JPH09313196A - 固定化酵素による配糖体の製造方法 - Google Patents
固定化酵素による配糖体の製造方法Info
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Abstract
得る製造方法を提供する。 【解決手段】 多孔質キトサンビーズに糖転移作用を触
媒する酵素を固定化させた固定化酵素を用いて、水酸基
を有する水に難溶な生理活性に優れた物質と糖とを有機
溶媒共存下において結合させることにより、生理活性に
優れた水溶性配糖体を製造する。
Description
た各種配糖体の製造方法に関するものである。詳しく述
べると、本発明は、有機溶媒共存下において、多孔質キ
トサンビーズに固定化したα−グルコシダーゼを用い
て、水酸基を有する水に難溶な生理活性に優れた物質と
糖とを反応させることにより、生理活性に優れた様々な
水溶性配糖体を製造する方法に関するものである。ま
た、本発明は、バチルス ステアロサーモフィラス(Ba
cillus stearothermophylus,以下同様につき括弧内を省
略する)由来のα−グルコシダーゼを多孔質キトサンビ
ーズに固定化することにより、有機溶媒共存下において
も長期間安定である固定化酵素を調製し、該固定化酵素
を用いて、生理活性および化学的安定性に優れた水溶性
配糖体を製造する方法に関するものである。
糖転移作用を触媒する酵素を利用して生理活性に優れた
物質等を製造する技術が注目されている。
てはα−グルコシダーゼがあるが、このα−グルコシダ
ーゼは、α−グルコシド結合を持つ基質の非還元末端側
から加水分解し、α−グルコースを生成する加水分解酵
素(エキソグリコシダーゼ)の総称であるが、一方で、
糖転移作用を触媒する酵素であることは既に知られてい
る。α−グルコシダーゼの糖転移作用を利用して有用物
質を製造する方法としては、例えば、α−1,6−グル
コシド結合反応を触媒するα−グルコシダーゼをマルト
ースに作用させるとイソマルトースやパノース等の分枝
オリゴ糖を生成することが知られている[澱粉科学,2
6巻,頁59〜67(1979年)]。
酵素の安定性の確保等の観点から、水溶性の酵素を水不
溶性の担体などに固定化することにより、酵素反応工程
を連続化し、酵素を繰り返して使用する研究が進展し、
既に実用化されているものもある。しかしながら、高い
酵素活性を保ちかつ安定で、また汎用性の広い酵素の固
定化法は未だ開発されていないのが現状である。
まで、担体結合法、架橋法、及び包括法等が知られてい
る。また、担体としては、セルロース、澱粉、寒天、ア
ルギン酸ソーダ及びゼラチンなどの天然高分子、または
それらの誘導体、あるいはポリアクリルアミド、ポリエ
チレングリコール、ポリアミノポリスチレン及びポリビ
ニルアルコール等の合成高分子等の有機物、さらには、
粘土、アルミナ、ガラス、セラミック及びステンレス等
の無機物等が用いられている。従来から、食品や化粧品
等の分野においては、弱塩基性アニオン交換樹脂、弱酸
性カチオン交換樹脂等のイオン交換樹脂や多孔質の合成
吸着樹脂等を利用した固定化法が広く用いられていた。
さらに、これらの方法に加えて、近年、キチンやキトサ
ンが新しい素材として魅力のある天然高分子資源として
期待され研究されてきたことに伴い、キトサンビーズを
応用した固定化法が注目を集めている。キトサンビーズ
に固定化した酵素を用いて有用物質を製造する方法とし
ては、例えば、キトサンビーズを用いて固定化したシク
ロデキストリングルカノトランスフェラーゼをマルトー
ス等に作用させ転移糖を製造する技術が開示されている
(特公平7−71489号公報)。
般に糖転移作用を触媒する酵素を用いて有用な物質を製
造する場合、転移率の確保や酵素の安定性等の点からそ
の反応は水溶液中で行われ、従って、その反応の基質と
なる物質もほとんどが水溶性の物質であり、水に難溶な
物質は上記反応には基質として用いることが困難である
という問題があった。
明者らは、水酸基を有する水に難溶な生理活性に優れた
物質を何らかの方法で水溶性にすることができれば、そ
の物質の用途は飛躍的に拡大すると考え、糖転移作用を
触媒する酵素を用いて、水酸基を有する水に難溶な抗酸
化物質と糖とを有機溶媒の存在下において反応させるこ
とにより、新規な水溶性抗酸化剤を製造する技術を開発
した(特開平7−118287号公報)。上記公報は、
クロマノール配糖体を製造するにあたって有機溶媒中に
溶解させた、下記一般式(2):
R4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル
基、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル
基を表わし、およびnは0〜4の整数である)で表わさ
れる2−置換アルコール(以下、単に「2−置換アルコ
ール」と称する)と、糖溶液とを糖転移作用を触媒する
酵素の存在下で反応させることにより、下記一般式
(3):
R4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル
基、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル
基、Xは単糖残基またはオリゴ残基を表わし、糖残基の
水酸基の水素原子は低級アルキル基または低級アシル基
で置換されていてもよく、およびnは0〜4の整数であ
り、mは1〜6の整数である)で示されるクロマノール
配糖体を製造する方法を開示するものである。
と2−置換アルコール溶液との混合溶液中に直接添加す
る方法であり、反応液中で酵素が溶液の状態で存在して
いるため、酵素の再使用ができず使い捨てとなってしま
い、高価な酵素の使い捨てによる経済性の面から工業的
に実施するには不充分であるという欠点があった。ま
た、実際に工業化を考えた場合、反応液中の2−置換ア
ルコールの濃度をさらに高め、かつ、転移率を上げる必
要があるが、本発明者らの調査の結果、上記特開平7−
118287号公報に開示される方法で用いられる酵素
は、有機溶媒の濃度の増加に伴い安定性が減少すること
が明らかとなった。そのため、2−置換アルコールの量
を増やすために反応系における有機溶媒の濃度を高める
ことは困難であり、有機溶媒存在下における酵素の安定
性の面からも工業的に実施するには不充分であるという
