糖
は、マルトトリオース以上の重合度を持つマルトオリゴ
糖、可溶性デンプン、デンプンおよびシクロデキストリ
ン(α、β、γ)等が好ましい。糖の反応液中の濃度は
3〜20(質量/体積)%が適しており、好ましくは5
〜15(質量/体積)%である。該糖の濃度が3(質量
/体積)%未満の場合、合成効率が下がり、一方で20
(質量/体積)%を超過する場合、水に難溶のクロマノ
ール配糖体(mが7以上)の割合が増加するのでいずれ
も好ましくない。
【0043】本発明においては、前記2−置換アルコー
ルが水に難溶のため、反応系に有機溶媒を添加し、2−
置換アルコールを反応液に適当に分散させることが好ま
しい。使用する有機溶媒としては、水に可溶な有機溶媒
が好ましく、具体的にはジメチルスルホキシド、N,N
−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、ア
セトン、アセトニトリルなどが挙げられるが、ジメチル
スルホキシドが特に好ましい。有機溶媒は、2−置換ア
ルコールを糖溶液に完全に溶解させる量を含む必要はな
く、反応液中の該有機溶媒濃度は1〜20(体積/体
積)%、好ましくは2〜15(体積/体積)%である。
1(体積/体積)%未満では、2−置換アルコールの反
応液の分散が悪くなり合成率が低下するので好ましくな
く、20(体積/体積)%を越えると水に難溶のクロマ
ノール配糖体(mが7以上)の割合が増え、かつ酵素が
失活し合成率が下がるなどの問題があり好ましくない。
【0044】また反応液中には、水、他の原料由来の金
属イオンが微量に混入するが、クロマノール配糖体は金
属イオン、特に遷移金属イオンとの共存下においては分
解が促進されるため、本発明においては、高純度のクロ
マノール配糖体組成物を得るには、反応系にキレート剤
を添加することが好ましい。このようなキレート剤とし
ては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)な
どが挙げられる。キレート剤の濃度は0.1〜5mM、
好ましくは0.2〜2mMである。
【0045】本発明の製造方法における反応温度は、3
0〜50℃、好ましくは35〜45℃である。反応温度
が30℃未満の場合、反応効率が悪く、50℃を越える
とクロマノール配糖体の分解が促進され高純度のクロマ
ノール配糖体の混合物を得ることができないためいずれ
も好ましくない。ただし、これらの反応条件は使用する
固定化酵素の種類や量等により影響を受ける。
【0046】本発明の製造方法における反応時間は、1
5〜40時間であり、好ましくは20〜35時間であ
る。反応時間が15時間未満の場合、反応率が不十分で
あり、40時間を越えるとクロマノール配糖体の分解が
促進され高純度のクロマノール配糖体の混合物を得るこ
とができないため、いずれも好ましくない。ただし、こ
れらの反応条件は、使用する固定化酵素の種類や量等に
より影響を受ける。
【0047】本発明の製造方法におけるその他の条件と
しては、pHは4.5〜8.5、好ましくは、5.0〜
7.5である。また、反応液中の2−置換アルコールお
よびクロマノール配糖体の分解を防ぐために、反応はで
きるだけ遮光、嫌気下で行うことが好ましい。ただし、
これらの反応条件は使用する固定化酵素の種類や量等に
より影響を受ける。
【0048】本発明のクロマノール配糖体組成物の製造
方法における糖転移反応は、例えば、前記固定化酵素を
カラムに充填し,上記のpHおよび温度の反応条件下
で、基質として前記2−置換アルコールおよび前記糖溶
液の混合液をカラムに連続通液することにより、行うこ
とができる。また、前記固定化酵素を反応液中に直接添
加し、振とう等の方法を用いて、反応液中に固定化酵素
を分散させながら反応を行ってもよい。
【0049】本発明によって製造されるクロマノール配
糖体組成物は、前記一般式(1)においてmが1〜6で
あるクロマノール配糖体のいずれをも含有しており、m
が7以上の前記クロマノール配糖体の含有率が3%以下
であるという特徴を持つ。mが7以上ののクロマノール
配糖体は、水に難溶であるため、できるだけ組成物中に
含まれないことが好ましい。その点、本発明によって製
造されるのクロマノール配糖体組成物は、mが1〜6の
クロマノール配糖体を主成分としているため、水への溶
解度が高い。
【0050】
【実施例】次に実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、これらにより本発明の範囲がなんら制限されるも
のではない。
【0051】<参考例1:シクロマルトデキストリング
ルカノトランスフェラーゼの活性測定法>2mMの塩化
カルシウムを含む0.02Mの酢酸緩衝液(pH5.
