JP2664586B2 - ポリフェノール配糖体合成能を有する酵素 - Google Patents
ポリフェノール配糖体合成能を有する酵素Info
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ポリフェノール配糖
体合成能を有する新規な酵素、酵素の製造法およびこの
酵素を用いるポリフェノール配糖体の製造法に関する。
体合成能を有する新規な酵素、酵素の製造法およびこの
酵素を用いるポリフェノール配糖体の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェノール配糖体は、従来から、例
えば、甘味料、鎮痛剤、下剤、抗マラリヤ剤および強壮
剤等として利用されているが、本件出願人は先に、肝斑
や雀斑等の原因となるメラニン色素の生成に関与するチ
ロシナーゼの酵素作用を阻害して優れた美白効果を発揮
するポリフェノール配糖体を提供した(特願平3−34
151号)。この場合、該ポリフェノール配糖体の合成
用酵素として、バシルス・マセランス(Bacillus mace
rans)IFO3490株から分泌されるシクロマルトデ
キストリン−グルカノトランスフェラーゼ(CGTアー
ゼ)(「大阪市立工業研究所報告第56回(1978年)」、
第19頁〜第24頁参照)を使用した。しかしながら、
CGTアーゼには、配糖体合成効率が一般に低いだけで
なく(0.5〜1%)、活性を糖基質やポリフェノール受
容体の種類が非常に制限されるという難点がある。
えば、甘味料、鎮痛剤、下剤、抗マラリヤ剤および強壮
剤等として利用されているが、本件出願人は先に、肝斑
や雀斑等の原因となるメラニン色素の生成に関与するチ
ロシナーゼの酵素作用を阻害して優れた美白効果を発揮
するポリフェノール配糖体を提供した(特願平3−34
151号)。この場合、該ポリフェノール配糖体の合成
用酵素として、バシルス・マセランス(Bacillus mace
rans)IFO3490株から分泌されるシクロマルトデ
キストリン−グルカノトランスフェラーゼ(CGTアー
ゼ)(「大阪市立工業研究所報告第56回(1978年)」、
第19頁〜第24頁参照)を使用した。しかしながら、
CGTアーゼには、配糖体合成効率が一般に低いだけで
なく(0.5〜1%)、活性を糖基質やポリフェノール受
容体の種類が非常に制限されるという難点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、ポリフェ
ノール配糖体の合成効率が高く、広範囲の糖基質やポリ
フェノール受容体に対して活性を示すポリフェノール配
糖体合成能を有する新規な酵素を提供するためになされ
たものである。
ノール配糖体の合成効率が高く、広範囲の糖基質やポリ
フェノール受容体に対して活性を示すポリフェノール配
糖体合成能を有する新規な酵素を提供するためになされ
たものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ちこの発明は、(i)サ
イクロデキストリン合成能およびマルトース分解能を有
さず、(ii)糖基質を加水分解して生成するグルコースを
ポリフェノール受容体に転移させてポリフェノール配糖
体を合成する特性を有し、至適pHが6〜8であり、安
定pHが6〜9であり、至適温度が40〜50℃であ
り、安定温度が0〜50℃であり、分子量が29500
であり、等電点が5.1である酵素に関する。本発明に
よる酵素は、サイクロデキストリン合成能およびマルト
ース分解能を有さないが、ポリフェノール配糖体合成能
を有する新規な酵素である。本発明による酵素は、サイ
クロデキストリン合成能を有さないという点で、CGT
アーゼとは基本的に相違し、また、マルトース分解能を
有さないという点で、細菌糖化型α−アミラーゼ(BS
A)(「ハンドブック・オブ・アミラーゼ・アンド・リレ
イテッド・エンザイムズ(Handbook of Amylase and
Related Enzymse)」、パーガモン・プレス(Pergamon
Press)発行、第43頁(1988年)参照)とは本質的に
相違する。
イクロデキストリン合成能およびマルトース分解能を有
さず、(ii)糖基質を加水分解して生成するグルコースを
ポリフェノール受容体に転移させてポリフェノール配糖
体を合成する特性を有し、至適pHが6〜8であり、安
定pHが6〜9であり、至適温度が40〜50℃であ
り、安定温度が0〜50℃であり、分子量が29500
であり、等電点が5.1である酵素に関する。本発明に
よる酵素は、サイクロデキストリン合成能およびマルト
ース分解能を有さないが、ポリフェノール配糖体合成能
を有する新規な酵素である。本発明による酵素は、サイ
クロデキストリン合成能を有さないという点で、CGT
アーゼとは基本的に相違し、また、マルトース分解能を
有さないという点で、細菌糖化型α−アミラーゼ(BS
A)(「ハンドブック・オブ・アミラーゼ・アンド・リレ
イテッド・エンザイムズ(Handbook of Amylase and
Related Enzymse)」、パーガモン・プレス(Pergamon
Press)発行、第43頁(1988年)参照)とは本質的に
相違する。
【0005】本発明による酵素は、例えば、バシルス属
(Bacillus)の細菌から生産される。好適なバシルス属
の細菌としては、バシルス・ズブチリス(Bacillus sub
til-is)K−531−1(微工研菌寄第12668号)、
バシルス・スブチリスK−531−86(微工研菌寄第
12669号)、バシルス・スリンジエンシス(Bac-ill
us thuringiensis)(IFO 3951)、バシルス・リ
ケニホルミス(Bacilluslicheniformis)(ATCC25
972)およびバシルス・アミロリケファシエンス(Bac
illus amyloliquefaciens)(IFO14141)等が例示
される。
(Bacillus)の細菌から生産される。好適なバシルス属