欠点を有するものであった。したがって、工業化に適す
るだけの転移率を達成し得る水溶性クロマノール配糖体
の製造方法は十分確立されているとは言えないものであ
った。
サンビーズに固定化した例は多数報告されているが、本
発明によるα−グルコシダーゼをキトサンビーズに固定
化した例はいまだ報告されていなかった。
目的は、新規な固定化酵素を用いた配糖体の製造方法を
提供することである。
ダーゼを多孔質キトサンビーズに固定化し、その固定化
酵素を用いて水酸基を有する水に難溶性の生理活性に優
れた物質と糖とを結合させ、水溶性の生理活性に優れた
配糖体を効率よく製造する技術を提供することにある。
ルス ステアロサーモフィラス由来のα−グルコシダー
ゼを多孔質キトサンビーズに固定化することにより、有
機溶媒共存下において長期間安定な固定化酵素を調製
し、該固定化酵素を用いて、化学的安定性及び生理活性
に優れた配糖体を効率よく製造する技術を提供すること
にある。
的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、多孔質キト
サンビーズにα−グルコシダーゼを固定化することによ
り、該酵素が極めて効果的に担体上に吸着され、有機溶
媒との共存下においても酵素の高活性が保持および発現
されることを見い出した。さらに、本発明者らは、この
ようにして得られた固定化酵素を用いることにより、水
酸基を有する水に難溶な物質についても糖と結合させて
各種配糖体を有機溶媒との共存下においても効率よく製
造することが可能であることを見い出した。
成するためにさらに鋭意研究を重ねた結果、多孔質キト
サンビーズにバチルス ステアロサーモフィラス由来の
α−グルコシダーゼを固定化することにより、高濃度の
有機溶媒の共存下においても、酵素の高活性が長期間保
持および発現されることをも発見した。
るに至った。
(7)のいずれかにより達成される。
コシダーゼを固定化させた固定化酵素を用いて、水酸基
を有する水に難溶な生理活性に優れた物質と糖とを有機
溶媒共存下において反応させ、生理活性に優れた水溶性
配糖体を生成することを特徴とする各種配糖体の製造方
法。
ビーズを架橋剤で架橋処理した後に酵素を固定化させた
ものである前記(1)記載の方法。
が0.5〜3.0mmである前記(1)または(2)記
載の方法。
サンビーズ上への固定化量が、該多孔質キトサンビーズ
1g(湿重量)当たり、0.01〜100mgである前
記(1)から(3)いずれかに記載の方法。
R4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基
を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級
アシル基を表わし、Xはグルコース残基(但し、グルコ
ース残基中の水酸基の水素原子は炭素原子数が1〜8の
低級アルキル基または炭素原子数が1〜10の低級アシ
ル基で置換されていてもよい)を表わし、nは0〜4の
整数である]で表わされるクロマノール配糖体である前
記(1)から(4)いずれかに記載の方法。
である前記(1)から(5)いずれかに記載の方法。
ス ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermoph
ylus) 由来である前記(1)から(6)いずれかに記載
の方法。
の製造方法は、固定化担体としての多孔質キトサンビー
ズにα−グルコシダーゼを固定化させ、得られた固定化
酵素を用いて有機溶媒共存下で水酸基を有する水に難溶
な生理活性に優れた物質を糖と結合させることによっ
て、生理活性に優れた水溶性の配糖体を生成することを
特徴とするものである。
る多孔質キトサンビーズは、カニやエビなどの甲殻類の
殻、蚕などの昆虫の甲皮、おきあみやいかなどの軟体動
物の殻や骨骼由来のキチンを40〜50%水酸化ナトリ
ウム溶液中で100〜120℃、4〜5時間処理するこ
とによりキチンをN−脱アセチル化し、このN−脱アセ
チル化物を水洗、乾燥してキトサンを得、さらにこのよ
うにして得られたキトサンを粒状化及び多孔質化して表
面積を大きくして吸着能を高めることによって得られ
る。このような多孔質キトサンビーズの具体例として
は、例えば、キトパール BCW−2510、BCW−
2610、BCW−3010、BCW−3510(商品
名;富士紡績株式会社製)等が挙げられる。
トサンビーズの粒径は、特に制限されないが、圧力損失
や粒子表面積等を考慮すると、0.5〜3.0mmが好
ましく、さらに好ましくは、0.5〜1.5mmであ
る。
は、ほぼ全ての起源由来のα−グルコシダーゼを用いる
ことができ、精製酵素や粗酵素の別を問わない。具体例
としては、東洋紡株式会社製のサッカロマイセス属(Sac
charomyces sp.) 由来のα−グルコシダーゼ、オリエン
タル酵母工業株式会社製のサッカロマイセス セロビイ
シエ(Saccharomyces cerevisiae)由来のα−グルコシダ
ーゼ、天野製薬株式会社製のアスペルギルス ニガー(A
spergillus niger) 由来のα−グルコシダーゼ、和光純
薬工業株式会社製のサッカロマイセス属(Saccharomyces
sp.) 由来のα−グルコシダーゼ、シグマ(SIGM
A)社製のベーカーズ イースト(Bakers ye
ast)由来のα−グルコシダーゼ、東洋紡績株式会社
製のバチルスステアロサーモフィラス(Bacillus stearo
thermophylus) 由来のα−グルコシダーゼ等のバチルス
(Bacillus)属由来のα−グルコシダーゼなどが挙げられ
る。上記α−グルコシダーゼのうち、有機溶媒に対する
優れた安定性および強い転移活性を考慮すると、バチル
ス ステアロサーモフィラス由来のα−グルコシダー
ゼ、特に特開平5−308964号に開示されたバチル
ス ステアロサーモフィラス由来のα−グルコシダーゼ
が好ましく使用される。
にα−グルコシダーゼを固定化させることにより固定化
酵素を製造する方法としては、水または適当な緩衝液中
で担体と酵素とを接触させる方法を用いることができ
る。以下に、多孔質キトサンビーズの担体としてキトパ
ール BCW−2510を用いた際の固定化方法の一実
施態様を示す。キトパール BCW−2510 1g
(湿重量)を10〜100mMの各種緩衝液(pH5.
