JPH07117760B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH07117760B2
JPH07117760B2 JP59281599A JP28159984A JPH07117760B2 JP H07117760 B2 JPH07117760 B2 JP H07117760B2 JP 59281599 A JP59281599 A JP 59281599A JP 28159984 A JP28159984 A JP 28159984A JP H07117760 B2 JPH07117760 B2 JP H07117760B2
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/06Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor characterised by the photoconductive material being organic
    • G03G5/0664Dyes
    • G03G5/0675Azo dyes
    • G03G5/0687Trisazo dyes
    • G03G5/0688Trisazo dyes containing hetero rings

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は半導体レーザープリンター用、カラー複写機
用、高速複写機用等に好適な電子写真感光体に関する。
従来技術 近年、有機光導電材料を感光層の主成分とした有機感光
体の開発が盛んに行なわれているが、特に感光層を電荷
発生材料を主成分とする電荷発生層と電荷輸送材料を主
成分とする電荷輸送層とに分けた機能分離型有機感光体
の研究、開発が多く行なわれて来ている。
機能分離型の感光体における電荷発生材料として多くの
化合物が提案されている。例えば、特公昭44-16474号公
報にはモノアゾ顔料を用いたものが、特開昭47-37543号
公報にはジスアゾ顔料顔料を用いたものが、特開昭53-1
32347号公報にはトリスアゾ顔料を用いたものが知られ
ている。
しかしこれらの化合物を用いた場合にも、 (1)、実用上問題がなくても、高速複写機用としては
感度が低い。
(2)、可視域全般にわたつて吸収がないため、カラー
複写機用としては不適当である。
(3)、半導体レーザー光源を用いる電子写真方式プリ
ンター用の感光体としては極めて感度が低い。
等の欠点を有している。
しかもこれらの化合物を用いた感光体は残留電位、くり
返し使用等の安定性等の特性において必ずしも満足する
ものではない。
以上のような欠点の改善法の1つとして特開昭57-19576
7号公報に記載されるトリスアゾ顔料は可視域全般およ
び半導体レーザー光の波長域にわたつて吸収を持ち、上
記欠点(2)および/又は(3)に対して有効である。
またこのトリスアゾ顔料に特定のキヤリア輸送材料を組
合せると、例えば特開昭57-1916241号公報、特開昭57-1
96242号公報、特開昭57-1916243号公報、特開昭57-1962
44号公報、特開昭57-1916245号公報、特開昭57-196246
号公報、特開昭57-1916247号公報、特開昭57-196248号
公報、特開昭57-1916249号公報に記載されるように感光
体に残留電位、くり返し使用時の安定性等の改善に有効
となる。
目的 本発明の目的は特定のX線回折値及び結晶形態を有する
特定のトリスアゾ顔料を用いるだけで、カラー複写機用
及び半導体レーザープリンター用としては勿論、高速複
写機用としてもきわめて高感度で、しかも残留電位、く
り返し使用時の安定性等の改善に有効な電子写真感光体
を提供することである。
構成 本発明の電子写真感光体は電荷発生層及び電荷輸送層を
からなる光導電層を有する電子写真感光体において、電
荷発生材料として、Cu−Kα線による粉末X線回折パタ