5)で調整した0.3(体積/体積)%の可溶デンプン
溶液5mlに、適度に希釈した酵素液0.2mlを加え
て40℃で10分間反応させた後、その反応液から0.
5mlをとり、0.04mol/lの硫酸水溶液15m
lに混合して反応を停止させた。さらにこの反応液に
0.1mol/lのヨウ素ヨウ化カリウム溶液0.2m
lを加えて発色させ、ついで660nmにおける吸光度
を測定した。この条件下において可溶性デンプン15m
gのヨウ素の呈色を完全に消失させる酵素量を1ユニッ
ト(U)とした。
【0052】<実施例1>多孔質キトサンビーズである
キトパールBCW−2510、BCW−2610、BC
W−3010およびBCW−3510(富士紡績株式会
社製)、強塩基性陰イオン交換樹脂である、ダイアイオ
ンSA10A−OH、SA20AP、HPA25および
HPA75(三菱化学株式会社製)、弱塩基性陰イオン
交換樹脂である、アンバーライトIRA−93ZU(オ
ルガノ株式会社製)ダイヤイオンWA30(三菱化学株
式会社製)、デュオライトA7、A561およびA56
8(住友化学工業株式会社製)を、それぞれ担体として
用いた。上記各担体1g(湿質量)に、50mM酢酸緩
衝液(pH5.5)に溶解した株式会社林原生物化学研
究所製のバチルス ステアロサーモフィラス由来のシク
ロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ、6
00U/ml(タンパク質濃度8mg/ml)を1ml
加え、30℃にて2時間振とう(120rpm)するこ
とにより、固定化を行った。この際、未吸着の酵素は、
緩衝液にて酵素が溶出しなくなるまで振とう洗浄を行い
除去した。各担体への酵素の見かけ上の固定化率を下記
数式
【0053】
【数1】
【0054】により計算し、その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】次に、このようにして得られた固定化酵素
各50mg(湿質量)を、0.5mMのEDTAを含む
50mM酢酸緩衝液(pH5.5)で調整した10(質
量/体積)%デキストリン(商品名:パインデックス#
1、松谷科学株式会社製)溶液1mlおよびジメチルス
ルホキシド(以降、DMSOと称する)で調整した4
(質量/体積)%の下記一般式(3)
【0057】
【化7】
【0058】で示される2−置換アルコール溶液0.2
5mlの混合溶液に加え、40℃において20時間(1
20rpm)振とうすることにより、反応を行った。こ
のときの2−置換アルコールのクロマノール配糖体組成
物への転移率を表2に示す。なお、転移率は、2−置換
アルコールの減少の割合として記載した。
【0059】
【表2】
【0060】表1および表2に示される結果から、フェ
ノール系陰イオン交換樹脂は固定化率、転移率ともに優
れており、また、キトパールは、固定化率に関しては各
種陰イオン交換樹脂を使用した場合と比べてむしろ低い
ものの、転移率は各種イオン交換樹脂を使用した場合に
比べて有意に大きく、これより、キトパールを固定化担
体として用いた固定化酵素が酵素吸着能に対して糖転移
活性に優れていることがわかった。
【0061】<実施例2> (1)GLA未処理固定化酵素の調製 担体としてキトパールBCW−3010、3510、フ
ェノール系陰イオン交換樹脂デュオライトA7およびA
568、各1g(湿質量)に、50mM酢酸緩衝液(p
H5.5)に溶解した株式会社林原生物化学研究所製の
バチルス ステアロサーモフィラス由来のシクロマルト
デキストリングルカノトランスフェラーゼ600U/m
l(タンパク質濃度8mg/ml)を1ml加え、30
℃にて2時間振とう(120rpm)することにより、
固定化を行った。未吸着の酵素は、緩衝液にて酵素が溶
出しなくなるまで振とう洗浄を行い除去した。各担体へ
の酵素の見かけ上の固定化率を実施例1と同様にして算
出し、結果を表3に示す。
【0062】(2)GLA処理固定化酵素の調製 担体としてキトパールBCW−3010、3510、フ
ェノール系陰イオン交換樹脂デュオライトA7およびA
568、各1g(湿質量)に、2(体積/体積)%GL
A溶液2mlを添加し、30℃において2時間振とう処
理(120rpm)した。処理後、濾紙上にGLA処理
した担体を集め、この濾紙を、50mM酢酸緩衝液(p
H5.5)30mlで3回洗浄を行った。
【0063】次にこのようにしてGLA処理された担体
1g(湿質量)に、50mM酢酸緩衝液(pH5.5)
に溶解した株式会社林原生物化学研究所製のバチルス
ステアロサーモフィラス由来のシクロマルトデキストリ
ングルカノトランスフェラーゼ、600U/ml(タン
パク質濃度8mg/ml)を1ml加え、30℃にて2
時間振とう(120rpm)することにより、固定化を