0〜7.0)で充分に平衡化した後、担体1g(湿重
量)に対して、α−グルコシダーゼ0.01〜100m
g(比活性20単位/mg)、好ましくは1〜100m
g、より好ましくは5〜50mgを同緩衝液1mlに溶
解したものを添加し、充分に混合する。次いで、4〜6
0℃、好ましくは10〜40℃にて、1〜24時間、好
ましくは2〜15時間静置するか、または0.5〜10
時間、好ましくは1〜5時間往復振盪処理(50〜18
0rpm、好ましくは100〜140rpm)した後、
濾紙またはガラスフィルターで濾過し、続いて水または
緩衝液で酵素が溶出しなくなるまで洗浄する。なお、上
記実施態様において、特に酵素としてバチルス ステア
ロサーモフィラス由来のα−グルコシダーゼを用いた際
には、当該α−グルコシダーゼの添加量は、担体1g
(湿重量)に対して、0.01〜10mg(比活性66
1単位/mg)、好ましくは0.1〜1mgである。
孔質キトサンビーズの担体上への固定化量は、多孔質キ
トサンビーズの架橋処理の有無、使用する多孔質キトサ
ンビーズの種類や量及び酵素の使用量等によって異なる
が、通常、多孔質キトサンビーズ1g(湿重量)当た
り、0.01〜100mg、好ましくは1〜100m
g、より好ましくは5〜50mgである。また、本発明
において、バチルス ステアロサーモフィラス由来のα
−グルコシダーゼを使用する際の担体への固定化量は、
通常、多孔質キトサンビーズ1g(湿重量)当たり、
0.01〜10mg、好ましくは0.1〜1mgであ
る。
しては、生化学及び生物学の分野において一般的に使用
される緩衝液であればよく、具体的には、炭酸−炭酸水
素塩系、リン酸第一塩−リン酸第二塩系、及び両性イオ
ンであるタンパク質やアミノ酸などの緩衝作用による緩
衝液等が挙げられ、これらを目的とするpHによる適宜
選択して使用する。
用いて上記方法により本発明による固定化酵素を得るこ
とができるが、この際、該固定化酵素をさらに改善する
ことを目的として、多孔質キトサンビーズを架橋剤で前
処理した担体を固定化担体として用いることが好まし
い。このように架橋剤で前処理した担体を用いると、さ
らに有機溶媒共存下においてより高い糖転移活性を示す
固定化酵素を得ることができるという利点がある。
は、キトサンビーズと接触したときにキトサンビーズの
アミノ基と結合する能力を有するものであれば、特に制
限されずに使用することができる。この場合、使用でき
る架橋剤の例としては、例えば、グルタルアルデヒド、
エピクロロヒドリン、ビスジアゾベンシジン、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソチオシアネート及びN,N−エチ
レンビスマレインイミド等が挙げられる。これらの架橋
剤は、単独であるいは2種以上を組み合わせて用いるこ
とができる。これらのうち、グルタルアルデヒド及びエ
ピクロロヒドリンが好ましい。
緩衝液中、担体に架橋剤を接触させる方法を用いること
ができる。架橋剤の濃度は、担体に対して、通常、0.
01〜5(v/v)%の範囲が好ましい。多孔質キトサ
ンビーズの担体としてキトパール BCW−2510を
およびグルタルアルデヒドを架橋剤として用いた際の前
処理方法の一実施態様を以下に示す:キトパール BC
W−2510 1g(湿重量)を2(v/v)%グルタ
ルアルデヒド(以下、「GLA」と略す)溶液2ml中
に浸透させ、4〜40℃、好ましくは10〜30℃に
て、0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間静置する
か、または0.5〜3時間、好ましくは1〜2時間往復
振盪処理(50〜180rpm、好ましくは100〜1
40rpm)した後、濾紙またはガラスフィルターで濾
過し、過剰のGLAを除去・洗浄する方法が挙げられ
る。
ダーゼの多孔質キトサンビーズ上への固定化量は、処理
条件や使用する担体の種類等によって異なるが、例え
ば、GLA処理したキトパールBCW−2510を固定
化担体として用いる場合、キトパールBCW−2510
1g(湿重量)に対して、上記と同様に緩衝液中で、
0.01〜100mg、好ましくは1〜100mg、よ
り好ましくは5〜50mgである。特に上記態様におい
て、α−グルコシダーゼとしてバチルス ステアロサー
モフィラス由来のものを使用する際には、固定化量は、
キトパールBCW−2510 1g(湿重量)に対し
て、0.01〜10mg、好ましくは0.1〜1mgで
ある。酵素の固定化担体上への固定化処理は、GLAに
よる架橋処理と同様の条件で静置または振盪処理によっ
て行なうことができる。この際、未吸着の酵素は、酵素
の溶出がなくなるまで、濾紙またはガラスフィルターで
洗浄を行なうことにより除去することができる。
見掛け上の固定化率(%)を、次式により算出した。
べたほかに、多孔質キトサンビーズ担体をカラムに充填
した後、2(v/v)%GLA溶液を2〜3時間通液さ
せ、滅菌蒸留水で充分洗浄した後、酵素溶液を通液させ
ることにより固定化する方法を採用することができる。
は、目的とする配糖体の種類などによって異なるが、例
えば、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオ
ース、コージビオース、ニゲロース、トレハロース、パ
ノース、イソマルトース、及びイソマルトトリオース等