の細菌としては、バシルス・ズブチリス(Bacillus sub
til-is)K−531−1(微工研菌寄第12668号)、
バシルス・スブチリスK−531−86(微工研菌寄第
12669号)、バシルス・スリンジエンシス(Bac-ill
us thuringiensis)(IFO 3951)、バシルス・リ
ケニホルミス(Bacilluslicheniformis)(ATCC25
972)およびバシルス・アミロリケファシエンス(Bac
illus amyloliquefaciens)(IFO14141)等が例示
される。
【0006】従って、本発明による酵素の特に好適な製
法は、バシルス属の細菌、就中、バシルス・ズブチリス
K−531−1等の上記の細菌を培養して得られる培養
物を精製処理に付す方法である。培地成分としては、各
種の炭素源(例えば、可溶性澱粉、コーンスチープリカ
ー、脱脂大豆、デキストリン、グリセロールおよびグル
コース等)、窒素源(例えば、ポリペプトン、脱脂大豆、
硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、アミノ酸、酵母
エキス、カゼイン、肉エキス、コラーゲンおよびゼラチ
ン等)、無機塩類(例えば、カリウム、ナトリウム、マグ
ネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、コバルト、カルシ
ウム、酸化モリブデンなどの硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、
酢酸塩等)およびビタミン類(例えば、ビオチン、ビタミ
ンB1、リボフラビン、パントテン酸、ピリドキシン、
ビリドキサール、ピリドキサミン、ニコチン酸p−アミ
ノ安息香酸および葉酸等)を適宜使用すればよい。好適
な培地は、可溶性澱粉、ポリペプトンおよび塩化ナトリ
ウムを主成分とし、さらに無機酸の金属塩、例えば、燐
酸二カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸亜
鉛、硫酸銅および硫酸マンガン等を適宜含有する水性培
地である。この種の金属塩を添加することによって、該
酵素の生産量はほぼ倍増する。
法は、バシルス属の細菌、就中、バシルス・ズブチリス
K−531−1等の上記の細菌を培養して得られる培養
物を精製処理に付す方法である。培地成分としては、各
種の炭素源(例えば、可溶性澱粉、コーンスチープリカ
ー、脱脂大豆、デキストリン、グリセロールおよびグル
コース等)、窒素源(例えば、ポリペプトン、脱脂大豆、
硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、アミノ酸、酵母
エキス、カゼイン、肉エキス、コラーゲンおよびゼラチ
ン等)、無機塩類(例えば、カリウム、ナトリウム、マグ
ネシウム、鉄、亜鉛、マンガン、銅、コバルト、カルシ
ウム、酸化モリブデンなどの硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、
酢酸塩等)およびビタミン類(例えば、ビオチン、ビタミ
ンB1、リボフラビン、パントテン酸、ピリドキシン、
ビリドキサール、ピリドキサミン、ニコチン酸p−アミ
ノ安息香酸および葉酸等)を適宜使用すればよい。好適
な培地は、可溶性澱粉、ポリペプトンおよび塩化ナトリ
ウムを主成分とし、さらに無機酸の金属塩、例えば、燐
酸二カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸第一鉄、硫酸亜
鉛、硫酸銅および硫酸マンガン等を適宜含有する水性培
地である。この種の金属塩を添加することによって、該
酵素の生産量はほぼ倍増する。
【0007】培地のpHは燐酸緩衝液や酸およびアルカ
リ水溶液を用いて5〜9に調整する。培地のpHがこの
範囲外になると、酵素失活を招き、収量が大きく低下す
る。培養温度は通常25〜50℃である。培養効率の観
点からは、培養は、種培養と本培養の二段階に分けてお
こなうのが好ましい。通常、種培養は液体振盪培養でお
こない(振盪数:80〜200rpm、培養時間:16〜30
時間)、本培養は通気撹拌培養でおこなう(撹拌数:10
0〜300rpm、通気量:2〜5l/min、培養時間:20
〜120時間)。但し、撹拌数、通気量、培養時間は培
養装置の形状、大きさによって大きく変化する。
リ水溶液を用いて5〜9に調整する。培地のpHがこの
範囲外になると、酵素失活を招き、収量が大きく低下す
る。培養温度は通常25〜50℃である。培養効率の観
点からは、培養は、種培養と本培養の二段階に分けてお
こなうのが好ましい。通常、種培養は液体振盪培養でお
こない(振盪数:80〜200rpm、培養時間:16〜30
時間)、本培養は通気撹拌培養でおこなう(撹拌数:10
0〜300rpm、通気量:2〜5l/min、培養時間:20
〜120時間)。但し、撹拌数、通気量、培養時間は培
養装置の形状、大きさによって大きく変化する。
【0008】上記の培養法によって得られる培養物の精
製処理法は特に限定的ではなく、従来から酵素の精製法
として知られている方法を適宜採用すればよいが、好適
な精製法としては下記の工程(i)〜(ix)から成る方法が
例示される: (i)培養液を遠心分離処理あるいは濾過に付すことによ
って培養上清を採取する。 (ii)培養上清をカチオンカラム(例えば、アンバーライ
トCG50、CM−トヨパール、CM−セファロース、
CM−セルロース、5P−セファロースおよびCM−セ
ルロファイン等)を用いるクロマトグラフィー処理に付
す。 (iii)溶出液を限外濾過、塩析または有機溶媒沈殿によ
る濃縮処理に付す。 (iv)濃縮液を透析処理に付す。 (v)透析内液をアニオンカラム(例えば、DEAE−セフ
ァロースCL−6B、デュオライトA−7、QAE−セ
ファロース、DEAE−セルロース、DEAE−セルロ
ファインおよびDEAE−トヨパール等)を用いるクロ
マトグラフィー処理に付す。 (vi)溶出液を限外濾過膜等を用いる濃縮処理に付す。 (vii)濃縮液を高速液体クロマトグラフィー(例えば、T