行った。未吸着の酵素は、緩衝液にて酵素が溶出しなく
なるまで振とう洗浄を行い除去した。各担体への酵素の
見かけ上の固定化率を実施例1と同様にして算出し、結
果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】表3から、キトパールBCW−3010、
3510、フェノール系陰イオン交換樹脂デュオライト
A7およびA568について、GLA処理により酵素の
固定化率が改善されることが示される。
【0066】(3)固定化酵素の安定性の評価 上記(1)および(2)において調製した、GLA未処
理固定化酵素およびGLA処理固定化酵素、各50mg
(湿質量)を0.5mMのEDTAを含む50mM酢酸
緩衝液(pH5.5)で調整した10(質量/体積)%
デキストリン(商品名:パインデックス#1、松谷科学
株式会社製)溶液1mlおよびジメチルスルホキシド
(DMSOと称する)で調整した4(質量/体積)%の
上記の一般式(3)で表される2−置換アルコール溶液
0.25mlの混合反応液に加え、40℃において20
時間(120rpm)振とうすることにより、反応を行
った。反応終了後、この反応液を濾過して固定化酵素を
回収し、同様の条件において糖転移反応をさらに4回繰
り返し、それぞれの反応における転移率を求め、この結
果から反応液中における各固定化酵素の安定性を評価し
た。その結果を表4に示す。
【0067】
【表4】
【0068】表4に示される結果から、GLA処理する
ことにより反応液中のDMSOに対する、シクロマルト
デキストリングルカノトランスフェラーゼの安定性は飛
躍的に向上することがわかった。また、キトパールBC
W−3510を固定化担体として用いた場合の転移率が
最も高いことから、キトパールBCW−3510を固定
化担体として用いることが好ましいことが示された。
【0069】<実施例3> (1)担体のGLA処理 固定化担体として、キトパールBCW−3510を用
い、この担体1g(湿質量)に、2(体積/体積)%G
LA溶液2mlを添加し、30℃において2時間振とう
処理(120rpm)した。処理後、濾紙上にGLA処
理した担体を集め、この濾紙を、50mM酢酸緩衝液
(pH5.5)30mlで3回洗浄を行った。
【0070】(2)シクロマルトデキストリングルカノ
トランスフェラーゼの固定化 上記(1)によって得られたGLA処理担体1g(湿質
量)に、50mM酢酸緩衝液(pH5.5)に溶解した
株式会社林原生物化学研究所製のバチルス ステアロサ
ーモフィラス由来のシクロマルトデキストリングルカノ
トランスフェラーゼ、600U/ml(タンパク質濃度
8mg/ml)を1ml加え、30℃にて2時間振とう
(120rpm)することにより、固定化を行った。未
吸着の酵素は、緩衝液にて酵素が溶出しなくなるまで振
とう洗浄を行い除去した。このようにして得られた固定
化酵素は、担体1g(湿質量)あたり600Uのシクロ
マルトデキストリングルカノトランスフェラーゼを見か
け上固定していた。
【0071】(3)クロマノール配糖体の合成 上記(2)によって得られた固定化酵素1g(湿質量)
を、0.5mMのEDTAを含む50mM酢酸緩衝液
(pH5.5)で調整した10(質量/体積)%デキス
トリン(商品名:パインデックス#1、松谷科学株式会
社製)溶液1mlおよびDMSOで調整した4(質量/
体積)%の上記の一般式(3)で表される2−置換アル
コール溶液0.25mlの混合反応液に加え、40℃に
おいて20時間(120rpm)振とうすることによ
り、反応を行った。このときの2−置換アルコールのク
ロマノール配糖体の混合物への転移率は約90%であっ
た。
【0072】次にこの反応液を濾過することにより固定
化酵素を回収した後、反応液を水で平衡化した多孔性合
成吸着剤(商品名:ダイアイオンHP21、三菱化学株
式会社)を充填したカラムに通液した。このカラムをカ
ラム体積の3倍量の水で洗浄した。その結果、2−置換
アルコールおよびクロマノール配糖体の混合物が多孔性
合成吸着剤に吸着し、糖、EDTA、塩類等は吸着する
ことなく流出した。次いでカラムをカラム体積の3倍量
の60(質量/体積)%メタノールで洗浄することによ
り、クロマノール配糖体のみを溶出させた。そしてこの
画分を濃縮乾固することにより、クロマノール配糖体組
成物を得た。この標品をHPLC分析(カラム:Asa
hipak NH2P(4.6×250mm)、溶離
液:アセトニトリル:水(70:30、(体積/体
積))、検出:UV290nm)した結果、および各成
分をエレクトロスプレーマスイオン化マススペクトロメ
トリー分析(ESI/MS)した結果を表5にあらわ
す。
【0073】
【表5】
【0074】ESI/MSの結果、各成分は本発明に相
当するクロマノール配糖体であることが明らかとなっ