ーンで2θにおける回析相対強度が、4.3〜4.5°で14、
6.8〜7.3°で62、8〜9°で24、16°で47、18〜19°で
42、24°で51、26°で53に回折ピークを有する下記構造
式の非晶質トリスアゾ顔料を用いたことを特徴とするも
のである。本発明の非晶質とは、完全に結晶していない
状態をいう。
機能分離型有機感光体における電荷発生材料として有機
顔料を用いた場合に非晶形も含めて顔料の結晶形態によ
つて感光体の電子写真特性、特に感度は大きな影響を受
けるという問題がある。例えば特開昭56-116038号公報
には、結晶性のジスアゾ顔料が非晶形のそれと比較し
て、約5倍の感度を有していることが記載されている。
また特開昭59-81647号公報には、非晶形ジスアゾ顔料が
結晶形のそれより高感度であることが記載されている。
このように個々の有機顔料の結晶形態が感光体の感度に
及ぼす影響は予想できないので個々の有機顔料に対して
調べる必要がある。また有機顔料の結晶形態がどの様な
場合にどの様に現われるかも予想できないので、これも
個々の有機顔料に対して調べる必要がある。
一方、有機顔料の結晶形態は通常、粉末X線回折法で測
定される。X線管の対陰極として銅を用い、フイルター
としてニツケルを使用すれば、Cu−Kα線(1.5418Å)
が取り出せる。
本発明者らの研究によれば、前記式のトリスアゾ顔料は
粉末X線回折法(理学電気株式会社製ガイガーフレツク
スD−6C使用)に従つてCu−Kα線で管電流30KV、走査
速度毎分2°、時定数1秒で測定したところ、2θにお
ける回析相対強度が、4.3〜4.5°で15、6.8〜7.3°で6
2、8°で24、16°で47、16°で48、18°〜19°で40、2
4°で50、26°で51にピークを有する回折パターンを示
す場合に、本発明の目的すべてを満足する感光体ができ
ることを見い出した。
本発明に係るトリスアゾ顔料自体〔以下、化合物(I)
という。〕は特開昭57-195767号公報に記載の方法によ
り容易に合成することができる。
α型の回析パターンを有する化合物(I)を得るには、
例えば、以下のような方法がある。
先ず、化合物(I)を良溶媒(例えばエチレンジアミ
ン)に溶解した後、(A)群の貧溶媒により再沈澱させ
て得る方法、ただし、(B)群の貧溶媒より再沈澱を行
なうと、α型以外の回析パターンを示すようになる。
〔貧溶媒(A)〕ジクロルエタン,ジクロルメタン、ジ
メチルホルムアミド、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、ジオキサン、ピリジン、n−ブチルアミン、メチ
ルシクロヘキサンジエチルエーテルなどの溶媒群。
〔貧溶媒(B)〕テトラヒドロフラン、ベンゼン、トル
エン、クロルベンゼン、メタノール、エタノール、n−
ブロパノール、イソプロパノール、エチルセルソルブな
どの溶媒群。
なお、上記溶媒が各貧溶媒群の全てではないことは言う
までもない。しかしどのような溶媒を用いた場合に化合
物(I)が、どのような回析パターンを示すか推測でき
るものではないので、各々の場合について実験的に調べ
る必要がある。
良溶媒としてはエチレンジアミン、濃硫酸等が挙げられ
るが、熱ニトロベンゼンも良溶媒として使用することが
できる。
次いで、上記再沈澱処理によって得られ化合物(I)を
例えば、ボールミル、アトライター中で剪断力を与えな
がらシクロヘキサノン等の特定の溶媒で溶媒処理する方
法によってα型X線回析を示す化合物(I)を得ること
が可能となる。しかし、どれだけの剪断力を加えたとき
に、どのようなX線回析パターンを示すようになるか
は、実際にX線回析測定を行なつて調べる必要がある。
本発明の電荷発生層にはこのようなトリスアゾ顔料の
他、必要に応じて結着剤を併用することができる。この
ような結着剤としてはポリアミド、ポリウレタン、ポリ
エステル、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネー
トなどの縮合樹脂やポリビニルブチラール、ポリビニル
ケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾー
ル、ポリアクリルアミドなどのビニル重合体等が挙げら
れるが、絶縁性で接着性のある樹脂は全で使用できる。
なお電荷発生層中のα型回折パターンを有する化合物
(I)の割合は10重量%以上、好ましくは40重量%以上
が適当である。
一方、本発明の電荷輸送層は従来と同様、電荷輸送材料
及び前述のような結着剤を主成分として構成される。
電荷輸送材料としては高分子のものではポリ−N−ビニ
ルカルバゾール、ハロゲン化ポリ−N−ビニルカルバゾ
ール、ポリビニルピレン、ポリビニルインドロキノキサ
リン、ポリビニルジベンゾチオフエン、ポリビニルアン
トラセン、ポリビニルアクリジンなどのビニル重合体や
ピレン〜ホルムアルデヒド樹脂、ブロムピレン〜ホルム
アルデヒド樹脂、エチルカルバゾール〜ホルムアルデヒ
ド樹脂、クロロエチルカルバゾール〜ホルムアルデヒド
樹脂などの縮合樹脂が、また低分子(単量体)のもので
はフルオレノン、2−ニトロ−9−フルオレノン、2,7
−ジニトロ−9−フルオレノン、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、4H−インデノ〔1,2−b〕チオフエン−4−
オン、2−ニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフエ
ン−4−オン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2
−b〕チオフエン−4−オン、8H−インデノ〔2,1−
b〕チオフエン−8−オン、2−ニトロ−8H−インデノ
〔2,1−b〕チオフエン−8−オン、2−ブロム−6,8−
ジニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフエン、6,8−
ジニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフエン、2−
ニトロジベンゾチオフエン、2,8−ジニトロジベンゾチ
オフエン、3−ニトロ−ジジベンゾチオフエン−5−オ
キサイド、3,7−ジニトロ−ジベンゾチオフエン−5−
オキサイド、1,3,7−トリニトロ−ジベンゾチオフエン
−5,5−ジオキサイド、3−ニトロ−ジベンゾチオフエ
ン−5,5−ジオキサイド、3,7−ジニトロ−ジベンゾチオ
フエン−5,5−ジオキサイド、4−ジシアノメチレン−4
H−インデノ〔1,2−b〕チオフエン、6,8−ジニトロ−
4−ジシアノメチレン−4H−インデノ〔1,2−b〕チオ
フエン、1,3,7,9−テトラニトロベンゾ〔c〕シンノリ
ン−5−オキサイド、2,4,10−トリニトロベンゾ〔c〕
シンノリン−6−オキサイド、2,4,8−トリニトロベン
ゾ〔c〕シンノリン−6−オキサイド、2,4,8−トリニ
トロチオキサントン、2,4,7−トリニトロ−9,10−フエ
ナンスレンキノン、1,4−ナフトキノンベンゾ〔a〕ア
ンスラセン−7,12−ジオン、2,4,7−トリニトロ−9−
ジシアノメチレンフルオレン、テトラクロル無水フタル
酸、1−ブロムピレン、1−メチルピレン、1−エチル
ピレン、1−アセチルピレン、カルバゾール、N−エチ
ルカルバゾール、N−β−クロロエチルカルバゾール、
N−β−ヒドロキシエチルカルバゾール、2−フエニル
インドール、2−フエニルナフタレン、2,5−ビス(4
−ジエチルアミノフエニル)−1,3,4−オキサジアゾー
ル、2,5−ビス(4−ジエチルアミノフエニル)−1,3,4
−トリアゾール、1−フエニル−3−(4−ジエチルア
ミノスチリル)−5−(4−ジエチルアミノフエニル)
ピラゾリン、2−フエニル−4−(4−ジエチルアミノ
フエニル)−5−フエニルオキサゾール、トリフエニル
アミン、トリス(4−ジエチルアミノフエニル)メタ
ン、8,6−ビス(ジベンジルアミノ)−9−エチルカル
バゾール、4,4′−ビス(ジベンジルアミノ)ジフエニ
