JPH0736758B2 - ポリフェノール配糖体の製造法 - Google Patents

ポリフェノール配糖体の製造法

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JPH0736758B2
JPH0736758B2 JP12310392A JP12310392A JPH0736758B2 JP H0736758 B2 JPH0736758 B2 JP H0736758B2 JP 12310392 A JP12310392 A JP 12310392A JP 12310392 A JP12310392 A JP 12310392A JP H0736758 B2 JPH0736758 B2 JP H0736758B2
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正孝 船山
博邦 荒川
良平 山本
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Kurashiki Spinning Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、サイクロデキストリ
ン合成能を有さず、マルトオリゴ糖分解能を有する糖化
型アミラーゼを用いるポリフェノール配糖体の製造法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェノール配糖体は、従来から、甘
味料、鎮痛剤、下剤、抗マラリヤ剤および強壮剤等とし
て利用されるだけでなく、優れた美白効果を発揮する化
粧品の配合成分としても利用できる(特願平3−341
51号明細書参照)有用な化合物であり、本件出願人は
先に、サイクロデキストリン合成能とマルトース分解能
を有さない新規な酵素を用いるポリフェノール配糖体の
製造法を提供した(特願平4−27926号明細書参
照)。
【0003】この発明は、さらに別異の酵素を用いるポ
リフェノール配糖体の製造法を提供するためになされた
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ちこの発明は、従来は
工業的にほとんど利用されていなかった糖化型アミラー
ゼのなかで、サイクロデキストリン合成能を有さず、マ
ルトオリゴ糖分解能を有する酵素がポリフェノール配糖
体合成能を有するという知見に基づいてなされたもので
あって、その要旨は、サイクロデキストリン合成能を有
さず、マルトオリゴ糖分解能を有する糖化型アミラーゼ
の存在下において、糖基質とポリフェノール受容体を反
応させることを特徴とするポリフェノール配糖体の製造
法に存する。
【0005】本発明に使用する酵素、即ち、サイクロデ
キストリン合成能を有さず、マルトオリゴ糖分解能を有
する糖化型アミラーゼは自体公知の酵素であるが、該酵
素がポリフェノール配糖体合成能を有するということは
全く知られていなかった。この種の糖化型アミラーゼと
しては、例えば、バシルス・ズブチリス、ストレプトコ
ッカス・ボビス、ストレプトマイセス・ハイグロスコピ
カス、ストレプトマイセス・プレコックス、リゾプス・
デレマーおよびアスペルギルス・ニーガー等の細菌から
生産される上記特性を有する酵素が例示される。
【0006】上記の細菌を用いる該糖化型アミラーゼの
調製は自体公知の方法、例えば、福本らの方法[プロシ
ーディングズ・オブ・ジャパン・アカデミー(Proc. J
apanAcademy)、第27巻、第352頁〜第358頁(1
951年)およびアミラーゼシンポジウム(日本応用酵素
協会・アミラーゼ部会)、第47頁〜第53頁(1965
年)参照]等に準拠しておこなえばよい。
【0007】上記の特性を有する糖化型アミラーゼは、
広範囲の糖基質を加水分解し、種々のポリフェノール類
にグルコースを転移させ、これによって多種多様なポリ
フェノール配糖体が得られる。この種の糖基質およびポ
リフェノール受容体としては下記のものが例示される:糖基質 :澱粉、アミロペクチン、アミロース、マルトオ
リゴ糖(G2〜G7)。ポリフェノール受容体 :カテキン、カフェー酸、コウジ
酸、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、プ
ロトカテキュー酸、α−レゾルシル酸、フロログルシノ
ール、没食子酸。
【0008】澱粉等の糖基質およびカテキン等のポリフ
ェノール受容体を、上述の酵素の存在下で反応させる方
法は、通常、酢酸緩衝液等の緩衝液を用いて反応系のp
Hを約4〜9に調製し、約10〜60℃で約3〜70時
間おこなう。反応溶媒としては、水、メタノール/水
(5〜50体積%)、エタノール/水(5〜50体積%)、
酢酸エチル/水(10〜80体積%)等が例示される。な
お、使用する酵素を不溶性担体に固定化することによ
り、製造したポリフェノール配糖体から酵素を除くステ
ップを省略することもできる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。実施例1 酵素の調製は前記の福本らの方法に準拠しておこなっ
た。可溶性澱粉10w/v%、ポリペプトン2w/v
%、肉エキス2w/v%含有する水溶液を121℃で1
5分間加圧滅菌することによって培地を調製した。坂口
フラスコ(500ml)内へ該培地を100ml入れ、次
いでバシルス・ズブチリス1FO 14140を1白金
耳量植菌し、120rpmの条件下、30℃で24時間
振盪培養した(種培養)。上記のようにして新たに調製し
た培地3リットルに、該培養液を混入させ、該混合物を
ミニジャー(5リットル)内において、撹拌200rpm
および通気量3リットル/minの条件下において、3
7℃で120時間にわたって通気撹拌培養した(本培
養)。培養液2.5リットルを遠心分離処理(9000r
pm:15分間)に付すことによって得られた培養上清
2.45リットルに硫酸アンモニウムを加え、0.2〜
0.6飽和の画分を常法に従い得た。該画分を水に対し
て透析後、1M酢酸を用いてpHを5.0に調製し、5
0mM酢酸緩衝液(pH5.0)を用いて平衡化したデュ
オライトC−10カラム(15.9cm2×27cm)に
注入し、該酢酸緩衝液2リットルを用いて洗浄した。該
洗浄液を、分画分子量3000の限外濾過膜(旭化成工
業株式会社製ペンシル型モジュールSEP−0013)
を用いて150mlまで濃縮し、部分精製酵素を得た。
上述の精製過程の結果を表1にまとめて示す。
【0010】
【表1】
【0011】表1中の活性量(単位)は下記の方法によっ
て算出した値である。活性量 可溶性澱粉を50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.