た。またm=7および8のクロマノール配糖体の含有量
は3%未満であり、得られたクロマノール配糖体組成物
はm=1〜6のクロマノール配糖体を主成分とする高純
度のクロマノール配糖体であることがわかった。
【0075】
【発明の効果】すなわち本発明の製造方法によれば、多
孔質キトサンビーズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂に
シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラーゼ
を固定化することにより、有機溶媒共存下においても長
期間安定である固定化酵素を調製し、該固定化酵素を用
いて生理活性および化学的安定性に優れた、水溶性の極
めて高い高純度のクロマノール配糖体組成物を製造する
ことができる。
【0076】また本発明の固定化酵素を用いることで、
反応液中に添加する方法またはカラムに充填する方法の
いずれの方法においても、該固定化酵素を再利用するこ
とが容易にできるので、高品質のクロマノール配糖体組
成物を工業的に低コストで製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B033 NA01 NA25 NB40 NB49 NB62 NB68 NC04 NC12 ND02 NF07 4B064 AF50 CA35 CA36 CA38 CA40 CB30 CE09 DA01 DA10

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (ただし、式中、R1、R2、R3およびR4は同一または
    異なって水素原子または低級アルキル基を表し、R5
    水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表し、
    nは0〜4の整数を表す)で示される2−置換アルコー
    ルと糖とを、有機溶媒共存下において、多孔質キトサン
    ビーズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂にシクロマルト
    デキストリングルカノトランスフェラーゼを固定化させ
    た固定化酵素を用いて、反応させることを特徴とする、
    下記一般式(2) 【化2】 (ただし、式中、R1、R2、R3およびR4は同一または
    異なって水素原子または低級アルキル基を表し、R5
    水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表し、
    Xは糖残基中の水酸基の水素原子が低級アルキル基また
    は低級アシル基で置換されていてもよい単糖残基または
    オリゴ糖残基を表し、nは0〜4の整数であり、および
    mは1〜10の整数である)で示されるクロマノール配
    糖体組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記クロマノール配糖体組成物は、クロ
    マノール配糖体のmのみが異なり、mは1〜6であるク
    ロマノール配糖体のいずれをも含有し、かつmが7以上
    の前記クロマノール配糖体の含有率が3%以下である、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記固定化酵素は、多孔質キトサンビー
    ズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂を架橋剤で架橋処理
    した後に酵素を固定化させたものである、請求項1また
    は2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記多孔質キトサンビーズまたは弱塩基
    性陰イオン交換樹脂の粒径が0.1〜3.0mmであ
    る、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 シクロマルトデキストリングルカノトラ
    ンスフェラーゼの多孔質キトサンビーズまたは弱塩基性
    陰イオン交換樹脂上への固定化量が、湿質量にて、前記
    キトサンビーズまたは弱塩基性陰イオン交換樹脂1gあ
    たり0.01〜100mgである、請求項1〜4のいず
    れか一項に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07118287A (ja) * 1993-02-10 1995-05-09 C C I Kk 新規なクロマノール配糖体およびその製造方法
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