sk−ゲルDEAE−5PWカラム)またはアフィニティ
ークロマトグラフィー処理に付す。 (viii)溶出液を限外濾過膜等を用いる濃縮処理に付す。 (ix)濃縮液をカラム(例えば、セファデックスG−7
5、セファロース6BおよびトヨパールHW−55等)
を用いるゲル濾過処理に付す。 場合によっては、澱粉吸着処理等も有効である。上記の
精製処理によって、酵素の精製倍率は約1000〜30
00となる。勿論、上記精製のステップの順序を変えた
り、一部を省略することも可能であり、酵素の使用目的
によっては精製倍率を必要最小限にすることも可能であ
る。
製処理法は特に限定的ではなく、従来から酵素の精製法
として知られている方法を適宜採用すればよいが、好適
な精製法としては下記の工程(i)〜(ix)から成る方法が
例示される: (i)培養液を遠心分離処理あるいは濾過に付すことによ
って培養上清を採取する。 (ii)培養上清をカチオンカラム(例えば、アンバーライ
トCG50、CM−トヨパール、CM−セファロース、
CM−セルロース、5P−セファロースおよびCM−セ
ルロファイン等)を用いるクロマトグラフィー処理に付
す。 (iii)溶出液を限外濾過、塩析または有機溶媒沈殿によ
る濃縮処理に付す。 (iv)濃縮液を透析処理に付す。 (v)透析内液をアニオンカラム(例えば、DEAE−セフ
ァロースCL−6B、デュオライトA−7、QAE−セ
ファロース、DEAE−セルロース、DEAE−セルロ
ファインおよびDEAE−トヨパール等)を用いるクロ
マトグラフィー処理に付す。 (vi)溶出液を限外濾過膜等を用いる濃縮処理に付す。 (vii)濃縮液を高速液体クロマトグラフィー(例えば、T
sk−ゲルDEAE−5PWカラム)またはアフィニティ
ークロマトグラフィー処理に付す。 (viii)溶出液を限外濾過膜等を用いる濃縮処理に付す。 (ix)濃縮液をカラム(例えば、セファデックスG−7
5、セファロース6BおよびトヨパールHW−55等)
を用いるゲル濾過処理に付す。 場合によっては、澱粉吸着処理等も有効である。上記の
精製処理によって、酵素の精製倍率は約1000〜30
00となる。勿論、上記精製のステップの順序を変えた
り、一部を省略することも可能であり、酵素の使用目的
によっては精製倍率を必要最小限にすることも可能であ
る。
【0009】上記の特性を有する本発明による酵素は、
広範囲の糖基質を加水分解し、種々のポリフェノール類
にグルコースを転移させ、これによって多種多様なポリ
フェノール配糖体が得られる。この種の糖基質およびポ
リフェノール受容体としては下記のものが例示される:糖基質 : 澱粉、アミロペクチン、マルトオリゴ糖(G3
〜G7)。ポリフェノール受容体 : カテキン、カフェー酸、コウ
ジ酸、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、
プロトカテキュー酸、α−レゾルシル酸、フロログルシ
ノール、没食子酸。
広範囲の糖基質を加水分解し、種々のポリフェノール類
にグルコースを転移させ、これによって多種多様なポリ
フェノール配糖体が得られる。この種の糖基質およびポ
リフェノール受容体としては下記のものが例示される:糖基質 : 澱粉、アミロペクチン、マルトオリゴ糖(G3
〜G7)。ポリフェノール受容体 : カテキン、カフェー酸、コウ
ジ酸、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシノール、
プロトカテキュー酸、α−レゾルシル酸、フロログルシ
ノール、没食子酸。
【0010】本発明に包含されるポリフェノール配糖体
の新規な製造法は、澱粉等の糖基質およびカテキン等の
ポリフェノール受容体を、上述の酵素の存在下で反応さ
せる方法である。この反応は、通常、燐酸緩衝液等の緩
衝液を用いて反応系のpHを約4〜9に調整し、約10
〜60℃で約3〜70時間おこなう。反応溶媒として
は、水,メタノール/水(5〜50体積%),エタノール/
水(5〜50体積%),酢酸エチル/水(10〜80体積
%)等が例示される。又、使用する酵素を不倍性担体に
固定化することにより製造したポリフェノール配糖体か
ら酵素を除くステップを省略することもできる。以下、
本発明を実施例によって説明する。
の新規な製造法は、澱粉等の糖基質およびカテキン等の
ポリフェノール受容体を、上述の酵素の存在下で反応さ
せる方法である。この反応は、通常、燐酸緩衝液等の緩
衝液を用いて反応系のpHを約4〜9に調整し、約10
〜60℃で約3〜70時間おこなう。反応溶媒として
は、水,メタノール/水(5〜50体積%),エタノール/
水(5〜50体積%),酢酸エチル/水(10〜80体積
%)等が例示される。又、使用する酵素を不倍性担体に
固定化することにより製造したポリフェノール配糖体か
ら酵素を除くステップを省略することもできる。以下、
本発明を実施例によって説明する。
【0011】
【実施例】実施例1 可溶性澱粉2w/v%、ポリペプトン0.5w/v%、塩化
ナトリウム0.05w/v%、燐酸二カリウム0.1w/v
%、硫酸マグネシウム0.05w/v%、硫酸第一鉄0.
001w/v%、硫酸亜鉛0.0001w/v%、硫酸銅
0.0001w/v%および硫酸マンガン0.0001w
/v%含有する水溶液(pH6.5)を121℃で15分間
加圧滅菌することによって培地を調製した。坂口フラス
コ(500ml)内へ該培地を100ml入れ、次いでバシル
ス・ズブチリスK−531−86を1白金耳量植菌し、
120rpmの条件下、30℃で24時間振盪培養した(種
培養)。上記のようにして新たに調製した培地3lに、該
培養液を混入させ、該混合物をミニジャー(5l)内にお
いて、撹拌数200rpmおよび通気量3l/minの条件下
において、30℃で72時間にわたって通気撹拌培養し
た(本培養)。
ナトリウム0.05w/v%、燐酸二カリウム0.1w/v
%、硫酸マグネシウム0.05w/v%、硫酸第一鉄0.