ルメタン、4,4′−ビス(ジベンジルアミノ)ジフエニ
ルエーテル、1,1−ビス(4−ジベンジルアミノフエニ
ル)プロパン、2−(a−ナフチル)−5−(4−ジエ
チルアミノフエニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2
−スチリル−5−(3−N−エチルカルバリル)−1,3,
4−オキサジアゾール、2−(4−メトキシフエニル)
−5−(3−N−エチルカルバゾリル)−1,3,4−オキ
サジアゾール、2−(4−ジエチルアミノフエニル)−
5−(3−N−エチルカルバゾリル)−1,3,4−オキサ
ジアゾール、9−(4−ジエチルアミノスチル)アント
ラセン、9−(4−ジメチルアミノスチリル)アントラ
セン、a−(9−アニトリル)−β−(3−N−エチル
カルバゾリル)エチレン、5−メチル−2−(4−ジエ
チルアミノスチリル)ベンゾオキサゾール、9−(4−
ジメチルアミノベンジリデン)フルオレン、N−エチル
−3−(9−フルオレニリデン)カルバゾール、2,6−
ビス(4−ジエチルアミノスチリル)ピリジン、メチル
フエニルヒドラゾノ−3−メチリデン−9−エチルカル
バゾール、メチルフエニルヒドラゾノ−4−メチリデン
−N,N−ジエチルアニリン、4−N,N−ジフエニルアミノ
スチルベン、α−フエニル−4−N,N−ジフエニルアミ
ノスチルベンなどが挙げられる。これらの電荷輸送材料
は単独または2種以上混合して使用される。
なお電荷輸送層中の電荷輸送材料の割合は10〜95重量
%、好ましくは30〜90重量%が適当である。
本発明の光導電層の、支持体としてはアルミニウム等の
金属板又は金属箔、アルミニウムなどの金属を蒸着した
プラスチツクフイルム、或いは導電処理を施した紙等が
使用される。
本発明の有機感光体を作るには基本的にはα型X線回折
パターンを示す化合物(I)を結着剤溶液中に分散し、
この分散液を支持体上に導電層及び/または接着層を介
して塗布乾燥して電荷発生層を形成した後、その上に電
荷輸送材料及び結着剤を溶解した溶液を塗布乾燥して電
荷輸送層を形成すればよいのであるが、電荷発生層を形
成する前に、前記分散液中の化合物(I)が所望のα型
X線回折パターンを示すかどうか予め確認しておく必要
がある。これは前述のように分散液の溶媒によつて回折
パターンが変化する可能性があるからである。なおこう
して形成される電荷発生層及び電荷輸送層の厚さは夫々
5μm以下(好ましくは2μm以下)、3〜50μm(好
ましくは5〜25μm)が適当である。
以下に本発明を実施例によつて説明する。
実施例1 化合物(I)をエチレンジアミンに溶解し、大量のジメ
チルホルムアミドに投入し、生じた沈澱を取してα型
X線回折パターンを示す化合物(I)を得た。このよう
に溶媒処理してなる化合物(I)20重量部と、シクロヘ
キサノン300重量部にブチラール樹脂(積水化学(株)
社製エスレツクBL−1)20重量部を溶解した液とをボー
ルミルで24時間、分散混合して分散液を得た。この分散
液を、アルミニウム導電層を有するポリエステルフイル
ム基板上に乾燥膜厚が0.2μmになるように塗布乾燥し
て電荷発生層を形成した。
その上に電荷輸送材料として下記構造式で示されるN−
メチル−N−フエニルヒドラゾノ−3−メチリデン−9
−エチルカルバゾール 10重量部とポリカーボネート(帝人化成(株)社製パン
ライトK−1300)10重量部とをテトラヒドロフラン80重
量部に溶解した溶液を乾燥膜厚が20μmになるように塗
布乾燥して電荷輸送層を形成し、本発明の電子写真感光
体を作成した。
なお前記溶媒処理した化合物(I)をシクロヘキサノン
分散液より遠心分離法で回収し、粉末X線回折法で測定
したところ、第1図に示す結果を得た。従つてこの化合
物(I)は本発明のα型X線回折パターンを満足する非
晶質であることがわかる。
次にこうして作成した感光体について、静電複写紙試験
装置((株)川口電機製作所製、SP428型)を用いて、
−6KVのコロナ放電を20秒間行なつて負に帯電せしめた