が挙げられ、これらのうち、マルトースからマルトテト
ラオース位の低分子のマルトオリゴ糖が好ましく、特に
マルトースが好ましい。また、糖の添加濃度は、1〜7
0(w/v)%、好ましくは30〜60(w/v)%で
ある。
る配糖体としては、使用される糖及び基質の種類によっ
て様々であるが、例えば、各種クロマノール配糖体、フ
ラボノール配糖体、フラバノン配糖体、フラボン配糖
体、サポニン配糖体、及びカテキン配糖体等が挙げら
れ、これらのうち、好ましくは、特開平7−118,2
87号公報に開示されているような、下記一般式
(1):
R4 は同一または異なる水素原子または低級アルキル基
を表わし、R5 は水素原子、低級アルキル基または低級
アシル基を表わし、Xはグルコース残基(但し、グルコ
ース残基中の水酸基の水素原子は炭素原子数が1〜8の
低級アルキル基または炭素原子数が1〜10の低級アシ
ル基で置換されていてもよい)を表わし、およびnは0
〜4の整数である]で表わされるクロマノール配糖体が
挙げられる。この際、例えば、上記一般式(1)で表わ
されるクロマノール配糖体を製造する際には、下記一般
式(2):
R4 、R5 およびnは、それぞれ、上記と同様である)
で表わされる2−置換アルコールが基質として使用さ
れ、上記基質とマルトースからマルトテトラオース位の
マルトオリゴ糖などの上述した糖を本発明による固定化
酵素の存在下で反応させることによって、上記一般式
(1)で表わされるクロマノール配糖体(以下、単に
「クロマノール配糖体」と称する)が製造できる。
1 、R2 、R3 およびR4 は、同一または異なる水素原
子または低級アルキル基を表わすものであるが、低級ア
ルキル基を表わす際には、炭素原子数が好ましくは1〜
8、より好ましくは1〜6の低級アルキル基であり、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチ
ル基、ヘキシル基、ヘプチル基、及びオクチル基等が挙
げられ、これらのうち、メチル基及びエチル基が好まし
い。同様にして、R5 は、水素原子、低級アルキル基ま
たは低級アシル基を表わすものであるが、これらのう
ち、低級アルキル基を表わす際には、上記R1 、R2 、
R3 およびR4 における場合と同様であり、また、低級
アシル基を表わす際には、炭素原子数が好ましくは1〜
10、より好ましくは1〜8の低級アシル基であり、例
えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソ
ブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル
基、ヘキサノイル基、及びオクタノイル基等が挙げら
れ、これらのうち、アセチル基及びプロピオニル基が好
ましい。さらに、上記一般式(1)において、Xは、グ
ルコース、またはグルコース残基中の水酸基の水素原子
が炭素原子数が1〜8の低級アルキル基または炭素原子
数が1〜10の低級アシル基で置換されたもの等が挙げ
られ、これらのうち、グルコースが好ましく使用され
る。さらに、上記一般式(1)及び(2)において、n
は0〜4、好ましくは0〜2の整数である。
としては、水酸基を有する水に難溶で生理活性に優れた
物質であれば特に制限されず、目的とする配糖体の種類
によって異なるが、例えば、上記一般式(2)で表わさ
れる2−置換アルコール類、フラボノール、フラバノ
ン、フラボン、サポゲニン、及びカテキン等が挙げられ
る。これらのうち、水酸基を有する水に難溶な抗酸化剤
である、上記一般式(2)で表わされる2−置換アルコ
ール(以下、単に「2−置換アルコール」と称する)が
基質として好ましく使用される。この2−置換アルコー
ルは、公知物質であり、特公平1−43755号公報や
特公平1−49135号公報等に開示された方法により
得ることができる。また、例えば、一般式(2)におい
てR1 、R2 、R3 及びR4 がCH3 であり、R5 がH
であり、nが1である2−置換アルコールは、トロロッ
クスを水素化リチウムアルミニウムの存在下においてジ
エチルエーテル中で加熱還流処理することなどにより容
易に得ることができる。
ール配糖体を製造する際には、2−置換アルコールを糖
溶液に溶解させることが望ましい。また、上記製造工程
においては、有機溶媒を共存させることが望ましく、こ
の際添加される有機溶媒としては、例えば、ジメチルス
ルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノー
ル、エタノール、アセトン、アセトニトリルなどが挙げ
られる。これらのうち、α−グルコシダーゼの糖転移活
性を高めることを考慮すると、ジメチルスルホキシド及
びN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。添加する
有機溶媒の濃度は、1〜50(v/v)%であり、反応
効率を考慮すると、5〜35(v/v)%が好ましい。
置換アルコールの濃度は、反応液中において飽和濃度若
しくはそれに近い濃度にすることが望ましく、特に、
0.5〜10(v/v)%の範囲内であることが望まし
い。
4.5〜7.5、好ましくは5.0〜6.5であり、反
応温度が、10〜70℃、好ましくは30〜60℃であ
り、さらには、反応時間が、1〜50時間、好ましくは
1〜40時間、より好ましくは2〜24時間である。特