001w/v%、硫酸亜鉛0.0001w/v%、硫酸銅
0.0001w/v%および硫酸マンガン0.0001w
/v%含有する水溶液(pH6.5)を121℃で15分間
加圧滅菌することによって培地を調製した。坂口フラス
コ(500ml)内へ該培地を100ml入れ、次いでバシル
ス・ズブチリスK−531−86を1白金耳量植菌し、
120rpmの条件下、30℃で24時間振盪培養した(種
培養)。上記のようにして新たに調製した培地3lに、該
培養液を混入させ、該混合物をミニジャー(5l)内にお
いて、撹拌数200rpmおよび通気量3l/minの条件下
において、30℃で72時間にわたって通気撹拌培養し
た(本培養)。
【0012】培養液2.7lを遠心分離処理(9000rp
m:15分間)に付すことによって得られた培養上清2.
65lを、1M酢酸を用いてpHを5.0に調整した後、
50mM酢酸緩衝液(pH5.0)を用いて平衡化したアン
バーライトCG50カラム(15.9cm2×27cm)に注
入し、該酢酸緩衝液7.5lを用いて洗浄した。次い
で、0.5M燐酸カリウム緩衝液(pH7.0)を用い、
流速1.6l/hrで溶出をおこない、溶出量1l〜3lに
かけての溶出液2040mlを、分画分子量3000の限
外濾過膜(旭化成工業株式会社製ペンシル型モジュール
SEP−0013)を用いて150mlまで濃縮し、該濃
縮液を、0.5M燐酸二カリウム水溶液を用いてpHを
7.0に調整した後、10倍量の水に対し、4℃で16
時間透析をおこなった。
m:15分間)に付すことによって得られた培養上清2.
65lを、1M酢酸を用いてpHを5.0に調整した後、
50mM酢酸緩衝液(pH5.0)を用いて平衡化したアン
バーライトCG50カラム(15.9cm2×27cm)に注
入し、該酢酸緩衝液7.5lを用いて洗浄した。次い
で、0.5M燐酸カリウム緩衝液(pH7.0)を用い、
流速1.6l/hrで溶出をおこない、溶出量1l〜3lに
かけての溶出液2040mlを、分画分子量3000の限
外濾過膜(旭化成工業株式会社製ペンシル型モジュール
SEP−0013)を用いて150mlまで濃縮し、該濃
縮液を、0.5M燐酸二カリウム水溶液を用いてpHを
7.0に調整した後、10倍量の水に対し、4℃で16
時間透析をおこなった。
【0013】透析内液を、50mM燐酸カリウム緩衝液
(pH7.0)を用いて平衡化したDEAEセファロース
CL6Bカラム(11.9cm2×16cm)に注入し、該緩
衝液を用いて洗浄した(400ml/hr)。洗浄液量250
〜550mlにかけて溶出した溶出液300mlを、前記の
限外濾過膜を用いて5mlまで濃縮し、該濃縮液を、0.
2MNaClを含む20mM燐酸カリウム緩衝液(pH
7.0)を用いて平均化したセファデックスG−150カ
ラム(5.3cm2×93cm)を用いるゲル濾過処理に付
した。該緩衝液を用いて溶出をおこない、溶出液量26
0〜300mlにかけての溶出液40mlを得た。該酵
素液は電気泳動的に単一であった。上述の一連の精製過
程の結果を以下の表1にまとめて示す。
(pH7.0)を用いて平衡化したDEAEセファロース
CL6Bカラム(11.9cm2×16cm)に注入し、該緩
衝液を用いて洗浄した(400ml/hr)。洗浄液量250
〜550mlにかけて溶出した溶出液300mlを、前記の
限外濾過膜を用いて5mlまで濃縮し、該濃縮液を、0.
2MNaClを含む20mM燐酸カリウム緩衝液(pH
7.0)を用いて平均化したセファデックスG−150カ
ラム(5.3cm2×93cm)を用いるゲル濾過処理に付
した。該緩衝液を用いて溶出をおこない、溶出液量26
0〜300mlにかけての溶出液40mlを得た。該酵
素液は電気泳動的に単一であった。上述の一連の精製過
程の結果を以下の表1にまとめて示す。
【0014】
【表1】
【0015】表−1中の活性量(単位)およびタンパク量
(mg)は下記の方法によって算出した値である。活性量 可溶性澱粉を50mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
に0.5w/v%の濃度で溶解した溶液0.45mlに酵素
液0.05mlを加え、40℃で10分間反応をおこなっ
た後、0.5N塩酸1.0mlを添加することによって反
応を停止させ、次いで、ヨウ素5mgとヨウ化カリウム5
0mgを水100mlに溶解させた溶液2.5mlを加え、室
温で20分間放置後、660nmにおける吸光度を測定
し、該吸光度を1分間に1%低下させる酵素量を1単位
とした(ブランクテストは、酵素の替りに上記緩衝液を
用いる以外は上記と同様の操作によっておこなった)。タンパク量 次式によって算出した: タンパク量(mg)=(280nmにおける吸光度)×試料の容
量(ml)
(mg)は下記の方法によって算出した値である。活性量 可溶性澱粉を50mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)
に0.5w/v%の濃度で溶解した溶液0.45mlに酵素
液0.05mlを加え、40℃で10分間反応をおこなっ
た後、0.5N塩酸1.0mlを添加することによって反
応を停止させ、次いで、ヨウ素5mgとヨウ化カリウム5
0mgを水100mlに溶解させた溶液2.5mlを加え、室
温で20分間放置後、660nmにおける吸光度を測定
し、該吸光度を1分間に1%低下させる酵素量を1単位
とした(ブランクテストは、酵素の替りに上記緩衝液を
用いる以外は上記と同様の操作によっておこなった)。タンパク量 次式によって算出した: タンパク量(mg)=(280nmにおける吸光度)×試料の容
量(ml)
【0016】酵素の分子量 上で得た酵素の分子量を、ゲル濾過法で測定した。酵素
液を、pH7.0の20mMの燐酸カリウム緩衝液
(0.2Mの食塩を含む)で平衡化したセファデックス
G−75のカラム(1.66cm2×50cm)に加え、
該緩衝液で溶出した。分子量マーカーとして牛血清アル
ブミン(分子量67000)、卵白アルブミン(分子量、
43000)、キモトリプシノーゲン(分子量、2500