後、20秒間暗所に放置し、その時の表面電位Vpo(vol
t)を測定し、次いでタングステンランプによつてその
表面が照度20ルツクスになるように光を照射し、表面電
位がVpoの1/2になるまでの時間(sec)を求め、露光量E
1/2(1ux・sec)を算出した。また露光30秒後の表面電
位VRも測定した。
以上の測定結果ならびに10回及び300回くり返し測定後
の結果を下表に示す。
次に各波長における感度を調べるため、以下の測定を行
なつた。まず感光体を暗所でコロナ放電により帯電し、
ついで、その上にモノクロメーターを用いて分光した1
μW/cm2の単色光を照射した。
次にその表面電位が1/2に減衰するまでの時間(sec)を
求め(この時暗減衰による表面電位の減衰分は補正し
た)、更に露光量(μW・sec/cm2)を求めて光減衰速
度(volt・cm2・μW-1・sec-1)を算出した。
この分光感度の結果を第2図に示す。
以上の結果より本実施例の感光体は高感度かつ、可視お
よび半導体レーザー波長域に感度を有し、また、くり返
し疲労性にすぐれていることがわかる。
比較例1 実施例1と同じ方法で溶剤処理してなる化合物(I)20
重量部と、テトラヒドロフラン300重量部にブチラール
樹脂(積水化学(株)社製エスレツクBL−1)20重量部
を溶解した液とをボールミルで24時間、分散混合して分
散液を得た。この分散液をアルミニウム導電層を有する
ポリエステルフイルム基体上に乾燥膜厚が0.2μmにな
るよう塗布乾燥して電荷発生層を形成した。
その上に実施例1と同じ方法でキヤリア輸送層を設け
た。
なお前記溶剤処理した化合物(I)をテトラヒドロフラ
ン分散液より遠心分離法で回収し、粉末X線回折法で測
定したところ第3図に示す結果を得た。この図より、本
比較例の感光体に用いた化合物(I)は明らかにα型回
折パターンとは異なる回折を示していることがわかる。
上記感光体の特性を実施例1と同じ方法で測定したとこ
ろ、下表および第4図の結果を得た。
以上の比較例より、α型とは異なる回折を有する化合物
(I)はα型の化合物(I)を用いた本発明の感光体と
比較して電子写真特性が劣ることが明らかである。
実施例2 実施例1と同じ方法で溶剤処理してなる化合物(I)20
重量部と、シクロヘキサノン200重量部にブチラール樹
脂(積水化学(株)社製エスレツクBL−1)20重量部を
溶解した液とをボールミルで24時間、分散混合して、分
散液を得た。
これにテトラヒドロフラン200重量部をゆつくり加え、
電荷発生層の塗膜乾燥速度が速くなるよう、分散液を調
整した。この分散液をアルミニウム導電層を有するポリ
エステルフイルム基体上に乾燥膜厚が0.2μmになるよ
う塗布乾燥して電荷発生層を形成した。
その上に実施例1と同じ方法で電荷輸送層を設けた。
なお前記溶剤処理した化合物(I)をシクロヘキサノン
/テトラヒドロフラン混合溶媒分散液より遠心分離で回
収し、粉末X線回折法で測定したところ、第1図と全く
同じ回折パターンを示した。すなわち、本実施例におい
てはテトラヒドロフランを用いたにも拘わらず比較例1
のような結晶変質を生じていないことがわかる。
上記感光体の特性を下表に示す。なお分光感度は実施例
1(第2図)とほとんど同じ曲線を示した。
比較例2 実施例1と同じ方法で溶媒処理してなる化合物(I)20
重量部と、ジオキサン300重量部にブチラール樹脂(積
水化学(株)社製エスレツクBM−S)20重量部を溶解し
た液とをボールミルで24時間、分散混合して分散液を得
た。この分散液を、アルミニウム導電層を有するポリエ
ステルフイルム基体上に乾燥膜厚が0.2μmになるよう
塗布乾燥して電荷発生層を形成した。
その上に、電荷輸送材料として下記構造式で示される化
合物 10重量部とポリカーボネート(帝人化成(株)社製パン
ライトK−1300)10重量部とをテトラヒドロフラン80重
量部に溶解した溶液を乾燥膜厚が20μmになるように塗
布乾燥して電荷輸送量を形成し、本発明の電子写真感光
体を作成した。