に、バチルス ステアロサーモフィラス由来のα−グル
コシダーゼを使用する際の反応条件としては、pHが、
4.5〜7.5、好ましくは5.0〜7.5であり、反
応温度が、10〜70℃、好ましくは30〜70℃であ
り、さらには、反応時間が、1〜50時間、好ましくは
2〜40時間である。但し、これらの反応条件は使用す
る固定化酵素の種類や量等により影響を受ける。
ール配糖体を製造する場合の製造方法は、特に限定され
ないが、例えば、固定化酵素をカラムに充填し、上記し
たようなpHおよび温度の反応条件下で、基質として2
−置換アルコールおよび糖溶液の混合液をカラムに連続
通液することにより、クロマノール配糖体を効果的に製
造することができる。
酵素を反応液中に直接添加し、振盪等の方法を用いて、
反応液中に固定化酵素を分散させながら反応を行うこと
によって、クロマノール配糖体を効率的に製造してもよ
い。
製造されるクロマノール配糖体(一般式(1))は、下
記一般式(4)で表わされるもののほかに糖残基の異な
るものも含む混合物(すなわち、一般式(1)中のXで
表わされた糖残基の異なった各種クロマノール配糖体が
共存する混合物)であることもあるが、このような場合
には、クロマノール配糖体の混合物をグルコアミラーゼ
(EC 3.2.1.3)処理することにより、一般式
(4)で示されるクロマノール配糖体を選択的に得るこ
とができる。ここで、本発明におけるグルコアミラーゼ
(EC 3.2.1.3)処理とは、上述のクロマノー
ル配糖体の酵素法による合成反応により得られたクロマ
ノール配糖体の混合物を含む反応系溶液中のα−グルコ
シダーゼを失活させた後、該溶液中に糖化酵素の一種で
あるグルコアミラーゼ(=エキソ−1,4−α−D−グ
ルコシダーゼ、EC 3.2.1.3)を添加し、さら
に反応を続けることをいう。
しては、有機溶媒に対する安定性に優れたグルコアミラ
ーゼ(EC 3.2.1.3)があり、具体的には、東
洋紡績株式会社製のリゾプス属(Rhizopus sp.,以下同様
につき括弧内を省略する)由来のグルコアミラーゼ、お
よびナガセ生化学工業株式会社製のリゾプス属(Rhizopu
s sp.,以下同様につき括弧内を省略する)由来のグルコ
アミラーゼなどが挙げられる。添加される酵素量として
は、例えば、上述した東洋紡績株式会社製のバチルス
ステアロサーモフィラス由来のα−グルコシダーゼを失
活させた後の反応液15mlに添加する場合には、5〜
40U、好ましくは10〜30Uである。なお、この際
「1U」とは、基質に可溶性澱粉を用いて30分間に1
0mgのグルコースを遊離させることのできる酵素量と
して定義される酵素の1単位である。
ラーゼ処理における反応温度は、20〜70℃、好まし
くは30〜60℃であり、反応時間は、1〜40時間、
好ましくは10〜30時間である。ただし、上述したグ
ルコアミラーゼ処理による反応を行う際の条件は、使用
する酵素量により若干の影響を受ける。
糖体を含む反応液をXAD(オルガノ株式会社製)を担
体として用いたカラムクロマトグラフィーで処理するこ
とにより、高純度のクロマノール配糖体が得られる。
定化酵素は、固定化前の酵素と比較すると、至適温度曲
線はほぼ同様の傾向を示すものの、至適pH曲線は固定
化することによりやや酸性側での活性が増大する傾向が
あることが示された。
明するが、これらにより本発明の範囲がなんら制限され
るものでないことはいうまでもない。
idase, EC 3.2.1.20)の活性測定法 4(w/v)%マルトース水溶液100μlに100m
Mリン酸緩衝液(pH6.5)300μlを加え、37
℃で5分間インキュベートした後、酵素液40μlを加
え、同温度条件下において20分間反応させた後5分間
の煮沸処理により反応を停止させた。次に、上記反応に
よるグルコースの生成量をグルコース測定キット(和光
純薬工業株式会社製)を用いて測定した。なお、1Uは
上記条件において1分間に1μmolのマルトースの加
水分解を触媒する酵素量とした。
510、BCW−2610、BCW−3010及びBC
W−3510(富士紡績株式会社製)、弱塩基性アニオ
ン交換樹脂である、アンバーライト IRA−93ZU
(オルガノ株式会社製)及びDEAE−トヨパール(東
ソー株式会社製)、強塩基性アニオン交換樹脂である、
Q−セファロース(ファルマシア株式会社製)を、それ
ぞれ、担体として用いた。上記各担体1g(湿重量)
に、50mMリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解した東
洋紡績株式会社製のサッカロマイセス属(Saccharomyces
sp.) 由来のα−グルコシダーゼ、100U/ml(タ
ンパク質濃度5mg/ml)を1ml加え、30℃にて
2時間振盪(120rpm)することにより、固定化を
行なった。この際、未吸着の酵素は、緩衝液にて酵素が
溶出しなくなるまで振盪洗浄を行ない除去した。各担体
への酵素の見掛け上の固定化率を上記「発明の実施の態
様」において記載した式により計算し、その結果を表1
に示す。
各50mg(湿重量)を、50mMリン酸緩衝液(pH
6.5)で調製した60(w/v)%マルトース溶液1
mlおよびジメチルスルホキシドで(本明細書中では、
「DMSO」ともいう)調製した5(w/v)%の下記
式(5)で示されるRS−2−置換アルコール溶液0.