0)、リボヌクレアーゼA(分子量、13700)を用い
た。その結果、酵素の分子量は29500であった。
液を、pH7.0の20mMの燐酸カリウム緩衝液
(0.2Mの食塩を含む)で平衡化したセファデックス
G−75のカラム(1.66cm2×50cm)に加え、
該緩衝液で溶出した。分子量マーカーとして牛血清アル
ブミン(分子量67000)、卵白アルブミン(分子量、
43000)、キモトリプシノーゲン(分子量、2500
0)、リボヌクレアーゼA(分子量、13700)を用い
た。その結果、酵素の分子量は29500であった。
【0017】酵素の等電点 上で得た酵素の等電点を、ショ糖密度勾配等電点電気泳
動法(蛋白質・酵素の基礎実験法、堀尾武一、山下仁平
編(南江堂発行)、第250頁〜第269頁(1981年)
参照)によって測定した。実施例1で調製した酵素液
を、pH3.5〜10.0のキャリア−アンフォライト
(LKB社製)および110ml容泳動カラム(LKB社
製)を用い、400〜600Vで40時間泳動した。そ
の結果、酵素の等電点は、5.1であった。
動法(蛋白質・酵素の基礎実験法、堀尾武一、山下仁平
編(南江堂発行)、第250頁〜第269頁(1981年)
参照)によって測定した。実施例1で調製した酵素液
を、pH3.5〜10.0のキャリア−アンフォライト
(LKB社製)および110ml容泳動カラム(LKB社
製)を用い、400〜600Vで40時間泳動した。そ
の結果、酵素の等電点は、5.1であった。
【0018】pHと酵素活性 上で得た酵素の活性におよぼすpHの影響(作用最適p
H)、該活性におよぼす温度の影響、該活性におよぼす
pHの影響(pH安定範囲)および該酵素の熟安定性を常
法によって調べ、結果をそれぞれ図1、図2、図3およ
び図4に示す。酵素の活性試験は下記実施例2に準拠し
ておこなった。図1および図3において、符号1、2お
よび3はそれぞれ緩衝液として酢酸塩緩衝液を用いた場
合、燐酸ナトリウム緩衝液を用いた場合および硼酸緩衝
液を用いた場合を示す。なお、図3においては、緩衝液
として0.1M燐酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)を使
用し、熱処理は40℃で30分間おこなった。また、図
4においては、緩衝液として0.1M燐酸ナトリウム緩
衝液を使用し、熱処理は各温度において30分間おこな
った。
H)、該活性におよぼす温度の影響、該活性におよぼす
pHの影響(pH安定範囲)および該酵素の熟安定性を常
法によって調べ、結果をそれぞれ図1、図2、図3およ
び図4に示す。酵素の活性試験は下記実施例2に準拠し
ておこなった。図1および図3において、符号1、2お
よび3はそれぞれ緩衝液として酢酸塩緩衝液を用いた場
合、燐酸ナトリウム緩衝液を用いた場合および硼酸緩衝
液を用いた場合を示す。なお、図3においては、緩衝液
として0.1M燐酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)を使
用し、熱処理は40℃で30分間おこなった。また、図
4においては、緩衝液として0.1M燐酸ナトリウム緩
衝液を使用し、熱処理は各温度において30分間おこな
った。
【0019】実施例2 ハイドロキノンの酢酸エチル溶液(0.5M)0.5mlお
よび可溶性澱粉5w/v%、燐酸ナトリウム緩衝液(pH
7.0)50mMおよび実施例1で製造した酵素10単位
/mlを含有する水溶液0.5mlを蓋付試験管(5ml)内へ
入れ、該試験管を回転数280rpmの条件下において、
40℃で18時間振盪させた。静置後、水性層を下記の
条件下での薄層クロマトグラフィー分析に付し、酵素の
ポリフェノール配糖体合成活性を確認した。 薄層: メルク社製シリカゲル60F254ガラスプレ
ート 展開溶媒: 酢酸エチル/酢酸/水=3/2/2(体積
比) 検出: 33v/v%硫酸/メタノール混合液を薄層に噴
霧後、該薄層を120℃で10分間加熱する。 Rf値: 0.61〜0.86(澱粉の分解物のRf値は
0.58以下である)
よび可溶性澱粉5w/v%、燐酸ナトリウム緩衝液(pH
7.0)50mMおよび実施例1で製造した酵素10単位
/mlを含有する水溶液0.5mlを蓋付試験管(5ml)内へ
入れ、該試験管を回転数280rpmの条件下において、
40℃で18時間振盪させた。静置後、水性層を下記の
条件下での薄層クロマトグラフィー分析に付し、酵素の
ポリフェノール配糖体合成活性を確認した。 薄層: メルク社製シリカゲル60F254ガラスプレ
ート 展開溶媒: 酢酸エチル/酢酸/水=3/2/2(体積
比) 検出: 33v/v%硫酸/メタノール混合液を薄層に噴
霧後、該薄層を120℃で10分間加熱する。 Rf値: 0.61〜0.86(澱粉の分解物のRf値は
0.58以下である)
【0020】実施例3および4 澱粉の代わりに、アミロペクチンまたはマルトオリゴ糖
を使用する以外は、実施例2の手順に準拠して、本発明
による酵素のポリフェノール配糖体合成活性を確認し
た。
を使用する以外は、実施例2の手順に準拠して、本発明
による酵素のポリフェノール配糖体合成活性を確認し
た。
【0021】実施例5〜13 ハイドロキノンの代わりに、カテキン、カフェー酸、コ
ウジ酸、カテコール、レゾルシノール、プロトカテキュ
ー酸、α−レゾルシル酸、フロログルシノールまたは没
食子酸を使用する以外は、実施例2の手順に準拠して、
本発明による酵素のポリフェノール配糖体合成活性を確
認した。
ウジ酸、カテコール、レゾルシノール、プロトカテキュ
ー酸、α−レゾルシル酸、フロログルシノールまたは没
食子酸を使用する以外は、実施例2の手順に準拠して、
本発明による酵素のポリフェノール配糖体合成活性を確
認した。
【0022】実施例14 実施例1で用いた培地と同じ培地100mlを用いてバ
シルス・スリンジエンシス(IFO3951)を30℃で
120rpmの条件下において3日間液体振盪培養し
た。培養物を分画分子量3000の前記限外濾過膜(S
EP−0013)を用いて濃縮した(10ml;1.0単