なお前記溶媒処理した化合物(I)をジオキサン分散液
より遠心分離法で回収し、粉末X線回折法で測定したと
ころ、第5図に示す結果を得た。
上記感光体の特性を下記に示す。780nmの光減衰速度=1
050volt・cm2/μW・sec 比較例3 実施例1と同じ方法で溶媒処理してなる化合物(I)20
重量部と、トルエン300重量部にブチラール樹脂(積水
化学(株)社製エスレツクBM−S)20重量部を溶解した
液とをボールミルで24時間、分散混合して分散液を得
た。この分散液を、アルミニウム導電層を有するポリエ
ステルフイルム基体上に乾燥膜厚が0.2μmになるよう
塗布乾燥して電荷発生層を形成した。
その上に、比較例2と同じ方法で電荷輸送層を設けた。
なお前記溶媒処理した化合物(I)をトルエン分散液よ
り遠心分離法で回収し、粉末X線回折法で測定したとこ
ろ、第6図に示す結果を得た。この図より本比較例の感
光体に用いた化合物(I)は明らかにα型回折パターン
とは異なる回折を示していることがわかる。
上記感光体の特性を下記に示す。本比較例の感光体は比
較例2のそれより劣つていることがわかる。
780nmの光減衰速度=180volt・cm2/μW・sec 比較例4 実施例1と同じ方法で溶媒処理してなる化合物(I)20
重量部と、メチルシクロヘキサン300重量部とを24時間
分散混合して分散液を得た。
次に厚さ0.2mmのアルミニウム基板上に可溶性ナイロン
(東レ(株)製アミランCM-8000)のエタノール溶液を
塗布乾燥して乾燥膜厚0.5μmの中間層を設けた後、そ
の上に上記分散液を乾燥膜厚が0.2μmになるよう塗布
乾燥して電荷発生層を形成した。
その上に、電荷輸送材料として下記構造で示される化合
10重量部とポリカーボネート(帝人化成(株)社製パン
ライトK−1300)10重量部とをテトラヒドロフラン80重
量部に溶解した溶液を乾燥膜厚が20μmになるように塗
布乾燥して電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作成
した。
なお前記溶媒処理した化合物(I)をメチルシクロヘキ
サン分散液より遠心分離法で回収し、粉末X線回折法で
測定したところ、第7図に示す結果を得た。
上記感光体の特性を下記に示す。
780nmの光減衰速度=960volt・cm2/μW・sec 効果 本発明のように電荷発生材料として特定のX線回折パタ
ーンを有する非晶質の特定のトリスアゾ顔料を用いるこ
とにより、可視領域および半導体レーザーの波長域にわ
たつて高感度、且つくり返し疲労特性にすぐれた機能分
離型の電子写真感光体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1及び2で用いた電荷発生層形成液中の
トリスアゾ顔料のX線回折パターン(本発明に属するX
線回折パターン)、第2図は実施例1及び2で作成した
感光体の分光感度曲線図、第3図及び第6図は夫々比較
例1及び3で用いた電荷発生層形成液中のトリスアゾ顔
料のX線回折パターン(本発明とは異なるX線回折パタ
ーン)、第4図は比較例1で作成した感光体の分光感度
曲線図、第5図及び第7図は夫々、比較例2及び4で用
いた電荷発生層形成液中のトリスアゾ顔料のX線回折パ
ターン(本発明に属するX線回折パターン)である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に電荷発生層及び電荷輸送
    層を順次設けた電子写真感光体において、電荷発生層の
    電荷発生材料として、Cu−Kα線による粉末X線回析パ
    ターンで2θにおける回析相対強度が、4.3〜4.5°で1
    4、6.8〜7.3°で62、8〜9°で24、16°で47、18〜19
    °で42、24°で51、26°で53に回析ピークを有する下記
    構造式の非晶質トリスアゾ顔料を用いたことを特徴とす
    る電子写真感光体。
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