2mlの混合溶液に加え、40℃において20時間(1
20rpm)振盪することにより、反応を行なった。こ
の時の2−置換アルコールのクロマノール配糖体への転
移率を表2に示す。なお、転移率は、2−置換アルコー
ルの減少の割合として記載した。
es sp.) 由来のα−グルコシダーゼ、100U/ml
(タンパク質濃度5mg/ml)1mlの代わりに東洋
紡績株式会社製のバチルス ステアロサーモフィラス由
来のα−グルコシダーゼ AGH−211、100U/
ml(タンパク質濃度1mg/ml)1mlを使用する
以外は、実施例1と同様の操作を行い、バチルス ステ
アロサーモフィラス由来のα−グルコシダーゼを多孔質
キトサンビーズに固定化した。
各50mg(湿重量)を、50mMリン酸緩衝液(pH
6.5)で調製した40(w/v)%マルトース溶液1
ml及びジメチルスルホキシドで調製した5(w/v)
%の上記式(5)で示されるRS−2−置換アルコール
溶液0.2mlの混合溶液に加え、40℃において20
時間(120rpm)振盪することにより、反応を行っ
た。このときの、2−置換アルコールのクロマノール配
糖体への転移率を下記表2に示す。
ロマイセス属由来のα−グルコシダーゼおよびバチルス
ステアロサーモフィラス由来のα−グルコシダーゼ双
方について、固定化率に関しては、キトパール及び各種
イオン交換樹脂間で大きな相違はないものの、転移率は
キトパールを使用した場合の方が各種イオン交換樹脂を
使用した場合に比べて有意に大きく、これより、キトパ
ールを固定化担体として用いた固定化酵素が酵素吸着能
に対して糖転移活性に優れていることが判る。
3510、各1g(湿重量)に、50mMリン酸緩衝液
(pH6.5)に溶解した東洋紡績株式会社製のバチル
ス ステアロサーモフィラス由来のα−グルコシダーゼ
AGH−211、100U/ml(タンパク質濃度1
mg/ml)を1ml加え、30℃にて2時間振盪(1
20rpm)することにより、固定化を行った。この
際、未吸着の酵素は、緩衝液にて酵素が溶出しなくなる
まで振盪洗浄を行うことにより、除去した。
各50mg(湿重量)を、50mMリン酸緩衝液(pH
6.0)で調製した30(w/v)%マルトース溶液と
DMSOで調製した5(w/v)%の上記式(5)で示
されるRS−2−置換アルコール溶液の両者の量を下記
表3に示されるように変えて混合した溶液中に添加し、
40℃において20時間振盪(120rpm)すること
により反応を行った。この時の、2−置換アルコールの
クロマノール配糖体への転移率を下記表3に示す。
CW−2510を固定化担体として用いた場合、DMS
O濃度及び2−置換アルコール濃度を高くしても、高い
転移率を示すことが分かった。
010、各1g(湿重量)に、50mMリン酸緩衝液
(pH6.5)に溶解した東洋紡績株式会社製のサッカ
ロマイセス属(Saccharomyces sp.) 由来のα−グルコシ
ダーゼ、200U/ml(タンパク質濃度10mg/m
l)を1ml加え、30℃にて2時間振盪(120rp
m)することにより、固定化を行なった。未吸着の酵素
は、緩衝液にて酵素が溶出しなくなるまで振盪洗浄を行
ない除去した。各担体への酵素の見掛け上の固定化率を
実施例1と同様にして算出し、結果を表4に示す。
3010、各1g(湿重量)を分取し、2(v/v)%
GLA溶液2ml中にそれぞれ入れ、30℃において2
時間振盪処理(120rpm)した。処理後、濾紙上に
GLA処理した担体を集め、この濾紙を50mMリン酸
緩衝液(pH6.5)30mlで3回洗浄を行なった。
体1g(湿重量)に、50mMリン酸衝撃液(pH6.
5)に溶解した東洋紡績株式会社製のサッカロマイセス
属(Saccharomyces sp.)由来のα−
グルコシダーゼ、200U/ml(タンパク質濃度10
mg/ml)を1ml加え、30℃にて2時間振盪(1
20rpm)し、固定化を行なった。未吸着の酵素は、
緩衝液にて酵素が溶出しなくなるまで振盪洗浄を行ない
除去した。各担体への酵素の見掛け上の固定化率を実施
例1と同様にして算出し、結果を表4に示す。
0及びBCW−3010の両方について、GLA処理に
より酵素の固定化率が改善されることが示される。
固定化酵素およびGLA処理固定化酵素、各50mg
(湿重量)を50mMリン酸緩衝液(pH6.5)で調
製した60(w/v)%マルトース溶液1mlおよびジ
メチルスルホキシドで調製した5(w/v)%の上記式
(5)で示されるRS−2−置換アルコール溶液0.2
mlの混合溶液に加え、40℃で20時間振盪(120
rpm)することにより、反応を行なった。反応終了
後、この反応液を濾過して固定化酵素を回収し、同様の
条件において糖転移反応をさらに2回繰り返し、それぞ
れの反応における転移率を求め、この結果から反応液中
における各固定化酵素の安定性を評価した。その結果を
表5に示す。
ことにより反応液中のジメチルスルホキシドに対する、
α−グルコシダーゼの安定性は飛躍的に向上することが
分かった。また、キトパール BCW−2510を固定
化担体として用いた場合の転移率が最も高いことから、
キトパール BCW−2510を固定化担体として用い
ることが好ましいことが示された。
量)に、50mMリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解し
た東洋紡績株式会社製のバチルス ステアロサーモフィ
ラス由来のα−グルコシダーゼ AGH−211、10
0U/ml(タンパク質濃度1mg/ml)を1ml加
え、30℃にて2時間振盪(120rpm)することに
より、固定化を行った。この際、未吸着の酵素は、緩衝
液にて酵素が溶出しなくなるまで振盪洗浄を行うことに
より、除去した。この結果、担体への酵素の固定化率は
75%であった。
量)を分取し、2(v/v)%GLA溶液2ml中に入
れ、30℃において2時間振盪(120rpm)した。
処理後、濾紙上にGLA処理した担体を集め、この濾紙
を50mMリン酸緩衝液(pH6.5)30mlで3回
洗浄を行った。
体1g(湿重量)に、50mMリン酸緩衝液(pH6.