位/ml)。該濃縮液10v/v%、ハイドロキノン
2.5w/v%、澱粉2w/v%および燐酸緩衝液(p
H7.0)10mMから成る混合液100mlを三角フ
ラスコ(200ml)内に入れ、40℃で90時間反応を
おこなうことによってハイドロキノン配糖体を合成し
た。反応混合物を下記の条件でのHPLC分析に付した
ところ、ハイドロキノン−α−D−グルコース(保持時
間:12.2分)が0.64g/mlの濃度で得られ
た。 カラム:コスモシール5C18−ARパックドカラム
(内径20mm;長さ250mm) 溶離液:メタノール/0.1w/v%トリフルオロ酢酸
水(体積比18/82) 流速:5ml/分 検出:279nmの紫外部吸収 温度:40℃
シルス・スリンジエンシス(IFO3951)を30℃で
120rpmの条件下において3日間液体振盪培養し
た。培養物を分画分子量3000の前記限外濾過膜(S
EP−0013)を用いて濃縮した(10ml;1.0単
位/ml)。該濃縮液10v/v%、ハイドロキノン
2.5w/v%、澱粉2w/v%および燐酸緩衝液(p
H7.0)10mMから成る混合液100mlを三角フ
ラスコ(200ml)内に入れ、40℃で90時間反応を
おこなうことによってハイドロキノン配糖体を合成し
た。反応混合物を下記の条件でのHPLC分析に付した
ところ、ハイドロキノン−α−D−グルコース(保持時
間:12.2分)が0.64g/mlの濃度で得られ
た。 カラム:コスモシール5C18−ARパックドカラム
(内径20mm;長さ250mm) 溶離液:メタノール/0.1w/v%トリフルオロ酢酸
水(体積比18/82) 流速:5ml/分 検出:279nmの紫外部吸収 温度:40℃
【0023】実施例15 他の細菌からの酵素の調製法 実施例1で用いた培養法でバシルス・スリンジエンシス
IFO3951、バシルス・リケニホルミスATCC2
5972およびバシルス・アミロリケファシエンスIF
O14141をそれぞれ培養し、同様に培養上清250
0−2700mlを得た。これら培養上清に硫酸アンモ
ニウムを80%飽和となるように加え、生じた沈殿物を
遠心分離処理(9000rpm、15分間)で集め、50
mM酢酸緩衝液(pH4.0)100mlに溶解し、該緩
衝液1リットルに対し透析した。該透析内液を該緩衝液
で平衡化したアンバライトCG50カラム(15.9c
m2×27cm)に注入し、該緩衝液7.5リットルを用
いて、洗浄した。次いで0.5M燐酸二カリウム水溶液
を用い、流速1.6リットル/hrで溶出をおこない、
溶出量1リットル〜3リットルにかけての溶出液2リッ
トルを実施例1で用いた限外濾過膜を用いて10mlま
で濃縮した。以上の操作でいずれの細菌からの酵素にお
いても活性回収率は60〜80%、比活性は8〜15倍
上昇した。これらの酵素液を用い後で述べるサイクロデ
キストリン合成能、マルトース分解能および配糖体合成
効率を調べた。尚、これら酵素液の活性量、タンパク量
は実施例1に述べた方法によって算出した。又、これら
酵素の作用最適pHはいずれも6〜8にあり、pH安定
範囲はいずれも6〜8に含まれていた。
IFO3951、バシルス・リケニホルミスATCC2
5972およびバシルス・アミロリケファシエンスIF
O14141をそれぞれ培養し、同様に培養上清250
0−2700mlを得た。これら培養上清に硫酸アンモ
ニウムを80%飽和となるように加え、生じた沈殿物を
遠心分離処理(9000rpm、15分間)で集め、50
mM酢酸緩衝液(pH4.0)100mlに溶解し、該緩
衝液1リットルに対し透析した。該透析内液を該緩衝液
で平衡化したアンバライトCG50カラム(15.9c
m2×27cm)に注入し、該緩衝液7.5リットルを用
いて、洗浄した。次いで0.5M燐酸二カリウム水溶液
を用い、流速1.6リットル/hrで溶出をおこない、
溶出量1リットル〜3リットルにかけての溶出液2リッ
トルを実施例1で用いた限外濾過膜を用いて10mlま
で濃縮した。以上の操作でいずれの細菌からの酵素にお
いても活性回収率は60〜80%、比活性は8〜15倍
上昇した。これらの酵素液を用い後で述べるサイクロデ
キストリン合成能、マルトース分解能および配糖体合成
効率を調べた。尚、これら酵素液の活性量、タンパク量
は実施例1に述べた方法によって算出した。又、これら
酵素の作用最適pHはいずれも6〜8にあり、pH安定
範囲はいずれも6〜8に含まれていた。
【0024】実施例16 実施例1および実施例15で調製した酵素液20μl
(60単位/ml)と可溶性でんぷん3w/v%の液(5
0mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0の溶液)180
μlと40℃で10分間反応させ、その反応液にトリク
ロルエチレン100μlを加えた後、よく撹拌し30分
間放置し、サイクロデキストリン−トリクロルエチレン
複合体による白濁の程度を肉眼により判定した。その結
果、白濁は生じなかった。
(60単位/ml)と可溶性でんぷん3w/v%の液(5
0mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0の溶液)180
μlと40℃で10分間反応させ、その反応液にトリク
ロルエチレン100μlを加えた後、よく撹拌し30分
間放置し、サイクロデキストリン−トリクロルエチレン
複合体による白濁の程度を肉眼により判定した。その結
果、白濁は生じなかった。
【0025】実施例17 実施例1および実施例15で調製した酵素液(5単位/
ml)0.05mlを0.5w/v%マルトース溶液(溶
媒:50mM燐酸カリウム緩衝液(pH7.0))に加
え、40℃で18時間反応させた後、その反応液1μl
を下記条件下の薄層クロマトグラフィー分析に付し、酵
素のマルトース分解能の有無を調べた。 薄層:メルク社製シリカゲル60F254ガラスプレー
ト 展開溶媒:酢酸エチル/酢酸/水=3/2/2(体積比) 検出:33v/v%硫酸/メタノール混合液を薄層に噴
霧後、該薄層を120℃で10分間加熱する。その結
果、マルトース(Rf値=0.46)は検出されたが、グ