3)に.0.5w/v%の濃度で溶解した溶液0.45
mlに酵素液0.05mlを加え、40℃で10分間反
応をおこなった後、0.5N塩酸1.0mlを添加する
ことによって反応を停止させ、次いで、ヨウ素5mgと
ヨウ化カリウム50mgを水100mlに溶解させた溶
液2.5mlを加え、室温で20分間放置後、660n
mにおける吸光度を測定し、該吸光度を1分間に1%低
下させる酵素量を1単位とした(ブランクテストは、酵
素の代わりに上記緩衝液を用いる以外は上記と同様の操
作によっておこなった)。
【0012】実施例2 (ポリフェノール配糖体合成活性測定法) ハイドロキノンの酢酸エチル溶液(0.5M)0.5ml
および可溶性澱粉5w/v%、酢酸ナトリウム緩衝液
(pH5.3)50mMおよび実施例1で製造した酵素1
0単位/mlを含有する水溶液0.5mlを蓋付試験管
(5ml)に入れ、該試験管を回転数280rpmの条件
下において、40℃で18時間振盪させた。静置後、水
性層を下記の条件下での薄層クロマトグラフィー分析に
付し、酵素のポリフェノール配糖体合成活性を確認し
た。 薄層 :メルク社製シリカゲル60F254ガラスプ
レート 展開溶媒:酢酸エチル/酢酸/水=3/2/2(体積比) 検出 :33v/v%硫酸/メタノール混合液を薄層
に噴霧後、該薄層を120℃で10分間加熱する。 Rf値 :0.61〜0.86(澱粉の分解物のRf値
は0.58以下である)
【0013】実施例3および4 澱粉の代わりに、アミロペクチン、アミロースまたはマ
ルトオリゴ糖を使用する以外は、実施例2の手順に準拠
して、本発明による酵素のポリフェノール配糖体合成活
性を確認した。
【0014】実施例5〜13(受容体特異性) ハイドロキノンの代わりに、カテキン、カフェー酸、コ
ウジ酸、カテコール、レゾルシノール、プロトカテキュ
ー酸、α−レゾルシル酸、フロログルシノールまたは没
食子酸を使用する以外は、実施例2の手順に準拠して、
本発明による酵素のポリフェノール配糖体合成活性を確
認した。
【0015】実施例14(ハイドロキノン配糖体の調製) 実施例1で調製した酵素液1,000単位、ハイドロキ
ノン2.5w/v%、澱粉2w/v%および酢酸緩衝液
(pH5.3)10mMから成る混合液100mlを三角
フラスコ(200ml)内に入れ、40℃で90時間反応
をおこなうことによってハイドロキノン配糖体を合成し
た。反応混合物にエタノール200mlを添加して反応
を停止させた後、析出不溶物を遠心分離処理によって除
去した。残留液をロータリーエバボレーターを用いる減
圧濃縮乾燥処理に付した後、残渣を水10mlに溶解さ
せ、該水溶液を下記の条件下でカラムクロマトグラフィ
ー処理に付し、溶離液体積440〜480mlで反応生
成物2を、同体積480〜540mlで反応生成物1を
溶離させた: カラム:内径2.6cm×長さ91cm 充填剤:バイオゲルp−2(400メッシュ) 溶離液:5%(v/v)エタノール水溶液 得られた画分を、それぞれロータリーエバボレーターを
用いて減圧濃縮乾固させた後、さらに真空乾燥機を用い
て乾燥処理をおこなって、白色粉末として生成物1を1
10mg、生成物2を51mg得た。該生成物は下記の
条件下での薄層クロマトグラフィーにおいて単一であっ
た。(生成物1のRf値:0.61、生成物2のRf
値:0.52): 薄層 :シリカゲル60F254 展開溶媒:酢酸エチル/酢酸/水(3:1:1) 検出 :紫外線照射また硝酸/メタノール(1:2)混
合物を噴霧後、110〜120℃に加熱して発色させ
る。1 H−NMR分析の結果、該生成物1および2をそれぞ
れハイドロキノン−O−α−D−グルコピラノシド、ハ
イドロキノン−O−α−マルトシドと同定した。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、従来は工業的にほとん
ど利用されていなかった特定の糖化型アミラーゼを利用
することによって、広範囲の糖基質とポリフェノール受
容体を原料として、特に医薬や化粧品等の配合成分とし
て有用な多種多様なポリフェノール配糖体を効率よく製
造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サイクロデキストリン合成能を有さず、
    マルトオリゴ糖分解能を有する糖化型アミラーゼの存在
    下において、糖基質とポリフェノール受容体を反応させ
    ることを特徴とするポリフェノール配糖体の製造法。
  2. 【請求項2】 糖化型アミラーゼが、バシルス・ズブチ
    リス、ストレプトコッカス・ボビス、ストレプトマイセ
    ス・ハイグロスコピカス、ストレプトマイセス・プレコ
    ックス、リゾプス・デレマーまたはアスペルギルス・ニ
    ーガーが生産する酵素である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 糖基質が澱粉、アミロース、アミロペク
    チンまたはマルトオリゴ糖(G2〜G7)である請求項1記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 ポリフェノール受容体がカテキン、カフ
    ェー酸、コウジ酸、ハイドロキノン、カテコール、レゾ
    ルシノール、プロトカテキュー酸、α−レゾルシル酸、
    フロログルシノールまたは没食子酸である請求項1記載
    の方法。
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