5)に溶解した東洋紡績株式会社製のバチルス ステア
ロサーモフィラス由来のα−グルコシダーゼ AGH−
211、100U/ml(タンパク質濃度1mg/m
l)を1ml加え、30℃にて2時間振盪(120rp
m)することにより、固定化を行った。この際、未吸着
の酵素は、緩衝液にて酵素が溶出しなくなるまで振盪洗
浄を行うことにより、除去した。この結果、担体への酵
素の固定化率は95%であった。
固定化酵素及びGLA処理固定化酵素、各50mg(湿
重量)を50mMリン酸緩衝液(pH6.5)で調製し
た30(w/v)%マルトース溶液0.96ml及びジ
メチルスルホキシドで調製した5(w/v)%の上記式
(5)で示されるRS−2−置換アルコール溶液0.2
4mlの混合溶液に加え、40℃で20時間振盪(12
0rpm)することにより反応を行った。反応終了後、
反応液を濾過して固定化酵素を回収し、同様の条件にお
いて糖転移反応をさらに繰り返し、それぞれの反応にお
ける転移率を求め、この結果から反応液中における各固
定化酵素の安定性を評価した。その結果を下記表6に示
す。
ら、GLA処理により酵素の固定化率が改善され、ま
た、表6に示される結果から、GLA処理することによ
り反応液中のジメチルスルホキシドに対する、α−グル
コシダーゼの安定性は飛躍的に向上することが示され
る。
い、この担体、1g(湿重量)を分取し、2(v/v)
%GLA溶液2ml中に入れ、30℃において2時間振
盪処理(120rpm)した。処理後、濾紙上にGLA
処理された担体を集め、この濾紙について50mMリン
酸緩衝液(pH6.5)30mlで3回振盪洗浄を行な
った。
量)に、50mMリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解し
た東洋紡績株式会社製のサッカロマイセス属(Saccharom
yces sp.) 由来のα−グルコシダーゼ、200U/ml
(タンパク質濃度10mg/ml)を1ml加え、30
℃にて2時間振盪(120rpm)し、固定化を行なっ
た。未吸着の酵素は、緩衝液にて酵素が溶出しなくなる
まで振盪洗浄を行なった。このようにして得られた固定
化酵素は、担体1g(湿重量)当たり、200Uのα−
グルコシダーゼを見かけ上固定化していた。
を、50mMリン酸緩衝液(pH6.5)で調製した4
0%(w/v)マルトース溶液20mlおよびジメチル
スルホキシドで調製した5(w/v)%の上記式(5)
で示されるRS−2−置換アルコール溶液4mlの混合
溶液に加え、40℃において20時間振盪(120rp
m)することにより、反応を行なった。このときの2−
置換アルコールのクロマノール配糖体への転移率は約4
0%であった。
定化酵素を回収した後、反応液を30%メタノール溶液
で平衡化したXAD−4(オルガノ株式会社製)カラム
にのせ、非吸着物を30%メタノールで溶出した後、さ
らに、80%メタノール溶液でクロマノール配糖体を溶
出させた。このようにして得られたクロマノール配糖体
画分をシリカゲルクロマトグラフィー[酢酸エチル:メ
タノール=5:1(v/v)]処理することによって、
クロマノール配糖体として下記式(6)で示される2−
(α−D−グルコピラノシル)メチル−2,5,7,8
−テトラメチルクロマン−6−オール(一般式(1)の
n=1、R1 =R2 =R3 =R4 =CH3 、R5 =Hに
相当する)が高純度で約70mg得られた。
ルコピラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチ
ルクロマン−6−オールの赤外線吸収スペクトルを図1
に示す。
NMR、質量分析及び比旋光度の結果は以下のとおりで
ある。
d6 ): 1.23および1.25(s,3H) 1.69から1.76(m,1H) 1.87から1.92(m,1H) 1.97(s,3H) 2.02(s,3H) 2.04(s,3H) 2.51(broad t,2H) 3.05から4.88(m,13H) 7.39(s,1H)13 C−NMR δ(67.8MHz,DMSO−d6 、
プロトンデカップリングスペクトル): 11.7 11.7 12.6 19.7および19.8 22.2および22.4 28.2 60.6および60.8 70.0および70.1 71.2および71.5 71.9 72.6および72.9 73.1 73.8および73.9 98.7および98.8 116.6および116.7 120.1および120.2 120.7および120.8 122.5 144.2 145.1 質量スペクトル(FAB) m/z 398 (分子イオンピーク) 比旋光度
い、この担体80g(湿重量)を分取し、2(v/v)
%GLA溶液160ml中に入れ、30℃において2時
間振盪(120rpm)した。処理後、濾紙上にGLA
処理された担体を集め、この濾紙について50mMリン
酸緩衝液(pH6.5)2400mlで3回振盪洗浄を
行った。
重量)に、50mMリン酸緩衝液(pH6.5)に溶解
した東洋紡績株式会社製のバチルス ステアロサーモフ
ィラス由来のα−グルコシダーゼ AGH−211、1
00U/ml(タンパク質濃度1mg/ml)を80m
l加え、30℃にて2時間振盪(120rpm)して、
固定化を行った。未吸着の酵素は、緩衝液にて酵素が溶
出しなくなるまで振盪洗浄を行った。このようにして得
られた固定化酵素は、担体1g(湿重量)当たり、10
0Uのα−グルコシダーゼを見掛け上固定化していた。
量)を、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)で調製し
た30(w/v)%マルトース溶液1500ml及びジ
メチルスルホキシドで調製した5(w/v)%の上記式
(5)で示されるRS−2−置換アルコール375ml
の混合溶液に加え、40℃において20時間振盪(12
0rpm)することにより反応を行った。この時の2−
置換アルコールのクロマノール配糖体への転移率は約8
7%であり、この反応液中のクロマノール配糖体は糖部
分の構造が異なるものの混合物(すなわち、一般式
(1)のn=1、R1 =R2 =R3 =R4 =CH3 、R
5 =Hで、かつXで表わされる糖残基の異なった各種ク
ロマノール配糖体が共存する混合物)であった。この反
応液を15分間煮沸処理することにより、α−グルコシ