ルコース(Rf値:0.56)は検出されなかった。
ml)0.05mlを0.5w/v%マルトース溶液(溶
媒:50mM燐酸カリウム緩衝液(pH7.0))に加
え、40℃で18時間反応させた後、その反応液1μl
を下記条件下の薄層クロマトグラフィー分析に付し、酵
素のマルトース分解能の有無を調べた。 薄層:メルク社製シリカゲル60F254ガラスプレー
ト 展開溶媒:酢酸エチル/酢酸/水=3/2/2(体積比) 検出:33v/v%硫酸/メタノール混合液を薄層に噴
霧後、該薄層を120℃で10分間加熱する。その結
果、マルトース(Rf値=0.46)は検出されたが、グ
ルコース(Rf値:0.56)は検出されなかった。
【0026】実施例18 ハイドロキノン5w/v%、可溶性澱粉10w/v%の
濃度で50mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0に溶解
した200μlに、実施例1および実施例15で調製し
た酵素液および市販のCGTアーゼ(天野製薬株式会社
の市販品「コンチザイム」)(4〜5単位/ml)をそれぞ
れ100μl加え、40℃で18時間反応させた。その
反応液25μlを下記条件下の薄層クロマトグラフィー
に付した後、Rf値0.6〜0.9相当の薄層部分(シ
リカゲル)を削り取り配糖体をメタノール5mlで2回
(計10ml)抽出した。この抽出液を減圧濃縮乾固後、
水1mlを用いて配糖体を溶解させ、配糖体水溶液中の
グリコースをフェノール・硫酸法によって、定量し、配
糖体合成効率(酵素1単位当たりの転移したグルコース
量)を比較した。その結果を表2に示す。
濃度で50mM燐酸ナトリウム緩衝液pH7.0に溶解
した200μlに、実施例1および実施例15で調製し
た酵素液および市販のCGTアーゼ(天野製薬株式会社
の市販品「コンチザイム」)(4〜5単位/ml)をそれぞ
れ100μl加え、40℃で18時間反応させた。その
反応液25μlを下記条件下の薄層クロマトグラフィー
に付した後、Rf値0.6〜0.9相当の薄層部分(シ
リカゲル)を削り取り配糖体をメタノール5mlで2回
(計10ml)抽出した。この抽出液を減圧濃縮乾固後、
水1mlを用いて配糖体を溶解させ、配糖体水溶液中の
グリコースをフェノール・硫酸法によって、定量し、配
糖体合成効率(酵素1単位当たりの転移したグルコース
量)を比較した。その結果を表2に示す。
【0027】
【表2】 薄層:メルク社製シリカゲル60Fガラスプレート 展開溶媒:酢酸エチル/酢酸/水=3/2/2(体積比)
【0028】実施例19「 アグリカルチャル・バイオロジカル・ケミストリー」、
第41巻、第2221頁〜第2228頁(1977ねん)
に記載された方法に従って調製したアミロスタチンを、
50mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を用いて、
濃度が1.0μg/mlまたは3.5μg/mlになる
ように溶解したアミロスタチン溶液0.025mlを、
実施例1で調製した酵素液(該緩衝液で希釈した試料;
5単位/ml)0.025mlと混合し、該混合液を4
0℃で10分間インキュベートした後、該緩衝液を溶媒
とする0.5w/v%可溶性澱粉溶液0.45mlを加
え、40℃で10分間反応させた。0.5N塩酸1.0
mlを添加することにより反応を停止させ、次いで、ヨ
ウ素5mgとヨウ化カリウム50mgを水100mlに
溶解させた溶液2.5mlを加え、室温で20分間放置
後、660nmにおける吸光度を測定した。ブランクテ
ストは、酵素液の替りに該緩衝液を、又コントロールテ
ストは、アミロスタチンの替りに、該緩衝液を用いる以
外は上記と同様の操作によっておこなった。阻害率(%)
は下記の式に従い算出した。 阻害率(%)={(Ab−Ao)−(Ab−Ai)}/(Ab−
Ao)×100 式中、Ai、AbおよびAoはそれぞれ阻害テスト後測
定値、ブランクテストの測定値およびコントロールテス
トの測定値を示す。濃度が1.0μ/mlおよび3.5
μg/mlのアミロスタチン溶液による阻害率はそれぞ
れ50%および98%であった。
第41巻、第2221頁〜第2228頁(1977ねん)
に記載された方法に従って調製したアミロスタチンを、
50mM燐酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を用いて、
濃度が1.0μg/mlまたは3.5μg/mlになる
ように溶解したアミロスタチン溶液0.025mlを、
実施例1で調製した酵素液(該緩衝液で希釈した試料;
5単位/ml)0.025mlと混合し、該混合液を4
0℃で10分間インキュベートした後、該緩衝液を溶媒
とする0.5w/v%可溶性澱粉溶液0.45mlを加
え、40℃で10分間反応させた。0.5N塩酸1.0
mlを添加することにより反応を停止させ、次いで、ヨ
ウ素5mgとヨウ化カリウム50mgを水100mlに
溶解させた溶液2.5mlを加え、室温で20分間放置
後、660nmにおける吸光度を測定した。ブランクテ
ストは、酵素液の替りに該緩衝液を、又コントロールテ
ストは、アミロスタチンの替りに、該緩衝液を用いる以
外は上記と同様の操作によっておこなった。阻害率(%)
は下記の式に従い算出した。 阻害率(%)={(Ab−Ao)−(Ab−Ai)}/(Ab−
Ao)×100 式中、Ai、AbおよびAoはそれぞれ阻害テスト後測
定値、ブランクテストの測定値およびコントロールテス
トの測定値を示す。濃度が1.0μ/mlおよび3.5
μg/mlのアミロスタチン溶液による阻害率はそれぞ
れ50%および98%であった。
【0029】
【発明の効果】本発明による酵素を利用することによ
り、広範囲の糖基質とポリフェノール受容体を原料とし
て種々のポリフェノール配糖体を効率よく合成すること
ができる。
り、広範囲の糖基質とポリフェノール受容体を原料とし
て種々のポリフェノール配糖体を効率よく合成すること
ができる。
【図1】 本発明による酵素の活性におよぼすpHの影
響(作用最適pH)を示すグラフである。
響(作用最適pH)を示すグラフである。