ダーゼを失活させ、24,000Uの東洋紡績株式会社
製のリゾプス属由来のグルコアミラーゼを添加し、50
℃において24時間反応させることにより、反応液中の
クロマノール配糖体はほぼ、一般式(7)で示されるク
ロマノール配糖体1種類になった。この反応液を15分
間煮沸処理することにより、グルコアミラーゼを失活さ
せた後、30%メタノール溶液で平衡化したXAD−4
(オルガノ株式会社製)カラムにアプライし、非吸着物
を30%メタノールで溶出後、80%メタノール溶液で
クロマノール配糖体を溶出させた。このようにして得ら
れたクロマノール配糖体画分をシリカゲルクロマトグラ
フィー(酢酸エチル:メタノール=5:1(v/v))
処理することにより、クロマノール配糖体として下記一
般式(7)で示される2−(α−D−グルコピラノシ
ル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−
6−オール(一般式(1)のn=1、R1 =R2 =R3
=R4 =CH3 、R5 =Hに相当する)を約20g得
た。
されるクロマノール配糖体の赤外線吸収スペクトルを図
2に示す。
NMR、質量分析及び比施光度の結果は以下のとおりで
ある。
プロトンデカップリングスペクトル): 11.7 11.7 12.6 19.7および19.8 22.2および22.4 28.2 60.6および60.8 70.0および70.1 71.2および71.5 71.9 72.6および72.9 73.1 73.8および73.9 98.7および98.8 116.6および116.7 120.1および120.2 120.7および120.8 122.5 144.2 145.1 質量スペクトル (FAB): m/z 398 (分子イオンピーク) 比施光度
よる配糖体の製造方法を用いて、糖転移作用を触媒する
酵素を多孔質キトサンビーズに効果的に固定化すること
により、(1)酵素活性を実質的に失活させることな
く、安定な固定化酵素を得ることができ;(2)有機溶
媒共存下においても酵素の活性を長期にわたり安定して
維持でき;(3)使い捨てにすることなく、連続使用で
きるようになり;(4)本発明による固定化酵素を用い
ることにより、配糖体の生産効率を高めることができ;
さらに、(5)合成された配糖体への異種タンパク質の
混入を防ぎ、高品質の配糖体を収率よく合成することが
できるようになった。
チルス ステアロサーモフィラス由来のα−グルコシダ
ーゼを用いることにより、有機溶媒共存下においても長
期間安定である固定化酵素が調製でき、さらに、このよ
うにして得られた固定化酵素を用いることにより生理活
性および化学的安定性に優れた水溶性配糖体を製造でき
る。
ラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−6−オールの赤外線吸収スペクトルである。
ラノシル)メチル−2,5,7,8−テトラメチルクロ
マン−6−オールの赤外線吸収スペクトルである。
Claims (6)
- 【請求項1】 多孔質キトサンビーズにα−グルコシダ
ーゼを固定化させた固定化酵素を用いて、水酸基を有す
る水に難溶な生理活性に優れた物質と糖とを有機溶媒共
存下において反応させ、生理活性に優れた水溶性配糖体
を生成することを特徴とする各種配糖体の製造方法。 - 【請求項2】 該固定化酵素は多孔質キトサンビーズを
架橋剤で架橋処理した後に酵素を固定化させたものであ
る請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 該多孔質キトサンビーズの粒径が0.5
〜3.0mmである請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】 α−グルコシダーゼの多孔質キトサンビ
ーズ上への固定化量が、該多孔質キトサンビーズ1g
(湿重量)当たり、0.01〜100mgである請求項
1から3のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項5】 該配糖体が下記一般式(1): 【化1】 [ただし、式中、R1 、R2 、R3 およびR4 は同一ま
たは異なる水素原子または低級アルキル基を表わし、R
5 は水素原子、低級アルキル基または低級アシル基を表
わし、Xはグルコース残基(但し、グルコース残基中の
水酸基の水素原子は炭素原子数が1〜8の低級アルキル
基または炭素原子数が1〜10の低級アシル基で置換さ
れていてもよい)を表わし、nは0〜4の整数である]
で表わされるクロマノール配糖体である請求項1から4
のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項6】 該糖がα−グルコシル糖化合物である請
求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
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JPH09313196A true JPH09313196A (ja) | 1997-12-09 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002000290A (ja) * | 2000-06-20 | 2002-01-08 | Cci Corp | 固定化酵素を用いたクロマノール配糖体組成物の製造方法 |
KR100375161B1 (ko) * | 2000-06-27 | 2003-03-08 | 박대원 | 고정화 β-글루코시다제를 이용한 알킬글루코시드의제조방법 |
-
1997
- 1997-01-30 JP JP01675697A patent/JP3809686B2/ja not_active Expired - Fee Related
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KR100375161B1 (ko) * | 2000-06-27 | 2003-03-08 | 박대원 | 고정화 β-글루코시다제를 이용한 알킬글루코시드의제조방법 |
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