【図2】 本発明による酵素の活性におよぼす温度の影
響を示すグラフである。
響を示すグラフである。
【図3】 本発明による酵素の活性におよぼすpHの影
響(pH安定範囲)を示すグラフである。40℃、30
分間それぞれのpH下においてた。
響(pH安定範囲)を示すグラフである。40℃、30
分間それぞれのpH下においてた。
【図4】 本発明による酵素の熱安定性を示すグラフで
ある。pH8で30分間それそれの温度下においた。
ある。pH8で30分間それそれの温度下においた。
1 酢酸塩緩衝液を用いた場合 2 燐酸ナトリウム緩衝液を用いた場合 3 硼酸緩衝液を用いた場合
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:10) (C12N 9/10 C12R 1:125) (72)発明者 西野 豊和 大阪府寝屋川市下木田町14番5号 倉敷 紡績株式会社技術研究所内 (72)発明者 村尾 澤夫 大阪府堺市堀上緑町2−8−12
Claims (10)
- 【請求項1】 (i)サイクロデキストリン合成能および
マルトース分解能を有さず、(ii)糖基質を加水分解して
生成するグルコースをポリフェノール受容体に転移させ
てポリフェノール配糖体を合成する特性を有し、至適p
Hが6〜8であり、安定pHが6〜9であり、至適温度
が40〜50℃であり、安定温度が0〜50℃であり、
分子量が29500であり、等電点が5.1である酵
素。 - 【請求項2】 糖基質が澱粉、アミロペクチンまたはマ
ルトオリゴ糖(G3〜G7)である請求項1記載の酵素。 - 【請求項3】 ポリフェノール受容体がカテキン、カフ
ェ−酸、コウジ酸、ハイドロキノン、カテコール、レゾ
ルシノール、プロトカテキュー酸、α−レゾルシル酸、
フロログルシノールまたは没食子酸である請求項1記載
の酵素。 - 【請求項4】 バシルス属の細菌が生産する請求項1〜
3いずれかに記載の酵素。 - 【請求項5】 バシルス属の細菌が、バシルス・ズブチ
リス、バシルス・スリンジエンシス、バシルス・リケニ
ホルミスおよびバシルス・アミロリケファシエンスから
成る群から選択される細菌である請求項4記載の酵素。 - 【請求項6】 バシルス属の細菌を培養して得られる培
養物を精製処理に付すことを特徴とする、請求項1〜5
いずれかに記載の酵素の製造方法。 - 【請求項7】 バシルス属の細菌が、バシルス・ズブチ
リス、バシルス・スリンジエンシス、バシルス・リケニ
ホルミスおよびバシルス・アミロリケファシエンスから
成る群から選択される細菌である請求項6記載の方法。 - 【請求項8】 糖基質およびポリフェノール受容体を、
請求項1〜5いずれかに記載の酵素の存在下で反応させ
ることを特徴とするポリフェノール配糖体の製造方法。 - 【請求項9】 糖基質が澱粉、アミロペクチンまたはマ
ルトオリゴ糖(G3〜G7)である請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 ポリフェノール受容体がカテキン、カ
フェー酸、コウジ酸、ハイドロキノン、カテコール、レ
ゾルシノール、プロトカテキュー酸、α−レゾルシル
酸、フロログルシノールまたは没食子酸である請求項8
記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4027926A JP2664586B2 (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | ポリフェノール配糖体合成能を有する酵素 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4027926A JP2664586B2 (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | ポリフェノール配糖体合成能を有する酵素 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05219947A JPH05219947A (ja) | 1993-08-31 |
JP2664586B2 true JP2664586B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=12234494
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4027926A Expired - Fee Related JP2664586B2 (ja) | 1992-02-14 | 1992-02-14 | ポリフェノール配糖体合成能を有する酵素 |
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JP (1) | JP2664586B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
AU4460101A (en) | 2000-03-28 | 2001-10-08 | Ezaki Glico Co., Ltd. | Process for producing glycosyl transfer product |
WO2004000045A2 (en) * | 2002-06-21 | 2003-12-31 | Canacure Corporation | Liquid compositions comprising non-digestible oligosaccharides and green tea catechins, method and uses thereof |
-
1992
- 1992-02-14 JP JP4027926A patent/JP2664586B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05219947A (ja) | 1993-08-31 |
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